JP2001134929A - 磁気記録媒体及び磁気記録装置 - Google Patents

磁気記録媒体及び磁気記録装置

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JP2001134929A
JP2001134929A JP31483599A JP31483599A JP2001134929A JP 2001134929 A JP2001134929 A JP 2001134929A JP 31483599 A JP31483599 A JP 31483599A JP 31483599 A JP31483599 A JP 31483599A JP 2001134929 A JP2001134929 A JP 2001134929A
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JP31483599A
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Toshitsugu Miyata
俊継 宮田
Masahiro Oka
正裕 岡
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 諸磁気特性(PW50、S/N等)に優れた、
高記録密度磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 非磁性基板上に少なくとも種子層及び磁
性層をこの順に設けてなる磁気記録媒体であって、種子
層がAlに対してNi含有量の多いNiAl合金からな
り、種子層膜厚が1〜500nmであることを特徴とす
る磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は磁気記録媒体に存
し、詳しくは磁気ディスク装置、フロッピーディスク装
置、磁気テープ装置等の磁気記録装置に用いられる高記
録密度磁気記録媒体に適した磁気記録媒体、およびこれ
を用いた磁気記録装置に存する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気ディスク装置、フロッピーデ
ィスク装置、磁気テープ装置等の磁気記録装置の適用範
囲は著しく増大され、その重要性が増すと共に、これら
の装置に用いられる磁気記録媒体について、その記録密
度の著しい向上が図られている。これらの磁気記録媒体
については、今後更に高記録密度化を達成することが要
求されており、そのために、より優れた信号パルス半値
幅(以下、PW50と略記する。)、信号対ノイズ比(以
下、S/Nと略記する。)が必要とされている。これら
の要求にこたえる媒体として、現在までにAl合金、ガ
ラスなどの非磁性基板上に、Crを主成分とする合金を
成膜し、その上にCo合金磁性層を成膜した媒体が各種
提案、実用化されている。なかでも、近年注目を集めて
いるのが、ガラス基板上にNiAl合金等のB2結晶構
造を有する種子層を設けた磁気記録媒体である。この様
な種子層を設けることによって、その上に設ける磁性層
等の粒径が微細化でき、S/Nが向上するという特徴が
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしこのNiAl合
金等の種子層に関しては、その最適組成、最適構造など
についてまだ十分な検討は行われておらず、PW50やS
/Nについては十分に改良されていないのが現状であ
る。近年の磁気記録媒体の開発競争環境下においては、
PW50における0.1nsec、S/Nにおける0.1
dBの改善はきわめて重要であり、このわずかな値の差
が、優れた磁気記録媒体の性能を左右する重要なものと
なっている。本発明は上記実状に鑑みてなされたもので
あって、磁気記録媒体におけるPW50、S/Nのさらな
る改善を目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
ついて鋭意検討した結果、非磁性基板上に設ける種子層
としてNiAl合金を用いた際に、Alに対してNi含
有量を多くし、且つ種子層膜厚を1〜500nmとする
ことによってPW50及びS/Nを更に改善できることを
みいだし本発明を完成させた。また種子層として、Cu
Kα特性X線(波長1.5418Å)に対するブラッグ
角2θの主要ピークを少なくとも44.118度±1
度及び81.176度±1度の範囲に有し、且つに
おけるピーク強度よりもにおけるピーク強度の方が大
きい、金属又は合金からなる種子層を設けることによっ
て、PW50及びS/Nを更に改善できることをみいだ
し、本発明を完成させた。
【0005】すなわち本発明の要旨は、非磁性基板上に
少なくとも種子層及び磁性層をこの順に設けてなる磁気
記録媒体であって、種子層がAlに比べてNi含有量の
多いNiAl合金からなり、かつ種子層の厚みが1〜5
00nmであることを特徴とする磁気記録媒体に存す
る。また本発明の他の要旨は、非磁性基板上に少なくと
も種子層、及び磁性層をこの順に設けてなる磁気記録媒
体であって、種子層がCuKα特性X線(波長1.54
18Å)に対するブラッグ角2θの主要ピークを4
4.118度±1度及び81.176度±1度の範囲
に有し、におけるピーク強度の方がのそれに対して
大きいことを特徴とする磁気記録媒体に存する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の磁気記録媒体は、非磁性基板上にAlに比べて
Ni含有量の多いNiAl合金からなる種子層を1〜5
00nmの膜厚で設けることを特徴とする。本発明にお
ける非磁性基板としては通常、必要に応じて無電解メッ
キ等により形成されたNiーP層を設けたアルミニウム
合金基板又はガラス基板が用いられるが、その他にSi
基板を含む樹脂基板、ポリカーボネート基板等の樹脂基
板、セラミックス基板、炭素基板等の各種非磁性基板を
用いることができる。例えば磁気ディスクにおいては、
ディスクの円周方向に磁気異方性を施す目的で磁気ディ
スクの円周方向に機械テキスチャを施しやすいことか
ら、Ni−P層を設けた基板が特に好ましい。また近年
の磁気ディスクの高速回転化に際して問題となるディス
クのぶれ(フラッタリング)抑制からは、より剛性の高
い、すなわちヤング率の大きな結晶化ガラス、強化ガラ
ス等のガラス基板が好ましい。本発明においては、この
様なガラス基板を用いるのが好ましい。
【0007】非磁性基板の表面は、いずれの基板を用い
る場合においても表面粗さ(Ra)が1nm以下、更に
は0.5nm以下であることが好ましい。これは近年の
磁気記録の急激な高密度化により、1ビットあたりの磁
気モーメントが著しく減少しており、そのため磁気モー
メントからの僅かな漏れ磁束を検出するために、通常フ
ライングヘッドとして用いる記録再生用ヘッドのさらな
る低浮上化が余儀なくされるので、基板表面はRaの小
さい、平滑性に優れた基板であることが重要となる。つ
まり低浮上した該ヘッドと基板表面との衝突確率が小さ
くなり、より有利となるからである。
【0008】本発明の磁気記録媒体の製造においては、
まず非磁性基板の洗浄・乾燥が行われるのが通常であ
り、その後種子層、磁性層等の各層を設ける。必要に応
じて非磁性基板表面にNi−P等の非磁性金属被覆層を
設けて、次いで種子層、磁性層等を設けてもよい。非磁
性金属被覆層を形成する手法としては、電解めっき法、
無電解めっき法、スパッタリング法、真空蒸着法、CV
D法など薄膜形成に用いられる従来の方法を利用するこ
とができる。導電性の材料からなる基板の場合であれば
電解めっきを使用することが可能である。非磁性金属被
覆層の膜厚は任意であるが、通常は50nm以上あれば
よい。ただし磁気記録媒体の生産性などを考慮すると5
0nm以上500nm以下であることが好ましい。さら
に好ましくは50nm以上300nm以下である。
【0009】また非磁性金属被覆層を成膜する領域は基
板表面全域が望ましいが、一部だけ、例えばテキスチャ
リングを施す領域のみでも実施可能である。さらには、
磁気ディスク等において磁気異方性を高めるために、基
板表面又は非磁性金属被覆層が形成された基板表面に同
心状テキスチャリングを施してもよい。ここで同心状テ
キスチャリングとは、例えば遊離砥粒とテキスチャーテ
ープを使用した機械式テキスチャリングやレーザー光線
などを利用したテキスチャリング加工、又はこれらを併
用することによって、円周方向に研磨することによって
基板円周方向に微小溝を多数形成した状態を指称する。
【0010】機械的テキスチャリングを施すための遊離
砥粒の種類としてはダイアモンド砥粒、中でも表面がグ
ラファイト化処理されているものが最も好ましい。機械
的テキスチャリングに用いられる砥粒としては他にアル
ミナ砥粒が広く用いられているが、特にテキスチャリン
グ溝に沿って磁化容易軸を配向させるという観点から考
えるとダイアモンド砥粒が極めて良い性能を発揮する。
本発明においては、非磁性基板上又は非磁性金属被覆層
上にAlに比べてNi含有量が多く、かつその膜厚が1
〜500nmのNiAl種子層も設ける。このようなN
iAl種子層を設けることによって、その上に設けるC
o合金磁性層の結晶配向を制御することができる。
【0011】本発明におけるNiAl種子層はAlに比
べてNi含有量が多く、その原子重量比は好ましくは5
1:49〜80:20、特に好ましくは51:49〜7
0:30である。膜厚は1〜500nmであり、中でも
10〜300nm、特に30〜100nmが好ましい。
1nmに満たないとNiAlの結晶粒子が十分に成長し
ていないことがあり、その上に形成するCr下地層やC
o合金磁性層の結晶粒子が好ましいものとならないこと
がある。また、500nmを超えるとNiAl層の結晶
粒子が粗大化することがあり、その上に形成するCr下
地層やCo合金磁性層の結晶粒子も粗大化し、PW50
S/Nが劣化することがある。NiAl合金におけるN
i含有量がAl含有量より多いことによって、NiAl
合金のX線回折プロファイルにおけるNiAl(11
0)面に対応した回折ピークの強度が増加、すなわちN
iAl(110)面優先配向が強化される。これはその
上に形成するCo合金のエピタキシャル成長にとって極
めて重要であり、NiAl(110)面優先配向が強化
されるに伴い、予期せぬことにCo(100)面が強化
されると同時にCo(002)面が抑制され、C軸がよ
り強く面内に配向したCo合金磁性層が形成されるので
ある。NiAl合金におけるNiとAlの原子重量比を
上述した範囲内とすることで、よりNiAl(110)
面優先配向が強化されるので好ましい。
【0012】また種子層として、金属または合金からな
り、CuKα特性X線(波長1.5418Å)に対する
ブラッグ角2θ(以下、X線回折プロファイル)の主要
ピークを少なくとも44.118度±1度、及び81.
176度±1度の範囲に有し、44.118度±1度の
範囲におけるピークの方が大きい種子層を設けること
で、磁気記録媒体のPW50やS/Nを向上させることが
できるので好ましい。X線回折プロファイルにおける4
4.118度±1度の範囲における主要ピークに対応す
る結晶面を優先配向させることは、その上に形成するC
r又はCr合金からなる下地層やCo合金磁性層のエピ
タキシャル成長にとって極めて重要であり、この面の配
向が強化されるに伴って、Co(100)面が強化さ
れ、同時にCo(002)面が抑制されることから、C
軸がより強く面内に配向したCo合金磁性層が形成され
るからである。尚、本発明においてはX線源としてCu
Kα,電圧、電流がそれぞれ50kV、200mAのも
のを用いる。測定中の試料は回転させず、X線回折装置
におけるθ角および2θ角の走査方法はcontinu
osscan(sampling幅:0.05°、走査
速度:3°/min、発散スリット:1°、散乱スリッ
ト:1°、受光スリット0.3mm)、stepsca
n(step幅:0.01°、走査速度:3sec/s
tep、発散スリット:1°、散乱スリット:1°、受
光スリット0.3mm)のうちいずれかの方法で行うも
のとする。
【0013】上述してきたNiAl種子層についても、
この様なX線回折プロファイルとなることが好ましく、
このためには上述した通りのNiAl原子重量比とし、
且つ膜厚を1〜500nm、中でも10〜300、特に
30〜100nmとするのが好ましい。
【0014】本発明におけるNiAl種子層は、B2構
造(立方体の4つの頂点にAl原子が、またその中心に
はNi原子を配置する結晶構造)を有し、かつ(11
0)面に優先配向するので、その上にCr又はCr合金
からなる下地層を設けることが好ましい。これは、この
下地層がBCC構造(立方体の4つの頂点とその中心に
原子を配置する体心立方格子構造、(112)面優先配
向)を有するので、NiAl(110)面配向が強化さ
れて成長したNiAl種子層上に形成されることで、下
地層のエピタキシャル成長が促進され、下地層の上に形
成されるCo合金磁性層における(002)配向の抑制
と(100)配向の強化がより強く同時に行われ、C軸
がより強く面内に配向した、高記録密度媒体に適したC
o合金磁性層が形成されるからである。
【0015】またさらに、下地層との結晶格子定数のマ
ッチング、耐酸化性、合金組織の粒界偏析の促進等を改
善するために、NiAl種子層において20原子%以下
の範囲でTi、V、Cr、Mn、Nb、Re、Mo、T
a、W、Pd、Hf、B等の元素を1種以上添加しても
よい。下地層としては、純Crの他、Crに第二、第三
元素を添加した合金などを使用し、Cr合金としてはC
r−X系合金(XはTi、Ta、W、V、Mo、Si、
Nb、Zr、Bなどから選ばれる1種又は2種以上の元
素)が好ましい。これらの第二、第三元素の含有量は、
それぞれの元素によって最適な量が異なるが、一般には
1〜50原子%、好ましくは5〜30原子%、更に好ま
しくは5〜20原子%である。下地層の膜厚は磁気記録
媒体の電磁特性等の要求に応じて適宜決めればよいが、
通常は1〜100nm、好ましくは5〜50nmであ
る。
【0016】磁性層としては通常、Co、CoCrTa
系合金、CoCrB系合金、CoNiCr系合金等が挙
げられる。さらには、磁気異方性を大きくするために、
これらにPtを添加したCoPt系合金、CoCrTa
Pt系合金、CoCrBPt系合金などのCo磁性合金
材料も用いられる。これらのCo磁性合金に更にNi、
Cr、Pt、Ta、W、Bなどの元素やSiO2 等の化
合物を加えても良く、この際には磁性層は、Co磁性合
金が分散層、SiO2 等が連続層となったグラニュラー
状態であってもよい。Co合金磁性層の膜厚は磁気記録
媒体の特性に応じて適宜決定すればよいが、通常5〜5
0nm、中でも5〜50nm、特に10〜25nmが好
ましい。また、磁性層を連続で2層以上重ねてもよく、
磁性層を非磁性層を介して2層以上重ねてもよい。
【0017】通常の場合、磁性層成膜後にカーボン等の
保護層を形成し、その後潤滑材を塗布するのが一般的で
ある。保護層としては、蒸着、スパッタ、プラズマCV
D、湿式法などの方法により、炭素膜、水素化あるいは
窒素化カーボン膜、SiC等の炭化物膜、TiN等の窒
化物膜、SiO2 等の酸化物膜等が、通常5〜30nm
の厚さで形成される。潤滑剤としては、フッ素系潤滑
剤、炭化水素系潤滑剤及びこれらの混合物等が、通常1
〜4nmの厚さで形成される。
【0018】なお本発明においては、その要旨を超えな
い範囲で、例えば上述の様に磁性層を2種以上の積層構
造としたもの、Cr又はCr合金下地層を複数層の積層
構造としたもの、Cr又はCr合金下地層と磁性層との
間にさらに非磁性CoCr等の中間層を設けて積層構造
としたもの等であってもよい。本発明において種子層、
下地層、磁性層等を形成する成膜装置の構成としては、
排気系ポンプにより到達真空度が1×10-6Torr以
下にまで排気可能な成膜装置であることが好ましい。成
膜装置の材質はステンレス、Alなど従来公知の任意の
金属材料を用いればよい。さらに成膜雰囲気をより清浄
な条件とするために、成膜装置内壁あるいはガス配管内
壁に特殊な表面処理を施してもよい。排気系は例えば、
ターボ分子ポンプ、クライオポンプ、油拡散ポンプ等の
メインポンプと、その後ろを排気するドライポンプ、ロ
ータリーポンプ、スクリュウポンプ等のバックポンプか
ら構成され、場合によってはそれらのポンプの負荷をさ
らに軽減するために、間にもう1つポンプを挿入するこ
とも可能である。成膜方法としては、スパッタリング
法、分子ビームエピタキシー法、イオンビームスパッタ
リング法、真空蒸着法など、従来公知の成膜方法を用い
ればよい。たとえばスパッタリングにおいては、スパッ
タリング装置のカソード構造としてターゲットと基板が
平行の配置となるプレーナー式、一対のターゲットが互
いに向かい合って基板を一対のターゲットの中心軸の垂
直二等分線上の位置に配置する対向ターゲット式いずれ
の方式を用いてもよい。スパッタリング装置のカソード
電源としては、DC電源、RF電源いずれを用いてもよ
い。基板からターゲットまでの距離は、目的の磁気記録
媒体を得るために適宜決定すればよい。さらに、成膜用
の真空槽の前に、予備的な真空槽を設置してもよく、真
空槽の配列は目的に応じて1個あるいは2個以上を連ね
た構造としてもよい。
【0019】種子層、下地層、磁性層等の形成方法とし
ては、高周波又は直流スパッタ、高周波又は直流マグネ
トロンスパッタ、高周波と直流結合型スパッタ、ECR
スパッタ、真空蒸着などの成膜方式のいずれでも良い。
また、成膜時の条件としても特に制限はなく、到達真空
度、基板加熱の方式と基板温度、スパッタリングガス
圧、バイアス電圧等は、成膜装置により適宜に決定され
る。例えば、スパッタリング成膜では、通常の場合、到
達真空度は1×10-6Torr以下、基板温度は室温〜
400℃、スパッタリングガス圧は1×10-3〜20×
10-3Torr、バイアス電圧は0〜500Vで成膜さ
れる。
【0020】上述したような成膜方法にあたっては、成
膜装置の構成を考慮して最適な製造条件を決定すればよ
い。成膜に当たっては、磁性層のCrの偏析を促進する
ために、基板を100〜350℃程度に加熱することが
好ましい。基板加熱は下地層成膜前に行っても良いし、
熱吸収率が低い透明な基板を使用する場合には、熱吸収
率を高くするためにNiAl種子層を成膜した後に加熱
しても良い。またNiAl種子層の上にCr又はCr合
金下地層を形成してから基板を加熱し、しかる後に第2
の同様の下地層を形成しても良い。さらには、NiAl
種子層を成膜した後、一旦大気中に取り出し、再び成膜
装置に挿入し、排気、基板加熱後、磁性層の成膜を行っ
てもよい。そして磁性層のCrの偏析をさらに促進する
ために、成膜後に再度加熱を行ってもよい。
【0021】本発明の磁気記録装置は、少なくとも上述
してきた磁気記録媒体と、これを記録方向に駆動する駆
動部と、記録部と再生部からなる磁気ヘッドと、磁気ヘ
ッドを磁気記録媒体に対して相対運動させる手段と、磁
気ヘッドへの信号入力と磁気ヘッドからの出力信号再生
を行うための記録再生信号処理手段を有する磁気記憶装
置である。上述の磁気ヘッドの再生部をMRヘッドで構
成することにより、高記録密度においても十分な信号強
度を得ることができ、1平方インチ当たり2ギガビット
以上の高記録密度を持った磁気記憶装置を実現すること
ができる。またこの磁気ヘッドを、浮上量が0.01μ
m以上0.05μm未満と、従来より低い高さで浮上さ
せると、出力が向上して高い装置S/Nが得られ、大容
量で高信頼性の磁気記憶装置を提供することができる。
また、最尤復号法による信号処理回路を組み合わせると
さらに記録密度を向上でき、例えば、トラック密度10
kTPI以上、線記録密度200kFCI以上、1平方
インチ当たり2Gビット以上の記録密度で記録・再生す
る場合にも十分なS/Nが得られる。
【0022】さらに磁気ヘッドの再生部を、互いの磁化
方向が外部磁界によって相対的に変化することによって
大きな抵抗変化を生じる複数の導電性磁性層と、その導
電性磁性層の間に配置された導電性非磁性層からなるG
MRヘッド、あるいはスピン・バルブ効果を利用したG
MRヘッドとすることにより、信号強度をさらに高める
ことができ、1平方インチ当たり3ギガビット以上、2
40kFCI以上の線記録密度を持った信頼性の高い磁
気記憶装置の実現が可能となる。
【0023】本発明によれば、非磁性基板上に種子層と
してAlに比べてNi含有量が多くかつ、その厚みが1
〜500nmのNiAl種子層を設け、好ましくはCr
又はCr合金からなる下地層を形成し、ついで磁性層を
形成することによって、より強く(100)配向した磁
性層が得られる。これにより、磁気記録媒体のPW50
S/Nを大幅に改善することができる。
【0024】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0025】実施例1 内径20mm、外形65mmのガラスディスク基板を表
面研磨してRa(中心線平均粗さ)約0.4〜0.5n
mに仕上げた。この非磁性基板を直流マグネトロンスパ
ッタ装置の前室に装着して排気し、真空圧が5×10-5
Torr以下に到達した後、真空圧が5×10-7Tor
r以下の高真空成膜室に導入した。その後、基板温度を
250℃まで昇温し、Arガスを5×10-3Torrま
で導入した後、スパッタリングによって52.8Ni−
47.2Al合金のNiAl種子層を60nm形成し、
その上にCr下地層を10nm形成した。そして引き続
き、66Co−20Cr−6B−8Pt(原子%)のC
oCrBPt(以下、Coと略して記する)合金磁性層
を18〜23nm成膜することにより、残留磁化(Br
t)と膜厚(t)の積であるBr*tが55〜75G*
μmの磁気記録媒体を作成し、そのPW50、S/Nを測
定した。結果を表1に示す。尚、PW50、S/Nの測定
はGuzikで行った。
【0026】比較例1 52.8Ni−47.2Al合金種子層60nmを設け
る代わりに、50Ni−50Al合金種子層を60nm
形成した以外は、実施例1と同様に磁気記録媒体を作成
し、PW50、S/Nを測定した。結果を表1に示す。
【0027】比較例2 52.8Ni−47.2Al合金種子層60nmを設け
る代わりに、45.8Ni−54.2Al合金種子層を
60nmを形成した以外は、実施例1と同様に磁気記録
媒体を作成し、PW50、S/Nを測定した。結果を表1
に示す。
【0028】
【表1】 表1 NiAl種子層 PW50(nsec) S/N(dB) 実施例1 52.8Ni−47.2Al 20.6 27.8 比較例1 50Ni−50Al 21.2 27.5 比較例2 45.8Ni−54.2Al 21.5 27.3
【0029】さらに、これら実施例及び比較例における
種子層のX線回折プロファイルを図1に纏めた。測定条
件は、測定中の試料は回転させず、CuKα特性X線
(波長1.5418Å)を用い、X線回折装置における
θ角および2θ角の走査方法はcontinuossc
an(sampling幅:0.05°、走査速度:
3.000°/min、発散スリット:1°、散乱スリ
ット:1°、受光スリット0.30mm)にて行った。
【0030】主要ピークの位置(2θ)は以下の通りで
ある。 実施例1:40.848、 43.701、 81.250 比較例1 41.692、 43.746、 81.201 比較例2 41.583、 43.699、 64.348、 81.148
【0031】図1からも明らかなとおり、上述のX線に
対するブラッグ角2θの主要ピークについて、実施例1
においては(44.118度±1度の範囲にあるNi
Al(110)に相当する主要ピーク)の方が、(8
1.176度±1度の範囲にあるNiAl(211)に
相当する主要ピーク)に比べて大きく、比較例において
はとの強度は同等程度(比較例1)か、又はの方
が大きい(比較例2)。そしてまたPW50及びS/Nを
比較しても、実施例1の方が比較例1及び2よりも優れ
ていることは明らかである。
【0032】以上の実験結果から、非磁性基板上に少な
くとも種子層、下地層、及び磁性層をこの順に設けてな
る磁気記録媒体であって、種子層がAlに比べてNi含
有量の多いNiAl合金でありかつ、種子層の厚みが1
〜500nmであることを特徴とする磁気記録媒体の実
施例におけるPW50、S/Nが、他の比較例のそれと比
べて優れていることがわかる。
【0033】
【発明の効果】上記記述した通り、本発明の磁気記録媒
体によれば、従来の構成の磁気記録媒体に比べ、著しく
優れたPW50、S/Nを示し、高密度記録に適した磁気
記録媒体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例における種子層のX線回折プ
ロファイルである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基板上に少なくとも種子層及び磁
    性層をこの順に設けてなる磁気記録媒体であって、種子
    層がAlに対してNi含有量の多いNiAl合金からな
    り、種子層膜厚が1〜500nmであることを特徴とす
    る磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 NiAl合金におけるNiとAlの原子
    重量比が51:49〜80:20であることを特徴とす
    る請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 非磁性基板の表面粗さ(Ra)が1〜1
    00nmであることを特徴とする請求項1または2に記
    載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 非磁性基板がガラス基板であることを特
    徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の磁気記録媒
    体。
  5. 【請求項5】 種子層と磁性層との間に、さらにCr又
    はCr合金からなる下地層を有することを特徴とする請
    求項1乃至4のいずれかに記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 非磁性基板上に少なくとも種子層及び磁
    性層をこの順に設けてなる磁気記録媒体であって、種子
    層が金属又は合金からなる層であって、かつCuKα特
    性X線(波長1.5418Å)に対するブラッグ角2θ
    の主要ピークを少なくとも以下のおよびの範囲に有
    し、におけるピーク強度よりもにおけるピーク強度
    の方が大きいことを特徴とする磁気記録媒体。 :44.118度±1度、:81.176度±1度
  7. 【請求項7】 磁気記録媒体と、少なくとも磁気記録媒
    体を記録方向に駆動する駆動部と、記録部と再生部から
    なる磁気ヘッドと、磁気ヘッドを磁気記録媒体に対して
    相対運動させる手段と、磁気ヘッドへの記録信号入力と
    磁気ヘッドからの再生信号出力を行うための記録再生信
    号処理手段を有する磁気記憶装置において、磁気記録媒
    体が請求項1乃至6のいずれかに記載の磁気記録媒体で
    あることを特徴とする磁気記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007119851A (ja) * 2005-10-27 2007-05-17 Nippon Kanizen Kk 黒色めっき膜およびその形成方法、めっき膜を有する物品
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