JP2001131782A - 均質エッチング性を有するアルミニウム箔 - Google Patents
均質エッチング性を有するアルミニウム箔Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 未エッチ部の発生しにくい均質エッチング性
を有するアルミニウム箔を提供する。 【解決手段】 このアルミニウム箔2は、温度500℃
以上で最終焼鈍されたものである。箔2表面には、直径
1〜5μmの金属粉であって、且つCa,Mg,Si,
Fe及びNaよりなる群から選ばれた少なくとも2種以
上の元素を含有する金属粉が実質的に存在しない。この
箔2にエッチング処理することによって、電解コンデン
サ用電極を得る。また、箔2を基板1に貼合し、箔2面
に所定形状のマスキング3を施した後、エッチングする
ことにより、基板1上に所定形状の回路を形成したプリ
ント配線板を得る。 【効果】 箔2表面に、直径1〜5μmの特定の金属粉
が存在しないため、エッチング処理しても、未エッチ部
5が発生しない。従って、電解コンデンサ用電極に未エ
ッチ部がなく、安心して、コンデンサに組み込める。
を有するアルミニウム箔を提供する。 【解決手段】 このアルミニウム箔2は、温度500℃
以上で最終焼鈍されたものである。箔2表面には、直径
1〜5μmの金属粉であって、且つCa,Mg,Si,
Fe及びNaよりなる群から選ばれた少なくとも2種以
上の元素を含有する金属粉が実質的に存在しない。この
箔2にエッチング処理することによって、電解コンデン
サ用電極を得る。また、箔2を基板1に貼合し、箔2面
に所定形状のマスキング3を施した後、エッチングする
ことにより、基板1上に所定形状の回路を形成したプリ
ント配線板を得る。 【効果】 箔2表面に、直径1〜5μmの特定の金属粉
が存在しないため、エッチング処理しても、未エッチ部
5が発生しない。従って、電解コンデンサ用電極に未エ
ッチ部がなく、安心して、コンデンサに組み込める。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エッチング時に均
質に溶解しやすいアルミニウム箔に関するものである。
質に溶解しやすいアルミニウム箔に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム箔は種々の用途に用いられ
ており、特に、エッチング処理する用途に好適に用いら
れている。具体的には、電解コンデンサ電極用やプリン
ト配線板の回路形成用に好適に用いられている。電解コ
ンデンサ電極用に適用する場合には、アルミニウム箔に
直流又は交流エッチングを施すことにより、アルミニウ
ム箔表面に多数のエッチングピットを形成し、アルミニ
ウム箔の表面積を拡大して、静電容量の高い電極箔を得
るのである。また、プリント配線板の回路形成用に適用
する場合には、基板1上にアルミニウム箔2を貼合し、
アルミニウム箔2表面に所定形状のマスキング3を施し
た後、エッチング処理し、非マスキング部4において露
出しているアルミニウム箔2を溶解除去して、マスキン
グ3の形状に合致した回路を持つプリント配線板を得る
のである。
ており、特に、エッチング処理する用途に好適に用いら
れている。具体的には、電解コンデンサ電極用やプリン
ト配線板の回路形成用に好適に用いられている。電解コ
ンデンサ電極用に適用する場合には、アルミニウム箔に
直流又は交流エッチングを施すことにより、アルミニウ
ム箔表面に多数のエッチングピットを形成し、アルミニ
ウム箔の表面積を拡大して、静電容量の高い電極箔を得
るのである。また、プリント配線板の回路形成用に適用
する場合には、基板1上にアルミニウム箔2を貼合し、
アルミニウム箔2表面に所定形状のマスキング3を施し
た後、エッチング処理し、非マスキング部4において露
出しているアルミニウム箔2を溶解除去して、マスキン
グ3の形状に合致した回路を持つプリント配線板を得る
のである。
【0003】以上の如き、エッチング処理する用途にお
いては、当然に均質にエッチングしうることが重要であ
る。例えば、電解コンデンサ用電極において、不均質に
エッチングされた箇所では、静電容量が不十分となる。
また、プリント配線板の場合には、溶解除去すべき箇所
で、十分にアルミニウム箔が溶解除去されず、回路が短
絡する恐れがある。
いては、当然に均質にエッチングしうることが重要であ
る。例えば、電解コンデンサ用電極において、不均質に
エッチングされた箇所では、静電容量が不十分となる。
また、プリント配線板の場合には、溶解除去すべき箇所
で、十分にアルミニウム箔が溶解除去されず、回路が短
絡する恐れがある。
【0004】このため、従来より、均質にエッチング処
理しうるアルミニウム箔が、種々開発されている。例え
ば、アルミニウム箔の元素組成を工夫したり、アルミニ
ウム箔の製造工程における圧延方法や焼鈍方法等を工夫
することが行われている。このような工夫によって、概
ね、均質にエッチング処理しうるアルミニウム箔が得ら
れている。しかしながら、全く突然に或いは偶発的に、
エッチング処理が殆どされない箇所(未エッチ部)を持
つアルミニウム箔が得られてしまうということがあっ
た。例えば、全く同一の方法でアルミニウム箔を得て
も、一つのロットでは全く未エッチ部は無いのに、他の
ロットでは、未エッチ部が発見されるというようなこと
があった。
理しうるアルミニウム箔が、種々開発されている。例え
ば、アルミニウム箔の元素組成を工夫したり、アルミニ
ウム箔の製造工程における圧延方法や焼鈍方法等を工夫
することが行われている。このような工夫によって、概
ね、均質にエッチング処理しうるアルミニウム箔が得ら
れている。しかしながら、全く突然に或いは偶発的に、
エッチング処理が殆どされない箇所(未エッチ部)を持
つアルミニウム箔が得られてしまうということがあっ
た。例えば、全く同一の方法でアルミニウム箔を得て
も、一つのロットでは全く未エッチ部は無いのに、他の
ロットでは、未エッチ部が発見されるというようなこと
があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者等
は、このような未エッチ部が何故発生するのかについ
て、研究を行った。しかるに、このような未エッチ部
は、図1に示す如き状態で全体に満遍なく発生し、以下
のような特徴を有していることが判明した。第一に、一
個一個の未エッチ部5の大きさは、様々であるが、殆ど
は直径50μm〜300μmの範囲である。第二に、未
エッチ部は、目視によって確認しうるもので、光沢があ
る(エッチングされていないため、エッチング面に比べ
て艶がある。)。しかしながら、上記のように特徴点は
ある程度判明しているのであるが、その原因は全く解明
できなかった。
は、このような未エッチ部が何故発生するのかについ
て、研究を行った。しかるに、このような未エッチ部
は、図1に示す如き状態で全体に満遍なく発生し、以下
のような特徴を有していることが判明した。第一に、一
個一個の未エッチ部5の大きさは、様々であるが、殆ど
は直径50μm〜300μmの範囲である。第二に、未
エッチ部は、目視によって確認しうるもので、光沢があ
る(エッチングされていないため、エッチング面に比べ
て艶がある。)。しかしながら、上記のように特徴点は
ある程度判明しているのであるが、その原因は全く解明
できなかった。
【0006】ところが、本発明者等が、この未エッチ部
の元素組成を分析したところ、アルミニウム以外の元素
(例えば、Ca,Mg,Si,Fe,Naの少なくとも
2種以上)が大量に存在することが判明した。従って、
未エッチ部は、アルミニウム箔中にCa,Mg,Si,
Fe及びNaが混入していることが原因となって、生じ
るものであることが判明した。しかし、これらの元素
は、アルミニウム箔の製造環境中に存在しており、その
混入を完全に防止することは、現実的には困難である。
例えば、アルミニウム箔の圧延工程では、スチールロー
ル等が用いられ、このロールの磨耗により、Fe等を含
有する金属粉がアルミニウム箔表面に付着するし、ま
た、洗浄工程では液中にNa,Ca,Mgが存在してお
り、これがアルミニウム箔表面に付着する。更には、作
業者に付着しているCa,Mg,Si,Fe,Na等の
元素を少なくとも2種以上含有する金属粉が、アルミニ
ウム箔表面に付着するということもある。
の元素組成を分析したところ、アルミニウム以外の元素
(例えば、Ca,Mg,Si,Fe,Naの少なくとも
2種以上)が大量に存在することが判明した。従って、
未エッチ部は、アルミニウム箔中にCa,Mg,Si,
Fe及びNaが混入していることが原因となって、生じ
るものであることが判明した。しかし、これらの元素
は、アルミニウム箔の製造環境中に存在しており、その
混入を完全に防止することは、現実的には困難である。
例えば、アルミニウム箔の圧延工程では、スチールロー
ル等が用いられ、このロールの磨耗により、Fe等を含
有する金属粉がアルミニウム箔表面に付着するし、ま
た、洗浄工程では液中にNa,Ca,Mgが存在してお
り、これがアルミニウム箔表面に付着する。更には、作
業者に付着しているCa,Mg,Si,Fe,Na等の
元素を少なくとも2種以上含有する金属粉が、アルミニ
ウム箔表面に付着するということもある。
【0007】そこで、本発明者等は、更に検討を進めた
結果、未エッチ部となるのは、一定の大きさの金属粉で
あって、且つCa,Mg,Si,Fe及びNaのうち、
少なくとも2種以上の元素を含有する金属粉がアルミニ
ウム箔表面に付着した場合に限られることを見出した。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものであ
る。
結果、未エッチ部となるのは、一定の大きさの金属粉で
あって、且つCa,Mg,Si,Fe及びNaのうち、
少なくとも2種以上の元素を含有する金属粉がアルミニ
ウム箔表面に付着した場合に限られることを見出した。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、温度5
00℃以上で最終焼鈍されたアルミニウム箔であって、
その表面に、Ca,Mg,Si,Fe及びNaよりなる
群から選ばれた少なくとも2種以上の元素を含有する金
属粉が実質的に存在しないことを特徴とする均質エッチ
ング性を有するアルミニウム箔に関するものである。
00℃以上で最終焼鈍されたアルミニウム箔であって、
その表面に、Ca,Mg,Si,Fe及びNaよりなる
群から選ばれた少なくとも2種以上の元素を含有する金
属粉が実質的に存在しないことを特徴とする均質エッチ
ング性を有するアルミニウム箔に関するものである。
【0009】本発明に係るアルミニウム箔は、アルミニ
ウム純度が99.9重量%以上の高純度アルミニウム箔
であるのが一般的である。アルミニウム純度が99.9
重量%未満であると、不純物の量が多くなりすぎて、例
えば、電解コンデンサ用電極箔を得る際、エッチング時
に過溶解を生じやすくなり、アルミニウム箔表面積の拡
大が図られないため、好ましくない。
ウム純度が99.9重量%以上の高純度アルミニウム箔
であるのが一般的である。アルミニウム純度が99.9
重量%未満であると、不純物の量が多くなりすぎて、例
えば、電解コンデンサ用電極箔を得る際、エッチング時
に過溶解を生じやすくなり、アルミニウム箔表面積の拡
大が図られないため、好ましくない。
【0010】また、本発明に係るアルミニウム箔は、5
00℃以上の温度で最終焼鈍されたものである。500
℃未満の温度で最終焼鈍した場合は、アルミニウム箔表
面に特定の金属粉が付着していたとしても、金属粉の元
素がアルミニウム箔中に拡散しにくく、金属粉がアルミ
ニウム箔表面に乗っているだけであり、エッチング時に
アルミニウム箔表面から脱離するため、未エッチ部が生
じにくい。即ち、500℃以上の温度で最終焼鈍する
と、アルミニウム箔表面に付着していた金属粉の元素
が、アルミニウム箔中に拡散して合金化され、エッチン
グ時にもそのまま残留し、未エッチ部が形成されるので
ある。なお、最終焼鈍の温度は、一般的には、500〜
580℃である。
00℃以上の温度で最終焼鈍されたものである。500
℃未満の温度で最終焼鈍した場合は、アルミニウム箔表
面に特定の金属粉が付着していたとしても、金属粉の元
素がアルミニウム箔中に拡散しにくく、金属粉がアルミ
ニウム箔表面に乗っているだけであり、エッチング時に
アルミニウム箔表面から脱離するため、未エッチ部が生
じにくい。即ち、500℃以上の温度で最終焼鈍する
と、アルミニウム箔表面に付着していた金属粉の元素
が、アルミニウム箔中に拡散して合金化され、エッチン
グ時にもそのまま残留し、未エッチ部が形成されるので
ある。なお、最終焼鈍の温度は、一般的には、500〜
580℃である。
【0011】本発明は、アルミニウム箔表面に、その大
きさが直径1μm以上で5μm以下の金属粉であって、
且つCa,Mg,Si,Fe及びNaよりなる群から選
ばれた少なくとも2種以上の元素を含有する金属粉が実
質的に存在しない点に最大の特徴を有する。1種の元素
のみを含有する金属粉(例えばFe粉)だけが存在して
いた場合には、全体に満遍なく未エッチ部が発生せず、
比較的大きな未エッチ部が周期的に一定間隔を置いて発
生する傾向となり、本発明の範囲外である。直径が5μ
mを超えると特定の金属粉が付着していても、例えば、
アルミニウム箔を得る際の洗浄工程においてブラシ等で
擦過することによって、容易に脱離しやすく、未エッチ
部が生じにくい。また、直径が1μm未満の金属粉が付
着していても、金属元素量が少なく、最終焼鈍でアルミ
ニウム箔中に拡散すれば、金属元素の濃度は低くなっ
て、未エッチ部が生じにくい。ここで、本発明におい
て、金属粉の直径とは、任意の形態の金属粉の周長を測
定し、それを円周率(π)で除したものである。なお、
本発明において、直径1〜5μmの金属粉が実質的に存
在しないという意味は、アルミニウム箔コイル(巻長は
数m〜数千m)中に、数カ所以上、このような金属粉が
存在しないという意味である。
きさが直径1μm以上で5μm以下の金属粉であって、
且つCa,Mg,Si,Fe及びNaよりなる群から選
ばれた少なくとも2種以上の元素を含有する金属粉が実
質的に存在しない点に最大の特徴を有する。1種の元素
のみを含有する金属粉(例えばFe粉)だけが存在して
いた場合には、全体に満遍なく未エッチ部が発生せず、
比較的大きな未エッチ部が周期的に一定間隔を置いて発
生する傾向となり、本発明の範囲外である。直径が5μ
mを超えると特定の金属粉が付着していても、例えば、
アルミニウム箔を得る際の洗浄工程においてブラシ等で
擦過することによって、容易に脱離しやすく、未エッチ
部が生じにくい。また、直径が1μm未満の金属粉が付
着していても、金属元素量が少なく、最終焼鈍でアルミ
ニウム箔中に拡散すれば、金属元素の濃度は低くなっ
て、未エッチ部が生じにくい。ここで、本発明におい
て、金属粉の直径とは、任意の形態の金属粉の周長を測
定し、それを円周率(π)で除したものである。なお、
本発明において、直径1〜5μmの金属粉が実質的に存
在しないという意味は、アルミニウム箔コイル(巻長は
数m〜数千m)中に、数カ所以上、このような金属粉が
存在しないという意味である。
【0012】本発明に係るアルミニウム箔の製造方法
は、従来公知の方法で行えば良い。但し、最終焼鈍前に
おいて、アルミニウム箔表面に所定の大きさの金属粉で
っあて、特定元素の組み合わせからなる金属粉が付着し
ないようにすることが重要である。最終焼鈍後におい
て、特定の金属粉が付着しても、これらはアルミニウム
箔表面に強固に付着しないため、エッチング時に容易に
脱離する。しかし、最終焼鈍前において、所定の大きさ
の特定の金属粉が付着していると、最終焼鈍によって、
アルミニウム箔表面に強固に付着すると共にアルミニウ
ム箔中に金属粉の元素が拡散し、エッチング時にも脱離
しなくなるのである。
は、従来公知の方法で行えば良い。但し、最終焼鈍前に
おいて、アルミニウム箔表面に所定の大きさの金属粉で
っあて、特定元素の組み合わせからなる金属粉が付着し
ないようにすることが重要である。最終焼鈍後におい
て、特定の金属粉が付着しても、これらはアルミニウム
箔表面に強固に付着しないため、エッチング時に容易に
脱離する。しかし、最終焼鈍前において、所定の大きさ
の特定の金属粉が付着していると、最終焼鈍によって、
アルミニウム箔表面に強固に付着すると共にアルミニウ
ム箔中に金属粉の元素が拡散し、エッチング時にも脱離
しなくなるのである。
【0013】最終焼鈍前において、アルミニウム箔表面
に、所定の大きさの特定の金属粉が付着しないようにす
るためには、主として、以下の工程で特定の手段を採用
する必要がある。即ち、圧延工程中の洗浄工程、最終焼
鈍工程前の圧延工程又は洗浄工程又はスリット工程にお
いて、特定の手段を採用する必要がある。特定の手段と
しては、圧延工程で用いる圧延油の濾過、洗浄工程で用
いる洗浄液の濾過、スリット工程で用いるスリット刃の
清掃、及び各工程で用いるロールの清掃等が挙げられ
る。この中でも、圧延油は直接アルミニウム箔表面に適
用されるので、その濾過は重要である。具体的には、1
〜5μmの異物を除去しうるフィルターを用いて、圧延
油を濾過することが重要である。例えば、25μm以上
の異物を除去しうるフィルターを備えた濾過器に圧延油
を通して、大きな異物を除去した後、次いで、5μm以
上の異物を除去しうるフィルターを備えた濾過器に圧延
油を通し、2〜25μmの異物を除去し、更に、1〜5
μmの異物を除去しうるフィルターを備えた濾過器に圧
延油を通し、1〜5μmの異物を除去し、その後、この
圧延油をアルミニウム箔表面に適用するのが良い。な
お、1〜5μmの異物を除去しうるフィルター材として
は、ケイソウ土等を用いて得られるフィルター材や、微
細繊維を集積してなる不織布等を用いることができる。
に、所定の大きさの特定の金属粉が付着しないようにす
るためには、主として、以下の工程で特定の手段を採用
する必要がある。即ち、圧延工程中の洗浄工程、最終焼
鈍工程前の圧延工程又は洗浄工程又はスリット工程にお
いて、特定の手段を採用する必要がある。特定の手段と
しては、圧延工程で用いる圧延油の濾過、洗浄工程で用
いる洗浄液の濾過、スリット工程で用いるスリット刃の
清掃、及び各工程で用いるロールの清掃等が挙げられ
る。この中でも、圧延油は直接アルミニウム箔表面に適
用されるので、その濾過は重要である。具体的には、1
〜5μmの異物を除去しうるフィルターを用いて、圧延
油を濾過することが重要である。例えば、25μm以上
の異物を除去しうるフィルターを備えた濾過器に圧延油
を通して、大きな異物を除去した後、次いで、5μm以
上の異物を除去しうるフィルターを備えた濾過器に圧延
油を通し、2〜25μmの異物を除去し、更に、1〜5
μmの異物を除去しうるフィルターを備えた濾過器に圧
延油を通し、1〜5μmの異物を除去し、その後、この
圧延油をアルミニウム箔表面に適用するのが良い。な
お、1〜5μmの異物を除去しうるフィルター材として
は、ケイソウ土等を用いて得られるフィルター材や、微
細繊維を集積してなる不織布等を用いることができる。
【0014】また、洗浄液も、アルミニウム箔表面に浸
漬又はスプレー等の手段で直接適用されるため、この濾
過も重要である。この濾過も、圧延油の場合と同様の要
領で行えば良い。更に、洗浄工程も、なるべく、1〜5
μmの金属粉が除去されるように、洗浄液の組成を工夫
したり、又はアルミニウム箔表面のブラッシング等を併
用したりするのが好ましい。また、すすぎでは、アルカ
リ洗浄又は有機溶剤洗浄で除去されなかった金属粉を除
去するため、高圧水で或いは大量の水ですすぎをするの
が好ましく、更にこの際、回転ブラシ等を用いてブラッ
シングするのも好ましい。このような洗浄は、圧延後の
アルミニウム箔に行うだけでなく、圧延途中のアルミニ
ウム箔でも行う方が好ましい。要するに、洗浄工程で、
1〜5μmの金属粉を物理的に或いは化学的に除去する
のである。更に、スリット刃やロールの清掃は、従来よ
り、行われていたことであるが、その清掃基準をより厳
しくしたり、或いは自動的に常に清掃されるような付属
装置を設けるのが良い。
漬又はスプレー等の手段で直接適用されるため、この濾
過も重要である。この濾過も、圧延油の場合と同様の要
領で行えば良い。更に、洗浄工程も、なるべく、1〜5
μmの金属粉が除去されるように、洗浄液の組成を工夫
したり、又はアルミニウム箔表面のブラッシング等を併
用したりするのが好ましい。また、すすぎでは、アルカ
リ洗浄又は有機溶剤洗浄で除去されなかった金属粉を除
去するため、高圧水で或いは大量の水ですすぎをするの
が好ましく、更にこの際、回転ブラシ等を用いてブラッ
シングするのも好ましい。このような洗浄は、圧延後の
アルミニウム箔に行うだけでなく、圧延途中のアルミニ
ウム箔でも行う方が好ましい。要するに、洗浄工程で、
1〜5μmの金属粉を物理的に或いは化学的に除去する
のである。更に、スリット刃やロールの清掃は、従来よ
り、行われていたことであるが、その清掃基準をより厳
しくしたり、或いは自動的に常に清掃されるような付属
装置を設けるのが良い。
【0015】以上のようにして得られたアルミニウム箔
は、従来公知の種々の用途に用いられるが、特に、エッ
チング処理を行う以下の用途に好適に用いられる。即
ち、エッチング処理によってアルミニウム箔表面の表面
積を拡大し、静電容量を向上させた電解コンデンサ用電
極として、好適に用いられる。また、基板に貼合した
後、アルミニウム箔にエッチング処理を施すことによっ
て回路を形成するプリント配線板として、好適に用いら
れる。
は、従来公知の種々の用途に用いられるが、特に、エッ
チング処理を行う以下の用途に好適に用いられる。即
ち、エッチング処理によってアルミニウム箔表面の表面
積を拡大し、静電容量を向上させた電解コンデンサ用電
極として、好適に用いられる。また、基板に貼合した
後、アルミニウム箔にエッチング処理を施すことによっ
て回路を形成するプリント配線板として、好適に用いら
れる。
【0016】
【実施例】以下、実施例に基づいて、本発明を説明する
が、本発明は実施例に限定されるものではない。本発明
は、1〜5μmの特定の金属粉がアルミニウム箔表面に
付着していると、外観上未エッチ部が発生するとの発見
に基づいてなされたものであるとして、解釈されるべき
である。
が、本発明は実施例に限定されるものではない。本発明
は、1〜5μmの特定の金属粉がアルミニウム箔表面に
付着していると、外観上未エッチ部が発生するとの発見
に基づいてなされたものであるとして、解釈されるべき
である。
【0017】実施例1 アルミニウム純度99.99%のアルミニウム鋳塊を準
備した。この鋳塊に、均質化処理、熱間圧延、冷間圧延
及び中間焼鈍を施して、厚さ0.5mmのアルミニウム
板を得た。その後、最終冷間圧延を施して、厚さ0.1
mmのアルミニウム箔を得た。最終冷間圧延工程におい
ては、アルミニウム板に適用される圧延油は、1〜5μ
mの異物を除去しうるフィルターで濾過したものを用い
た。そして、3%水酸化ナトリウム水溶液の洗浄液をア
ルミニウム箔表面にスプレーした後、その表面をブラッ
シングしながら、洗浄した。この際、洗浄液は、1〜5
μmの異物を除去しうるフィルターで濾過したものを用
いた。この後、アルミニウム箔を巻き取ってコイルと
し、アルゴンガス雰囲気下において、温度550℃保持
時間7時間で、最終焼鈍を行った。以上のようにして、
均質エッチング性を有するアルミニウム箔を得た。
備した。この鋳塊に、均質化処理、熱間圧延、冷間圧延
及び中間焼鈍を施して、厚さ0.5mmのアルミニウム
板を得た。その後、最終冷間圧延を施して、厚さ0.1
mmのアルミニウム箔を得た。最終冷間圧延工程におい
ては、アルミニウム板に適用される圧延油は、1〜5μ
mの異物を除去しうるフィルターで濾過したものを用い
た。そして、3%水酸化ナトリウム水溶液の洗浄液をア
ルミニウム箔表面にスプレーした後、その表面をブラッ
シングしながら、洗浄した。この際、洗浄液は、1〜5
μmの異物を除去しうるフィルターで濾過したものを用
いた。この後、アルミニウム箔を巻き取ってコイルと
し、アルゴンガス雰囲気下において、温度550℃保持
時間7時間で、最終焼鈍を行った。以上のようにして、
均質エッチング性を有するアルミニウム箔を得た。
【0018】実施例2 洗浄液として、3%水酸化ナトリウム水溶液に代えて、
ジクロロエチレンを使用した他は、実施例1と同様にし
て、均質エッチング性を有するアルミニウム箔を得た。
ジクロロエチレンを使用した他は、実施例1と同様にし
て、均質エッチング性を有するアルミニウム箔を得た。
【0019】比較例1 洗浄工程を経ない他は、実施例1と同様にして、アルミ
ニウム箔を得た。
ニウム箔を得た。
【0020】比較例2 ブラッシングを併用しない他は、実施例2と同様にし
て、アルミニウム箔を得た。
て、アルミニウム箔を得た。
【0021】実施例1、2及び比較例1、2で得られた
各アルミニウム箔に、以下の条件でエッチング処理を施
した。まず、40℃の0.1%NaOH水溶液中に、各
アルミニウム箔を、30秒間浸漬して前処理した。その
後、75℃の1モル濃度HCl+3モル濃度H2SO4水
溶液中に、10秒間浸漬した後、電流密度0.2A/c
m2で1分間電解エッチングし、次いで同組成の水溶液
中に1分間浸漬してエッチング処理を終えた。なお、水
溶液中におけるモル濃度は、mol/lのことを意味し
ている。
各アルミニウム箔に、以下の条件でエッチング処理を施
した。まず、40℃の0.1%NaOH水溶液中に、各
アルミニウム箔を、30秒間浸漬して前処理した。その
後、75℃の1モル濃度HCl+3モル濃度H2SO4水
溶液中に、10秒間浸漬した後、電流密度0.2A/c
m2で1分間電解エッチングし、次いで同組成の水溶液
中に1分間浸漬してエッチング処理を終えた。なお、水
溶液中におけるモル濃度は、mol/lのことを意味し
ている。
【0022】この結果、実施例1及び2で得られた均質
エッチング性を有するアルミニウム箔については、未エ
ッチ部は全く発生しなかった。これに対して、比較例1
及び2で得られたアルミニウム箔は、アルミニウム箔の
全体に多数の未エッチ部が発生した。
エッチング性を有するアルミニウム箔については、未エ
ッチ部は全く発生しなかった。これに対して、比較例1
及び2で得られたアルミニウム箔は、アルミニウム箔の
全体に多数の未エッチ部が発生した。
【0023】
【作用及び発明の効果】本発明に係る均質エッチング性
を有するアルミニウム箔は、その表面に直径1〜5μm
の特定の金属粉が存在しないため、エッチング処理した
とき、未エッチ部が発生しない。従って、本発明に係る
均質エッチング性を有するアルミニウム箔をエッチング
処理して得られた電解コンデンサ用電極は、光沢を持つ
未エッチ部が無いため、均質にエッチングされているこ
とが、外観上容易に確認でき、安心して使用しうるとい
う格別顕著な効果を奏する。また、本発明に係る均質エ
ッチング性を有するアルミニウム箔をエッチング処理し
て得られたプリント配線板についても、未エッチ部の箇
所やエッチング不良箇所が生じにくいため、安心して使
用しうるという格別顕著な効果を奏する。
を有するアルミニウム箔は、その表面に直径1〜5μm
の特定の金属粉が存在しないため、エッチング処理した
とき、未エッチ部が発生しない。従って、本発明に係る
均質エッチング性を有するアルミニウム箔をエッチング
処理して得られた電解コンデンサ用電極は、光沢を持つ
未エッチ部が無いため、均質にエッチングされているこ
とが、外観上容易に確認でき、安心して使用しうるとい
う格別顕著な効果を奏する。また、本発明に係る均質エ
ッチング性を有するアルミニウム箔をエッチング処理し
て得られたプリント配線板についても、未エッチ部の箇
所やエッチング不良箇所が生じにくいため、安心して使
用しうるという格別顕著な効果を奏する。
【図1】アルミニウム箔に未エッチ部が生じている一例
を示した概略斜視図である。
を示した概略斜視図である。
【図2】アルミニウム箔を用いてプリント配線板を作成
する際、マスキングが施された状態を示す概略側面図で
ある。
する際、マスキングが施された状態を示す概略側面図で
ある。
1 基板 2 アルミニウム箔 3 マスキング 4 非マスキング部 5 未エッチ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片岡 次雄 滋賀県草津市山寺町笹谷61−8 日本製箔 株式会社滋賀工場内 Fターム(参考) 4E351 BB01 BB30 DD10 GG11 4K053 PA10 PA11 PA13 QA05 QA07 RA08 RA22 RA35 RA37 SA04 SA06 SA17 TA02 TA03 TA04 TA06 TA13 YA07
Claims (3)
- 【請求項1】 温度500℃以上で最終焼鈍されたアル
ミニウム箔であって、その表面に、Ca,Mg,Si,
Fe及びNaよりなる群から選ばれた少なくとも2種以
上の元素を含有する直径1〜5μmの金属粉が実質的に
存在しないことを特徴とする均質エッチング性を有する
アルミニウム箔。 - 【請求項2】 請求項1記載の均質エッチング性を有す
るアルミニウム箔にエッチング処理して得られる電解コ
ンデンサ用電極。 - 【請求項3】 請求項1記載の均質エッチング性を有す
るアルミニウム箔を基板に貼合し、該アルミニウム箔面
に所定形状のマスキングを施した後、エッチングするこ
とにより、該基板上に所定形状の回路を形成したプリン
ト配線板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30750499A JP2001131782A (ja) | 1999-10-28 | 1999-10-28 | 均質エッチング性を有するアルミニウム箔 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30750499A JP2001131782A (ja) | 1999-10-28 | 1999-10-28 | 均質エッチング性を有するアルミニウム箔 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001131782A true JP2001131782A (ja) | 2001-05-15 |
Family
ID=17969889
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30750499A Pending JP2001131782A (ja) | 1999-10-28 | 1999-10-28 | 均質エッチング性を有するアルミニウム箔 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001131782A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11945008B2 (en) | 2018-03-27 | 2024-04-02 | Hydro Aluminum Rolled Products Gmbh | Roller cleaning method and roller cleaning machine |
-
1999
- 1999-10-28 JP JP30750499A patent/JP2001131782A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11945008B2 (en) | 2018-03-27 | 2024-04-02 | Hydro Aluminum Rolled Products Gmbh | Roller cleaning method and roller cleaning machine |
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060911 |
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A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20081117 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20081125 |
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