JP2001075031A - 光軸補正装置 - Google Patents

光軸補正装置

Info

Publication number
JP2001075031A
JP2001075031A JP25397599A JP25397599A JP2001075031A JP 2001075031 A JP2001075031 A JP 2001075031A JP 25397599 A JP25397599 A JP 25397599A JP 25397599 A JP25397599 A JP 25397599A JP 2001075031 A JP2001075031 A JP 2001075031A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnet
axis
mirror
coil
optical axis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25397599A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshihisa Iriyama
利久 入山
Kazuhiko Otsuka
和彦 大塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP25397599A priority Critical patent/JP2001075031A/ja
Publication of JP2001075031A publication Critical patent/JP2001075031A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Mechanical Light Control Or Optical Switches (AREA)
  • Optical Communication System (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光空間伝送装置内で光軸の補正を行うための
光軸補正装置において、駆動機構部であるボイスコイル
モータの駆動力の損失を低減し、駆動力を向上させる。 【解決手段】 ボイスコイルモータのマグネット18Y
dの作動方向とコイル18Ybの軸心が平行になるよう
に、ボイスコイルモータを傾斜させて配置することによ
り、コイルが発生する駆動力の方向とマグネットの作動
方向が一致し、駆動力の損失を低減できる。また、マグ
ネットの作動空間が小さくなり、コイルを小型化できる
ので、ギャップ磁束密度が増加し、駆動力が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光空間伝送装置内で
光軸の補正を行うための光軸補正装置に関し、特にミラ
ーの反射角を制御することによって光軸の補正を行う光
軸補正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電波資源の不足や、無線または有
線による通信回線設置のためには煩雑な手続きが必要な
ことから、光を用いた空間伝送による通信の実用化の研
究が盛んになっている。しかし、数キロメートルにもお
よぶ長距離間の光空間伝送装置に関しては、未だ十分な
性能を有する装置が得られていないのが現状である。
【0003】特に、このように光を用いた通信では、正
確なビーム送受信を行うために、常に送信側と受信側の
光軸が一致していることが必要である。しかし、風など
の外的要因、装置内部で発生する振動、さらには温度変
化などにより光学系が影響を受けて光軸のずれが生じ
る。長距離通信においては微小な光軸のずれも通信に支
障をきたすため、常に光軸の補正を行うことが必要とな
る。
【0004】このような要請にこたえるために、出願人
は発明の名称を光軸補正装置とする特願平10−014
533号を出願している。図6は、上記の光軸補正装置
を含む、双方向の光通信が可能な光空間伝送装置の光学
系部分の概略構成を示す図である。
【0005】この光空間伝送装置では、送信信号に基づ
いて変調された発光素子1のビームが、レンズ2によっ
て平行光にされ、ビームスプリッタ3aに入射される。
入射したビームは、ビームスプリッタ3aにより光軸補
正装置70のミラー12に入射し、反射光が光入出力側
の凹型のレンズ4に入射され、レンズ4で拡大されたビ
ームは、レンズ4とともに主レンズ部を構成するレンズ
5で平行光に変換されて送信先の光空間伝送装置に向け
て出力される。
【0006】これに対し、相手側から受信したビーム
は、レンズ5が受ける。このビームは、レンズ4で平行
光に変換された後、光軸補正装置70のミラー12に入
射する。その反射光はビームスプリッタ3aを通過して
ビームスプリッタ3bに入射される。ビームスプリッタ
3bは、入射したビームを位置検出側と受信側とに振り
分ける。このうち位置検出側に振り分けられたビーム
は、レンズ6で集光され、位置検出センサ7に入射す
る。位置検出センサ7は、入射した光の位置を検出し、
その検出信号を図示されていない制御回路に送信する。
制御回路側では、検出信号に基づいて後述する角度制御
を行う。
【0007】一方、受信側に振り分けられたビームは、
レンズ8で集光され、受光素子9に入射する。受光素子
9は、入射したビームを電気信号に変換し、受信信号と
して受信回路側に送る。受信回路側では、受信信号を復
調し、元のデータに復元する。
【0008】この光学系で、光軸補正装置70は、レン
ズ4からミラー12に入射したビームの反射光を、ビー
ムスプリッタ3aに正確に入射させるように、ミラー1
2の角度を調節する。
【0009】図7は光軸補正装置70の構成を示す平面
図である。光軸補正装置70は、後述する枠体13の上
面に2軸スプリング11を取り付けた構成となってい
る。2軸スプリング11は、薄型の弾性を有する円板状
の部材であり、同軸の3つのリング211、212、2
13を有している。最も外側の外側リング211は、枠
体13に固定されている。この外側リング211と中間
リング212との間には、隙間D1が空けられている。
中間リング212は、Y軸ブリッジ11yによって、外
側リング211とねじれ回転可能な状態で連結されてい
る。これにより、中間リング212は、外側リング21
1に対してY軸回りに回動可能となっている。
【0010】最も内側の内側リング213と中間リング
212との間には、隙間D2が空けられている。内側リ
ング213は、X軸ブリッジ11xによって、中間リン
グ212とねじれ回転可能な状態で連結されている。こ
れにより、内側リング213は、中間リング212に対
してX軸回りに回動可能となっている。また、この内側
リング213には、円形のミラー12が固定されてい
る。
【0011】図8は図7のXX−XX線に沿う断面図で
ある。前述したように、2軸スプリング11は、枠体1
3の上面に固定されている。内側リング113の下面に
は、ミラーホルダ14が固定されている。このミラーホ
ルダ14は、ミラー12を保持している。このとき、ミ
ラー12は、その反射面12aが2軸スプリング11の
板厚の中心面と一致するように取り付けられている。
【0012】枠体13の下端面には、ベースプレート1
5が固定されている。さらに、環状のスペーサ16を介
して基板17が固定されている。ベースプレート15上
には、ミラーホルダ14を回動させる駆動機構部78が
設けられている。この駆動機構部78として、X軸回り
に回動させるX軸駆動機構部78Xと、ミラーホルダ1
4をY軸回りに回動させるY軸駆動機構部78Yとがそ
れぞれ2個ずつあり、X軸駆動機構部78Xどうし、お
よびY軸駆動機構部78Yどうしは、それぞれX軸とY
軸の交点、すなわち原点をはさんで互いに対向する位置
に設けられている。ただし、図8では、X軸駆動機構部
78Xの一方は図面手前側のため図示されていない。
【0013】Y軸駆動機構部78Yは、いわゆるムービ
ングマグネット型のボイスコイルモータであり、主に、
ベースプレート15に固定されるボビン78Yaと、ボ
ビン78Yaに巻かれたコイル78Ybと、ミラーホル
ダ14側に固定されるヨーク78Ycと、ヨーク78Y
cの内側に固定されるマグネット78Ydとから構成さ
れている。光軸補正装置70では、2つのY軸駆動機構
部78Yの動作を制御することにより、ミラーホルダ1
4のY軸回りの回動角度を制御する。
【0014】同様に、X軸駆動機構部78Xもボビン
と、コイルと、ヨークと、マグネットとから構成されて
おり、これにより、ミラーホルダ14のX軸回りの回動
角度が制御される。
【0015】ベースプレート15上には、Y軸角度セン
サ19Yと、X軸角度センサ19Xとが固定されてい
る。光軸補正装置70では、これらY軸角度センサ19
などからの角度検出信号に基づいて、X軸駆動機構部7
8XおよびY軸駆動機構部78Yを制御し、ミラー12
の反射面12aの角度を制御する。これにより、光軸の
補正制御がなされる。
【0016】この光軸補正装置はさらに、2軸スプリン
グ11とミラーホルダ14を一体成形にすることによ
り、部品の小型・軽量化を図り、ミラーの回転軸に対す
る可動部の慣性質量を低減し、ミラーの応答特性を向上
させることができる。
【0017】また、2軸スプリング11の板厚の中心面
に対して、上下の質量の釣り合いがとれるように、ミラ
ー12を上部に取り付けることで、ミラーの応答特性を
一層向上させることができる。
【0018】この場合、図6の光学系でレンズ4をなく
したときや、温度変化などのために光学系の特性が変化
したときは、ボイスコイルモータによって、2軸スプリ
ング11をZ軸方向へたわませ、ミラー12をZ軸方向
にも変位させて、光軸補正を行う。
【0019】なお、本形態では、Y軸駆動機構部78Y
の構成として、ムービングマグネット型のボイスコイル
モータを用いる例を示したが、ミラーホルダ14側にコ
イルを取り付けて動作させるいわゆるムービングコイル
型を用いることもできる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】図9は、図8に示した
光学補正装置70のY軸駆動機構部78Yの断面図で、
モータを構成するマグネットとコイルの位置関係とマグ
ネットの動き、さらにモータが発生する力の向きを示し
ている。ここで、図中の回転中心Oとは、ミラー12を
回転支持している2軸スプリング11の回転軸における
板厚の中心である。なお駆動機構部は、X軸駆動機構
部、Y軸駆動機構部ともに同じ形状なので、ここではY
軸駆動機構部78Yについてのみ説明する。
【0021】このボイスコイルモータのコイル78Yb
に電流を流して駆動力を発生させると、マグネット78
Ydは図中の一点鎖線の矢印の方向P、すなわち回転中
心に対する円周上を動き、その結果としてミラーは回転
中心に対して回転する。このボイスコイルモータが発生
する駆動力の方向は、マグネット78Ydの位置ととも
に変化するが、図9のマグネット78Ydの状態におい
ては、ボイスコイルモータが発生する駆動力は、図中の
Fで示した力である。
【0022】しかし、回転中心に対してマグネット78
Ydを回転させる力は、マグネットの作動方向に対する
接線方向の分力fであり、ボイスコイルモータが発生す
る駆動力Fとのなす角度をθとすると、次の関係が成り
立つ。
【0023】f=F*cosθ cosθ≦1であるから、ボイスコイルモータの駆動力
Fに対して、角度θに応じた割合だけ駆動力fは減少す
る。すなわち回転力に対して、駆動力Fの損失ΔFが生
じる。
【0024】ΔF=F−f=F(1−cosθ) また図9のような形状のボイスコイルモータでは、マグ
ネット78Ydとコイル78Ybの向きとマグネット7
8Ydの作動方向Pが一致していないため、マグネット
とコイルの間に、マグネットがコイルに接触することな
く動くための空間(マグネットの作動空間)が必要であ
る。
【0025】このボイスコイルモータでは、図9に示し
たマグネットヨーク78Ycとマグネット78Ydの組
み合わせの場合、一対のマグネット間の磁束密度(以下
ギャップ磁束密度と記す)は、マグネットヨークが磁気
的な飽和状態に達していないことを前提として、マグネ
ットの間隔(以下ギャップ長と記す)が狭いほど大き
い。そして、ギャップ磁束密度が大きいということは、
同じ電流を流したときに発生する駆動力が大きい、とい
うことを意味する。
【0026】言い換えると、ギャップ磁束密度が大きけ
れば、必要とするモータの駆動力を発生させるためにコ
イルに流す電流は少なくて済む。すなわち、図9の形状
のボイスコイルモータでは、マグネットの作動空間を設
けたことによってギャップ長が広がり、それによりギャ
ップ磁束密度および発生する駆動力が減少している。
【0027】以上のように、従来の光軸補正装置では、
ボイスコイルモータが発生する駆動力の方向とマグネッ
トの作動方向が一致していないため、駆動力に損失が生
じる。また、マグネットとコイルの間に相互の干渉を防
ぐために比較的大きなマグネットの作動空間が必要であ
り、それによってマグネットのギャップ長が広がり、ギ
ャップ磁束密度およびボイスコイルモータが発生する駆
動力が減少する。
【0028】なお、以上の問題点は、ムービングコイル
型のボイスコイルモータにおいても同様である。すなわ
ち、モータの駆動力の方向とコイルの作動方向が一致し
ないため、駆動力に損失が生じ、コイルの作動空間を大
きくとるためにマグネットのギャップ長が広がり、駆動
力が減少する。
【0029】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、回動機構部のボイスコイルモータを小型で駆
動力をあげた光軸補正装置を提供することを目的とす
る。
【0030】
【課題を解決するための手段】本発明では上記課題を解
決するために、光空間伝送装置内で光軸の補正を行うた
めの光軸補正装置において、レーザ光を反射するミラー
と、前記ミラーを保持するミラー保持部材と、前記ミラ
ー保持部材を、前記ミラーの反射面と平行な面上の第1
の軸および第2の軸回りに回動自在に支持する支持部材
と、前記ミラーを前記第1の軸および第2の軸回りにそ
れぞれ独立して回動させるための、前記ミラー保持部材
側に設けられたマグネットと、前記マグネットを駆動
し、前記マグネットの移動方向と軸心が平行になるよう
に傾斜して配置されたコイルと、を有する回動機構部
と、前記ミラーの前記各軸回りの回動角度を検出する回
動角度検出機構部と、前記ミラーの前記第1の軸および
第2の軸回りの回動角度がそれぞれ所望の角度となるよ
うに前記回動機構部を制御する回動制御手段と、を有す
ることを特徴とする光軸補正装置が、提供される。
【0031】このような光軸補正装置では、マグネット
の移動方向と、コイルの軸心を一致させ、駆動力の低下
を防止する。また、マグネットの移動方向とコイルの軸
心を一致させることにより、マグネットとコイルの作動
空間を小さくし、ギャップ磁束密度を増加させることに
より駆動力が増加する。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図2は光軸補正装置10の構成を
示す平面図である。
【0033】この光軸補正装置10は、入力ビームをミ
ラー12に入射させ、ミラー12の角度を変化させて、
反射光の光軸を補正して入力素子に入射させる装置であ
る。光軸補正装置10は、後述する枠体13の上面に2
軸スプリング11を取り付けた構成となっている。2軸
スプリング11は、薄型の弾性を有する円板状の部材で
あり、同軸の3つのリング211、212、213を有
している。最も外側の外側リング211は、枠体13に
固定されている。この外側リング211と中間リング2
12との間には、隙間D1が空けられている。中間リン
グ212は、Y軸ブリッジ11yによって、外側リング
211とねじれ回転可能な状態で連結されている。これ
により、中間リング212は、外側リング211に対し
てY軸回りに回動可能となっている。
【0034】最も内側の内側リング213と中間リング
212との間には、隙間D2が空けられている。内側リ
ング213は、X軸ブリッジ11xによって、中間リン
グ212とねじれ回転可能な状態で連結されている。こ
れにより、内側リング213は、中間リング212に対
してX軸回りに回動可能となっている。また、この内側
リング213には、円形のミラー12が固定されてい
る。
【0035】図1は図2のXX−XX線に沿う断面図で
ある。前述したように、2軸スプリング11は、枠体1
3の上面に固定されている。内側リング213の下面に
は、ミラーホルダ14が固定されている。このミラーホ
ルダ14は、ミラー12を保持している。このとき、ミ
ラー12は、その反射面12aが2軸スプリング11の
板厚の中心面と一致するように取り付けられている。
【0036】枠体13の下端面には、ベースプレート1
5が固定されている。さらに、環状のスペーサ16を介
して基板17が固定されている。ベースプレート15上
には、ミラーホルダ14を回動させる駆動機構部18が
設けられている。この駆動機構部18として、X軸回り
に回動させるX軸駆動機構部18Xと、ミラーホルダ1
4をY軸回りに回動させるY軸駆動機構部18Yとがそ
れぞれ2個ずつあり、X軸駆動機構部18Xどうし、お
よびY軸駆動機構部18Yどうしは、それぞれX軸とY
軸の交点、すなわち原点をはさんで互いに対向する位置
に設けられている。ただし、図1では、X軸駆動機構部
18Xの一方は図面手前側のため図示されていない。
【0037】Y軸駆動機構部18Yは、いわゆるムービ
ングマグネット型のボイスコイルモータであり、主に、
ベースプレート15に固定されるボビン18Yaと、ボ
ビン18Yaに巻かれたコイル18Ybと、ミラーホル
ダ14側に固定されるヨーク18Ycと、ヨーク18Y
cの内側に固定されるマグネット18Ydとから構成さ
れている。光軸補正装置10では、2つのY軸駆動機構
部18Yの動作を制御することにより、ミラーホルダ1
4のY軸回りの回動角度を制御する。
【0038】同様に、X軸駆動機構部18Xもボビン
と、コイルと、ヨークと、マグネットとから構成されて
おり、これにより、ミラーホルダ14のX軸回りの回動
角度が制御される。
【0039】ベースプレート15上には、Y軸角度セン
サ19Yと、X軸角度センサ19Xとが固定されてい
る。光軸補正装置10では、これらY軸角度センサ19
などからの角度検出信号に基づいて、X軸駆動機構部1
8XおよびY軸駆動機構部18Yを制御し、ミラー12
の反射面12aの角度を制御する。これにより、光軸の
補正制御がなされる。
【0040】ところで、図1に示すように、Y軸駆動機
構部18Yは傾斜させて取り付けられている。なお、X
軸駆動機構部の2対とY軸駆動機構部の2対は、すべて
同じ形状であるので、ここではY軸駆動機構部18Yの
み説明する。Y軸駆動機構部18Yのコイル18Ybお
よびマグネット18Ydが平行な位置にあるとき、その
傾斜の角度は、2軸スプリング11が水平状態にあると
きの回転中心を中心に、マグネット18Ydの回転する
接線方向の角度になっている。
【0041】図3に、このY軸駆動機構部18Yの断面
図を拡大して示し、マグネット18Ydが作動した際の
コイル18Ybとの位置関係を示す。また、図4に従来
のY軸駆動機構部78Yの断面図を示す。両者の動作を
実際の数値を示して比較するために、図3および図4と
もにマグネットの回転角度を4°に設定している。
【0042】この両図において、ボイスコイルモータの
コイルに電流を流すと、電流の向きに応じてマグネット
に実線の矢印で示した駆動力が働き、マグネットを含む
光軸補正装置の可動部は、回転中心Oに対して回転す
る。回転中心Oに対する駆動力の方向は、マグネットの
位置によって変化するため、図3および図4に示した駆
動力の方向は、実線で示したマグネットの位置における
駆動力の方向を示している。
【0043】図4の従来のボイスコイルモータでは、マ
グネット78Ydの作動方向Pと駆動力Fの方向が一致
しておらず、そのために駆動力Fの何割かは、マグネッ
ト78Ydを含む光軸補正装置の可動部の回転力として
作用していない。
【0044】これに対して図3の形状のボイスコイルモ
ータでは、マグネット18Ydとコイル18Ybの向き
を、マグネット18Ydの作動方向Pと一致するように
傾けたことによって、発生する駆動力FAの方向とマグ
ネット18Ydの作動方向Pが一致し、従来タイプと比
較して発生した駆動力の損失の割合が少なく、駆動力を
可動部の回転力としてより有効に用いることができる。
【0045】また、図4の従来の形状では、マグネット
78Ydとコイル78Ybの向きとマグネット78Yd
の作動方向Pが一致していないため、マグネット78Y
dが作動した際にマグネット78Ydとコイル78Yb
の距離が比較的大きく変化する。そのためマグネット7
8Ydとコイル78Ybの間には、マグネット78Yd
がコイル78Ybに接触することなく作動するための、
マグネット78Ydの作動空間(隙間)が必要となり、
その空間が一対のマグネットの間隔、すなわちマグネッ
トのギャップ長Lを広げ、その結果マグネットのギャッ
プ磁束密度が減少した。
【0046】これに対して図3の形状では、マグネット
18Ydとコイル18Ybの向きとマグネット18Yd
の作動方向Pがほぼ一致しており、マグネット18Yd
がコイル18Ybに沿った動きをするため、マグネット
18Ydが作動した際のマグネット18Ydとコイル1
8Ybの距離の変化が小さい。
【0047】実際の数値で比較すると、図3および図4
のように1軸においてのみ、マグネットが回転中心に対
して4°回転した場合、図4の従来タイプではコイルに
対するマグネットの移動量Mは1.07mmなのに対
し、図3のタイプでは0.22mmとなり、従来タイプ
の約1/5である。またそれに伴ってマグネットのギャ
ップ長Lは、従来タイプの2.9mmから図3タイプの
2.0mmへと、0.9mm減少している。
【0048】このようにギャップ長が減少するのは、図
3のタイプが従来のタイプと比較して、先に述べたよう
にマグネットとコイルの距離の変化が少なく、よってマ
グネットとコイル間のマグネットの作動空間が小さく、
その分ギャップ長を低減できるためである。
【0049】実際の光軸補正装置では、ミラーは2軸に
対して回転するため、他軸のボイスコイルモータが駆動
した場合にも、すなわち他軸方向に回転した場合にも、
図示したボイスコイルモータにおいてマグネットとコイ
ルの接触を回避しなければならない。しかし、ミラーが
他軸において4°回転した場合でも、それに伴うギャッ
プ長の増加は計算上で0.2mm程度であるので、その
分を考慮してもギャップ長は従来タイプと比較して0.
7mm低減することができる。
【0050】図3のボイスコイルモータの場合、マグネ
ットヨークが磁気的な飽和状態にならないことが前提条
件で、ギャップ長が0.7mm小さくなると、ギャップ
磁束密度は20%以上、数値にして800ガウス(0.
08テスラ)以上大きくなる。
【0051】図3あるいは図4に示した構造のボイスコ
イルモータでは、駆動力Fは、磁界内のコイルの巻き数
n、ギャップ磁束密度B、磁界内のコイル導線の長さ
l、コイルを流れる電流iによって次のようになる。
【0052】F=nBli よって、ギャップ磁束密度が上記のように20%増加す
ると、発生する駆動力も20%向上し、また駆動力Fを
一定とした場合は、ギャップ磁束密度Bが20%増加し
た分、コイルに流す電流iは約17%少なくてよいこと
になる。これは、ボイスコイルモータの消費電力削減を
考えた場合、きわめて有効である。
【0053】なお、図2および図3の形態では、ボイス
コイルモータにムービングマグネット型を用いたが、マ
グネットをベースプレートに固定しコイルをミラーホル
ダ側に取り付けたムービングコイル型としても、同様な
効果が得られる。
【0054】ところで、図3に示した形状のボイスコイ
ルモータは、従来タイプを基本に、マグネットとコイル
の向きをマグネットの作動方向と一致するように傾斜さ
せたものである。しかし、マグネットの作動方向は回転
中心に対し円弧状であるので、マグネットとコイルの形
状をこれにあわせて円弧状にすれば、マグネット作動時
のマグネットとコイルの距離の変化をより少なくし、ギ
ャップ長を低減できることが考えられる。
【0055】また前述したように、図3のタイプは従来
タイプと比較して、ボイスコイルモータで発生した駆動
力を効率よく可動部の回転力として用いることができ
る。しかし、マグネットとコイルが直線的な形状をして
いる以上、駆動力の方向はひとつである。これに対し
て、マグネットの作動方向は円弧状であるので、駆動力
の方向とマグネットの作動方向が一致するのは、駆動力
の方向がマグネットの駆動方向の接線方向と一致する図
3のC部だけである。
【0056】それ以外の箇所、例えば図3のD部やE部
においては、回転力の方向は、D部およびE部における
マグネットの作動方向に対する接線方向、すなわち図3
中の細線の矢印で示したfd、feの方向となり、駆動
力Fの方向とは一致しない。よって、駆動力の方向とマ
グネットの作動方向が異なっていることによる駆動力の
損失が生じる。
【0057】そこで、以上の点を考慮し、マグネットヨ
ーク、マグネットおよびコイルの形状を円弧状にした駆
動機構部の断面図を、図5に示す。図5に示した駆動機
構部28Yは、マグネットヨーク28Yc、マグネット
28Ydおよびコイル28Ybが円弧状の形状で、かつ
その円弧が回転中心に対して同心円上にある。よって、
図中の作動方向Pすなわち1軸に対する回転に対して
は、マグネット28Ydとコイル28Ybの距離は一定
であり、すなわち距離の変化は0である。
【0058】これによって、マグネット28Ydの作動
空間は必要最小限に抑えることができ、図3のタイプの
説明において述べたように、2軸に対して4°回転した
際のマグネット28Ydとコイル28Ybの接触を回避
することを考慮しても、マグネット28Ydとコイル2
8Ybの隙間は0.2mmで十分であり、マグネットや
ヨークの厚さなどを図4に示したボイスコイルモータと
同一とすると、ギャップ長Lは約1.9mmとなり、従
来タイプと比較すると1mm小さいことになる。図3に
示したタイプとの比較でも0.3mm小さくなってお
り、ギャップ長が低減した割合だけギャップ磁束密度を
向上することができる。
【0059】また、図4の従来タイプや図3のタイプの
場合、マグネットやコイルが直線形状であったため、駆
動力の方向も直線状であった。しかし、図5のタイプの
場合は、マグネットとコイルが円弧状の形状をしてお
り、マグネットの各部で発生する駆動力は、例えば図5
において細線の矢印で示したように、常にマグネットの
作動方向に対し接線方向となるため、それらを総合する
と、図5において実線の矢印で示したような円弧状の力
FFとなる。よって、駆動力の方向とマグネットの方向
が完全に一致し、ボイスコイルモータで発生した駆動力
の100%を光軸補正装置の可動部の回転力として用い
ることができる。
【0060】以上のように、図5に示した本発明のボイ
スコイルモータは、マグネットの作動空間の縮小による
駆動力の向上と、発生した駆動力の100%を光軸補正
装置の可動部の回転力として用いることができるという
点で、光軸補正装置のアクチュエータとして有効であ
る。
【0061】なお、図5の形態では、ボイスコイルモー
タにムービングマグネット型を用いたが、マグネットを
ベースプレートに固定しコイルをミラーホルダ側に取り
付けたムービングコイル型とすることもできる。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように本発明の光軸補正装
置では、マグネットの作動方向と、コイルの軸心を一致
させたので、駆動力の低下を防止できる。
【0063】また、マグネットの作動方向とコイルの軸
心を一致させることにより、マグネットとコイルの作動
空間を小さくしたので、ギャップ磁束密度が増加し、駆
動力が増加する。
【0064】さらに、前記マグネットおよび前記コイル
の軸心は、所定の回転中心を中心する円周に沿った円弧
形状としたので、よりマグネットとコイルの作動空間を
小さくすることができ、よりギャップ磁束密度が増加
し、駆動力が増加する。
【0065】そして、光軸補正装置を小型化できる。ま
た、光軸補正用ミラーの回転角度を拡大することができ
る。さらに、ギャップ磁束密度の増加により、ボイスコ
イルモータの駆動効率が向上し、消費電力を削減するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光軸補正装置の実施の形態の構成例を
示す断面図である。
【図2】図2に示す光軸補正装置の平面図である。
【図3】図1に示す光軸補正装置の駆動機構部の断面図
である。
【図4】図3の駆動機構部の動作と比較した従来の光軸
補正装置の駆動機構部の断面図である。
【図5】本発明の光軸補正装置の駆動機構部の第2の実
施の形態を示す断面図である。
【図6】従来の光軸補正装置を備えた双方向の光通信が
可能な光空間伝送装置の光学系部分の概略構成を示す図
である。
【図7】従来における光軸補正装置の実施の形態の構成
例を示す平面図である。
【図8】図7のXX−XX線に沿う断面図である。
【図9】従来の光軸補正装置の駆動機構部の動作を示す
断面図である。
【符号の説明】
1……発光素子、3……光分離部、5……レンズ、7…
…位置検出センサ、9……受光素子、10…光軸補正装
置、11…2軸スプリング、12……ミラー、12a…
…反射面、13……枠体、14……ミラーホルダ、18
X……X軸駆動機構部、18Y……Y軸駆動機構部、1
8Yb……コイル、18Yd……マグネット、211…
…外側リング、212……中間リング、213……内側
リング

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光空間伝送装置内で光軸の補正を行うた
    めの光軸補正装置において、 レーザ光を反射するミラーと、 前記ミラーを保持するミラー保持部材と、 前記ミラー保持部材を、前記ミラーの反射面と平行な面
    上の第1の軸および第2の軸回りに回動自在に支持する
    支持部材と、 前記ミラーを前記第1の軸および第2の軸回りにそれぞ
    れ独立して回動させるための、前記ミラー保持部材側に
    設けられたマグネットと、前記マグネットを駆動し、前
    記マグネットの移動方向と軸心が平行になるように傾斜
    して配置されたコイルと、を有する回動機構部と、 前記ミラーの前記各軸回りの回動角度を検出する回動角
    度検出機構部と、 前記ミラーの前記第1の軸および第2の軸回りの回動角
    度がそれぞれ所望の角度となるように前記回動機構部を
    制御する回動制御手段と、 を有することを特徴とする光軸補正装置。
  2. 【請求項2】 前記マグネットおよび前記コイルの軸心
    は、所定の回転中心を中心する円周に沿った円弧形状を
    有することを特徴とする請求項1記載の光軸補正装置。
JP25397599A 1999-09-08 1999-09-08 光軸補正装置 Pending JP2001075031A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25397599A JP2001075031A (ja) 1999-09-08 1999-09-08 光軸補正装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25397599A JP2001075031A (ja) 1999-09-08 1999-09-08 光軸補正装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001075031A true JP2001075031A (ja) 2001-03-23

Family

ID=17258540

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25397599A Pending JP2001075031A (ja) 1999-09-08 1999-09-08 光軸補正装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001075031A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007029643A1 (ja) * 2005-09-07 2007-03-15 Alps Electric Co., Ltd. アクチュエータ及びこれを用いたホログラフィー装置
WO2007148664A1 (ja) * 2006-06-23 2007-12-27 Alps Electric Co., Ltd. アクチュエータ
US7876002B2 (en) * 2006-05-31 2011-01-25 Alps Electric Co., Ltd. Actuator
JP2019534666A (ja) * 2016-10-20 2019-11-28 レイセオン カンパニー 湾曲磁気アクチュエータおよびシステム、ならびに、傾斜プラットフォームを取り付けるため方法
WO2024005882A1 (en) * 2022-06-27 2024-01-04 Raytheon Company Moving magnet tilt actuator

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007029643A1 (ja) * 2005-09-07 2007-03-15 Alps Electric Co., Ltd. アクチュエータ及びこれを用いたホログラフィー装置
US7719396B2 (en) 2005-09-07 2010-05-18 Alps Electric Co., Ltd. Actuator
US7876002B2 (en) * 2006-05-31 2011-01-25 Alps Electric Co., Ltd. Actuator
WO2007148664A1 (ja) * 2006-06-23 2007-12-27 Alps Electric Co., Ltd. アクチュエータ
US7868490B2 (en) 2006-06-23 2011-01-11 Alps Electric Co., Ltd. Actuator
JP4790802B2 (ja) * 2006-06-23 2011-10-12 アルプス電気株式会社 アクチュエータ
JP2019534666A (ja) * 2016-10-20 2019-11-28 レイセオン カンパニー 湾曲磁気アクチュエータおよびシステム、ならびに、傾斜プラットフォームを取り付けるため方法
WO2024005882A1 (en) * 2022-06-27 2024-01-04 Raytheon Company Moving magnet tilt actuator

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6086209A (en) Mirror holder and optical axis correcting device using the same
JP2021028659A (ja) 振れ補正機能付き光学ユニット
JP2022001906A (ja) 振れ補正機能付き光学ユニット
JP2001075031A (ja) 光軸補正装置
JP2001264663A (ja) ミラー駆動機構
JPH11352387A (ja) 光軸補正装置
JP2001290100A (ja) ミラースキャナ
JP6983002B2 (ja) 揺れ補正機能付きアンテナ装置
JP2019033357A (ja) 揺れ補正機能付きアンテナ装置
JP2518649Y2 (ja) 載置台支持装置
JP2001077761A (ja) 光軸補正装置
JP2000066124A (ja) 光軸補正装置
JPH11326730A (ja) 光軸補正装置と駆動部調整装置
JP2023047117A (ja) 光軸調整装置および光通信装置
JP2000275490A (ja) 光軸補正装置および光軸補正装置製造方法
JPH11215060A (ja) 光軸補正装置
JPH06303204A (ja) 光空間伝送装置
JP2000321510A (ja) 光軸補正装置および光軸補正装置製造方法
JP2007274622A (ja) 2次元光偏向素子
JP2001144690A (ja) 光軸補正装置および調整機構部の調整方法
SU1048447A1 (ru) Прецезионное отклон ющее устройство
JP2000321511A (ja) 光空間伝送装置
JPH11326729A (ja) 光軸補正装置
JPS62212636A (ja) 絞り制御装置
JP2000078086A (ja) 光空間伝送装置