JP2001132657A - 密閉型電動圧縮機 - Google Patents

密閉型電動圧縮機

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JP2001132657A
JP2001132657A JP31406299A JP31406299A JP2001132657A JP 2001132657 A JP2001132657 A JP 2001132657A JP 31406299 A JP31406299 A JP 31406299A JP 31406299 A JP31406299 A JP 31406299A JP 2001132657 A JP2001132657 A JP 2001132657A
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JP
Japan
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temperature
motor
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thermistor
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JP31406299A
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English (en)
Inventor
Kenji Iriyama
健治 入山
Yoshiaki Harakawa
義明 原川
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 負抵抗特性の温度センサにより電動モータを
保護している密閉型電動圧縮機において、雰囲気温度に
関係なく確実に温度センサの断線を検知する。 【解決手段】 モータ130起動後、第1所定時間ta
1経過時点の検出温度Ta1と第2所定時間Δt経過時
点の検出温度Ta2との温度差ΔTが、所定の断線判定
値C1より小さい場合に、サーミスタ160が断線して
いると判定する。モータ130起動直後のモータ130
の温度は上昇するので、この上昇時間範囲内に第1、第
2所定時間ta1、Δtを設定すれば、|ΔT|<C1
の場合にはモータ130の実際の温度が変化しているに
も関わらず、サーミスタ160の検出温度Tは変化して
いないことになり、サーミスタ160が断線していると
確実に判定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポンプ機構と電動
モータとが一体となった密閉型電動圧縮機に関するもの
で、冷凍サイクル用の圧縮機に適用して有効である。
【0002】
【従来の技術】冷凍サイクル用の密閉型電動圧縮機とし
て、電動モータを収納するハウジング(密閉容器)にサ
ーミスタを配設して電動モータの温度を検出するととも
に、このサーミスタの検出温度が所定温度(電動モータ
の耐熱温度に相当する温度)に到達したときに、電動モ
ータを停止させて電動モータを保護している。
【0003】ところで、上記サーミスタの断線を検知す
る従来の手段を説明すると、周知の如く、サーミスタは
温度上昇に伴って電気抵抗値が減少する特性であり、サ
ーミスタが断線した場合には、上記電気抵抗値が無限大
になり、検出温度は極めて低い温度となる。そこで、サ
ーミスタの検出温度が所定の断線判定温度THより小さ
い場合には断線と判定し、電動モータを停止させて電動
モータを保護していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図12に示す
ように、サーミスタの温度−抵抗値特性は、温度が低く
なると急激に抵抗値が上昇する負抵抗特性である。この
ため、密閉型電動圧縮機の雰囲気温度が極めて低い(例
えば−20℃)場合には、サーミスタの抵抗値は数MΩ
になってしまい、ほぼ断線状態(抵抗値∞)と近似とな
るため、サーミスタが断線していなくても、サーミスタ
の検出温度が所定の断線判定温度THより低くなり、断
線と誤判定してしまい、電動モータは停止されて起動し
ないという問題が生じていた。
【0005】本発明は上記点に鑑みて、サーミスタの如
く負抵抗特性の温度センサにより、電動モータを保護し
ている密閉型電動圧縮機において、雰囲気温度に関係な
く、確実に温度センサの断線を検知することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明では、流体を吸入圧縮するポ
ンプ機構(110)と、ポンプ機構(110)を駆動す
る電動モータ(130)と、電動モータ(130)の温
度を検出する温度センサ(160)とを備え、電動モー
タ(130)起動後、第1所定時間(ta1)経過時点
の検出温度(Ta1)と、第1所定時間(ta1)経過
後、第2所定時間(Δt)経過時点の検出温度(Ta
2)との温度差(ΔT)の絶対値が、所定の断線判定値
(C1)より小さい場合に、温度センサ(160)が断
線していると判定することを特徴としている。
【0007】ところで、電動モータ(130)起動直後
の電動モータ(130)の温度は変化するので、この変
化する時間範囲内に、第1、第2所定時間(ta1)、
(Δt)を設定すれば、上記発明により、|ΔT|<C
1の場合には電動モータ(130)の実際の温度が変化
しているにも関わらず、温度センサ(160)の検出温
度は変化していないことになり、温度センサ(160)
が断線していると確実に判定することができる。
【0008】よって、誤判定により電動モータ(13
0)が停止することを防止でき、雰囲気温度に関係な
く、確実に温度センサ(160)の断線を検知すること
ができる。
【0009】また、請求項2に記載の発明では、電動モ
ータ(130)起動後、所定の判定禁止時間(tb1)
が経過してから、温度センサ(160)の検出温度
(T)が所定の断線判定温度(TH)より低い場合に、
温度センサ(160)が断線していると判定することを
特徴としている。
【0010】これにより、温度センサ(160)が断線
しているか否かの判定を行う時点での検出温度(T)
は、電動モータ(130)起動時点に比べて高くなって
いるので、密閉型電動圧縮機の雰囲気温度が極めて低い
場合であっても、温度センサ(160)の抵抗値が数M
Ωになることはない。よって、誤判定を防止でき、誤判
定により電動モータ(130)が停止することを防止
し、雰囲気温度に関係なく、確実に温度センサ(16
0)の断線を検知することができる。
【0011】また、請求項3に記載の発明では、電動モ
ータ(130)の起動後、第1所定時間(Δt1)経過
時点の検出温度(Tc1)が所定の断線判定温度(T
H)より低い場合に電動モータ(130)を停止し、こ
の電動モータ(130)停止時から第2所定時間(Δt
2)経過後電動モータ(130)を再起動させ、この再
起動後、第3所定時間(Δt3)が経過してから、検出
温度(T)が断線判定温度(TH)より低い場合に、温
度センサ(160)が断線していると判定することを特
徴としている。
【0012】これにより、後述の図9に例示するよう
に、温度センサ(160)の検出温度は、電動モータ
(130)起動後、断線判定温度(TH)より低い温度
(Tc1)まで上昇し、電動モータ(130)の停止に
ともない、電動モータ(130)の起動時の検出温度よ
り高い温度(Tc2)まで一旦下降し、電動モータ(1
30)の再起動にともない、断線判定温度(TH)より
高い温度(Tc3)まで再度上昇する。
【0013】よって、再起動時の検出温度(Tc2)を
起動時の検出温度より高くすることができるので、第3
所定時間(Δt3)を短くしても、第3所定時間(Δt
3)経過時点の検出温度(Tc3)を高くすることがで
き、温度センサ(160)の断線の検知を確実にでき
る。
【0014】また、断線時に、電動モータ(130)等
の異常により実際の電動モータ(130)の温度が上昇
する場合であっても、断線を検知していない第3所定時
間(Δt3)を短くできるので、電動モータ(130)
を確実に保護することをも可能にする。
【0015】また、請求項4に記載の発明では、電動モ
ータ(130)を収納するモータ室(133)を備え、
ポンプ機構(110)から吐出する流体はモータ室(1
33)内を流通するようになっており、温度センサ(1
60)はモータ室(133)の温度を検出することを特
徴としている。
【0016】ここで、電動モータ(130)の起動後に
は、ポンプ機構(110)の吐出側の流体は温度上昇
し、この温度上昇した流体はモータ室(133)内を流
通するので、モータ室(133)内の温度は上昇する。
したがって、電動モータ(130)起動後の温度センサ
(160)の検出温度は上昇するので、請求項1〜3に
記載の発明の効果を増大させることができる。
【0017】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すも
のである。
【0018】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)本実施形態は、
本発明に係る密閉型電動圧縮機(以下、電動圧縮機と略
す。)を冷凍サイクル用の圧縮機に適用したものであ
り、図1は冷凍サイクルの模式図である。
【0019】図1中、100は冷媒(流体)を吸入圧縮
する電動圧縮機であり、200は電動圧縮機100から
吐出する冷媒を冷却する放熱器(凝縮器)である。30
0は放熱器200から流出する冷媒を気相冷媒と液相冷
媒とに分離して冷凍サイクル中の余剰冷媒を蓄えるとと
もに、液相冷媒を流出するレシーバ(気液分離手段)で
あり、400はレシーバ300から流出する冷媒を減圧
する減圧器である。
【0020】なお、減圧器400は、電動圧縮機100
に吸入される冷媒の加熱度が所定値となるように、その
開度(減圧度)を調節する温度式膨張弁である。
【0021】500は、減圧器400にて減圧されて気
液二相状態となった冷媒を蒸発させて冷凍能力を発揮す
る蒸発器である。
【0022】600は、電動圧縮機100の直流の電源
であり、ECU(電子制御装置)700を介して電動圧
縮機100に接続され、ECU700により電動圧縮機
100の駆動を制御する。この制御に関しては後に詳述
する。
【0023】次に、電動圧縮機100について述べる。
【0024】110は冷媒を吸入圧縮するポンプ機構で
あり、このポンプ機構110は、ハウジング120に対
して固定された(可動しない)固定スクロール111及
び固定スクロール111に対して旋回する旋回スクロー
ル112からなる周知のスクロール型ポンプ機構であ
る。
【0025】130はポンプ機構110を駆動する電動
モータ(以下、モータと略す。)であり、このモータ1
30は、略円筒状のハウジング120内に固定されたス
テータ131、及びステータ131内で回転するマグネ
ットロータ(以下、ロータと略す。)132から構成さ
れている。
【0026】ここで、ステータ131は、ハウジング1
20内に焼きばめ(しまりばめ)等の圧入手段によりハ
ウジング120に対して堅牢に固定された磁性材料から
なるステータコア131a、及びステータコア131a
に巻かれたコイル(巻き線)131bから構成されてい
る。
【0027】一方、ロータ132は、永久磁石(マグネ
ット)132aが埋設された磁性材料からなるロータコ
ア132b、及びロータコア132bと一体的に回転す
るとともにロータコア132bを支持するシャフト13
2cから構成されている。なお、ハウジング120外表
面に取り付けられたコネクタ150により、コイル13
1bとECU700とが接続されている。
【0028】そして、ステータ131に回転磁界を発生
させてロータ132を回転させることにより、シャフト
132c(ロータ132)に固定された旋回スクロール
112(ポンプ機構110)を稼働させる。
【0029】因みに、ロータ132(シャフト132
c)は、ハウジング120に固定された軸受132dに
より、ハウジング120内に回転可能に支持されてい
る。
【0030】ところで、ハウジング120の長手方向一
端側には、蒸発器500の冷媒出口側に接続される吸入
口141が形成され、ハウジング120の長手方向他端
側には、放熱器200の冷媒入口側に接続される吐出口
142が形成されている。
【0031】そして、吸入口141からポンプ機構11
0に吸入された冷媒は、ハウジング120内のうちモー
タ130が収納された空間(以下、この空間をモータ室
と呼ぶ。)133内をロータ132の軸方向(シャフト
132cと平行な方向)に流通して吐出口142からハ
ウジング120外(放熱器200)に向けて吐出され
る。なお、143は、ポンプ機構110から吐出した冷
媒をモータ室133に導く吐出ポートである。
【0032】160はモータ130の温度を検出するサ
ーミスタ(温度センサ)であり、モータ130近傍のハ
ウジング120外表面に設置されている。このサーミス
タ160は、「従来の技術」の欄で述べたように、サー
ミスタ160の検出温度Tが所定温度(モータ130の
耐熱温度に相当する温度)TLに到達したときに、モー
タ130を停止させる等してモータ130を保護するた
めのものである。
【0033】次に、モータ130の駆動回路図である図
4を用いてECU700の構成を説明する。
【0034】ECUはインバータ制御装置710とイン
バータ(インテリジェントパワーモジュール)730か
ら構成されており、インバータ制御装置710は、シャ
ントレギュレター710aにより低電圧Vccを形成
し、抵抗器310bとサーミスタ160の分圧を温度信
号としてCPU(中央演算装置)710cに入力し、C
PU710cの内部回路により、温度信号に基づいてイ
ンバータ制御信号を決定する。
【0035】インバータ730は、インバータ制御信号
に基づいて、電源600の電力を三相交流のモータ入力
電力UVWに変換する。
【0036】そして、上述のECU700の構成によ
り、モータ130への入力電力UVWは、サーミスタ1
60の検出温度Tに応じて変化し、図3に示すように、
検出温度Tが所定温度TL0以上になると、検出温度T
が上昇するにつれて入力電力UVWは低下され、さらに
温度上昇して、検出温度Tが所定温度TL以上になる
と、モータ130への入力電力UVWを0にして、モー
タ130を停止させる。
【0037】次に、モータ130起動後における、CP
U710cによるサーミスタ160の断線判定(検知)
手段を図5、6により説明する。
【0038】図5は、本実施形態の断線判定フローによ
る、モータ130起動後の時間とサーミスタ160の検
出温度Tとの関係を示している。
【0039】ところで、モータ130起動時には、モー
タ130の温度は上昇する。特に、冷凍サイクルを循環
する電動圧縮機100の吐出側の冷媒は温度上昇し、温
度上昇した冷媒はモータ室133内の温度を上昇させて
いる。よって、ハウジング120外表面に設置されるサ
ーミスタ160の検出温度Tは、断線していない正常時
には、図5中の正常時曲線に示すように上昇する。一方
サーミスタ160が断線している場合には、検出温度T
は、図5中の断線時直線に示すように一定の温度TAに
なり、変化しなくなる。
【0040】また、図5中の断線判定温度THは、サー
ミスタ160にてモータ130の温度を誤判定すること
なく検出できる最小温度であり、「従来の技術」の欄で
述べたように、サーミスタの検出温度Tが所定の断線判
定温度THより小さい場合には断線と判定し、モータ1
30を停止させてモータ130を保護している。
【0041】図6は、モータ130起動後における、C
PU710cによるサーミスタ160の断線判定フロー
を示しており、ステップS100にてモータ130が起
動した時点で、タイマ、制御フラグ等の初期化を行う。
【0042】次に、ステップS210にて、CPU71
0cに備えられる第1タイマにより計時を開始し、第1
タイマが第1所定時間ta1を計時し、図5に示す所定
時刻(第1所定時間経過時点)ta1に達したら、ステ
ップS220へ進む。
【0043】次に、ステップS220にて、所定時刻t
a1におけるサーミスタ160の検出温度Ta1を取り
込む。
【0044】次に、ステップS230にて、CPU71
0cに備えられる第2タイマにより計時を開始し、第2
タイマが第2所定時間Δtを計時し、図5に示す所定時
刻(第2所定時間経過時点)ta2に達したら、ステッ
プS412に進む。なお、第1、第2所定時間ta1、
Δtは、図5の正常時曲線のうち検出温度Tが上昇する
時間の範囲内に設定されている。
【0045】次に、ステップS240にて、所定時刻t
a2におけるサーミスタ160の検出温度Ta2を取り
込む。
【0046】次に、ステップS250にて、検出温度T
a1とTa2との温度差の絶対値|ΔT|を算出し、単
位時間あたりの温度変化|ΔT|/Δtが、所定値C0
以下か否かを判定し、|ΔT|/Δt≦C0であれば断
線と判定してステップS500へ進み、|ΔT|/Δt
>C0であれば断線していないと判定してステップS6
00へ進む。なお、ステップS250での判定は、単位
時間あたりの温度変化|ΔT|/Δtではなく、温度差
|ΔT|が所定値C1以下か否かを判定してもよい。
【0047】そして、ステップS500にて、CPU7
10cはモータ入力電力UVWを0にすべくインバータ
制御信号を出力し、インバータ730によりモータ13
0を停止させる。一方、ステップS600にて、モータ
130を通常作動させる。ここで、通常作動とは、前述
のように検出温度Tが所定温度TL以上である場合、お
よび、断線判定温度TH以下である場合に、CPU71
0cは、モータ入力電力UVWを0にすべくインバータ
制御信号を出力してモータ130を停止させる作動であ
る。
【0048】以上の断線判定手段により、モータ130
起動後、|ΔT|/Δt≦C0の場合には、モータ13
0の実際の温度が変化しているにも関わらず、サーミス
タ160の検出温度Tは変化していないことになり、サ
ーミスタ160が断線していると確実に判定することが
できる。
【0049】(第2実施形態)本実施形態は、第1実施
形態で説明した冷凍サイクル用電動圧縮機と同じ構成で
あり、第1実施形態と異なる点は、モータ130起動後
のCPU710cによるサーミスタ160の断線判定手
段であり、以下、本実施形態の断線判定手段を図7、8
により説明する。
【0050】図7は、本実施形態の断線判定フローによ
る、モータ130起動後の時間とサーミスタ160の検
出温度Tとの関係を示しており、正常時曲線、断線時直
線、モータ入力制限所定温度TL、断線時温度TAおよ
び断線判定温度THは図5と同様である。そして、図7
中の時刻thは、正常時曲線に基づいて予想される、モ
ータ130起動後に断線判定温度THに達するまでの予
想時刻thである。
【0051】図8は、モータ130起動後における、C
PU710cによるサーミスタ160の断線判定フロー
を示しており、ステップS100、ステップS500お
よびステップS600は、第1実施形態と同じステップ
であるので説明を省略する。
【0052】はじめに、ステップS100からステップ
S310に進み、CPU710cに備えられるタイマに
より計時を開始し、タイマが所定の判定禁止時間tb1
を計時し、図7に示す所定時刻tb1に達したら、ステ
ップS320へ進む。なお、サーミスタ160が断線し
ていない正常の場合に、所定時刻tb1におけるサーミ
スタ160の検出温度Tb1が確実に断線判定温度TH
より大きくなるようにするために、判定禁止時間tb1
は予想時刻thよりも長い時間(thに適切な余裕を加
えた時間)に設定されている。この設定方法により判定
禁止時間tb1は、誤判定することのない範囲で、出来
るだけ短い時間に設定されている。
【0053】次に、ステップS320にて、所定時刻t
b1におけるサーミスタ160の検出温度Tb1を取り
込む。
【0054】次に、ステップS330にて、検出温度T
b1と断線判定温度THとを比較し、Tb1≦THであ
ればステップS500へ進み、Tb1>THであればス
テップS600へ進む。
【0055】以上の断線判定フローにより、判定禁止時
間tb1経過時点の検出温度Tb1が断線判定温度TH
より小さい場合に、サーミスタ160が断線していると
判定することができる。
【0056】これにより、サーミスタ160が断線して
いるか否かの判定を行う時点での検出温度Tb1は、モ
ータ130起動時点に比べて高くなっているので、電動
圧縮機100の雰囲気温度が極めて低い場合であって
も、サーミスタ160の抵抗値が数MΩになることはな
い。よって、誤判定を防止でき、誤判定によりモータ1
30が停止することを防止し、雰囲気温度に関係なく、
確実にサーミスタ160の断線を検知することができ
る。
【0057】(第3実施形態)本実施形態は、第1実施
形態で説明した冷凍サイクル用電動圧縮機と同じ構成で
あり、第1実施形態と異なる点は、モータ130起動後
のCPU710cによるサーミスタ160の断線判定手
段であり、以下、本実施形態の断線判定手段を図9、1
0により説明する。
【0058】図9は、モータ130起動後の時間とサー
ミスタ160の検出温度Tとの関係を示しており、モー
タ入力制限所定温度TL、断線時温度TA、断線判定温
度THおよび予想時刻thは図7と同様である。そし
て、図9の極低温時曲線は、本実施形態の断線判定フロ
ーによる実際のサーミスタ160の検出温度Tの温度変
化を示している。なお、低温時曲線は後述する。
【0059】図10は、モータ130起動後における、
CPU710cによるサーミスタ160の断線判定フロ
ーを示しており、ステップS100、ステップS500
およびステップS600は、第1実施形態と同じステッ
プであるので、説明を省略する。
【0060】はじめに、ステップS100からステップ
S410に進み、CPU710cに備えられる第1タイ
マにより計時を開始し、第1タイマが第1所定時間Δt
1を計時し、図9に示す所定時刻(第1所定時間経過時
点)tc1に達したら、ステップS420へ進み、ステ
ップS420にて、所定時刻tc1におけるサーミスタ
160の検出温度Tc1を取り込む。
【0061】次に、ステップS430にて、検出温度T
c1と断線判定温度THとを比較し、Tc1≦THであ
ればステップS440へ進み、Tc1>THであればス
テップS600へ進む。
【0062】次に、ステップS440にて、サーミスタ
160が断線している可能性があるとみなして、CPU
710cはモータ入力電力UVWを0にすべくインバー
タ制御信号を出力し、インバータ730によりモータ1
30を停止させる。
【0063】次に、ステップS450にて、CPU71
0cに備えられる第2タイマにより計時を開始し、第2
タイマが第2所定時間Δt2を計時し、図9に示す所定
時刻tc2に達したらステップS460に進み、モータ
130を再起動させる。なお、第1、第2所定時間Δt
1、Δt2の時間長さは、所定時刻tc2の検出温度T
c2がモータ130起動時の検出温度より高くなるよう
に、それぞれ設定されている。
【0064】次に、ステップS470にて、CPU71
0cに備えられる第3タイマにより計時を開始し、第3
タイマが第3所定時間Δt3を計時し、図9に示す所定
時刻tc3に達したら、ステップS480へ進み、ステ
ップS480にて、所定時刻tc3におけるサーミスタ
160の検出温度Tc3を取り込む。なお、サーミスタ
160が断線していない正常の場合に、時刻tc3の検
出温度Tc3が断線判定温度THより大きくなるよう
に、第3所定時間Δt3の長さは設定されている。
【0065】次に、ステップS330にて、検出温度T
b1と断線判定温度THとを比較し、Tb1≦THであ
ればステップS500へ進み、Tb1>THであればス
テップS600へ進む。
【0066】以上の作動による効果を、図11を用いて
第2実施形態との比較により説明すると、第2実施形態
において、雰囲気温度が予想していた低温度よりもさら
に低い極低温度(例えば−30℃)である場合には、通
常時曲線(以下、低温時曲線と称す。)に基づいて予想
した予想時刻thになっても、断線判定温度THに達す
ることがない。すなわち、第2実施形態の所定時刻tb
1におけるサーミスタ160の検出温度Tb1は、予想
していた低温時ではTb1>THであっても、極低温時
ではTb1<THとなってしまい、誤判定してしまうこ
とがある。
【0067】このような場合、極低温時曲線に基づいた
予想時刻th’により、判定禁止時間tb1をtb1’
に長くすると、tb1’>THとなるため、誤判断を防
止できるようになる。しかし、この相反事象として実際
にモータ130の温度が所定温度TL以上に上昇してい
ても、判定禁止時間tb1’が経過するまではモータ1
30を停止させてモータ130を保護することができな
いため、モータ130の温度上昇による故障の可能性が
増大する。なお、モータ130がロックした場合等に
は、モータ130の温度は短時間で急激に上昇すること
が考えられる。
【0068】そこで、本実施形態の作動によれば、サー
ミスタ160の検出温度Tは、モータ130起動後、断
線判定温度THより低い温度Tc1まで上昇し、モータ
130の停止にともない、モータ130の起動時の検出
温度(例えば−30℃)より高い温度Tc2まで一旦下
降し、モータ130の再起動にともない、断線判定温度
THより高い温度Tc3まで再度上昇する。
【0069】よって、再起動時の検出温度Tc2を起動
時の検出温度より高くすることができるので、第3所定
時間Δt3を短くしても、第3所定時間Δt3経過時点
の検出温度Tc3を高くすることができ、サーミスタ1
60の断線の検知を確実にできる。
【0070】また、断線時に、モータ130等の異常に
より実際のモータ130の温度が上昇する場合であって
も、断線を検知していない第3所定時間Δt3を短くで
きるので、モータ130を確実に保護することをも可能
にする。
【0071】(他の実施形態)上記第1〜第3実施形態
では、タイマが計時する時間を予め設定した所定の時間
としているが、電動圧縮機100の雰囲気温度を検出す
る温度センサを設け、この温度センサによる信号をCP
U710cに送り、CPU710cにて、タイマ計測す
る時間をモータ130起動時の雰囲気温度に応じて変化
させてもよい。
【0072】例えば、第2実施形態に記載の判定禁止時
間tb1を、雰囲気温度が低いほど長く設定すれば、判
定禁止時間tb1を雰囲気温度に応じた最適時間にする
ことを確実にできる。
【0073】また、上記第3実施形態の断線判定フロー
では、ステップS410からステップS460までの動
作を1回のみ行っているが、複数回行ってもよい。具体
的には、ステップS460にて、モータ130を再起動
させた後、ステップS410に戻り、再び第1タイマに
より計時を開始させ、ステップS410からステップS
460までの動作を所定回数行った後、ステップS47
0に進む。
【0074】また、上記第1〜第3実施形態では、サー
ミスタ160の検出温度Tが所定温度TL以上である場
合、および、サーミスタ160が断線していると判定さ
れた場合の異常時に、モータ130を停止させている
が、これらの異常時に、モータ130を停止させること
なくモータ130への入力電力UVWを、モータ130
が熱により損傷しない程度に低下させてもよい。また、
電動圧縮機100の運転者に上記異常を、例えば警告音
や警告表示により、警告するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】冷凍サイクルの模式図である。
【図2】第1実施形態に係る電動圧縮機の模式図であ
る。
【図3】サーミスタの検出温度に対するモータへの通電
制限の1例であり、検出温度とモータ入力電力との関係
を示すグラフである。
【図4】モータの駆動回路図である。
【図5】第1実施形態の、モータ起動後の時間とサーミ
スタの検出温度Tとの関係を示すグラフである。
【図6】第1実施形態に係る断線判定フローを示す、C
PUの制御フロー図である。
【図7】第2実施形態の、モータ起動後の時間とサーミ
スタの検出温度Tとの関係を示すグラフである。
【図8】第2実施形態に係る断線判定フローを示す、C
PUの制御フロー図である。
【図9】第3実施形態の、モータ起動後の時間とサーミ
スタの検出温度Tとの関係を示すグラフである。
【図10】第3実施形態に係る断線判定フローを示す、
CPUの制御フロー図である。
【図11】モータ起動後の時間と、サーミスタの低温時
検出温度Tおよび極低温時検出温度Tとの関係を示すグ
ラフである。
【図12】サーミスタの温度−抵抗値特性を示すグラフ
である。
【符号の説明】
110…ポンプ機構、130…モータ、160…サーミ
スタ、T、Ta1、Ta2、Tc1…検出温度、ΔT…
温度差、TH…断線判定温度、TL…所定温度、C0、
C1…断線判定値、ta1、Δt…第1、第2所定時
間、tb1…判定禁止時間、Δt1〜Δt3…第1〜第
3所定時間。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H003 AA05 AB05 AC03 CF01 3H029 AA02 AA15 AA21 AB03 BB34 BB47 BB51 CC07 CC09 CC27 CC56 CC65 3H045 AA05 AA09 AA12 AA27 BA31 BA41 CA19 CA21 CA24 CA29 DA02 EA16 EA34 EA48

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体を吸入圧縮するポンプ機構(11
    0)と、 前記ポンプ機構(110)を駆動する電動モータ(13
    0)と、 前記電動モータ(130)の温度上昇に伴って電気抵抗
    値が減少して、前記電動モータ(130)の温度を検出
    する温度センサ(160)とを備え、 前記電動モータ(130)起動後、第1所定時間(ta
    1)経過時点における前記温度センサ(160)の検出
    温度(Ta1)と、前記第1所定時間(ta1)後、第
    2所定時間(Δt)経過時点における前記温度センサ
    (160)の検出温度(Ta2)との温度差(ΔT)の
    絶対値が、所定の断線判定値(C1)より小さい場合
    に、前記温度センサ(160)が断線していると判定す
    ることを特徴とする密閉型電動圧縮機。
  2. 【請求項2】 流体を吸入圧縮するポンプ機構(11
    0)と、 前記ポンプ機構(110)を駆動する電動モータ(13
    0)と、 前記電動モータ(130)の温度上昇に伴って電気抵抗
    値が減少して、前記電動モータ(130)の温度を検出
    する温度センサ(160)とを備え、 前記電動モータ(130)起動後、所定の判定禁止時間
    (tb1)が経過してから、前記温度センサ(160)
    の検出温度(T)が所定の断線判定温度(TH)より低
    い場合に、前記温度センサ(160)が断線していると
    判定することを特徴とする密閉型電動圧縮機。
  3. 【請求項3】 流体を吸入圧縮するポンプ機構(11
    0)と、 前記ポンプ機構(110)を駆動する電動モータ(13
    0)と、 前記電動モータ(130)の温度上昇に伴って電気抵抗
    値が減少して、前記電動モータ(130)の温度を検出
    する温度センサ(160)とを備え、 前記電動モータ(130)の起動後、第1所定時間(Δ
    t1)経過時点における前記温度センサ(160)の検
    出温度(Tc1)が所定の断線判定温度(TH)より低
    い場合に、前記電動モータ(130)を停止し、 前記電動モータ(130)停止時から第2所定時間(Δ
    t2)経過後、前記電動モータ(130)を再起動さ
    せ、 この再起動後、第3所定時間(Δt3)が経過してか
    ら、前記温度センサ(160)の検出温度(T)が前記
    断線判定温度(TH)より低い場合に、前記温度センサ
    (160)が断線していると判定することを特徴とする
    密閉型電動圧縮機。
  4. 【請求項4】 前記電動モータ(130)を収納するモ
    ータ室(133)を備え、 前記ポンプ機構(110)から吐出する流体は、前記モ
    ータ室(133)内を流通するようになっており、 前記温度センサ(160)は、前記モータ室(133)
    の温度を検出することを特徴とする請求項1ないし3の
    いずれか1つに記載の密閉型電動圧縮機。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005291180A (ja) * 2004-04-05 2005-10-20 Ebara Corp ポンプ装置
JP2008280992A (ja) * 2007-04-09 2008-11-20 Panasonic Corp 空調装置
JP2009131000A (ja) * 2007-11-21 2009-06-11 Panasonic Corp インバータ装置
JP2010091071A (ja) * 2008-10-10 2010-04-22 Denso Corp 電磁クラッチ

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