JP2001132687A - 遠心形送風機の羽根車および空気調和機 - Google Patents

遠心形送風機の羽根車および空気調和機

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JP2001132687A
JP2001132687A JP32030899A JP32030899A JP2001132687A JP 2001132687 A JP2001132687 A JP 2001132687A JP 32030899 A JP32030899 A JP 32030899A JP 32030899 A JP32030899 A JP 32030899A JP 2001132687 A JP2001132687 A JP 2001132687A
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尚史 池田
Atsushi Yoshihashi
淳 吉橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遠心形送風機の羽根車における吹出風速分布
の均一化や低騒音化等を図ること、あるいは、空気調和
機における低騒音化や熱交換効率の向上等を図ること。 【解決手段】 回転中心側から回転外周側に至る主板2
0と、この主板20に対向配置されて当該主板20との
間に気体経路を形成するシュラウド21と、これら主板
20とシュラウド21の間に直立状に設けられるもので
回転半径方向に沿って配置された複数の翼22と、を備
える遠心形送風機の羽根車7であって、全部または一部
の翼22の肉厚を、シュラウド21から主板20に向か
うにつれて徐々に厚くなるように形成し、各翼22の相
互の隣接距離を、シュラウド21から主板20に向かう
につれて徐々に狭くした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遠心形送風機の羽
根車および空気調和機に関し、特に、吹出風速分布の均
一化や低騒音化等を図ることのできる遠心形送風機の羽
根車、および低騒音化や熱交換効率の向上等を図ること
のできる空気調和機に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、空気調和機やボイラー等の送風機
として、遠心形送風機が広く利用されている。この遠心
形送風機は、複数の翼を有する羽根車を備えて構成さ
れ、この羽根車を回転させてその径方向に気体(一例と
して、以下、空気)を流動させるものである。図45は
このような従来の遠心形送風機を備えた空気調和機を室
内側から見た斜視図、図46は図45の空気調和機の横
断面図、図47は図45の空気調和機の縦断面図であ
る。なお、本発明の対象となる遠心形送風機の羽根車は
空気調和機に用いられるものに限られず、したがって、
以下に示す従来技術も一例にすぎない。
【0003】これら図45〜47に示すように空気調和
機は、主として、遠心形送風機100、モータ101、
熱交換器102、および、化粧パネル103を備えて構
成されている。このうち遠心形送風機100、モータ1
01、および、熱交換器102は筐体104に収められ
て天井内部に埋設されており、化粧パネル103は天井
パネル105に形成した開口内に嵌め込まれている。
【0004】遠心形送風機100の羽根車106がモー
タ101にて駆動されると、部屋内の空気が化粧パネル
103の吸込口103aおよびベルマウス107を介し
て羽根車106に吸い込まれ、さらに羽根車106から
吹き出されて熱交換器102に導かれ、この熱交換器1
02で加熱または冷却される。熱交換器102で加熱ま
たは冷却された空気は、化粧パネル103の吹出口10
3bから室内に向けて吹出され、これによって空調が行
われる。
【0005】このような空気調和機等に用いられる従来
の遠心形送風機の羽根車について詳細に説明する。図4
8は従来の遠心形送風機の羽根車の斜視図、図49は図
48の羽根車の軸心における縦断面図を示す。これら図
48、49に示すように、羽根車106は、曲線状の主
板108、この主板108に対向して配置されるもので
あってこの主板108との間に空気経路を形成するシュ
ラウド109、これら主板108とシュラウド109の
間に配置された複数の翼110、および、主板108に
一体に形成されるものであってモータ101の回転軸を
固定するためのハブ111を備えて構成されている。こ
のような羽根車106を回転させることにより、羽根車
106の吸込口112より空気が吸い込まれ、この空気
が羽根車106の内部を径方向に流動して吹出口113
より吹き出される。
【0006】図50は図49のL−L平面(シュラウド
近傍の平面)、M−M平面(シュラウドと主板との略中
央の平面)、N−N平面(主板近傍の平面)における1
枚の翼の横断面図(以下、羽根車の半径方向に沿う平面
であって、各翼に直交する平面における断面を翼の横断
面とする)、図51は図49のN−N平面における羽根
車全体の横断面図、図52は図50の翼の横断面に、空
気の流動状態を付加した図である。
【0007】図50に示すように、従来の羽根車106
において、翼110は、その高さ方向(以下、シュラウ
ドから主板に至る方向を翼の高さ方向とする)におい
て、その最大肉厚がほぼ同一になるように形成されてい
た。すなわち、図50に示すように各平面における翼1
10の最大肉厚を、それぞれTL 、TM 、TN とする
と、TL =TM =TN となるように形成されていた。ま
た、翼110の外周側の端辺110out と内周側の端辺
110inとは、それぞれ、この翼110の高さ方向で同
一位置に配置されていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ここで、羽根車106
の吸込口112から翼110に至る空気の流れ成分を解
析すると、シュラウド109付近においては、さらに主
板108側へ空気が流入し得るために、この主板108
側に至る方向成分(軸方向成分)が大きい。一方、主板
108付近においては、主板108側へのそれ以上の空
気流入が抑制されて流路が半径方向へ向けられるため、
半径方向成分が大きくなる。しかしながら従来の羽根車
106においては、上述のように各翼110の肉厚が高
さ方向に単にほぼ同等に形成されていたので、吸込口1
12から翼110に至る空気の流れ方向のバラツキを規
制することができなかった。
【0009】したがって、図49の左側に示す吹出風速
分布に見られるように、羽根車106の吹出口113に
おける空気の吹出風速は、吸込口112から翼110に
至る空気の流れ方向のバラツキの影響をそのまま受け、
主板108付近の方がシュラウド109付近に比べて速
くなっていた。また、このようにシュラウド109付近
における流れの軸方向成分が大きいことから、図52に
示すように、翼110のシュラウド109付近では、翼
腹面114に剥離渦Uが生じてしまい、これを音源とし
て騒音が発してしまうという問題があった。
【0010】さらに、従来の羽根車106では、翼11
0の内周側の端辺110inを単に高さ方向で同一位置に
配置していたので、吸込口112と翼110の内周側の
端辺110inとの相互距離は、当然のことながらシュラ
ウド109付近よりも主板108付近に至る方が大きく
なっていた。したがって、吸込口112から流入した空
気が翼110の内周側の端辺110inに到達する時間
も、主板108側に向かうにつれて大きくなっており、
このような点も、翼110を横切る空気の流れ方向のバ
ラツキを助長する一因となっていた。
【0011】さらにまた、従来の羽根車106では、上
述のように翼110の外周側の端辺110out を単に高
さ方向で同一位置に配置していたので、図50に示すよ
うに、翼110で生じた剥離渦Uが放出渦Wとして外周
側の端辺110out から放出される時間は、シュラウド
109付近と主板108付近とでほぼ同じになる。この
ようにシュラウド109付近と主板108付近とで同時
に放出渦Wが放出されると、この放出渦Wによって生じ
る騒音の周波数がシュラウド109付近と主板108付
近とで同じになり、共振等を伴って騒音を助長する一因
となるという問題があった。
【0012】また、このような従来の羽根車106を有
する遠心形送風機100を備えた空気調和機において
は、上述のように羽根車106からの吹出風速が、主板
108付近の方が速く、シュラウド109付近の方が遅
くなるため、熱交換器102への流入風速が不均一にな
り、熱交換効率が悪化してしまうという問題があった。
【0013】さらに、熱交換器102に向けて吹き出さ
れた流れどうしの干渉によっても、騒音が生じていた。
図53は翼と熱交換器の要部横断面図である。この図5
3に示すように、羽根車106の吹出口113の近傍に
熱交換器102が配置されており、羽根車106の回転
方向Aの上流側Cから吹き出された流れと、羽根車10
6の熱交換器102に対する最近接領域から吹き出され
た流れBとが相互に干渉して回転音が発生し、騒音が発
してしまうという問題があった。
【0014】この発明は、上記に鑑みてなされたもので
あって、吹出風速分布の均一化や低騒音化等を図ること
のできる遠心形送風機の羽根車、および低騒音化や熱交
換効率の向上等を図ることのできる空気調和機を得るこ
とを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、この発明による遠心形送風機の羽根車は、回転中
心側から回転外周側に至る主板と、この主板に対向配置
されて当該主板との間に気体経路を形成するシュラウド
と、これら主板とシュラウドの間に直立状に設けられる
もので回転半径方向に沿って配置された複数の翼と、を
備える遠心形送風機の羽根車であって、全部または一部
の翼の肉厚を、シュラウドから主板に向かうにつれて徐
々に厚くなるように形成し、各翼の相互の隣接距離を、
シュラウドから主板に向かうにつれて徐々に狭くしたも
のである。
【0016】羽根車の吸込口から翼に至る空気の流れ成
分は、シュラウド付近においては、主板側への空気流入
が抑制されないために軸方向成分が大きく、主板付近に
おいては、主板側へのそれ以上の空気流入が抑制されて
流路が半径方向へ向けられるため半径方向成分が大きく
なる。しかしながらこの羽根車においては、主板近傍で
は翼の隣接距離が狭いために気体の流れが抑制され、翼
の隣接距離の広いシュラウド側に偏向される。このよう
に、半径方向成分の大きい主板付近での流れの速度を抑
制する一方、軸方向成分の大きいシュラウド付近での流
れの速度を増加させることができるので、翼の高さ方向
における吹出風速分布のバラツキを打ち消して平均化す
ることができる。
【0017】つぎの発明による遠心形送風機の羽根車
は、翼の横断面形状を、シュラウドから主板に向かうに
つれて徐々に拡大される相似形状としたものである。
【0018】翼を徐々に肉厚化する形態としては種々の
ものが考えられるが、翼を高さ方向で相似に拡大した場
合には、翼の内周側の端辺か外周側の端辺の少なくとも
一方が、シュラウドから主板に向かうにつれて徐々に突
出する。内周側の端辺が徐々に内周側に突出する場合に
は、羽根車の吸込口から翼の内周側の端辺に至る距離
(翼到達距離)に関し、シュラウドの近傍位置における
翼到達距離と、主板の近傍位置における翼到達距離との
差を従来よりも軽減することができる。したがって、羽
根車の吸込口から吸い込まれた空気は、シュラウドの近
傍位置における内周側の端辺に到達すると共に、主板の
近傍位置における内周側の端辺にもわずかな時間差で到
達し、空気が翼の内周側の端辺に到達する時間のバラツ
キが従来に比べて軽減される。
【0019】また、翼の外周側の端辺が徐々に外周側に
突出する場合には、翼から放出される放出渦が、シュラ
ウド側で早く、主板側で遅く放出されるので、騒音の周
波数がシュラウド側と主板側とで異なるものとなり、騒
音共振等を防止して騒音低減を図ることができる。さら
に、翼を高さ方向で相似に拡大しているため、翼の弦長
がシュラウド側から主板側へ向かうにつれ徐々に拡大さ
れ、送風効率を改善することができる。これらの結果、
必要風量を出力する際の羽根車の回転数を従来に比べて
低くすることができ、従来に比べ低騒音化を図ることが
できる。
【0020】つぎの発明による遠心形送風機の羽根車
は、翼の主板側の最大肉厚とシュラウド側の最大肉厚と
の比率を、約1.1以上かつ約2.0以下の範囲内とし
たものである。
【0021】翼の肉厚化は、種々の比率にて行われてよ
い。しかしながら、、主板側の最大肉厚がシュラウド側
の最大肉厚に近すぎると、吹出風速の均一化をあまり図
ることができず、一方、主板側の最大肉厚がシュラウド
側の最大肉厚より厚すぎると、主板側の翼間の隣接距離
が狭くなりすぎて空気抵抗が大きくなり、吹出風速のバ
ラツキが従来に比べて却って大きくなる。すなわち、吹
出風速のバラツキや騒音を最も低減するためには、主板
側の最大肉厚とシュラウド側の最大肉厚との比率に最適
範囲が存在する。実験の結果等により、翼の主板側の最
大肉厚とシュラウド側の最大肉厚との比率を、約1.1
以上かつ約2.0以下の範囲内とした場合には、最も騒
音値を小さくすることができる。
【0022】つぎの発明による遠心形送風機の羽根車
は、翼の外周側の端辺の位置を、当該翼の高さ方向で同
一とし、翼の内周側の端辺の位置を、シュラウドから主
板に向かうにつれて徐々に内周側に突出させたものであ
る。
【0023】翼の肉厚化はいかなる形態にて行われても
よいが、内周側の端辺を徐々に内周側に突出させた場合
には、吸込口から吸い込まれた空気が、シュラウドの近
傍位置における内周側の端辺に到達すると共に、主板の
近傍位置における内周側の端辺にもわずかな時間差で到
達する。したがって、空気が翼の内周側の端辺に到達す
る時間のバラツキが従来に比べて軽減される。
【0024】つぎの発明による遠心形送風機の羽根車
は、複数の翼の内周側の端辺を通る円の直径のうち、主
板側の直径とシュラウド側の直径との比率を、約0.8
5以上かつ約0.9以下の範囲内としたものである。
【0025】翼の内周側の端辺を徐々に内周側に突出さ
せる場合、その突出の比率としては種々のものが採用さ
れてよいが、主板側の直径とシュラウド側の直径との比
率があまり小さいと、従来に比べてあまり騒音を低減で
きず、逆に、比率が大きすぎると、主板近傍において翼
が内周側に突出しすぎることになり、送風効率が悪化し
てしまう。すなわち、騒音を低減すると共に送風効率を
維持するためには、内周側の直径の比率に最適範囲が存
在する。実験の結果等により、この内周側の直径の比率
が約0.85以上かつ約0.9以下の範囲内であれば、
騒音を低減することができ、かつ、送風効率の良い遠心
形送風機の羽根車を得ることができる。
【0026】つぎの発明による遠心形送風機の羽根車
は、翼の内周側の端辺の位置を当該翼の高さ方向で同一
とし、翼の外周側の端辺の位置を、シュラウドから主板
に向かうにつれて徐々に外周側に突出させたものであ
る。
【0027】翼の肉厚化はいかなる形態にて行われても
よいが、外周側の端辺を徐々に外周側に突出させた場合
には、翼から放出される放出渦が、シュラウド側で早
く、主板側で遅く放出されるので、騒音の周波数がシュ
ラウド側と主板側とで異なるものとなり、騒音共振等を
防止して騒音低減を図ることができる。
【0028】つぎの発明による遠心形送風機の羽根車
は、複数の翼の外周側の端辺を通る円の直径のうち、主
板側の直径とシュラウド側の直径との比率を、約1.2
以上かつ約1.6以下の範囲内としたものである。
【0029】翼の外周側の端辺を徐々に外周側に突出さ
せる場合、その突出の比率としては種々のものが採用さ
れてよいが、主板側の直径とシュラウド側の直径との比
率があまり小さいと、従来に比べてあまり騒音が低減で
きず、逆に、比率が大きすぎると、主板近傍において翼
が外周側に突出しすぎることになり、隣り合う翼での流
れが干渉して送風効率が悪化してしまう。すなわち、直
径の比率にも、騒音を低減すると共に送風効率を維持す
るの最適範囲が存在する。実験の結果等により、直径の
比率が約1.2以上かつ約1.6以下の範囲内であれ
ば、低騒音で高送風効率の遠心形送風機の羽根車を得る
ことができる。
【0030】つぎの発明による遠心形送風機の羽根車
は、上記に記載された翼であって、形状の異なる2種以
上の翼を備えるものである。
【0031】このように2種類の形状の翼を設けた場合
には、翼とこれに隣接する別形状の翼とで、その内周側
の端辺位置および外周側の端辺位置が変化する。したが
って、羽根車の吸込口から吸い込まれた気体が翼の内周
側の端辺へ到達する時間や、放出渦が翼の外周側の端辺
から放出される時間が隣接する翼においてそれぞれ異な
り、流れの衝突や放出渦により生じる圧力変動の時間に
羽根車全周でズレが生じるので、騒音の周波数にもズレ
が生じ、従来に比べ騒音の低減が図れ、回転音が耳障り
でなくなる。
【0032】また、上述の目的を達成するために、この
発明による空気調和機は、上記に記載の遠心形送風機の
羽根車を備え、この羽根車の吹出口近傍に熱交換器を設
けたものである。
【0033】上述のような羽根車を備える遠心形送風機
を用いた空気調和機においては、当然のことながら、こ
の羽根車自体により得られる利点を享受することができ
るので、騒音の少ない空気調和機を構成することができ
る。また、羽根車と熱交換器の関係を良好なものにする
ことによって、さらなる騒音の低減および熱効率の向上
を図ることができる。すなわち、上述のように羽根車か
ら吹出される空気の吹出風速のバラツキが小さいため、
当然のことながら、この羽根車の周囲に配置された熱交
換器へ流入する空気の風速分布のバラツキも小さくな
り、熱交換器における熱交換効率を向上させることがで
きる。
【0034】特に、翼の外周側の端辺を徐々に外周側に
突出させた羽根車を用いた場合には、翼の外周側の端辺
と熱交換器との相互距離がシュラウド付近で大きく、主
板に向かうにつれて小さくなるため、翼の高さ方向にお
いて、吹出された空気が熱交換器に至るまでの時間に差
が生じる。したがって、従来の空気調和機のように、羽
根車の回転方向の上流側から吹き出されて熱交換器に流
入しきれなかった流れと、羽根車の熱交換器に対する最
近接領域から吹き出された流れとが相互に干渉するよう
なことがなくなるため、騒音悪化を低減することができ
る。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、この発明にかかる遠心形送
風機の羽根車および空気調和機の実施の形態につき、図
面を参照しつつ詳細に説明する。なお、これら実施の形
態によりこの発明が限定されるものではない。
【0036】実施の形態1.図1は実施の形態1にかか
る空気調和機を室内側から見た斜視図、図2は図1の空
気調和機の横断面図、図3は図1の空気調和機の縦断面
図である。これら図1〜3に示すように空気調和機は、
主として、遠心形送風機1、モータ2、熱交換器3、お
よび、化粧パネル4を備えて構成されている。このうち
遠心形送風機1、モータ2、および、熱交換器3は筐体
5に収められて天井内部に埋設されており、化粧パネル
4は天井パネル6に形成した開口内に嵌め込まれてい
る。
【0037】遠心形送風機1は、室内空気を熱交換器3
に導くもので、羽根車7およびベルマウス8を備える。
この羽根車7の構造等については後述する。ベルマウス
8は、化粧パネル4と羽根車7の間に配置され、これら
の間の空気経路を形成する。モータ2は羽根車7を回転
させる動力源であり、電気品箱9に収められた図示しな
い制御基板にて制御される。熱交換器3は、羽根車7の
近傍周囲に略四角形状に設けられており、羽根車7にて
導かれた空気を加熱または冷却する。化粧パネル4は、
室内と空気調和機との間の空気経路を形成するもので、
その中央付近には吸込口4a、その外周四方には吹出口
4bがそれぞれ形成されている。
【0038】このように構成された空気調和機におい
て、運転時には、遠心形送風機1の羽根車7がモータ2
にて駆動され、図2の矢印A方向に回転することによっ
て、室内の空気が化粧パネル4の吸込口4aから吸い込
まれる。この空気は、化粧パネル4の上方に設けたフィ
ルタ10でそのホコリ等を除去された後、ベルマウス8
を介して羽根車7に吸い込まれ、この羽根車7から吹き
出されて熱交換器3に導かれ、この熱交換器3で加熱ま
たは冷却される。
【0039】加熱時においては、冷媒がヘッダ11→熱
交換器3→分配器12の方向に流れ、冷却時において
は、冷媒が分配器12→熱交換器3→ヘッダ11の方向
に流れる。このような熱交換によって発生した水はドレ
ンパン13に貯められ、ドレンポンプ14にて汲み上げ
られて室外へ排水される。熱交換器3で加熱または冷却
された空気は、化粧パネル4の吹出口4bから室内に向
けて吹出され、これによって空調が行われる。なお、吹
出口4bには風向変更ベーン4cが設けられており、室
内側への空気の吹出し方向を適宜調整することができ
る。
【0040】つぎに、本実施の形態における遠心形送風
機の羽根車について詳細に説明する。図4は遠心形送風
機の羽根車の斜視図、図5は図4の羽根車の軸心におけ
る縦断面図、図6は図5のL−L、M−M、N−Nの各
平面における1枚の翼の横断面図、図7は図5のN−N
平面における羽根車全体の横断面図である。
【0041】これら図4〜7に示すように、羽根車7
は、曲線状の主板20、この主板20に対向して配置さ
れるものであってこの主板20との間に空気経路を形成
するシュラウド21、これら主板20とシュラウド21
の間に配置された複数の翼22、および、主板20に一
体に形成されるものであってモータ2の回転軸を固定す
るためのハブ23を備えて構成されている。このような
羽根車7を回転させることにより、吸込口24より空気
が吸い込まれ、この空気が羽根車7の内部を径方向に流
動して吹出口25より吹き出される。
【0042】ここで、図6、7に示すように、羽根車7
の翼22は、従来と異なり、シュラウド21から主板2
0に向かうにつれて、肉厚が徐々に厚くなるように形成
されている。すなわち、図6において、最大肉厚TL
最大肉厚TM <最大肉厚TNとなるように形成されてい
る。この肉厚の比率等については後述するが、シュラウ
ド21から主板20に向かうにつれて一定の比率で連続
的に増厚されるように形成されている。なお、図6に示
すように、本実施の形態においては、翼22の外周側の
端辺22out と内周側の端辺22inは、それぞれ、この
翼22の高さ方向において同一位置に配置されている。
【0043】このように肉厚が徐々に厚くなるように形
成されているため、各翼22の相互の隣接距離も、肉厚
の差分に応じて徐々に変化する。図8は、3枚の隣接す
る翼の横断面図であり、L−L平面での横断面を破線、
N−N平面での横断面を実線にて示す。この図8におい
て、L−L平面における翼22の相互の隣接距離を
L 、N−N平面における翼22の相互の隣接距離をS
N とすると、SL >SN と示されるように、翼22の隣
接距離はシュラウド21から主板20に至るに伴って徐
々に狭くなっている。
【0044】したがって、翼22の相互間における空気
の流れは、主板20近傍においては翼22の隣接距離が
狭いために抑制され、翼22の隣接距離の広いシュラウ
ド21側に偏向される。このため、半径方向成分の大き
い主板20付近での流れの速度を抑制する一方、軸方向
成分の大きいシュラウド21付近での流れの速度を増加
させることができるので、翼22の高さ方向における吹
出風速分布のバラツキを打ち消して平均化することがで
きる。
【0045】図9には、翼の各位置(縦軸)と、同一風
量時における平均風速を100%とした時の吹出風速分
布(横軸)との関係を示す(従来の羽根車のデータを黒
点、本実施の形態の羽根車のデータを白点にて示す。以
下の図面において同じ)。この図9から明らかなよう
に、従来における吹出風速分布は、L−L平面において
約80%、N−N平面において約115%であり、バラ
ツキ幅△V=約35%であったのに対し、本実施の形態
における風速分布は、L−L平面において約90%、N
−N平面において約110%となり、バラツキ幅△V=
約20%となって、従来よりも風速分布のバラツキが小
さくなったことが分かる。
【0046】また、シュラウド21付近における流れの
軸方向成分を低減できることから、このシュラウド21
付近において翼腹面に生じていた剥離渦Uを解消するこ
とができ、したがって騒音を低減することができる。
【0047】このように、羽根車7の翼22を、シュラ
ウド21から主板20に向かうにつれて、肉厚が徐々に
厚くなるように形成することにより、風速分布のバラツ
キや騒音を低減できる。しかしながら、主板20側の最
大肉厚TN がシュラウド21側の最大肉厚TL に近すぎ
ると、従来との差異が小さくなり、吹出風速の均一化を
あまり図ることができない。一方、主板20側の最大肉
厚TN がシュラウド21側の最大肉厚TL より厚すぎる
と、主板20側の翼22の隣接距離SN が狭くなりすぎ
て空気抵抗が大きくなり、必要風量時における吹出風速
のバラツキが従来に比べて却って大きくなり、また、騒
音値が従来に比べて却って悪化してしまうという問題が
生じる。すなわち、吹出風速のバラツキや騒音を最も低
減するためには、主板20側の最大肉厚TN とシュラウ
ド21側の最大肉厚TL との比率に最適範囲が存在す
る。
【0048】図10には、騒音値SPL[dBA](縦
軸)と、同一風量時における最大肉厚TN と最大肉厚T
L との比率TN /TL (横軸)との関係を示す。この図
10より明らかなように、比率TN /TL が約1.1以
上かつ約2.0以下の範囲内であれば、従来の羽根車よ
りも騒音値が小さくなることが分かる。したがって、本
実施の形態における羽根車7の翼22は、最大肉厚TN
と最大肉厚TL との比率TN /TL が約1.1以上かつ
約2.0以下の範囲内に収まるように形成されている。
【0049】このような羽根車7は、従来と同様に板金
加工等によって形成することが可能である。しかしなが
ら、特に厨房等のように油がミスト状となって高濃度で
漂っている環境や、工場等のように各種の溶剤がミスト
状となって高濃度で漂っている環境下においては、耐腐
食性に優れた材料を用いることが好ましい。また、近年
のリサイクル化の要請から、再生産が容易な材料を用い
ることが好ましい。
【0050】このため、本実施の形態の羽根車7は、そ
の一部または全部を、マグネシウム合金等にて成形され
ている。マグネシウム合金は、金属特有の再生のしやす
さに加え、軽量性および堅牢性なども兼ね備えたリサイ
クル性の高い材料であるため、環境にやさしい羽根車7
を構成でき、ひいては羽根車7の製造コストを低減する
ことができる。
【0051】このような羽根車7を備える遠心形送風機
1を用いた図1〜3の空気調和機においては、従来に比
べて熱交換を効率よく行うことができる。すなわち、上
述のように羽根車7から吹出される空気の吹出風速のバ
ラツキが小さいため、当然のことながら、この羽根車7
の周囲に配置された熱交換器3へ流入する空気の風速分
布のバラツキも小さくなり、このために熱交換効率を向
上させることができる。図11には、従来の羽根車を備
えた空気調和機と、本実施の形態の羽根車を備えた空気
調和機との、同一風量時における熱交換器での熱交換量
W[w](縦軸)を示す。この図11から明らかなよう
に、本実施の形態の羽根車7を備えた場合には、従来の
羽根車を備えた場合に比べて、熱交換量W[w]を約5
%増加させるすることができ、熱交換効率のよい空気調
和機を得ることができる。
【0052】この他、空気調和機の構成については、図
1〜3に示した以外の形態を取り得る。図12は変形例
における空気調和機を室内側から見た斜視図、図13は
図12の空気調和機の横断面図、図14は図12の空気
調和機の縦断面図である。これら図12〜14におい
て、化粧パネル15は、その中央付近に一対の吸込口1
5aを有し、この吸込口15aの外側の両側に二つの吹
出口15bを有して全体として長方形に形成されてい
る。また、熱交換器16も、化粧パネル15の形状に対
応して長手状に形成され、羽根車7の両側方に立設され
ている。このように、化粧パネルや熱交換器等の如き空
気調和機の各部の構成については、特記する場合を除い
て任意に変更することができる。
【0053】このような化粧パネル15および熱交換器
16を備えた空気調和機においても、従来に比べて熱効
率を改善することができる。図15は、従来の空気調和
機と、本変形例の空気調和機との、同一風量時における
熱交換器での熱交換量W[w](縦軸)を示す。この図
15から明らかなように、本変形例の空気調和機は、従
来の空気調和機に比べて、熱交換量W[w]を約3%増
加させるすることができ、熱交換効率のよい空気調和機
を得ることができる。
【0054】実施の形態2.図16は実施の形態2にか
かる遠心形送風機の羽根車の斜視図、図17は図16の
羽根車の軸心における縦断面図、図18は図17のL−
L、M−M、N−Nの各平面における1枚の翼の横断面
図、図19は図17のN−N平面における羽根車全体の
横断面図を示す。なお、実施の形態2〜5においては、
実施の形態1と同じ構成を同符号にて示し、その説明を
省略する。特に、空気調和機の全体構成は、実施の形態
1と同じであるため、その説明を省略する。
【0055】本実施の形態において、羽根車7の翼26
は、図18に示すように、先の実施の形態1と同様、シ
ュラウド21から主板20に向かうにつれて、肉厚が徐
々に厚くなるように形成されている。すなわち、最大肉
厚TL <最大肉厚TM <最大肉厚TN となるように形成
されている。ただし、この肉厚化の形態は、先の実施の
形態1と異なり、翼26の横断面形状を、シュラウド2
1から主板20に向かうにつれて徐々に拡大する相似形
状に形成することで達成されている。
【0056】具体的には、図18に示すように、L−L
平面における横断面形状、M−M平面における横断面形
状、および、N−N平面における横断面形状は相互に相
似形であり、シュラウド21から主板20に向かうにつ
れて各部の肉厚および弦長が一定の比率で拡大されてい
る。また、翼の羽根車7の内周側の端辺26inおよび外
周側の端辺26out は、翼の高さ方向で斜めに形成され
ている。
【0057】この場合においても、各翼26の相互の隣
接距離が徐々に変化する。図20は、3枚の隣接する翼
の横断面図であり、L−L平面での断面を破線、N−N
平面での断面を実線にて示す。この図20において、隣
接距離SL >隣接距離SN と示されるように、シュラウ
ド21から主板20に至るに伴って、翼26の相互の隣
接距離が徐々に狭くなっている。したがって、実施の形
態1と同様、隣接距離SL の広いシュラウド21側に空
気の流れが偏向され、高さ方向における風速分布のバラ
ツキを軽減することができる。図21には、翼の各位置
(縦軸)と、同一風量時における平均風速を100%と
した時の吹出風速分布(横軸)との関係を示す。この図
21から明らかなように、従来における吹出風速分布
は、バラツキ幅△V=約35%であったのに対し、本実
施の形態における吹出風速分布は、バラツキ幅△V=約
20%となり、風速分布のバラツキが小さくなったこと
が分かる。
【0058】さらに、シュラウド21付近における流れ
の軸方向成分を低減でき、このシュラウド21付近にお
いて、翼腹面に生じていた剥離渦Uを解消することがで
き、騒音を低減することができる。
【0059】特に、本実施の形態においては、実施の形
態1と異なり、翼26が高さ方向で相似に拡大している
ため、図18に示すように、翼26の内周側の端辺26
inが、シュラウド21から主板20に向かうにつれて徐
々に内周側に突出している。このため、羽根車7の吸込
口24から翼26の内周側の端辺26inに至る距離(翼
到達距離)に関し、シュラウド21の近傍位置における
翼到達距離と、主板20の近傍位置における翼到達距離
との差を従来よりも軽減することができる。
【0060】したがって、吸込口24から流入した空気
が翼26の内周側の端辺26inに到達する時間(翼到達
時間)に関しては、シュラウド21の近傍位置における
翼到達時間と、主板20の近傍位置における翼到達時間
とでは微差になる。このため、吸込口24から吸い込ま
れた空気は、シュラウド21の近傍位置における翼26
の内周側の端辺26inに到達すると共に、主板20の近
傍位置における翼26の内周側の端辺26inにもわずか
な時間差で到達するので、空気が翼26の内周側の端辺
26inに到達する時間のバラツキが従来に比べて軽減さ
れる。
【0061】また、このように本実施の形態においては
翼26が高さ方向で相似に拡大しているため、図18に
示すように、翼26の外周側の端辺26out が、シュラ
ウド21から主板20に向かうにつれて徐々に外周側に
突出している。したがって、翼26から放出される放出
渦W(図示せず)は、シュラウド21側で早く、主板2
0側で遅く放出されるので、放出渦Wによって生じる騒
音の周波数がシュラウド21側と主板20側とで異なる
ものとなり、騒音共振等を防止して騒音低減を図ること
ができる。さらに、翼26を高さ方向で相似に拡大して
いるため、図18に示すように、翼26の弦長がシュラ
ウド21側から主板20側へ向かうにつれYLからYN
へ徐々に拡大され、送風効率を改善することができる。
【0062】これらの結果、必要風量を出力する際の羽
根車7の回転数を従来に比べて低くすることができる。
図22は、風量Q[m3/min] および騒音値SPL[dBA]
(縦軸)と、羽根車の回転数N[r.p.m.](横
軸)との関係を示す図である。この図22に示すよう
に、必要風量Q1を得るための羽根車7の回転数は、従
来よりも△SPLだけ低くすることができ、このように
回転数を低減できるため、従来に比べ低騒音化を図るこ
とができる。
【0063】このような羽根車7を有する遠心形送風機
を備えた空気調和機においては、上述した羽根車7自体
によって得られる騒音低減等の効果に加えて、羽根車7
と熱交換器3との関係を良好なものにすることによっ
て、さらなる騒音の低減および熱効率の向上を図ること
ができる。
【0064】図23は、図17の翼の横断面に、熱交換
器の横断面を付加した図である。この図23に示すよう
に、翼26の外周側の端辺26out を主板20に向かう
につれて徐々に外周側に突出させたことによって、L−
L、M−M、N−Nの各平面それぞれにおける翼26の
外周側の端辺26out と熱交換器3との相互距離LL
M 、LN は、LL >LM >LN のようにシュラウド2
1付近で大きく、主板20に向かうにつれて小さくな
り、翼26の高さ方向において、吹出された空気が熱交
換器3に至るまでの時間に差が生じる。したがって、従
来の空気調和機のように、羽根車7の回転方向の上流側
から吹き出されて熱交換器3に流入しきれなかった流れ
と、羽根車7の熱交換器3に対する最近接領域から吹き
出された流れとが相互に干渉するようなことがなくなる
ため、騒音悪化を低減することができる。
【0065】図24には、従来の羽根車を備えた空気調
和機と、本実施の形態の羽根車を備えた空気調和機と
の、同一風量時における熱交換器での熱交換効率[%]
(縦軸)を示す。この図24に示すように、本実施の形
態の空気調和機は、従来の空気調和機に比べて、約3%
も熱交換効率が高く、熱交換効率を向上可能であること
が分かる。
【0066】また図25には、同一風量時における騒音
値SPL[dBA](縦軸)と、周波数f[Hz](横
軸)との関係を示す(従来におけるデータを破線、本実
施の形態におけるデータを実線にて示す。以下、図30
において同じ)。この図25に示すように、本実施の形
態における空気調和機は、従来の空気調和機に比べて、
f=0〜4000[Hz]のほぼ全ての周波数帯域にお
いて騒音値が低く、静粛な空気調和機であることが分か
る。
【0067】実施の形態3.図26は実施の形態3にか
かる遠心形送風機の羽根車の斜視図、図27は図26の
羽根車の軸心における縦断面図、図28は図27のL−
L、M−M、N−Nの各平面における1枚の翼の横断面
図、図29は図27のN−N平面における羽根車全体の
横断面図を示す。
【0068】本実施の形態においても、遠心形送風機の
羽根車7の翼27は、先の実施の形態1と同様に、シュ
ラウド21から主板20に向かうにつれて、肉厚が徐々
に厚くなるように形成されている。すなわち、図28に
おいて、最大肉厚TL <最大肉厚TM <最大肉厚TN
なるように形成されている。ただし、翼27は、先の実
施の形態1と異なり、その外周側の端辺27out の位置
を高さ方向で同一としつつ、内周側の端辺27inの位置
をシュラウド21から主板20に向かうにつれて内周側
に突出するよう形成されている。
【0069】すなわち、図29に示すように、羽根車7
の回転軸0を中心とし、L−L平面において各翼27の
内周側の端辺27inを通る円の直径をφDinL、N−N
平面において各翼27の内周側の端辺27inを通る円の
直径をφDinNとすると、φDinL>φDinNとなるよ
うに形成されている。すなわち、図27に示すように、
翼27の羽根車7の内周側の端辺27inは、翼27の高
さ方向で斜めに形成されている。
【0070】このため、実施の形態2と同様の理由によ
り、羽根車7の吸込口24から吸い込まれた空気は、シ
ュラウド21の近傍位置における翼27の内周側の端辺
27 inに到達すると共に、主板20の近傍位置における
翼27の内周側の端辺27inにもわずかな時間差で到達
するので、空気が翼27の内周側の端辺27inに到達す
る時間のバラツキが従来に比べ小さくなる。
【0071】図30には、同一風量時における、騒音値
SPL[dBA](縦軸)と、周波数f[Hz](横
軸)との関係を示す。この図30に示すように、本実施
の形態における空気調和機は、従来の空気調和機に比べ
て、少なくともf=3000[Hz]以下の周波数帯域
において騒音値が低く、静粛な空気調和機を得ることが
できる。
【0072】ここで、図29に示す直径φDinNと直径
φDinLとの比率φDinN/φDinLがあまり小さい
と、直径φDinNと直径φDinLとの差が小さいために
従来に比べてあまり騒音を低減できず、逆に、比率φD
inN/φDinLが大きすぎると、主板20近傍において
翼27が内周側に突出しすぎることになり、送風効率が
悪化してしまう。すなわち、騒音を低減すると共に送風
効率を維持するためには、比率φDinN/φDinLに最
適範囲が存在する。
【0073】図31には、同一風量時における、図30
に示した騒音値のピークレベル△PEAK[dBA]
(縦軸)と、比率φDinN/φDinL(横軸)との関係
を示す。この図31より明らかなように、比率φDin
/φDinLが約0.9以下であれば、従来に比べて騒音
値を低減できることが分かる。また、図32には、同一
回転数時における、風量Q[m3/min](縦軸)と、比
率φDinN/φDinL(横軸)との関係を示す。
【0074】この図32からは、比率φDinN/φDin
Lが約0.85以上であれば、従来に比べて送風効率が
悪化しないことが分かる。したがって、これら図31、
32に示されたことから明らかなように、比率φDin
/φDinLが約0.85以上かつ約0.9以下の範囲内
であれば、騒音を低減することができ、かつ、送風効率
の良い遠心形送風機の羽根車7を得ることができる。こ
のため、本実施の形態における羽根車7の翼27は、直
径の比率φDinN/φDinLが約0.85以上かつ約
0.9以下の範囲内に収まるように形成されている。
【0075】実施の形態4.図33は実施の形態4にか
かる遠心形送風機の羽根車の斜視図、図34は図33の
羽根車の軸心における縦断面図、図35は図34のL−
L、M−M、N−Nの各平面における1枚の翼の横断面
図、図36は図34のN−N平面における羽根車全体の
横断面図を示す。
【0076】本実施の形態においても、羽根車7の翼2
8は、先の実施の形態1と同様、シュラウド21から主
板20に向かうにつれて、肉厚が徐々に厚くなるように
形成されている。すなわち、図35において、最大肉厚
L <最大肉厚TM <最大肉厚TN となるように形成さ
れている。
【0077】この場合においても、各翼28の相互の隣
接距離が徐々に変化する。図37は、3枚の隣接する翼
の横断面図であり、L−L平面での断面を破線、N−N
平面での断面を実線にて示す。この図37において、隣
接距離SL >隣接距離SN と示されるように、シュラウ
ド21から主板20に至るに伴って、翼28の相互の隣
接距離が徐々に狭くなっている。したがって、実施の形
態1と同様の理由により、高さ方向における風速分布の
バラツキを軽減することができる。
【0078】ただし、翼28は、先の実施の形態1と異
なり、図35に示すように、その内周側の端辺28in
位置を高さ方向で同一としつつ、外周側の端辺28out
の位置をシュラウド21から主板20に向かうにつれて
徐々に外周側に突出するよう形成されている。すなわ
ち、図36に示すように、L−L平面において各翼28
の外周側の端辺28out を通る円の直径をφDout L、
N−N平面において各翼28の外周側の端辺28out
通る円の直径をφDout Nとすると、φDout N>φD
out Lとなるように形成されている。すなわち、図34
に示すように、翼28の羽根車7の外周側の端辺28
out は、翼28の高さ方向で斜めに形成されている。
【0079】このため、実施の形態2と同様の理由によ
り、放出渦W(図示せず)は、シュラウド21側で早
く、主板20側で遅く放出されるので、放出渦Wによっ
て生じる騒音の周波数がシュラウド21側と主板20側
とで異なるものとなり、騒音共振等の発生を防止して騒
音低減を図ることができる。
【0080】ここで、図36に示す直径φDout Nと直
径φDout Lとの比率φDout N/φDout Lがあまり
小さいと、直径φDout Nと直径φDout Lとの差が小
さいために従来に比べてあまり騒音が低減できず、逆
に、比率φDout N/φDoutLが大きすぎると、主板
20近傍において翼28が外周側に突出しすぎることに
なり、隣り合う翼28での流れが干渉して送風効率が悪
化してしまう。すなわち、比率φDout N/φDout
にも、騒音を低減すると共に送風効率を維持するの最適
範囲が存在する。
【0081】図38には、同一風量時における、騒音値
SPL[dBA](縦軸)と、比率φDout N/φD
out L(横軸)との関係を示す。この図38より明らか
なように、比率φDout N/φDout Lが約1.2以上
であれば従来よりも騒音が低減できることが分かる。ま
た、図39には、同一回転数時における、風量Q[m3
min](縦軸)と、比率φDinN/φDinL(横軸)と
の関係を示す。この図39からは、比率φDout N/φ
out Lが約1.6以下であれば送風効率が悪化しない
ことが分かる。
【0082】したがって、これら図38、39に示され
たことから明らかなように、比率φDout N/φDout
Lが約1.2以上かつ約1.6以下の範囲内であれば、
低騒音で高送風効率の遠心形送風機の羽根車7を得るこ
とができる。このため、本実施の形態における羽根車7
の翼28は、直径の比率φDout N/φDout Lが約
1.2以上かつ約1.6以下の範囲内に収まるように形
成されている。
【0083】実施の形態5.図40は実施の形態5にか
かる遠心形送風機の羽根車の斜視図、図41は図40の
羽根車の軸心における縦断面図、図42は図41のN−
N平面における羽根車全体の横断面図を示す。
【0084】本実施の形態において羽根車7には、図4
2に示すように、2種類の翼22、26が設けられてい
る。一方の翼22は、実施の形態1で示したように、シ
ュラウド21から主板20に向かうにつれて肉厚を徐々
に厚くしたものであって、その外周側の端辺22out
内周側の端辺22inとを、それぞれ、この翼22の高さ
方向で同一位置に配置したものである。
【0085】また、他方の翼26は、実施の形態2で示
したように、シュラウド21から主板20に向かうにつ
れて肉厚を徐々に厚くしたものであって、その横断面形
状を、相似形で、かつシュラウド21から主板20に向
かうにつれて徐々に拡大し、外周側の端辺26out を主
板20に向かうにつれて外周側に突出させると共に、内
周側の端辺26inを主板20に向かうにつれて内周側に
突出させたものである。
【0086】このように2種類の形状の翼22、26を
設けた場合には、翼22とこれに隣接する別形状の翼2
6とで、その内周側の端辺22in、26inの位置および
外周側の端辺22out 、26out の位置が変化する。し
たがって、羽根車7の吸込口24から吸い込まれた気体
が内周側の端辺22in、26inへ到達する時間や、放出
渦Wが外周側の端辺2out 、26out から放出される時
間が隣接する翼22、26においてそれぞれ異なり、流
れの衝突や放出渦Wにより生じる圧力変動の時間に羽根
車7全周でズレが生じるので、騒音の周波数にもズレが
生じる。
【0087】したがって、騒音を低減することができ
る。図43には、騒音値SPL[dBA](縦軸)と、
周波数f[Hz](横軸)との関係を示す。この図43
において、最大の騒音値は約35dBAであるが、これ
は図30に示した従来の羽根車の最大の騒音値約43d
BAが図れ、回転音が耳障りでなくなる。
【0088】また、他の実施の形態で示した羽根車7と
同様、本実施の形態の羽根車7においても、翼の相互の
隣接距離がシュラウド21から主板20に向かうにつれ
て徐々に小さくなることから、気体の流れがシュラウド
21側に偏向され、吹出風速分布のバラツキを打ち消す
ことができる。図44には、翼の各位置(縦軸)と、同
一風量時における平均風速を100%とした時の吹出風
速分布(横軸)との関係を示す。この図44から明らか
なように、従来における吹出風速分布のバラツキ幅は△
V=約35%であったのに対し、本実施の形態における
風速分布のバラツキ幅は△V=約20%となって、従来
よりも風速分布のバラツキが小さくなったことが分か
る。
【0089】なお、本実施の形態においては、実施の形
態1の翼22と実施の形態2の翼26を備えた例を示し
たが、これに限られず、実施の形態1〜5に示した翼2
2、26〜28のうち、任意の2種以上の形状の翼を混
在させて羽根車7を構成することにより、同様の効果を
奏することができる。また、混在の形態は、本実施形態
に示したものに限られず、交互に異なる形状の翼を配置
してもよく、あるいは複数個毎に配置してもよい。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように、この発明にかかる
遠心形送風機の羽根車によれば、全部または一部の翼の
肉厚を、シュラウドから主板に向かうにつれて徐々に厚
くなるように形成し、各翼の相互の隣接距離を、シュラ
ウドから主板に向かうにつれて徐々に狭くしたので、気
体の流れがシュラウド側に偏向され、翼の高さ方向にお
ける吹出風速分布のバラツキを打ち消して平均化するこ
とができる。
【0091】つぎの発明にかかる遠心形送風機の羽根車
によれば、翼の横断面形状を、シュラウドから主板に向
かうにつれて徐々に拡大される相似形状としたので、空
気が翼の内周側の端辺に到達する時間のバラツキが従来
に比べて軽減され、あるいは、翼から放出される放出渦
が、シュラウド側で早く、主板側で遅く放出されるの
で、騒音の周波数がシュラウド側と主板側とで異なるも
のとなり、騒音共振等を防止して騒音低減を図ることが
できる。さらに、翼を高さ方向で相似に拡大しているた
め、翼の弦長がシュラウド側から主板側へ向かうにつれ
徐々に拡大され、送風効率を改善することができる。こ
れらの結果、必要風量を出力する際の羽根車の回転数を
従来に比べて低くすることができ、従来に比べ低騒音化
を図ることができる。
【0092】つぎの発明にかかる遠心形送風機の羽根車
によれば、翼の主板側の最大肉厚とシュラウド側の最大
肉厚との比率を、約1.1以上かつ約2.0以下の範囲
内としたので、肉厚比率を最適化して、従来の羽根車よ
りも騒音値を小さくすることができる。
【0093】つぎの発明にかかる遠心形送風機の羽根車
によれば、翼の外周側の端辺の位置を、当該翼の高さ方
向で同一とし、翼の内周側の端辺の位置を、シュラウド
から主板に向かうにつれて徐々に内周側に突出させたの
で、空気が翼の内周側の端辺に到達する時間のバラツキ
が従来に比べて軽減される。
【0094】つぎの発明にかかる遠心形送風機の羽根車
によれば、複数の翼の内周側の端辺を通る円の直径のう
ち、主板側の直径とシュラウド側の直径との比率を、約
0.85以上かつ約0.9以下の範囲内としたので、内
周側の直径比率を最適化して、騒音を低減することがで
き、かつ、送風効率の良い遠心形送風機の羽根車を得る
ことができる。
【0095】つぎの発明にかかる遠心形送風機の羽根車
によれば、翼の内周側の端辺の位置を当該翼の高さ方向
で同一とし、翼の外周側の端辺の位置を、シュラウドか
ら主板に向かうにつれて徐々に外周側に突出させたの
で、騒音の周波数がシュラウド側と主板側とで異なるも
のとなり、騒音共振等を防止して騒音低減を図ることが
できる。
【0096】つぎの発明にかかる遠心形送風機の羽根車
によれば、複数の翼の外周側の端辺を通る円の直径のう
ち、主板側の直径とシュラウド側の直径との比率を、約
1.2以上かつ約1.6以下の範囲内としたので、外周
側の直径比率を最適化して、低騒音で高送風効率の遠心
形送風機の羽根車を得ることができる。
【0097】つぎの発明にかかる遠心形送風機の羽根車
によれば、形状の異なる2種以上の翼を備えているた
め、流れの衝突や放出渦により生じる圧力変動の時間に
羽根車全周でズレが生じるので、騒音の周波数にもズレ
が生じ、従来に比べ騒音の低減が図れ、回転音が耳障り
でなくなる。
【0098】つぎの発明にかかる空気調和機によれば、
上述の如き羽根車を備え、この羽根車の吹出口近傍に熱
交換器を設けたので、羽根車自体により得られる利点を
享受することができ、さらには、羽根車と熱交換器の関
係を良好なものにすることによって、さらなる騒音の低
減および熱効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1にかかる空気調和機を
室内側から示す斜視図である。
【図2】 図1に示した空気調和機の構成を示す横断面
図である。
【図3】 図1に示した空気調和機の構成を示す縦断面
図である。
【図4】 遠心形送風機の羽根車を示す斜視図である。
【図5】 図4に示した羽根車の軸心における構成を示
す縦断面図である。
【図6】 図5に示したL−L、M−M、N−Nの各平
面における1枚の翼を示す横断面図である。
【図7】 図5に示したN−N平面における羽根車全体
を示す横断面図である。
【図8】 3枚の隣接する翼を示す横断面図である。
【図9】 翼の各位置と吹出風速分布との関係を示す図
である。
【図10】 騒音値と、比率TN /TL との関係を示す
図である。
【図11】 熱交換器での熱交換量を示す図である。
【図12】 変形例における空気調和機を室内側から見
た状態を示す斜視図である。
【図13】 図12に示した空気調和機の構成を示す横
断面図である。
【図14】 図12に示した空気調和機の構成を示す縦
断面図である。
【図15】 熱交換器での熱交換量を示す図である。
【図16】 実施の形態2にかかる遠心形送風機の羽根
車を示す斜視図である。
【図17】 図16に示した羽根車の軸心における構成
を示す縦断面図である。
【図18】 図17に示したL−L、M−M、N−Nの
各平面における1枚の翼を示す横断面図である。
【図19】 図17に示したN−N平面における羽根車
全体を示す横断面図である。
【図20】 3枚の隣接する翼を示す横断面図である。
【図21】 翼の各位置と吹出風速分布との関係を示す
図である。
【図22】 風量および騒音値と、羽根車の回転数との
関係を示す図である。
【図23】 図17に示した翼の横断面に熱交換器の横
断面を付加した図である。
【図24】 熱交換器での熱交換効率を示す図である。
【図25】 騒音値と周波数との関係を示す図である。
【図26】 実施の形態3にかかる遠心形送風機の羽根
車を示す斜視図である。
【図27】 図26に示した羽根車の軸心における状態
を示す縦断面図である。
【図28】 図27に示したL−L、M−M、N−Nの
各平面における1枚の翼を示す横断面図である。
【図29】 図27に示したN−N平面における羽根車
全体を示す横断面図である。
【図30】 騒音値と周波数との関係を示す図である。
【図31】 図30に示した騒音値のピークレベルと比
率φDinN/φDinLとの関係を示す図である。
【図32】 風量と比率φDinN/φDinLとの関係を
示す図である。
【図33】 実施の形態4にかかる遠心形送風機の羽根
車を示す斜視図である。
【図34】 図33に示した羽根車の軸心における状態
を示す縦断面図である。
【図35】 図34に示したL−L、M−M、N−Nの
各平面における1枚の翼を示す横断面図である。
【図36】 図34に示したN−N平面における羽根車
全体を示す横断面図である。
【図37】 3枚の隣接する翼を示す横断面図である。
【図38】 騒音値と比率φDout N/φDout Lとの
関係を示す図である。
【図39】 風量と比率φDinN/φDinLとの関係を
示す図である。
【図40】 実施の形態5にかかる遠心形送風機の羽根
車を示す斜視図である。
【図41】 図40に示した羽根車の軸心における状態
を示す縦断面図である。
【図42】 図41に示したN−N平面における羽根車
全体を示す横断面図である。
【図43】 騒音値と周波数との関係を示す図である。
【図44】 翼の各位置と吹出風速分布との関係を示す
図である。
【図45】 従来の遠心形送風機を備えた空気調和機を
室内側から見た状態を示す斜視図である。
【図46】 図45に示した空気調和機の構成を示す横
断面図である。
【図47】 図45に示した空気調和機の構成を示す縦
断面図である。
【図48】 従来における遠心形送風機の羽根車の構成
を示す斜視図である。
【図49】 図48に示した羽根車の軸心における状態
を示す縦断面図である。
【図50】 図49に示したL−L平面、M−M平面、
N−N平面における1枚の翼を示す横断面図である。
【図51】 図49に示したN−N平面における羽根車
全体を示す横断面図である。
【図52】 図50に示した翼の横断面に空気の流動状
態を付加した図である。
【図53】 翼と熱交換器の要部を示す横断面図であ
る。
【符号の説明】
1、100 遠心形送風機、2、101 モータ、3、
16、102 熱交換器、4、15、103 化粧パネ
ル、7、106 羽根車、8、107 ベルマウス、2
0、108 主板、21、109 シュラウド、22、
26〜28、110 翼、22in、26in〜28in、1
10in 翼の内周側の端辺、22out 、26out 〜28
out 、110out 翼の外周側の端辺、TL 〜TN
の最大肉厚、SL 、SN 翼の隣接距離。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関口 和伸 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 3H033 AA02 AA18 BB02 BB06 CC01 DD06 DD12 DD17 EE06 EE08 EE19 3L049 BB07 BB10 BC03 BD01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転中心側から回転外周側に至る主板
    と、この主板に対向配置されて当該主板との間に気体経
    路を形成するシュラウドと、これら主板とシュラウドの
    間に直立状に設けられるもので回転半径方向に沿って配
    置された複数の翼と、を備える遠心形送風機の羽根車で
    あって、 全部または一部の翼の肉厚を、シュラウドから主板に向
    かうにつれて徐々に厚くなるように形成し、各翼の相互
    の隣接距離を、シュラウドから主板に向かうにつれて徐
    々に狭くしたことを特徴とする遠心形送風機の羽根車。
  2. 【請求項2】 翼の横断面形状を、シュラウドから主板
    に向かうにつれて徐々に拡大される相似形状としたこと
    を特徴とする請求項1に記載の遠心形送風機の羽根車。
  3. 【請求項3】 翼の主板側の最大肉厚とシュラウド側の
    最大肉厚との比率を、約1.1以上かつ約2.0以下の
    範囲内としたことを特徴とする請求項1または2に記載
    の遠心形送風機の羽根車。
  4. 【請求項4】 翼の外周側の端辺の位置を、当該翼の高
    さ方向で同一とし、翼の内周側の端辺の位置を、シュラ
    ウドから主板に向かうにつれて徐々に内周側に突出させ
    たことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載
    の遠心形送風機の羽根車。
  5. 【請求項5】 複数の翼の内周側の端辺を通る円の直径
    のうち、主板側の直径とシュラウド側の直径との比率
    を、約0.85以上かつ約0.9以下の範囲内としたこ
    とを特徴とする請求項4に記載の遠心形送風機の羽根
    車。
  6. 【請求項6】 翼の内周側の端辺の位置を当該翼の高さ
    方向で同一とし、翼の外周側の端辺の位置を、シュラウ
    ドから主板に向かうにつれて徐々に外周側に突出させた
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の
    遠心形送風機の羽根車。
  7. 【請求項7】 複数の翼の外周側の端辺を通る円の直径
    のうち、主板側の直径とシュラウド側の直径との比率
    を、約1.2以上かつ約1.6以下の範囲内としたこと
    を特徴とする請求項6に記載の遠心形送風機の羽根車。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか一つに記載され
    た翼であって、形状の異なる2種以上の翼を備えること
    を特徴とする遠心形送風機の羽根車。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか一つに記載の遠
    心形送風機の羽根車を備え、この羽根車の吹出口近傍に
    熱交換器を設けたことを特徴とする空気調和機。
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