JP2001132593A - 補機駆動兼用スタータ - Google Patents
補機駆動兼用スタータInfo
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Landscapes
- Control Of Direct Current Motors (AREA)
- Dc Machiner (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 交流モータを採用した場合よりもコストダウ
ンが可能であり搭載性が向上する補機駆動兼用スタータ
を提供すること。 【解決手段】 本発明の補機駆動兼用スタータは、クラ
ッチ50を介してエンジン1と動力の伝達を相互にする
ことができ補機としての可変容量コンプレッサ3を駆動
する回転軸21と、回転軸21を駆動する直流モータ2
とを有する。直流モータ2は、コンプレッサ3の負荷特
性に合致した連続定格動作点を形成する。エンジン1、
直流モータ2およびコンプレッサ3は、ベルト6/プー
リ51,52,53系で互いに連動できる。インバータ
を必要とせずに直流モータ2によりエンジン1の始動が
でき、かつエンジン停止中の補機駆動を安定して行うこ
とができるので、インバータの分だけコストダウンが可
能になると共に、モータ自体の小型軽量化が可能にな
り、取付けしやすくなって搭載性が向上する。
ンが可能であり搭載性が向上する補機駆動兼用スタータ
を提供すること。 【解決手段】 本発明の補機駆動兼用スタータは、クラ
ッチ50を介してエンジン1と動力の伝達を相互にする
ことができ補機としての可変容量コンプレッサ3を駆動
する回転軸21と、回転軸21を駆動する直流モータ2
とを有する。直流モータ2は、コンプレッサ3の負荷特
性に合致した連続定格動作点を形成する。エンジン1、
直流モータ2およびコンプレッサ3は、ベルト6/プー
リ51,52,53系で互いに連動できる。インバータ
を必要とせずに直流モータ2によりエンジン1の始動が
でき、かつエンジン停止中の補機駆動を安定して行うこ
とができるので、インバータの分だけコストダウンが可
能になると共に、モータ自体の小型軽量化が可能にな
り、取付けしやすくなって搭載性が向上する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンスタータ
であるとともにエンジン停止時にはコンプレッサなどの
補機を駆動する補機駆動兼用スタータの技術分野に属す
る。本発明は、信号待ち時等にエンジン停止を行う自動
車など、エンジンの始動および停止を頻繁に行う自動車
に好適である。
であるとともにエンジン停止時にはコンプレッサなどの
補機を駆動する補機駆動兼用スタータの技術分野に属す
る。本発明は、信号待ち時等にエンジン停止を行う自動
車など、エンジンの始動および停止を頻繁に行う自動車
に好適である。
【0002】
【従来の技術】近年では、省エネルギーおよび環境汚染
防止の要求がいっそう高まり、信号待ちなどの停止時に
自動的にエンジンを停止させ、自動車の発進直前にエン
ジンを再始動するアイドルストップシステムの導入が盛
んになされている。
防止の要求がいっそう高まり、信号待ちなどの停止時に
自動的にエンジンを停止させ、自動車の発進直前にエン
ジンを再始動するアイドルストップシステムの導入が盛
んになされている。
【0003】このようなアイドルストップシステムをも
つ自動車では、エンジン停止中にもエアコンのコンプレ
ッサなどの補機を駆動する必要があるので、補機をモー
タでも駆動できるようになっている。すなわち、従来技
術としては、ダイナモータとかモータジェネレータとか
呼ばれているオルタネータを兼ねた交流モータをもっ
て、エンジンの始動とエンジンによる交流発電とを行う
技術がある。
つ自動車では、エンジン停止中にもエアコンのコンプレ
ッサなどの補機を駆動する必要があるので、補機をモー
タでも駆動できるようになっている。すなわち、従来技
術としては、ダイナモータとかモータジェネレータとか
呼ばれているオルタネータを兼ねた交流モータをもっ
て、エンジンの始動とエンジンによる交流発電とを行う
技術がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来技術においては、回転電機が交流型であるのでインバ
ータが必要になり、インバータの分だけ価格が高くなら
ざるを得ないという不都合がある。そればかりではな
く、次のような理由で比較的大きな搭載スペースを必要
とし、搭載性が悪いという不都合もある。
来技術においては、回転電機が交流型であるのでインバ
ータが必要になり、インバータの分だけ価格が高くなら
ざるを得ないという不都合がある。そればかりではな
く、次のような理由で比較的大きな搭載スペースを必要
とし、搭載性が悪いという不都合もある。
【0005】すなわち、比較的高い電圧を必要とするの
でメンテナンス時の感電防止などの安全対策が必要にな
り、絶縁部材等が増える分だけ大型化する。また、交流
回転電機がギヤを介してエンジンではなくトランスミッ
ションと連結される場合が多いので、トランスミッショ
ンの大改造が必要になり、取付けスペース上の制約も生
じる。さらに、インバータが少なからず発熱するので、
過熱防止のために水冷用の配管を引き回したり、冷却フ
ァンや放熱プレートなどの放熱手段を必要としたりする
ので、その分だけ搭載性が悪化し、重量増加も免れな
い。そればかりではなく、始動用直流モータと比較して
交流モータは重量容積ともに大きいので、小型軽量化が
困難である。
でメンテナンス時の感電防止などの安全対策が必要にな
り、絶縁部材等が増える分だけ大型化する。また、交流
回転電機がギヤを介してエンジンではなくトランスミッ
ションと連結される場合が多いので、トランスミッショ
ンの大改造が必要になり、取付けスペース上の制約も生
じる。さらに、インバータが少なからず発熱するので、
過熱防止のために水冷用の配管を引き回したり、冷却フ
ァンや放熱プレートなどの放熱手段を必要としたりする
ので、その分だけ搭載性が悪化し、重量増加も免れな
い。そればかりではなく、始動用直流モータと比較して
交流モータは重量容積ともに大きいので、小型軽量化が
困難である。
【0006】そこで本発明は、交流モータを採用した場
合よりもコストダウンが可能であり搭載性が向上する補
機駆動兼用スタータを提供することを解決すべき課題と
している。
合よりもコストダウンが可能であり搭載性が向上する補
機駆動兼用スタータを提供することを解決すべき課題と
している。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、発明者は以下の手段を発明した。
に、発明者は以下の手段を発明した。
【0008】(第1手段)本発明の第1手段は、請求項
1記載の補機駆動兼用スタータである。すなわち本手段
では、エンジンの始動用モータとエンジン停止中の補機
駆動用モータとを兼ねるモータは、補機の負荷特性に合
致した連続定格動作点を形成するトルク特性をもつ直流
モータである。
1記載の補機駆動兼用スタータである。すなわち本手段
では、エンジンの始動用モータとエンジン停止中の補機
駆動用モータとを兼ねるモータは、補機の負荷特性に合
致した連続定格動作点を形成するトルク特性をもつ直流
モータである。
【0009】ここで、単に交流モータを直流モータに置
き換えただけでは、始動時に必要とされるトルク特性に
合わせていると、通常は補機を電動するときに必要なト
ルク特性が得られない。それゆえ、補機駆動回転数が適
正な範囲になかったり不安定になったり、あるいは過熱
したりして、補機を駆動するうえで不都合を生じる。そ
こで、本手段に採用する直流モータは、補機の負荷特性
に合致した連続定格動作点を形成するトルク特性をもつ
ものに限定されている。
き換えただけでは、始動時に必要とされるトルク特性に
合わせていると、通常は補機を電動するときに必要なト
ルク特性が得られない。それゆえ、補機駆動回転数が適
正な範囲になかったり不安定になったり、あるいは過熱
したりして、補機を駆動するうえで不都合を生じる。そ
こで、本手段に採用する直流モータは、補機の負荷特性
に合致した連続定格動作点を形成するトルク特性をもつ
ものに限定されている。
【0010】すると、本手段の補機駆動兼用スタータ
は、駆動にインバータを必要としない直流モータを採用
していながら、エンジンの始動ができ、かつエンジン停
止中の補機駆動を安定して行うことができる。また、動
力源が交流回転電機ではなく直流モータであるから、イ
ンバータを必要としないだけではなく、エンジンへの取
付けが容易であり、補機と並べてエンジンブロックから
突出したブラケットに取り付けることができるようにな
る。その結果、インバータの分だけコストダウンが可能
になると共に、モータ自体の小型軽量化が可能になり、
取付けしやすくなって搭載性が向上する。
は、駆動にインバータを必要としない直流モータを採用
していながら、エンジンの始動ができ、かつエンジン停
止中の補機駆動を安定して行うことができる。また、動
力源が交流回転電機ではなく直流モータであるから、イ
ンバータを必要としないだけではなく、エンジンへの取
付けが容易であり、補機と並べてエンジンブロックから
突出したブラケットに取り付けることができるようにな
る。その結果、インバータの分だけコストダウンが可能
になると共に、モータ自体の小型軽量化が可能になり、
取付けしやすくなって搭載性が向上する。
【0011】したがって、本手段の補機駆動兼用スター
タによれば、交流モータを採用した場合よりも、コスト
ダウンが可能になるうえに、搭載性が向上するという効
果がある。
タによれば、交流モータを採用した場合よりも、コスト
ダウンが可能になるうえに、搭載性が向上するという効
果がある。
【0012】なお、補機はコンプレッサだけに限定され
るものではなく、エンジンに付帯してエンジン回転中は
エンジンによって駆動される装置であればよく、もちろ
ん複数あってもかまわない。
るものではなく、エンジンに付帯してエンジン回転中は
エンジンによって駆動される装置であればよく、もちろ
ん複数あってもかまわない。
【0013】また、本手段の通常の構成では、インバー
タが不要になる代わりにオルタネータを付けることが多
いものと考えられるが、インバータに比べオルタネータ
は安価であるから、コストダウンの効果は十分に得られ
る。同様に、直流モータもオルタネータも小型軽量なも
ので間に合うから、搭載性の向上も十分に得られる。あ
るいは、本手段において、エンジンの運転中は直流モー
タを直流発電機として運用する構成を取ることもでき
る。
タが不要になる代わりにオルタネータを付けることが多
いものと考えられるが、インバータに比べオルタネータ
は安価であるから、コストダウンの効果は十分に得られ
る。同様に、直流モータもオルタネータも小型軽量なも
ので間に合うから、搭載性の向上も十分に得られる。あ
るいは、本手段において、エンジンの運転中は直流モー
タを直流発電機として運用する構成を取ることもでき
る。
【0014】(第2手段)本発明の第2手段は、請求項
2記載の補機駆動兼用スタータである。すなわち本手段
では、前述の第1手段において、前記補機に対する前記
直流モータの減速比を適正に変更する減速比変更手段が
付設されている。
2記載の補機駆動兼用スタータである。すなわち本手段
では、前述の第1手段において、前記補機に対する前記
直流モータの減速比を適正に変更する減速比変更手段が
付設されている。
【0015】すると、減速比を適正に変更することによ
り、エンジンの始動時に必要な直流モータのトルク特性
と、エンジン停止中に補機を駆動するために必要な直流
モータのトルク特性とをほぼ合致させることがより容易
になる。その結果、いずれの運転状態にも対応できるト
ルク特性をもった直流モータを設計することが、ずっと
容易になる。
り、エンジンの始動時に必要な直流モータのトルク特性
と、エンジン停止中に補機を駆動するために必要な直流
モータのトルク特性とをほぼ合致させることがより容易
になる。その結果、いずれの運転状態にも対応できるト
ルク特性をもった直流モータを設計することが、ずっと
容易になる。
【0016】したがって本手段によれば、前述の第1手
段の効果に加えて、必要なトルク特性をもつ直流モータ
の設計が容易になるという効果がある。
段の効果に加えて、必要なトルク特性をもつ直流モータ
の設計が容易になるという効果がある。
【0017】(第3手段)本発明の第3手段は、請求項
3記載の補機駆動兼用スタータである。すなわち本手段
では、前述の第1手段または第2手段において、前記直
流モータの温度を検知する温度検知手段と、該温度に基
づいて前記補機の前記負荷特性を適正に調整する負荷特
性調整手段とが付設されている。
3記載の補機駆動兼用スタータである。すなわち本手段
では、前述の第1手段または第2手段において、前記直
流モータの温度を検知する温度検知手段と、該温度に基
づいて前記補機の前記負荷特性を適正に調整する負荷特
性調整手段とが付設されている。
【0018】エンジン停止中に直流モータによって補機
が駆動されている間に、過負荷や放熱不十分など何らか
の理由により直流モータが過熱してきた場合には、温度
検知手段によってその旨が検知される。すると、負荷特
性調整手段が作用して補機の負荷特性を調整し、負荷ト
ルクを減らして直流モータの発熱を抑制する。その結
果、直流モータが過熱して破損に至るような不都合は未
然に防止され、直流モータは低負荷で補機の駆動を続け
ることができる。
が駆動されている間に、過負荷や放熱不十分など何らか
の理由により直流モータが過熱してきた場合には、温度
検知手段によってその旨が検知される。すると、負荷特
性調整手段が作用して補機の負荷特性を調整し、負荷ト
ルクを減らして直流モータの発熱を抑制する。その結
果、直流モータが過熱して破損に至るような不都合は未
然に防止され、直流モータは低負荷で補機の駆動を続け
ることができる。
【0019】したがって本手段によれば、前述の第1手
段または第2手段の効果に加えて、直流モータが過熱し
て破損に至るような不都合は未然に防止され、直流モー
タは低負荷で補機の駆動を続けることができるという効
果がある。
段または第2手段の効果に加えて、直流モータが過熱し
て破損に至るような不都合は未然に防止され、直流モー
タは低負荷で補機の駆動を続けることができるという効
果がある。
【0020】なお、補機の負荷特性を調整するには、補
機自体の必要トルクを減らすほか、補機の運用回転数を
下げてもよい。あるいは、補機自体のトルク特性を変え
ることなく、前述の第2手段にあるように補機に対する
直流モータの減速比を適正に変更してもよい。
機自体の必要トルクを減らすほか、補機の運用回転数を
下げてもよい。あるいは、補機自体のトルク特性を変え
ることなく、前述の第2手段にあるように補機に対する
直流モータの減速比を適正に変更してもよい。
【0021】(第4手段)本発明の第4手段は、請求項
4記載の補機駆動兼用スタータである。すなわち本手段
では、前述の第1手段ないし第3手段において、前記連
続定格動作点は、前記直流モータの前記トルク特性と前
記補機の負荷特性とが交差した単一の交差点にある。
4記載の補機駆動兼用スタータである。すなわち本手段
では、前述の第1手段ないし第3手段において、前記連
続定格動作点は、前記直流モータの前記トルク特性と前
記補機の負荷特性とが交差した単一の交差点にある。
【0022】本手段と異なって、直流モータのトルク特
性と補機の負荷特性とが適当な一点で交差していない
と、エンジン停止中に直流モータによって補機を駆動す
るうえで不都合が生じる。たとえば、複数の交差点があ
ると、連続定格動作点が複数の回転数で生じたり、少な
くとも一つの交差点では補機の駆動特性が不安定であっ
たりする。あるいは、直流モータのトルク特性と補機の
負荷特性とが交差していないと、極端な過回転状態に陥
ったり、逆に全く補機を駆動できない場合もありうる。
性と補機の負荷特性とが適当な一点で交差していない
と、エンジン停止中に直流モータによって補機を駆動す
るうえで不都合が生じる。たとえば、複数の交差点があ
ると、連続定格動作点が複数の回転数で生じたり、少な
くとも一つの交差点では補機の駆動特性が不安定であっ
たりする。あるいは、直流モータのトルク特性と補機の
負荷特性とが交差していないと、極端な過回転状態に陥
ったり、逆に全く補機を駆動できない場合もありうる。
【0023】これほど極端にではなくても、直流モータ
のトルク特性と補機の負荷特性とがある程度以上の公差
角をもって交差しておらず、ほとんど接した状態にある
場合には、安定した連続定格動作点は得られない。その
結果、直流モータおよび補機の回転数が連続定格動作点
の前後で無視できないほど大きな範囲で変動し続けるの
で、乗員に不快なうなりを感じさせたり補機の安定運用
ができなくなるという不都合が生じる。
のトルク特性と補機の負荷特性とがある程度以上の公差
角をもって交差しておらず、ほとんど接した状態にある
場合には、安定した連続定格動作点は得られない。その
結果、直流モータおよび補機の回転数が連続定格動作点
の前後で無視できないほど大きな範囲で変動し続けるの
で、乗員に不快なうなりを感じさせたり補機の安定運用
ができなくなるという不都合が生じる。
【0024】そこで、本手段のように直流モータのトル
ク特性と補機の負荷特性とが明確に一点で交差していれ
ば、安定した連続定格動作点が形成され、直流モータお
よび補機の回転数はほとんど変動することなく一定にな
る。その結果、直流モータによる補機の駆動に際して、
過回転や回転不安定などの不都合が生じることが防止さ
れる。
ク特性と補機の負荷特性とが明確に一点で交差していれ
ば、安定した連続定格動作点が形成され、直流モータお
よび補機の回転数はほとんど変動することなく一定にな
る。その結果、直流モータによる補機の駆動に際して、
過回転や回転不安定などの不都合が生じることが防止さ
れる。
【0025】したがって本手段によれば、前述の第1手
段ないし第3手段の効果に加えて、安定した連続定格動
作点が形成され、直流モータおよび補機の回転数はほと
んど変動することなく一定になるという効果がある。
段ないし第3手段の効果に加えて、安定した連続定格動
作点が形成され、直流モータおよび補機の回転数はほと
んど変動することなく一定になるという効果がある。
【0026】(第5手段)本発明の第5手段は、請求項
5記載の補機駆動兼用スタータである。
5記載の補機駆動兼用スタータである。
【0027】前述の第1手段では、必須構成要素を回転
軸と同回転軸を駆動する直流モータとして出荷形態に合
わせていたが、本手段では、エンジンの周囲に補機を含
めて組上がった状態で必須構成要素を列挙した。すなわ
ち、本手段の必須構成要素は、動力伝達手段と回転軸と
直流モータと補機とである。
軸と同回転軸を駆動する直流モータとして出荷形態に合
わせていたが、本手段では、エンジンの周囲に補機を含
めて組上がった状態で必須構成要素を列挙した。すなわ
ち、本手段の必須構成要素は、動力伝達手段と回転軸と
直流モータと補機とである。
【0028】動力伝達手段は、クラッチを介して直流モ
ータに駆動される回転軸とエンジンとの間で回転動力の
授受を可能にし、エンジン始動時には回転軸からエンジ
ンを回転駆動し、逆にエンジン運転中はエンジンから回
転軸に回転駆動力を伝達する。動力伝達手段としては、
過負荷時に滑りが生じるという点でベルト/プーリが最
適であるが、チェーン/スプリングロケットやギヤやド
ライブシャフトなど、他の伝達装置であってもかまわな
い。
ータに駆動される回転軸とエンジンとの間で回転動力の
授受を可能にし、エンジン始動時には回転軸からエンジ
ンを回転駆動し、逆にエンジン運転中はエンジンから回
転軸に回転駆動力を伝達する。動力伝達手段としては、
過負荷時に滑りが生じるという点でベルト/プーリが最
適であるが、チェーン/スプリングロケットやギヤやド
ライブシャフトなど、他の伝達装置であってもかまわな
い。
【0029】そして、エンジン停止中にはクラッチによ
ってエンジンと回転軸との連動が切り離され、直流モー
タに駆動される回転軸を介して補機が回転駆動される。
もちろん、エンジン運転中には、エンジンの駆動力によ
って回転軸が駆動されるので、回転軸を介してエンジン
により補機が駆動される。なお、回転軸と補機とは、適
正な動力伝達手段を介して連動していてもよいし、直結
されていてもよい。なお、回転軸は直流モータのアーマ
チャの回転軸である必要はなく、直流モータと減速機等
を介して接続されていてもよい。
ってエンジンと回転軸との連動が切り離され、直流モー
タに駆動される回転軸を介して補機が回転駆動される。
もちろん、エンジン運転中には、エンジンの駆動力によ
って回転軸が駆動されるので、回転軸を介してエンジン
により補機が駆動される。なお、回転軸と補機とは、適
正な動力伝達手段を介して連動していてもよいし、直結
されていてもよい。なお、回転軸は直流モータのアーマ
チャの回転軸である必要はなく、直流モータと減速機等
を介して接続されていてもよい。
【0030】本手段の補機駆動兼用スタータは、以上の
ように構成されているので、前述の第1手段と同様の作
用効果を発揮することができる。また、本手段に対し
て、前述の第1手段に対する第2手段ないし第4手段に
相当する限定を加えることも、当然可能である。
ように構成されているので、前述の第1手段と同様の作
用効果を発揮することができる。また、本手段に対し
て、前述の第1手段に対する第2手段ないし第4手段に
相当する限定を加えることも、当然可能である。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明の補機駆動兼用スタータの
実施の形態については、当業者に実施可能な理解が得ら
れるよう、以下の実施例で明確かつ十分に説明する。
実施の形態については、当業者に実施可能な理解が得ら
れるよう、以下の実施例で明確かつ十分に説明する。
【0032】[実施例1] (実施例1の構成)本発明の実施例1としての補機駆動
兼用スタータは、アイドルストップシステムをもつ自動
車に搭載され、エンジンの始動と補機の駆動とを行う装
置であり、図1に示すように、エンジン1に付設されて
いる。すなわち、本実施例の補機駆動兼用スタータは、
クラッチ50を介してエンジン1と動力の伝達を相互に
することができ補機としての可変容量コンプレッサ3を
駆動する回転軸21と、回転軸21を駆動する直流モー
タ2とを有する。直流モータ2は、コンプレッサ3の負
荷特性に合致した連続定格動作点を形成するトルク特性
をもつが、これについては後ほど詳しく説明する。
兼用スタータは、アイドルストップシステムをもつ自動
車に搭載され、エンジンの始動と補機の駆動とを行う装
置であり、図1に示すように、エンジン1に付設されて
いる。すなわち、本実施例の補機駆動兼用スタータは、
クラッチ50を介してエンジン1と動力の伝達を相互に
することができ補機としての可変容量コンプレッサ3を
駆動する回転軸21と、回転軸21を駆動する直流モー
タ2とを有する。直流モータ2は、コンプレッサ3の負
荷特性に合致した連続定格動作点を形成するトルク特性
をもつが、これについては後ほど詳しく説明する。
【0033】換言すると、本実施例の補機駆動兼用スタ
ータは、クラッチ50を介してエンジン1と回転動力の
授受を可能にする動力伝達手段としてのベルト6および
プーリ51,52,53と、ベルト/プーリ6,51〜
53を介してエンジン1と動力の授受が行われる回転軸
21と、回転軸21を駆動する直流モータ2と、回転軸
21を介して直流モータ2またはエンジン1に駆動され
る補機としての可変容量コンプレッサ3とを有する。
ータは、クラッチ50を介してエンジン1と回転動力の
授受を可能にする動力伝達手段としてのベルト6および
プーリ51,52,53と、ベルト/プーリ6,51〜
53を介してエンジン1と動力の授受が行われる回転軸
21と、回転軸21を駆動する直流モータ2と、回転軸
21を介して直流モータ2またはエンジン1に駆動され
る補機としての可変容量コンプレッサ3とを有する。
【0034】動力の伝達方向に沿って順に説明すると、
エンジン1のクランクシャフト11にはクラッチ50を
内蔵したプーリ51が設けられており、クラッチ50が
接続していると、クランクシャフト11とプーリ51と
は一緒に回転する。そして、プーリ51の回転面と同一
平面内にもう二つのプーリ52,53が配設されてい
る。すなわち、図1では模式的に直線状に並べて描かれ
ているが、実際には三つのプーリ51,52,53は三
角形状に配設されており、共通のベルト6がかけられて
いてベルト6によって互いに連動して回転する。ここ
で、プーリ52は、直流モータ2によって回転駆動され
る回転軸21に固定されており、プーリ53は可変容量
コンプレッサ3の駆動軸に固定されている。
エンジン1のクランクシャフト11にはクラッチ50を
内蔵したプーリ51が設けられており、クラッチ50が
接続していると、クランクシャフト11とプーリ51と
は一緒に回転する。そして、プーリ51の回転面と同一
平面内にもう二つのプーリ52,53が配設されてい
る。すなわち、図1では模式的に直線状に並べて描かれ
ているが、実際には三つのプーリ51,52,53は三
角形状に配設されており、共通のベルト6がかけられて
いてベルト6によって互いに連動して回転する。ここ
で、プーリ52は、直流モータ2によって回転駆動され
る回転軸21に固定されており、プーリ53は可変容量
コンプレッサ3の駆動軸に固定されている。
【0035】また、本実施例の補機駆動兼用スタータに
は、直流モータ2の温度を検知する温度検知手段として
のサーミスタ41と、検知された温度に基づいて補機と
しての可変容量コンプレッサ3の負荷特性を適正に調整
する負荷特性調整手段としての計測制御装置4とが付設
されている。すなわち、スタータモータを兼ねる直流モ
ータ2には、固定子のヨーク部に温度検知手段としての
サーミスタ41が埋設されている。そして、サーミスタ
41によって直流モータ2の温度を検出し、可変容量コ
ンプレッサ3等を制御するために、図示しないECUの
一部として計測制御装置4が装備されている。ここで、
計測制御装置4は、可変容量コンプレッサ3の容量だけ
ではなく、直流モータ2やプーリ51に内蔵されたクラ
ッチ50の制御をも行う。
は、直流モータ2の温度を検知する温度検知手段として
のサーミスタ41と、検知された温度に基づいて補機と
しての可変容量コンプレッサ3の負荷特性を適正に調整
する負荷特性調整手段としての計測制御装置4とが付設
されている。すなわち、スタータモータを兼ねる直流モ
ータ2には、固定子のヨーク部に温度検知手段としての
サーミスタ41が埋設されている。そして、サーミスタ
41によって直流モータ2の温度を検出し、可変容量コ
ンプレッサ3等を制御するために、図示しないECUの
一部として計測制御装置4が装備されている。ここで、
計測制御装置4は、可変容量コンプレッサ3の容量だけ
ではなく、直流モータ2やプーリ51に内蔵されたクラ
ッチ50の制御をも行う。
【0036】さらに、直流モータ2は、補機としての可
変容量コンプレッサ3の負荷特性に合致した連続定格動
作点を形成するトルク特性をもち、この連続定格動作点
は、直流モータ2のトルク特性と可変容量コンプレッサ
3の負荷特性とが交差した単一の交差点にある。
変容量コンプレッサ3の負荷特性に合致した連続定格動
作点を形成するトルク特性をもち、この連続定格動作点
は、直流モータ2のトルク特性と可変容量コンプレッサ
3の負荷特性とが交差した単一の交差点にある。
【0037】なお、発電をするためのオルタネータは、
図示しないがエンジン1のクランクシャフト11に別途
接続され、エンジン1の回転時に駆動されるようになっ
ている。
図示しないがエンジン1のクランクシャフト11に別途
接続され、エンジン1の回転時に駆動されるようになっ
ている。
【0038】(実施例1の作用効果)本実施例の補機駆
動兼用スタータは、以上のように構成されているので、
以下のような作用効果を発揮する。
動兼用スタータは、以上のように構成されているので、
以下のような作用効果を発揮する。
【0039】先ず、エンジン1を始動する際には、プー
リ51に内蔵されたクラッチ50が接合された後、計測
制御装置4の制御にしたがって大電流が直流モータ2に
供給され、直流モータ2がスタータモータとして作用す
る。すなわち、直流モータ2によって回転軸21と共に
そのプーリ52が回転駆動されると、ベルト6を介して
プーリ51が回転駆動され、エンジン1のクランクシャ
フト11が回転駆動される。その結果、エンジン1がか
かると、クラッチ50は引き続き接続された状態を保
ち、エンジン1はベルト6/プーリ51,52,53を
介して直流モータ2および可変容量コンプレッサ3を駆
動する。すると、可変容量コンプレッサ3はエンジン1
に駆動されてエアコンの作動流体を圧縮してエアコンの
作動流路内に送り出す。
リ51に内蔵されたクラッチ50が接合された後、計測
制御装置4の制御にしたがって大電流が直流モータ2に
供給され、直流モータ2がスタータモータとして作用す
る。すなわち、直流モータ2によって回転軸21と共に
そのプーリ52が回転駆動されると、ベルト6を介して
プーリ51が回転駆動され、エンジン1のクランクシャ
フト11が回転駆動される。その結果、エンジン1がか
かると、クラッチ50は引き続き接続された状態を保
ち、エンジン1はベルト6/プーリ51,52,53を
介して直流モータ2および可変容量コンプレッサ3を駆
動する。すると、可変容量コンプレッサ3はエンジン1
に駆動されてエアコンの作動流体を圧縮してエアコンの
作動流路内に送り出す。
【0040】その後、信号待ち時などにアイドルストッ
プシステムによってエンジン1が停止させられると、計
測制御装置4はエンジン停止指令信号を検知してクラッ
チ50を切り離し、ベルト6/プーリ51,52,53
系は、エンジン1のクランクシャフト11から独立して
回転できるようになる。すると、直流モータ2は補機駆
動モータとして作動するようになる。すなわち、計測制
御装置4によって直流モータ2に適正な駆動電流が流さ
れ、直流モータ2は回転軸21を介してベルト6/プー
リ51,52,53系を回転駆動する。その結果、可変
容量コンプレッサ3は今度は直流モータ2に駆動される
ようになり、エアコンの運転は絶えることなく続けられ
る。
プシステムによってエンジン1が停止させられると、計
測制御装置4はエンジン停止指令信号を検知してクラッ
チ50を切り離し、ベルト6/プーリ51,52,53
系は、エンジン1のクランクシャフト11から独立して
回転できるようになる。すると、直流モータ2は補機駆
動モータとして作動するようになる。すなわち、計測制
御装置4によって直流モータ2に適正な駆動電流が流さ
れ、直流モータ2は回転軸21を介してベルト6/プー
リ51,52,53系を回転駆動する。その結果、可変
容量コンプレッサ3は今度は直流モータ2に駆動される
ようになり、エアコンの運転は絶えることなく続けられ
る。
【0041】この際、サーミスタ41および計測制御装
置4によって直流モータ2の運転温度がモニターされて
おり、計測制御装置4は、図2のフローチャートに示す
制御ロジックに沿って直流モータ2および可変容量コン
プレッサ3を制御する。
置4によって直流モータ2の運転温度がモニターされて
おり、計測制御装置4は、図2のフローチャートに示す
制御ロジックに沿って直流モータ2および可変容量コン
プレッサ3を制御する。
【0042】すなわち、直流モータ2の運転温度が所定
温度t1よりも低く正常な範囲にあると、ステップS
1,S2のルーチンが繰り返され、直流モータ2は定格
で可変容量コンプレッサ3を駆動する。しかし、直流モ
ータ2の運転温度が所定温度t1よりも上がってくる
と、制御ロジックは判断ステップS2を抜けて処理ステ
ップS3に至り、判断ステップS4のルーチンに移行す
る。すると、処理ステップS3で可変容量コンプレッサ
3の吐出容量が減らされ負荷が軽減された状態で、判断
ステップS4のルーチンで直流モータ2の運転が電流を
減らして続けられる。こうすると、直流モータ2の発熱
量が低減されるので普通は直流モータ2の運転温度は下
がるが、それでもなお直流モータ2の運転温度が上が
り、前述のt1より高い閾値温度t2を越えて上昇する
という異常事態もあり得る。すると、判断ステップS4
から下流の処理ステップS5,S6に制御ロジックは進
み、クラッチ50再び閉じて直流モータ2がスタータモ
ータとして短時間だけ使用され、エンジン1が再始動さ
れると、直流モータ2への通電は停止される。
温度t1よりも低く正常な範囲にあると、ステップS
1,S2のルーチンが繰り返され、直流モータ2は定格
で可変容量コンプレッサ3を駆動する。しかし、直流モ
ータ2の運転温度が所定温度t1よりも上がってくる
と、制御ロジックは判断ステップS2を抜けて処理ステ
ップS3に至り、判断ステップS4のルーチンに移行す
る。すると、処理ステップS3で可変容量コンプレッサ
3の吐出容量が減らされ負荷が軽減された状態で、判断
ステップS4のルーチンで直流モータ2の運転が電流を
減らして続けられる。こうすると、直流モータ2の発熱
量が低減されるので普通は直流モータ2の運転温度は下
がるが、それでもなお直流モータ2の運転温度が上が
り、前述のt1より高い閾値温度t2を越えて上昇する
という異常事態もあり得る。すると、判断ステップS4
から下流の処理ステップS5,S6に制御ロジックは進
み、クラッチ50再び閉じて直流モータ2がスタータモ
ータとして短時間だけ使用され、エンジン1が再始動さ
れると、直流モータ2への通電は停止される。
【0043】なお、信号待ちなどを終えてエンジン1を
再始動する際には、判断ステップS2を含むループまた
は判断ステップS4を含むループに割り込み処理がかか
り、これらのループから強制的に処理ステップS5,S
6へと制御ロジックは移行する。
再始動する際には、判断ステップS2を含むループまた
は判断ステップS4を含むループに割り込み処理がかか
り、これらのループから強制的に処理ステップS5,S
6へと制御ロジックは移行する。
【0044】こうして、信号待ちなどのエンジン停止時
にも可変容量コンプレッサ3が駆動され続けるので、エ
アコンの作動が停止してしまうことがなくなり、エンジ
ン1の停止中にも快適なキャビン環境が保たれる。ま
た、エンジン停止中に可変容量コンプレッサ3を駆動す
る直流モータ2の運転温度がモニターされ、直流モータ
2の過熱が防止されている。
にも可変容量コンプレッサ3が駆動され続けるので、エ
アコンの作動が停止してしまうことがなくなり、エンジ
ン1の停止中にも快適なキャビン環境が保たれる。ま
た、エンジン停止中に可変容量コンプレッサ3を駆動す
る直流モータ2の運転温度がモニターされ、直流モータ
2の過熱が防止されている。
【0045】そればかりではなく、本実施例の補機駆動
兼用スタータは、駆動にインバータを必要としない直流
モータ2を採用していながら、エンジン1の始動がで
き、かつエンジン停止中の補機駆動を安定して行うこと
ができる。また、動力源が交流回転電機ではなく直流モ
ータ2であるから、インバータを必要としないだけでは
なく、エンジン1への取付けが容易であり、補機として
の可変容量コンプレッサ3と並べてエンジンブロックか
ら突出したブラケットに取り付けられている。その結
果、インバータの分だけコストダウンが可能になると共
に、モータ自体の小型軽量化が可能になり、取付けしや
すくなって搭載性が向上する。
兼用スタータは、駆動にインバータを必要としない直流
モータ2を採用していながら、エンジン1の始動がで
き、かつエンジン停止中の補機駆動を安定して行うこと
ができる。また、動力源が交流回転電機ではなく直流モ
ータ2であるから、インバータを必要としないだけでは
なく、エンジン1への取付けが容易であり、補機として
の可変容量コンプレッサ3と並べてエンジンブロックか
ら突出したブラケットに取り付けられている。その結
果、インバータの分だけコストダウンが可能になると共
に、モータ自体の小型軽量化が可能になり、取付けしや
すくなって搭載性が向上する。
【0046】したがって、本実施例の補機駆動兼用スタ
ータによれば、直流モータ2を採用しているので、交流
モータを採用した場合よりも安価になるうえに搭載性が
向上するという効果がある。
ータによれば、直流モータ2を採用しているので、交流
モータを採用した場合よりも安価になるうえに搭載性が
向上するという効果がある。
【0047】ところで、単に従来技術の交流モータを直
流モータ2に置き換えただけでは、エンジン1の始動時
に必要とされるトルク特性に合わせていると、通常は可
変容量コンプレッサ3を電動するときに必要なトルク特
性が得られないことが多い。そこで本実施例では、直流
モータ2は、前述のように、可変容量コンプレッサ3の
負荷特性に合致した連続定格動作点を形成するトルク特
性をもつものに限定されている。すなわち、図3に示す
ように、この連続定格動作点は、直流モータ2のトルク
特性と可変容量コンプレッサ3の負荷特性とが交差した
単一の交差点(1kW定格動作点)にある。このように
直流モータ2のトルク特性と可変容量コンプレッサ3の
負荷特性とが明確に一点で交差していれば、安定した連
続定格動作点が形成され、直流モータ2および可変容量
コンプレッサ3の回転数はほとんど変動することなく一
定になる。その結果、直流モータ2による可変容量コン
プレッサ3の駆動に際して、過回転や回転不安定などの
不都合が生じることが防止される。
流モータ2に置き換えただけでは、エンジン1の始動時
に必要とされるトルク特性に合わせていると、通常は可
変容量コンプレッサ3を電動するときに必要なトルク特
性が得られないことが多い。そこで本実施例では、直流
モータ2は、前述のように、可変容量コンプレッサ3の
負荷特性に合致した連続定格動作点を形成するトルク特
性をもつものに限定されている。すなわち、図3に示す
ように、この連続定格動作点は、直流モータ2のトルク
特性と可変容量コンプレッサ3の負荷特性とが交差した
単一の交差点(1kW定格動作点)にある。このように
直流モータ2のトルク特性と可変容量コンプレッサ3の
負荷特性とが明確に一点で交差していれば、安定した連
続定格動作点が形成され、直流モータ2および可変容量
コンプレッサ3の回転数はほとんど変動することなく一
定になる。その結果、直流モータ2による可変容量コン
プレッサ3の駆動に際して、過回転や回転不安定などの
不都合が生じることが防止される。
【0048】したがって、本実施例の補機駆動兼用スタ
ータによればさらに、安定した連続定格動作点が形成さ
れ、直流モータ2および可変容量コンプレッサ3の回転
数はほとんど変動することなく一定になるという効果が
ある。
ータによればさらに、安定した連続定格動作点が形成さ
れ、直流モータ2および可変容量コンプレッサ3の回転
数はほとんど変動することなく一定になるという効果が
ある。
【0049】一方、本実施例と異なって、直流モータ2
のトルク特性と可変容量コンプレッサ3の負荷特性とが
適当な一点で交差していないと、エンジン停止中に直流
モータ2によって可変容量コンプレッサ3を駆動するう
えで不都合が生じる。たとえば、図4に示すように、直
流モータ2のトルク特性が可変容量コンプレッサ3の負
荷特性を越えていると、適正な回転数に定格動作点が形
成されず、過回転状態を生じて故障の原因になる。ま
た、図5に示すように複数の動作点があったり、図6に
示すように動作点に幅があったりすると、連続定格動作
点が複数の回転数で生じたり、可変容量コンプレッサ3
の駆動特性が不安定であったりすることがあるので不都
合である。
のトルク特性と可変容量コンプレッサ3の負荷特性とが
適当な一点で交差していないと、エンジン停止中に直流
モータ2によって可変容量コンプレッサ3を駆動するう
えで不都合が生じる。たとえば、図4に示すように、直
流モータ2のトルク特性が可変容量コンプレッサ3の負
荷特性を越えていると、適正な回転数に定格動作点が形
成されず、過回転状態を生じて故障の原因になる。ま
た、図5に示すように複数の動作点があったり、図6に
示すように動作点に幅があったりすると、連続定格動作
点が複数の回転数で生じたり、可変容量コンプレッサ3
の駆動特性が不安定であったりすることがあるので不都
合である。
【0050】以上をまとめると、本実施例の補機駆動兼
用スタータによれば、直流モータ2を採用しているの
で、交流モータを採用した場合よりも安価になるうえに
搭載性が向上するという効果がある。そればかりではな
く、エンジン1が停止している間にもエアコンが作動し
てキャビン内が快適に保たれるうえに、直流モータ2の
過熱が防止されており、安定した可変容量コンプレッサ
3の定格動作が得られるという効果がある。
用スタータによれば、直流モータ2を採用しているの
で、交流モータを採用した場合よりも安価になるうえに
搭載性が向上するという効果がある。そればかりではな
く、エンジン1が停止している間にもエアコンが作動し
てキャビン内が快適に保たれるうえに、直流モータ2の
過熱が防止されており、安定した可変容量コンプレッサ
3の定格動作が得られるという効果がある。
【0051】(実施例1の変形態様1)本実施例の変形
態様1として、補機として可変容量コンプレッサ3を用
いず、定容量コンプレッサを用い、同コンプレッサに対
する直流モータ2の減速比を適正に変更する減速比変更
手段が付設された補機駆動兼用スタータの実施が可能で
ある。減速比変更手段としては、プーリ52,53を可
変プーリとした構成や、直流モータ2とその回転軸21
との間にギヤ比変更可能な減速ギヤを設ける構成などを
採用することができる。
態様1として、補機として可変容量コンプレッサ3を用
いず、定容量コンプレッサを用い、同コンプレッサに対
する直流モータ2の減速比を適正に変更する減速比変更
手段が付設された補機駆動兼用スタータの実施が可能で
ある。減速比変更手段としては、プーリ52,53を可
変プーリとした構成や、直流モータ2とその回転軸21
との間にギヤ比変更可能な減速ギヤを設ける構成などを
採用することができる。
【0052】本変形態様では、減速比を適正に変更する
ことにより、エンジン1の始動時に必要な直流モータ2
のトルク特性と、エンジン停止中に補機を駆動するため
に必要な直流モータ2のトルク特性とをほぼ合致させる
ことがより容易になる。その結果、いずれの運転状態に
も対応できるトルク特性をもった直流モータ2を設計す
ることが、ずっと容易になる。
ことにより、エンジン1の始動時に必要な直流モータ2
のトルク特性と、エンジン停止中に補機を駆動するため
に必要な直流モータ2のトルク特性とをほぼ合致させる
ことがより容易になる。その結果、いずれの運転状態に
も対応できるトルク特性をもった直流モータ2を設計す
ることが、ずっと容易になる。
【0053】したがって、本変形態様の補機駆動兼用ス
タータによれば、前述の本実施例の効果に加えて、必要
なトルク特性をもつ直流モータ1の設計が容易になると
いう効果がある。
タータによれば、前述の本実施例の効果に加えて、必要
なトルク特性をもつ直流モータ1の設計が容易になると
いう効果がある。
【0054】(実施例1の変形態様2)本実施例の変形
態様2として、エンジン運転中には直流モータ2を発電
機として使用し、オルタネータを廃した構成の補機駆動
兼用スタータの実施が可能である。本変形態様では、直
流モータ2によって発電される直流電気を適正な電圧レ
ベルに調整する調整回路をもつ構成や、エンジン1と直
流モータ2との間の回転比率を調整して発電電圧を適正
な範囲に調整する調整機構をもつ構成などの実施が可能
である。
態様2として、エンジン運転中には直流モータ2を発電
機として使用し、オルタネータを廃した構成の補機駆動
兼用スタータの実施が可能である。本変形態様では、直
流モータ2によって発電される直流電気を適正な電圧レ
ベルに調整する調整回路をもつ構成や、エンジン1と直
流モータ2との間の回転比率を調整して発電電圧を適正
な範囲に調整する調整機構をもつ構成などの実施が可能
である。
【0055】しうたがって本変形態様によれば、オルタ
ネータを装備することなしに、実施例1に準ずる作用効
果が得られる。
ネータを装備することなしに、実施例1に準ずる作用効
果が得られる。
【図1】 実施例1としての補機駆動兼用スタータの構
成を示す模式図
成を示す模式図
【図2】 実施例1でのエンジン一時停止中の制御を示
すフローチャート
すフローチャート
【図3】 実施例1における定格動作点を示すグラフ
【図4】 不都合な動作点を示すグラフ
【図5】 不都合な動作点を示すグラフ
【図6】 不都合な動作点を示すグラフ
1:エンジン 11:クランクシャフト 2:直流モータ 21:回転軸 3:可変容量コンプレッサ(補機として) 4:計測制御装置(負荷特性調整手段として) 41:サーミスタ(温度検知手段として) 51:エンジンのプーリ(クラッチ内蔵プーリ) 5
0:クラッチ 52:回転軸のプーリ 53:コンプレッサのプーリ 6:ベルト(プーリ51,52,53とで動力伝達手段
を構成)
0:クラッチ 52:回転軸のプーリ 53:コンプレッサのプーリ 6:ベルト(プーリ51,52,53とで動力伝達手段
を構成)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H571 AA03 BB03 BB10 CC04 EE09 LL36 PP01 5H611 AA00 BB01 BB03 PP01 QQ04 5H623 AA00
Claims (5)
- 【請求項1】クラッチを介してエンジンと動力の伝達を
相互にすることができ補機を駆動する回転軸と、該回転
軸を駆動するモータとを有し、該エンジンの始動と該補
機の駆動とを行う補機駆動兼用スタータにおいて、 前記モータは、前記補機の負荷特性に合致した連続定格
動作点を形成するトルク特性をもつ直流モータであるこ
とを特徴とする、 補機駆動兼用スタータ。 - 【請求項2】前記補機に対する前記直流モータの減速比
を適正に変更する減速比変更手段が付設された、 請求項1記載の補機駆動兼用スタータ。 - 【請求項3】前記直流モータの温度を検知する温度検知
手段と、該温度に基づいて前記補機の前記負荷特性を適
正に調整する負荷特性調整手段とが付設された、 請求項1〜2のうちいずれかに記載の補機駆動兼用スタ
ータ。 - 【請求項4】前記連続定格動作点は、前記直流モータの
前記トルク特性と前記補機の負荷特性とが交差した単一
の交差点にある、 請求項1〜3のうちいずれかに記載の補機駆動兼用スタ
ータ。 - 【請求項5】クラッチを介してエンジンと回転動力の授
受を可能にする動力伝達手段と、 該動力伝達手段を介して該エンジンと動力の授受が行わ
れる回転軸と、 該回転軸を駆動する直流モータと、 該回転軸を介して該直流モータまたは該エンジンに駆動
される補機と、を有し、 前記直流モータは、前記補機の負荷特性に合致した連続
定格動作点を形成するトルク特性をもつことを特徴とす
る、 補機駆動兼用スタータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31929399A JP2001132593A (ja) | 1999-11-10 | 1999-11-10 | 補機駆動兼用スタータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31929399A JP2001132593A (ja) | 1999-11-10 | 1999-11-10 | 補機駆動兼用スタータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001132593A true JP2001132593A (ja) | 2001-05-15 |
Family
ID=18108588
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31929399A Pending JP2001132593A (ja) | 1999-11-10 | 1999-11-10 | 補機駆動兼用スタータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001132593A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101141555B1 (ko) | 2009-10-06 | 2012-05-03 | (주)한서정공 | 방제차용 피스톤 펌프 구동장치 |
WO2016167252A1 (ja) * | 2015-04-13 | 2016-10-20 | 株式会社ミツバ | 減速機付モータおよびリヤワイパモータ |
JP2016201942A (ja) * | 2015-04-13 | 2016-12-01 | 株式会社ミツバ | 減速機付モータおよびリヤワイパモータ |
JP2016201943A (ja) * | 2015-04-13 | 2016-12-01 | 株式会社ミツバ | 減速機付モータおよびリヤワイパモータ |
-
1999
- 1999-11-10 JP JP31929399A patent/JP2001132593A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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