JP2001132486A - 過給機の制御装置 - Google Patents

過給機の制御装置

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JP2001132486A
JP2001132486A JP31327699A JP31327699A JP2001132486A JP 2001132486 A JP2001132486 A JP 2001132486A JP 31327699 A JP31327699 A JP 31327699A JP 31327699 A JP31327699 A JP 31327699A JP 2001132486 A JP2001132486 A JP 2001132486A
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internal combustion
combustion engine
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load change
electric motor
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Yuichi Shimazaki
勇一 島崎
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Honda Motor Co Ltd
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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気モータにより駆動されるエアーポンプで
内燃機関を過給する電動過給機において、内燃機関の運
転状態に応じた的確な制御を可能にする。 【解決手段】 内燃機関の運転条件(内燃機関回転数お
よび負荷)や大気条件(大気温や大気圧)に応じて電気
モータの目標回転数Nobjおよび内燃機関の目標過給
圧Pobjを算出する。そしてモータ電流およびモータ
電圧から算出した電気モータの実回転数Nchが前記目
標回転数Nobjに一致するように電気モータの供給電
力をフィードバック制御するとともに、過給圧検出手段
で検出した内燃機関の実過給圧Pchが前記目標過給圧
Pobjに一致するように電動リリーフバルブの開度を
フィードバック制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気モータにより
駆動されるエアーポンプで内燃機関を過給するととも
に、過給圧の一部を電動リリーフバルブを介してリリー
フさせる過給機の制御装置、あるいは内燃機関を過給す
る過給機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関を過給して出力増加を図る手段
として、ターボチャージャーおよびスーパーチャージャ
ーが知られている。ターボチャージャーは内燃機関の排
気ガスで駆動されるタービンによってコンプレッサーを
駆動し、このコンプレッサーで圧縮した空気で過給を行
うようになっており、またスーパーチャージャーは内燃
機関のクランクシャフトの出力でエアーポンプを駆動
し、このエアーポンプで圧縮した空気で過給を行うよう
になっている。
【0003】ところで、ターボチャージャーやスーパー
チャージャーの過給能力は基本的に内燃機関の回転数に
応じて変化するため、その過給能力を内燃機関の回転数
によらずに任意に制御するのは困難であった。
【0004】そこで内燃機関の排気ガスのエネルギーや
クランクシャフトの出力を使用せずに、電気モータでエ
アーポンプを駆動して過給を行う電動過給機が、特開平
10−159577号公報により公知である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平10−159577号公報に記載された電動過給機
の制御は、基本的にエアーポンプの駆動および停止を切
り換えるだけであり、また電動過給機のエアーポンプを
通過する吸気通路と、前記エアーポンプを迂回する吸気
通路を切り換える開閉弁も単純に開閉制御されるだけで
あるため、内燃機関の運転状態に応じた適切な過給圧を
得ることが困難であった。また運転者がスポーティな走
行を望んでいる場合と、そうでない場合とで、電動過給
機の制御に差異がないため、運転者の意思に副った走行
性能を得ることが難しかった。
【0006】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、内燃機関の運転状態あるいは運転者の意思に応じて
過給機を的確に制御することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明によれば、電気モータに
より駆動されるエアーポンプで内燃機関を過給するとと
もに、過給圧の一部を電動リリーフバルブを介してリリ
ーフさせる過給機の制御装置であって、内燃機関の回転
数を検出する内燃機関回転数検出手段と、内燃機関の負
荷を検出する内燃機関負荷検出手段と、内燃機関の回転
数および負荷に基づいて電気モータの目標回転数を算出
する目標回転数算出手段と、内燃機関の回転数および負
荷に基づいて内燃機関の目標過給圧を算出する目標過給
圧算出手段と、電気モータの回転数を前記目標回転数に
一致させ、かつ内燃機関の過給圧を前記目標過給圧に一
致させるべく、電気モータおよび電動リリーフバルブの
作動を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする過
給機の制御装置が提案される。
【0008】上記構成によれば、内燃機関の回転数およ
び負荷に基づいて電気モータの目標回転数と内燃機関の
目標過給圧とを算出し、電気モータの回転数および内燃
機関の過給圧を前記目標回転数および目標過給圧にそれ
ぞれ一致させるべく電気モータおよび電動リリーフバル
ブの作動を制御するので、電動過給機を内燃機関の運転
状態に応じて的確に制御することができる。
【0009】また請求項2に記載された発明によれば、
請求項1の構成に加えて、内燃機関の負荷変化の頻度を
算出する負荷変化頻度算出手段と、内燃機関の負荷変化
量および負荷変化の頻度に基づいて電気モータの回転数
制御を開始する目標初期回転数を算出する目標初期回転
数算出手段とを備え、前記目標回転数算出手段は負荷変
化量および負荷変化の頻度が大きいほど目標回転数が大
きくなるように補正するとともに、前記目標過給圧算出
手段は、負荷変化量および負荷変化の頻度が大きいほど
目標過給圧が大きくなるように補正することを特徴とす
る過給機の制御装置が提案される。
【0010】上記構成によれば、内燃機関の負荷変化量
および負荷変化の頻度に基づいて算出した電気モータの
目標初期回転数と、負荷変化量および負荷変化の頻度が
大きいほど大きくなるように補正された目標回転数と、
負荷変化量および負荷変化の頻度が大きいほど大きくな
るように補正された目標過給圧とに基づいて電気モータ
および電動リリーフバルブの制御を行うので、運転者が
スポーツ走行を望んでいる場合にはタイムラグを最小限
に抑えながら高い過給性能を確保することができる。
【0011】また請求項3に記載された発明によれば、
内燃機関を過給する過給機の制御装置であって、内燃機
関の回転数を検出する内燃機関回転数検出手段と、内燃
機関の負荷を検出する内燃機関負荷検出手段と、内燃機
関の負荷変化の頻度を算出する負荷変化頻度算出手段
と、内燃機関の回転数および負荷に基づいて内燃機関の
目標過給圧を算出する目標過給圧算出手段と、内燃機関
の負荷変化量および負荷変化の頻度に基づいて過給圧の
制御を開始する目標初期過給圧を算出する目標初期過給
圧算出手段と、負荷変化頻度算出手段で算出した負荷変
化の頻度が所定値を越えたとき、前記目標初期過給圧お
よび目標過給圧に基づいて過給圧を制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする過給機の制御装置が提案され
る。
【0012】上記構成によれば、電動過給機はもとより
機械式の過給機においても、負荷変化の頻度が所定値を
越えた場合に、負荷変化量および負荷変化の頻度に基づ
いて算出した目標初期過給圧を初期値として過給圧の制
御を開始するので、特にスポーツ走行時にタイムラグを
最小限に抑えながら高い過給性能を確保することができ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0014】図1〜図9は本発明の一実施例を示すもの
で、図1は電動過給機の制御系の全体構成図、図2は電
子制御ユニットの回路構成を示すブロック図、図3は運
転者の意思推定ルーチンのフローチャート、図4は通常
走行時の電動過給機制御ルーチンのフローチャート、図
5はスポーツ走行時の電動過給機制御ルーチンのフロー
チャート、図6はエアーポンプの空気流量Qch、電気
モータの電流Imおよび電気モータの電圧Vmの関係を
示すグラフ、図7はエアーポンプの空気流量Qch、電
気モータの補正電流Im′および電気モータの電圧Vm
の関係を示すグラフ、図8はエアーポンプの空気流量Q
chおよび電気モータの回転数Nchの関係を示すグラ
フ、図9はスポーツ走行時の目標過給圧Pobj、目標
回転数Nobjおよび目標初期回転数N0objを検索
するマップを示す図である。
【0015】図1に示すように、内燃機関Eの燃焼室1
1に連なる吸気ポート12から吸気通路13が延びてお
り、この吸気通路13にエアーポンプ14およびインタ
ークーラー15が直列に配置される。エアーポンプ14
はルーツポンプやスクリューポンプから構成されるもの
で、電気モータ16に接続されて回転駆動される。イン
タークーラー15の下流位置とエアーポンプ14の上流
位置とがリリーフ通路17で接続されており、このリリ
ーフ通路17に電動リリーフバルブ18が配置される。
【0016】電気モータ16と42ボルトのバッテリ1
9との間に、該電気モータ16への通電を制御するモー
タドライバー20が配置される。電気モータ16の電流
Imを検出する電流検出手段Saと、電気モータ16の
電圧Vmを検出する電圧検出手段Sbと、吸気ポート1
2の過給圧Pchを検出する過給圧検出手段Scと、内
燃機関回転数Neを検出する内燃機関回転数検出手段S
dと、吸入空気量Qを検出する吸入空気量検出手段Se
と、大気温Taを検出する大気温検出手段Sfと、大気
圧Paを検出する大気圧検出手段Sgとが電子制御ユニ
ットUに接続される。
【0017】図2に示すように、電子制御ユニットUは
目標回転数算出手段M1と、目標過給圧算出手段M2
と、負荷変化頻度算出手段M3と、目標初期回転数算出
手段M4と、制御手段M5とを備えており、前記電流I
m、電圧Vm、過給圧Pch、内燃機関回転数Ne、吸
入空気量Q、大気温Taおよび大気圧Paに基づいて、
適切な過給圧を得るべく電気モータ16および電動リリ
ーフバルブ18の作動を制御する。
【0018】負荷変化頻度算出手段M3は、吸入空気量
検出手段Seで検出した吸入空気量Qの単位時間当たり
の変化量である負荷変化量ΔQを算出し、この負荷変化
量ΔQが所定値を越える状態が発生する頻度N、つまり
内燃機関Eの負荷変化の頻度Nを算出する。内燃機関E
の負荷変化の頻度Nは、運転者がアクセルペダルを操作
する頻度に相当し、その値が大きいときは運転者がスポ
ーティな走行を望んでいると推定することができる。
【0019】負荷変化頻度算出手段M3で検出した内燃
機関Eの負荷変化の頻度Nが小さいとき、つまり運転者
がスポーティな走行を望んでいないときには、目標回転
数算出手段M1は、少なくとも内燃機関回転数検出手段
Sdで検出した内燃機関回転数Neと、吸入空気量検出
手段Seで検出した吸入空気量Qとに基づいて電気モー
タ16の作動を制御するための目標回転数Nobjを算
出し、かつ目標過給圧算出手段M2は、少なくとも前記
内燃機関回転数Neと吸入空気量Qとに基づいて電動リ
リーフバルブ18の作動を制御するための目標過給圧P
objを算出する。
【0020】一方、負荷変化頻度算出手段M3で検出し
た内燃機関Eの負荷変化の頻度Nが大きいとき、つまり
運転者がスポーティな走行を望んでいるときには、目標
回転数算出手段M1は、前記負荷変化量ΔQおよび負荷
変化の頻度Nに基づいて目標回転数Nobjを算出する
とともに、目標過給圧算出手段M2は、前記負荷変化量
ΔQおよび負荷変化の頻度Nに基づいて目標過給圧Po
bjを算出し、更に目標初期回転数算出手段M4は前記
負荷変化量ΔQおよび負荷変化の頻度Nに基づいて目標
初期過給圧P0objを算出する。
【0021】そして制御手段M5は、運転者がスポーテ
ィな走行を望んでいない通常走行時に、電気モータ16
の回転数Nchを前記内燃機関回転数Neと吸入空気量
Qとに基づいて算出した目標回転数Nobjに一致させ
るべく電気モータ16の作動を制御し、かつ過給圧Pc
hを前記内燃機関回転数Neと吸入空気量Qとに基づい
て算出した目標過給圧Pobjに一致させるべく電動リ
リーフバルブ18の作動を制御する。
【0022】また制御手段M5は、運転者がスポーティ
な走行を望んでいるスポーツ走行時に、電気モータ16
の回転数Nchを前記負荷変化量ΔQおよび負荷変化の
頻度Nに基づいて算出した目標回転数Nobjに一致さ
せるべく、同じく前記負荷変化量ΔQおよび負荷変化の
頻度Nに基づいて算出した目標初期回転数N0objを
初期値として電気モータ16の作動を制御し、かつ過給
圧Pchを前記負荷変化量ΔQおよび負荷変化の頻度N
に基づいて算出した目標過給圧Pobjに一致させるべ
く電動リリーフバルブ18の作動を制御する。
【0023】次に、運転者がスポーティな走行を望んで
いるか否かを推定する運転者意思推定ルーチンを、図3
のフローチャートに基づいて説明する。
【0024】先ず、ステップS1で、吸入空気量検出手
段Seにより吸入空気量Qを検出し、続くステップS2
で、前記吸入空気量Qの単位時間当たりの変化量である
負荷変化量ΔQを算出する。そしてステップS3で、前
記負荷変化量ΔQが所定値を越える状態の頻度N(1分
間当たりの発生回数)を算出し、続くステップS4で、
前記頻度Nが3回以上でなければ、運転者がスポーティ
な走行を望んでいないと判定し、ステップS5で、通常
走行時の電気モータ16および電動リリーフバルブ18
の制御を実行する。一方、前記ステップS4で、前記頻
度Nが3回以上であれば、運転者がスポーティな走行を
望んでいると判定し、ステップS6で、スポーツ走行時
の電気モータ16および電動リリーフバルブ18の制御
を実行する。
【0025】次に、運転者がスポーティな走行を望んで
いない通常走行時における電気モータ16および電動リ
リーフバルブ18の制御を、図4のフローチャートに基
づいて説明する。
【0026】先ず、ステップS11で、内燃機関Eの運
転条件および大気条件を検出する。運転条件は内燃機関
回転数Neおよび吸入空気量Qであって、それぞれ内燃
機関回転数検出手段Sdおよび吸入空気量検出手段Se
により検出される。大気条件は大気温Taおよび大気圧
Paであって、それぞれ大気温検出手段Sfおよび大気
圧検出手段Sgによって検出される。続くステップS1
2で、前記運転条件および大気条件に基づいて目標過給
圧Pobjおよび電気モータ16の目標回転数Nobj
をマップ検索する。このとき、大気条件を省略して内燃
機関Eの運転条件だけから目標過給圧Pobjおよび電
気モータ16の目標回転数Nobjをマップ検索しても
良い。続くステップS13で、過給圧検出手段Scによ
り実際の過給圧Pchを検出する。続くステップS14
で、電流検出手段Saにより電気モータ16の電流Im
を検出するとともに、電圧検出手段Sbにより電気モー
タ16の電圧Vmを検出する。そしてステップS15
で、電気モータ16の電流Imおよび電圧Vmに基づい
て電気モータ16の回転数Nchを算出する。
【0027】図6は、エアーポンプ14の空気流量Qc
h、電流検出手段Saで検出した電気モータ16の電流
Imと、電圧検出手段Sbで検出した電気モータ16の
電圧Vmとの関係を示すものである。バッテリ19の電
圧(基準値で42ボルト)の変動等によって電気モータ
16の電圧Vmが増加すると電流Imが増加し、逆に電
圧Vmが減少すると電流Imが減少する。また電流Im
は空気流量Qchの増加に伴ってリニアに減少する。そ
して電圧Vmが変動しても、空気流量Qchの増加に伴
う電流Imの減少率(傾き)は一定であり、縦軸(電流
Im軸)の切片だけが変化する。
【0028】従って、電圧Vmが基準値の42ボルトで
あるとき、電気モータ16の電流Imとエアーポンプ1
4の空気流量Qchとの関係を示す特性ラインは、 Im=−a・Qch+b …(1) で表される。ここでa,bは電動過給機の特性に応じて
定まる定数であって、aは特性ラインの傾き、bは特性
ラインの縦軸切片である。エアーポンプ14の空気流量
Qchと電気モータ16の回転数Nchとは、図8に示
すような比例関係にあるため、上記(1)式に電流検出
手段Saで検出した電流Imを代入することにより空気
流量Qchを算出し、この空気流量Qchを図8のマッ
プに適用して電気モータ16の回転数Nchを算出する
ことができる。しかしながら、上記(1)式は電圧Vm
が基準値の42ボルトである場合のみに成立するもの
で、電圧Vmが基準値の42ボルトから変動した場合に
は成立しないものである。
【0029】そこで、図6で説明した関係、つまり電圧
Vmが変化しても特性ラインの傾きaは変化せずに縦軸
切片bだけが変化する関係に着目し、電圧Vmが基準値
の42ボルトから外れたときの電流Imを、電圧Vmが
基準値の42ボルトの場合に相当する補正電流Im′に
変換する。即ち、補正電流Im′は、上記(1)式の縦
軸切片bを(42・b/Vm)に置き換えたもので、 Im′=−a・Qch+(42・b/Vm) …(2) で与えられる。そして上記(1),(2)式から空気流
量Qchを消去すると、補正電流Im′は次式で与えら
れる。
【0030】 Im′=Im+{(42/Vm)−1}・b …(3) 図7に示すように、上述のようにして算出された補正電
流Im′は、電圧Vmの変動に関わらず、図6における
電圧Vm=42ボルトの特性ライン、つまり上記(1)
式で与えられる特性ライン上に良く乗っている。従っ
て、上記(1)式の電流Imに上記(3)式の補正電流
Im′を代入すれば、a,bが電動過給機の特性に応じ
て定まる定数であることから、バッテリ電圧の変動を補
償してエアーポンプ14の空気流量Qchを正確に算出
することができる。そして前記空気流量Qchを図8の
マップに適用することにより、特別の回転数検出手段を
設けることなく電気モータ16の回転数Nchを算出す
ることができる。
【0031】以上のようにして、前記ステップS15で
電気モータ16の回転数Nchが算出されると、ステッ
プS16で、電気モータ16の回転数Nchを前記目標
回転数Nobjと比較する。その結果、αを正の定数と
して、Nobj−α≦Nch≦Nobj+αが成立し、
電気モータ16の回転数Nchおよび目標回転数Nob
jの偏差の絶対値がα以下であれば、ステップS17に
移行する。ステップS17で、過給圧検出手段Scで検
出した過給圧Pchを前記目標過給圧Pobjと比較す
る。その結果、βを正の定数として、Pobj−β≦P
ch≦Pobj+βが成立し、過給圧Pchおよび目標
回転数Pobjの偏差の絶対値がβ以下であれば、電気
モータ16への供給電力および電動リリーフバルブ18
の開度をそのまま保持する。
【0032】一方、前記ステップS16の答えがNOで
あってNobj−α≦Nch≦Nobj+αが成立せ
ず、かつステップS18で、Nch>Nobj+αが成
立すれば、つまり電気モータ16の回転数Nchが目標
回転数Nobj+αを越えていれば、ステップS19
で、モータドライバー20を介して電気モータ16の供
給電力を低減する。逆に、前記ステップS18で、Nc
h>Nobj+αが成立しなければ、つまり電気モータ
16の回転数Nchが目標回転数Nobj−α未満であ
れば、ステップS20で、モータドライバー20を介し
て電気モータ16の供給電力を増加する。このように電
気モータ16の回転数Nchおよび目標回転数Nobj
の偏差を減少させる方向に電気モータ16の供給電力を
制御することにより、電気モータ16の回転数Nchを
目標回転数Nobjに的確に収束させることができる。
【0033】また、前記ステップS17の答えがNOで
あってPobj−β≦Pch≦Pobj+βが成立せ
ず、かつステップS21で、Pch>Pobj+βが成
立すれば、つまり過給圧Pchが目標過給圧Pobj+
βを越えていれば、ステップS22で、電動リリーフ弁
18を開弁方向に制御する。逆に、前記ステップS21
で、Pch>Pobj+βが成立しなければ、つまり過
給圧Pchが目標過給圧Pobj−β未満であれば、ス
テップS23で、電動リリーフバルブ18の開度を減少
方向に制御する。このように過給圧Pchおよび目標過
給圧Pobjの偏差を減少させる方向に電動リリーフバ
ルブ18の開度を制御することにより、過給圧Pchを
目標過給圧Pobjに的確に収束させることができる。
【0034】以上のように、電気モータ16でエアーポ
ンプ14を駆動する電動過給機を採用することにより、
内燃機関Eの排気ガスの流量やクランクシャフトの回転
数に依存せずに任意の過給圧Pchを得ることができ、
またアイドリング時等に作動を停止させることによりエ
ネルギーを節減して燃料消費量を削減することができ
る。特に、内燃機関の運転条件や大気条件に応じて電気
モータ16の目標回転数Nobjおよび内燃機関Eの目
標過給圧Pobjを設定し、実際の電気モータ16の回
転数Nchおよび実際の内燃機関Eの過給圧Pchを前
記目標回転数Nobjおよび目標過給圧Pobjに一致
させるようにフィードバック制御を行うので、電動過給
機の特性を最大限に活かして内燃機関Eの出力向上に寄
与することができる。
【0035】次に、運転者がスポーティな走行を望んで
いるスポーツ走行時における電気モータ16および電動
リリーフバルブ18の制御を、図5のフローチャートに
基づいて説明する。図5のフローチャートのステップS
13〜S23は、図4のフローチャートのステップS1
3〜S23と同一であり、図5のフローチャートのステ
ップS11′,S12′だけが図4のフローチャートの
ステップS11,S12と異なっている。
【0036】先ず、図5のフローチャートのステップS
11′で、目標過給圧Pobjおよび電気モータ16の
目標回転数Nobjをマップ検索する。図9(A)は目
標過給圧Pobjを検索するマップを示しており、その
横軸は負荷変化量ΔQと、該負荷変化量ΔQが所定値を
越える状態の頻度Nとの積である。そして目標過給圧P
objは負荷変化量Δおよび頻度Nの増加に応じて増
加した後に上限値に収束する。図9(B)は目標回転数
Nobjを検索するマップを示しており、その横軸は図
9(A)と同じく負荷変化量ΔQと、該負荷変化量ΔQ
が所定値を越える状態の頻度Nとの積である。そして目
標回転数Nobjは負荷変化量ΔQおよび頻度Nの増加
に応じて増加した後に上限値に収束する。
【0037】図9(C)は目標初期回転数N0objを
検索するマップを示しており、その横軸は図9(A),
(B)と同じく負荷変化量ΔQと、該負荷変化量ΔQが
所定値を越える状態の頻度Nとの積である。そして目標
初期回転数N0objは負荷変化量ΔQおよび頻度Nの
増加に応じて増加した後に上限値に収束する。
【0038】而して、電気モータ16が起動して電動過
給機の制御が開始されるとき、その回転数Nchの目標
値として前記目標初期回転数N0objが用いられ、続
いて電気モータ16の回転数Nchを目標回転数Nob
jに一致させ、かつ過給圧Pchを目標過給圧Pobj
に一致させるべくフィードバック制御が行われる。この
ように運転者がスポーティな走行をしたいという意思を
持っているとき、その意思の強さに応じて電気モータ1
6の制御を開始する際の目標初期回転数N0objが増
加し、かつ電気モータ16の目標回転数Nobjおよび
目標過給圧Pobjが増加するので、タイムラグを最小
限に抑えながら内燃機関Eの出力を増加させて運転者の
意思に副ったスポーティな走行が可能になる。
【0039】次に、図10および図11に基づいて本発
明の第2実施例を説明する。図2(第1実施例)および
図10(第2実施例)を比較すると明らかなように、第
2実施例は第1実施例の目標初期回転数算出手段M4に
代えて、目標初期過給圧算出手段M6を備えている。目
標初期過給圧算出手段M6は、負荷変化頻度算出手段M
3が運転者のスポーティな走行をしたいという意思を検
出すると、図11に示すマップから、負荷変化量ΔQ
と、該負荷変化量ΔQが所定値を越える状態の頻度Nと
の積をパラメータとして目標初期過給圧P0objをマ
ップ検索する。この目標初期過給圧P0objは負荷変
化量ΔQおよび頻度Nの増加に応じて増加した後に上限
値に収束する。
【0040】而して、スポーツ走行時に電気モータ16
が起動して電動過給機の制御が開始されるとき、その過
給圧Pchの目標値として前記目標初期過給圧P0ob
jが用いられ、続いて電気モータ16の回転数Nchを
目標回転数Nobjに一致させ、かつ過給圧Pchを目
標過給圧Pobjに一致させるべくフィードバック制御
が行われる。その際の目標値は通常走行時の目標値と同
じもので、運転条件および大気条件に基づいて算出した
目標回転数Nobjおよび目標過給圧Pobjが用いら
れる。
【0041】本第2実施例によっても、運転者がスポー
ティな走行をしたいという意思を持っているとき、その
意思の強さに応じて電動リリーフバルブ18の制御を開
始する際の目標初期過給圧P0objが増加するので、
タイムラグを最小限に抑えながら内燃機関Eの出力を増
加させて運転者の意思に副ったスポーティな走行が可能
になる。
【0042】以上、本発明の実施例を説明したが、本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【0043】例えば、実施例では電気モータ16でエア
ーポンプ14を駆動する電動過給機を例示したが、請求
項3に記載された発明はターボチャージャーやスーパー
チャージャー等の機械式の過給機に対しても適用するこ
とができる。
【0044】また実施例では内燃機関Eの負荷を示すパ
ラメータとして吸入空気量Qを採用しているが、スロッ
トル開度、筒内圧、吸気負圧等の他のパラメータを採用
することができる。
【0045】また実施例では負荷変化量ΔQが所定値を
越える頻度Nが1分間に3回以上の場合に、運転者がス
ポーティな走行を望んでいると判定しているが、その判
断基準は適宜変更可能である。
【0046】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載された発明
によれば、電気モータにより駆動されるエアーポンプで
内燃機関を過給するとともに、過給圧の一部を電動リリ
ーフバルブを介してリリーフさせる電動過給機の制御装
置であって、内燃機関の回転数を検出する内燃機関回転
数検出手段と、内燃機関の負荷を検出する内燃機関負荷
検出手段と、内燃機関の回転数および負荷に基づいて電
気モータの目標回転数を算出する目標回転数算出手段
と、内燃機関の回転数および負荷に基づいて内燃機関の
目標過給圧を算出する目標過給圧算出手段と、電気モー
タの回転数を前記目標回転数に一致させ、かつ内燃機関
の過給圧を前記目標過給圧に一致させるべく、電気モー
タおよび電動リリーフバルブの作動を制御する制御手段
とを備えたことを特徴とする電動過給機の制御装置が提
案される。
【0047】上記構成によれば、内燃機関の回転数およ
び負荷に基づいて電気モータの目標回転数と内燃機関の
目標過給圧とを算出し、電気モータの回転数および内燃
機関の過給圧を前記目標回転数および目標過給圧にそれ
ぞれ一致させるべく電気モータおよび電動リリーフバル
ブの作動を制御するので、電動過給機を内燃機関の運転
状態に応じて的確に制御することができる。
【0048】また請求項2に記載された発明によれば、
内燃機関の負荷変化量および負荷変化の頻度に基づいて
算出した電気モータの目標初期回転数と、負荷変化量お
よび負荷変化の頻度が大きいほど大きくなるように補正
された目標回転数と、負荷変化量および負荷変化の頻度
が大きいほど大きくなるように補正された目標過給圧と
に基づいて電気モータおよび電動リリーフバルブの制御
を行うので、運転者がスポーツ走行を望んでいる場合に
はタイムラグを最小限に抑えながら高い過給性能を確保
することができる。
【0049】また請求項3に記載された発明によれば、
電動過給機はもとより機械式の過給機においても、負荷
変化の頻度が所定値を越えた場合に、負荷変化量および
負荷変化の頻度に基づいて算出した目標初期過給圧を初
期値として過給圧の制御を開始するので、特にスポーツ
走行時にタイムラグを最小限に抑えながら高い過給性能
を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動過給機の制御系の全体構成図
【図2】電子制御ユニットの回路構成を示すブロック図
【図3】運転者の意思推定ルーチンのフローチャート
【図4】通常走行時の電動過給機制御ルーチンのフロー
チャート
【図5】スポーツ走行時の電動過給機制御ルーチンのフ
ローチャート
【図6】エアーポンプの空気流量Qch、電気モータの
電流Imおよび電気モータの電圧Vmの関係を示すグラ
【図7】エアーポンプの空気流量Qch、電気モータの
補正電流Im′および電気モータの電圧Vmの関係を示
すグラフ
【図8】エアーポンプの空気流量Qchおよび電気モー
タの回転数Nchの関係を示すグラフ
【図9】スポーツ走行時の目標過給圧Pobj、目標回
転数Nobjおよび目標初期回転数N0objを検索す
るマップを示す図
【図10】本発明の第2実施例を示す、前記図2に対応
する図
【図11】スポーツ走行時の目標初期過給圧P0obj
を検索するマップを示す図
【符号の説明】
14 エアーポンプ 16 電気モータ 18 電動リリーフバルブ E 内燃機関 M1 目標回転数算出手段 M2 目標過給圧算出手段 M3 負荷変化頻度算出手段 M4 目標初期回転数算出手段 M5 制御手段 M6 目標初期過給圧算出手段 N スロットル開度変化の頻度 Nch 電気モータの回転数 Ne 内燃機関の回転数 Nobj 電気モータの目標回転数 N0obj 電気モータの目標初期回転数 Pch 内燃機関の過給圧 Pobj 内燃機関の目標過給圧 P0obj 内燃機関の目標初期過給圧 Q 吸入空気量(内燃機関の負荷) ΔQ 負荷変化量 Sd 内燃機関回転数検出手段 Se 吸入空気量検出手段(内燃機関負荷検出手
段) Sh スロットル開度検出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 45/00 322 F02D 45/00 322B 330 330 Fターム(参考) 3G005 EA06 EA07 EA20 FA04 FA06 FA37 GA00 GA02 GB19 GC08 GD21 GE08 JA01 JA02 JA24 JA39 JA40 JB02 JB04 JB05 JB18 JB25 3G084 BA03 BA07 DA05 DA15 FA01 FA02 FA07 FA12 FA18 FA33 3G092 AA18 BA02 DB02 DB04 DG08 EA01 EB04 HA02Z HA04Z HA05Z HA11Z HA16X HA17X HE01Z HF03X

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気モータ(16)により駆動されるエ
    アーポンプ(14)で内燃機関(E)を過給するととも
    に、過給圧の一部を電動リリーフバルブ(18)を介し
    てリリーフさせる過給機の制御装置であって、 内燃機関(E)の回転数(Ne)を検出する内燃機関回
    転数検出手段(Sd)と、 内燃機関(E)の負荷(Q)を検出する内燃機関負荷検
    出手段(Se)と、 内燃機関(E)の回転数(Ne)および負荷(Q)に基
    づいて電気モータ(16)の目標回転数(Nobj)を
    算出する目標回転数算出手段(M1)と、 内燃機関(E)の回転数(Ne)および負荷(Q)に基
    づいて内燃機関(E)の目標過給圧(Pobj)を算出
    する目標過給圧算出手段(M2)と、 電気モータ(16)の回転数(Nch)を前記目標回転
    数(Nobj)に一致させ、かつ内燃機関(E)の過給
    圧(Pch)を前記目標過給圧(Pobj)に一致させ
    るべく、電気モータ(16)および電動リリーフバルブ
    (18)の作動を制御する制御手段(M5)と、を備え
    たことを特徴とする過給機の制御装置。
  2. 【請求項2】 内燃機関(E)の負荷変化の頻度(N)
    を算出する負荷変化頻度算出手段(M3)と、 内燃機関(E)の負荷変化量(ΔQ)および負荷変化の
    頻度(N)に基づいて電気モータ(16)の回転数制御
    を開始する目標初期回転数(N0obj)を算出する目
    標初期回転数算出手段(M4)と、を備え、 前記目標回転数算出手段(M1)は負荷変化量(ΔQ)
    および負荷変化の頻度(N)が大きいほど目標回転数
    (Nobj)が大きくなるように補正するとともに、前
    記目標過給圧算出手段(M2)は、負荷変化量(ΔQ)
    および負荷変化の頻度(N)が大きいほど目標過給圧
    (Pobj)が大きくなるように補正することを特徴と
    する、請求項1に記載の過給機の制御装置。
  3. 【請求項3】 内燃機関(E)を過給する過給機の制御
    装置であって、 内燃機関(E)の回転数(Ne)を検出する内燃機関回
    転数検出手段(Sd)と、 内燃機関(E)の負荷(Q)を検出する内燃機関負荷検
    出手段(Se)と、 内燃機関(E)の負荷変化の頻度(N)を算出する負荷
    変化頻度算出手段(M3)と、 内燃機関(E)の回転数(Ne)および負荷(Q)に基
    づいて内燃機関(E)の目標過給圧(Pobj)を算出
    する目標過給圧算出手段(M2)と、 内燃機関(E)の負荷変化量(ΔQ)および負荷変化の
    頻度(N)に基づいて過給圧の制御を開始する目標初期
    過給圧(P0obj)を算出する目標初期過給圧算出手
    段(M6)と、 負荷変化頻度算出手段(M3)で算出した負荷変化の頻
    度(N)が所定値を越えたとき、前記目標初期過給圧
    (P0obj)および目標過給圧(Pobj)に基づい
    て過給圧を制御する制御手段(M5)と、を備えたこと
    を特徴とする過給機の制御装置。
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