JP2001133924A - 熱現像方法とそれに用いる熱現像機、熱現像感光材料、マスク材料の形成方法及び画像形成方法 - Google Patents

熱現像方法とそれに用いる熱現像機、熱現像感光材料、マスク材料の形成方法及び画像形成方法

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JP2001133924A
JP2001133924A JP31349399A JP31349399A JP2001133924A JP 2001133924 A JP2001133924 A JP 2001133924A JP 31349399 A JP31349399 A JP 31349399A JP 31349399 A JP31349399 A JP 31349399A JP 2001133924 A JP2001133924 A JP 2001133924A
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heating
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heat
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Takeshi Sanpei
武司 三瓶
Kazuhiko Hirabayashi
和彦 平林
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 処理速度を上げて処理時間短縮をはかった場
合においても、感光材料の加熱による歪みや変形を極力
抑えて搬送性を良くし、感光材料の左右両端での濃度バ
ラツキを抑え、印刷製版用としたとき網点品質の劣化
や、処理時のスリキズや熱現像後の表面凹凸の発生がな
い熱現像方法とそれに用いる感光材料及びマスク材料の
形成方法を提供する。 【解決手段】 支持体上に少なくともハロゲン化銀、有
機銀粒子及び還元剤を有する熱現像感光材料を熱現像す
る方法において、(1)熱現像処理が115℃以上の加
熱工程Aを含む少なくとも3工程以上の加熱工程を有
し、(2)該加熱工程Aの前に8〜30℃低い加熱工程
Bを有し、かつ該加熱工程Aの後に8〜30℃低い加熱
工程Cを有することを特徴とする熱現像方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】熱現像方法とそれに用いる熱
現像機、熱現像感光材料、それを用いたマスク材料の形
成方法及び画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来印刷製版の分野では、画像形成材料
の湿式処理に伴う廃液が、作業性の上で問題となってお
り、近年では環境保全、省スペースの観点からも処理廃
液の減量が強く望まれている。そこで、レーザー・イメ
ージセッターにより効率的な露光が可能で、高解像度で
鮮明な黒色画像を形成することができる光熱写真材料に
関する技術が注目されている。
【0003】この技術として、例えば、米国特許第3,
152,904号、同3,487,075号及びD.モ
ーガン(Morgan)による「ドライシルバー写真材
料(Dry Silver Photographic
Materials)」(Handbook of
Imaging Materials,MarcelD
ekker,Inc.第48頁,1991)等に記載さ
れているように、支持体上に有機銀塩、感光性ハロゲン
化銀粒子、還元剤及びバインダーを含有する熱現像感光
材料が知られている。
【0004】しかし、上記の熱現像感光材料は画像を得
るために100℃以上の温度で加熱処理することが特徴
であるが、熱をかけることで材料にひずみや変形が生じ
搬送性に問題があった。また、感光材料の左右で濃度に
バラツキが生じやすいという問題もあった。特に処理速
度を上げて処理時間を短縮しようとした場合には、上記
の搬送性不良や濃度バラツキは顕著になり、さらに印刷
製版用感光材料としては網点品質の劣化が生じ、処理に
よるスリキズや処理後の表面凹凸の発生という問題もあ
った。又、硬調でランニング特性とリニアリティに優れ
た熱現像感光材料の画像形成方法を提供することは出来
ていなかった。印刷製版用としたときは、熱現像処理後
にマスク材料として用い、紫外光などでPS版等に露光
される工程があるが、従来は上記のようなマスク材料の
形成方法においても濃度バラツキ等の問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、処理速度を上げて処理時間短縮をはかった場合にお
いても、感光材料の加熱による歪みや変形を極力抑えて
搬送性を良くし、感光材料の左右両端での濃度バラツキ
を抑え、印刷製版用としたとき網点品質の劣化や、処理
時のスリキズや熱現像後の表面凹凸の発生がない熱現像
方法とそれに用いる感光材料及びマスク材料の形成方法
を提供することにある。
【0006】本発明の第2の目的は、感度、ガンマ、濃
度、寸法変化率、搬送性に加え、硬調でランニング特性
とリニアリティに優れた熱現像感光材料の画像形成方法
と熱現像機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記構
成の何れかを採ることにより達成される。
【0008】下記構成の〔1〕〜〔15〕は第1の本発
明目的に、又、〔16〕〜〔21〕は第2の本発明目的
に対応するものである。
【0009】〔1〕 支持体上に少なくともハロゲン化
銀、有機銀粒子及び還元剤を有する熱現像感光材料を熱
現像する方法において、(1)熱現像処理が115℃以
上の加熱工程Aを含む少なくとも3工程以上の加熱工程
を有し、(2)該加熱工程Aの前に8〜30℃低い加熱
工程Bを有し、かつ該加熱工程Aの後に8〜30℃低い
加熱工程Cを有することを特徴とする熱現像方法。
【0010】〔2〕 支持体上に少なくともハロゲン化
銀、有機銀粒子及び還元剤を有する熱現像感光材料を熱
現像する方法において、(1)該有機銀粒子が単分散粒
子であり、(2)熱現像処理が115℃以上の加熱工程
Aを含む少なくとも3工程以上の加熱工程を有し、
(3)該加熱工程Aの前に8〜30℃低い加熱工程Bを
有し、かつ該加熱工程Aの後に8〜30℃低い加熱工程
Cを有することを特徴とする熱現像方法。
【0011】〔3〕 支持体上に少なくともハロゲン化
銀、有機銀粒子及び還元剤を有する熱現像感光材料を熱
現像する方法において、(1)熱現像感光材料が硬調化
剤を含有し、(2)熱現像処理が115℃以上の加熱工
程Aを含む少なくとも3工程以上の加熱工程を有し、
(3)該加熱工程Aの前に8〜30℃低い加熱工程Bを
有し、かつ該加熱工程Aの後に8〜30℃低い加熱工程
Cを有することを特徴とする熱現像方法。
【0012】〔4〕 前記加熱工程Bが100℃以上で
あることを特徴とする〔1〕、〔2〕又は〔3〕記載の
熱現像方法。
【0013】〔5〕 前記加熱工程Aと前記加熱工程B
と前記加熱工程Cとの合計時間が50秒以下であること
を特徴とする〔1〕〜〔4〕の何れか1項記載の熱現像
方法。
【0014】〔6〕 支持体上に少なくともハロゲン化
銀、有機銀粒子及び還元剤を有する熱現像感光材料にお
いて、(1)熱現像処理が115℃以上の加熱工程Aを
含む少なくとも3工程以上の加熱工程を有し、(2)該
加熱工程Aの前に8〜30℃低い加熱工程Bを有し、か
つ該加熱工程Aの後に8〜30℃低い加熱工程Cを有す
る加熱工程で処理されることを特徴とする熱現像感光材
料。
【0015】〔7〕 支持体上に少なくともハロゲン化
銀、有機銀粒子及び還元剤を有する熱現像感光材料にお
いて、(1)熱現像処理が115℃以上の加熱工程Aを
含む少なくとも3工程以上の加熱工程を有し、(2)該
加熱工程Aの前に8〜30℃低い加熱工程Bを有し、か
つ該加熱工程Aの後に8〜30℃低い加熱工程Cを有す
る加熱工程で処理され、(3)該有機銀粒子が単分散粒
子であることを特徴とする熱現像感光材料。
【0016】〔8〕 支持体上に少なくともハロゲン化
銀、有機銀粒子及び還元剤を有する熱現像感光材料にお
いて、(1)熱現像処理が115℃以上の加熱工程Aを
含む少なくとも3工程以上の加熱工程を有し、(2)該
加熱工程Aの前に8〜30℃低い加熱工程Bを有し、か
つ該加熱工程Aの後に8〜30℃低い加熱工程Cを有す
る加熱工程で処理され、(3)該熱現像感光材料が硬調
化剤を含有することを特徴とする熱現像感光材料。
【0017】
〔9〕 前記加熱工程Bが100℃以上で
あることを特徴とする〔6〕、〔7〕又は〔8〕記載の
熱現像感光材料。
【0018】〔10〕 前記加熱工程Aと前記加熱工程
Bと前記加熱工程Cとの合計時間が50秒以下であるこ
とを特徴とする〔6〕〜
〔9〕の何れか1項記載の熱現
像感光材料。
【0019】〔11〕 支持体上に少なくともハロゲン
化銀、有機銀粒子及び還元剤を有する熱現像感光材料
を、(1)熱現像処理が115℃以上の加熱工程Aを含
む少なくとも3工程以上の加熱工程を有し、(2)該加
熱工程Aの前に8〜30℃低い加熱工程Bを有し、かつ
該加熱工程Aの後に8〜30℃低い加熱工程Cを有する
加熱工程で加熱することによりマスク材料を形成するこ
とを特徴とするマスク材料の形成方法。
【0020】〔12〕 支持体上に少なくともハロゲン
化銀、有機銀粒子及び還元剤を有する熱現像感光材料
を、(1)該有機銀粒子が単分散粒子であり、(2)熱
現像処理が115℃以上の加熱工程Aを含む少なくとも
3工程以上の加熱工程を有し、(3)該加熱工程Aの前
に8〜30℃低い加熱工程Bを有し、かつ該加熱工程A
の後に8〜30℃低い加熱工程Cを有する加熱工程で加
熱することによりマスク材料を形成することを特徴とす
るマスク材料の形成方法。
【0021】〔13〕 支持体上に少なくともハロゲン
化銀、有機銀粒子及び還元剤を有する熱現像感光材料
を、(1)該熱現像感光材料が硬調化剤を含有し、
(2)熱現像処理が115℃以上の加熱工程Aを含む少
なくとも3工程以上の加熱工程を有し、(3)該加熱工
程Aの前に8〜30℃低い加熱工程Bを有し、かつ該加
熱工程Aの後に8〜30℃低い加熱工程Cを有する加熱
工程で加熱することによりマスク材料を形成することを
特徴とするマスク材料の形成方法。
【0022】〔14〕 前記加熱工程Bが100℃以上
であることを特徴とする〔11〕〜〔13〕の何れか1
項記載のマスク材料の形成方法。
【0023】〔15〕 前記加熱工程Aと前記加熱工程
Bと前記加熱工程Cとの合計時間が50秒以下であるこ
とを特徴とする〔11〕〜〔14〕の何れか1項記載の
マスク材料の形成方法。
【0024】〔16〕 支持体上に少なくとも有機銀粒
子、感光性ハロゲン化銀粒子、還元剤及び硬調化剤を含
有する熱現像感光材料を熱現像機で処理する画像形成方
法において、熱現像機の処理温度が100℃より高く1
17℃未満の第一加熱工程と画像形成のための117℃
以上140℃以下で加熱する第二加熱工程を有すること
を特徴とする画像形成方法。
【0025】〔17〕 熱現像感光材料がカルコゲン化
合物あるいは金化合物で化学増感されていることを特徴
とする〔16〕記載の画像形成方法。
【0026】〔18〕 〔16〕記載の画像形成方法に
用いる熱現像機が、待機時のラインスピードが0.1m
m/sec以上16mm/sec以下であることを特徴
とする熱現像機。
【0027】〔19〕 〔16〕記載の画像形成方法に
用いる熱現像機において、第一加熱部又は第二加熱部の
少なくとも何れかの感光面側に接する搬送部材の熱伝導
率が、0.10以上0.50以下であることを特徴とす
る熱現像機。
【0028】〔20〕 熱現像機が第一加熱部と第二加
熱部及び徐冷部を持ち、徐冷部第一ローラーまでの感光
面側に接するローラーの合計本数が10本以上であるこ
とを特徴とする〔16〕記載の画像形成方法。
【0029】〔21〕 熱現像機の処理のラインスピー
ドが22mm/sec以上40mm/sec以下である
ことを特徴とする〔16〕、〔17〕又は〔20〕記載
の画像形成方法。
【0030】本発明の加熱工程B、或いは第一加熱工程
はプレヒートとほぼ同義であり、実質的に画像形成が起
こらない。ここにおいて「実質的に画像形成が起こらな
い」とは、視覚的に画像が認識されないことを指す。実
際は潜像の補力等は起きていると推定されるが、加熱工
程B或いは第一加熱部においてそのような範囲の変化は
例え起こっていても本発明の範疇である。
【0031】熱現像感光材料をプレヒートして潜像の安
定性や熱膨張による濃度ムラを改良する技術について
は、従来から知られてはいた(例えば、USP5,27
9,928号、特開平11−218873号)。しか
し、これらに開示されている条件では、本発明の効果を
得ることは出来ない。
【0032】本発明の第1の発明において、熱現像感光
材料は、(1)熱現像処理が115℃以上の加熱工程A
を含む少なくとも3工程以上の加熱工程を有し、(2)
該加熱工程Aの前に8〜30℃低い加熱工程Bを有し、
かつ該加熱工程Aの後に8〜30℃低い加熱工程Cを有
する加熱工程で処理されることが特徴である。
【0033】加熱工程Aの温度は115℃以上であり、
好ましくは115〜140℃である。加熱工程Aの加熱
時間は1秒から45秒の間が好ましく、さらに好ましく
は2秒から30秒の間である。
【0034】加熱工程Bは、加熱工程Aの前に有り、加
熱工程Bの温度は加熱工程Aより8〜30℃低いことが
特徴であり、好ましくは8〜20℃低いことである。加
熱工程Bの加熱時間は1秒から45秒の間が好ましく、
さらに好ましくは2秒から30秒の間である。加熱工程
Bは本は明に係わる温度内であれば複数の段階を経て徐
々に上昇させることもできる。加熱工程Cは、加熱工程
Aの後に有り、加熱工程Cの温度は加熱工程Aより8〜
30℃低いことが特徴であり、好ましくは8〜20℃低
いことである。加熱工程Bの加熱時間は1秒から20秒
の間が好ましく、さらに好ましくは2秒から15秒の間
である。加熱工程Aと加熱工程Cとの合計時間が50秒
以下であることが好ましく、さらに好ましくは合計時間
は10秒から47秒の間である。さらに加熱工程Bの前
や加熱工程Cの後にさらに工程があってもよい。
【0035】本発明の第1の発明に用いることが出来る
熱現像機の具体的な構成例を構成断面図として示せば図
1の如くである。
【0036】機器の中央部にヒーターを持つ植毛鋼板部
材5とプレートヒーター4を内蔵した9の加熱工程Aが
ある。その上流側に搬送ローラー1及びハロゲンヒータ
ー3を内蔵した搬送ローラー2を持つ10の加熱工程
B、下流側に11の加熱工程Cがある。感光材料は加熱
工程Bの右端より矢印の如く搬入され、セラミックヒー
ターを内蔵した搬送ローラー6と植毛鋼板7に圧接され
た後排出されて現像処理は終わる。尚、8は脱臭装置で
ある。
【0037】類似の構成例を構成断面図として図2に示
す。この構成ではヒーターを内蔵した搬送ローラーが、
加熱工程A、加熱工程B及び加熱工程Cの全てに用いら
れている。尚、本例において12は冷却ファンである。
【0038】第2の本発明において、117℃以上でプ
レヒートを行うと処理条件によっては可視画像となって
しまい、117℃未満がプレヒートとしては好ましい。
101℃以上109℃以下がより好ましい。可視画のた
めの現像は117℃以上が好ましい。より好ましくは1
17℃以上130℃以下で、更に好ましくは120℃以
上127℃以下である。140℃をより高いと現像時間
を短くしなければならず通常の制御では難しくなってく
る(現像ムラ等の制御困難)。また、ベースが高温にな
りすぎて寸法精度が悪くなる。
【0039】図3に本発明の第2の発明についての構成
断面図を示して説明する。図3において100は感光材
料の搬入部であり、続いて101は第1加熱工程、10
2は第2加熱工程で、103が徐冷部あり、熱現像機中
をこの順に感光材料が通って排出される。図中の104
は断熱材である。尚、性能テストに用いるため、105
はヒーター部で加熱工程長を調節出来るように、取り外
し可能なヒーターブロックを組み合わせて構成されてい
る。又、107は毛足が約1.5mmのビロードの起毛
材を張り付けたパネルヒーターであり、やはり加熱工程
長を調整出来るように複数のブロックで構成されてい
る。
【0040】さらに108のごとく二重丸に書かれたロ
ーラーはハロゲンランプ内蔵の加熱ローラーであり、一
重丸で書かれたローラーは搬送用ローラー109であ
る。
【0041】図4は、図3の構成を有する熱現像機のバ
リエーションを示すものであり、図の左側が感光材料の
搬入部とそれに続く第1加熱工程、右側が第2加熱工程
とそれに続く徐冷部である。熱現像条件を変えるため各
工程の長さを変えた例を示している。
【0042】上記の各加熱工程は公知の加熱手段を用い
ることができる。例えば、ローラー内部にハロゲンヒー
ターやセラミックヒーターなどの加熱手段を有している
もの、ドラム内部にハロゲンヒーターやセラミックヒー
ターなどの加熱手段を有しているもの、各加熱工程を遮
蔽してその中を面ヒーターで加熱するもの、植毛した鋼
板を裏から面ヒーターで加熱したものなどの加熱方法が
ある。
【0043】本発明において加熱工程を有する熱現像機
は、例えば特開平9−297384号、同9−2973
85号、同9−297386号に開示されているような
ヒートドラム方式の自動熱現像機や、WO98/274
58号に開示されているような平面搬送型の自動熱現像
機が好ましく用いられる。特に印刷製版用の用途に用い
る熱現像感光材料の場合は、寸法安定性を良好にするた
めに平面搬送型の自動熱現像機で処理されることが好ま
しい。
【0044】さらに特開平11−133572号に記載
されているような固定された加熱体に感光材料の一方の
面に接触し、感光材料の他方の面を複数のローラーで加
熱体に押さえつけながら感光材料を搬送する装置を用い
て熱現像処理することも好ましい。
【0045】又、待機時のラインスピードは、0.1m
m/sec以上16mm/sec以下が好ましく、0.
1mm/sec以上10mm/sec以下がより好まし
い。待機している時にローラーが速く回転すると対流が
起き外気の流入があり温度変化が大きくなってしまう。
そのため待機時のローラーの回転は遅い方が良い。但し
0mm/secにしてしまうと上下ローラー等の搬送部
材の接点に汚れが蓄積し感材に付着してしまう。
【0046】感光面側に接する搬送部材の熱伝導率は
0.10以上0.50以下が好ましく、0.10以上
0.30以下がより好ましい。材料として好ましいの
は、シリコンゴム、フッ素ゴム、エボナイト、天然ゴム
などがある。0.50より大きいと感光面と搬送部材が
接触しているところで急激に現像が速まり、小さな接触
ムラをひろって現像ムラが大きくなったり、寸法安定性
が劣化する。0.10未満であるとローラー(搬送部
材)が何周か感光材料に接した後の温度低下が大きく、
感光材料後端で充分な熱を得られなくなり濃度低下が起
きてしまう。
【0047】バッキング側に接する搬送部材の熱伝導率
は0.10以上0.50以下が好ましいが、0.50以
上でもよい。感光層に熱が達するまでには支持体が加熱
される必要があり、支持体が緩衝となるため金属のよう
な熱伝導率が高い部材が接触しても濃度ムラの発生はな
い(問題となるレベルではない)。
【0048】第一加熱部と第二加熱部及び徐冷部第一ロ
ーラーまでの感光面側に接するローラー本数が10本以
上が好ましい。より好ましくは15本以上である。ロー
ラーは多いほど良いが、上限については熱現像機の現実
的な大きさからして30本程度である。感光材料の加熱
については輻射熱によるもの、暖められた空気によるも
の等があるがどちらも制御が難しい。加熱されたローラ
ーに接触して感光材料が加熱/現像される方が、接触時
には現像が速く進み、非接触時には非常に遅いため制御
がしやすい。また、より多くのローラーに接触する方が
ローラー接触によって受け取る熱量のばらつきを緩和で
きるため写真性能の安定が得られる。
【0049】本発明においては熱現像機の処理のライン
スピードが22mm/sec以上40mm/sec以下
でより効果が見られ、より好ましくは22mm/sec
以上30mm/sec以下である。
【0050】本発明に於いて有機銀塩は還元可能な銀源
であり、還元可能な銀イオン源を含有する有機酸及びヘ
テロ有機酸の銀塩、特に長鎖(10〜30、好ましくは
15〜25の炭素原子数)の脂肪族カルボン酸及び含窒
素複素環が好ましい。配位子が、4.0〜10.0の銀
イオンに対する総安定定数を有する有機又は無機の銀塩
錯体も有用である。好適な銀塩の例は、Researc
h Disclosure(以下、RDとする)第17
029及び29963に記載されており、次のものがあ
る。
【0051】有機酸の塩(例えば、没食子酸、シュウ
酸、ベヘン酸、アラキジン酸、ステアリン酸、パルミチ
ン酸、ラウリン酸等の塩);銀のカルボキシアルキルチ
オ尿素塩(例えば、1−(3−カルボキシプロピル)チ
オ尿素、1−(3−カルボキシプロピル)−3,3−ジ
メチルチオ尿素等);アルデヒドとヒドロキシ置換芳香
族カルボン酸とのポリマー反応生成物の銀錯体(例え
ば、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒ
ド、ブチルアルデヒド等)、ヒドロキシ置換酸類(例え
ば、サリチル酸、安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息
香酸、5,5−チオジサリチル酸))、チオン類の銀塩
又は錯体(例えば、3−(2−カルボキシエチル)−4
−ヒドロキシメチル−4−(チアゾリン−2−チオ
ン)、及び3−カルボキシメチル−4−チアゾリン−2
−チオン)、イミダゾール、ピラゾール、ウラゾール、
1,2,4−チアゾール及び1H−テトラゾール、3−
アミノ−5−ベンジルチオ−1,2,4−トリアゾール
及びベンゾトリアゾールから選択される窒素酸と銀との
錯体又は塩;サッカリン、5−クロロサリチルアルドキ
シム等の銀塩;及びメルカプチド類の銀塩。これらの
内、好ましい銀源はベヘン酸銀、アラキジン酸及び/又
はステアリン酸である。
【0052】有機銀塩化合物は、水溶性銀化合物と銀と
錯形成する化合物を混合することにより得られるが、正
混合法、逆混合法、同時混合法、特開平9−12764
3号に記載されている様なコントロールドダブルジェッ
ト法等が好ましく用いられる。例えば、有機酸にアルカ
リ金属塩(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
など)を加えて有機酸アルカリ金属塩ソープ(例えば、
ベヘン酸ナトリウム、アラキジン酸ナトリウムなど)を
作製した後に、コントロールドダブルジェットにより、
前記ソープと硝酸銀などを添加して有機銀塩の結晶を作
製することが出来る。その際にハロゲン化銀粒子を混在
させてもよい。
【0053】本発明に於いて有機銀塩は平均粒径が2μ
m以下でありかつ単分散であることが好ましい。ここで
いう単分散とは後述するハロゲン化銀と同じ式で求めら
れるものであり、有機銀においては単分散とはハロゲン
化銀の場合と同義であり、有機銀の場合は分散度50%
以下をいう。更に好ましくは40%以下であり、特に好
ましくは0.1%以上30%以下となる粒子である。有
機銀塩の平均粒径とは、有機銀塩の粒子が、例えば球
状、棒状、或いは平板状の粒子の場合には、有機銀塩粒
子の体積と同等な球を考えたときの直径をいう。平均粒
径は好ましくは0.05〜1.5μm、特に0.05〜
1.0μmが好ましい。又、本発明の有機銀塩に於いて
は、全有機銀塩の60%以上が平板状粒子であることが
好ましい。本発明に於いて平板状粒子とは平均粒径と厚
さの比、いわゆる下記式で表されるアスペクト比(AR
と略す)が3以上のものをいう。
【0054】AR=平均粒径(μm)/厚さ(μm) 有機銀塩をこれらの形状にするためには、前記有機銀結
晶をバインダーや界面活性剤などと共にボールミルなど
で分散粉砕することで得られる。この範囲にすることで
濃度が高く、かつ画像保存性に優れた感光材料が得られ
る。
【0055】本発明に於いては感光材料の失透を防ぐた
めには、ハロゲン化銀及び有機銀塩の総量が銀量に換算
して1m2当たり0.5g以上2.2g以下であること
が好ましい。この範囲にすることで硬調な画像が得られ
る。又銀総量に対するハロゲン化銀の量は、質量比で5
0%以下、好ましくは25%以下、更に好ましくは0.
1〜15%の間である。
【0056】本発明の効果をより効果的に発現させるた
めには、感光材料の画像形成層側の層に硬調化剤が含有
されることが好ましい。硬調化剤としては、ビニル化合
物、ヒドラジン誘導体、4級オニウム化合物の少なくと
も1種を含有することが好ましい。
【0057】ビニル化合物は下記一般式(G)で、4級
オニウム化合物は下記一般式(P)で表される。
【0058】
【化1】
【0059】一般式(G)において、XとRはシスの形
で表示してあるが、XとRがトランスの形も一般式
(G)に含まれる。この事は具体的化合物の構造表示に
おいても同様である。
【0060】ヒドラジン誘導体としては、下記一般式
〔H〕で表される化合物が挙げられる。
【0061】
【化2】
【0062】式中、A0はそれぞれ置換基を有してもよ
い脂肪族基、芳香族基、複素環基又は−G0−D0基を、
0はブロッキング基を表し、A1、A2はともに水素原
子、又は一方が水素原子で他方はアシル基、スルホニル
基又はオキザリル基を表す。ここで、G0は−CO−
基、−COCO−基、−CS−基、−C(=NG11
−基、−SO−基、−SO2−基又は−P(O)(G1
1)−基を表し、G1は単なる結合手、−O−基、−S−
基又は−N(D1)−基を表し、D1は脂肪族基、芳香族
基、複素環基又は水素原子を表し、分子内に複数のD1
が存在する場合、それらは同じであっても異なってもよ
い。D0は水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、
アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル
チオ基、アリールチオ基を表す。好ましいD0として
は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基等
が挙げられる。
【0063】一般式〔H〕において、A0で表される脂
肪族基は、好ましくは炭素数1〜30のものであり、特
に炭素数1〜20の直鎖、分岐又は環状のアルキル基が
好ましく、例えばメチル基、エチル基、t−ブチル基、
オクチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基が挙げら
れ、これらは更に適当な置換基(例えば、アリール基、
アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、ア
リールチオ基、スルホキシ基、スルホンアミド基、スル
ファモイル基、アシルアミノ基、ウレイド基等)で置換
されていてもよい。
【0064】一般式〔H〕において、A0で表される芳
香族基は、単環又は縮合環のアリール基が好ましく、例
えばベンゼン環又はナフタレン環が挙げられ、A0で表
される複素環基としては、単環又は縮合環で窒素、硫
黄、酸素原子から選ばれる少なくとも一つのヘテロ原子
を含む複素環が好ましく、例えばピロリジン環、イミダ
ゾール環、テトラヒドロフラン環、モルホリン環、ピリ
ジン環、ピリミジン環、キノリン環、チアゾール環、ベ
ンゾチアゾール環、チオフェン環、フラン環が挙げられ
る。A0の芳香族基、複素環基及び−G0−D0基は置換
基を有していてもよい。A0として、特に好ましいもの
はアリール基及び−G0−D0基である。
【0065】又、一般式〔H〕において、A0は耐拡散
基又はハロゲン化銀吸着基を、少なくとも一つ含むこと
が好ましい。耐拡散基としては、カプラー等の不動性写
真用添加剤にて常用されるバラスト基が好ましく、バラ
スト基としては、写真的に不活性であるアルキル基、ア
ルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、フェニル
基、フェノキシ基、アルキルフェノキシ基等が挙げら
れ、置換基部分の炭素数の合計は8以上であることが好
ましい。
【0066】一般式〔H〕において、ハロゲン化銀吸着
促進基としては、チオ尿素、チオウレタン基、メルカプ
ト基、チオエーテル基、チオン基、複素環基、チオアミ
ド複素環基、メルカプト複素環基或いは特開昭64−9
0439号に記載の吸着基等が挙げられる。
【0067】一般式〔H〕において、B0はブロッキン
グ基を表し、好ましくは−G0−D0基であり、G0は−
CO−基、−COCO−基、−CS−基、−C(=NG
11)−基、−SO−基、−SO2−基又は−P(O)
(G11)−基を表す。好ましいG0としては−CO−
基、−COCO−基が挙げられ、G1は単なる結合手、
−O−基、−S−基又は−N(D1)−基を表し、D1
脂肪族基、芳香族基、複素環基又は水素原子を表し、分
子内に複数のD1が存在する場合、それらは同じであっ
ても異なってもよい。D0は水素原子、脂肪族基、芳香
族基、複素環基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基を表し、好ま
しいD0としては水素原子、アルキル基、アルコキシ
基、アミノ基等が挙げられる。A1、A2はともに水素原
子、又は一方が水素原子で他方はアシル基(アセチル
基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基等)、スル
ホニル基(メタンスルホニル基、トルエンスルホニル基
等)、又はオキザリル基(エトキザリル基等)を表す。
【0068】次に一般式〔H〕で表される化合物の具体
例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
【0069】
【化3】
【0070】
【化4】
【0071】
【化5】
【0072】
【化6】
【0073】
【化7】
【0074】
【化8】
【0075】
【化9】
【0076】更に好ましいヒドラジン誘導体は、下記一
般式(H−1)、(H−2)、(H−3)、(H−4)
で表される。
【0077】
【化10】
【0078】一般式(H−1)において、R11、R12
びR13はそれぞれ独立に置換もしくは無置換のアリール
基またはヘテロアリール基を表すが、アリール基として
具体的には、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナ
フチルなどが挙げられる。ヘテロアリール基として、具
体的にはトリアゾール残基、イミダゾール残基、ピリジ
ン残基、フラン残基、チオフェン残基などが挙げられ
る。また、R11、R12及びR13はそれぞれ任意の連結基
を介して結合してもよい。R11、R12及びR13が置換基
を有する場合、その置換基としては例えばアルキル基、
アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、
4級化された窒素原子を含むヘテロ環基、ヒドロキシル
基、アルコキシ基(エチレンオキシ基もしくはプロピレ
ンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオ
キシ基、アシルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボ
ニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル
基、ウレタン基、カルボキシル基、イミド基、アミノ
基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、ウレイド
基、チオウレイド基、スルファモイルアミノ基、セミカ
ルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、4
級のアンモニウム基、(アルキル、アリール、またはヘ
テロ環)チオ基、メルカプト基、(アルキルまたはアリ
ール)スルホニル基、(アルキルまたはアリール)スル
フィニル基、スルホ基、スルファモイル基、アシルスル
ファモイル基、(アルキルもしくはアリール)スルホニ
ルウレイド基、(アルキルもしくはアリール)スルホニ
ルカルバモイル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ
基、リン酸アミド基などが挙げられる。R 11、R12及び
13として、好ましくはいずれもが置換もしくは無置換
のフェニル基であり、より好ましくはR11、R12及びR
13のいずれもが無置換のフェニル基である。
【0079】R14はヘテロアリールオキシ基、ヘテロア
リールチオ基を表すが、ヘテロアリールオキシ基とし
て、具体的にはピリジルオキシ基、ピリミジルオキシ
基、インドリルオキシ基、ベンゾチアゾリルオキシ基、
ベンズイミダゾリルオキシ基、フリルオキシ基、チエニ
ルオキシ基、ピラゾリルオキシ基、イミダゾリルオキシ
基等が挙げられる。ヘテロアリールチオ基として、具体
的にはピリジルチオ基、ピリミジルチオ基、インドリル
チオ基、ベンゾチアゾリルチオ基、ベンズイミダゾリル
チオ基、フリルチオ基、チエニルチオ基、ピラゾリルチ
オ基、イミダゾリルチオ基等が挙げられる。R14とし
て、好ましくはピリジルオキシ基、チエニルオキシ基で
ある。
【0080】A1、A2はともに水素原子、又は一方が水
素原子で他方はアシル基(アセチル、トリフルオロアセ
チル、ベンゾイル等)、スルホニル基(メタンスルホニ
ル、トルエンスルホニル等)又はオキザリル基(エトキ
ザリル等)を表す。好ましくはA1、A2ともに水素原子
の場合である。
【0081】一般式(H−2)において、R21は置換も
しくは無置換のアルキル基、アリール基またはヘテロア
リール基を表すが、アルキル基として、具体的にはメチ
ル基、エチル基、t−ブチル基、2−オクチル基、シク
ロヘキシル基、ベンジル基、ジフェニルメチル基等が挙
げられる。アリール基及びヘテロアリール基として、具
体的にはR11、R12及びR13と同様のものが挙げられ
る。また、R21が置換基を有する場合の置換基の具体的
な例としては、R11、R12及びR13の置換基と同様のも
のが挙げられる。R21として好ましくはアリール基また
はヘテロアリール基であり、特に好ましくは置換もしく
は無置換のフェニル基である。
【0082】R22は水素原子、アルキルアミノ基、アリ
ールアミノ基、ヘテロアリールアミノ基を表すが、アル
キルアミノ基として、具体的にはメチルアミノ基、エチ
ルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ジメ
チルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチルメチルアミノ
基等が挙げられる。アリールアミノ基としてはアニリノ
基、ヘテロアリール基としてはチアゾリルアミノ基、ベ
ンズイミダゾリルアミノ基、ベンズチアゾリルアミノ基
等が挙げられる。R22として、好ましくはジメチルアミ
ノ基またはジエチルアミノ基である。A1、A2は一般式
(H−1)で記載したA1、A2と同様である。
【0083】一般式(H−3)において、R31、R32
一価の置換基を表すが、一価の置換基としては、R11
12及びR13の置換基として挙げられた基が挙げられる
が、好ましくは、アルキル基、アリール基、ヘテロアリ
ール基、アルコキシ基、アミノ基が挙げられる。更に好
ましくはアリール基またはアルコキシ基である。特に好
ましいのは、R31とR32の少なくとも一つがtert−
ブトキシ基であるものであり、別の好ましい構造は、R
31がフェニル基のとき、R32がtert−ブトキシ基で
ある。
【0084】G31、G32は−CO−基、−COCO−
基、−C(=S)−、スルホニル基、スルホキシ基、−
P(=O)R33−基又はイミノメチレン基を表し、R33
はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール
基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオ
キシ基、アリールオキシ基、アミノ基を表す。但し、G
31がスルホニル基のとき、G32はカルボニル基ではな
い。G31、G32として、好ましくは−CO−基、−CO
CO−基、スルホニル基または−CS−であり、より好
ましくは互いに−CO−基または互いにスルホニル基で
ある。A1、A2は一般式(H−1)で記載したA1、A2
と同様である。
【0085】一般式(H−4)において、R41、R42
よびR43は、一般式(H−1)におけるR11、R12およ
びR13と同義である。R41、R42およびR43として好ま
しくはいずれもが置換もしくは無置換のフェニル基であ
り、より好ましくはR41、R 42及びR43のいずれもが無
置換のフェニル基である。R44、R45は無置換または置
換アルキル基を表すが、具体的な例としてはメチル基、
エチル基、t−ブチル基、2−オクチル基、シクロヘキ
シル基、ベンジル基、ジフェニルメチル基等が挙げられ
る。R44、R45として好ましくは互いにエチル基であ
る。A1、A2は一般式(H−1)で記載したA1、A2
同様である。
【0086】以下に、本発明の一般式(H−1)〜(H
−4)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明は
これらに限定されるものではない。
【0087】
【化11】
【0088】
【化12】
【0089】
【化13】
【0090】
【化14】
【0091】
【化15】
【0092】
【化16】
【0093】
【化17】
【0094】これら本発明の一般式(H−1)〜(H−
4)で表される化合物は、公知の方法により容易に合成
することができる。例えば、米国特許第5,464,7
38号、同5,496,695号を参考にして合成する
ことができる。
【0095】その他に好ましく用いることのできるヒド
ラジン誘導体は、米国特許第5,545,505号カラ
ム11〜20に記載の化合物H−1〜H−29、米国特
許第5,464,738号カラム9〜11に記載の化合
物1〜12である。これらのヒドラジン誘導体は公知の
方法で合成することができる。
【0096】一般式(G)において、Xは電子吸引性基
を表し、Wは水素原子、アルキル基、アルケニル基、ア
ルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、
アシル基、チオアシル基、オキサリル基、オキシオキサ
リル基、チオオキサリル基、オキサモイル基、オキシカ
ルボニル基、チオカルボニル基、カルバモイル基、チオ
カルバモイル基、スルホニル基、スルフィニル基、オキ
シスルホニル基、チオスルホニル基、スルファモイル
基、オキシスルホニル基、チオスルホニル基、スルフィ
ナモイル基、ホスホリル基、ニトロ基、イミノ基、N−
カルボニルイミノ基、N−スルホニルイミノ基、ジシア
ノエチレン基、アンモニウム基、スルホニウム基、ホス
ホニウム基、ピリリウム基、インモニウム基を表す。
【0097】Rはハロゲン原子、ヒドロキシル基、アル
コキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アル
ケニルオキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニ
ルオキシ基、アミノカルボニルオキシ基、メルカプト
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ
基、アルケニルチオ基、アシルチオ基、アルコキシカル
ボニルチオ基、アミノカルボニルチオ基、ヒドロキシル
基又はメルカプト基の有機又は無機の塩(例えば、ナト
リウム塩、カリウム塩、銀塩等)、アミノ基、アルキル
アミノ基、環状アミノ基(例えば、ピロリジノ基)、ア
シルアミノ基、オキシカルボニルアミノ基、ヘテロ環基
(5〜6員の含窒素ヘテロ環、例えばベンツトリアゾリ
ル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル
基等)、ウレイド基、スルホンアミド基を表す。Xと
W、XとRは、それぞれ互いに結合して環状構造を形成
してもよい。XとWが形成する環としては、例えばピラ
ゾロン、ピラゾリジノン、シクロペンタンジオン、β−
ケトラクトン、β−ケトラクタム等が挙げられる。
【0098】一般式(G)について更に説明すると、X
の表す電子吸引性基とは、置換基定数σpが正の値をと
りうる置換基のことである。具体的には、置換アルキル
基(ハロゲン置換アルキル等)、置換アルケニル基(シ
アノビニル等)、置換・未置換のアルキニル基(トリフ
ルオロメチルアセチレニル、シアノアセチレニル等)、
置換アリール基(シアノフェニル等)、置換・未置換の
ヘテロ環基(ピリジル、トリアジニル、ベンゾオキサゾ
リル等)、ハロゲン原子、シアノ基、アシル基(アセチ
ル、トリフルオロアセチル、ホルミル等)、チオアセチ
ル基(チオアセチル、チオホルミル等)、オキサリル基
(メチルオキサリル等)、オキシオキサリル基(エトキ
サリル等)、チオオキサリル基(エチルチオオキサリル
等)、オキサモイル基(メチルオキサモイル等)、オキ
シカルボニル基(エトキシカルボニル等)、カルボキシ
ル基、チオカルボニル基(エチルチオカルボニル等)、
カルバモイル基、チオカルバモイル基、スルホニル基、
スルフィニル基、オキシスルホニル基(エトキシスルホ
ニル等)、チオスルホニル基(エチルチオスルホニル
等)、スルファモイル基、オキシスルフィニル基(メト
キシスルフィニル等)、チオスルフィニル基(メチルチ
オスルフィニル等)、スルフィナモイル基、ホスホリル
基、ニトロ基、イミノ基、N−カルボニルイミノ基(N
−アセチルイミノ等)、N−スルホニルイミノ基(N−
メタンスルホニルイミノ等)、ジシアノエチレン基、ア
ンモニウム基、スルホニウム基、ホスホニウム基、ピリ
リウム基、インモニウム基が挙げられるが、アンモニウ
ム基、スルホニウム基、ホスホニウム基、インモニウム
基等が環を形成したヘテロ環状のものも含まれる。σp
値として0.30以上の置換基が特に好ましい。
【0099】Wとして表されるアルキル基としては、メ
チル、エチル、トリフルオロメチル等が、アルケニル基
としてはビニル、ハロゲン置換ビニル、シアノビニル等
が、アルキニル基としてはアセチレニル、シアノアセチ
レニル等が、アリール基としてはニトロフェニル、シア
ノフェニル、ペンタフルオロフェニル等が、ヘテロ環基
としてはピリジル、ピリミジル、トリアジニル、スクシ
ンイミド、テトラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリ
ル、ベンゾオキサゾリル等が挙げられる。Wとしてはσ
p値が正の電子吸引性基が好ましく、更にはその値が
0.30以上のものが好ましい。
【0100】上記Rの置換基の内、好ましくはヒドロキ
シル基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキルチオ
基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基又はメルカプト基の
有機又は無機の塩、ヘテロ環基が挙げられ、更に好まし
くはヒドロキシル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基又
はメルカプト基の有機又は無機の塩、ヘテロ環基が挙げ
られ、特に好ましくはヒドロキシル基、ヒドロキシル基
又はメルカプト基の有機又は無機の塩が挙げられる。
【0101】また上記X及びWの置換基の内、置換基中
にチオエーテル結合を有するものが好ましい。
【0102】次に一般式(G)で表される化合物の具体
例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
【0103】
【化18】
【0104】
【化19】
【0105】
【化20】
【0106】
【化21】
【0107】
【化22】
【0108】
【化23】
【0109】
【化24】
【0110】
【化25】
【0111】
【化26】
【0112】
【化27】
【0113】
【化28】
【0114】
【化29】
【0115】
【化30】
【0116】
【化31】
【0117】
【化32】
【0118】
【化33】
【0119】
【化34】
【0120】
【化35】
【0121】
【化36】
【0122】
【化37】
【0123】
【化38】
【0124】
【化39】
【0125】
【化40】
【0126】
【化41】
【0127】一般式(P)において、Qは窒素原子又は
燐原子を表し、R1、R2、R3及びR4は、各々水素原子
又は置換基を表し、X-はアニオンを表す。尚、R1〜R
4は互いに連結して環を形成してもよい。
【0128】R1〜R4で表される置換基としては、アル
キル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、
ヘキシル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(ア
リル基、ブテニル基等)、アルキニル基(プロパルギル
基、ブチニル基等)、アリール基(フェニル基、ナフチ
ル基等)、複素環基(ピペリジニル基、ピペラジニル
基、モルホリニル基、ピリジル基、フリル基、チエニル
基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロチエニル基、
スルホラニル基等)、アミノ基等が挙げられる。
【0129】R1〜R4が互いに連結して形成しうる環と
しては、ピペリジン環、モルホリン環、ピペラジン環、
キヌクリジン環、ピリジン環、ピロール環、イミダゾー
ル環、トリアゾール環、テトラゾール環等が挙げられ
る。
【0130】R1〜R4で表される基はヒドロキシル基、
アルコキシ基、アリールオキシ基、カルボキシル基、ス
ルホ基、アルキル基、アリール基等の置換基を有しても
よい。R1、R2、R3及びR4としては、水素原子及びア
ルキル基が好ましい。
【0131】X-が表すアニオンとしては、ハロゲンイ
オン、硫酸イオン、硝酸イオン、酢酸イオン、p−トル
エンスルホン酸イオン等の無機及び有機のアニオンが挙
げられる。
【0132】更に好ましくは、下記一般式(Pa)、
(Pb)又は(Pc)で表される化合物、及び下記一般
式〔T〕で表される化合物である。
【0133】
【化42】
【0134】式中、A1、A2、A3、A4及びA5は、含
窒素複素環を完成させるための非金属原子群を表し、酸
素原子、窒素原子、硫黄原子を含んでもよく、ベンゼン
環が縮合しても構わない。A1、A2、A3、A4及びA5
で構成される複素環は、置換基を有してもよく、それぞ
れ同一でも異なっていてもよい。置換基としては、アル
キル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、ア
ルキニル基、ハロゲン原子、アシル基、アルコキシカル
ボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルホ基、カ
ルボキシル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリー
ルオキシ基、アミド基、スルファモイル基、カルバモイ
ル基、ウレイド基、アミノ基、スルホンアミド基、スル
ホニル基、シアノ基、ニトロ基、メルカプト基、アルキ
ルチオ基、アリールチオ基を表す。A1、A2、A3、A4
及びA5の好ましい例としては、5〜6員環(ピリジ
ン、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、ピラジ
ン、ピリミジン等の各環)を挙げることができ、更に好
ましい例として、ピリジン環が挙げられる。
【0135】BPは2価の連結基を表し、mは0又は1
を表す。2価の連結基としては、アルキレン基、アリー
レン基、アルケニレン基、−SO2−、−SO−、−O
−、−S−、−CO−、−N(R6)−(R6はアルキル
基、アリール基、水素原子を表す)を単独又は組み合わ
せて構成されるものを表す。Bpとして好ましくは、ア
ルキレン基、アルケニレン基を挙げることができる。
【0136】R1、R2及びR5は、各々炭素数1〜20
のアルキル基を表す。又、R1及びR 2は同一でも異って
いてもよい。アルキル基とは、置換或いは無置換のアル
キル基を表し、置換基としては、A1、A2、A3、A4
びA5の置換基として挙げた置換基と同様である。
【0137】R1、R2及びR5の好ましい例としては、
それぞれ炭素数4〜10のアルキル基である。更に好ま
しい例としては、置換或いは無置換のアリール基で置換
されたアルキル基が挙げられる。
【0138】Xp -は分子全体の電荷を均衡させるのに必
要な対イオンを表し、例えば塩素イオン、臭素イオン、
沃素イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、p−トルエンス
ルホナート、オキザラート等を表す。npは分子全体の
電荷を均衡させるのに必要な対イオンの数を表し、分子
内塩の場合にはnpは0である。
【0139】
【化43】
【0140】上記一般式〔T〕で表されるトリフェニル
テトラゾリウム化合物のフェニル基の置換基R5、R6
7は、水素原子もしくは電子吸引性度を示すハメット
のシグマ値(σp)が負のものが好ましい。
【0141】フェニル基におけるハメットのシグマ値は
多くの文献、例えばジャーナル・オブ・メディカルケミ
ストリー(Journal of Medical C
hemistry)20巻、304頁、1977年に記
載のC.ハンシュ(C.Hansch)等の報文等に見
ることが出来、特に好ましい負のシグマ値を有する基と
しては、例えばメチル基(σp=−0.17、以下何れ
もσp値)、エチル基(−0.15)、シクロプロピル
基(−0.21)、n−プロピル基(−0.13)、i
so−プロピル基(−0.15)、シクロブチル基(−
0.15)、n−ブチル基(−0.16)、iso−ブ
チル基(−0.20)、n−ペンチル基(−0.1
5)、シクロヘキシル基(−0.22)、アミノ基(−
0.66)、アセチルアミノ基(−0.15)、ヒドロ
キシ基(−0.37)、メトキシ基(−0.27)、エ
トキシ基(−0.24)、プロポキシ基(−0.2
5)、ブトキシ基(−0.32)、ペントキシ基(−
0.34)等が挙げられ、これらは何れも一般式〔T〕
の化合物の置換基として有用である。
【0142】nは1或いは2を表し、XT n-で表される
アニオンとしては、例えば塩化物イオン、臭化物イオ
ン、ヨウ化物イオン等のハロゲンイオン、硝酸、硫酸、
過塩素酸等の無機酸の酸根、スルホン酸、カルボン酸等
の有機酸の酸根、アニオン系の活性剤、具体的にはp−
トルエンスルホン酸アニオン等の低級アルキルベンゼン
スルホン酸アニオン、p−ドデシルベンゼンスルホン酸
アニオン等の高級アルキルベンゼンスルホン酸アニオ
ン、ラウリルスルフェートアニオン等の高級アルキル硫
酸エステルアニオン、テトラフェニルボロン等の硼酸系
アニオン、ジ−2−エチルヘキシルスルホサクシネート
アニオン等のジアルキルスルホサクシネートアニオン、
セチルポリエテノキシサルフェートアニオン等の高級脂
肪酸アニオン、ポリアクリル酸アニオン等のポリマーに
酸根のついたもの等を挙げることができる。
【0143】以下、4級オニウム化合物の具体例を下記
に挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0144】
【化44】
【0145】
【化45】
【0146】
【化46】
【0147】
【化47】
【0148】
【化48】
【0149】
【化49】
【0150】
【化50】
【0151】
【化51】
【0152】
【化52】
【0153】
【化53】
【0154】上記4級オニウム化合物は公知の方法に従
って容易に合成でき、例えば上記テトラゾリウム化合物
はChemical Reviews vol.55
p.335〜483に記載の方法を参考にできる。上記
硬調化剤の添加量は有機銀塩1モルに対し10-5〜1モ
ル、好ましくは10-4〜5×10-1モルの範囲である。
【0155】本発明の熱現像感光材料に使用される感光
性ハロゲン化銀は、シングルジェットもしくはダブルジ
ェット法などの写真技術の分野で公知の任意の方法によ
り、例えばアンモニア法乳剤、中性法、酸性法等のいず
れかの方法でも調製できる。この様に予め調製し、次い
で本発明の他の成分と混合して本発明に用いる組成物中
に導入することが出来る。この場合に感光性ハロゲン化
銀と有機銀塩の接触を充分に行わせるため、例えば感光
性ハロゲン化銀を調製するときの保護ポリマーとして米
国特許第3,706,564号、同第3,706,56
5号、同第3,713,833号、同第3,748,1
43号、英国特許第1,362,970号に記載された
ポリビニルアセタール類などのゼラチン以外のポリマー
を用いる手段や、英国特許第1,354,186号に記
載されているような感光性ハロゲン化銀乳剤のゼラチン
を酵素分解する手段、又は米国特許第4,076,53
9号に記載されているように感光性ハロゲン化銀粒子を
界面活性剤の存在下で調製することによって保護ポリマ
ーの使用を省略する手段等の各手段を適用することが出
来る。
【0156】ハロゲン化銀は、光センサーとして機能す
るものであり、画像形成後の白濁を低く抑える為又、良
好な画質を得るために粒子サイズが小さいものが好まし
い。平均粒子サイズで0.1μm以下、好ましくは0.
01〜0.1μm、特に0.02〜0.08μmが好ま
しい。ここでいう粒子サイズとは、ハロゲン化銀粒子が
立方体或いは八面体のいわゆる正常晶である場合には、
ハロゲン化銀粒子の稜の長さをいう。又、正常晶でない
場合、例えば球状、棒状、或いは平板状の粒子の場合に
は、ハロゲン化銀粒子の体積と同等な球を考えたときの
直径をいう。ハロゲン化銀は単分散であることが好まし
い。ここでいう単分散とは、下記式で求められる分散度
が40%以下をいう。更に好ましくは30%以下であ
り、特に好ましくは0.1%以上25%以下となる粒子
である。
【0157】分散度(%)=(粒径の標準偏差)/(粒
径の平均値)×100 本発明に於いては、ハロゲン化銀粒子が平均粒径0.1
μm以下でかつ単分散粒子であることがより好ましく、
この範囲にすることで画像の粒状性も向上する。
【0158】又、ハロゲン化銀の形状としては特に制限
はなく、立方体、八面体の所謂正常晶や正常晶でない球
状、棒状、平板状等の粒子がある。又ハロゲン化銀組成
としても特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化
銀、臭化銀、沃臭化銀、沃化銀のいずれであってもよ
い。
【0159】ハロゲン化銀の量はハロゲン化銀及び前述
の有機銀塩の総量に対し50%以下、好ましくは25%
〜0.1%、更に好ましくは15%〜0.1%の間であ
る。
【0160】本発明の熱現像感光材料に使用される感光
性ハロゲン化銀は又、英国特許第1,447,454号
明細書に記載されている様に、有機銀塩を調製する際に
ハライドイオン等のハロゲン成分を有機銀塩形成成分と
共存させこれに銀イオンを注入する事で有機銀塩の生成
とほぼ同時に生成させることが出来る。
【0161】更に他の方法としては、予め調製された有
機銀塩の溶液もしくは分散液、又は有機銀塩を含むシー
ト材料にハロゲン化銀形成成分を作用させて、有機銀塩
の一部を感光性ハロゲン化銀に変換することもできる。
このようにして形成されたハロゲン化銀は有機銀塩と有
効に接触しており好ましい作用を呈する。ハロゲン化銀
形成成分とは有機銀塩と反応して感光性ハロゲン化銀を
生成しうる化合物であり、どのような化合物がこれに該
当し有効であるかは次のごとき簡単な試験で判別する事
が出来る。即ち、有機銀塩と試験されるべき化合物を混
入し必要ならば加熱した後にX線回折法によりハロゲン
化銀に特有のピークがあるかを調べるものである。かか
る試験によって有効であることが確かめられたハロゲン
化銀形成成分としては、無機ハロゲン化物、オニウムハ
ライド類、ハロゲン化炭化水素類、N−ハロゲン化合
物、その他の含ハロゲン化合物があり、その具体例につ
いては米国特許第4,009,039号、同第3,45
7,075号、同第4,003,749号、英国特許第
1,498,956号及び特開昭53−27027号、
同53−25420号に詳説されている。
【0162】これらのハロゲン化銀形成成分は有機銀塩
に対して化学量論的には少量用いられる。通常、その範
囲は有機銀塩1モルに対し0.001モル乃至0.7モ
ル、好ましくは0.03モル乃至0.5モルである。ハ
ロゲン化銀形成成分は上記の範囲で2種以上併用されて
もよい。上記のハロゲン化銀形成成分を用いて有機銀塩
の一部をハロゲン化銀に変換させる工程の反応温度、反
応時間、反応圧力等の諸条件は作製の目的にあわせ適宜
設定する事が出来るが、通常、反応温度は20℃乃至7
0℃、その反応時間は0.1秒乃至72時間であり、そ
の反応圧力は大気圧に設定されるのが好ましい。この反
応は又、後述する結合剤として使用されるポリマーの存
在下に行われることが好ましい。この際のポリマーの使
用量は有機銀塩1質量部当たり0.01乃至100質量
部、好ましくは0.1乃至10質量部である。
【0163】上記した各種の方法によって調製される感
光性ハロゲン化銀は、例えば含硫黄化合物、金化合物、
白金化合物、パラジウム化合物、銀化合物、錫化合物、
クロム化合物又はこれらの組み合わせによって化学増感
する事が出来る。この化学増感の方法及び手順について
は、例えば米国特許第4,036,650号、英国特許
第1,518,850号各明細書、特開昭51−224
30号、同51−78319号、同51−81124号
各公報に記載されている。又ハロゲン化銀形成成分によ
り有機銀塩の一部を感光性ハロゲン化銀に変換する際
に、米国特許第3,980,482号明細書に記載され
ているように、増感を達成するために低分子量のアミド
化合物を共存させてもよい。
【0164】又、これらの感光性ハロゲン化銀には、照
度不軌や、階調調整の為に元素周期律表の6族から11
族に属する金属、例えばRh、Ru、Re、Ir、O
s、Fe等のイオン、その錯体又は錯イオンを含有させ
ることが出来る。特に錯イオンとして添加するのが好ま
しく、例えば照度不軌のために〔IrCl6〕2-等のI
r錯イオンを添加してもよい。
【0165】本発明に於ける感光性ハロゲン化銀粒子の
化学増感法としては当業界でよく知られているようにカ
ルコゲンにて化学増感されていることが好ましい。即
ち、硫黄増感法、セレン増感法、テルル増感法、金化合
物や白金、パラジウム、イリジウム化合物等の貴金属増
感法や還元増感法を用いることができる。
【0166】熱現像感光材料がカルコゲン化合物で化学
増感されていることが好ましい。特開平9−29737
0号や特開平11−65020号でカルコゲン化合物や
金化合物による化学増感が開示されている。しかし効果
は高感度や高Dmaxでありランニング安定性やアミ%
バラツキの安定については記載がなく、本発明の課題及
び効果との関連性は認識されていない。本発明では有機
銀塩と混合する前にハロゲン化銀粒子にカルコゲン化合
物による化学増感を施すことが好ましい。
【0167】本発明で用いることのできる硫黄増感剤と
しては、ゼラチン中に含まれる硫黄化合物のほか、種々
の硫黄化合物、例えばチオ硫酸塩、チオ尿素類、チアゾ
ール類、ローダニン類等を用いることができる。具体例
は米国特許第1,574,944号、同第2,278,
947号、同第2,410,689号、同第2,72
8,668号、同第3,501,313号、同第3,6
56,955号に記載されたものである。
【0168】本発明で用いることのできるセレン増感剤
としては、従来公知の特許に開示されているセレン化合
物を用いることができる。即ち通常、不安定型セレン化
合物及び/又は非不安定型セレン化合物を添加して、高
温、好ましくは40℃以上で乳剤を一定時間撹拌するこ
とにより用いられる。不安定型セレン化合物としては特
公昭41−15748号、特公昭43−13489号、
特開平4−25832号、特開平4−109240号な
どに記載の化合物を用いることが好ましい。具体的な不
安定セレン増感剤としては、イソセレノシアネート類
(例えば、アリルイソセレノシアネートの如き脂肪族イ
ソセレノシアネート類)、セレノ尿素類、セレノケトン
類、セレノアミド類、セレノカルボン酸類(例えば、2
−セレノプコピオン酸、2−セレン酪酸)、セレノエス
テル類、ジアシルセレニド類(例えば、ビス(3−クロ
ロ−2,6−ジメトキシベンゾイル)セレニド)、セレ
ノホスフェート類、ホスフィンセレニド類、コロイド状
金属セレンなどが挙げられる。
【0169】本発明で用いられる非不安定型セレン化合
物としては特公昭46−4553号、特公昭52−34
492号及び特公昭52−34491号に記載の化合物
が用いられる。非不安定型セレン化合物としては例えば
亜セレン酸、セレノシアン化カリウム、セレナゾール
類、セレナゾール類の四級塩、ジアリールセレニド、ジ
アリールジセレニド、ジアルキルセレニド、ジアルキル
ジセレニド、2−セレナゾリジンジオン、2−セレノオ
キサゾリジンチオン及びこれらの誘導体等が挙げられ
る。
【0170】これらのセレン化合物のうち、好ましくは
以下の一般式(I)及び後記の一般式(II)が挙げられ
る。
【0171】
【化54】
【0172】一般式(I)中、Z1及びZ2はそれぞれ同
じでも異なっていてもよく、アルキル基(例えば、メチ
ル基、エチル基、t−ブチル基、アダマンチル基、t−
オクチル基)、アルケニル基(例えば、ビニル基、プロ
ペニル基)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、フェ
ネチル基)、アリール基(例えば、フェニル基、ペンタ
フルオロフェニル基、4−クロロフェニル基、3−ニト
ロフェニル基、4−オクチルスルファモイルフェニル
基、α−ナフチル基)、複素環基(例えば、ピリジル
基、チエニル基、フリル基、イミダゾリル基)、−NR
1(R2)、−OR3又は−SR4を表す。
【0173】R1、R2、R3及びR4はそれぞれ同じでも
異なっていてもよく、アルキル基、アラルキル基、アリ
ール基又は複素環基を表す。アルキル基、アラルキル
基、アリール基又は複素環基としてはZ1と同様な例が
挙げられる。
【0174】ただし、R1及びR2は水素原子又はアシル
基(例えば、アセチル基、プロパノイル基、ベンゾイル
基、ヘプタフルオロブタノイル基、ジフルオロアセチル
基、4−ニトロベンゾイル基、α−ナフトイル基、4−
トリフルオロメチルベンゾイル基)であってもよい。
【0175】一般式(I)中、好ましいZ1はアルキル
基、アリール基又は以下に規定する−NR1(R2)を表
し、Z2は以下に規定する−NR5(R6)を表す。R1
2、R5及びR6はそれぞれ同じでも異なっていてもよ
く、水素原子、アルキル基、アリール基、又はアシル基
を表す。
【0176】一般式(I)中、より好ましくはN,N−
ジアルキルセレノ尿素、N,N,N′−トリアルキル−
N′−アシルセレノ尿素、テトラアルキルセレノ尿素、
N,N−ジアルキル−アリールセレノアミド、N−アル
キル−N−アリール−アリールセレノアミドを表す。
【0177】
【化55】
【0178】一般式(II)中、Z3、Z4及びZ5はそれ
ぞれ同じでも異なっていてもよく、脂肪族基、芳香族
基、複素環基、−OR7、−NR8(R9)、−SR10
−SeR11、X1、水素原子を表す。
【0179】R7、R10及びR11は脂肪族基、芳香族
基、複素環基、水素原子又はカチオンを表し、R8及び
9は脂肪族基、芳香族基、複素環基又は水素原子を表
し、X1はハロゲン原子を表す。
【0180】一般式(II)において、Z3〜Z5、R7
11で表される脂肪族基は直鎖、分岐又は環状のアルキ
ル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基(例
えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロ
ピル基、t−ブチル基、n−ブチル基、n−オクチル
基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロペンチ
ル基、シクロヘキシル基、アリル基、2−ブテニル基、
3−ペンテニル基、プロパルギル基、3−ペンチニル
基、ベンジル基、フェネチル基)を表す。
【0181】一般式(II)において、Z3〜Z5、R7
11で表される芳香族基は単環又は縮環のアリール基
(例えば、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基、4
−クロロフェニル基、3−スルホフェニル基、α−ナフ
チル基、4−メチルフェニル基)を表す。
【0182】一般式(II)において、Z3〜Z5、R7
11で表される複素環基は窒素原子、酸素原子又は硫黄
原子のうち少なくとも一つを含む3〜10員環の飽和も
しくは不飽和の不飽和基(例えば、ピリジル基、チエニ
ル基、フリル基、チアゾリル基、イミダゾリル基、ベン
ズイミダゾリル基)を表す。
【0183】一般式(II)において、R7、R10及びR
11で表されるカチオンはアルカリ金属原子又はアンモニ
ウムを表し、X1で表されるハロゲン原子は、例えばフ
ッ素原子、塩素原子、臭素原子又は沃素原子を表す。
【0184】一般式(II)中、好ましくはZ3〜Z5は脂
肪族基、芳香族基又は−OR7を表し、R7は脂肪族基又
は芳香族基を表す。
【0185】一般式(II)中、より好ましくはトリアル
キルホスフィンセレニド、トリアリールホスフィンセレ
ニド、トリアルキルセレノホスフェート又はトリアリー
ルセレノホスフェートを表す。
【0186】以下に一般式(I)、(II)及び本発明で
使用可能なその他の化合物の具体例を示すが、本発明は
これに限定されるものではない。
【0187】
【化56】
【0188】
【化57】
【0189】
【化58】
【0190】
【化59】
【0191】本発明で用いられるテルル増感剤として
は、例えば、特開平4−204640号、同4−271
341号、同4−333043号、同5−303157
号、同6−027573号、同6−175258号、同
6−180478号、同6−208186号、同6−2
08184号、同6−317867号、同7−0925
99号、同7−098483号、同7−104415
号、同7−140579号、及びジャーナル・オブ・ケ
ミカル・ソサエティー・ケミカル・コミュニケーション
(J.Chem.Soc.Chem.Commun.)
635(1980)、S.パタイ(S.Patai)
編、ザ・ケミストリー・オブ・オルガニック・セレニウ
ム・アンド・テルリウム・コンパウンズ(The Ch
emistryof Organic Seleniu
m Telluriumcompounds)、Vo
l.1(1986)、同Vol.2(1987)などに
記載の化合物を用いることができる。
【0192】具体的な化合物としては、 (Te−a) ジアシルテルリド類、ビス(オキシカル
ボニル)テルリド類、ビス(カルバモイル)テルリド類
(具体的には例えば、ジベンゾイルテルリド、ビス
(2,6−ジメトキシベンゾイル)テルリド、ビス(エ
トキシカルボニル)テルリド、ビス(N−メチル−N−
フェニルカルバモイル)テルリド、ビス(N−ベンジル
−N−フェニルカルバモイル)テルリド) (Te−a′) ジアシルジテルリド類、ビス(オキシ
カルボニル)ジテルリド類、ビス(カルバモイル)ジテ
ルリド類(具体的には例えば、ジベンゾイルジテルリ
ド、ビス(N−メチル−N−フェニルカルバモイル)ジ
テルリド、ビス(N,N−ジフェニルカルバモイル)ジ
テルリド) (Te−b) P=Te結合を有する化合物(例えば、
ホスフィンテルリド類(例えば、トリブチルホスフィン
テルリド、トリiso−ブチルホスフィンテルリド、ト
リiso−プロピルホスフィンテルリド、n−ブチルi
so−プロピルホスフィンテルリド)、テルロホスホリ
ックアシッドアミド類(例えば、トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスファンテルリド、トリス(ジエチルアミノ)ホ
スファンテルリドなど)、テルロホスフィニックアシッ
ドエステル類(例えば、ジエチルテルロホスフィニック
アシッド、O−エチルエステル(Et2(EtO)P=
Te)など)、テルロホスホニックアシッドエステル類
(例えば、エチルジエトキシホスファンテルリド)な
ど) (Te−c) テルロカルボン酸塩類(例えば、テルロ
ベンゾイックアシッドカリウム塩、2−メトキシテルロ
ベンゾイックアシッドカリウム塩など) (Te−d) Te−オルガニルテルロカルボン酸エス
テル類(例えば、Te−(3′−オキソブチル)テルロ
ベンゾエート、Te−メチルテルロベンゾエートなど) (Te−e) ジ(ポリ)テルリド類、テルリド類(例
えば、ジエチルジテルリド、ビス(シアノエチル)ジテ
ルリド、ジピリジルジテルリドなど) (Te−f) テルロール類(例えば、エタンテルロー
ル、ソジウムエタンテルロラートなど) (Te−g) テルロアセタール類(例えば、1,1−
ビス(メチルテルロ)プタン、トリテルランなど) (Te−h) テルロスルホナート類(例えば、Te−
エチルベンゼンテルロスルホナートなど) (Te−i) P−Te結合を有する化合物(例えば、
テルロホスホリックアシッド、Te−オルガニルエステ
ル類(例えば、具体的には、テルロホスホリックアシッ
ド、O,O−ジエチル−Te−メチルエステル、テルロ
ホスホリックアシッド、O,O−ジブチル−Te−エチ
ルエステルなど)など) (Te−j) 含Teヘテロ環類(例えば、テルラジア
ゾール類など) (Te−k) テルロカルボニル化合物(例えば、テル
ロ尿素類(例えば、N,N′−ジメチルエチレンテルロ
ウレア、N,N′−ジエチルエチレンテルロウレアなど
環状テルロ尿素化合物が好ましい。)、テルロアミド類
(例えば、ジメチルテルロベンズアミド、N,N−ジプ
ロピル−4−メトキシテルロベンズアミドなど)、テル
ロヒドラジド類(例えば、(N,N′,N′−トリメチ
ル)テルロベンゾヒドラジドなど)など) (Te−l) 無機テルル化合物(例えば、テルリウム
スルフィド類、ソジウムテルリド、ポタシウムテルリド
など) (Te−m) コロイド状テルル などを用いることができる。
【0193】これらのテルル化合物のうち、好ましく用
いられるのは、以下の一般式(a)、(b)、(c)及
び(d)で表される化合物である。
【0194】一般式(a) R101−(Te)n−R102 式中、R101は脂肪族基、芳香族基、複素環基、−C
(=X111)R111を表し、R102は脂肪族基、芳香族
基、複素環基、水素原子、カチオン、−C(=X112
112を表す。ここで、R111及びR112は脂肪族基、芳
香族基、複素環基、OR113、NR114、R115、S
116、水素原子を表し、X111及びX112は酸素原子、
硫黄原子、NR117を表し、R113、R114、R115、R
116及びR117は脂肪族基、芳香族基、複素環基、水素原
子を表す。nは1又は2を表す。
【0195】次に一般式(a)について詳細に説明す
る。一般式(a)において、R101、R102、R111〜R
117で表される脂肪族基は好ましくは炭素数1〜30の
ものであって、特に炭素数1〜20の直鎖、分岐又は環
状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラル
キル基である。アルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、アラルキル基としては、例えばメチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、
n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アリル基、2−
ブテニル基、3−ペンテニル基、プロパルギル基、3−
ペンチニル基、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられ
る。
【0196】一般式(a)において、R101、R102、R
111〜R117で表される芳香族基は好ましくは炭素数6〜
30のものであって、特に炭素数6〜20の単環又は縮
環のアリール基であり、例えばフェニル基、ナフチル基
が挙げられる。
【0197】一般式(a)において、R101、R102、R
111〜R117で表される複素環基は窒素原子、酸素原子及
び硫黄原子のうち少なくとも一つを含む3〜10員環の
飽和もしくは不飽和の複素環基である。これらは単環で
あってもよいし、更に他の芳香環もしくは複素環と縮合
環を形成してもよい。複素環基としては、好ましくは5
〜6員環の芳香族複素環基であり、例えばピリジル基、
フリル基、チエニル基、チアゾリル基、イミダゾリル
基、ベンズイミダゾリル基等が挙げられる。
【0198】これらの脂肪族基、芳香族基及び複素環基
は置換されていてもよい。置換基としては以下のものが
挙げられる。
【0199】代表的な置換基としては例えば、アルキル
基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリー
ルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、
スルファモイル基、カルバモイル基、スルホニル基、ア
ルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル
基、アシル基、アシルオキシ基、イミド基、アルキルチ
オ基、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ
基、ヒドロキシ基、ホスホノ基、ニトロ基、及びヘテロ
環基等が挙げられる。これらの基は更に置換されていて
もよい。置換基が2つ以上あるときは同じでも異なって
いてもよい。
【0200】一般式(a)において、R102で表される
カチオンはナトリウムイオン、カリウムイオンなどのア
ルカリ金属イオン、アンモニウムイオンなどを表す。
【0201】一般式(a)において、好ましくは、R
101は−C(=X111)R111を表し、R102は脂肪族基、
複素環基、−C(=X112)R112を表す。
【0202】一般式(a)において、より好ましくは、
101は−C(=O)R111を表し、R102は−C(=
O)R112を表し、R111及びR112はNR114(R115
又はOR 116を表し、R114、R115及びR116は脂肪族
基、芳香族基又は複素環基を表し、nは1を表す。
【0203】更に、より好ましくは、R101は−C(=
O)R111を表し、R102は−C(=O)R112を表し、
111及びR112はNR114(R115)を表し、R114、R
115は脂肪族基、芳香族基を表し、nは1を表す。
【0204】一般式(b) R131(R132)P(=Te)R133 式中、R131、R132及びR133は脂肪族基、芳香族基、
複素環基、OR134、NR135(R136)、SR137、OS
iR138(R139)(R140)、X又は水素原子を表す。
134及びR137は脂肪族基、芳香族基、複素環基、水素
原子又はカチオンを表し、R135及びR136は脂肪族基、
芳香族基、複素環基又は水素原子を表し、R138、R139
及びR140は脂肪族基を表し、Xはハロゲン原子を表
す。
【0205】次に一般式(b)について詳細に説明す
る。一般式(b)において、R131〜R140で表される脂
肪族基、芳香族基、複素環基はそれぞれ、一般式(a)
の脂肪族基、芳香族基、複素環基と同意義である。又R
131〜R140で表される脂肪族基、芳香族基、複素環基は
一般式(a)で挙げられた置換基で置換されていてもよ
い。
【0206】一般式(b)において、R134及びR137
表されるカチオンはアルカリ金属、アンモニウムを表
す。一般式(b)においてXで表されるハロゲン原子
は、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子及び沃素原
子を表す。
【0207】一般式(b)において、好ましくはR131
〜R133は脂肪族基又は芳香族基を表し、より好ましく
はアルキル基又は芳香族基を表す。
【0208】一般式(c) R171−Te−R192 式中、R171は、−S(O)n−R191、−P(=Ch)
195(R196)を表し、R192は水素原子、脂肪族基、
芳香族基、複素環基、カチオン、アシル基、カルバモイ
ル基、スルファモイル基、スルホニル基、スルフィニル
基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
ル基を表す。ここで、R191、R195、R 196は脂肪族
基、芳香族基、複素環基、アミノ基、エーテル基、チオ
エーテル基、セレノエーテル基、テルロエーテル基を表
し、Chは酸素原子、硫黄原子を表し、nは1又は2を
表す。
【0209】次に、一般式(c)について詳細に説明す
る。一般式(c)において、R191、R192、R195、R
196で表される脂肪族基、芳香族基、複素環基はそれぞ
れ、一般式(a)の脂肪族基、芳香族基、複素環基と同
意義である。又R191、R192、R195、R196で表される
脂肪族基、芳香族基、複素環基は一般式(a)で挙げら
れた置換基で置換されていてもよい。
【0210】一般式(c)において、R191、R195、R
196で表されるアミノ基としては、例えば無置換アミノ
基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ
基、ジエチルアミノ基、アニリノ基、2,4−キシリジ
ノ基等が挙げられる。
【0211】一般式(c)において、R191、R195、R
196で表されるエーテル基としては、例えばメトキシ
基、イソプロポキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ
基、2−ナフチルオキシ基、2−ピリジルオキシ基等が
挙げられ、チオエーテル基としては、例えばメチルチオ
基、フェニルチオ基等が挙げられ、セレノエーテル基と
しては、例えばメチルセレノ基、フェニルセレノ基等が
挙げられ、テルロエーテル基としては、例えばメチルテ
ルロ基等が挙げられる。
【0212】一般式(c)において、R192で表される
カチオンとしては、例えばリチウムイオン、カリウムイ
オン等のアルカリ金属イオン、及びアンモニウムイオン
等のアンモニウムイオン類等が挙げられる。ここでR
192がカチオンである場合、Teは形式的に−1の負電
荷をもつものとする。
【0213】一般式(c)において、R192で表される
アシル基としては、例えばホルミル基、アセチル基、プ
ロピオニル基、イソブチリル基、バレリル基、ピバロイ
ル基、アクリロイル基、ピルボイル基、ベンゾイル基、
1−ナフトイル基、m−トルオイル基、シンナモイル基
等が挙げられ、カルバモイル基としては、例えば無置換
カルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、N,N−
ジメチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイ
ル基、N−フェニルカルバモイル基等が挙げられ、スル
ファモイル基としては、例えば無置換スルファモイル
基、N−エチルスルファモイル基、N,N−ジメチルス
ルファモイル基、N,N−ジエチルスルファモイル基、
N−フェニルスルファモイル基等が挙げられ、スルホニ
ル基としては、例えばメシル基、トシル基、タウリル基
等が挙げられ、スルフィニル基としては、例えばメチル
スルフィニル基、フェニルスルフィニル基等が挙げられ
る。
【0214】一般式(c)において、R192で表される
アルコキシカルボニル基としては、例えばメトキシカル
ボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、イソプロポキ
シカルボニル基等が挙げられ、アリールオキシカルボニ
ル基としては、例えばフェノキシカルボニル基、ナフチ
ルオキシカルボニル基等が挙げられる。
【0215】一般式(c)において好ましくは、R171
が、−S(O)2−R191、−P(Ch)R195(R196
を表し、R191、R195、R196が脂肪族基、芳香族基、
複素環基であり、R192が脂肪族基、複素環基、カチオ
ン、アシル基、カルバモイル基、スルファモイル基、ス
ルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシ
カルボニル基であるものである。
【0216】一般式(c)においてより好ましくは、R
171が、−P(=Ch)R195(R19 6)を表し、R195
196が芳香族基であり、R192がカチオン、アシル基、
カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基であ
るものである。
【0217】一般式(d) R211−C(=Te)−R212 式中、R211は脂肪族基、芳香族基、複素環基又は−N
213(R214)を表し、R212は−NR215(R216)、
−N(R217)N(R218)R219又は−OR220を表す。
【0218】R213〜R220は水素原子、脂肪族基、芳香
族基、複素環基又はアシル基を表す。ここでR211とR
215、R211とR217、R211とR218、R211とR220、R
213とR215、R213とR217、R213とR218及びR213
220は結合して環を形成したものが好ましい。
【0219】次に一般式(d)について詳細に説明す
る。一般式(d)においてR211〜R220で表される脂肪
族基、芳香族基、複素環基はそれぞれ、一般式(a)の
脂肪族基、芳香族基、複素環基と同意義である。又R
211、R213〜R220で表される脂肪族基、芳香族基、複
素環基は一般式(a)で挙げられた置換基で置換されて
いてもよい。
【0220】R213〜R220で表されるアシル基は、一般
式(c)において、R192で表されるアシル基と同意義
である。
【0221】R211とR215、R211とR217、R211とR
218、R211とR220、R213とR215、R213とR217、R
213とR218及びR213とR220が結合して環を形成すると
きの、環を形成する基としては置換もしくは無置換のア
ルキレン基(エーテル基、チオエーテル基、置換もしく
は無置換のアミノ基を含んでいてもよい、例えば、メチ
レン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキ
シレン基、1−メチルエチレン基、−CH2CH2OCH
2CH2−、CH2CH2NHCH2CH2−等)、置換もし
くは無置換のアラルキレン基(例えば、ベンジリデン基
など)、置換もしくは無置換のアリーレン基(例えば、
フェニレン基、ナフチレン基など)などが挙げられる。
【0222】一般式(d)において好ましくは、R211
は芳香族基、複素環基又は−NR213(R214)を表し、
212は−NR215(R216)、−N(R217)N(218
219を表す。ここで、R211とR215、R211とR217
211とR218、R213とR215、R213とR217、R213
218は結合して環を形成したものが好ましい。
【0223】一般式(d)においてより好ましくは、R
211は芳香族基又は−NR213(R21 4)を表し、R212
−NR215(R216)、−N(R217)N(218)R219
表す。ここで、R211とR215、R211とR217、R211
218、R213とR215、R213とR217、R213とR218
アルキレン基、アリーレン基により結合して環を形成す
るものとする。
【0224】上記の化合物群の中で本発明に好ましく用
いられるのは、一般式(a)、(b)、(c)で表され
る化合物であり、更に好ましく用いられるのは一般式
(a)、(b)で表される化合物である。
【0225】以下に本発明で用いられる化合物の具体例
を示すが、本発明に用いられる化合物はこれらに限定さ
れるものではない。
【0226】
【化60】
【0227】
【化61】
【0228】
【化62】
【0229】
【化63】
【0230】本発明において、好ましくはセレン増感及
びテルル増感の少なくとも一方による化学増感が好まし
い。特に、テルル増感が好ましい。又、本発明において
は、硫黄増感、セレン増感、テルル増感をそれぞれ単独
で用いてもよく、任意の組み合わせで用いてもよいが、
好ましい態様としてはいずれかの2種類或いは3種類の
組み合わせが好ましい。
【0231】本発明におけるカルコゲン増感剤の使用量
は本発明の効果が発現する限りにおいては特に制限はな
いが、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-8〜1×10
-1モルが好ましく、より好ましくは1×10-7〜1×1
-2モルが好ましい。
【0232】本発明におけるカルコゲン増感剤の添加は
本発明の効果が発現する限りにおいては特に制限はない
が、好ましくはハロゲン化銀粒子形成後、有機脂肪酸銀
とハロゲン化銀粒子を混合するまでの間がよく、より好
ましくはハロゲン化銀粒子を脱塩後、有機脂肪酸銀と混
合するまでの間がより好ましい。
【0233】本発明で用いられる支持体は現像処理後の
画像の変形を防ぐためにプラスチックフィルム(例え
ば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカー
ボネート、ポリイミド、ナイロン、セルローストリアセ
テート、ポリエチレンナフタレート)であることが好ま
しい。支持体の厚みとしては50〜300μm程度、好
ましくは70〜180μmである。又熱処理したプラス
チック支持体を用いることもできる。採用するプラスチ
ックとしては、前記のプラスチックが挙げられる。支持
体の熱処理とはこれらの支持体を製膜後、画像形成層が
塗布されるまでの間に、支持体のガラス転移点より30
℃以上高い温度で、好ましくは35℃以上高い温度で、
更に好ましくは40℃以上高い温度で加熱することがよ
い。但し、支持体の融点を超えた温度で加熱しては本発
明の効果は得られない。
【0234】本発明に係る支持体の製膜方法及び下引製
造方法は公知の方法を用いることができるが、好ましく
は、特開平9−50094号の段落〔0030〕〜〔0
070〕に記載された方法を用いることである。
【0235】本発明の感光材料は、支持体の一方の側に
画像形成層を有し、該画像形成層側の最上層のビッカー
ス硬度が40〜150であることが好ましい。
【0236】本発明で言うビッカース硬度はJIS Z
2251の微小硬さ試験法に則り測定することができ
る硬度とする。具体的には対面角が136度のダイヤモ
ンド正四角錐の圧子を用い、試験面に窪みをつけた時の
荷重F(Kgf)を、窪みの対角線長さd(mm)から
求めた表面積で除した商をいい、 ビッカース硬度(Hv)=1.8544F/d2 (但し、dは窪みの対角線長さの平均(mm)であ
る。)で算出できる。
【0237】尚、測定機種はJIS B 7734(微
小硬さ試験機)に適合したものでなければならない。例
えばMHA−400(日本電気(株)製)を用いて、2
3℃相対湿度50%の環境で測定するのがよい。支持体
を含む感光材料を試料とし走査型電子顕微鏡(SEM)
で観察される最表面からの厚さの50%の厚さまで圧子
を押し込んだ際の硬度として求める。
【0238】ビッカース硬度を上記の範囲にするには、
最上層に後述の疎水性バインダーを用いる方法やマット
剤で調整する方法や固形充填剤を添加して調整する方法
が挙げられる。
【0239】疎水性バインダーとしては、ポリビニルブ
チラール、セルロースアセテート、セルロースアセテー
トブチレート、ポリエステル、ポリマーラテックスが特
に好ましく用いられる。
【0240】
【発明の実施の形態】本発明の熱現像感光材料は、支持
体上に少なくとも一層の画像形成層を有している。支持
体上に画像形成層のみを形成してもよいが、画像形成層
の上に少なくとも1層の非画像形成層を形成することが
好ましい。画像形成層を通過する光の量又は波長分布を
制御するために、画像形成層と同じ側にフィルター染料
層及び/又は反対側にアンチハレーション染料層、いわ
ゆるバッキング層を形成してもよいし、画像形成層に染
料又は顔料を含ませてもよい。用いられる染料として
は、所望の波長範囲で目的の吸収を有するものであれば
いかなる化合物でもよいが、例えば特開昭59−648
1号、同59−182436号、米国特許第4,27
1,263号、同4,594,312号、欧州特許公開
533,008号、欧州特許公開652,473号、特
開平2−216140号、同4−348339号、同7
−191432号、同7−301890号などに記載の
化合物が好ましく用いられる。
【0241】又、これらの非画像形成層には、マット剤
を含有することが好ましく、更にポリシロキサン化合物
やワックスや流動パラフィンのようなスベリ剤を含有し
てもよい。画像形成層は複数層にしても良く、又階調の
調節のため画像形成層を高感度層/低感度層又は低感度
層/高感度層にしてもよい。
【0242】本発明の熱現像感光材料は、熱現像処理に
て写真画像を形成するもので、少なくとも還元可能な銀
源(有機銀塩)、感光性ハロゲン化銀、現像剤(還元
剤)、及び必要に応じて銀の色調を抑制する色調剤を、
通常(有機)バインダーマトリックス中に分散した状態
で含有している熱現像感光材料であることが好ましい。
本発明の熱現像感光材料は常温で安定であるが、露光後
高温(例えば、80〜140℃)に加熱することで現像
される。加熱することで有機銀塩(酸化剤として機能す
る)と還元剤との間の酸化還元反応を通じて銀を生成す
る。この酸化還元反応は、露光でハロゲン化銀に発生し
た潜像の触媒作用によって促進される。露光領域中の有
機銀塩の反応によって生成した銀は黒色画像を提供し、
これは非露光領域と対照をなし画像の形成がなされる。
この反応過程は、外部から水等の処理液を供給すること
なしで進行する。
【0243】本発明の熱現像感光材料には還元剤を内蔵
させている。好適な還元剤の例は、米国特許第3,77
0,448号、同3,773,512号、同3,59
3,863号及びRD17029及び29963に記載
されており、次のものが挙げられる。
【0244】アミノヒドロキシシクロアルケノン化合物
(例えば、2−ヒドロキシピペリジノ−2−シクロヘキ
セノン);還元剤の前駆体としてアミノリダクトン類
(reductones)エステル(例えば、ピペリジ
ノヘキソースリダクトンモノアセテート);N−ヒドロ
キシ尿素誘導体(例えば、N−p−メチルフェニル−N
−ヒドロキシ尿素);アルデヒド又はケトンのヒドラゾ
ン類(例えば、アントラセンアルデヒドフェニルヒドラ
ゾン);ホスファーアミドフェノール類;ホスファーア
ミドアニリン類;ポリヒドロキシベンゼン類(例えば、
ヒドロキノン、t−ブチル−ヒドロキノン、イソプロピ
ルヒドロキノン及び(2,5−ジヒドロキシ−フェニ
ル)メチルスルホン);スルフヒドロキサム酸類(例え
ば、ベンゼンスルフヒドロキサム酸);スルホンアミド
アニリン類(例えば、4−(N−メタンスルホンアミ
ド)アニリン);2−テトラゾリルチオヒドロキノン類
(例えば、2−メチル−5−(1−フェニル−5−テト
ラゾリルチオ)ヒドロキノン);テトラヒドロキノキサ
リン類(例えば、1,2,3,4−テトラヒドロキノキ
サリン);アミドオキシム類;アジン類(例えば、脂肪
族カルボン酸アリールヒドラザイド類とアスコルビン酸
の組み合わせ);ポリヒドロキシベンゼンとヒドロキシ
ルアミンの組み合わせ、リダクトン及び/又はヒドラジ
ン;ヒドロキサン酸類;アジン類とスルホンアミドフェ
ノール類の組み合わせ;α−シアノフェニル酢酸誘導
体;ビス−β−ナフトールと1,3−ジヒドロキシベン
ゼン誘導体の組み合わせ;5−ピラゾロン類;スルホン
アミドフェノール還元剤;2−フェニルインダン−1,
3−ジオン等;クロマン;1,4−ジヒドロピリジン類
(例えば、2,6−ジメトキシ−3,5−ジカルボエト
キシ−1,4−ジヒドロピリジン);ビスフェノール類
(例えば、ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5
−メチルフェニル)メタン、ビス(6−ヒドロキシ−m
−トリ)メシトール(mesitol)、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、
4,5−エチリデン−ビス(2−t−ブチル−6−メチ
ル)フェノール)、紫外線感応性アスコルビン酸誘導体
及び3−ピラゾリドン類等。中でも特に好ましい還元剤
は、ヒンダードフェノール類である。ヒンダードフェノ
ール類としては、下記一般式(A)で表される化合物が
挙げられる。
【0245】
【化64】
【0246】式中、Rは水素原子、又は炭素原子数1〜
10のアルキル基(例えば、−C49、2,4,4−ト
リメチルペンチル)を表し、R′及びR″は炭素原子数
1〜5のアルキル基(例えば、メチル、エチル、t−ブ
チル)を表す。
【0247】一般式(A)で表される化合物の具体例を
以下に示す。ただし、本発明は、以下の化合物に限定さ
れるものではない。
【0248】
【化65】
【0249】
【化66】
【0250】前記一般式(A)で表される化合物を始め
とする還元剤の使用量は、好ましくは銀1モル当り1×
10-2〜10モル、特に1×10-2〜1.5モルであ
る。
【0251】本発明の熱現像感光材料において、上述し
た各成分と共に色調剤、色調付与剤若しくは付活剤トー
ナーと称せられる添加剤(以下色調剤と呼ぶ)が使用さ
れる事が望ましい。色調剤は有機銀塩と還元剤の酸化還
元反応に関与して、生ずる銀画像を濃色、特に黒色にす
る機能を有する。本発明に用いられる好適な色調剤の例
は、RD17029号に開示されており、次のものが挙
げられる。
【0252】イミド類(例えば、フタルイミド);環状
イミド類、ピラゾリン−5−オン類、及びキナゾリノン
(例えば、スクシンイミド、3−フェニル−2−ピラゾ
リン−5−オン、1−フェニルウラゾール、キナゾリン
及び2,4−チアゾリジンジオン);ナフタールイミド
類(例えば、N−ヒドロキシ−1,8−ナフタールイミ
ド);コバルト錯体(例えば、コバルトのヘキサミント
リフルオロアセテート)、メルカプタン類(例えば、3
−メルカプト−1,2,4−トリアゾール);N−(ア
ミノメチル)アリールジカルボキシイミド類(例えば、
N−(ジメチルアミノメチル)フタルイミド);ブロッ
クされたピラゾール類、イソチウロニウム(isoth
iuronium)誘導体及びある種の光漂白剤の組み
合わせ(例えば、N,N′−ヘキサメチレン(1−カル
バモイル−3,5−ジメチルピラゾール)、1,8−
(3,6−ジオキサオクタン)ビス(イソチウロニウム
トリフルオロアセテート)、及び2−(トリブロモメチ
ルスルホニル)ベンゾチアゾールの組み合わせ);メロ
シアニン染料(例えば、3−エチル−5−((3−エチ
ル−2−ベンゾチアゾリニリデン(ベンゾチアゾリニリ
デン))−1−メチルエチリデン)−2−チオ−2,4
−オキサゾリジンジオン);フタラジノン、フタラジノ
ン誘導体又はこれらの誘導体の金属塩(例えば、4−
(1−ナフチル)フタラジノン、6−クロロフタラジノ
ン、5,7−ジメチルオキシフタラジノン、及び2,3
−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン);フタラジノ
ンとスルフィン酸誘導体の組み合わせ(例えば、6−ク
ロロフタラジノン+ベンゼンスルフィン酸ナトリウム又
は8−メチルフタラジノン+p−トリスルホン酸ナトリ
ウム);フタラジン+フタル酸の組み合わせ;フタラジ
ン(フタラジンの付加物を含む)とマレイン酸無水物、
及びフタル酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸又はo
−フェニレン酸誘導体及びその無水物(例えば、フタル
酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸及びテト
ラクロロフタル酸無水物)から選択される少なくとも1
つの化合物との組み合わせ;キナゾリンジオン類、ベン
ズオキサジン、オルトオキサジン誘導体;ベンズオキサ
ジン−2,4−ジオン類(例えば、1,3−ベンズオキ
サジン−2,4−ジオン);ピリミジン類及び不斉−ト
リアジン類(例えば、2,4−ジヒドロキシピリミジ
ン)、及びテトラアザペンタレン誘導体(例えば、3,
6−ジメルカプト−1,4−ジフェニル−1H,4H−
2,3a,5,6a−テトラアザペンタレン)。これら
の内、好ましい色調剤としてはフタラゾン又はフタラジ
ンである。
【0253】本発明の熱現像感光材料には、例えば特開
昭63−159841号、同60−140335号、同
63−231437号、同63−259651号、同6
3−304242号、同63−15245号、米国特許
第4,639,414号、同4,740,455号、同
4,741,966号、同4,751,175号、同
4,835,096号に記載された増感色素が使用でき
る。本発明に使用される有用な増感色素は、例えばRD
17643IV−A項(1978年12月p.23)、同
Item1831X項(1978年8月p.437)に
記載もしくは引用された文献に記載されている。特に各
種スキャナー光源の分光特性に適した分光感度を有する
増感色素を有利に選択することができる。例えば、特開
平9−34078号、同9−54409号、同9−80
679号記載の化合物が好ましく用いられる。
【0254】強色増感されている場合、光感度が特に高
くなるので、還元剤の失活をさせない場合、現像後のプ
リントアウト銀は、大きくなりやすく本発明には特に有
効である。又、赤外増感されている場合には、更に赤外
増感色素はハロゲン化銀や、有機銀塩を幾分かは還元で
きる酸化還元電位を有しているため、暗所においても前
述の有機銀塩を還元できる還元剤の存在下では、カブリ
銀となる銀クラスターを生成しやすい。生成した銀クラ
スターは又、触媒核となって、カブリを誘起したりする
ため、暗所において保存したとき保存性が低下したり、
又、現像後に明所においた時、プリントアウト銀が大き
くなる等の現象が起こる。更に赤外線感光材料は、可視
光の範囲外の熱輻射線領域まで感度がのびている為、暗
所においても熱輻射線によるプリントアウト銀が多くな
ったりすることに対し効果がある。特に、強色増感剤に
より感度が高められた、赤外分光増感された熱現像感光
材料の場合には効果が大きい。
【0255】これらの増感色素は単独に用いてもよい
が、それらの組合せを用いてもよく、増感色素の組合せ
は、特に強色増感の目的でしばしば用いられる。増感色
素とともに、それ自身分光増感作用をもたない色素ある
いは可視光を実質的に吸収しない物質であって、強色増
感を示す物質を乳剤中に含んでもよい。有用な増感色
素、強色増感を示す色素の組合せおよび強色増感を示す
物質は、RD17643(1978年12月発行)第2
3頁1VのJ項、あるいは特公平9−25500号、特
公昭43−4933号、特開昭59−19032号、同
59−192242号、特開平5−341432号等に
記載されている。
【0256】強色増感剤は有機銀塩及びハロゲン化銀粒
子を含む乳剤層中に、銀1モル当たり0.001〜1.
0モルの範囲で用いるのが好ましい。特に好ましくは、
銀1モル当たり0.01〜0.5モルの範囲の量が好ま
しい。
【0257】本発明の熱現像感光材料中にはカブリ防止
剤が含まれてよい。有効なカブリ防止剤として、例えば
米国特許第3,589,903号などで知られている水
銀化合物は環境的に好ましくない。そのため非水銀カブ
リ防止剤の検討が古くから行われてきた。非水銀カブリ
防止剤としては、例えば米国特許第4,546,075
号及び同4,452,885号及び特開昭59−572
34号に開示されている様なカブリ防止剤が好ましい。
【0258】本発明に於いて、現像後のカブリを低減す
る酸化剤を用いることが出来る。このような酸化剤とし
て好ましくは、例えば特開昭50−119624号、同
50−120328号、同51−121332号、同5
4−58022号、同56−70543号、同56−9
9335号、同59−90842号、同61−1296
42号、同62−129845号、特開平6−2081
91号、同7−5621号、同7−2781号、同8−
15809号、米国特許第5,340,712号、同
5,369,000号、同5,464,737号、同
3,874,946号、同4,756,999号、同
5,340,712号、欧州特許第605,981A1
号、同622,666A1号、同631,176A1
号、特公昭54−165号、特開平7−2781号、米
国特許第4,180,665号及び同4,442,20
2号に記載されている化合物等を用いることができる。
【0259】本発明において酸化剤は、10mg/m2
〜3g/m2含有することが好ましく、50mg/m2
1g/m2がより好ましい。
【0260】本発明において酸化剤は、溶液、粉末、固
体微粒子分散物などいかなる方法で添加してもよく、特
に画像形成層に、固体微粒子分散されていることが好ま
しい。分散の際に分散助剤を用いてもよい。また、増感
色素、還元剤、色調剤など他の添加剤と混合した溶液と
して添加してもよい。
【0261】又上記の酸化剤以外にも、好適なカブリ防
止剤としては、米国特許第3,874,946号及び同
第4,756,999号に開示されているような化合
物、特開平9−288328号段落番号〔0030〕〜
〔0036〕に記載されている化合物、特開平9−90
550号段落番号〔0062〕〜〔0063〕に記載さ
れている化合物、米国特許第5,028,523号及び
欧州特許第600,587号、同631,176号、同
605,981号に開示されている化合物などが好まし
く用いられる。
【0262】本発明の熱現像感光材料に好適なバインダ
ーは、透明又は半透明で、一般に無色であり、天然ポリ
マー合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィル
ムを形成する媒体、例えば:ゼラチン、アラビアゴム、
ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシエチルセルロー
ス、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチ
レート、ポリ(ビニルピロリドン)、カゼイン、デンプ
ン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリル
酸)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、コ
ポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン
−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエ
ン)、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビ
ニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポ
リ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹
脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エポキシド)類、
ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニルアセテート)、
セルロースエステル類、ポリ(アミド)類がある。親水
性でも疎水性でもよいが、本発明においては、熱現像後
のカブリを低減させるために、疎水性透明バインダーを
使用することが好ましい。好ましいバインダーとして
は、ポリビニルブチラール、セルロースアセテート、セ
ルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリカ
ーボネート、ポリアクリル酸、ポリウレタンなどがあげ
られる。その中でもポリビニルブチラール、セルロース
アセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエ
ステルは特に好ましく用いられる。
【0263】また他の好ましいバインダーとしては、以
下に述べるポリマーラテックスである。ポリマーラテッ
クスは、画像形成層に含有することが好ましい。ポリマ
ーラテックスは全バインダーの50質量%以上含有する
ことが好ましい。本発明において「ポリマーラテック
ス」とは、水不溶な疎水性ポリマーが微細な粒子として
水溶性の分散媒中に分散したものである。分散状態とし
てはポリマーが分散媒中に乳化されているもの、乳化重
合されたもの、ミセル分散されたもの、あるいはポリマ
ー分子中に部分的に親水的な構造を持ち分子鎖自身が分
子状分散したものなどいずれでもよい。
【0264】なお本発明におけるポリマーラテックスに
ついては、「合成樹脂エマルジョン(奥田平、稲垣寛編
集、高分子刊行会発行(1978))」、「合成ラテッ
クスの応用(杉村孝明、片岡靖男、鈴木聡一、笠原啓司
編集、高分子刊行会発行(1993))」、「合成ラテ
ックスの化学(室井宗一著、高分子刊行会発行(197
0))」などに記載されている。
【0265】分散粒子の平均粒径は1〜50,000n
m、より好ましくは5〜1,000nm程度の範囲が好
ましい。分散粒子の粒径分布に関しては特に制限は無
く、広い粒径分布を持つものでも、単分散の粒径分布を
持つものでもよい。ポリマーラテックスとしては、通常
の均一構造のポリマーラテックス以外、いわゆるコア/
シェル型のラテックスでもよい。この場合コアとシェル
は、ガラス転移温度を変えると好ましい場合がある。本
発明のポリマーラテックスの最低造膜温度(MFT)
は、−30〜90℃、より好ましくは0〜70℃程度が
好ましい。最低造膜温度をコントロールするために、造
膜助剤を添加してもよい。造膜助剤は可塑剤ともよば
れ、ポリマーラテックスの最低造膜温度を低下させる有
機化合物(通常有機溶剤)で、例えば前述の「合成ラテ
ックスの化学(室井宗一著、高分子刊行会発行(197
0))」に記載されている。
【0266】ポリマーラテックスに用いられるポリマー
種としては、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエス
テル樹脂、ポリウレタン樹脂、ゴム系樹脂、塩化ビニル
樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリオレフィン樹脂、また
はこれらの共重合体などがある。ポリマーとしては、直
鎖のポリマーでも枝分かれしたポリマーでも、また架橋
されたポリマーでもよい。またポリマーとしては単一の
モノマーが重合したいわゆるホモポリマーでもよいし、
2種以上のモノマーが重合したコポリマーでもよい。コ
ポリマーの場合は、ランダムコポリマーでもブロックコ
ポリマーでもよい。ポリマーの分子量は数平均分子量で
5,000〜1,000,000、好ましくは10,0
00〜100,000程度が好ましい。分子量が小さす
ぎるものは画像形成層の力学強度が不十分であり、大き
すぎるものは製膜性が悪く好ましくない。
【0267】本発明の熱現像感光材料の画像形成層のバ
インダーとして用いられるポリマーラテックスの具体例
としては、メチルメタクリレート/エチルアクリレート
/メタクリル酸コポリマーのラテックス、メチルメタク
リレート/2−エチルヘキシルアクリレート/スチレン
/アクリル酸コポリマーのラテックス、スチレン/ブタ
ジエン/アクリル酸コポリマーのラテックス、スチレン
/ブタジエン/ジビニルベンゼン/メタクリル酸コポリ
マーのラテックス、メチルメタクリレート/塩化ビニル
/アクリル酸コポリマーのラテックス、塩化ビニリデン
/エチルアクリレート/アクリロニトリル/メタクリル
酸コポリマーのラテックスなどが挙げられる。
【0268】また、このようなポリマーは市販もされて
いて、以下のようなポリマーが利用できる。例えば、ア
クリル樹脂の例として、セビアンA−4635、465
83、4601(以上、ダイセル化学工業(株)製)、
Nipol Lx811、814、821、820、8
57(以上、日本ゼオン(株)製)など、ポリエステル
樹脂としては、FINETEX ES650、611、
675、850(以上、大日本インキ化学(株)製)、
WD−size、WMS(以上、イーストマンケミカル
製)など、ポリウレタン樹脂としては、HYDRAN
AP10、20、30、40(以上、大日本インキ化学
(株)製)など、ゴム系樹脂としては、LACSTAR
7310K、3307B、4700H、7132C
(以上、大日本インキ化学(株)製)、Nipol L
x416、410、438C、2507、(以上、日本
ゼオン(株)製)など、塩化ビニル樹脂としては、G3
51、G576(以上、日本ゼオン(株)製)など、塩
化ビニリデン樹脂としては、L502、L513(以
上、旭化成工業(株)製)など、オレフィン樹脂として
は、ケミパールS120、SA100(以上、三井石油
化学(株)製)などを挙げることができる。これらのポ
リマーは単独で用いてもよいし、必要に応じて2種以上
ブレンドして用いてもよい。
【0269】ポリマーラテックスのポリマー種として
は、アクリレートまたはメタクリレート成分のごときカ
ルボン酸成分を0.1〜10質量%程度含有するものが
好ましい。ポリマーラテックスを画像形成層に用いると
きには、画像形成層は全バインダーの50質量%以上が
上記ポリマーラテックスであることが好ましく、70質
量%以上が上記ポリマーラテックスであることがより好
ましい。その場合、画像形成層には、必要に応じて全バ
インダーの50質量%以下の範囲で、ゼラチン、ポリビ
ニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロースなどの親水性ポリマーを添
加してもよい。これらの親水性ポリマーの添加量は、画
像形成層の全バインダーの30質量%以下が好ましい。
【0270】画像形成層にポリマーラテックスを用いる
場合は、画像形成層は水系の塗布液を塗布後乾燥して調
製することが好ましい。ただし、ここで言う「水系」と
は、塗布液の溶媒(分散媒)の50質量%以上が水であ
ることをいい、好ましくは溶媒の65質量%以上が水で
ある。塗布液の水以外の成分は、メチルアルコール、エ
チルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルセル
ソルブ、エチルセルソルブ、ジメチルホルムアミド、酢
酸エチルなどの水混和性の有機溶媒を用いることができ
る。具体的な溶媒組成の例としては、以下のようなもの
がある。水/メタノール=90/10、水/メタノール
=70/30、水/エタノール=90/10、水/イソ
プロパノール=90/10、水/ジメチルホルムアミド
=95/5、水/メタノール/ジメチルホルムアミド=
80/15/5、水/メタノール/ジメチルホルムアミ
ド=90/5/5(ただし数字は質量%を表す)。
【0271】画像形成層の全バインダー量は0.2〜3
0g/m2、より好ましくは1〜15g/m2の範囲が好
ましい。
【0272】また熱現像感光材料の表面を保護したり擦
り傷を防止するために、画像形成層の外側に非画像形成
層を有することができる。これらの非画像形成層に用い
られるバインダーは、画像形成層に用いられるバインダ
ーと同じ種類でも異なった種類でもよい。
【0273】本発明においては、熱現像の速度を速める
ために画像形成層のバインダー量が0.5〜30g/m
2であることが好ましい。さらに好ましくは1〜15g
/m2である。0.5g/m2未満では、未露光部の濃度
が大幅に上昇し、使用に耐えない場合がある。
【0274】本発明の熱現像感光材料は、いかなる方法
で露光されてもよいが、露光光源としてレーザー光が好
ましい。本発明によるレーザー光としては、ガスレーザ
ー、YAGレーザー、色素レーザー、半導体レーザーな
どが好ましい。その中でも干渉縞や網点の露光ムラを防
止するために、縦マルチ露光や斜めに露光することが好
ましい。
【0275】本発明における縦マルチ露光とは、縦マル
チである走査レーザー光を発するレーザー走査露光機を
用いて行われる。縦マルチ化するには、合波による、戻
り光を利用する、高周波重畳をかけるなどの方法がよ
い。具体的には、特開昭59−10964号に記載の方
法が好ましく用いられる。なお、縦マルチとは、露光波
長が単一でないことを意味し、通常露光波長の分布が5
nm以上、好ましくは10nm以上になるとよい。露光
波長の分布の上限には特に制限はないが、通常60nm
程度である。斜め露光とは、熱現像感光材料の露光面と
走査レーザー光のなす角が、実質的に垂直になることが
ないレーザー走査露光機を用いて露光をすることであ
る。具体的には、特開平5−113548号に記載の方
法が好ましく用いられる。ここで、「実質的に垂直にな
ることがない」とは、レーザー走査中に最も垂直に近い
角度として、好ましくは55度以上、88度以下、より
好ましくは60度以上、86度以下、更に好ましくは6
5度以上、84度以下、最も好ましくは70度以上、8
2度以下であることをいう。
【0276】レーザー光が、熱現像感光材料に走査され
るときの感光材料露光面でのビームスポット直径は、好
ましくは200μm以下、より好ましくは100μm以
下である。これは、スポット径が小さい方がレーザー入
射角度の垂直からのずらし角度を減らせる点で好まし
い。なお、ビームスポット直径の下限は5μmである。
このようなレーザー走査露光を行うことにより、干渉縞
様のムラの発生等のような反射光に係る画質劣化を減じ
ることが出来る。
【0277】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0278】尚、実施例1、2は第1の本発明に対応
し、実施例3〜7は第2の本発明に対応する実施例であ
る。
【0279】実施例1 〈熱現像感光材料〉 (下引済み写真用支持体の作製)ポリエチレンテレフタ
レート(以下PETと略す)下引済み写真用支持体の作
製を以下の通り行った。
【0280】市販の2軸延伸熱固定済みの厚さ125μ
mのPETフィルムの両面に8w/m2・分のコロナ放
電処理を施し、一方の面に下記下引塗布液a−1を乾燥
膜厚0.8μmになるように塗設し乾燥させて下引層A
−1とし、又反対側の面に下記帯電防止加工した下引塗
布液b−1を乾燥膜厚0.8μmになるように塗設し乾
燥させて帯電防止加工下引層B−1とした。 《下引塗布液a−1》 ブチルアクリレート(30質量%)、t−ブチルアクリレート(20質量%) 、スチレン(25質量%)、2−ヒドロキシエチルアクリレート (25質量%)の共重合体ラテックス液(固形分30%) 270g (C−1) 0.6g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g ポリスチレン微粒子(平均粒径3μm) 0.05g コロイダルシリカ(平均粒径90μm) 0.1g 水で1リットルに仕上げる。 《下引塗布液b−1》 SnO2/Sb(9/1の質量比、平均粒径0.18μm) 200mg/m2になる量 ブチルアクリレート(40質量%)、スチレン(20質量%)、グリシジルア クリレート(40質量%)の共重合体ラテックス液(固形分30%) 270g (C−1) 0.6g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g 水で1リットルに仕上げる。
【0281】上記下引層A−1及び下引層B−1の表面
上に8w/m2・分のコロナ放電を施し、下引層A−1
の上には下記下引上層塗布液a−2を乾燥膜厚0.1μ
mになる様に下引層A−2として塗設し、又下引層B−
1の上には下記下引上層塗布液b−2を乾燥膜厚0.8
μmになる様に帯電防止機能を持つ下引上層B−2とし
て塗設した。 《下引上層塗布液a−2》 ゼラチン 0.4g/m2になる質量 (C−1) 0.2g (C−2) 0.2g (C−3) 0.1g シリカ粒子(平均粒径3μm) 0.1g 水で1リットルに仕上げる。 《下引上層塗布液b−2》 (C−4) 60g (C−5)を成分とするラテックス液(固形分20%) 80g 硫酸アンモニウム 0.5g (C−6) 12g ポリエチレングリコール(質量平均分子量600) 6g 水で1リットルに仕上げる。
【0282】
【化67】
【0283】
【化68】
【0284】(支持体の熱処理)上記の下引済み支持体
を、200℃に設定した全長150mの熱処理ゾーンに
入れ、張力4kg/cm2、搬送速度10m/分で搬送
した。その後で、40℃のゾーンに20秒間通し、9k
g/cm2の巻き取り張力で巻き取った。 〈ハロゲン化銀乳剤Bの調製〉水900ml中にイナー
トゼラチン7.5g及び臭化カリウム10mgを溶解し
て温度35℃、pHを3.0に合わせた後、硝酸銀74
gを含む水溶液370mlと臭化カリウムと沃化カリウ
ムを含む水溶液及び〔Ir(NO)Cl5〕塩を銀1モ
ル当たり1×10-6モル及び塩化ロジウム塩を銀1モル
当たり1×10 -6モルを、pAg7.7に保ちながらコ
ントロールドダブルジェット法で添加した。その後4−
ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザ
インデンを添加しNaOHでpHを5に調整して平均粒
子サイズ0.06μm、分散度12%の〔100〕面比
率49%の単分散立方体沃臭化銀粒子を得た。
【0285】この乳剤にゼラチン凝集剤を用いて凝集沈
降させ脱塩処理後フェノキシエタノール0.1gを加
え、pH5.9、pAg7.5に調整した。更に塩化金
酸、無機硫黄、二酸化チオ尿素及び2,3,4,5,6
−ペンタフルオロフェニルフォスフィンセレニドで化学
増感を行い、ハロゲン化銀乳剤Bを得た。 〈ベヘン酸ナトリウム溶液の調製〉945mlの純水に
ベヘン酸32.4g、アラキジン酸9.9g、ステアリ
ン酸5.6gを90℃で溶解した。次に高速で攪拌しな
がら1.5Mの水酸化ナトリウム水溶液98mlを添加
した。次に濃硝酸0.93mlを加えた後、55℃に冷
却して30分攪拌させてベヘン酸ナトリウム溶液を得
た。 〈ベヘン酸ナトリウム溶液とハロゲン化銀乳剤Bのプレ
フォーム乳剤の調製〉上記のベヘン酸ナトリウム溶液に
得られたハロゲン化銀乳剤Bを15.1g添加し水酸化
ナトリウム溶液でpH8.1に調整した後に1Mの硝酸
銀溶液147mlを7分間かけて加え、更に20分攪拌
し限外濾過により水溶性塩類を除去した。できたベヘン
酸銀は長辺平均サイズ0.8μmの針状粒子であった。
分散物のフロックを形成後、水を取り除き、更に6回の
水洗と水の除去を行った後乾燥させた。 〈感光性乳剤の調製〉得られたプレフォーム乳剤にポリ
ビニルブチラール(平均分子量3000)のメチルエチ
ルケトン溶液(17質量%)544gとトルエン107
gを徐々に添加して混合した後、4000psiで分散
させた。分散後、電子顕微鏡写真で有機銀粒子を観察し
た。300個の有機銀粒子の粒径と厚みを測定した結
果、205個がAR3以上で分散度25%の単分散平板
状有機銀Bであった。尚、平均粒径は0.7μmであっ
た。又塗布乾燥後も同様に有機銀粒子を観察したとこ
ろ、同じ粒子が確認できた。 〈塗布工程〉 《バック層面側塗布》以下の組成のバック層塗布液を、
押し出しコーターで上記支持体の帯電防止加工した下引
き層B−2面側にウェット膜厚30μmになるように塗
布し、60℃、15分で乾燥した。 (バック層塗布液処方1) セルロースアセテートブチレート(10%メチルエチルケトン溶液) 15ml/m2 染料−A 7mg/m2 染料−B 7mg/m2 マット剤(単分散度15%、平均粒子サイズ8μmの単分散シリカ) 15mg/m2 フッ素系界面活性剤 10mg/m2
【0286】
【化69】
【0287】《画像形成層面側塗布》以下の組成の画像
形成層塗布液とその上に保護層塗布液を、押し出しコー
ターで上記支持体の下引き層A−2面側に毎分20mの
速度で重層塗布した。その際、塗布銀量が1.5g/m
2になる様に調整して塗布した。その後、試料101は
65℃、1分で乾燥を行い、試料102は55℃、15
分で乾燥を行った。 (画像形成層塗布液) 感光性乳剤(上記で得られたもの) 240g 増感色素(0.1%メタノール溶液) 1.7ml ピリジニウムプロミドペルブロミド(6%メタノール溶液) 3ml 臭化カルシウム(0.1%メタノール溶液) 1.7ml カブリ防止剤(10%メタノール溶液) 1.2ml 2−4−クロロベンゾイル安息香酸(12%メタノール溶液) 9.2ml 2−メルカプトベンズイミダゾール(1%メタノール溶液) 11ml 一般式(A)の化合物 A−3 0.5g ヒドラジン誘導体 H−1−5 0.5g 4級オニウム化合物 P−45 0.1g 酸化剤 0.4g イソシアネート化合物(Desmodur N3300) 0.5g フタラジン 0.2g 4−メチルフタル酸 0.25g テトラクロロフタル酸 0.2g (表面保護層塗布液1) アセトン 5ml/m2 メチルエチルケトン 21ml/m2 セルロースアセテートブチレート 2.3g/m2 メタノール 7ml/m2 フタラジン 250mg/m2 マット剤:平均粒径5.5μmのシリカ 10mg/m2 ビニルスルホン化合物 VS−1 35mg/m2 フッ素系界面活性剤C1225(CH2CH2O)101225 10mg/m2 (表面保護層塗布液2) アセトン 5ml/m2 メチルエチルケトン 21ml/m2 セルロースアセテートブチレート 2.3g/m2 メタノール 7ml/m2 フタラジン 250mg/m2 コロイダルシリカ 50mg/m2 マット剤:平均粒径3.5μmの単分散シリカ 10mg/m2 ビニルスルホン化合物 VS−1 35mg/m2 フッ素系界面活性剤C1225(CH2CH2O)101225 10mg/m2817−C64−SO3Na 10mg/m2 このようにして熱現像感光材料試料を得た。得られた試
料の残存する溶媒メチルエチルケトン(MEK)の量は
70mg/m2であった。なお、試料の感光層側の表面
のビッカース硬度は100であった。また得られた熱現
像感光材料を25℃、60%RHの環境下で24時間調
湿した後、同雰囲気下で、フィルム面積として46.3
cm2を切り出し質量を測定した後、これを5mm程度
に細かく刻んで専用バイアル瓶に収納しセプタムとアル
ミキャップで密閉した後、ヒューレット・パッカード社
製ヘッドスペースサンプラーHP7694型にセット
し、ヘッドスペースサンプラー加熱条件:120℃、2
0分で蒸発した水分をカールフィッシャー法にて熱現像
感光材料の平衡含水率を定量したところ、0.7%であ
った。
【0288】
【化70】
【0289】上記で作製した熱現像感光材料を40℃、
50%RHで3日間調湿した。 《熱現像》図1に示す平面搬送されるタイプの熱現像機
で処理した。それぞれの加熱工程の温度および時間を表
1に示すように変えた加熱パターンで熱現像処理した。
【0290】
【表1】
【0291】なし※1:加熱せず、常温(25℃〜30
℃)で搬送 《搬送性》上記の熱現像処理を連続して100枚処理し
た。その時に搬送不良を起こした枚数をカウントした。 《濃度バラツキ》上記で作製した試料を長辺60cm×
短辺30cmの四角形に切断し、波長780nmの半導
体レーザーを特開昭59−130494号に記載の高周
波重畳法を用い、縦マルチモードにして露光源とした。
この露光機によりレーザー操作によりウェッジを介して
画像形成層(感光性乳剤層)面側より感光材料の長辺の
左右端からそれぞれ5cmの位置に露光を与えた。その
後、前記の加熱パターンを有する熱現像機で処理し、濃
度1.0付近の左右の濃度のバラツキを濃度計で測定し
た。 《網点品質》上記で作製した試料を長辺60cm×短辺
30cmの四角形に切断し、波長780nmの半導体レ
ーザーを特開昭59−130494号に記載の高周波重
畳法を用いて縦マルチモードにし露光源とした。この露
光機によりレーザー操作により網点露光を与えた。その
後、前記の加熱パターンを有する熱現像機で処理し、1
00倍のルーペで50%近辺の網点品質を観察し、5段
階でランク評価した。5ランクを最高の網点品質とし、
劣化するにつれ順次4,3,2,1とした。ランク3未
満は実用に値しない。 《スリキズ》上記で作製した熱現像感光材料を露光し、
前記の加熱パターンを有する熱現像機で処理し、スリキ
ズを目視で観察し評価した。
【0292】 ○:まったくスリキズがないもの、 △:わずかにスリキズが発生しているもの、 ×:大きなスリキズが発生しているもの。 《熱現像処理後の凹凸》上記で作製した熱現像感光材料
を露光し、前記の加熱パターンを有する熱現像機で処理
し、処理後の感光層側の凹凸を目視で観察し、評価し
た。
【0293】 ○:まったく平滑で凹凸がないもの、 △:わずかに表面に凹凸が発生しているもの、 ×:全面的に凹凸が発生しているもの。
【0294】評価した結果を表2に示す。
【0295】
【表2】
【0296】本発明内のパターン3と5では評価した何
れの項目も優れた値を示したが、本発明外のパターンは
何れも問題があることがわかる。又、加熱パターン3と
5で熱現像処理したものをマスク材料として用い、紫外
光で三菱化学(株)製のポジPS版PM−2に露光し現
像処理し、版面上のムラを観察したところ、ムラの発生
は認められなかった。更に得られた刷版を用いて印刷を
行ったが、印刷物上にムラは認められなかった。
【0297】実施例2 (ハロゲン化銀粒子の調製)水650mlにフタル化ゼ
ラチン11g、臭化カリウム30mgおよびベンゼンチ
オスルホン酸ナトリウム10mgを溶解して、温度55
℃にてpHを5.0に合わせた後、硝酸銀18.6gを
含む水溶液159mlと臭化カリウムを1モル/リット
ルで含む水溶液をpAg7.7に保ちながらコントロー
ルドダブルジェット法で6分30秒間かけて添加した。
次いで、硝酸銀55.5gを含む水溶液476mlと臭
化カリウムを1モル/リットルで含むハロゲン塩水溶液
をpAg7.7に保ちながらコントロールドダブルジェ
ット法で28分30秒かけて添加した。その後pHを下
げて凝集沈降させて脱塩処理をし、化合物Aを0.17
g、脱イオンゼラチン(カルシウム含有量として20p
pm以下)23.7gを加え、pH5.9、pAg8.
0に調整した。得られた粒子は平均粒子サイズ0.11
μm、投影面積変動係数8%、(100)面比率93%
の立方体単分散粒子であった。
【0298】こうして得たハロゲン化銀粒子を60℃に
昇温して、銀1モル当たりベンゼンチオスルホン酸ナト
リウム76μモルを添加し、3分後にチオ硫酸ナトリウ
ム154μモルを添加して、100分熟成した。
【0299】その後、40℃に温度を保ち、ハロゲン化
銀1モルに対して前記6.4×10 -4モルの増感色素を
撹拌しながら添加し、20分後に30℃に急冷してハロ
ゲン化銀乳剤の調製を終了した。 (有機酸銀分散物の調製) 〈有機酸銀〉アラキジン酸4.4g、ベヘン酸39.4
g、蒸留水770mlを85℃で攪拌しながら、1N−
NaOH水溶液103mlを60分かけて添加して24
0分反応させ、75℃に降温した。次いで、硝酸銀1
9.2gの水溶液112.5mlを45秒かけて添加
し、そのまま20分間放置し、30℃に降温した。その
後、吸引濾過で固形分を濾別し、固形分を濾水の伝導度
が30μS/cmになるまで水洗した。
【0300】こうして得られた固形分は、乾燥させない
でウェットケーキとして取り扱い、乾燥固形分100g
相当のウェットケーキに対し、ポリビニルアルコール
(クラレ(株)製;PVA−205)5gおよび水を添
加し、全体量を500gとしてからホモミキサーにて予
備分散した。
【0301】次に予備分散済みの原液を分散機(商品
名:マイクロフルイダイザーM−11OS−EH、マイ
クロフルイデックス・インターナショナル・コーポレー
ション製、G10Zインタラクションチャンバー使用)
の圧力を1750kg/cm2に調節して、三回処理
し、有機酸銀分散物を得た。こうして得た有機酸銀分散
物に含まれる有機酸銀粒子は平均短径0.04μm、平
均長径0.8μm、変動係数30%の単分散針状粒子で
あった。粒子サイズの測定は、Malvern Ins
truments Ltd.製Master Size
rXにて行った。冷却操作は、蛇管式熱交換器をインタ
ラクションチャンバーの前後に各々装着し、冷媒の温度
を調節することで所望の分散温度に設定した。 (1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフ
ェニル)−3,5,5−トリメチルヘキサンの固体微粒
子分散物の調製)1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,
5−ジメチルフェニル)−3,5,5−トリメチルヘキ
サン20gに対してクラレ(株)製MPポリマーのMP
−203を3.0gと水77ml添加して良く撹拌し
て、スラリーとして3時間放置した。その後、0.5m
mのジルコニアビーズを360gを用意してスラリーと
一緒にベッセルに入れ、分散機(1/4Gサンドグライ
ンダーミル:アイメックス(株)製)にて3時間分散
し、還元剤固体微粒子分散物を調製した。粒子径は、粒
子の80質量%が0.3μm以上1.0μm以下であっ
た。 (トリブロモメチルフェニルスルホンの固体微粒子分散
物の調製)トリブロモメチルフェニルスルホン30gに
対してヒドロキシプロピルメチルセルロース0.5gと
水88.5gを添加して良く攪拌してスラリーとして3
時間放置した。その後、還元剤固体微粒子分散物の調製
と同様にしてカブリ防止剤の固体微粒子分散物を調製し
た。粒子径は粒子の80質量%が0.3μm以上1.0
μm以下であった。 (乳剤層塗布液の調製)上記で調製した有機酸銀微結晶
分散物の銀1モルに対して、以下のバインダー、素材お
よびハロゲン化銀乳剤を添加して、水を加えて、乳剤層
塗布液とした。
【0302】 バインダー;ラックスター3307B 固形分として470g (大日本インキ化学工業(株)製;SBRラテックスでガラス転移温度17℃) 1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,5 −トリメチルヘキサン 固形分として110g トリブロモメチルフェニルスルホン 固形分として25g ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 0.25g ポリビニルアルコール(クラレ(株)製MP−203) 46g 6−iso−ブチルフタラジン 0.12モル 硬調化剤:N−(2−メトキシフェニル)−N’−ホルミルヒドラジン 1.85g ハロゲン化銀乳剤B Ag量として0.05モル (乳剤面保護層塗布液の調製)固形分27.5%のポリ
マーラテックス(メチルメタクリレート/スチレン/2
−エチルヘキシルアクリレート/2−ヒドロキシエチル
メタクリレート/メタアクリル酸=59/9/26/5
/1の共重合体でガラス転移温度55℃)109gにH
2Oを3.75g加え、造膜助剤としてベンジルアルコ
ール4.5g、およびポリビニルアルコール(クラレ
(株)製 PVA−217)2.25gを加え、さらに
純水を加えて150gとし塗布液とした。 (支持体の作製) バック面塗布サンプル(BC−A)の作製 塗布液−Aの調製 水分散ラテックスに対して下記の各組成物を添加して塗
布液−Aを調製した。
【0303】 スチレン/ブタジエン共重合体ラテックス 158g (スチレン:ブタジエン=67:30 固形分40質量%) 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム塩 0.26g 蒸留水 841.7g 上記塗布液−Aを厚さ120μmのポリエチレンテレフ
タレートフィルムの片面に塗布し、180℃で30秒乾
燥して、0.3μmの第一層を形成した。 塗布液−Bの調製 ゼラチン 15g 酢酸(20%) 10g 染料−A 1.23g メチルセルロース(2%水溶液) 23.3g 蒸留水 950g 上記塗布液−Bを上記第一層上に染料濃度が780nm
で0.8になるように塗布し、170℃で30秒乾燥し
て第二層を形成した。 塗布液−Cの調製 ジュリマーET410(20%水分散物) 19.1g (アクリル樹脂水分散液、日本純薬(株)製) FS−10D(17%水分散物) 90.7g SbドープSnO2水分散物(針状微粒子、長軸/短軸:20〜30、長軸: 0.2〜2.0μm、短軸:0.01〜0.02μm、石原産業(株)製) ポリオキシエチレンフェニルエーテル 1g スミテックスレジンM−3(8%水溶液) 22.3g (水溶性メラミン化合物、住友化学工業(株)製) 蒸留水 866.9g 上記塗布液−Cを上記第二層上に塗布し、180℃で3
0秒乾燥して、0.03μmの第三層を形成した。 塗布液−Dの調製 ケミパールS−120(27%水分散物) 30g (ポリオレフィン水分散物、三井石油化学(株)製) スノーテックスC(30%水分散物) 20g (コロイダルシリカ水分散物、日産化学(株)製) ポリスチレンスルホン酸塩(分子量1000〜5000) 1g デナコールEX614B(1%水溶液) 30g (エポキシ化合物、ナガセ化成工業(株)製) 蒸留水 919g 上記塗布液−Dを上記第三層上に塗布し、170℃で3
0秒乾燥して、0.03μmの第四層を形成し、バック
塗布面サンプル(BC−A)を作製した。 乳剤層側下塗り層の作製 塗布液−Gの調製 スチレン/ブタジエン共重合体ラテックス 152g (スチレン:ブタジエン=67:30固形分40質量%) ポリスチレン微粒子(平均粒径:2μm) 0.1g 蒸留水 847.9g 上記塗布液−Gをバック面塗布サンプル(BC−A)の
塗布面と反対側に塗布し、180℃で30秒乾燥して、
0.3μmの下引第一層を形成した。 塗布液−Hの調製 ゼラチン 15g 酢酸(20%水溶液) 10g 化合物C 0.04g メチルセルロース(2%水溶液) 23.3g 蒸留水 951.3g 上記塗布液−Hを上記下引第一層上に塗布し、170℃
で30秒乾燥して、0.15μmの下引第二層を形成し
たサンプル(Base−A)を作製した。なお、上記で
作製した支持体Base−Aの吸収λmaxを分光光度
計で測定したところ、788nmであった。
【0304】このように作製したバック面、下引面を塗
布したサンプル(Base−A)を、200℃に設定し
た全長200mの熱処理ゾーンに入れ、張力3kg/c
2、搬送速度20m/分で搬送した。その後で、40
℃のゾーンに15秒間通し、10kg/cm2の巻き取
り張力で巻き取り、サンプル(Base−HA)とし
た。 (熱現像写真感光材料の作製)上記のバック面、下引面
を塗布したサンプル(Base−HA)を支持体にし
て、前記乳剤層塗布液を塗布銀量が1.6g/m2にな
るように塗布した。さらにその上に、乳剤面保護層塗布
液を、ポリマーラテックスの固形分の塗布量が2.0g
/m2になるように塗布して、熱現像写真感光材料の試
料を作製した。
【0305】なお、感光層側の表面のビッカース硬度は
110であった。実施例1と同様にして評価を行った。
ただし熱現像は図2の現像機を用いた。加熱パターンは
実施例1の表1と同じである。結果を表3に示す。ただ
し露光は波長780nmの半導体レーザーを感光材料の
露光面との角度を80度にした露光源を有する露光機に
よりレーザー走査によりウェッジを介して露光を行っ
た。
【0306】
【表3】
【0307】表3より明らかなごとく、本発明内のパタ
ーン3と5だけがテストしたいずれの項目においても優
れた特性を示すことがわかる。
【0308】実施例3 (PET支持体の作製)PETペレットを130℃で4
時間乾燥した後、300℃で溶融後T型ダイから押し出
した後急冷し、未延伸のフィルムを作製した。これを周
速の異なるロールを用い3.0倍に縦延伸、ついでテン
ターで4.5倍に横延伸を実施した。この時の温度はそ
れぞれ110℃、130℃であった。この後、240℃
で20秒間熱固定後これと同じ温度で横方向に4%緩和
した。この後200℃のゾーンを巻き取り張力3.5k
g/cm2で20m/minの速度で10分間熱処理し
た。
【0309】この後テンターのチャック部をスリッター
した後、両端にナール加工を行い、40Nの力で巻き取
った。このようにして巾2.4m、長さ800m、厚み
100μmのPETフィルムのロールを得た。125μ
mの厚みをもったPETフィルム支持体は、未延伸時の
フィルムの膜厚調整を行い、あとは100μmフィルム
支持体作製時と同様に行った。どの厚みのPETもガラ
ス転移点は79℃であった。
【0310】上記のようにして作製した2軸延伸熱固定
済みの厚さ120μmの厚みをもったPETフィルム支
持体の両面にそれぞれ8W/m2・分のコロナ放電処理
を施し、一方の面に下記下引塗布液a−1を乾燥膜厚
0.8μmになるように塗設し乾燥させて下引層A−1
とし、また反対側の面に下記帯電防止加工した下引塗布
液b−1を乾燥膜厚0.8μmになるように塗設し乾燥
させて帯電防止加工下引層B−1とした。 《下引塗布液a−1》 ブチルアクリレート(30質量%) t−ブチルアクリレート(20質量%) スチレン(25質量%) 2−ヒドロキシエチルアクリレート(25質量%) の共重合体ラテックス液(固形分30%) 270g (C−1) 0.6g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g ポリスチレン微粒子(平均粒径3μm) 0.05g コロイダルシリカ(平均粒径90μm) 0.1g 水で1000mlに仕上げた。 《下引塗布液b−1》 SnO2/Sb(9/1質量比、平均粒径0.18μm) 200mg/m2になる量 ブチルアクリレート(30質量%) スチレン(20質量%) グリシジルアクリレート(40質量%) の共重合体ラテックス液(固形分30%) 270g (C−1) 0.6g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g 水で1000mlに仕上げた。
【0311】上記下引層A−1及び下引層B−1の上表
面に、8w/m2・分のコロナ放電を施し、下引層A−
1の上には、下記下引上層塗布液a−2を乾燥膜厚0.
1μmになる様に下引上層A−2として、下引層B−1
の上には下記下引上層塗布液b−2を乾燥膜厚0.8μ
mになる様に帯電防止機能をもつ下引上層B−2として
塗設した。 《下引上層塗布液a−2》 ゼラチン 0.4g/m2になる質量 (C−1) 0.2g (C−2) 0.2g (C−3) 0.1g シリカ粒子(平均粒径3μm) 0.1g 水で1000mlに仕上げる。 《下引上層塗布液b−2》 (C−4) 60g (C−5)を成分とするラテックス液(固形分20%) 80g 硫酸アンモニウム 0.5g (C−6) 12g ポリエチレングリコール(重量平均分子量600) 6g 水で1000mlに仕上げた。 《支持体の熱処理》上記の下引済み支持体の下引乾燥工
程において、支持体を140℃で加熱し、その後徐々に
冷却した。巻き取り張力は3.5kg/cm2で行っ
た。 (ハロゲン化銀乳剤の調製)水900ml中にイナート
ゼラチン7.5g及び臭化カリウム10mgを溶解して
温度35℃、pHを3.0に合わせた後、硝酸銀74g
を含む水溶液370mlと(60/38/2)のモル比
の塩化ナトリウムと臭化カリウムと沃化カリウム及び
〔Ir(NO)Cl5〕塩を銀1モル当たり1×10-6
モル及び塩化ロジウム塩を銀1モル当たり1×10-6
ル含む水溶液370mlを、pAg7.7に保ちながら
コントロールドダブルジェット法で添加した。その後4
−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラ
ザインデンを添加しNaOHでpHを8、pAg6.5
に調整することで還元増感を行い平均粒子サイズ0.0
6μm、単分散度10%の投影直径面積の変動係数8
%、〔100〕面比率87%の立方体沃臭化銀粒子を得
た。この乳剤にゼラチン凝集剤を用いて凝集沈降させ脱
塩処理後フェノキシエタノール0.1gを加え、pH
5.9、pAg7.5に調整して、ハロゲン化銀乳剤を
得た。 (ベヘン酸Na溶液の調製)945mlの純水にベヘン
酸32.4g、アラキジン酸9.9g、ステアリン酸
5.6gを90℃で溶解した。次に高速で攪拌しながら
1.5Mの水酸化ナトリウム水溶液98mlを添加し
た。次に濃硝酸0.93mlを加えた後、55℃に冷却
して30分攪拌させてベヘン酸Na溶液を得た。 (ベヘン酸銀とハロゲン化銀乳剤のプレフォーム乳剤の
調製)上記のベヘン酸Na溶液に、前記ハロゲン化銀乳
剤を添加し、水酸化ナトリウム溶液でpH8.1に調整
した後に、1Mの硝酸銀溶液147mlを7分間かけて
加え、さらに20分攪拌し限外濾過により水溶性塩類を
除去した。生成したベヘン酸銀は平均粒子サイズ0.8
μm、単分散度8%の粒子であった。分散物のフロック
を形成後、水を取り除き、更に6回の水洗と水の除去を
行った後乾燥させた。 (感光性乳剤の調製)前記プレフォーム乳剤を分割し、
それにポリビニルブチラール(平均分子量3000)の
メチルエチルケトン溶液(17質量%)544gとトル
エン107gを徐々に添加して混合した後に、0.5m
mサイズZrO2のビーズミルを用いたメディア分散機
で4000psiで30℃、10分間の分散を行った。
【0312】前記の支持体上にそれぞれ以下の各層を両
面同時塗布し、試料を作製した。尚、乾燥は60℃、1
5分間で行った。 (バック面側塗布)支持体のB−1層の上に、以下の組
成の液を塗布した。
【0313】 セルロースアセテートブチレート 15ml/m2 (10%メチルエチルケトン溶液) 染料−A 60mg/m2 マット剤:単分散度15%平均粒子サイズ8μm単分散シリカ 90mg/m2817(CH2CH2O)12817 50mg/m2919−C64−SO3Na 10mg/m2 (感光層面側塗布)支持体のA−1層の上に、以下の組
成の液を塗布銀量が1.5g/m2になる様に塗布し
た。
【0314】 前記感光性乳剤 240g 増感色素(0.1%メタノール溶液) 1.7ml ピリジニウムプロミドペルブロミド(6%メタノール溶液) 3ml 臭化カルシウム(0.1%メタノール溶液) 1.7ml 酸化剤(10%メタノール溶液) 1.2ml 2−4−クロロベンゾイル安息香酸(12%メタノール溶液)9.2ml 2−メルカプトベンズイミダゾール(1%メタノール溶液) 11ml トリブロモメチルスルホキノリン(5%メタノール溶液) 17ml 硬調化剤(93−1) 0.4g ヒドラジンH−1−1 0.3g フタラジン酸 0.6g 4−メチルフタル酸 0.25g テトラクロロフタル酸 0.2g 平均粒径3μmの炭酸カルシウム 0.1g 1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル) −2−メチルプロパン(20%メタノール溶液) 20.5ml イソシアネート化合物 0.5g (モーベイ社製、Desmodur N3300) (表面保護層塗布)以下の組成の液を、感光層の上にな
るよう同時塗布した。
【0315】 アセトン 5ml/m2 メチルエチルケトン 21ml/m2 セルロースアセテートブチレート 2.3g/m2 メタノール 7ml/m2 フタラジン 250mg/m2 マット剤:単分散度10%平均粒子サイズ4μm単分散シリカ 5mg/m2 CH2=CHSO2CH2CONHCH2CH2NHCOCH2SO2CH=CH2 35mg/m2 フッ素系界面活性剤 C1225(CH2CH2O)101225 10mg/m2817−C64−SO3Na 10mg/m2 塗膜形成した後の試料を用い、バインダーを除去した後
に、レプリカ法で電子顕微鏡観察して測定したところ、
有機銀塩粒子は長軸径0.5±0.05μm、短軸径
0.4±0.05μm、厚み0.01μmの平板状粒子
が全有機銀塩粒子の90%である単分散度5%の粒子で
あった。 〔露光および現像処理〕Panasonicのイメージ
セッターKX−J237LZ(780nmの半導体レー
ザー)を用いて露光し、現像機は図3のものを用い、表
4の条件で行った。
【0316】表4の第1加熱工程及び第2加熱工程の時
間とラインスピードになるよう、各加熱工程のブロック
状のヒーターの組み合わせ個数を変えて加熱工程長を調
整した。条件は表4に示す18個について特性評価を行
った。表中のローラー本数は第1加熱工程/第2加熱工
程の本数として示してある。 〔評価〕 感度:各実施例の試料No.1を100として相対値で
示した。 露光:PanasonicのイメージセッターKX−J
237LZ(780nmの半導体レーザー)を用いて露
光した。 ガンマ:特性曲線の濃度1.1と2.5を結ぶ傾きを、
脚切れを表す指標値ガンマ(γ)とした。 ランニング濃度:ベタ露光で濃度4.0となる出力値で
400mm×400mmの範囲に露光し、連続10枚処
理した時の濃度を測定し最大値と最低値の差を表に示し
た。濃度はマクベス濃度計を使用した。 リニアリティ:175線/2.54cmで理論値95%
のアミ%出力値で露光し、処理後の測定値が95%とな
る出力値で理論値50%となるアミ%を測定した値
(a)との差(a%−50%)を表に示した。ゼロに近
いほど良い。アミ%はX−Riteで未露光部をゼロと
して測定した。 寸法変化率:熱処理前に測定試料を23℃、50%RH
に2時間以上放置した後、カッターで10cmの正方形
の頂点を「+」で傷をつけて、対角線の長さを測定し
た。対角線がそれぞれMD/TD方向となるようにし
た。熱処理した後、23℃、50%RHに2時間以上放
置し対角線の長さを測定した。処理前後の寸法を変化率
(%)として示した。MD/TDで変化が大きい方を表
に記載した。熱処理は125℃のオーブンに厚さ約3m
mのアルミ板2枚(15cmの正方形)を入れておき、
測定試料をアルミ板ではさむようにして25秒間放置
し、とりだして冷却した。
【0317】測定装置は、Nikon社製measur
escope20、DP−200、SC−102を使用
した。 搬送不良回数:458mm×500mmサイズの試料を
巾手458mmで連続50枚処理した。処理間隔は5c
mで行い、そのときの搬送不良回数を表に示した。
【0318】
【表4】
【0319】表4から明らかな如く、本発明内のものは
いずれの評価項目も良好な特性を持つことがわかる。
【0320】実施例4 実施例3の処方において、ハロゲン化銀に化学増感を行
った。化学増感の方法は、ハロゲン化銀乳剤を60℃に
昇温してチオ硫酸ナトリウムと表5に示す化学増感化合
物を5×10-5mol/Agmol添加して50分間熟
成した後、35℃に急冷して化学増感を終了し、表5に
示す各ハロゲン化銀乳剤を作製した。尚、実施例3の添
加剤処方中のヒドラジンH−1−1をH−1−5に変更
した。
【0321】評価は実施例3と同様に行い、その結果は
表6に示す。
【0322】
【表5】
【0323】
【表6】
【0324】表6から明らかな如く、本発明内のものは
いずれの評価項目も良好な特性を持つことがわかる。
【0325】実施例5 実施例3の添加剤処方中のヒドラジンH−1−1をH−
2−1に変更した。
【0326】又、待機時のラインスピードには、感光材
料の後端が徐冷部を通過し、排出されてから5秒後にな
るようにした。
【0327】評価は実施例3と同様に行い、その結果は
表7に示す。
【0328】
【表7】
【0329】本発明内のものはいずれの評価項目も良好
な特性を持つことがわかる。 実施例6 感光材料は、ヒドラジンH−1−1をH−1−4に変え
た以外は実施例3と同様に作製した。
【0330】ローラー(搬送部材)の材質は感光層面側
に接触する上側ローラーを表8に示す材質とした。肉厚
はそれぞれ4mmとした。バッキング面側が接触するロ
ーラーはシリコーンゴムローラーとした。第2加熱工程
の起毛材については実施例3と同様の素材を使用した。
【0331】
【表8】
【0332】本発明内のものはいずれの評価項目も良好
な特性を持つことがわかる。 実施例7 (有機銀塩分散物の調製)アラキジン酸4.4g、ベヘ
ン酸39.4g、蒸留水770mlを、85℃で攪拌し
ながら1N−NaOH水溶液103mlを60分かけて
添加して240分反応させ、75℃に降温した。次い
で、硝酸銀19.2gの水溶液112.5mlを45秒
かけて添加し、そのまま20分間放置し、30℃に降温
した。その後、吸収濾過で固形分を濾別し、固形分を濾
水の伝導度が30μS/cmになるまで水洗した。こう
して得られた固形分は、乾燥させないでウェットケーキ
として取り扱い、乾燥固形分100g相当のウェットケ
ーキに対し、ポリビニルアルコール(クラレ(株)製;
PVA−205)10g及び水を添加し、全体量を50
0gとしてからホモミキサーにて予備分散した。
【0333】次に予備分散済みの原液を分散機(商品
名:マイクロフルイダイザーM−11OS−EH、マイ
クロフルイデックス・インターナショナル・コーポレー
ション製、G10Zインタラクションチャンバー使用)
の圧力を1750kg/cm2に調節して、三回処理
し、体積加重平均直径0.93μmの有機銀塩微結晶分
散物の調製を終了した。粒子サイズの測定は、Malv
ern Instruments Ltd.製Mast
er SizerXにて行った。冷却操作は蛇管式熱交
換器を、インタラクションチャンバーの前後に各々装着
し、冷媒の温度を調節することで所望の分散温度に設定
した。 (感光層塗布液の調製)先に調製した有機銀塩微結晶分
散物(銀/モル相当)に対し、実施例1で調製したハロ
ゲン化銀乳剤Bを全塗布銀量に対し4%となる量とを、
以下のバインダーおよび現像用素材と混合し、感光層塗
布液とした。
【0334】 バインダー;ラックスター3307B 固形分として470g (大日本インキ化学工業(株)製;SBR ラテックスでガラス転移温度17 ℃) 1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,5− トリメチルヘキサン 固形分として110g トリブロモメチルフェニルスルホン 固形分として25g 3,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン 固形分として5.2g 硬調化剤(93−1) 0.1g/m2 3,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾト
リアジン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジ
メチルフェニル)−3,5,5−トリメチルヘキサン、
トリブロモメチルフェニルスルホンについては、通常の
方法で固体微粒子分散物を調製した。 (感光面保護層、バッキング保護層塗布液の調製)40
%のポリマーラテックス(メチルメタクリレート/スチ
レン/2−エチルヘキシルアクリレート/2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート/メタアクリル酸=59/9/
26/5/1の共重合体)500gに、H2O262g
を加え、造膜助剤としてベンジルアルコール14g、化
合物D2.5g、セロゾール524(中京油脂(株)
製)3.6g、化合物E12g、化合物F1g、化合物
G2g、化合物H7.5g、マット剤として、平均粒径
3μmのポリメチルメタクリレート微粒子3.4gを順
次加え、さらにH2Oを加えて1000gとし、粘度5
cp(25℃)、pH3.4(25℃)の塗布液を調製
した。
【0335】
【化71】
【0336】(バッキング層塗布液の調製)上記(感光
面保護層、バッキング保護層塗布液の調製)に、染料−
Cを780nmの吸収濃度が1.2となる量を加えてバ
ッキング層塗布液を調製した。
【0337】PET支持体にバッキング保護層はバイン
ダーが0.8g/m2となるよう塗布し、その後乳剤層
は表4の濃度になる銀量で、感光面保護層はバインダー
が1.2g/m2となるように塗布した。
【0338】露光および現像処理、更に評価は実施例3
と同様に行った。
【0339】
【表9】
【0340】本発明内のものはいずれの評価項目も良好
な特性を持つことがわかる。
【0341】
【発明の効果】第1の本発明により、処理速度を上げて
処理時間短縮をはかった場合においても、感光材料の加
熱による歪みや変形を極力抑えて搬送性を良くし、感光
材料の左右両端での濃度バラツキを抑え、印刷製版用と
したとき網点品質の劣化や、処理時のスリキズや熱現像
後の表面凹凸の発生がない熱現像方法とそれに用いる感
光材料及びマスク材料の形成方法を提供することができ
る。
【0342】第2の本発明により、感度、ガンマ、濃
度、寸法変化率、搬送性に加え、硬調でランニング特性
とリニアリティに優れた熱現像感光材料の画像形成方法
と熱現像機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱現像機の構成断面図。
【図2】熱現像機の構成断面図。
【図3】熱現像機の構成断面図。
【図4】図3に示す熱現像機の構成を多少変えた構成断
面図。
【符号の説明】
1 搬送ローラー 2 搬送ローラー 3 ハロゲンヒーター 4 プレートヒーター 5 ヒーターを内蔵した植毛鋼板部材 6 セラミックヒーターを内蔵した搬送ローラー 7 植毛鋼板 8 脱臭装置 9 加熱工程A 10 加熱工程B 11 加熱工程C 12 冷却ファン 100 感光材料の搬入部 101 第1加熱工程 102 第2加熱工程 103 徐冷部 105 ヒーター部 107 パネルヒーター 108 ハロゲンランプ内蔵の加熱ローラー 109 搬送用ローラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 1/12 G03F 1/12 Fターム(参考) 2H095 AB26 BA07 BB27 BC06 BC07 BC08 2H112 AA03 AA11 BA08 BA17 BC10 BC12 BC17 BC22 BC24 2H123 AB00 AB03 AB17 AB23 AB28 BB00 BB24 BB31 CB00 CB03 CB20

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくともハロゲン化銀、有
    機銀粒子及び還元剤を有する熱現像感光材料を熱現像す
    る方法において、(1)熱現像処理が115℃以上の加
    熱工程Aを含む少なくとも3工程以上の加熱工程を有
    し、(2)該加熱工程Aの前に8〜30℃低い加熱工程
    Bを有し、かつ該加熱工程Aの後に8〜30℃低い加熱
    工程Cを有することを特徴とする熱現像方法。
  2. 【請求項2】 支持体上に少なくともハロゲン化銀、有
    機銀粒子及び還元剤を有する熱現像感光材料を熱現像す
    る方法において、(1)該有機銀粒子が単分散粒子であ
    り、(2)熱現像処理が115℃以上の加熱工程Aを含
    む少なくとも3工程以上の加熱工程を有し、(3)該加
    熱工程Aの前に8〜30℃低い加熱工程Bを有し、かつ
    該加熱工程Aの後に8〜30℃低い加熱工程Cを有する
    ことを特徴とする熱現像方法。
  3. 【請求項3】 支持体上に少なくともハロゲン化銀、有
    機銀粒子及び還元剤を有する熱現像感光材料を熱現像す
    る方法において、(1)熱現像感光材料が硬調化剤を含
    有し、(2)熱現像処理が115℃以上の加熱工程Aを
    含む少なくとも3工程以上の加熱工程を有し、(3)該
    加熱工程Aの前に8〜30℃低い加熱工程Bを有し、か
    つ該加熱工程Aの後に8〜30℃低い加熱工程Cを有す
    ることを特徴とする熱現像方法。
  4. 【請求項4】 前記加熱工程Bが100℃以上であるこ
    とを特徴とする請求項1、2又は3記載の熱現像方法。
  5. 【請求項5】 前記加熱工程Aと前記加熱工程Bと前記
    加熱工程Cとの合計時間が50秒以下であることを特徴
    とする請求項1〜4の何れか1項記載の熱現像方法。
  6. 【請求項6】 支持体上に少なくともハロゲン化銀、有
    機銀粒子及び還元剤を有する熱現像感光材料において、
    (1)熱現像処理が115℃以上の加熱工程Aを含む少
    なくとも3工程以上の加熱工程を有し、(2)該加熱工
    程Aの前に8〜30℃低い加熱工程Bを有し、かつ該加
    熱工程Aの後に8〜30℃低い加熱工程Cを有する加熱
    工程で処理されることを特徴とする熱現像感光材料。
  7. 【請求項7】 支持体上に少なくともハロゲン化銀、有
    機銀粒子及び還元剤を有する熱現像感光材料において、
    (1)熱現像処理が115℃以上の加熱工程Aを含む少
    なくとも3工程以上の加熱工程を有し、(2)該加熱工
    程Aの前に8〜30℃低い加熱工程Bを有し、かつ該加
    熱工程Aの後に8〜30℃低い加熱工程Cを有する加熱
    工程で処理され、(3)該有機銀粒子が単分散粒子であ
    ることを特徴とする熱現像感光材料。
  8. 【請求項8】 支持体上に少なくともハロゲン化銀、有
    機銀粒子及び還元剤を有する熱現像感光材料において、
    (1)熱現像処理が115℃以上の加熱工程Aを含む少
    なくとも3工程以上の加熱工程を有し、(2)該加熱工
    程Aの前に8〜30℃低い加熱工程Bを有し、かつ該加
    熱工程Aの後に8〜30℃低い加熱工程Cを有する加熱
    工程で処理され、(3)該熱現像感光材料が硬調化剤を
    含有することを特徴とする熱現像感光材料。
  9. 【請求項9】 前記加熱工程Bが100℃以上であるこ
    とを特徴とする請求項6、7又は8記載の熱現像感光材
    料。
  10. 【請求項10】 前記加熱工程Aと前記加熱工程Bと前
    記加熱工程Cとの合計時間が50秒以下であることを特
    徴とする請求項6〜9の何れか1項記載の熱現像感光材
    料。
  11. 【請求項11】 支持体上に少なくともハロゲン化銀、
    有機銀粒子及び還元剤を有する熱現像感光材料を、
    (1)熱現像処理が115℃以上の加熱工程Aを含む少
    なくとも3工程以上の加熱工程を有し、(2)該加熱工
    程Aの前に8〜30℃低い加熱工程Bを有し、かつ該加
    熱工程Aの後に8〜30℃低い加熱工程Cを有する加熱
    工程で加熱することによりマスク材料を形成することを
    特徴とするマスク材料の形成方法。
  12. 【請求項12】 支持体上に少なくともハロゲン化銀、
    有機銀粒子及び還元剤を有する熱現像感光材料を、
    (1)該有機銀粒子が単分散粒子であり、(2)熱現像
    処理が115℃以上の加熱工程Aを含む少なくとも3工
    程以上の加熱工程を有し、(3)該加熱工程Aの前に8
    〜30℃低い加熱工程Bを有し、かつ該加熱工程Aの後
    に8〜30℃低い加熱工程Cを有する加熱工程で加熱す
    ることによりマスク材料を形成することを特徴とするマ
    スク材料の形成方法。
  13. 【請求項13】 支持体上に少なくともハロゲン化銀、
    有機銀粒子及び還元剤を有する熱現像感光材料を、
    (1)該熱現像感光材料が硬調化剤を含有し、(2)熱
    現像処理が115℃以上の加熱工程Aを含む少なくとも
    3工程以上の加熱工程を有し、(3)該加熱工程Aの前
    に8〜30℃低い加熱工程Bを有し、かつ該加熱工程A
    の後に8〜30℃低い加熱工程Cを有する加熱工程で加
    熱することによりマスク材料を形成することを特徴とす
    るマスク材料の形成方法。
  14. 【請求項14】 前記加熱工程Bが100℃以上である
    ことを特徴とする請求項11〜13の何れか1項記載の
    マスク材料の形成方法。
  15. 【請求項15】 前記加熱工程Aと前記加熱工程Bと前
    記加熱工程Cとの合計時間が50秒以下であることを特
    徴とする請求項11〜14の何れか1項記載のマスク材
    料の形成方法。
  16. 【請求項16】 支持体上に少なくとも有機銀粒子、感
    光性ハロゲン化銀粒子、還元剤及び硬調化剤を含有する
    熱現像感光材料を熱現像機で処理する画像形成方法にお
    いて、熱現像機の処理温度が100℃より高く117℃
    未満の第一加熱工程と画像形成のための117℃以上1
    40℃以下で加熱する第二加熱工程を有することを特徴
    とする画像形成方法。
  17. 【請求項17】 熱現像感光材料がカルコゲン化合物あ
    るいは金化合物で化学増感されていることを特徴とする
    請求項16記載の画像形成方法。
  18. 【請求項18】 請求項16記載の画像形成方法に用い
    る熱現像機が、待機時のラインスピードが0.1mm/
    sec以上16mm/sec以下であることを特徴とす
    る熱現像機。
  19. 【請求項19】 請求項16記載の画像形成方法に用い
    る熱現像機において、第一加熱部又は第二加熱部の少な
    くとも何れかの感光面側に接する搬送部材の熱伝導率
    が、0.10以上0.50以下であることを特徴とする
    熱現像機。
  20. 【請求項20】 熱現像機が第一加熱部と第二加熱部及
    び徐冷部を持ち、徐冷部第一ローラーまでの感光面側に
    接するローラーの合計本数が10本以上であることを特
    徴とする請求項16記載の画像形成方法。
  21. 【請求項21】 熱現像機の処理のラインスピードが2
    2mm/sec以上40mm/sec以下であることを
    特徴とする請求項16、17又は20記載の画像形成方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1708021A1 (en) * 2005-03-30 2006-10-04 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. Thermal processing method of silver salt photothermographic dry imaging material
US7695898B2 (en) 2001-08-02 2010-04-13 Fujifilm Corporation Photothermographic material and image formation method

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US7695898B2 (en) 2001-08-02 2010-04-13 Fujifilm Corporation Photothermographic material and image formation method
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