JP2001132378A - 立坑掘削機の設置装置及び方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 立坑掘削機の設置装置及び方法において、立
坑掘削機の設置作業を簡単に短時間で行うことで設置作
業性の向上を図る。 【解決手段】 円筒部２２の中心が地面Ｇ上の掘削中心
Ｏに一致するようにこの設置治具２１を平面的に固定設
置し、オールケーシング掘削機１１を設置治具２１の上
方に吊下げ状態に保持し、ベースフレーム１２のガイド
孔２９を円筒部２２の外周面に嵌合し、且つ、この円筒
部２２の外周面に沿ってスライド下降させながら、オー
ルケーシング掘削機１１の各接地板１４を地面Ｇ上の敷
板３０上に着座し、その後に固定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、立坑掘削や基礎杭
造成などに用いられるオールケーシング掘削機などの立
坑掘削機を所定の掘削地面に設置するための立坑掘削機
の設置装置及び方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】オールケーシング掘削機は、例えば、立
坑掘削を行う場合などに使用されるものであって、ケー
シングチューブをクランプし、このケーシングチューブ
を旋回あるいは揺動させながら地中に押し込んで下端部
のカッタビットによって地盤をカットし、クレーンを操
作してグラブバケットによりケーシングチューブ内の土
砂を掘削排出することで立坑を形成していく。

【０００３】このようなオールケーシング掘削機では、
オールケーシング掘削機に支持されたケーシングチュー
ブの回転中心が地面の掘削中心に一致するように設置し
なければならない。ところが、オールケーシング掘削機
を地面に設置する場合、このオールケーシング掘削機を
クレーンで吊下げた状態から下降していき、作業者の目
視によりオールケーシング掘削機を所定の掘削位置に設
置しており、高精度に位置決めすることができないとい
う問題がある。

【０００４】このような問題を解決するものとして、例
えば、特公平５−１８９６９号公報に開示されたものが
ある。この公報に開示された「ケーシングドライバの杭
芯セット方法」は、中央部にケーシングの外径より大き
い穴とその周囲に脚部（フロート）を位置決めする４つ
のガイドプレートが固定されたケーシングドライバを搭
載できる大きさの位置合わせ用鉄板を用い、合わせ棒に
より地面の掘削中心と穴の中心とが一致するようにこの
鉄板を載置し、ケーシングドライバを吊下げ下降して脚
部がガイドプレートに一致するように位置決めするよう
にしている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上述した従来の「ケー
シングドライバの杭芯セット方法」では、地面の掘削中
心とケーシングの回転中心とを一致させるために、所定
の位置に位置決めされた位置合わせ用鉄板の４つのガイ
ドプレートに対して、各脚部が一致するようにケーシン
グドライバを下降して設置している。そのため、ガイド
プレートに対する脚部、つまり、ケーシングドライバの
位置合わせを水平面に対する前後方向及び左右方向につ
いて行うと共に、旋回方向に対しても行う必要があり、
位置合わせ作業が面倒となって作業時間も長くかかって
しまうという問題がある。

【０００６】また、一般に、ケーシングドライバでは、
各脚部の位置（間隔）が調整できるようになっている。
一方、位置合わせ用鉄板では、ガイドプレートの取付位
置に製造誤差や組付誤差が発生する虞がある。そのた
め、位置合わせ用鉄板に対してガイドプレートを下降し
てきたときに、各ガイドプレートに各脚部に確実に適合
させることは困難であり、作業性がよくないという問題
がある。

【０００７】本発明はこのような問題を解決するもので
あって、立坑掘削機の設置作業を簡単に短時間で行うこ
とで設置作業性の向上を図った立坑掘削機の設置装置及
び方法を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの請求項１の発明の立坑掘削機の設置装置は、ケーシ
ングチューブよりも大径の円筒部を有する設置治具と、
該円筒部の中心と地面上の掘削中心とが一致するように
該設置治具を地面に位置決めする位置決め手段と、前記
設置治具を地面の所定の位置に固定する固定手段と、前
記設置治具の周辺の地面に敷設する立坑掘削機用敷板
と、該立坑掘削機側に設けられて前記設置治具の円筒部
の外周面あるいは内周面に係合して該立坑掘削機を位置
決めするガイド手段とを具えたことを特徴とするもので
ある。

【０００９】また、請求項２の発明の立坑掘削機の設置
装置では、前記設置治具は前記円筒部の外周にフランジ
部を有し、該フランジ部上に前記立坑掘削機用敷板を載
置することで前記固定手段を構成することを特徴として
いる。

【００１０】また、請求項３の発明の立坑掘削機の設置
装置では、前記位置決め手段は、前記円筒部の中心を通
過する２つの交線と交差する前記円筒部の上端縁部に形
成された２組の切欠部と、該２組の切欠部にそれぞれ掛
け渡された２つの位置決め棒とを有することを特徴とし
ている。

【００１１】また、請求項４の発明の立坑掘削機の設置
装置では、前記ガイド手段は、前記立坑掘削機の支持フ
レームに形成されて前記円筒部の外周面に嵌合するガイ
ド孔であることを特徴としている。

【００１２】また、請求項５の発明の立坑掘削機の設置
装置では、前記立坑掘削機の支持フレームの下部に連結
部材によって前記立坑掘削機用敷板が連結され、該立坑
掘削機用敷板に前記ガイド手段として前記円筒部の外周
面に嵌合するガイド孔が形成されたことを特徴としてい
る。

【００１３】また、請求項６の発明の立坑掘削機の設置
装置では、前記固定手段は、前記設置治具の円筒部の外
周面に接触すると共に地面に貫入固定した複数の固定部
材であることを特徴としている。

【００１４】また、請求項７の発明の立坑掘削機の設置
装置では、前記設置治具の円筒部の下端部を地面に貫入
することで前記固定手段を構成することを特徴としてい
る。

【００１５】また、請求項８の発明の立坑掘削機の設置
方法は、まず、円筒部の中心が地面上の掘削中心に一致
するように設置治具を平面的に固定設置し、次に、立坑
掘削機を該設置治具の上方に吊下げ状態に保持し、該立
坑掘削機のガイド部を前記円筒部の外周面あるいは内周
面に沿ってスライド下降させながら、該立坑掘削機の脚
部を地面上に着座した後に固定することを特徴とするも
のである。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を詳細に説明する。

【００１７】図１に本発明の第１実施形態に係る立坑掘
削機の設置装置を表すオールケーシング掘削機の設置状
態の概略、図２にオールケーシング掘削機の設置状態の
平面視、図３に設置治具の平面視、図４に図３のIV−IV
断面、図５にオールケーシング掘削機の設置方法を表す
概略、図６に設置治具の他の載置例を表す概略を示す。

【００１８】図１に示すように、本実施形態の立坑掘削
機の設置装置を用いて設置するオールケーシング掘削機
１１において、ベースフレーム１２の四隅にはレベリン
グ装置を構成する調整シリンダ１３が装着され、各調整
シリンダ１３から下方に延出する駆動ロッドの先端部に
脚部を構成する接地板１４が取付けられている。ベース
フレーム１２の上方には駆動部本体１５が配設されてお
り、この駆動部本体１５の四隅には引抜押込装置を構成
する昇降シリンダ１６が装着され、各駆動ロッドの先端
部がベースフレーム１２に連結されている。そして、こ
の駆動部本体１５には旋回装置１７が装着され、この旋
回装置１７にはケーシングチューブＳの外周をクランプ
するクランプ装置１８が装着されている。

【００１９】従って、クランプ装置１８がケーシングチ
ューブＳを保持し、旋回装置１７によりこのケーシング
チューブＳを旋回させ、この状態で昇降シリンダ１６を
収縮して駆動部本体１５を下降することで、ケーシング
チューブＳを地面Ｇから地中に押し込んで下端部のカッ
タビットにより地盤をカットすると共に、クレーンを操
作して掘削バケットによりケーシングチューブＳ内の掘
削土砂を排出することで立坑を形成することができる。

【００２０】このように構成されたオールケーシング掘
削機１１を設置する設置装置において、図３及び図４に
示すように、設置治具２１は、四角い鉄板の中央部ケー
シングチューブＳよりもやや大径の円筒部２２が上方に
起立して形成されており、外周部がフランジ部２３とな
っている。そして、この円筒部２２の上端部には、地面
上の掘削中心Ｏと円筒部２２の中心とが一致するように
この設置治具２１を地面Ｇに位置決めするための位置決
め手段が着脱自在となっている。即ち、円筒部２２の中
心を通過すると共に互いに直交する２つの直線Ｌ１，Ｌ
２が交差する円筒部２２の上端縁部には、２組、合計４
つの切欠部２４ａ，２４ｂ，２５ａ，２５ｂが形成され
ており、この各切欠部２４ａ，２４ｂ，２５ａ，２５ｂ
はＶ字形状をなし、対向する各切欠部２４ａと２４ｂ，
２５ａと２５ｂにそれぞれ位置決め棒２６，２７を掛け
渡すことができるようになっている。なお、この設置治
具のフランジ部２３には、吊り下げ用治具を連結すため
のタップ穴２８が４つ形成されている。

【００２１】一方、図１及び図２に示すように、前述し
たオールケーシング掘削機１１のベースプレート１２に
は、この設置装置２１の円筒部２２の外周面に嵌合する
ガイド手段としてのガイド孔２９が形成されている。こ
のガイド孔２９は、その中心がクランプ装置１８により
保持されるケーシングチューブＳの中心と一致するよう
に形成されている。

【００２２】また、オールケーシング掘削機１１を設置
するために地面を敷設する掘削機用敷板３０は、２組の
敷板鉄板３１，３２からなり、設置治具２１の周辺の地
面Ｇに枠状をなすように互いに端部が重なって載置され
ている。この場合、敷板鉄板３１，３２の側部が設置治
具２１のフランジ部２３の外周をの上に重なることで、
この設置治具２１を地面Ｇの所定の位置に固定する固定
手段を構成している。

【００２３】このように構成された設置装置を用いてオ
ールケーシング掘削機１１を設置するには、まず、図３
及び図４に示すように、設置治具２１における円筒部２
２の切欠部２４ａと２４ｂ，２５ａと２５ｂにそれぞれ
位置決め棒２６，２７を掛け渡し、この状態でタップ穴
２８に吊り下げ用治具を連結して図示しないクレーン装
置により吊り上げる。そして、クレーン装置を操作して
この設置治具２１を所定の掘削位置まで移動し、位置決
め棒２６，２７の交点が地面Ｇに予め描かれた掘削中心
Ｏに一致するように、この設置治具２１を下降して地面
Ｇに平面的に載置する。この状態で、位置決めされた設
置治具２１の周囲に、４つの敷板鉄板３１，３２を互い
に端部が重なると共に、設置治具２１のフランジ部２３
の外周部に重なるように枠状をなして敷設することで、
設置治具２１を地面Ｇの所定の位置に固定する。

【００２４】次に、図５に示すように、オールケーシン
グ掘削機１１をワイヤロープ１９によりクレーン装置の
フック２０を介して吊り上げて設置治具２１の上方に移
動し、吊下げ状態に保持してから下降する。そして、図
１に示すように、オールケーシング掘削機１１における
ベースプレート１２のガイド孔２９を設置治具２１の円
筒部２２の外周面に嵌合し、且つ、円筒部２２の外周面
に沿ってスライド下降させながら、各接地板１４を敷板
３０上に着座させ、所定の方法によりオールケーシング
掘削機１１を固定する。すると、オールケーシング掘削
機１１側のガイド孔２９の中心が保持するケーシングチ
ューブＳの中心と一致しているため、設置治具２１の円
筒部２２を介してこのケーシングチューブＳの中心と地
面Ｇ上の掘削中心Ｏとが一致することとなる。この場
合、オールケーシング掘削機１１の水平面における周方
向位置は、各接地板１４が敷板３０上に着座していれば
よく、高精度な位置決めは不要である。

【００２５】このように本実施形態の立坑掘削機の設置
装置にあっては、地面Ｇの所定の位置に固定された設置
治具２１に対してクレーン装置により吊下げたオールケ
ーシング掘削機１１を下降し、ベースプレート１２のガ
イド孔２９を設置治具２１の円筒部２２の外周面に沿っ
てスライド下降させながら、各接地板１４を敷板３０上
に着座させて固定するようにしている。従って、オール
ケーシング掘削機１１側の中心と地面Ｇの掘削中心Ｏと
を設置治具２１の円筒部２２により正確に一致させるこ
とができ、この場合、オールケーシング掘削機１１の周
方向では高精度な位置決めは不要となり、設置作業を容
易に短時間で行うことができ、作業性を向上できる。

【００２６】なお、上述の実施形態では、敷板鉄板３
１，３２を設置治具２１のフランジ部２３の外周部に重
ねることでこの設置治具２１を地面Ｇの所定の位置に固
定する固定手段としたが、設置治具２１を別途固定ピン
等によって固定するようにしてもよい。また、設置治具
２１の重量が十分に重ければ、その重量を固定手段とし
てもよい。

【００２７】即ち、図６に示すように、地面Ｇに予め描
かれた掘削中心の周囲に４つの敷板鉄板４１，４２を互
いに端部が重なるように枠状をなして掘削機用敷板４０
として敷設し、クレーン装置を操作して設置治具２１を
吊下げ、位置決め棒２６，２７の交点が地面Ｇに予め描
かれた掘削中心Ｏに一致するように、この設置治具２１
を下降して掘削機用敷板４０上に載置する。

【００２８】以上のように本発明の立坑掘削機の設置装
置及び方法を上述の第１実施形態として説明したが、本
発明はこの実施形態に限定されるものではなく、以降に
他の実施形態を説明する。なお、以降に説明する各実施
形態において、前述した実施形態で説明したものと同様
の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説
明は省略する。

【００２９】図７に本発明の第２実施形態に係る立坑掘
削機の設置装置を表すオールケーシング掘削機の設置状
態の概略、図８に掘削機用敷板の平面視を示す。

【００３０】図７及び図８に示すように、オールケーシ
ング掘削機１１を設置するために地面を敷設する掘削機
用敷板５０は１枚の平鉄板からなり、四隅に各接地板１
４を位置決め保持する接地板受５１が形成されると共
に、左右の側部に連結突起５２が形成され、ベースプレ
ート１２の連結突起５３と連結部材５４により連結され
ている。また、掘削機用敷板５０の中央部に設置装置２
１の円筒部２２の外周面に嵌合するガイド手段としての
ガイド孔５５が形成されており、このガイド孔５５は、
その中心が保持されるケーシングチューブＳの中心と一
致するように形成されている。なお、ベースプレート１
２の中央部には前述した第１実施形態のガイド孔２９に
代えて円筒部２２より大きい開口５６が形成されてい
る。

【００３１】従って、予め、オールケーシング掘削機１
１の各接地板１４を接地板受５１にそれぞれ保持し、ベ
ースフレーム１２と掘削機用敷板５０とを連結部材５４
により連結しておく。そして、地面Ｇの所定の位置に位
置決め固定された設置治具２１に対してクレーン装置に
より吊下げたオールケーシング掘削機１１を下降し、掘
削機用敷板５０のガイド孔５５を設置治具２１の円筒部
２２の外周面に沿ってスライド下降させながら、敷板５
０を地面Ｇ上に着座させて固定する。このようにしてオ
ールケーシング掘削機１１側の中心と地面Ｇ上の掘削中
心とが設置治具２１等より適正に一致することとなり、
設置作業を容易に短時間で行うことができる。

【００３２】このように本実施形態の立坑掘削機の設置
装置にあっては、オールケーシング掘削機１１を位置決
めするために設置治具２１の円筒部２２の嵌合するガイ
ド孔５５をベースフレーム１２に連結した掘削機用敷板
５０に形成したことで、ベースフレーム１２にガイド孔
を高精度に形成する必要がなくなると共に、オールケー
シング掘削機１１と一緒に掘削機用敷板５０を設置する
ことができ、設置作業を短時間で行うことができる。

【００３３】図９に本発明の第３実施形態に係る立坑掘
削機の設置装置を表すオールケーシング掘削機の設置状
態の概略、図１０にガイド板の平面視を示す。

【００３４】図９及び図１０に示すように、オールケー
シング掘削機１１を設置するために地面を敷設する掘削
機用敷板６０は１枚の平鉄板からなり、中央部にケーシ
ングチューブＳよりも大きい開口６１が形成されてい
る。このオールケーシング掘削機１１を位置決めするた
めのガイド板６２は平鉄板からなり、四隅に各接地板１
４が貫通する貫通孔６３が形成されると共に、四方の側
部にベースフレーム１２との位置決めを行う位置決め片
６４が固定されている。また、ガイド板６２の左右の側
部には連結突起６５が形成され、ベースプレート１２の
連結突起６６と連結部材６７により連結されている。そ
して、ガイド板６０の中央部に設置装置２１の円筒部２
２の外周面に嵌合するガイド手段としてのガイド孔６８
が形成されている。

【００３５】従って、予め、オールケーシング掘削機１
１のベースフレーム１２に位置決め片６４によってガイ
ド板６２を位置決めし、ベースフレーム１２とガイド板
６２とを連結部材６７により連結しておく。そして、地
面Ｇに敷設された掘削機用敷板６０上に位置決め固定さ
れた設置治具２１に対して、クレーン装置により吊下げ
たオールケーシング掘削機１１を下降し、ガイド板６２
のガイド孔６８を設置治具２１の円筒部２２の外周面に
沿ってスライド下降させながら、接地板１４を敷板６０
上に着座させて固定する。このようにしてオールケーシ
ング掘削機１１側の中心と地面Ｇ上の掘削中心とが設置
治具２１等より適正に一致することとなり、設置作業を
容易に短時間で行うことができる。

【００３６】このように本実施形態の立坑掘削機の設置
装置にあっては、オールケーシング掘削機１１を位置決
めするために設置治具２１の円筒部２２の嵌合するガイ
ド孔５５をベースフレーム１２に連結したガイド用６２
に形成したことで、ベースフレーム１２や敷板６０にガ
イド孔を高精度に形成する必要がなくなる。

【００３７】図１１に本発明の第４実施形態に係る立坑
掘削機の設置装置を表すオールケーシング掘削機の設置
状態の概略、図１２にオールケーシング掘削機の設置状
態の平面視を示す。

【００３８】図１１及び図１２に示すように、設置治具
７１は円筒形状をなしており、上端部には切欠部７２
ａ，７２ｂ，７３ａ，７３ｂが形成されており、対向す
る各切欠部７２ａと７２ｂ，７３ａと７３ｂに位置決め
棒７４，７５を掛け渡すことができる。そして、この設
置治具７１は地面Ｇに載置された状態で、外周面に接触
すると共に地面に貫入固定した複数の固定部材としての
複数の固定ピース７６及び固定ピン７７により固定する
ことができる。また、オールケーシング掘削機１１を設
置するための掘削機用敷板７８は１枚の平鉄板からな
り、中央部にケーシングチューブＳよりも大きい開口７
９が形成されている。更に、オールケーシング掘削機１
１ベースフレーム１２の中央部には設置装置７１の外周
面に嵌合するガイド孔２９が形成されている。

【００３９】従って、まず、設置治具７１の切欠部７２
ａと７２ｂ，７３ａと７３ｂにそれぞれ位置決め棒７
４，７５を掛け渡し、この状態で図示しないクレーン装
置により吊り上げ、この設置治具７１を所定の掘削位置
まで移動し、位置決め棒７４，７５の交点が地面Ｇに予
め描かれた掘削中心Ｏに一致するように、この設置治具
７１を下降して地面Ｇに平面的に載置する。この状態
で、位置決めされた設置治具７１の外周面の４ヵ所に接
触するように固定ピース７６を配置し、各固定ピース７
６を固定ピン７７によって地面Ｇに固定し、その周囲に
掘削機用敷板７８を敷設する。次に、地面Ｇに位置決め
固定された設置治具７１に対して、クレーン装置により
吊下げたオールケーシング掘削機１１を下降し、ベース
フレーム１２のガイド孔２９を設置治具７１の外周面に
沿ってスライド下降させながら、接地板１４を敷板７８
上に着座させて固定する。このようにしてオールケーシ
ング掘削機１１側の中心と地面Ｇ上の掘削中心とが設置
治具７１等より適正に一致することとなり、設置作業を
容易に短時間で行うことができる。

【００４０】このように本実施形態の立坑掘削機の設置
装置にあっては、設置治具７１を単なる円筒として複数
の固定ピース７６及び固定ピン７７により地面Ｇに固定
するようにしたことで、設置治具７１の構成を簡素化し
て製造コストを低減できる。なお、設置治具７１の固定
部材として複数の固定ピース７６及び固定ピン７７を用
いたが、固定ピース７６の下端部をテーパ状として直接
地面Ｇに貫入するようにしてもよく、また、固定ピン７
７のみを直接地面Ｇに貫入するようにしてもよく、更
に、その数は設置治具７１の大きさや地面の硬度により
適宜設定すればよい。

【００４１】図１３に本発明の第５実施形態に係る立坑
掘削機の設置装置を表すオールケーシング掘削機の設置
状態の概略を示す。

【００４２】図１３に示すように、設置治具８１は円筒
形状をなしており、下端部に地面Ｇに貫入可能なテーパ
部８２が形成される一方、上端部に図示しない位置決め
棒を掛け渡すことができる切欠部８３が形成されてい
る。この場合、テーパ部８２を地面Ｇに貫入させること
で固定手段を構成している。

【００４３】従って、まず、設置治具８１の切欠部８３
に位置決め棒を掛け渡し、この状態で図示しないクレー
ン装置により吊り上げ、この設置治具８１を所定の掘削
位置まで移動し、位置決め棒の交点が地面Ｇに予め描か
れた掘削中心Ｏに一致するように、この設置治具８１を
下降して地面Ｇに平面的に載置する。この状態で、位置
決めされた設置治具８１のテーパ部８２を図示しない打
込治具により地面Ｇに貫入することで固定し、その周囲
に掘削機用敷板７８を敷設する。次に、地面Ｇに位置決
め固定された設置治具８１に対して、クレーン装置によ
り吊下げたオールケーシング掘削機１１を下降し、ベー
スフレーム１２のガイド孔２９を設置治具７１の外周面
に沿ってスライド下降させながら、接地板１４を敷板７
８上に着座させて固定する。このようにしてオールケー
シング掘削機１１側の中心と地面Ｇ上の掘削中心とが設
置治具８１等より適正に一致することとなり、設置作業
を容易に短時間で行うことができる。

【００４４】このように本実施形態の立坑掘削機の設置
装置にあっては、設置治具８１にテーパ部８２が形成し
て固定手段を一体化したことで、設置治具８１の構成を
簡素化して製造コストを低減できる。

【００４５】なお、上述した各実施形態にて、設置治
具、位置決め手段、固定手段、立坑掘削機用敷板、ガイ
ド手段等を各種の形状を用いて説明したが、その組み合
わせは上述の実施形態に限定されるものではなく、その
用途などに応じて組み合わせの変更を行ってもよい。

【００４６】また、上述した各実施形態において、設置
治具の円筒部分の少なくとも上端部をテーパ形状とする
ことで、オールケーシング掘削機側のガイド孔の嵌合が
容易とすることができる。また、設置治具の円筒部分の
外周面にオールケーシング掘削機側のガイド孔を嵌合し
たが、オールケーシング掘削機側のガイド手段は孔出な
くてもよく、例えば、３つ以上のガイド部材であっても
よい。この場合、設置治具の円筒部分の内周面に係合さ
せてもよい。更に、設置治具の位置決め手段として設置
治具の切欠部に２つの位置決め棒を掛け渡したが、設置
治具の円筒部分の内側直径と同じ長さの２つの位置決め
棒を中心で連結して位置決め治具を構成し、この位置決
め治具を設置治具の円筒部分の内側に嵌合させてもよ
い。また、この設置治具の位置決め手段として２つの位
置決め棒を用いたが、糸を十字に張ってもよい。

【００４７】

【発明の効果】以上、実施形態において詳細に説明した
ように請求項１の発明の立坑掘削機の設置装置によれ
ば、ケーシングチューブよりも大径の円筒部を有する設
置治具と、この円筒部の中心と地面上の掘削中心とが一
致するように設置治具を地面に位置決めする位置決め手
段と、設置治具を地面の所定の位置に固定する固定手段
と、設置治具の周辺の地面に敷設する立坑掘削機用敷板
と、立坑掘削機側に設けられて設置治具の円筒部の外周
面あるいは内周面に係合して立坑掘削機を位置決めする
ガイド手段とを設けたので、立坑掘削機側の中心と地面
側の掘削中心とを設置治具により正確に一致させること
ができると共に、立坑掘削機の周方向の高精度な位置決
めが不要となり、設置作業を容易に短時間で行うことで
設置作業性の向上を図ることができる。

【００４８】また、請求項２の発明の立坑掘削機の設置
装置によれば、設置治具の円筒部の外周にフランジ部を
設け、このフランジ部上に立坑掘削機用敷板を載置して
固定手段としたので、立坑掘削機用敷板を固定手段とし
て兼用したことで、別途固定手段を設ける必要がなくな
って部品コストを低減することができる。

【００４９】また、請求項３の発明の立坑掘削機の設置
装置によれば、位置決め手段を、円筒部の中心を通過す
る２つの交線と交差する円筒部の上端縁部に形成された
２組の切欠部と、この２組の切欠部にそれぞれ掛け渡さ
れた２つの位置決め棒とで構成したので、簡単な部材で
円筒部の中心と地面上の掘削中心とを一致させることが
でき、また、位置決め棒が着脱自在であるためにその後
の作業の邪魔にならず、作業性の向上を図ることができ
る。

【００５０】また、請求項４の発明の立坑掘削機の設置
装置によれば、ガイド手段を立坑掘削機の支持フレーム
に形成されて円筒部の外周面に嵌合するガイド孔とした
ので、設置治具の円筒部の外周面にガイド孔を容易に嵌
合させることができ、位置決め作業の作業性の向上を図
ることができる。

【００５１】また、請求項５の発明の立坑掘削機の設置
装置によれば、立坑掘削機の支持フレームの下部に連結
部材によって立坑掘削機用敷板を連結し、この立坑掘削
機用敷板にガイド手段として円筒部の外周面に嵌合する
ガイド孔を形成したので、立坑掘削機用敷板にガイド孔
を形成したことで、立坑掘削機側にガイド孔を高精度に
形成する必要がなくなると共に、立坑掘削機と一緒に掘
削機用敷板を設置することができ、設置作業を短時間で
行うことができる。

【００５２】また、請求項６の発明の立坑掘削機の設置
装置によれば、固定手段を設置治具の円筒部の外周面に
接触すると共に地面に貫入固定した複数の固定部材とし
たので、設置治具の構成を簡素化することで製造コスト
を低減することができる。

【００５３】また、請求項７の発明の立坑掘削機の設置
装置によれば、設置治具の円筒部の下端部を地面に貫入
して固定手段を構成したので、設置治具の構成及び固定
手段を簡素化することで製造コストを低減することがで
きる。

【００５４】また、請求項８の発明の立坑掘削機の設置
方法によれば、円筒部の中心が地面上の掘削中心に一致
するように設置治具を平面的に固定設置し、次に、立坑
掘削機を設置治具の上方に吊下げ状態に保持し、立坑掘
削機のガイド部を円筒部の外周面あるいは内周面に沿っ
てスライド下降させながら、立坑掘削機の脚部を地面上
に着座した後に固定するようにしたので、立坑掘削機側
の中心と地面側の掘削中心とを設置治具により正確に一
致させることができると共に、立坑掘削機の周方向の高
精度な位置決めが不要となり、設置作業を容易に短時間
で行うことで設置作業性の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施形態に係る立坑掘削機の設置
装置を表すオールケーシング掘削機の設置状態の概略図
である。

【図２】オールケーシング掘削機の設置状態の平面図で
ある。

【図３】設置治具の平面図である。

【図４】図３のIV−IV断面図である。

【図５】オールケーシング掘削機の設置方法を表す概略
図である。

【図６】設置治具の他の載置例を表す概略図である。

【図７】本発明の第２実施形態に係る立坑掘削機の設置
装置を表すオールケーシング掘削機の設置状態の概略図
である。

【図８】掘削機用敷板の平面図である。

【図９】本発明の第３実施形態に係る立坑掘削機の設置
装置を表すオールケーシング掘削機の設置状態の概略図
である。

【図１０】ガイド板の平面図である。

【図１１】本発明の第４実施形態に係る立坑掘削機の設
置装置を表すオールケーシング掘削機の設置状態の概略
図である。

【図１２】オールケーシング掘削機の設置状態の平面図
である。

【図１３】本発明の第５実施形態に係る立坑掘削機の設
置装置を表すオールケーシング掘削機の設置状態の概略
図である。

【符号の説明】

１１ オールケーシング掘削機（立坑掘削機） １２ ベースプレート １４ 接地板 １９ ワイヤロープ ２０ フック ２１ 設置治具 ２２ 円筒部 ２３ フランジ部 ２４ａ，２４ｂ，２５ａ，２５ｂ 切欠部（位置決め手
段） ２６，２７ 位置決め棒（位置決め手段） ２９ ガイド孔（ガイド手段） ３０ 掘削機用敷板（固定手段） ４０ 掘削機用敷板 ５０ 掘削機用敷板 ５５ ガイド孔（ガイド手段） ６０ 掘削機用敷板 ６２ ガイド板 ６８ ガイド孔（ガイド手段） ７１ 設置治具 ７２ａ，７２ｂ，７３ａ，７３ｂ 切欠部（位置決め手
段） ７４，７５ 位置決め棒（位置決め手段） ７６ 固定ピース（固定手段） ７７ 固定ピン（固定手段） ７８ 掘削機用敷板 ８１ 設置治具 ８２ テーパ部（固定手段） ８３ 切欠部（位置決め手段） Ｓ ケーシングチューブ Ｇ 地面

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 掘 國彦 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目１番１ 号 株式会社エムエイチアイ地中建機エン ジニアリング内

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ケーシングチューブよりも大径の円筒部
   を有する設置治具と、該円筒部の中心と地面上の掘削中
   心とが一致するように該設置治具を地面に位置決めする
   位置決め手段と、前記設置治具を地面の所定の位置に固
   定する固定手段と、前記設置治具の周辺の地面に敷設す
   る立坑掘削機用敷板と、該立坑掘削機側に設けられて前
   記設置治具の円筒部の外周面あるいは内周面に係合して
   該立坑掘削機を位置決めするガイド手段とを具えたこと
   を特徴とする立坑掘削機の設置装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載の立坑掘削機の設置装置に
   おいて、前記設置治具は前記円筒部の外周にフランジ部
   を有し、該フランジ部上に前記立坑掘削機用敷板を載置
   することで前記固定手段を構成することを特徴とする立
   坑掘削機の設置装置。
3. 【請求項３】 請求項１記載の立坑掘削機の設置装置に
   おいて、前記位置決め手段は、前記円筒部の中心を通過
   する２つの交線と交差する前記円筒部の上端縁部に形成
   された２組の切欠部と、該２組の切欠部にそれぞれ掛け
   渡された２つの位置決め棒とを有することを特徴とする
   立坑掘削機の設置装置。
4. 【請求項４】 請求項１記載の立坑掘削機の設置装置に
   おいて、前記ガイド手段は、前記立坑掘削機の支持フレ
   ームに形成されて前記円筒部の外周面に嵌合するガイド
   孔であることを特徴とする立坑掘削機の設置装置。
5. 【請求項５】 請求項１記載の立坑掘削機の設置装置に
   おいて、前記立坑掘削機の支持フレームの下部に連結部
   材によって前記立坑掘削機用敷板が連結され、該立坑掘
   削機用敷板に前記ガイド手段として前記円筒部の外周面
   に嵌合するガイド孔が形成されたことを特徴とする立坑
   掘削機の設置装置。
6. 【請求項６】 請求項１記載の立坑掘削機の設置装置に
   おいて、前記固定手段は、前記設置治具の円筒部の外周
   面に接触すると共に地面に貫入固定した複数の固定部材
   であることを特徴とする立坑掘削機の設置装置。
7. 【請求項７】 請求項１記載の立坑掘削機の設置装置に
   おいて、前記設置治具の円筒部の下端部を地面に貫入す
   ることで前記固定手段を構成することを特徴とする立坑
   掘削機の設置装置。
8. 【請求項８】 まず、円筒部の中心が地面上の掘削中心
   に一致するように設置治具を平面的に固定設置し、次
   に、立坑掘削機を該設置治具の上方に吊下げ状態に保持
   し、該立坑掘削機のガイド部を前記円筒部の外周面ある
   いは内周面に沿ってスライド下降させながら、該立坑掘
   削機の脚部を地面上に着座した後に固定することを特徴
   とする立坑掘削機の設置方法。