JP2001132737A - 軸受装置、及び、タービン - Google Patents

軸受装置、及び、タービン

Info

Publication number
JP2001132737A
JP2001132737A JP31119599A JP31119599A JP2001132737A JP 2001132737 A JP2001132737 A JP 2001132737A JP 31119599 A JP31119599 A JP 31119599A JP 31119599 A JP31119599 A JP 31119599A JP 2001132737 A JP2001132737 A JP 2001132737A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bearing
oil
lubricating oil
bearing device
rotating shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP31119599A
Other languages
English (en)
Inventor
Takaaki Kaikogi
高明 貝漕
Tanehiro Shinohara
種宏 篠原
Zenichi Yoshida
善一 吉田
Kazuhiko Yamashita
一彦 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP31119599A priority Critical patent/JP2001132737A/ja
Publication of JP2001132737A publication Critical patent/JP2001132737A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sliding-Contact Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで構成可能であり、省スペース化を
図ることが可能であると共に、潤滑油の供給量を低減さ
せることができる軸受装置、及び、ロータを大径化して
容易に大容量化を図ることができるタービンの提供。 【解決手段】 蒸気タービン1に備えられた軸受装置3
0は、軸受面36をもった軸受パッド33を複数備え、
ロータ12,25のジャーナルと各軸受面36との隙間
に潤滑油の油膜LFを形成し、当該油膜によってロータ
12,25を支持するものであり、各軸受パッド33
は、ロータの回転方向に沿う外縁部に設けられて潤滑油
が外方に流出することを規制するシール溝47を有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸受装置、及び、
軸受装置を備えたタービンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ケーシング内で作動流体を膨
張させることにより、ロータ(回転軸)を回転させて動
力を発生する蒸気タービンやガスタービンといったター
ビンが様々な分野において幅広く利用されている。この
種のタービンでは、回転するロータを支持するために軸
受装置を設けることが不可欠となることから、軸受装置
についても従来から各種の改良が施されている。このよ
うな軸受装置の一例としては、例えば、特開平11−1
25241号公報によって開示されたものが挙げられ
る。
【0003】同公報に記載された軸受装置は、いわゆ
る、ティルティングパッド形の軸受であり、支持環の内
部に収容された軸受パッドを複数備える。各軸受パッド
の上面は軸受面とされ、この軸受面には、給油孔と給油
孔の周囲に設けられた給油凹部(スクープ溝)とからな
るスクープ型給油部が複数配設されている。ロータのジ
ャーナルと各軸受パッドの軸受面との隙間には、スクー
プ型給油部から潤滑油が供給され、ロータは、当該隙間
に形成される潤滑油の油膜によって支持される。更に、
支持環には、ロータの回転方向に沿う軸受パッドの外縁
部から潤滑油が流出するのを防止するためのサイドシー
ル部(油止めリング)が取り付けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年では、大容
量タービンに対する需要が高まっているが、タービンを
大容量化させた場合、ロータが大径化されると共に、タ
ービンに必要とされる軸受装置の数も増加する。このた
め、タービン全体に要するコスト、スペースを削減する
ためには、軸受装置を小型化すると共に、その製造コス
トを低減させることが重要となる。また、ロータが大径
化されると軸受装置に供給すべき潤滑油の供給量も必然
的に増加するが、設備コストを低減させるという観点か
ら見れば、軸受装置に供給する油量も必要最小限とする
べきである。
【0005】そこで、本発明は、低コストで構成可能で
あり、省スペース化を図ることが可能であると共に、潤
滑油の供給量を低減させることができる軸受装置、及
び、ロータを大径化して容易に大容量化を図ることがで
きるタービンの提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
による軸受装置は、軸受面をもった軸受パッドを複数備
えており、回転軸のジャーナルと各軸受パッドの軸受面
との隙間に潤滑油の油膜を形成し、当該油膜によって回
転軸を支持する軸受装置において、各軸受パッドは、回
転軸の回転方向に沿う外縁部に設けられて潤滑油が外方
に流出することを規制するシール溝を有することを特徴
とする。
【0007】この軸受装置では、この軸受装置では、複
数の軸受パッドが支持環の内部に収容されて、タービン
ロータ等の回転軸の周囲に位置する。また、回転軸のジ
ャーナルと各軸受パッドの軸受面との隙間には、所定の
給油部、給油ノズル等から潤滑油が供給される。ここ
で、回転軸の回転に伴い、一の軸受パッドに対して供給
された潤滑油は、回転軸の回転方向に沿って、当該一の
軸受パッドと隣り合う軸受パッドに向けて流動する。こ
の際、潤滑油は、軸受パッドの外縁部に設けられている
シール溝内にも流入するので、表面張力の作用によっ
て、潤滑油がシール溝を超えて外方に流出(漏洩)する
ことが規制(防止)される。
【0008】これにより、従来の軸受装置に設けられて
いたサイドシール部を単純化、又は、省略することが可
能となる。従って、軸受装置の製造コストが低減され、
また、サイドシール部を単純化又は省略することによ
り、軸受装置に必要とされるスペースを低減可能とな
る。また、潤滑油の漏洩はシール溝によって確実に防止
されることから、軸受装置に対する潤滑油の供給量も必
要最小限で足りる。
【0009】この場合、軸受パッドは、回転軸の回転方
向における下流側の端部に設けられて潤滑油を背面側に
導く排油孔と、排油孔の周囲に設けられた排油凹部とを
更に有し、シール溝は、排油凹部と連通していると好ま
しい。
【0010】このような構成を採用すれば、ジャーナル
と軸受面との隙間を隣り合う軸受パッドに向けて流動す
ると共に、軸受パッドを潤滑、冷却させて昇温した潤滑
油は、シール溝を伝って排油凹部に導かれ、更に、排油
凹部から排油孔を介して、軸受パッドの背面側に導かれ
ることになる。これにより、互いに隣り合う軸受パッド
同士の隙間に、高温の潤滑油が流入することに起因する
攪拌損失が低減されると共に、軸受パッドの温度上昇
(メタル温度の上昇)が抑制される。従って、この軸受
装置では、負荷能力を向上させることが可能となると共
に、作動中の損失を容易に低下でき、かつ、潤滑油の供
給量を低減することができる。
【0011】また、軸受パッドは、排油孔の下流側に設
けられて互いに隣り合う軸受パッド同士の隙間に対する
潤滑油の流出を規制する越流規制部材を更に備えると好
ましい。
【0012】この場合、一の軸受パッドに対して供給さ
れ、当該一の軸受パッドと隣り合う軸受パッドに向けて
流動する潤滑油は、当該一の軸受パッドの下流側端部ま
で達すると、越流規制部材によって塞き止められる。そ
して、昇温した潤滑油は、越流規制部材によって、その
上流側(手前)に設けられている排油孔に案内され、当
該排油孔を介して軸受パッドの背面側に導かれることに
なる。これにより、互いに隣り合う軸受パッド同士の隙
間で発生する攪拌損失がより効果的に低減され、また、
軸受パッドの温度上昇(メタル温度の上昇)もより一層
抑制されることになる。
【0013】更に、各軸受パッドは、回転軸の回転方向
における上流側の端部に設けられたスクープ型給油部を
複数有すると好ましい。
【0014】この軸受装置の軸受パッドに設けられる各
スクープ型給油部は、給油孔と、給油孔の周囲に設けら
れた給油凹部(スクープ溝)とを有し、給油凹部は、回
転軸の回転方向における上流側から下流側に向けて深さ
が漸減するように形成される。そして、各スクープ型給
油部は、例えば、軸受パッドの幅方向に配設される。こ
のような構成を採用すれば、各スクープ型給油部からの
給油量を微調整することが可能となる。
【0015】また、軸受パッドのうち、少なくとも2体
の軸受パッド同士の隙間に、回転軸の回転方向に沿うよ
うに潤滑油を供給可能な給油ノズルを配置してもよい。
【0016】この場合、給油ノズルを簡易な手法によっ
て軸受パッド同士の隙間に配置することができるので、
軸受装置を容易かつ低コストで製造可能となる。
【0017】請求項6に記載の本発明によるタービン
は、ケーシング内で作動流体を膨張させることにより、
主軸を回転させるタービンにおいて、ケーシングに対し
て固定された静翼と、主軸に取り付けられた動翼と、主
軸を支持する軸受装置とを有し、軸受装置は、軸受面を
もった軸受パッドを複数備えており、各軸受パッドは、
回転軸の回転方向に沿う外縁部に設けられて潤滑油が外
方に流出することを規制するシール溝を有することを特
徴とする。
【0018】このタービンに設けられた軸受装置は、低
コストで構成可能であり、省スペース化を図ることが可
能であると共に、潤滑油の供給量を低減させることがで
きるものである。従って、このタービンでは、ロータを
大径化して大容量化を図っても、それに伴う製造コスト
や、設置スペースの増大化を最小限に抑えることが可能
となる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
による軸受装置及びタービンの好適な実施形態について
詳細に説明する。
【0020】図1は、本発明によるタービンの一例を示
す概略構成図である。同図に示す蒸気タービン1は、原
子力発電に適用されるものとして構成されており、高圧
タービン10、第1低圧タービン21、第2低圧タービ
ン22、及び、第3低圧タービン23を備える。高圧タ
ービン10は、主蒸気入口11aを備えたケーシング1
1と、ケーシング11内に配されたロータ(回転軸)1
2とを備える。ロータ12には、円胴12aが一体化さ
れており、この円胴12aの外周面には、複数の動翼1
4が配設(固定)されている。また、ケーシング11の
内部には、複数の静翼15が配設(固定)されている。
ロータ12は、動翼14と静翼15とが1組のステージ
を形成するようにケーシング11内に配される。そし
て、ロータ12の両端部は、ケーシング11に対して位
置決めされている軸受装置(ティルティングパッド型ジ
ャーナル軸受)30によって支持される。
【0021】第1低圧タービン21、第2低圧タービン
22、及び、第3低圧タービン23は、高圧タービン1
0と基本的に共通の構造を有する。各低圧タービン2
1,22,23も、蒸気入口24aを備えたケーシング
24と、ケーシング24内に配されたロータ(回転軸)
25とを備える。ロータ25の外周面には、複数の動翼
27が固定されている。また、ケーシング11の内部に
は、複数の静翼28が固定されている。ロータ25は、
動翼27と静翼28とが1組のステージを形成するよう
にケーシング24内に配される。そして、ロータ25の
両端部も、ケーシング24に対して位置決めされている
軸受装置30によって支持される。
【0022】この蒸気タービン1では、高圧タービン1
0のロータ12の一端が、第1低圧タービン21のロー
タ25の一端に図示しないカップリング部材を介して連
結される。更に、第1低圧タービン21のロータ25と
第2低圧タービン22のロータとが、また、第2低圧タ
ービン22のロータ25と第3低圧タービン23のロー
タ25とが、それぞれ連結される。第3低圧タービン2
3のロータ25には、図示しない発電機が接続される。
【0023】このように構成された蒸気タービン1を作
動させる場合、湿分分離加熱器等から高圧タービン10
の主蒸気入口11a、及び、各低圧タービン21〜23
の蒸気入口24aに作動流体としての飽和蒸気を供給す
る。これにより、ケーシング10,24内に供給された
蒸気は、ケーシング10,24に固定されている静翼1
5,28により圧力降下させられ、発生した運動エネル
ギは、ロータ12,25に取り付けられた動翼14,2
7を介して回転トルクに変換される。そして、動翼1
4,27で発生した回転トルクは、ロータ12,25に
伝達され、第3低圧タービン23のロータ25に接続さ
れた図示しない発電機が駆動されることになる。
【0024】図2は、上述した蒸気タービン1の高圧タ
ービン10、第1低圧タービン21、第2低圧タービン
22、及び、第3低圧タービン23に備えられている軸
受装置30を示す横断面図であり、図3は、軸受装置3
0の縦断面図である。これらの図面に示すように、軸受
装置30は、軸受ケーシング31(図3参照)の内部に
配された支持環32と、支持環32内に収容されてロー
タ12,25の周囲に位置する複数(この場合、4体)
の軸受パッド33とを備える。各軸受パッド33は、ロ
ータ12,25のジャーナルの傾きに応じて傾斜自在と
なるようにピボット34を介して支持環32に連結され
ている。
【0025】この軸受装置30に設けられている各軸受
パッド33の背面は、球面状に形成されており、その上
面は、図4に示すように、円柱面状に形成されて軸受面
36として機能する。また、各軸受パッド33は、ロー
タ12,25の回転方向(図2、図4及び図5における
白抜矢印参照)における上流側の端部に設けられたスク
ープ型給油部37を複数(この場合、3個)有する。各
スクープ型給油部37は、軸受パッド33の幅方向に配
設されており、それぞれ、給油孔38と、給油孔38の
周囲に設けられた給油凹部(スクープ溝)39とを有す
る。給油凹部39は、図5に示すように、ロータ12,
25の回転方向における上流側から下流側に向けて深さ
が漸減するように形成されている。
【0026】各スクープ型給油部37の給油孔38は、
図3に示すように、軸受パッド33の内部に形成されて
いる給油ポケット33aと連通しており、給油ポケット
33aは、給油路33b及び給油スリーブ40を介して
支持環32の内部に形成されている給油路32a及び給
油ポケット32bと連通している。また、支持環32の
給油ポケット32bは、軸受ケーシング31に形成され
ている給油ポケット31a及び図示しない配管等を介し
て、軸受ケーシング31の外部に設けられている潤滑供
給装置(潤滑油供給ポンプ)に接続されている。
【0027】これにより、潤滑油供給装置を作動させれ
ば、支持環32及び軸受パッド33の内部を介して各ス
クープ型給油部37の給油孔38に潤滑油が供給され、
ロータ12,25のジャーナルと各軸受パッド33の軸
受面36との隙間に潤滑油が供給される。そして、ジャ
ーナルと軸受面36との隙間には、図3に示すように、
潤滑油の油膜LFが形成され、当該油膜LFによってロ
ータ12,25が支持されることになる。更に、軸受パ
ッド33に、複数のスクープ型給油部37を配設するこ
とにより、各給油孔38からの給油量を微調整すること
も可能となる。
【0028】また、図4及び図5に示すように、軸受パ
ッド33は、各スクープ型給油部37の上流側に形成さ
れた段部41を有する。段部41の上面は、図5に示す
ように、軸受パッド33の軸受面36よりも上方(ロー
タ12,25側)に突出している。また、軸受パッド3
3の上流側端部には、段部41の更に上流側に位置する
ように、上流側排油孔(キャリーオーバ排油孔)42が
形成されている。各上流側排油孔42は、図5に示すよ
うに、軸受パッド33を貫通している。
【0029】更に、軸受パッド33は、ロータ12,2
5の回転方向における下流側の端部に配置されたスクレ
ーパ44を有する。スクレーパ44の上面は、図5に示
すように、軸受パッド33の軸受面36よりも上方(ロ
ータ12,25側)に突出している。このスクレーパ4
4は、互いに隣り合う軸受パッド33同士の隙間G(図
2参照)に対する潤滑油の流出を規制する越流規制部材
として機能する。また、スクレーパ44の上流側近傍に
は、軸受パッド33を貫通しており、潤滑油を背面側に
導く下流側排油孔45が形成されている。下流側排油孔
45の周囲には、軸受パッド33の幅方向に広がる排油
凹部46が形成されている。排油凹部46の上面は、図
5に示すように、軸受面36よりも下方(ロータ12,
25と反対側)に位置する。
【0030】加えて、図3及び4に示すように、各軸受
パッド33の両外縁部、すなわち、ロータの回転方向に
沿う両外縁部にはシール溝47が形成されている。各シ
ール溝47の上流端は外方に開放されており、その下流
端は、上述した排油凹部46に合流している。すなわ
ち、各シール溝47は、軸受パッド33の上流端から外
縁部に沿って延在し、排油孔45の周囲に設けられた排
油凹部46と連通している。
【0031】次に、上述した蒸気タービン1に備えられ
ている軸受装置30の動作について説明する。
【0032】この軸受装置30の各軸受パッド33は、
支持環32の内部に収容されて、高圧タービン10のロ
ータ12、各低圧タービン21〜23のロータ25の周
囲に位置している。蒸気タービン1の作動中、回転する
ロータ12,25のジャーナルと、ジャーナルの傾きに
応じて傾斜する各軸受パッド33の軸受面36との隙間
には、各スクープ型給油部37(給油孔38)から潤滑
油が供給される。そして、各ロータ12,25は、ジャ
ーナルと各軸受面36との隙間に形成される潤滑油の油
膜LF(図3参照)によって支持される。
【0033】ここで、ロータ12,25の回転に伴い、
一の軸受パッド33に対して供給された潤滑油は、給油
孔38から、ロータ12,25の回転方向に沿って当該
一の軸受パッド33と隣り合う軸受パッド33に向けて
流動する(図5参照)。この際、潤滑油は、軸受パッド
33の外縁部に設けられている各シール溝47内にも流
入するので、表面張力の作用によって、潤滑油がシール
溝47を超えて外方に流出(漏洩)することが規制(防
止)される。
【0034】これにより、この軸受装置30では、図3
に示すように、従来設けられていたサイドシール部を省
略(又は単純化)することが可能となる。従って、軸受
装置30の製造コストが低減され、また、サイドシール
部を省略(又は単純化)することにより、軸受装置30
に必要とされるスペースを低減可能となる。また、潤滑
油の漏洩はシール溝47によって確実に防止されること
から、軸受装置30に対する潤滑油の供給量も必要最小
限で足りる。
【0035】また、上述したように、軸受パッド33の
各シール溝47は、上流側に設けられている排油凹部4
6と連通している。従って、ジャーナルと軸受面36と
の隙間を隣り合う軸受パッド33に向けて流動すると共
に、軸受パッド33を潤滑、冷却させて昇温した潤滑油
は、シール溝47を伝って排油凹部46に流れ込み、更
に、排油凹部46から排油孔45を介して、軸受パッド
33の背面側に導かれることになる。
【0036】更に、潤滑油(油膜LF)は、軸受パッド
33の下流側端部まで達すると、越流規制部材としての
スクレーパ44によって塞き止められる。そして、当該
軸受パッド33を潤滑させて昇温した潤滑油は、スクレ
ーパ44及び排油凹部46によって、スクレーパ44の
上流側近傍(手前)に設けられている下流側排油孔45
に案内される。この際、潤滑油は、下流側排油孔45の
周囲で軸受パッド33の幅方向に広がる排油凹部46に
よって効率よく下流側排油孔45内に導かれ、下流側排
油孔45を介して当該軸受パッド33の背面側に導かれ
ることになる。
【0037】これにより、互いに隣り合う軸受パッド3
3同士の隙間G(図2参照)に、高温の潤滑油が流入す
ることに起因する攪拌損失が低減されると共に、軸受パ
ッド33の温度上昇(メタル温度の上昇)が抑制され
る。従って、この軸受装置30では、負荷能力を向上さ
せることが可能となると共に、作動中の損失を容易に低
下でき、かつ、潤滑油の供給量を低減することができ
る。また、各スクープ型給油部37から供給する潤滑油
の量を適宜設定すれば、シール溝47、スクレーパ4
4、下流側排油孔45、排油凹部46等による効果と相
俟って攪拌損失をより一層低減でき、軸受パッド33の
温度上昇をより効果的に抑制可能となる。
【0038】加えて、各軸受パッド33の上流側端部に
は、段部41及び上流側排油孔42が設けられている。
従って、一の軸受パッド33を潤滑させて昇温した潤滑
油の一部が、スクレーパ44を超えて、隣り合う軸受パ
ッド33に対して流れ込んでも(いわゆる、キャリーオ
ーバが発生しても)、高温の潤滑油は、段部41によっ
て塞き止められる。そして、高温の潤滑油は、上流側排
油孔42を介して、軸受パッド33の背面に導かれるの
で、スクープ型給油部37から供給される低温の潤滑油
と混じり合うことが抑制される。
【0039】このように、蒸気タービン1に備えられて
いる軸受装置30は、低コストで構成可能であり、省ス
ペース化を図ることが可能であると共に、潤滑油の供給
量を低減させることができるものである。また、軸受装
置30は、高い負荷能力を有し、作動中の損失を容易に
低下でき、かつ、潤滑油の供給量を低減することができ
るものである。従って、この蒸気タービン1では、ロー
タを大径化して大容量化を図っても、それに伴う製造コ
ストや、設置スペースの増大化を最小限に抑えることが
可能となる。
【0040】なお、軸受パッド33にシール溝47を設
けるに際しては、図6に示すように、外縁部33bの表
面が軸受面36よりも外方(ロータ12,25側)に位
置するように構成すると好ましい。これにより、潤滑油
が軸受パッド33の外縁部から漏洩(流出)してしまう
のを極めて効果的に防止することができる。また、上述
した軸受装置30は、蒸気タービンだけではなく、ガス
タービンに対しても適用可能である。
【0041】図7は、上述した軸受装置30の変形例で
ある軸受装置30Aの要部を示す拡大斜視図である。同
図に示す軸受装置30Aに設けられる各軸受パッド33
Aは、上述した軸受パッド33から、スクープ型給油部
37、段部41、及び、上流側排油孔42を省略したも
のに相当する。また、この軸受装置30Aには、スクー
プ型給油部37の代わりに、少なくとも2体の軸受パッ
ド33A同士の間に、ロータの回転方向(図7における
白抜矢印参照)に沿うように潤滑油を供給可能な給油ノ
ズル50が配置されている。
【0042】給油ノズル50は、図示を省略する支持環
及び軸受ケーシング等の内部を介して潤滑油供給装置に
接続されている。給油ノズル50は、略円筒状に形成さ
れており、その先端面(上端面)は、ロータの回転方向
における下流側がロータ(図中上方)に近づくように傾
斜させられている。そして、給油ノズル50の先端面に
は、複数の給油孔51がロータの回転方向における下流
側に位置するように配設されている。
【0043】このように構成された軸受装置30Aは、
互いに隣り合う軸受パッド33A同士の隙間に給油ノズ
ル47を配置したものであるが、この軸受装置30Aに
おいても、一の軸受パッド33Aを潤滑させて昇温した
潤滑油は、軸受パッド33Aの外縁部に設けられている
各シール溝47内に流入する。従って、表面張力の作用
によって、潤滑油がシール溝47を超えて外方に流出
(漏洩)することが規制(防止)される。また、潤滑油
は、シール溝47を伝って排油凹部46に流れ込み、更
に、越流規制部材としてのスクレーパ44と、排油凹部
46とによって、スクレーパ44の上流側近傍(手前)
に設けられている下流側排油孔45に案内され、下流側
排油孔45を介して軸受パッド33Aの背面側に導かれ
ることになる。
【0044】これにより、この軸受装置30Aにおいて
も、従来設けられていたサイドシール部を省略(又は単
純化)することが可能となる。従って、軸受装置30の
製造コストが低減され、また、サイドシール部を省略
(又は単純化)することにより、軸受装置30に必要と
されるスペースを低減可能となる。また、潤滑油の漏洩
はシール溝47によって確実に防止されることから、軸
受装置30Aに対する潤滑油の供給量も必要最小限で足
りる。
【0045】また、この軸受装置30Aにおいても、互
いに隣り合う軸受パッド33A同士の隙間Gで、給油ノ
ズル47から吹き出される潤滑油と高温の潤滑油とが混
じり合うことに起因する攪拌損失が低減されると共に、
軸受パッド33Aの温度上昇(メタル温度の上昇)が抑
制される。更に、給油ノズル50は、簡易な手法によっ
て軸受パッド33A間に配置可能であり、軸受装置30
Aは、低コストかつ容易に製造することができる。
【0046】このように、軸受装置30Aも、低コスト
で構成可能であり、省スペース化を図ることが可能であ
ると共に、潤滑油の供給量を低減させることができるも
のである。また、軸受装置30Aは、高い負荷能力を有
し、作動中の損失を容易に低下でき、かつ、潤滑油の供
給量を低減することができるものである。従って、この
軸受装置30Aを上述した蒸気タービン1に備えれば、
ロータを大径化して大容量化を図っても、それに伴う製
造コストや、設置スペースの増大化を最小限に抑えるこ
とが可能となる。
【0047】
【発明の効果】本発明による軸受装置は、以上説明した
ように構成されているため、次のような効果を得る。す
なわち、軸受パッドの外縁部に潤滑油が外方に流出する
ことを規制するシール溝を設けることにより、低コスト
で構成可能であり、省スペース化を図ることが可能であ
ると共に、潤滑油の供給量を低減させることができる軸
受装置の実現が可能となる。また、このような軸受装置
をタービンに適用すれば、ロータを大径化して大容量化
を図っても、それに伴う製造コストや、設置スペースの
増大化を最小限に抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるタービンを示す概略構成図であ
る。
【図2】本発明による軸受装置を示す横断面図である。
【図3】本発明による軸受装置を示す縦断面図である。
【図4】図2及び図3に示す軸受装置に備えられた軸受
パッドの斜視図である。
【図5】図4に示す軸受パッドの断面図である。
【図6】図4に示す軸受パッドの他の態様を示す断面図
である。
【図7】本発明による軸受装置の変形例を示す要部拡大
斜視図である。
【符号の説明】
1…蒸気タービン、10…高圧タービン、11,24…
ケーシング、11a…主蒸気入口、12,25…ロー
タ、14,27…動翼、15,28…静翼、21,2
2,23…低圧タービン、24a…蒸気入口、30,3
0A…軸受装置、32…支持環、33,33A…軸受パ
ッド、34…ピボット、36…軸受面、37…スクープ
型給油部、38…給油孔、39…給油凹部、41…段
部、42…上流側排油孔、44…スクレーパ、45…下
流側排油孔、46…排油凹部、47…シール溝、50…
給油ノズル、51…給油孔、G…隙間、LF…油膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 善一 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者 山下 一彦 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 Fターム(参考) 3J011 AA07 BA16 CA01 JA02 LA06 MA03 MA23

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸受面をもった軸受パッドを複数備えて
    おり、回転軸のジャーナルと前記各軸受パッドの軸受面
    との隙間に潤滑油の油膜を形成し、当該油膜によって前
    記回転軸を支持する軸受装置において、 前記各軸受パッドは、前記回転軸の回転方向に沿う外縁
    部に設けられて前記潤滑油が外方に流出することを規制
    するシール溝を有することを特徴とする軸受装置。
  2. 【請求項2】 前記軸受パッドは、前記回転軸の回転方
    向における下流側の端部に設けられて前記潤滑油を背面
    側に導く排油孔と、前記排油孔の周囲に設けられた排油
    凹部とを更に有し、前記シール溝は、前記排油凹部と連
    通していることを特徴とする請求項1に記載の軸受装
    置。
  3. 【請求項3】 前記軸受パッドは、前記排油孔の下流側
    に設けられて互いに隣り合う軸受パッド同士の隙間に対
    する前記潤滑油の流出を規制する越流規制部材を更に備
    えることを特徴とする請求項2に記載の軸受装置。
  4. 【請求項4】 前記各軸受パッドは、前記回転軸の回転
    方向における上流側の端部に設けられたスクープ型給油
    部を複数有することを特徴とする請求項1〜3の何れか
    に記載の軸受装置。
  5. 【請求項5】 前記軸受パッドのうち、少なくとも2体
    の軸受パッド同士の隙間には、前記回転軸の回転方向に
    沿うように前記潤滑油を供給可能な給油ノズルが配置さ
    れていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載
    の軸受装置。
  6. 【請求項6】 ケーシング内で作動流体を膨張させるこ
    とにより、主軸を回転させるタービンにおいて、 前記ケーシングに対して固定された静翼と、 前記主軸に取り付けられた動翼と、 前記主軸を支持する軸受装置とを有し、 前記軸受装置は、軸受面をもった軸受パッドを複数備え
    ており、前記各軸受パッドは、前記回転軸の回転方向に
    沿う外縁部に設けられて前記潤滑油が外方に流出するこ
    とを規制するシール溝を有することを特徴とするタービ
    ン。
JP31119599A 1999-11-01 1999-11-01 軸受装置、及び、タービン Withdrawn JP2001132737A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31119599A JP2001132737A (ja) 1999-11-01 1999-11-01 軸受装置、及び、タービン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31119599A JP2001132737A (ja) 1999-11-01 1999-11-01 軸受装置、及び、タービン

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001132737A true JP2001132737A (ja) 2001-05-18

Family

ID=18014252

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31119599A Withdrawn JP2001132737A (ja) 1999-11-01 1999-11-01 軸受装置、及び、タービン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001132737A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009099094A1 (ja) * 2008-02-04 2009-08-13 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. 軸受装置及び回転機械
JP2014145453A (ja) * 2013-01-30 2014-08-14 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 軸受パッド、及び、それを用いた軸受装置並びに回転機械
JP2016145588A (ja) * 2015-02-06 2016-08-12 三菱日立パワーシステムズ株式会社 軸受装置および回転機械
JP2016145587A (ja) * 2015-02-06 2016-08-12 三菱日立パワーシステムズ株式会社 軸受装置および回転機械
CN110529500A (zh) * 2019-08-20 2019-12-03 东方电气集团东方汽轮机有限公司 一种带轴向回油槽直接润滑可倾瓦轴承
US10514058B2 (en) 2016-08-10 2019-12-24 Mitsubishi Hitachi Power Systems, Ltd. Bearing device and rotary machine
CN112377522A (zh) * 2020-10-23 2021-02-19 东方电气集团东方汽轮机有限公司 一种自位支持轴承

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009099094A1 (ja) * 2008-02-04 2009-08-13 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. 軸受装置及び回転機械
JP2009185843A (ja) * 2008-02-04 2009-08-20 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 軸受装置及び回転機械
US8292507B2 (en) 2008-02-04 2012-10-23 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Bearing device and rotary machine
JP2014145453A (ja) * 2013-01-30 2014-08-14 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 軸受パッド、及び、それを用いた軸受装置並びに回転機械
JP2016145588A (ja) * 2015-02-06 2016-08-12 三菱日立パワーシステムズ株式会社 軸受装置および回転機械
JP2016145587A (ja) * 2015-02-06 2016-08-12 三菱日立パワーシステムズ株式会社 軸受装置および回転機械
US10514058B2 (en) 2016-08-10 2019-12-24 Mitsubishi Hitachi Power Systems, Ltd. Bearing device and rotary machine
CN110529500A (zh) * 2019-08-20 2019-12-03 东方电气集团东方汽轮机有限公司 一种带轴向回油槽直接润滑可倾瓦轴承
CN112377522A (zh) * 2020-10-23 2021-02-19 东方电气集团东方汽轮机有限公司 一种自位支持轴承
CN112377522B (zh) * 2020-10-23 2022-03-01 东方电气集团东方汽轮机有限公司 一种自位支持轴承

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8147145B2 (en) Journal bearing device
JP6184299B2 (ja) ティルティングパッド式スラスト軸受及びこれを備えた回転機械
JP4847478B2 (ja) ガスタービン発電設備の軸受装置及びガスタービン発電設備
JP6038088B2 (ja) 軸受及び軸受パッド
JP6312346B2 (ja) ジャーナル軸受、回転機械
JP2015007463A (ja) ティルティングパッド軸受
JP6101135B2 (ja) 軸受装置及び回転機械
JP2016109269A (ja) ティルティングパッド軸受
CN112424481B (zh) 离心压缩机以及具备该离心压缩机的涡轮增压器
JP2001200847A (ja) 軸受装置、及び、タービン
JP2001132737A (ja) 軸受装置、及び、タービン
JP2008151239A (ja) ティルティングパッド型軸受
JP2011140899A (ja) ガスタービンプラントの改造方法
WO2019142383A1 (ja) ティルティングパッド軸受装置及び回転機械
JP2004197890A (ja) ティルティングパッド軸受装置
JP5156589B2 (ja) ジャーナル軸受装置
JP2002122143A (ja) 軸受装置及びこれを搭載した減速機
KR20050060000A (ko) 가스 터빈의 로터의 베어링 장치
JP6798950B2 (ja) ティルティングパッドジャーナル軸受装置
JP5812973B2 (ja) ジャーナル軸受及び蒸気タービン
JP2015218809A (ja) ジャーナル軸受
KR102087118B1 (ko) 레이디얼 저널 베어링 및 스러스트 저널 베어링
US11828331B2 (en) Bearing with pads having cooling micro-channels therein, and method
WO2014162594A1 (ja) スラスト軸受装置及びその潤滑油供給方法並びに回転機械と蒸気タービン
WO2020021866A1 (ja) ティルティングパッド型ジャーナル軸受及びそれを用いた回転機械

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070109