JP2001133358A - 風洞実験装置 - Google Patents

風洞実験装置

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JP2001133358A
JP2001133358A JP31156299A JP31156299A JP2001133358A JP 2001133358 A JP2001133358 A JP 2001133358A JP 31156299 A JP31156299 A JP 31156299A JP 31156299 A JP31156299 A JP 31156299A JP 2001133358 A JP2001133358 A JP 2001133358A
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Hidekazu Hori
英一 堀
Takeshi Nonaka
剛 野中
Shigeru Nakamura
茂 中村
Naoyuki Mitsusaka
直行 三坂
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 風洞実験装置において、可視煙の正確な濃度
計測を行い、実験精度が高く、信頼性の高いデータを得
ることができるようにする。 【解決手段】 風洞実験装置は、模型煙突6と、レーザ
光源20と、レーザ光源20から照射されたレーザビー
ム21を可視煙9に向けて反射するミラー22a,22
bと、ミラー22a,22bにより反射されたレーザビ
ーム21が可視煙9の断面に沿って常に一定の方向を保
ちつつ平行移動をして可視煙9に照射されるようにミラ
ー22a,22bを風洞本体1に沿って移動させるベル
トコンベア19と、レーザビーム21により照射された
可視煙9を撮影して得られた可視煙9の画像24につい
て画像処理を行う画像処理手段12,13・・・と、画
像処理手段12,13・・・が検出した輝度値の分布に
基づいて可視煙9の濃度分布を検出する可視煙濃度分布
検出手段とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大気環境予測を行
う風洞実験において適用することができる風洞実験装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】火力発電所や工場等から排出される排煙
には、種々の有害物質が含まれている。大気中へ放出さ
れた排煙は、大気の流れにより移動しながら拡散するた
め、周囲の自然環境や人体への悪影響を及ぼすことが懸
念される。この排煙が周囲に及ぼす影響について事前に
検討するため風洞実験を行い、排煙の挙動及び濃度を調
査している。この実験結果に基づいて排煙対策をとり、
環境保全を図っている。
【0003】排煙濃度の定量実験評価手法の一つとし
て、濃度計測用のサンプリング管を用いた濃度検出手法
がある。しかしながら、本手法ではサンプリング管の設
置や濃度計測などに多大な時間を要する。また、十分な
拡散実験もできず、その実験データの信頼性も高くはな
かった。そこで、他の定量実験評価手法として、最近で
は画像解析による濃度計測手法が有力となっている。
【0004】以下、従来の画像解析による濃度計測手法
について説明する。図4(a)は、従来の画像解析によ
る風洞実験装置の平断面図、図4(b)は図4(a)の
風洞実験装置の側断面図、図5は画像解析システムの機
器構成図、図6はレーザシートにより照射された可視煙
の撮影画像の一例を示す説明図、図7は縦軸に可視煙の
鉛直方向の高さをとり、横軸にサンプリング管を用いた
定量分析による濃度計測結果としての希釈比と、画像解
析結果としての輝度値とをとったときの、希釈比のグラ
フと輝度値のグラフとを対比して示すグラフ対比図、図
8は縦軸にサンプリング管を用いた定量分析による濃度
計測結果としての希釈比をとり、横軸に画像解析結果と
しての輝度値をとったときの、希釈比と輝度値との相関
を示す相関曲線図である。
【0005】図4(a)及び図4(b)において、風洞
本体01の気流出口側の端部にはファン02が配設され
ている一方、風洞本体01の気流吸い込み口03側には
風洞気流05を整流するための整流装置04が配設され
ている。そして風洞本体01の整流装置04寄りの底壁
部には、模型煙突06が、同底壁部を貫通して風洞本体
01の内部へ向けて突設されている。風洞本体01の底
壁部により支持された模型煙突06の基端部は、配管0
8を介してトレーサガス発生装置07に接続されてい
る。
【0006】図4(a)及び図4(b)に示すように、
風洞本体01の上壁部には、図示していないレーザ光源
から発射されたレーザ光の照射範囲を拡大するためのス
リットレンズ010が配設されている。また、風洞本体
01の側脇部には、模型煙突06から排出された可視煙
09の挙動を観察するためのビデオカメラ012が配設
されている。このビデオカメラ012は、ビデオテープ
レコーダすなわちVTR013に接続されており、ビデ
オカメラ012により撮影して得られた画像が、VTR
013において収録されるようになっている。
【0007】図4(a)及び図4(b)において、トレ
ーサガス発生装置07から発生したトレーサガスは、配
管08を通って模型煙突06へ送られ、模型煙突06か
ら風洞本体01内へ可視煙09として放出される。模型
煙突06から放出された可視煙09は、整流装置04に
より整流されて流れる風洞気流05により拡散されなが
ら風下へと流れる。この可視煙09の流れ方向の断面の
画像を得るためレーザ光を可視煙09の流れ方向の断面
全体に照射する。このレーザ光は、上記レーザ光源から
発射され、スリットレンズ010を介して可視煙09に
可視煙09の流れ方向の断面に沿ったレーザシート01
1として照射される。このとき、可視煙09はレーザシ
ート011により照射された断面上の可視煙09のみし
か見えない状態となり、このレーザシート011により
照射された可視煙09の断面部分が、風洞本体01の側
脇部に配設されているビデオカメラ012により撮影さ
れ、こうしてビデオカメラ012の撮影により得られた
画像がVTR013に収録される。そしてVTR013
に収録された画像に基づいて、可視煙09の濃度解析が
行われる。
【0008】図5において、VTR013に収録された
画像の画像データ信号は、画像ボード014に入力され
てA/D変換され、A/D変換された後の画像データ信
号はパーソナルコンピュータ015へ転送されて画像解
析される。パーソナルコンピュータ015による画像解
析の結果は、モニタ016及びプリンタ017において
出力表示される。
【0009】図6において、レーザシート011により
照射される可視煙09の撮影画像は、例えば画素数が5
25×480個の画素018の集まりである。画素解析
に当たっては、フレームと呼ばれる瞬間画像毎の輝度値
の平均値に基づいて、可視煙09の平均濃度が求められ
る。その際、[数1]式により、1フレーム当たりの輝
度値から数フレーム当たりの輝度値の平均値が求められ
る。
【数1】Cxy=(Σf(ixy))/M ここで、 Cxy:1画素当たりの平均輝度値 Σf(ixy):1画素当たりのシート数M枚分の積算した
輝度値 M:平均フレーム枚数
【0010】図7に、縦軸に可視煙09の鉛直方向の高
さをとり、横軸に定量分析による濃度計測結果として希
釈比、及び画像解析結果として輝度値をとったときの、
サンプリング管を用いた定量分析により求めた濃度計測
値のグラフと、画像解析により計算により求めた可視煙
の輝度値のグラフとを対比して示す。このグラフから、
希釈比と輝度値の相関曲線を図8に示すように導き出
す。そして、この図8に示した相関より輝度値に対応す
る濃度の近似曲線を導き出すことで、この近似曲線に基
づき輝度値を濃度に換算して濃度解析を行うことができ
る。輝度値を濃度に換算して可視煙の濃度解析を行う際
には、可視煙濃度分布検出手段としての可視煙濃度分布
検出装置が使用される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような従来のレーザ光の照射手法においては、レーザ光
が面状に末広がりに放射されるため、そのレーザ光の強
度は放射後の進行距離と伴に減衰する。すなわち、レー
ザ光を風洞本体01の上部から下部へ向けて可視煙09
に照射すると、可視煙09の上部においては輝度値が高
く、可視煙09の下部では輝度値が低くなる。また、レ
ーザシート011において、中心部のレーザ強度が高
く、中心部から両側に外れるに従ってレーザ光の強度が
低くなる傾向にあるため、このような原因によっても、
輝度値のばらつきが生じてしまう。このため、正確な濃
度計測ができず、実験精度が低下し、信頼性の高いデー
タを得ることが困難となる。
【0012】そこで、本発明は、レーザ光を可視煙に照
射しても、レーザ光の放射距離やレーザ光の広がりによ
る可視煙の輝度値のばらつきが生じることがないように
し、正確な濃度計測をすることができるようにし、実験
精度を高くすることができるようにし、信頼性の高いデ
ータを得ることができるようにした、風洞実験装置を提
供しようとするものである。
【0013】また、本発明は、レーザシートの強度の減
衰による可視煙の輝度値のばらつきが生じたデータであ
っても、簡便に、しかも短時間に同データを補正するこ
とができるようにし、それによって信頼性の高いデータ
を得ることができるようにし、正確な濃度計測をするこ
とができるようにし、実験精度を高めることができるよ
うにして、信頼性の高いデータを得ることができるよう
にした、風洞実験装置を提供しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、本発明の風洞実験装置は、風洞本体の上流部に配設
され同風洞本体の内部に向けて可視煙を排出する可視煙
排出手段と、上記風洞本体の近傍に配設されてレーザビ
ームを照射するレーザ光源と、同レーザ光源から照射さ
れたレーザビームを上記可視煙に向けて反射するミラー
と、同ミラーにより反射された後のレーザビームが上記
可視煙の予め特定された断面に沿って常に一定の方向を
保ちつつ平行移動をして同可視煙に照射されるように上
記ミラーを上記風洞本体に沿って移動させるミラー移動
手段と、上記レーザビームにより照射された可視煙を撮
影して得られた同可視煙の画像について画像処理を行い
同画像の輝度値の分布を検出する画像処理手段と、同画
像処理手段が検出した上記輝度値の分布に基づいて上記
可視煙の濃度分布を検出する可視煙濃度分布検出手段と
を備えている。
【0015】また、本発明の風洞実験装置は、風洞本体
の上流部に配設され同風洞本体の内部に向けて可視煙を
排出する可視煙排出手段と、上記風洞本体の近傍に配設
されてレーザ光をシート状に拡散させて上記可視煙の予
め特定された断面に沿って照射するレーザシート照射手
段と、上記レーザシートにより照射された可視煙を撮影
して得られた同可視煙の画像について画像処理を行い同
画像の輝度値の分布を検出する画像処理手段と、上記レ
ーザシート照射手段からの上記風洞本体に沿った一定方
向の距離における種々の濃度毎の上記可視煙の輝度値に
ついて上記一定方向の距離に応じた上記レーザシートの
強度の減衰による上記輝度値の減衰の大きさを示す輝度
値補正用データを保有する輝度値補正用データ保有手段
と、同輝度値補正用データ保有手段が保有する輝度値補
正用データに基づき上記画像処理手段により得られた上
記可視煙の画像の輝度値を補正して補正後の上記可視煙
の画像の輝度値の分布に基づいて上記可視煙の濃度分布
を検出する可視煙濃度分布検出手段とを備えている。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明の実施の
形態について説明する。図1(a)は本発明の1実施の
形態に係る風洞実験装置の平断面図、図1(b)は図1
(a)の風洞実験装置の側断面図、図2(a)は本発明
の他の実施の形態に係る風洞実験装置の平断面図、図2
(b)は図2(a)の風洞実験装置の側断面図、図3は
図2(a)及び図2(b)の実施の形態に係る風洞実験
装置による画像解析結果としての輝度値とレーザ光の放
射距離との関係について説明するための説明図である。
【0017】まず図1(a)及び図1(b)において、
風洞本体1の気流出口側の端部にはファン2が配設され
ている一方、風洞本体1の気流吸い込み口3側には風洞
気流5を整流するための整流装置4が配設されている。
そして、風洞本体1の底壁部の中心線上の整流装置4寄
りの位置には、可視煙排出手段としての模型煙突6が、
同底壁部を貫通して風洞本体1の内部へ向けて突設され
ている。風洞本体1の底壁部により支持された模型煙突
6の基端部は、配管8を介してトレーサガス発生装置7
に接続されている。
【0018】図1(a)及び図1(b)に示すように、
風洞本体1の側脇部には、模型煙突6から排出された可
視煙9の挙動を観察するためのビデオカメラ12が配設
されている。このビデオカメラ12は、VTR13に接
続されており、ビデオカメラ12により撮影して得られ
た画像が、VTR13において収録されるようになって
いる。
【0019】図1(a)及び図1(b)において、トレ
ーサガス発生装置7から発生したトレーサガスは、配管
8を通って模型煙突6へ送られ、模型煙突6から風洞本
体1内へ可視煙9として放出される。模型煙突6から放
出された可視煙9は、整流装置4により整流されて流れ
る風洞気流5により拡散されながら風下へと流れる。
【0020】図1(a)及び図1(b)に示すように、
風洞本体1の上部壁の外側には、風洞本体1の有効長さ
と実質上同程度の長さを有するミラー移動手段としての
ベルトコンベア19が、風洞本体1の上部壁に沿って配
設されている。このベルトコンベア19は、両端に設け
られたモータ23a,23bにより、図1(b)の実線
矢印の方向、すなわちベルトコンベア19の風洞本体1
の上部壁に対面する側のベルトが、風洞本体1内の風洞
気流5の下流側から上流側へ向かって移動するように駆
動される。
【0021】図1(a)及び図1(b)において、風洞
本体1の上部輪郭の外側には、レーザビーム21を照射
するためのレーザ光源20が配設されているとともに、
同じく、風洞本体1の上部輪郭の外側の支持枠25上に
は、レーザ光源20から照射されたレーザビーム21を
風洞本体1内へ向けて反射させるための一対のミラー2
2a,22bを、風洞本体1の風洞気流5の例えば下流
側から上流側へと移動させることができるミラー移動手
段としてのベルトコンベア19が配設されている。ここ
でミラー移動手段としては、ベルトコンベア19に限定
されず、ベルトコンベア19と同等の機能を発揮するこ
とのできる例えばチェーンコンベア、伸縮シリンダ等の
他の任意のミラー移動手段を使用することができるが、
以下例示的にベルトコンベア19を使用した場合につい
て説明する。
【0022】図1(a)及び図1(b)に示すように、
一対のすなわち2つのミラー22a,22bは、それぞ
れ鏡面がレーザ光源20から照射されたレーザビーム2
1を風洞本体1内へ向けて反射させることができるよう
に設定されて、少なくともベルトコンベア19のほぼ長
さ分の間隔すなわちベルトコンベア19の一端側の点A
から多端側の点Bまでの相互間隔をおいて、ベルトコン
ベア19のベルト上に配設されている。
【0023】図1(a)及び図1(b)において、レー
ザ光源20は、風洞本体1の風洞気流5の下流側から上
流側へ向けてレーザビーム21を照射するようにして風
洞本体1の頂部に配設され、また、各ミラー22a,2
2bは、ベルトコンベア19の移動に伴って、レーザ光
源20から照射されたレーザビーム21を、常に風洞本
体1の底壁部の中心線を通り模型煙突6をも通る鉛直面
に沿って、鉛直下方へ向けて反射する。
【0024】図1(a)及び図1(b)に示すように、
例えばミラー22bへ向けて照射されたレーザビーム2
1は、ミラー22bにより反射されて、風洞本体1内を
流れる可視煙9に対して、可視煙9の流れの方向に垂直
に照射される。ミラー22bがベルトコンベア19のA
点からB点へ移動するとき、ミラー22bにより反射さ
れたレーザビーム21も、風洞本体1内を流れる可視煙
9に対して下流側から上流側へと移動し、可視煙9の全
体に亙って照射される。すなわちミラー22bにより反
射されたレーザビーム21が、可視煙9をスキャニング
する態様となる。可視煙9は、ビデオカメラ12により
撮影されており、レーザビーム21が照射されることに
よって鉛直方向の断面の画像24が得られる。
【0025】図1(a)及び図1(b)において、ミラ
ー22a,22bの移動速度は風洞気流5の風速によっ
て異なるが、例えば可視煙9の風下1mの範囲すなわち
模型煙突6の可視煙9の出口から1mの範囲を撮影する
が、このときミラー22a,22bは、例えば30m/
s(メートル・毎秒)で移動される。撮影画像は、1秒
間に30フレームの瞬間画像を必要とするため、レーザ
ビーム21のスキャニング速度を30m/sとすれば、
撮影可能となる。
【0026】また、図1(a)及び図1(b)におい
て、可視煙9の撮影範囲は、風洞実験における模型のス
ケール、模型煙突6の高さ、模型煙突6の近辺の建屋や
地形等の条件によって決定される。模型煙突6よりも上
流側に起伏の大きい地形や建屋が存在する場合には、こ
れらの地形や建屋の影響により巻落としの風が発生し、
模型煙突6から排出された可視煙9が模型煙突6の直近
風下側において着地する。この場合、可視煙9の撮影範
囲は模型煙突6の近傍のみで済む。地形や建屋等の影響
が小さい場合には、模型煙突6から排出された可視煙9
が模型煙突6から離れた場所に着地するため、広範囲に
亙って可視煙9を撮影する必要がある。
【0027】図1(a)及び図1(b)に示すように、
ビデオカメラ12により撮影された可視煙9の画像は、
VTR13に収録される。VTR13に収録された画像
の画像データ信号は、従来の場合と同様に、画像ボード
に入力されてA/D変換され、A/D変換された後の画
像データ信号はパーソナルコンピュータへ転送されて画
像解析される。パーソナルコンピュータによる画像解析
の結果は、モニタ及びプリンタにおいて出力表示され
る。
【0028】図1(a)及び図1(b)に示した風洞実
験装置においては、可視煙9に対する照射手段としてレ
ーザシートではなくレーザビームを用いているので、レ
ーザ光の可視煙9に対する照射強度の減衰が防止され、
可視煙9の全体に亙って照射強度の均一なレーザ光を照
射することが可能となる。その結果、レーザ光の照射強
度の減衰に伴う輝度値のばらつきがなくなり、高精度の
濃度計測ができ、信頼性の高いデータが得られる。
【0029】次に、図2(a)及び図2(b)におい
て、風洞本体1の気流出口側の端部にはファン2が配設
されている一方、風洞本体1の気流吸い込み口3側には
風洞気流を整流するための整流装置4が配設されてい
る。そして風洞本体1の底壁部の中心線上の整流装置4
寄りの位置には、可視煙排出手段としての配管8が、風
洞本体1の内部へ向けて開口している。配管8は、混合
器29を介してトレーサガス発生装置7に接続されてい
るとともに、混合器29には、空気源28が接続されて
いる。
【0030】図2(a)及び図2(b)に示すように、
風洞本体1の側脇部には、配管8から排出された可視煙
9の挙動を観察するためのビデオカメラ12が配設され
ている。このビデオカメラ12は、VTR13に接続さ
れており、ビデオカメラ12により撮影して得られた可
視煙9の画像が、VTR13において収録されるように
なっている。
【0031】図2(a)及び図2(b)において、トレ
ーサガス発生装置7から発生したトレーサガスは、混合
器29において空気源28から送られた空気と混合され
て希釈された後に、風洞本体1内へ可視煙9として放出
される。風洞本体1内における下流側の上部には、レー
ザシート照射手段としてのスリットレンズ10が配設さ
れているとともに、同じく風洞本体1内における下流側
の頂部には、風洞本体1内の可視煙9を風洞本体1内か
ら風洞本体1の外部へ排出させるための開閉弁付きの排
出口27が設けられている。風洞本体1の吸い込み口3
側の整流装置4と配管8の開口との間の位置、及び風洞
本体1の下流側におけるスリットレンズ10及び排出口
27の直後の位置に、それぞれ風洞本体1内を外部から
遮蔽して密閉するための遮蔽壁26が配設されている。
【0032】図2(a)及び図2(b)に示すように、
トレーサガス発生装置7から発生したトレーサガスは、
配管8の開口より可視煙9として風洞本体1内へ放出さ
れる。このとき、排出口27は閉状態となっており、風
洞本体1の両端も遮蔽壁26によって遮蔽されているた
め、風洞本体1内は完全な密閉状態となっており、風洞
本体1内へ放出された可視煙9が充満される。充満され
た可視煙9にレーザシート11が照射され、ビデオカメ
ラ12により撮影され、撮影された可視煙9の画像がV
TR13により収録される。そして画像解析が行われ、
スリットレンズ10からの水平距離がXである風洞本体
1の各横断面,,,における輝度値が求められ
る。
【0033】まず、最大濃度を1とした場合の可視煙9
を、密閉された風洞本体1内へ放出し充満させる。この
可視煙9の画像について画像解析を行い、風洞本体1の
各横断面,,,における輝度値を求める。次
に、風洞本体1内に充満させていた最大濃度1の可視煙
9を排出口27から完全に排出させる。可視煙9が排出
口27から完全に排出してから、再び排出口27を閉状
態にし、風洞本体1内が完全な密封状態になってから、
希釈比が1/2すなわち濃度1/2の可視煙9を風洞本
体1内へ放出して充満させる。濃度1/2の可視煙9
は、トレーサガス発生装置7から発生したトレーサガス
と、空気源28から混合器29へ送られた空気とが混合
器29において混合されることにより作られる。濃度1
/2の可視煙9が風洞本体1ないに充満したら、再び濃
度1/2の可視煙9の画像について画像解析を行い、風
洞本体1の各横断面,,,における輝度値を求
める。以下、同様にして、濃度1/4の可視煙、濃度1
/8の可視煙についても、同じ要領で可視煙9の画像に
ついて画像解析を行い、風洞本体1の各横断面,,
,における輝度値を求める。
【0034】図3に、縦軸に輝度値をとり、横軸に図2
(a)及び図2(b)におけるスリットレンズ10から
の水平距離Xをとったときの、種々の濃度の可視煙9の
スリットレンズ10からの水平距離Xにおける輝度値の
グラフを一例として示す。図3に例示したように、風洞
本体1の各横断面,,,における輝度値と、ス
リットレンズ10からの水平距離Xとの関係から、近似
曲線が導き出され、この近似曲線から風洞本体1の各横
断面,,,における輝度値に対する可視煙9の
濃度を把握することができるとともに、レーザシート1
1の強度の減衰による種々の濃度の可視煙9の輝度値の
減衰の大きさが求められることとなる。図3にグラフの
形で例示した輝度値補正用データは、輝度値補正用デー
タ保有手段のメモリ部に記憶しておくことができる。そ
して可視煙濃度分布検出手段が、輝度値補正用データ保
有手段が保有する輝度値補正用データに基づき、上記画
像処理手段により得られた上記可視煙の画像の輝度値を
補正して、補正後の上記可視煙の画像の輝度値の分布に
基づいて、上記可視煙の濃度分布を検出する。
【0035】図2(a),図2(b)及び図3に示した
風洞実験装置においては、スリットレンズ10からの水
平距離Xに伴うレーザシート11の強度の減衰における
輝度値を正確に求めることによって、従来の実験手法に
よる濃度計測の補正を図3に例示したグラフから容易
に、かつ短時間で行うことが可能となる。また、図2
(a),図2(b)及び図3に示した風洞実験装置にお
いては、レーザ光の照射手段と可視煙9の条件が変わら
ない限り、図3に例示したグラフをそのまま用いて可視
煙の輝度値の補正を行うことができる。その結果、従来
のレーザシートの強度の減衰による可視煙の輝度値のば
らつきが生じたデータであっても、図3に例示したグラ
フを用いることによって、簡便に、しかも短時間に同デ
ータを補正することができ、信頼性の高いデータを得る
ことができる。
【0036】
【発明の効果】本発明の風洞実験装置によれば、以下の
ような効果が得られる。 (1)風洞本体の上流部に配設され同風洞本体の内部に
向けて可視煙を排出する可視煙排出手段と、上記風洞本
体の近傍に配設されてレーザビームを照射するレーザ光
源と、同レーザ光源から照射されたレーザビームを上記
可視煙に向けて反射するミラーと、同ミラーにより反射
された後のレーザビームが上記可視煙の予め特定された
断面に沿って常に一定の方向を保ちつつ平行移動をして
同可視煙に照射されるように上記ミラーを上記風洞本体
に沿って移動させるミラー移動手段と、上記レーザビー
ムにより照射された可視煙を撮影して得られた同可視煙
の画像について画像処理を行い同画像の輝度値の分布を
検出する画像処理手段と、同画像処理手段が検出した上
記輝度値の分布に基づいて上記可視煙の濃度分布を検出
する可視煙濃度分布検出手段とを備えているので、可視
煙に対する照射手段として拡散しないレーザビームを用
いることとなり、レーザ光の可視煙に対する照射強度の
減衰が防止され、可視煙の全体に亙って照射強度の均一
なレーザ光を照射することが可能となり、レーザ光の照
射強度の減衰に起因する輝度値のばらつきがなく、高精
度の濃度計測ができ、信頼性の高いデータを得ることが
できる(請求項1)。 (2)風洞本体の上流部に配設され同風洞本体の内部に
向けて可視煙を排出する可視煙排出手段と、上記風洞本
体の近傍に配設されてレーザ光をシート状に拡散させて
上記可視煙の予め特定された断面に沿って照射するレー
ザシート照射手段と、上記レーザシートにより照射され
た可視煙を撮影して得られた同可視煙の画像について画
像処理を行い同画像の輝度値の分布を検出する画像処理
手段と、上記レーザシート照射手段からの上記風洞本体
に沿った一定方向の距離における種々の濃度毎の上記可
視煙の輝度値について上記一定方向の距離に応じた上記
レーザシートの強度の減衰による上記輝度値の減衰の大
きさを示す輝度値補正用データを保有する輝度値補正用
データ保有手段と、同輝度値補正用データ保有手段が保
有する輝度値補正用データに基づき上記画像処理手段に
より得られた上記可視煙の画像の輝度値を補正して補正
後の上記可視煙の画像の輝度値の分布に基づいて上記可
視煙の濃度分布を検出する可視煙濃度分布検出手段とを
備えているので、レーザシートの強度の減衰による可視
煙の輝度値のばらつきが生じたデータであっても、簡便
に、しかも短時間に同データを補正することができて、
信頼性の高いデータを得ることができ、正確な濃度計測
をすることができ、実験精度を高めることができて、信
頼性の高いデータを得ることができる(請求項2)。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)図は、本発明の1実施の形態に係る風洞
実験装置の平断面図であり、(b)図は、図1(a)の
風洞実験装置の側断面図である。
【図2】(a)図は、本発明の他の実施の形態に係る風
洞実験装置の平断面図であり、(b図)は、図2(a)
の風洞実験装置の側断面図である。
【図3】図2(a)及び図2(b)の実施の形態に係る
風洞実験装置による画像解析結果としての輝度値とレー
ザ光の放射距離との関係について説明するための説明図
である。
【図4】(a)図は従来の画像解析による風洞実験装置
の平断面図であり、(b)図は同(a)図の風洞実験装
置の側断面図である。
【図5】画像解析システムの機器構成図である。
【図6】レーザシートにより照射された可視煙の撮影画
像の一例を示す説明図である。
【図7】縦軸に可視煙の鉛直方向の高さをとり、横軸に
サンプリング管を用いた定量分析による濃度計測結果と
しての希釈比と、画像解析結果としての輝度値とをとっ
たときの、希釈比のグラフと輝度値のグラフとを対比し
て示すグラフ対比図である。
【図8】縦軸にサンプリング管を用いた定量分析による
濃度計測結果としての希釈比をとり、横軸に画像解析結
果としての輝度値をとったときの、希釈比と輝度値との
相関を示す相関曲線図である。
【符号の説明】
01 風洞本体 02 ファン 03 気流吸い込み口 04 整流装置 05 風洞気流 06 模型煙突 07 トレーサガス発生装置 08 配管 09 可視煙 010 スリットレンズ 011 レーザシート 012 ビデオカメラ 013 ビデオテープレコーダ(VTR) 014 画像ボード 015 パーソナルコンピュータ 016 モニタ 017 プリンタ 018 画素 1 風洞本体 2 ファン 3 気流吸い込み口 4 整流装置 5 風洞気流 6 可視煙排出手段としての模型煙突 7 トレーサガス発生装置 8 配管 9 可視煙 10 レーザシート照射手段としてのスリットレンズ 11 レーザシート 12 ビデオカメラ 13 ビデオテープレコーダ(VTR) 19 ミラー移動手段としてのベルトコンベア 20 レーザ光源 21 レーザビーム 22a,22b ミラー 23a,23b モータ 24 画像 25 支持枠
フロントページの続き (72)発明者 中村 茂 長崎市深堀町五丁目717番1号 三菱重工 業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 三坂 直行 長崎市深堀町五丁目717番1号 三菱重工 業株式会社長崎研究所内 Fターム(参考) 2G023 AA01 AB24 AB25

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 風洞本体の上流部に配設され同風洞本体
    の内部に向けて可視煙を排出する可視煙排出手段と、上
    記風洞本体の近傍に配設されてレーザビームを照射する
    レーザ光源と、同レーザ光源から照射されたレーザビー
    ムを上記可視煙に向けて反射するミラーと、同ミラーに
    より反射された後のレーザビームが上記可視煙の予め特
    定された断面に沿って常に一定の方向を保ちつつ平行移
    動をして同可視煙に照射されるように上記ミラーを上記
    風洞本体に沿って移動させるミラー移動手段と、上記レ
    ーザビームにより照射された可視煙を撮影して得られた
    同可視煙の画像について画像処理を行い同画像の輝度値
    の分布を検出する画像処理手段と、同画像処理手段が検
    出した上記輝度値の分布に基づいて上記可視煙の濃度分
    布を検出する可視煙濃度分布検出手段とを備えたことを
    特徴とする、風洞実験装置。
  2. 【請求項2】 風洞本体の上流部に配設され同風洞本体
    の内部に向けて可視煙を排出する可視煙排出手段と、上
    記風洞本体の近傍に配設されてレーザ光をシート状に拡
    散させて上記可視煙の予め特定された断面に沿って照射
    するレーザシート照射手段と、上記レーザシートにより
    照射された可視煙を撮影して得られた同可視煙の画像に
    ついて画像処理を行い同画像の輝度値の分布を検出する
    画像処理手段と、上記レーザシート照射手段からの上記
    風洞本体に沿った一定方向の距離における種々の濃度毎
    の上記可視煙の輝度値について上記一定方向の距離に応
    じた上記レーザシートの強度の減衰による上記輝度値の
    減衰の大きさを示す輝度値補正用データを保有する輝度
    値補正用データ保有手段と、同輝度値補正用データ保有
    手段が保有する輝度値補正用データに基づき上記画像処
    理手段により得られた上記可視煙の画像の輝度値を補正
    して補正後の上記可視煙の画像の輝度値の分布に基づい
    て上記可視煙の濃度分布を検出する可視煙濃度分布検出
    手段とを備えたことを特徴とする、風洞実験装置。
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