JP2001133704A - 光軸補正装置 - Google Patents

光軸補正装置

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JP2001133704A
JP2001133704A JP31498999A JP31498999A JP2001133704A JP 2001133704 A JP2001133704 A JP 2001133704A JP 31498999 A JP31498999 A JP 31498999A JP 31498999 A JP31498999 A JP 31498999A JP 2001133704 A JP2001133704 A JP 2001133704A
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Japan
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mirror
axis
optical axis
distortion
optical
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Toshihisa Iriyama
利久 入山
Kazuhiko Otsuka
和彦 大塚
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光軸補正装置のミラーとその保持部材との接
着において、接着剤が硬化して生じる応力によるミラー
の反射面の歪み、およびミラーと保持部材の熱膨張特性
の違いから生じる応力によるミラーの歪みを解消する。 【解決手段】 ミラーの反射面12aおよび12bと、
支持部材と接続する接続部12cとを一体に構成するミ
ラー部12を用いることにより、接着剤を使用しないの
で、接着剤の硬化によるミラーの歪みを解消できる。ま
た、同材料で一体に形成したので、熱膨張性の違いによ
るミラーの歪みを解消できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光空間伝送装置内で
光軸の補正を行うための光軸補正装置に関し、特にミラ
ーの反射角を制御することによって光軸の補正を行う光
軸補正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電波資源の不足や、無線または有
線による通信回線設置のためには煩雑な手続きが必要な
ことから、光を用いた空間伝送による通信の実用化の研
究が盛んになっている。しかし、キロメートルにもおよ
ぶ長距離間の光空間伝送装置に関しては、未だ十分な性
能を有する装置が得られていないのが現状である。
【0003】特に、このように光を用いた通信では、正
確なビーム送受信を行うために、常に送信側と受信側の
光軸が一致していることが必要である。しかし、風など
の外的要因、装置内部で発生する振動、さらには温度変
化などにより光学系が影響を受けて光軸のずれが生じ
る。長距離通信においては微小な光軸のずれも通信に支
障をきたすため、常に光軸の補正を行うことが必要とな
る。
【0004】このような要請にこたえるために、出願人
は発明の名称を光軸補正装置とする特願平10−014
533号を出願している。図6に、上記の光軸補正装置
を含む、双方向の光通信が可能な光空間伝送装置の光学
系部分の概略構成を示す。
【0005】この光空間伝送装置では、送信信号に基づ
いて変調された発光素子1のビームが、レンズ2によっ
て平行光にされ、ビームスプリッタ3aに入射される。
ここで反射されたビームは光軸補正装置70のミラー7
2に入射し、反射光が光入出力側の凹型のレンズ4に入
射され、レンズ4で拡大されたビームは、レンズ4とと
もに主レンズ部を構成するレンズ5で平行光に変換され
て送信先の光空間伝送装置に向けて出力される。
【0006】これに対し、相手側から受信したビームは
レンズ5が受け、レンズ4で平行光に変換された後、光
軸補正装置70のミラー72に入射する。その反射光は
ビームスプリッタ3aを通過してビームスプリッタ3b
に入射される。ビームスプリッタ3bは、入射したビー
ムを位置検出側と受信側とに振り分ける。このうち位置
検出側に振り分けられたビームは、レンズ6で集光さ
れ、位置検出センサ7に入射する。位置検出センサ7
は、入射した光の位置を検出し、その検出信号を図示し
ない制御回路に送信する。制御回路側では、検出信号に
基づいて後述する角度制御を行う。
【0007】一方、受信側に振り分けられたビームは、
レンズ8で集光され、受光素子9に入射する。受光素子
9は、入射したビームを電気信号に変換し、受信信号と
して図示しない受信回路側に送る。受信回路側では、受
信信号を復調し、元のデータに復元する。
【0008】この光学系で、光軸補正装置70は、レン
ズ4からミラー72に入射したビームの反射光を、ビー
ムスプリッタ3aに正確に入射させるように、ミラー7
2の角度を調節する。
【0009】図7は従来の光軸補正装置の平面図であ
る。この光軸補正装置70は、入力ビームをミラー72
に入射させ、ミラー72の角度を変化させて、反射光の
光軸を補正して入力素子に入射させる。
【0010】光軸補正装置70は、後述する枠体の上面
に2軸スプリング71を取り付けた構成となっている。
2軸スプリング71は、薄型の弾性を有する円板状の部
材で、同軸の3つのリング711,712,713を有
している。最も外側の外側リング711は、枠体に固定
されている。外側リング711と中間リング712との
間には隙間が空けられており、中間リング712はY軸
ブリッジ71yによって、外側リング711とねじれ回
転可能な状態で連結されている。これにより中間リング
712は、外側リング711に対してY軸まわりに回動
可能となっている。また同様に、最も内側の内側リング
713と中間リング712との間には隙間が空けられ、
内側リング713はX軸ブリッジ71xによって、中間
リング712とねじれ回転可能な状態で連結されてい
る。これにより内側リング713は、中間リング712
に対してX軸まわりに回動可能となっている。この内側
リング713には、円形のミラー72が固定されてい
る。
【0011】図8は図7のF−F線に沿った断面図であ
る。前述したように、2軸スプリング71は、枠体73
の上面に固定されている。内側リング713の下面に
は、ミラーホルダ74が固定され、ミラー72を保持し
ている。このとき、ミラー72は、その反射面72aが
2軸スプリング71の板厚の中心面と一致するように取
り付けられている。
【0012】枠体73の下端面には、ベースプレート7
5が固定され、さらに環状のスペーサ76を介して基板
77が固定されている。ベースプレート75上には、ミ
ラーホルダ74を回動させる駆動機構部が設けられてい
る。この駆動機構部として、ミラーホルダ74をX軸ま
わりに回動させるX軸駆動機構部78Xと、Y軸まわり
に回動させるY軸駆動機構部78Yとがそれぞれ2個ず
つあり、X軸駆動機構部78Xどうし、およびY軸駆動
機構部78Yどうしは、それぞれX軸とY軸の交点、す
なわち原点をはさんで互いに対向する位置に設けられて
いる。ただし、図8では、X軸駆動機構部78Xの一方
は図面手前側のため図示されていない。
【0013】Y軸駆動機構部78Yは、いわゆるムービ
ングマグネット型のボイスコイルモータで、主に、ベー
スプレート75に固定されるボビン78Ya、ボビン7
8Yに巻かれたコイル78Yb、ミラーホルダ74側に
固定されるヨーク78Yc、およびヨーク78Ycの内
側に固定されるマグネット78Ydから構成されてい
る。光軸補正装置70では、2つのY軸駆動機構部78
Yの駆動を制御することにより、ミラーホルダ74のY
軸まわりの回動角度を制御する。
【0014】同様に、X軸駆動機構部78Xもボビン
と、コイルと、ヨークと、マグネットから構成されてお
り、これにより、ミラーホルダ74のX軸まわりの回動
角度が制御される。
【0015】ベースプレート75上には、X軸角度セン
サ79XとY軸角度センサ79Yが固定されている。光
軸補正装置70では、これらX軸角度センサ79XやY
軸角度センサ79Yなどからの角度検出信号に基づい
て、X軸駆動機構部78XおよびY軸駆動機構部78Y
を制御し、ミラー72の反射面72aの角度を制御す
る。これにより光軸の補正制御がなされる。
【0016】なお、上記のX軸駆動機構部78Xおよび
Y軸駆動機構部78Yのボイスコイルモータは、マグネ
ットが駆動するムービングマグネット型であるが、コイ
ルが駆動するムービングコイル型でもよい。この場合
は、ボビンおよびコイルがミラーホルダに固定され、ヨ
ークおよびマグネットがベースプレートに固定される。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところで、光軸補正装
置70において、ミラー72はミラーホルダ74に接着
剤で固定されている。図9にミラー72のミラーホルダ
74への取り付け構造を示す。(a)は平面図で、
(b)は(a)のG−G線に沿った断面図である。
【0018】ミラーホルダ74は、ミラー72の中心と
回転中心が一致するように、ミラー72を正確に位置決
めして保持している。このため図9(b)において、ミ
ラーホルダ74にミラー72をはめ込んだときに、ミラ
ー72の側面が隙間無くミラーホルダ74の位置決め部
74cに密着するように形成されている。そして、位置
決め部74cの上部には、接着部74bとして示した切
り欠きが設けられており、ここに接着剤を流し込んでミ
ラー72を接着している。つまり図9(a)の接着部7
4bに示すように、ミラー72の側面部の全周にわたっ
て接着剤が注入されることになる。
【0019】しかし、ミラー72とミラーホルダ74が
密着した位置決め部74cには接着剤が入らない。つま
り、ミラー72は接着部74bでのみミラーホルダ74
と接着されており、ミラー72の側面全体が接着されて
いるわけではない。このため、接着剤が硬化したときの
体積の変化によって発生する応力が、ミラー72の側面
の上部にのみ作用し、ミラー72の反射面72aに歪み
が生じてしまうことがある。
【0020】従来では、このような接着剤の硬化による
ミラー72の歪みを低減するために、完全硬化しない接
着剤を用いることで、ミラー72に作用する応力を抑え
ていたが、十分な解決法ではなかった。
【0021】また、ミラーホルダ74は可動部を軽量化
しミラー72の応答性を高めるため、密度の小さい樹脂
製としているが、ミラーホルダ74とミラー72をネジ
締結せず接着によって固定することで、より軽量な可動
部が実現されている。これに対して、可動部の質量を増
加させずに、接着以外の方法でミラー72を固定するこ
とは困難である。
【0022】さらに、接着後に歪んだ反射面72aを、
接着後に再加工して必要な平面度を確保する方法も考え
られるが、製造コストが増加し、適当な方法とはいえな
い。また、ミラー72の反射面72aに歪みが生じる第
2の原因として、ミラー72とミラーホルダ74の材質
の違いが挙げられる。ミラー72に使用しているガラス
とミラーホルダ74に使用している樹脂とでは、熱膨張
係数が3倍以上異なる。このため、接着したときの温度
に対して使用環境の温度が異なると、熱膨張係数の差に
よってミラー72に歪みが生じる可能性がある。
【0023】ミラーの反射面の歪みは、光空間伝送の光
学系に影響を及ぼす。図10に、ミラーの反射面が歪ん
だ場合の反射光について示す。(a)は反射面が凸型に
変形した場合、(b)は反射面が凹型に変形した場合で
ある。
【0024】図10(a)のように、接着後のミラー7
2の反射面72aが凸型に変形した場合、反射面72a
に入射した平行光101は、反射すると矢印で示した反
射光102のように拡散する光になる。また、図10
(b)のように反射面72aが凹型に変形した場合は、
平行光101の入射に対して反射光103は収束する光
になる。
【0025】このように反射面に歪みが生じたミラーを
光空間伝送に用いると、ミラーによる反射光の光径の変
化によって、受光部でのレーザ光の検出に支障をきた
す。例えば、レーザ光源から出射した平行光をミラーに
よって反射し、離れた位置にある相手装置に伝送する場
合、ミラーの歪みによって平行光でなくなったレーザ光
は、相手装置において大きく光径が変化してしまう。光
径の変化は、受光部による受光量の変化となって現れ
る。また、位置検出センサにおいてレーザ光がスポット
として結像しないなど、光軸の検出にも支障が生じるこ
とになる。
【0026】このようなミラーの反射面の歪みによる影
響に対し、従来では光学系と光軸補正装置を1対1で組
み合わせて、レーザダイオードや受光素子などの光学素
子側で調整・吸収する方法がとられていた。しかし、光
軸補正装置に問題が生じて部品を交換する場合などに
は、光学系全体を調整し直す必要があり、量産品として
は問題があった。また、ミラーとミラーホルダの熱膨張
特性の違いによる歪みは、光学素子側の調整では排除す
ることができない。
【0027】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、ミラーの歪みを解消し、光軸補正の精度を向
上させた光軸補正装置を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明では上記課題を解
決するために、光空間伝送装置内で光軸の補正を行うた
めの光軸補正装置において、レーザ光を反射するミラー
と枠とが一体であるミラー部と、前記ミラー部を、前記
ミラーの反射面と平行な面上の第1の軸および第2の軸
まわりに回動自在に支持する支持部材と、前記ミラーを
前記第1の軸および第2の軸まわりにそれぞれ独立して
回動させるための、前記ミラー部側に設けられたマグネ
ット、および前記マグネットを駆動するコイルを有する
回動機構部と、前記ミラーの前記各軸まわりの回動角度
を検出する回動角度検出機構部と、前記ミラーの前記第
1の軸および第2の軸まわりの回動角度がそれぞれ所望
の角度となるように前記回動機構部を制御する回動制御
手段と、を有することを特徴とする光軸補正装置が提供
される。
【0029】このような光軸補正装置では、ミラーとミ
ラー支持部材を接続する接続部分がミラーと一体に構成
されているので、接着剤の使用によるミラーの歪みや、
材料の違いによる熱膨張特性の差から生じるミラーの歪
みが生じないので、光軸補正の精度を向上させることが
できる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図2は本発明の光軸補正装置を示
す平面図である。光軸補正装置10は、入力ビームをミ
ラーの反射面12aに入射させ、反射面12aの角度を
変化させて、反射光の光軸を補正して入力素子に入射さ
せる装置であり、基本的な構造は従来例と同じである。
【0031】光軸補正装置10は、後述する枠体の上面
に2軸スプリング11を取り付けた構成となっている。
2軸スプリング11は、薄型の弾性を有する円板状の部
材で、同軸の3つのリング111,112,113を有
している。最も外側の外側リング111は、枠体に固定
されている。外側リング111と中間リング112との
間には隙間が空けられており、中間リング112はY軸
ブリッジ11yによって、外側リング111とねじれ回
転可能な状態で連結されている。これにより、中間リン
グ112は、外側リング111に対してY軸まわりに回
動可能となっている。
【0032】最も内側の内側リング113と中間リング
112との間には隙間が空けられている。内側リング1
13は、X軸ブリッジ11xによって、中間リング11
2とねじれ回転可能な状態で連結されている。これによ
り、内側リング113は、中間リング112に対してX
軸まわりに回動可能となっている。また、この内側リン
グ113には、円形のミラー部12が接着またはネジ止
めによって固定されている。
【0033】図3は図2のB−B線に沿う断面図であ
る。前述したように、2軸スプリング11は、枠体13
の上面に固定されている。内側リング113の下面に
は、両面ミラーとこれを保持し他の部品と接続する保持
部材とが一体に構成されたミラー部12が固定されてい
る。このとき、ミラー部12は、その反射面12aが2
軸スプリング11の板厚の中心面と一致するように取り
付けられている。
【0034】また、枠体13の下端面には、ベースプレ
ート15が固定されている。さらに、環状のスペーサ1
6を介して基板17が固定されている。ベースプレート
15上には、X軸角度センサ19XとY軸角度センサ1
9Yが固定されている。X軸角度センサ19XおよびY
軸角度センサ19Yは光学式のセンサであり、発光素子
と受光素子が一体に設けられている。発光素子からの光
をミラー部12の裏面のミラーで反射させ、その反射光
を受光素子が検出することにより、それぞれがミラー部
12のX軸まわり、Y軸まわりの回動角度を検出する。
【0035】さらに、ベースプレート15から少し高い
位置には、中間プレート14が設けられている。中間プ
レート14の上面には、ミラー部12を回動させる駆動
機構部が設けられている。
【0036】この駆動機構部として、ミラー部12をX
軸まわりに回動させるX軸駆動機構部18Xと、Y軸ま
わりに回動させるY軸駆動機構部18Yとがそれぞれ2
個ずつあり、X軸駆動機構部18Xどうし、およびY軸
駆動機構部18Yどうしは、それぞれX軸とY軸の交
点、すなわち原点をはさんで互いに対向する位置に設け
られている。ただし、図3では、X軸駆動機構部18X
の一方は図面手前側のため図示されていない。
【0037】Y軸駆動機構部18Yは、いわゆるムービ
ングマグネット型のボイスコイルモータで、主に、中間
プレート14に固定されるボビン18Yaと、ボビン1
8Yaに巻かれたコイル18Ybと、ミラー部12にネ
ジ止め固定されるヨーク18Ycと、ヨーク18Ycの
内側に固定されるマグネット18Ydから構成されてい
る。光軸補正装置10では、2つのY軸駆動機構部18
Yの駆動を制御することにより、ミラー部12のY軸ま
わりの回動角度を制御する。
【0038】同様に、X軸駆動機構部18Xもボビン
と、コイルと、ヨークと、マグネットから構成されてお
り、これにより、ミラー部12のX軸まわりの回動角度
が制御される。
【0039】光軸補正装置10では、ベースプレート1
5上に固定されたX軸角度センサ19XとY軸角度セン
サ19Yなどからの角度検出信号に基づいて、X軸駆動
機構部18XおよびY軸駆動機構部18Yを制御し、ミ
ラー部12の反射面12aの角度を制御する。これによ
り光軸の補正制御がなされる。
【0040】図1にミラー部12の詳細図を示す。
(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿った断
面図である。ミラー部12は、上下両方の反射面12a
および12bを有する中央部のミラーと、その周囲で2
軸スプリングおよびマグネットのヨークと接続されるた
めの接続部12cとを、一体に有する。接続部12cに
は、ヨークあるいはヨークと2軸スプリングの両方を固
定するためのネジ穴12dが設けられている。また、反
射面12aの周囲には全周にわたって環状の歪み防止溝
12eが設けられている。
【0041】このミラー部12では、ミラーの反射面1
2aおよび12bと接続部12cが一体なので、ミラー
を接着剤で固定することによって生じるミラーの歪みは
解消される。また、同一材料で一体に構成されているた
め、熱膨張特性の違いによるミラーの歪みも発生しな
い。
【0042】しかし、ミラーと接続部12cが一体にな
ったことによって、2軸スプリングおよびマグネットの
ヨークとの接続の影響を受ける。ミラー部12では、こ
れを防止するために歪み防止溝12eが設けられてい
る。
【0043】図4は図3のC部の拡大図であり、ネジ締
結の場合のミラー部12と2軸スプリング11およびヨ
ーク18Ycとの接続構造を示す。図4のように、ミラ
ー部12の接続部12cのネジ穴12dには、上面の2
軸スプリング11と,下面のナットの機能を有するヨー
ク18Ycとを、ネジ40とヨーク18Ycのナットに
よって接続している。このとき、ネジ40を締める力に
よって、間にあるミラー部12には圧縮応力が作用す
る。ミラー部12とヨーク18Ycとの接触面積は比較
的大きく、圧縮応力はある程度分散されて小さくなる
が、ネジ40は接触面積が小さいため、局部的に比較的
大きな圧縮応力を生ずる。
【0044】もしミラーの反射面12aと2軸スプリン
グ11の取り付け面が同一平面上にあると、上記の圧縮
応力によって反射面12aに歪みが生じる。そこで、反
射面12aの周囲に環状の歪み防止溝12eを設け、ネ
ジ締結にともなう応力の範囲を溝の外側の応力作用範囲
Dに限定し、反射面12aに応力が作用しないようにす
ることで、反射面12aの歪みを防止している。
【0045】またミラー部12と2軸スプリング11と
を接着する場合も、接着剤の均一性にバラツキがあれ
ば、接着剤が硬化するときの体積の変化によって生じる
応力が、反射面12aに対して不均一に作用して、反射
面12aに歪みを生じる。これに対しても、歪み防止溝
12eによって応力が及ぶ範囲を限定することで、歪み
を防止することができる。
【0046】ところで、ミラー部12に設けた歪み防止
用の溝の形状は、2軸スプリング11をネジ締結、ある
いは接着する際に生じる応力の範囲を限定し、ミラーの
反射面12aへの応力の作用を防止できる形状であれ
ば、上記の形状に限らず有効である。
【0047】図5に歪み防止溝の他の形状例を示す。
(a)は平面図、(b)は(a)のE−E線に沿った断
面図である。ミラー部22では、2軸スプリングとネジ
締結することを前提としている。基本的な構成は図1の
ミラー部12と同様で、上面の反射面22aおよび下面
の反射面22bを有するミラーと、2軸スプリングとの
接続部22cとが一体に構成されている。接続部22c
にネジ穴22dを設け、このネジ穴22dを囲むように
歪み防止溝22eが設けられている。この歪み防止溝2
2eによって、ネジを締めることで生じる圧縮応力の範
囲を、環状の溝の内側に限定することで、反射面22a
の歪みを防止している。
【0048】次に、上記のミラーと接続部を一体とした
ミラー部の、材料と製造方法について説明する。ミラー
部の材質は、従来のミラーとミラーホルダの接着部品の
質量と同等か、またはさらに軽量化することができ、加
工が容易で、要求される反射面の形状精度(平面度)を
得られやすいという基準を満たす、アルミニウムあるい
はマグネシウムとした。
【0049】材質をマグネシウムとした場合のミラー部
の製造方法は、まずダイキャストによって外形およびネ
ジ穴、歪み防止溝等を成形する。その後2軸スプリング
およびマグネットヨークの取り付け部分を加工し、さら
に両反射面が平行になるように鏡面加工する。反射面に
は、必要に応じてコーティングあるいは金メッキ(蒸
着)を施す。
【0050】材質をマグネシウムとした場合の製造方法
は、ダイキャストあるいはチクソモールディングによっ
て外形・ネジ穴・歪み防止溝を成形し、あとはアルミニ
ウムと同様に、ヨークの取り付け部分、両反射面を加工
する。
【0051】チクソモールディング成形は、あらかじめ
炉で溶かした金属を金型に流し込むダイキャスト成形に
対して、金属の小さなチップ(長さ4〜5mm、径2m
m程度)を射出成形機内で加熱して溶解させ、溶解した
と同時に高圧をかけて金型内に射出し、成形する方法で
ある。また、アルミニウムやマグネシウムのダイキャス
ト成形あるいはチクソモールディング成形は、高い寸法
精度を必要としないネジ穴や歪み防止溝を、機械加工す
ることなく1度に成形することができ、量産性に優れて
いる。
【0052】図1に示したミラー部をアルミニウムおよ
びマグネシウムを使用し上記の方法で製作したものの質
量と、従来のガラス製のミラーと樹脂製ミラーホルダの
接着部品の質量を比較すると、次のようになる。
【0053】 従来のミラーとミラーホルダ:約9g アルミニウム製のミラー部 :約9g マグネシウム製のミラー部 :約6g このように、従来のミラー部品とアルミニウム製のミラ
ー部の質量はほぼ同等であり、マグネシウム製のミラー
部の場合は質量を2/3に低減することができる。
【0054】ミラーの回動応答性は、2軸スプリングの
ブリッジ部のねじり剛性と、可動部の回転軸に対する慣
性モーメントの大きさに依存している。アルミニウム製
のミラー部の質量は、従来のミラー部品とほぼ同等であ
るが、図1(b)でもわかるとおり従来型と比較して薄
い形状になっており、それにともなってマグネットやヨ
ークがミラーの回転中心に近づき、すなわち回転半径が
小さくなって、結果として慣性モーメントが小さくな
り、ミラーの回転応答性が向上する。また、マグネシウ
ム製のミラー部の場合は、これに加えて可動部の質量も
小さくなっており、一層ミラーの回転応答性が向上す
る。
【0055】なお、上記の説明では、ミラー部の回動機
構部にマグネットが駆動するムービングマグネット方式
のボイスコイルモータを使用した例を用いたが、マグネ
ットおよびヨークを中間プレートに固定し、コイルおよ
びボビンをミラー部下部に固定して駆動させるムービン
グコイル方式のボイスコイルモータを用いた場合にも適
用できる。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように本発明の光軸補正装
置では、レーザ光を反射するミラーと支持部材などとの
接続部を一体に構成したミラー部を用いたので、接着剤
が硬化したときの応力によるミラーの歪みや、異なる材
料を使用しその熱膨張性の違いから生じる応力によるミ
ラーの歪みを防止することができ、光軸補正の精度を向
上させることができる。
【0057】また、ミラー部のミラーの周囲に歪み防止
溝を設けたので、支持部材との接着あるいはネジ締結に
よって生じる応力の作用する範囲が限定され、ミラーの
歪みを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のミラー部の詳細図であり、(a)は平
面図、(b)は(a)のA−A線に沿った断面図であ
る。
【図2】本発明の光軸補正装置を示す平面図である。
【図3】図2のB−B線に沿う断面図である。
【図4】図3のC部の拡大図である。
【図5】歪み防止溝の他の形状例であり、(a)は平面
図、(b)は(a)のE−E線に沿った断面図である。
【図6】従来の光空間伝送装置の光学系を示す図であ
る。
【図7】従来の光軸補正装置の平面図である。
【図8】図7のF−F線に沿った断面図である。
【図9】ミラーのミラーホルダへの取り付け構造を示す
図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のG−G線
に沿った断面図である。
【図10】ミラーの反射面が歪んだ場合の反射光につい
て示す図であり、(a)は反射面が凸型に変形した場
合、(b)は反射面が凹型に変形した場合を示す図であ
る。
【符号の説明】
11……2軸スプリング、12……ミラー部、12a…
…反射面、12b……反射面、12c……接続部、12
d……ネジ穴、12e……歪み防止溝、18Y……Y軸
駆動機構部、18Ya……ボビン、18Yb……コイ
ル、18Yc……ヨーク、18Yd……マグネット

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光空間伝送装置内で光軸の補正を行うた
    めの光軸補正装置において、 レーザ光を反射するミラーと枠とが一体であるミラー部
    と、 前記ミラー部を、前記ミラーの反射面と平行な面上の第
    1の軸および第2の軸まわりに回動自在に支持する支持
    部材と、 前記ミラーを前記第1の軸および第2の軸まわりにそれ
    ぞれ独立して回動させるための、前記ミラー部側に設け
    られたマグネットと、前記マグネットを駆動するコイル
    とを有する回動機構部と、 前記ミラーの前記各軸まわりの回動角度を検出する回動
    角度検出機構部と、 前記ミラーの前記第1の軸および第2の軸まわりの回動
    角度がそれぞれ所望の角度となるように前記回動機構部
    を制御する回動制御手段と、 を有することを特徴とする光軸補正装置。
  2. 【請求項2】 前記ミラー部の前記保持部材およびマグ
    ネットヨークをネジ締結するためのネジ穴より内側の円
    周上に歪み防止溝を設けたことを特徴とする請求項1記
    載の光軸補正装置。
  3. 【請求項3】 前記ミラー部の前記保持部材およびマグ
    ネットヨークをネジ締結するためのネジ穴の周囲に歪み
    防止溝を設けたことを特徴とする請求項1記載の光軸補
    正装置。
  4. 【請求項4】 前記ミラー部の材質をアルミニウムとし
    たことを特徴とする請求項1記載の光軸補正装置。
  5. 【請求項5】 前記ミラー部の材質をマグネシウムとし
    たことを特徴とする請求項1記載の光軸補正装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003043385A (ja) * 2001-07-31 2003-02-13 Olympus Optical Co Ltd ガルバノミラーの減衰構造
CN102705657A (zh) * 2012-06-15 2012-10-03 中国科学院长春光学精密机械与物理研究所 小型高稳定多功能光学反射镜挠性支撑架
JP2016014725A (ja) * 2014-07-01 2016-01-28 セイコーエプソン株式会社 光学デバイスおよび画像表示装置
JP2016033685A (ja) * 2015-11-27 2016-03-10 ミツミ電機株式会社 カメラモジュール駆動装置、カメラユニットおよびカメラ付き携帯端末
CN112558289A (zh) * 2019-09-25 2021-03-26 日本电产株式会社 光学元件以及光扫描装置

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