JP2001131414A - ヒドロシリル化反応方法 - Google Patents

ヒドロシリル化反応方法

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JP2001131414A
JP2001131414A JP31239099A JP31239099A JP2001131414A JP 2001131414 A JP2001131414 A JP 2001131414A JP 31239099 A JP31239099 A JP 31239099A JP 31239099 A JP31239099 A JP 31239099A JP 2001131414 A JP2001131414 A JP 2001131414A
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polymer
reaction
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hydrosilylation
plasticizer
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JP31239099A
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English (en)
Inventor
Keizo Hayashi
敬蔵 林
Naoki Furukawa
直樹 古川
Shigeru Hagimori
萩森  茂
Masahiro Tsujinaka
正博 辻中
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】常温で粘度の高い不飽和結合を有する重合体と
水素化珪素化合物とのヒドロシリル化反応に関する反応
促進方法。 【解決手段】不飽和結合を有する数平均分子量500〜
200000の重合体を水素化珪素によってヒドロシリ
ル化するにあたって、重合体に対し0.5重量部以下の
有機溶剤を用い、可塑剤を用いず、反応温度を50〜1
50℃にし、反応温度を高くして反応系の粘度を下げる
とともに反応時間を短縮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルケニル基(炭
素−炭素不飽和結合)含有重合体と水素化珪素化合物の
ヒドロシリル化反応に関する。
【0002】
【従来の技術】アルケニル基含有重合体と水素化珪素化
合物とを反応させる場合、アルケニル基含有重合体が比
較的高粘度である場合が多く、攪拌混合(流動状態)が
悪化することが一般に判っている。従来の方法では、攪
拌混合を良好な状態とするために、大量の非反応性の良
溶剤を用いて低粘度の液状態にし、加熱下に水素化珪素
化合物と無溶剤もしくは少量の溶剤で希釈したヒドロシ
リル化触媒とを混合し反応させ、反応後に溶剤を留去し
て目的物を得ている。そのため、溶剤を留去したり回収
したりする工程が必要となるため設備が大型化し、溶剤
回収ロスにより原単位が高くなるという課題があった。
【0003】特開平07−165817号では反応系の
粘度を低下させるために可塑剤(可塑剤とは、高分子製
品中に添加される不揮発性の液状物質である)を用いる
ことにより攪拌混合状態の改善を図る試みがなされてい
る。しかし、可塑剤を仕込むことにより、反応系の仕込
み量が増大し、反応器の利用効率が低下し、可塑剤中の
不純物により反応速度が安定しないという課題があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、重合
体のヒドロシリル化反応を効率よくおこなうことにあ
る。具体的には、比較的コンパクトな設備で、高濃度で
反応をおこなうことが可能で、かつ反応速度を安定させ
ることのできる製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような現状
に鑑み、上記課題を解決するため本発明者らが鋭意検討
を重ねた末に、(A)1分子中に少なくとも1個のアル
ケニル基を有し、かつ数平均分子量が500〜200,
000である重合体と、(B)一般式: RabcSi(式中、Rは炭素数1〜20のアルキル
基、アリール基またはトリオルガノシロキシ基であり、
aが2以上の場合Rはそれぞれ同じでも異なっていても
よい。Xはハロゲン、アルコキシ基、アシロキシ基また
は水酸基であり、bが2以上の場合Xはそれぞれ同じで
も異なっていてもよい。a、bは0〜3の整数、cは1
〜3の整数で、a+b+c=4となる。)で表される水
素化珪素化合物と、(C)(A)の重合体100部に対
し、0.5重量部以下の有機溶剤とを、(D)実質的に
可塑剤を用いることなく、(E)50〜150℃の温度
で、反応させることを特徴とするヒドロシリル化反応方
法によって上述の課題が解決できることを見出しに本発
明に至ったものである。
【0006】(A)成分の重合体は、主鎖が飽和炭化水
素で構成されることが好ましく、主鎖を構成する繰り返
し単位がイソブチレンに起因する単位であることがさら
に好ましい。
【0007】(A)成分の重合体の主鎖が水添ポリブタ
ジエン、水添ポリイソプレンであることも好ましい。
【0008】また、本発明においては、ヒドロシリル化
反応を、酸化防止剤の存在下でおこない、ヒドロシリル
化反応時の気相部に酸素を0.1%以上含有させること
が好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明をさらに具体的に説明す
る。
【0010】本発明では反応温度を50から150℃に
することが重要である。反応温度を高くすることで
(A)成分である重合体の粘度を適切な領域まで下げる
ことが可能になると同時に反応時間の短縮が可能となり
好適である。反応温度の高い方が(A)成分重合体の粘
度を低くでき好ましいが、あまり反応温度を高くすると
(A)成分重合体の主鎖が切断されることがある。反応
温度は、80〜130℃が好ましく、特に90〜120
℃が好適である。
【0011】反応温度を高くすることで本発明のヒドロ
シリル化反応は無可塑剤系でおこなうことが容易とな
る。特開平07−165817号ではアルケニル基(炭
素−炭素不飽和結合)含有重合体の反応系の粘度を低下
させるために、可塑剤(可塑剤とは、高分子製品中に添
加される不揮発性の液状物質である)を用いることが推
奨されているが、可塑剤に含有される不純物がヒドロシ
リル化を阻害することがある。例えば、可塑剤に含有さ
れる不純物には窒素化合物、イオウ化合物などがあり、
反応液全体重量の30ppm以上含有されると反応を阻
害することが多い。
【0012】本発明の(A)成分である、1分子中に少
なくとも1個のアルケニル基を含有し、かつ数平均分子
量が500〜200,000である重合体としては、
(B)成分とのヒドロシリル化反応が可能なヒドロシリ
ル化活性のあるアルケニル基を有していれば特に制限は
なく、各種の重合体を用いることができる。1分子中に
存在するアルケニル基の数は少なくとも1.1個以上で
あり、10.0個程度まで有するものが好ましい。この
アルケニル基の具体的な例としては、ビニル基、アリル
基などであり、アリルエーテル基として存在するもので
も良く、分子末端にあるものでも分子中にあるものでも
良い。重合体の数平均分子量は500〜200,000
であるものが好適に使用できるが、好ましくは1,00
0〜100,000であり、特に5,000〜50,0
00である。また、重合体の製造方法について特に制限
はなく、任意の製造方法で製造された重合体がすべて有
効に適用できる。なお本発明における重合体の数平均分
子量は、クロロホルムを移動相とするGPC(ポリスチ
レン換算値)により求めることができる。
【0013】本発明に使用する(A)成分の重合体を構
成する主鎖は、線状でも、枝分かれ状でも良く、特に制
限はないが、不飽和単量体、特に不飽和炭化水素の重合
によって形成されたものが好ましい。本発明方法の目的
物である官能基含有重合体の工業的利用価値を勘案する
と、主鎖が飽和炭化水素で構成されていることが耐熱性
や耐候性の面から好ましい。その中でも主鎖がイソブチ
レンに基づく繰り返し単位を有するポリイソブチレンや
水素添加ポリブタジエン、水素添加ポリイソプレンで構
成されているものが特に好ましい。これらの主鎖を有す
る重合体は常温で比較的高粘度であるので、上述の課題
を抱えており、本発明の目的を達成するのに特に適して
いるといえる。
【0014】本発明に使用する(B)成分の水素化珪素
化合物は(1)式で表わされる。 RabcSi (1) (式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基
またはトリオルガノシロキシ基であり、aが2以上の場
合Rはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。Xはハロ
ゲン、アルコキシ基、アシロキシ基または水酸基であ
り、bが2以上の場合Xはそれぞれ同じでも異なってい
てもよい。a、bは0〜3の整数、cは1〜3の整数
で、a+b+c=4となる。) 本発明において一般式(1)で表される珪素化合物とし
ては、従来知られている化合物を特に制限無く用いるこ
とが出来るが、具体的には例えば、トリクロロシラン、
メチルジクロロシラン、ジメチルクロロシラン、トリメ
チルシロキシジクロロシランなどのハロゲン化シラン
類、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、ジメト
キシメチルシラン、メトキシジメチルシラン、ジメトキ
シフェニルシラン、1,3,3,5,5,7,7−ヘプ
タメチル−1,1−ジメトキシテトラシロキサンなどの
アルコキシシラン類、メチルジアセトキシシラン、トリ
メチルシロキシメチルアセトキシシランなどのアシロキ
シシラン類、ジメチルシラン、トリメチルシロキシメチ
ルシラン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサ
ン、1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサンなど
の分子中にSi−H結合を2個以上有するハイドロシラ
ン類、メチルジ(イソプロペニルオキシ)シランなどの
アルケニルオキシシラン類などが挙げられ、これらの中
では、メチルジクロロシラン、ジメトキシメチルシラ
ン、ジエトキシメチルシラン、トリメトキシシラン、ト
リエトキシシラン等を挙げることができるが、これらに
限定されるものではない。
【0015】これらの化合物の中では、ヒドロシリル化
反応における活性の高いトリクロルシラン、メチルジク
ロルシランなどのクロルシラン類が好ましいが、得られ
た官能基含有重合体の加水分解性がマイルドである点か
ら、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、ジメト
キシメチルシランなどのアルコキシシラン類が好まし
い。
【0016】また、上述の分子中に2個以上のSiH結
合を有するハイドロシラン類を用いる場合は、その使用
量によって(A)成分の分子量を2倍、3倍にするとい
う分子量増大のコントロールが可能になる面から好まし
い。
【0017】本発明の一般式(1)で表される珪素化合
物の使用量は、特に制限されるものではないが、通常、
アルケニル基1モルに対して0.1〜20モルである
が、0.5〜3モルであることが好ましい。
【0018】本発明の(A)成分と(B)成分を反応さ
せる際にはヒドロシリル化触媒を用いることが好まし
い。ヒドロシリル化触媒としては任意のもので良く、公
知のものがすべて使用できる。具体的には、コバルト、
ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジ
ウム、プラチナ(白金)を有するものであり、これらの
第8族金属の単体、金属塩あるいは有機化合物との錯体
として用いられる。例えば、白金の単体、アルミナ、シ
リカ、カーボンブラックなどの担体に固体白金を担持さ
せた担体上の白金金属、塩化白金酸、塩化白金酸とアル
コール、アルデヒド、ケトン等との錯体などの白金化合
物、白金−オレフィン錯体[例えばPt(CH2=C
22(PPh3)、Pt(CH2=CH22Cl2]、
白金−ビニルシロキサン錯体[Pt{(vinyl)M
2SiOSiMe2(vinyl)}、Pt{Me(v
inyl)SiO}4]、白金−ホスフィン錯体[Ph
(PPh34、Pt(PBu34]、白金−ホスファイ
ト錯体[Pt{P(OPh)34]等の白金錯体等が好
ましい。ジカルボニルジクロロ白金やAshbyの米国
特許第3159601号および3159662号明細書
中に記載された白金−炭化水素複合体、並びにLamo
reauxの米国特許第3220972号明細書中に記
載された白金−アルコラート触媒も好ましい。さらに、
Modicの米国特許第3516946号明細書中に記
載された塩化白金−オレフィン複合体も有効である。
【0019】また、白金化合物以外の触媒の例として
は、RhCl(PPh33、RhCl 3、Rh/Al2
3、RuCl3、IrCl3、FeCl3、AlCl3、P
dCl3、PdCl2・2H2O、NiCl2、TiCl4
などが挙げられる。
【0020】これらの触媒は単独で使用してもよいし、
2種以上を併用してもよい。触媒活性の点から、塩化白
金酸、白金−オレフィン錯体、白金−アセチルアセトナ
ート錯体、白金−ビニルシロキサン錯体が好ましい。
【0021】触媒の使用量には特に制限はないが、
(A)成分中のアルケニル基1モルに対して10-1〜1
-8モルの範囲で使用できる。好ましくは、10-3〜1
-6モルの範囲で使用するのが良い。触媒の量が10-8
モルより少ない場合は、ヒドロシリル化反応が十分に進
行しない恐れがある。また触媒の量が10-1モルより多
すぎると、ヒドロシリル化触媒は、一般に高価なので原
料コストが増大したり、腐食性があるため水素ガスが大
量に発生して硬化物が発泡したり、触媒残さの混入によ
り製品の着色や透明度の低下などの問題が発生する。
【0022】本発明においては、(A)の重合体100
部に対し、0.5重量部以下の有機溶剤を使用できる。
この有機溶剤は触媒を溶解し希釈することにより、触媒
を安定化し、触媒の取扱を容易にすることができる。好
ましい有機溶剤として、例えばベンゼン、トルエン、キ
シレン等の炭化水素系溶剤、あるいはハロゲン化炭化水
素、アルコール類、グリコール類、エーテル類、エステ
ル類等を挙げることができる。
【0023】本発明において、ヒドロシリル化反応をお
こなう際の反応器気相部は、窒素やヘリウムなどの不活
性ガスのみから成ってもよいし、酸素等が存在してもよ
い。
【0024】ヒドロシリル化反応をおこなう際には、可
燃性物質取り扱いの安全性の観点から反応器気相部は窒
素やヘリウムなどの不活性ガスの存在下で実施すること
がある。しかし、反応器気相部を窒素やヘリウムなどの
不活性ガスに置換した反応条件下でヒドロシリル化反応
をおこなった場合には、反応速度が低下する場合がある
という問題がある。気相部に酸素が存在すると、ヒドロ
シリル化が促進されることがある。本発明では、反応器
気相部の酸素濃度を、爆発性混合組成を与えない範囲に
設定することにより、酸素存在下で反応を促進しつつ、
安全にヒドロシリル化反応をおこなうことが可能であ
る。反応器気相部の酸素濃度は、通常0.1%以上であ
るが、0.5〜10%とすることが好ましい。
【0025】さらに本発明で気相部に酸素を導入する場
合には、反応溶媒や可塑剤が酸素により酸化されること
を抑えるために、酸化防止剤の存在下でヒドロシリル化
反応をおこなうことができる。酸化防止剤としては、ラ
ジカル連鎖禁止剤の機能を有するフェノール系酸化防止
剤、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレ
ゾール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、
2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、
2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−
ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−
メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’
−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノ
ール)、テトラキス{メチレン−3(3,5−ジ−te
rt−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト}メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒ
ドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタンなど
を用いることができる。同様のラジカル連鎖禁止剤とし
てアミン系酸化防止剤、例えば、フェニル−β−ナフチ
ルアミン、α−ナフチルアミン、N,N’−ジ−sec
−ブチル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、
N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミンなどを
用いることも出来るがこれらに限定されるものではな
い。
【0026】本発明においては硫黄化合物、好ましくは
硫黄単体を用いることができる。特開平11−8016
7に示されているように、硫黄化合物の添加量は、その
量が8族金属を含む触媒のモル数をにたいして0.1〜
10倍量、もしくはアルケニル基含有重合体のアルケニ
ル基のモル数に対して0.002〜0.1倍量、あるい
は反応液全体重量を基準として0.01〜500ppmで
あるような範囲とすることができる。
【0027】本発明によって得られる官能基含有重合体
は、たとえば、接着剤や粘着剤、塗料、シーリング剤、
防水材、型取り用材料、注型ゴム材料、吹き付け材など
の原料として用いられる。
【0028】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 特開昭63−105005の方法に準じて製造されたア
リル基末端ポリイソブチレン(分子量15000、重合
体1分子当たりのアリル基数が2.0)40kgとジメ
トキシメチルシラン1.4kgとを反応させる。触媒と
して、白金ビニルシロキサン錯体(0.0000083
1mmol/μLキシレン溶液)を2.8g添加した。
反応器の気相部分には酸素を5vol%含有する窒素を
圧力5atmまで仕込んだ。酸化防止剤として2,6−
ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを12g添加し
た。硫黄0.04gをトルエン40gで溶解し、反応器
に添加した。
【0029】ジメトキシメチルシランを添加して反応を
開始してから90℃にて8時間混合攪拌を継続した。
【0030】アリル基のヒドロシリル化反応転化率を評
価するために反応液のサンプルを採取して赤外分光光度
計によってアリル官能基の濃度を測定した結果、残存ア
リル基は検出されず従って反応転化率は100%であっ
た。このサンプルについて1H−NMR測定でジメトキ
シメチルシラン導入率を測定したところ、ポリマー1分
子当たり1.6個のシリル基が導入されていた。後述す
る比較例1に比べ反応速度が大幅に改善されたことがわ
かる。
【0031】こうして調整されたシリル基末端ポリマー
を縮合架橋させて定型(JIS3号ダンベル:幅5mm
×厚さ2mm)のゴム状硬化物を作製し、伸張試験によ
って硬化物モジュラスを評価した。縮合架橋はシリル基
末端ポリマーと可塑剤PS−32の混合物重量100に
対して水0.67及びオクチル酸錫2.5の重量比率で
混合して50℃にて20時間かけて硬化させた(ここ
で、シリル基末端ポリマーと可塑剤PS−32の混合比
は、重量比で100 :50である)。このゴム状硬化
物の引っ張り試験をして、50%伸張における引っ張り
応力は1.4kg/cm2であった。結果を表1にまと
めた。 実施例2 実施例1と同様の条件にて、ただし反応温度を100℃
としてヒドロシリル化反応を7時間実施した。
【0032】実施例1と同様に反応液のサンプルを採取
して残存アリル官能基の濃度を測定した結果、反応転化
率は100%であった。このサンプルについて、ジメト
キシメチルシラン導入率を測定したところ、ポリマー1
分子当たり1.5個のシリル基が導入されていた。こう
して調整されたシリル基末端ポリマーを縮合架橋させて
定型のゴム状硬化物を実施例1と同様にして作製し、伸
張試験によって硬化物モジュラスを評価した。このゴム
状硬化物の引っ張り試験をして、50%伸張における引
っ張り応力は1.3kg/cm2であった。結果を表1
にまとめた。 実施例3 実施例1と同様の条件にて、ただし反応温度を110℃
としてヒドロシリル化反応を6時間実施した。
【0033】実施例1と同様に反応液のサンプルを採取
して残存アリル官能基の濃度を測定した結果、反応転化
率は100%であった。このサンプルについて、ジメト
キシメチルシラン導入率を測定したところ、ポリマー1
分子当たり1.4個のシリル基が導入されていた。こう
して調整されたシリル基末端ポリマーを縮合架橋させて
定型のゴム状硬化物を実施例1と同様にして作製し、伸
張試験によって硬化物モジュラスを評価した。このゴム
状硬化物の引っ張り試験をして、50%伸張における引
っ張り応力は1.2kg/cm2であった。結果を表1
にまとめた。 比較例1 実施例1と同様の条件にて、ただし可塑剤PS−32を
20kg添加し、ヒドロシリル化反応を8時間実施し
た。
【0034】実施例1と同様に反応液のサンプルを採取
して残存アリル官能基の濃度を測定した結果、反応転化
率は70%であった。このサンプルについて、ジメトキ
シメチルシラン導入率を測定したところ、ポリマー1分
子当たり0.7個のシリル基が導入されていた。
【0035】さらにヒドロシリル化を継続して反応開始
から12時間後に反応液のサンプルを採取して残存アリ
ル官能基の濃度を測定した結果、反応転化率は90%で
あった。このサンプルについて、ジメトキシメチルシラ
ン導入率を測定したところ、ポリマー1分子当たり1.
2個のシリル基が導入されていた。こうして調整された
シリル基末端ポリマーを縮合架橋させて定型のゴム状硬
化物を実施例1と同様にして作製し、伸張試験によって
硬化物モジュラスを評価した。このゴム状硬化物の引っ
張り試験をして、50%伸張における引っ張り応力は
0.8kg/cm 2であった。結果を表1にまとめた。 比較例2 比較例1と同様の条件にて、ただし可塑剤PS−32の
製造ロットを変え、ヒドロシリル化反応を8時間実施し
た。
【0036】実施例1と同様に反応液のサンプルを採取
して残存アリル官能基の濃度を測定した結果、反応転化
率は60%であった。このサンプルについて、ジメトキ
シメチルシラン導入率を測定したところ、ポリマー1分
子当たり0.6個のシリル基が導入されていた。
【0037】さらにヒドロシリル化を継続して反応開始
から12時間後に反応液のサンプルを採取して残存アリ
ル官能基の濃度を測定した結果、反応転化率は80%で
あった。このサンプルについて、ジメトキシメチルシラ
ン導入率を測定したところ、ポリマー1分子当たり1.
0個のシリル基が導入されていた。こうして調整された
シリル基末端ポリマーを縮合架橋させて定型のゴム状硬
化物を実施例1と同様にして作製し、伸張試験によって
硬化物モジュラスを評価した。このゴム状硬化物の引っ
張り試験をして、50%伸張における引っ張り応力は
0.6kg/cm 2であった。結果を表1にまとめた。
【0038】
【表1】 本発明の方法でヒドロシリル化反応を行うと6〜8時間
での反応率が実施例1、2、3にてそれぞれ100%、
100%、95%であったが、比較例1、2においては
8時間での反応転化率はそれぞれ70%、60%と低
く、引き続き12時間まで反応を継続してそれぞれ90
%、80%となった。これによって本発明方法の効果が
示されている。
【0039】
【発明の効果】本発明の方法でアルケニル基を有する数
平均分子量が500〜200,000である重合体を反
応温度を50〜150℃として反応系の粘度を下げるこ
とにより、極僅かの有機溶剤を用い、実質的に可塑剤を
用いることなく、反応を安定化でき、反応速度も大幅に
改善されたヒドロシリル化を行うことが可能となる。ま
た、比較的コンパクトな設備で、高濃度で反応をおこな
うことが可能である。さらに、可塑剤を加える必要がな
いということは、製造原料を減らすことであり、本発明
は工業的に有利な製造法を提供するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 AC111 BB181 DA087 DA117 DD077 EA038 EB008 EC018 ED018 EH018 EJ029 EJ039 EJ049 EN069 EN079 EW067 EW177 EX026 EX036 EX046 EZ007 FD079 FD147 GH00 GJ00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)1分子中に少なくとも1個のアル
    ケニル基を有し、かつ数平均分子量が500から20
    0,000である重合体と、(B)一般式(1): RabcSi (1) (式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基
    またはトリオルガノシロキシ基であり、aが2以上の場
    合Rはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。Xはハロ
    ゲン、アルコキシ基、アシロキシ基または水酸基であ
    り、bが2以上の場合Xはそれぞれ同じでも異なってい
    てもよい。a、bは0〜3の整数、cは1〜3の整数
    で、a+b+c=4となる。)で表される水素化珪素化
    合物と、(C)(A)の重合体100部に対し、0.5
    重量部以下の有機溶剤とを、(D)実質的に可塑剤を用
    いることなく、(E)50〜150℃の温度で、反応さ
    せることを特徴とするヒドロシリル化反応方法。
  2. 【請求項2】 (A)成分の重合体の主鎖が飽和炭化水
    素で構成される請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 (A)成分の重合体の主鎖を構成する繰
    り返し単位がイソブチレンに起因する単位である請求項
    1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 (A)成分の重合体の主鎖が水添ポリブ
    タジエン、水添ポリイソプレンである請求項1に記載の
    方法。
  5. 【請求項5】 ヒドロシリル化反応を、酸化防止剤の存
    在下でおこない、ヒドロシリル化反応時の気相部に酸素
    を0.1%以上含有させる請求項1〜4記載の反応方
    法。
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