JP2001131227A - 変性共役ジエン系重合体、それを用いたゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

変性共役ジエン系重合体、それを用いたゴム組成物及び空気入りタイヤ

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JP2001131227A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カーボンブラックやシリカとの相互作用を高
め、優れた低発熱性を有するゴム組成物を与える変性共
役ジエン系重合体を提供すること。 【解決手段】 一般式(I) 【化1】 (式中、Aは炭素数1〜3のアルキレン基、Dは共役ジ
エン系重合体、nは0又は1を示す。)で表される共役
ジエン系重合体に結合してなる2−ヒドロキシ−1,3
−プロピレン基を有する有機基に、含窒素複素環式基が
その環中の少なくとも一つの窒素原子を介して結合した
構造を有する変性共役ジエン系重合体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、変性共役ジエン系
重合体、それを用いたゴム組成物及び空気入りタイヤに
関する。さらに詳しくは、本発明は、カーボンブラック
やシリカなどのゴム補強用充填材との相互作用を高め、
良好な破壊特性,耐摩耗性及び加工性を有すると共に、
特に優れた低発熱性(低燃費性)を有するゴム組成物を
与える変性共役ジエン系重合体、及びこのものを含む上
記特性を有するゴム組成物とそれを用いた空気入りタイ
ヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ゴム補強用充填材としては、カー
ボンブラックが多用されている。これは、カーボンブラ
ックが他の充填材に比べて、高い補強性と優れた耐摩耗
性を付与しうるからである。一方、近年の省エネルギー
の社会的な要請及び環境問題への関心の高まりに伴い、
自動車の燃料消費節約を目的として、タイヤ用ゴムの低
発熱化を図る場合、カーボンブラックの充填量減量、あ
るいは大粒径のカーボンブラックの使用が考えられる
が、いずれの場合も、補強性,耐摩耗性,湿潤路面での
グリップ性が低下するのを免れないことが知られてい
る。他方、低発熱性と湿潤路面でのグリップ性を両立さ
せる充填材として、含水ケイ酸(湿式シリカ)が知られ
ており、例えば特開平3−252431号公報,特開平
6−248116号公報,特開平7−70369号公
報,特開平7−188466号公報,特開平7−196
850号公報,特開平8−225684号公報,特開平
8−245838号公報,特開平8−337687号公
報など、数多くの特許が出願されている。
【0003】しかしながら、この湿式シリカは、その表
面官能基であるシラノール基の水素結合により粒子同士
が凝集する傾向にあり、ゴム中へのシリカ粒子の分散を
良くするために混練時間を長くする必要がある。また、
ゴム中へのシリカ粒子の分散が不十分なためゴム組成物
のムーニー粘度が高くなり、押出しなどの加工性に劣る
などの欠点を有していた。さらに、湿式シリカ粒子の表
面が酸性であることから、加硫促進剤として使用される
塩基性物質を吸着し、ゴム組成物の加硫が十分に行われ
ず、弾性率が上がらないという欠点を有していた。ま
た、弾性率を上げるために、加硫剤や加硫促進剤を多量
に配合すると、それらが残存し、経時的にゴムを硬化さ
せる原因となる。タイヤにおけるゴムの硬化は、摩耗末
期における乗り心地悪化、ウェット路面でのグリップ性
悪化,チャンク(トレッド欠け)の原因となるため、避
けることが望ましい。上記欠点を改良するために、シラ
ンカップリング剤が開発されたが、依然として、シリカ
粒子の分散は十分なレベルに達しておらず、特に、工業
的に良好なシリカ粒子の分散を得ることは困難であっ
た。
【0004】ところで、発熱性の低いゴム組成物を得る
ために、これまで、ゴム組成物に使用する充填材の分散
性を高める技術開発が数多くなされてきた。その中でも
特に、有機リチウム化合物を用いたアニオン重合で得ら
れるジエン系重合体の重合活性末端を充填材と相互作用
を持つ官能基にて修飾する方法が、最も一般的になりつ
つある。そして、前記した事情から、補強用充填材とし
てカーボンブラックを用いた系について、この技術を適
用することが種々試みられている。
【0005】例えば補強用充填材にカーボンブラックを
用い、重合活性末端を四塩化スズなどのスズ化合物にて
修飾する方法(特公平5−87530号公報)、同様に
カーボンブラックを用い、重合活性末端にアミノ基を導
入する方法(特開昭62−207342号公報)などが
開示されている。しかしながら、これらの方法は、変性
した重合体の分子量が低下したり、重合体中に残存する
ハロゲンに起因して、加工工程などで機器の腐食が生じ
たり、変性効率が低く、低発熱性の向上効果が充分に発
揮されなかったり、あるいは加工性に劣るなどの問題が
あった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、カーボンブラックやシリカなどのゴム補強用
充填材との相互作用を高め、良好な破壊特性,耐摩耗性
及び加工性を有すると共に、特に優れた低発熱性(低燃
費性)を有するゴム組成物を与える変性共役ジエン系重
合体、及びこのものを用いた上記特性を有するゴム組成
物と空気入りタイヤを提供することを目的とするもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、共役ジエン
系重合体に、含窒素複素環式基を、その環中の少なくと
も一つの窒素原子に結合する特定の有機基を介して導入
させてなる変性共役ジエン系重合体、及びゴム成分とし
て、上記変性共役ジエン系重合体を含むものを用いたゴ
ム組成物により、その目的を達成し得ることを見出し
た。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものであ
る。すなわち、本発明は、(1)一般式(I)
【0008】
【化3】
【0009】(式中、Aは炭素数1〜3のアルキレン
基、Dは共役ジエン系重合体、nは0又は1を示す。)
で表される共役ジエン系重合体に結合してなる2−ヒド
ロキシ−1,3−プロピレン基を有する有機基に、含窒
素複素環式基がその環中の少なくとも一つの窒素原子を
介して結合した構造を有することを特徴とする変性共役
ジエン系重合体、(2)ゴム成分として、上記変性共役
ジエン系重合体を含むものを用いたことを特徴とするゴ
ム組成物、及び(3)上記ゴム組成物をトレッドゴムと
して用いたことを特徴とする空気入りタイヤ、を提供す
るものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の変性共役ジエン系重合体
は、一般式(I)
【0011】
【化4】
【0012】(式中、A,D及びnは前記と同じであ
る。)で表される共役ジエン系重合体に結合してなる2
−ヒドロキシ−1,3−プロピレン基を有する有機基
に、含窒素複素環式基がその環中の少なくとも一つの窒
素原子を介して結合した構造を有するものである。上記
一般式(I)において、nが0の場合は、含窒素複素環
式基が、その環中の少なくとも一つの窒素原子に直接結
合した2−ヒドロキシ−1,3−プロピレン基を介し
て、共役ジエン系重合体に導入された構造を有する。一
方、nが1の場合は、含窒素複素環式基が、その環中の
少なくとも一つの窒素原子に結合したアミノアルキル基
の窒素原子に結合してなる二つの2−ヒドロキシ−1,
3−プロピレン基を介して、共役ジエン系重合体に導入
された構造を有する。この場合、Aの炭素数1〜3のア
ルキレン基としてはメチレン基,エチレン基,トリメチ
レン基が好ましい。
【0013】上記含窒素複素環式基としては、特に制限
はなく、ヘテロ原子として窒素原子のみを有するもので
あってもよいし、窒素原子と共に酸素原子及び/又は硫
黄原子を有するものであってもよい。また、環中の窒素
原子の数は1〜3が好ましく、さらに活性水素を有しな
いものが好ましい。この含窒素複素環式基が活性水素を
有していると、後述の変性反応の際に、重合体の活性末
端がこの活性水素と反応して消費され、変性効率が低下
するおそれがあるので、好ましくない。また、環を構成
する炭素原子には、低級アルキル基などの置換基が結合
していてもよい。このような含窒素複素環式基として
は、例えば、式
【0014】
【化5】
【0015】で表される一価又は二価の基及びこれらの
基の炭素原子に低級アルキル基を有するものなどを挙げ
ることができる。ここでRは活性水素を有しない一価の
有機基を示し、この有機基としては、例えばアルキル
基,シクロアルキル基,アリール基,アラルキル基など
の一価の炭化水素基及び一価の複素環式基などが挙げら
れる。これらの含窒素複素環式基の中で、環中に窒素原
子1若しくは2個を有する五員環、六員環又は七員環構
造を有するもの好ましく、特に式
【0016】
【化6】
【0017】(ただし、R1 は一価の炭化水素基又は複
素環式基を示す。)で表される1−ヘキサメチレンイミ
ノ基〔(a)〕,4,5−ジヒドロ−1−イミダゾリル
基〔(b)〕,4−置換−1−ピペラジニル基
〔(c)〕,ピペラジン−1,4−ジイル基
〔(d)〕,4−置換−1−ホモピペラジニル基
〔(e)〕及びホモピペラジン−1,4−ジイル基
〔(f)〕が好適である。本発明の変性共役ジエン系重
合体は、例えば共役ジエン系重合体の重合活性末端に、
一般式(II)
【0018】
【化7】
【0019】(式中、A及びnは前記と同じである。)
で表されるグリシジル基を有する有機基に、含窒素複素
環式基がその環中の少なくとも一つの窒素原子を介して
結合してなる含窒素複素環式化合物を反応させることに
より製造することができる。本発明の変性共役ジエン系
重合体の原料として用いられる上記共役ジエン系重合体
は、例えば有機リチウム化合物を重合開始剤とし、共役
ジエン化合物単独又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル
化合物をアニオン重合させることにより、製造すること
ができる。上記共役ジエン化合物としては、例えば1,
3−ブタジエン;イソプレン;1,3−ペンタジエン;
2,3−ジメチルブタジエン;2−フェニル−1,3−
ブタジエン;1,3−ヘキサジエンなどが挙げられる。
これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて
用いてもよいが、これらの中で、1,3−ブタジエンが
特に好ましい。
【0020】また、これらの共役ジエン化合物との共重
合に用いられる芳香族ビニル化合物としては、例えばス
チレン;α−メチルスチレン;1−ビニルナフタレン;
3−ビニルトルエン;エチルビニルベンゼン;ジビニル
ベンゼン;4−シクロヘキシルスチレン;2,4,6−
トリメチルスチレンなどが挙げられる。これらは単独で
用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい
が、これらの中で、スチレンが特に好ましい。さらに、
単量体として共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を
用いて共重合を行う場合、それぞれ1,3−ブタジエン
及びスチレンの使用が、単量体の入手の容易さなどの実
用性の面、及びアニオン重合特性がリビング性などの点
で優れることなどから、特に好適である。
【0021】重合開始剤の有機リチウム化合物として
は、ヒドロカルビルリチウム及びリチウムアミド化合物
が好ましく用いられ、前者のヒドロカルビルリチウムを
用いる場合には、一方の末端に水素原子を有し、かつ他
方の末端が重合活性末端である共役ジエン系重合体が得
られる。また、後者のリチウムアミド化合物を用いる場
合には、一方の末端に窒素含有基を有し、他方の末端が
重合活性末端である共役ジエン系重合体が得られる。上
記ヒドロカルビルリチウムとしては、炭素数2〜20の
ヒドロカルビル基を有するものが好ましく、例えばエチ
ルリチウム,n−プロピルリチウム,イソプロピルリチ
ウム,n−ブチルリチウム,sec−ブチルリチウム,
tert−オクチルリチウム,n−デシルリチウム,フ
ェニルリチウム,2−ナフチルリチウム,2−ブチル−
フェニルリチウム,4−フェニル−ブチルリチウム,シ
クロヘキシルリチウム,シクロペンチルリチウム,ジイ
ソプロペニルベンゼンとブチルリチウムとの反応生生物
などが挙げられるが、これらの中で、n−ブチルリチウ
ムが好ましい。
【0022】一方、リチウムアミド化合物としては、例
えばリチウムヘキサメチレンイミド,リチウムピロリジ
ド,リチウムピペリジド,リチウムヘプタメチレンイミ
ド,リチウムドデカメチレンイミド,リチウムジメチル
アミド,リチウムジエチルアミド,リチウムジブチルア
ミド,リチウムジプロピルアミド,リチウムジヘプチル
アミド,リチウムジヘキシルアミド,リチウムジオクチ
ルアミド,リチウムジ−2−エチルヘキシルアミド,リ
チウムジデシルアミド, リチウム−N−メチルピペラジ
ド,リチウムエチルプロピルアミド,リチウムエチルブ
チルアミド, リチウムメチルブチルアミド,リチウムエ
チルベンジルアミド,リチウムメチルフェネチルアミド
等が挙げられる。これらの中で、リチウムヘキサメチレ
ンイミド,リチウムピロリジド,リチウムピペリジド,
リチウムヘプタメチレンイミド,リチウムドデカメチレ
ンイミドなどの環状リチウムアミドが好ましく、特にリ
チウムヘキサメチレンイミド及びリチウムピロリジドが
好適である。
【0023】前記有機リチウム化合物を重合開始剤とし
て用い、アニオン重合によって共役ジエン系重合体を製
造する方法としては特に制限はなく、従来公知の方法を
用いることができる。具体的には、反応に不活性な有機
溶剤、例えば脂肪族,脂環族,芳香族炭化水素化合物な
どの炭化水素系溶剤中において、共役ジエン化合物又は
共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を、前記有機リ
チウム化合物を重合開始剤として、所望により、用いら
れるランダマイザーの存在下にアニオン重合させること
により、目的の共役ジエン系重合体が得られる。
【0024】この重合反応における温度は、通常−80
〜150℃、好ましくは−20〜100℃の範囲で選定
される。重合反応は、発生圧力下で行うことができる
が、通常は単量体を実質的に液相に保つ十分な圧力で操
作することが望ましい。すなわち、圧力は重合される個
々の物質や、用いる重合媒体及び重合温度にもよるが、
所望ならばより高い圧力を用いることができ、このよう
な圧力は重合反応に関して不活性なガスで反応器を加圧
する等の適当な方法で得られる。このようにして得られ
た共役ジエン系重合体の重合活性末端に反応させる含窒
素複素環式化合物としては、例えば1−グリシジルヘキ
サメチレンイミン;4,5−ジヒドロ−1−グリシジル
イミダゾール;1−グリシシル−4−置換ピペラジン;
1,4−ビス(グリシジル)ピペラジン;1−グリシジ
ル−4−置換ホモピペラジン;1,4−ビス(グリシジ
ル)ホモピペラジン;1−〔3−(N,N−ジグリシジ
ルアミノ)プロピル〕ヘキサメチレンイミン;1−〔3
−(N,N−ジグリシジルアミノ)プロピル〕−4−置
換ピペラジン;1,4−ビス〔3−(N,N−ジグリシ
ジルアミノ)プロピル〕ピペラジン;1−〔3−(N,
N−ジグリシジルアミノ)プロピル〕−4−置換ホモピ
ペラジン;1,4−ビス〔3−(N,N−ジグリシジル
アミノ)プロピル〕ホモピペラジン;4−〔3−(N,
N−ジグリシジルアミノ)プロピル〕モルホリンなどを
好ましく挙げることができる。
【0025】以下、これらの含窒素複素環式化合物を、
グリシジル含窒素複素環式化合物と称する。前記のグリ
シジル含窒素複素環式化合物(以下、末端変性剤と称す
ることがある。)を用いて、共役ジエン系重合体の重合
活性末端に反応させる際、該末端変性剤の使用量は、共
役ジエン系重合体の製造に使用される有機リチウム化合
物1モルに対し、通常グリシジル基が0.25〜3.0モ
ル、好ましくは0.5〜1.5 モルになるように選定され
る。0.25モルより少ない量では変性効果が充分に発揮
されず好ましくない。また3モルを超えるような量にお
いては過剰の末端変性剤が無駄になるとともに、末端変
性剤に含まれる不純物により、重合活性末端が失活して
実質的な変性効率が低下して好ましくない。
【0026】また、この際の反応温度は、共役ジエン系
重合体の重合温度をそのまま用いることができる。具体
的には30〜100℃が好ましい範囲として挙げられ
る。30℃未満では重合体の粘度が上昇しすぎる傾向が
あり、100℃を超えると、重合活性末端が失活し易く
なるので好ましくない。前記の末端変性剤の共役ジエン
系重合体の重合活性末端への添加時期、方法については
特に限定はないが一般的にこのような末端変性剤を用い
る場合は、重合終了後に行う場合が多い。このようにし
て得られた変性共役ジエン系重合体の重合鎖末端変性基
の分析は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用
いて行うことができる。このようにして含窒素複素環式
基(環状三級アミノ基)が導入された本発明の変性共役
ジエン系重合体に、カーボンブラックやシリカなどの補
強用充填材を配合した場合、該環状三級アミノ基のもつ
カーボンブラックやシリカなどの充填材に対する強い相
互作用により、該充填材の分散性を高め、良好な破壊特
性及び耐摩耗性をもたらすと共に、特に優れた低発熱性
をもたらす。
【0027】この変性共役ジエン系重合体は、示差走査
熱量計(DSC)にて測定したガラス転移点(Tg)が
−90〜−30℃であることが好ましい。通常のアニオ
ン重合の処方においては−90℃未満の重合体を得るの
は困難であり、また−30℃を超える重合体については
室温領域で硬くなり、ゴム状弾性体として用いるのに好
ましくない。また、該変性重合体のムーニー粘度(ML
1+4 ,100℃)は、好ましくは10〜150、より好
ましくは15〜70である。ムーニー粘度が10未満の
場合は破壊特性を始めとするゴム物性が十分に得られ
ず、150を超える場合は作業性が悪く配合剤とともに
混練りすることが困難である。本発明のゴム組成物は、
ゴム成分として、前記の変性共役ジエン系重合体を含む
ものを用いたものであり、特に(A)該変性共役ジエン
系重合体少なくとも30重量%を含むゴム成分と、その
100重量部当たり、(B)カーボンブラック及び/又
はシリカ10〜120重量部を含むものが好ましい。
【0028】(A)成分のゴム成分において、変性共役
ジエン系重合体の量が30重量%未満では、所望の物性
を有するゴム組成物が得られにくく、本発明の目的が達
せられない場合がある。ゴム成分中の該変性共役ジエン
系重合体の好ましい含有量は35重量%以上であり、特
に40〜100重量%が好適である。この変性共役ジエ
ン系重合体は一種用いてもよく、二種以上を組み合わせ
て用いてもよい。また、この変性共役ジエン系重合体と
併用されるゴム成分としては、天然ゴム及びジエン系合
成ゴムが挙げられ、ジエン系合成ゴムとしては、例えば
スチレン−ブタジエン共重合体(SBR),ポリブタジ
エン(BR),ポリイソプレン(IR),ブチルゴム
(IIR),エチレン−プロピレン共重合体及びこれら
の混合物等が挙げられる。また、その一部が多官能型変
性剤、例えば四塩化スズのような変性剤を用いることに
より分岐構造を有しているものでもよい。
【0029】一方、(B)成分のうちのカーボンブラッ
クとしては特に制限はなく、従来ゴムの補強用充填材と
して慣用されているものの中から任意のものを選択して
用いることができる。このカーボンブラックとしては、
例えばFEF,SRF,HAF,ISAF,SAF等が
挙げられる。好ましくはヨウ素吸着量(IA)が60m
g/g以上で、かつ、ジブチルフタレート吸油量(DB
P)が80ミリリットル/100g以上のカーボンブラ
ックである。このカーボンブラックを用いることによ
り、諸物性の改良効果は大きくなるが、特に、耐摩耗性
に優れるHAF,ISAF,SAFが好ましい。
【0030】一方、シリカとしては特に制限はなく、従
来ゴムの補強用充填材として慣用されているものの中か
ら任意に選択して用いることができる。このシリカとし
ては、例えば湿式シリカ(含水ケイ酸),乾式シリカ
(無水ケイ酸),ケイ酸カルシウム,ケイ酸アルミニウ
ム等が挙げられるが、中でも破壊特性の改良効果並びに
ウェットグリップ性及び低転がり抵抗性の両立効果が最
も顕著である湿式シリカが好ましい。この(B)成分の
含有量が、ゴム成分100重量部に対し、10重量部未
満では補強効果が不充分であり、また120重量部を超
えると低発熱性や加工性が悪化するおそれがある。補強
効果,低発熱性及び加工性のバランスなどの面から、こ
の充填材の好ましい含有量は、30〜80重量部の範囲
である。また、シリカを用いる場合、所望により、シラ
ンカップリング剤を配合することができる。このシラン
カップリング剤としては、特に制限はなく、従来ゴム組
成物に使用されている公知のもの、例えばビス(3−ト
リエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド,γ−メル
カプトプロピルトリエトキシシラン,γ−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン,N−フェニル−γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン,N−β−(アミノエチル)−
γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどを用いるこ
とができる。
【0031】この所望により用いられるシランカップリ
ング剤の配合量は、前記シリカに対して、通常1〜20
重量%の範囲で選定される。この量が1重量%未満では
カップリング剤としての効果が充分に発揮されにくく、
また20重量%を超えるとゴム成分のゲル化を引き起こ
すおそれがある。カップリング剤としての効果及びゲル
化防止などの点から、このシランカップリング剤の好ま
しい配合量は、5〜15重量%の範囲である。本発明の
ゴム組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、
所望により、通常ゴム工業界で用いられる各種薬品、例
えば加硫剤,加硫促進剤,プロセス油,老化防止剤,ス
コーチ防止剤,亜鉛華,ステアリン酸などを含有させる
ことができる。上記加硫剤としては、硫黄等が挙げら
れ、その使用量は、ゴム成分100重量部に対し、硫黄
分として0.1〜10.0重量部が好ましく、さらに好まし
くは1.0〜5.0重量部である。0.1重量部未満では加硫
ゴムの破壊強度、耐摩耗性、低発熱性が低下するおそれ
があり、10.0重量部を超えるとゴム弾性が失われる原
因となる。
【0032】本発明で使用できる加硫促進剤は、特に限
定されるものではないが、例えば、M(2−メルカプト
ベンゾチアゾール),DM(ジベンゾチアジルジスルフ
ィド),CZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジ
ルスルフェンアミド)等のチアゾール系、あるいはDP
G(ジフェニルグアニジン)等のグアジニン系の加硫促
進剤等を挙げることができ、その使用量は、ゴム成分1
00重量部に対し、0.1〜5.0重量部が好ましく、さら
に好ましくは0.2〜3.0重量部である。また、本発明の
ゴム組成物で使用できるプロセス油としては、例えばパ
ラフィン系,ナフテン系,アロマチック系等を挙げるこ
とができる。引張強度、耐摩耗性を重視する用途にはア
ロマチック系が、ヒステリシスロス、低温特性を重視す
る用途にはナフテン系又はパラフィン系が用いられる。
その使用量は、ゴム成分100重量部に対して、0〜1
00重量部が好ましく、100重量部を超えると加硫ゴ
ムの引張強度、低発熱性が悪化する傾向がある。
【0033】本発明のゴム組成物は、ロール、インター
ナルミキサー等の混練り機を用いて混練りすことによっ
て得られ、成形加工後、加硫を行い、タイヤトレッド,
アンダートレッド,カーカス,サイドウォール,ビード
部分等のタイヤ用途を始め、防振ゴム,ベルト,ホース
その他の工業品等の用途にも用いることができるが、特
にタイヤトレッド用ゴムとして好適に使用される。本発
明の空気入りタイヤは、本発明のゴム組成物を用いて通
常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じ
て、上記のように各種薬品を含有させた本発明のゴム組
成物が未加硫の段階でトレッド用部材に押出し加工さ
れ、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付け成形さ
れ、生タイヤが成形される。この生タイヤを加硫機中で
加熱加圧して、タイヤが得られる。このようにして得ら
れた本発明の空気入りタイヤは、良好な破壊特性及び耐
摩耗性を有すると共に、特に低発熱性に優れており、し
かも該ゴム組成物の加工性が良好であるので、生産性に
も優れている。
【0034】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。なお、重合体の物性は、下記の方法
に従って測定した。 <重合体の物性>重合体の数平均分子量(Mn)及び重
量平均分子量(Mw)の測定はゲルパーミエーションク
ロマトグラフィ[GPC;東ソー製HLC−8020、
カラム;東ソー製GMH−XL(2本直列)]により行
い、示差屈折率(R1)を用いて、単分散ポリスチレン
を標準としてポリスチレン換算で行った。重合体のムー
ニー粘度は東洋精機社製のRLM−01型テスターを用
いて、100℃で測定した。重合体のブタジエン部分の
ミクロ構造は、赤外法(モレロ法)によって求めた。重
合体中のスチレン単位含有量は 1H−NMRスペクトル
の積分比より算出した。重合体のガラス転移点(Tg)
はパーキンエルマー社製の示差走査熱分析機(DSC)
7型装置を用い−100℃まで冷却した後に10℃/m
inで昇温する条件で測定した。また、加硫ゴムの物性
を下記の方法で測定すると共に、ゴム組成物のムーニー
粘度を下記のようにして測定した。
【0035】<加硫ゴムの物性> (1)低発熱性 粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を使用し、温
度50℃、歪み5%、周波数15Hzでtanδ(50
℃)を測定した。tanδ(50℃)が小さい程、低発
熱性である。 (2)破壊特性 切断時の強力(Tb)、切断時の伸び(Eb)及び30
0%伸長時の引張応力(M300 )をJIS K6301
−1995に従って測定した。 (3)耐摩耗性 ランボーン型摩耗試験機を用い、室温におけるスリップ
率60%の摩耗量を測定し、コントロールの耐摩耗性を
100として、耐摩耗指数として指数表示した。指数が
大きい方が良好となる。 <ゴム組成物のムーニー粘度>JIS K6300−1
994に準拠し、128℃にてムーニー粘度[ML1+ 4
/128℃]を測定した。
【0036】製造例1 乾燥し、窒素置換された800ミリリットルの耐圧ガラ
ス容器に、シクロヘキサン400g、1,3−ブタジエ
ン65g及びジテトラヒドロフリルプロパン0.013ミ
リモルを注入し、これにn−ブチルリチウム(BuL
i)0.52ミリモルを加えた後、50℃で4時間重合を
行った。重合系は重合開始から終了まで、全く沈殿は見
られず均一に透明であった。重合転化率は、ほぼ100
%であった。重合溶液の一部をサンプリングし、イソプ
ロピルアルコールを加え、固形物を乾燥し、ゴム状重合
体を得た。この重合体についてミクロ構造、分子量及び
分子量分布を測定した。その結果を第1表に示す。この
重合系にさらに1−ベンジル−4−グリシジルピペラジ
ン0.47ミリモルを加えた後にさらに30分間変性反応
を行った。この後、重合系にさらに2,6−ジ−t−ブ
チル−p−クレゾール(BHT)のイソプロパノール5
重量%溶液0.5ミリリットルを加えて反応の停止を行
い、さらに常法に従い乾燥することにより重合体Aを得
た。得られた重合体の分析値を第1表に示す。
【0037】製造例2〜12 製造例1において、第1表に示す量のnーブチルリチウ
ムを用い、かつ第1表に示す種類と量の末端変性剤を用
いた以外は、製造例1と同様にしてゴム状重合体を得、
さらに重合体B,C,D,E,F,G,H,J,K,L
を製造した。なお、重合体Iは、重合終了後、変性反応
を行わずに、BHTのイソプロパノール5重量%溶液0.
5ミリリットルを加えて反応の停止を行い、さらに常法
に従い乾燥することにより得た。各ゴム状重合体につい
て、製造例1と同様にして測定したミクロ構造、分子量
及び分子量分布を第1表に示すと共に、それらから得ら
れた重合体の分析値を第1表に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】(注) BaseMw :変性反応前の分子量(Mw) TotalMw :変性反応後の分子量(Mw) Mw/Mn :変性反応後の分子量分布 R−1:1−ベンジル−4−グリシジルピペラジン R−2:1−グリシジル−4−メチルホモピペラジン R−3:1−グリシジルヘキサメチレンイミン R−4:1−グリシジル−4−メチルピペラジン R−5:1−グリシジル−4−(2−ピリジル)ピペラ
ジン R−6:1−グリシジル−4−フェニルピペラジン R−7:4−〔3−(N,N−ジグリシジルアミノ)プ
ロピル〕モルホリン R−8:2−〔2−(N,N−ジグリシジルアミノ)エ
チル〕−1−メチルピロリジン R−9:N,N−ジグリシジルシクロヘキシルアミン R−10:ジエチル(グリシジル)アミン TTC:四塩化スズ 上記R−1〜R−10の構造を以下に示す。
【0041】
【化8】
【0042】製造例13 乾燥し、窒素置換された800ミリリットルの耐圧ガラ
ス容器に、シクロへキサン350g、1,3−ブタジエ
ン52g、スチレン13g、ジテトラヒドロフリルプロ
パン0.2ミリモルを注入し、これにn−ブチルリチウム
(BuLi)0.55ミリモルを加えた後、50℃で1時
間重合を行った。重合系は重合開始から終了まで、全く
沈殿は見られず均一に透明であった。重合転化率はほぼ
100%であった。重合溶液の一部をサンプリングし、
イソプロピルアルコールを加え、固形物を乾燥し、ゴム
状共重合体を得た。この共重合体についてミクロ構造、
分子量及び分子量分布を測定した。その結果を第1表に
示す。
【0043】この重合系にさらに末端変性剤として1−
ベンジル−4−グリシジルピペラジン0.50ミリモルを
加えた後に、さらに30分間変性反応を行った。この後
重合系にさらにBHTのイソプロパノール5重量%溶液
0.5ミリリットルを加えて反応の停止を行い、さらに常
法に従い重合体を乾燥することにより重合体Mを得た。
得られた重合体の分析値を第2表に示す。 製造例14〜17 製造例13において、第2表に示す量のnーブチルリチ
ウムを用い、かつ第2表に示す種類と量の末端変性剤を
用いた以外は、製造例13と同様にしてゴム状共重合体
を得、さらに重合体N,P,Qを製造した。なお、重合
体Oは、重合終了後、変性反応を行わずに、BHTのイ
ソプロパノール5重量%溶液0.5ミリリットルを加えて
反応の停止を行い、さらに常法に従い乾燥することによ
り得た。各ゴム状共重合体について、製造例13と同様
にして測定したミクロ構造、分子量及び分子量分布を第
2表に示すと共に、それらから得られた重合体の分析値
を第2表に示す。
【0044】
【表3】
【0045】Base Mw,Total Mw,Mw
/Mn,R−1,R−3及びR−10は、第1表の脚注
と同じである。 実施例1〜8及び比較例1〜4 製造例で得られた第3表に示す種類の重合体(BR)7
0重量部と天然ゴム30重量部とからなるゴム成分10
0重量部に対し、カーボンブラック[東海カーボン
(株)製、商品名:シーストKH(N339)]50重
量部、アロマオイル10重量部、ステアリン酸2重量
部、老化防止剤6C[N−(1,3−ジメチルブチル)
−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン]1重量部
を配合してマスターバッチを調製し、さらに亜鉛華2.5
重量部、加硫促進剤DPG(ジフェニルグアニジン)0.
2重量部、加硫促進剤DM(ジベンゾチアジルジスルフ
ィド)0.5重量部、加硫促進剤NS(N−t−ブチル−
2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)0.5重量部及び
硫黄1.5重量部を配合してゴム組成物を調製した。ゴム
組成物のムーニー粘度を測定すると共に、145℃、3
3分間の条件で加硫し、加硫ゴムの物性を測定した。そ
の結果を第3表に示す。
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】(注)摩耗特性は、比較例1のものを10
0とした指数表示である。上記の結果は、変性ゴムにB
Rベースゴムを用い、充填材はカーボンブラック系とし
て評価したものである。本発明における実施例1〜8
は、比較例1,3,4に比べて、いずれも低発熱性に優
れたゴム組成物が得られている。なお、比較例2はTT
Cで変性されたBRを用いたものであり、この変性ゴム
はカーボンブラックに対して、高い相互作用を示すこと
が分かるが、このものを用いたゴム組成物は、残存する
塩素に起因して、加工工程などで機器の腐食が生じるお
それがある。
【0049】実施例9,10及び比較例5〜7 製造例で得られた第4表に示す種類の重合体(SBR)
100重量部に対し、カーボンブラック(前出)50重
量部、アロマオイル10重量部、ステアリン酸2重量部
及び老化防止剤6C(前出)1重量部を配合してマスタ
ーバッチを調製し、さらに亜鉛華2.5重量部、加硫促進
剤DPG(前出)0.5重量部、加硫促進剤DM(前出)
0.5重量部、加硫促進剤NS(前出)0.5重量部及び硫
黄1.3重量部を配合してゴム組成物を調製した。ゴム組
成物のムーニー粘度を測定すると共に、145℃、33
分間の条件で加硫し、加硫ゴムの物性を測定した。その
結果を第4表に示す。
【0050】
【表6】
【0051】(注)摩耗特性は、比較例5のものを10
0とした指数表示である。上記の結果は、変性ゴムにS
BRベースゴムを用い、充填材はカーボンブラック系と
して評価したものである。本発明における実施例9,1
0は、比較例5,7に比べて、低発熱性に優れたゴム組
成物が得られている。なお、比較例6はTTCで変性さ
れたSBRを用いたものであり、この変性ゴムはカーボ
ンブラックに対して、高い相互作用を示すことが分かる
が、このものを用いたゴム組成物は、残存する塩素に起
因して、加工工程などで機器の腐食が生じるおそれがあ
る。
【0052】実施例11〜13及び比較例8〜11 製造例で得られた第5表に示す種類の重合体(BR)7
0重量部と天然ゴム30重量部とからなるゴム成分10
0重量部に対し、シリカ〔日本シリカ工業(株)製、商
品名:ニプシルAQ〕55重量部、シランカップリング
剤「Si69」〔デグサ社製、ビス(3−トリエトキシ
シリルプロピル)テトラスルフィド〕5.5又は0重量
部、アロマオイル10重量部、ステアリン酸2重量部及
び老化防止剤6C(前出)1重量部を配合してマスター
バッチを調製し、さらに亜鉛華2.5重量部、加硫促進剤
DPG(前出)1重量部、加硫促進剤DM(前出)0.8
重量部、加硫促進剤NS(前出)1重量部及び硫黄1.3
又は2.3重量部を配合してゴム組成物を調製した。ゴム
組成物のムーニー粘度を測定すると共に、160℃、1
5分間の条件を加硫し、加硫ゴムの物性を測定した。そ
の結果を第5表に示す。
【0053】
【表7】
【0054】
【表8】
【0055】(注)摩耗特性は、比較例8のものを10
0とした指数表示である。上記の結果は、変性ゴムにB
Rベースゴムを用い、充填材はシリカ系として評価した
ものである。本発明における実施例11〜13は比較例
8〜11に比べて、いずれも低発熱性に優れたゴム組成
物が得られている。なお、比較例9はTTCで変性され
たBRを用いたものであり、この変性ゴムはシリカに対
して相互作用をほとんど示さないことが分かる。
【0056】実施例14〜16及び比較例12〜15 製造例で得られた第6表に示す種類の重合体(SBR)
70重量部と天然ゴム30重量部とからなるゴム成分1
00重量部に対し、カーボンブラック(前出)27重量
部、シリカ(前出)27重量部、シランカップリング剤
(前出)2.7又は0重量部、アロマオイル10重量部、
ステアリン酸2重量部、老化防止剤6C(前出)1重量
部を配合してマスターバッチを調製し、さらに亜鉛華2.
5重量部、加硫促進剤DPG(前出)0.5重量部、加硫
促進剤DM(前出)1重量部、加硫促進剤NS(前出)
1重量部及び硫黄1.3又は1.8重量部を配合してゴム組
成物を調製した。ゴム組成物のムーニー粘度を測定する
と共に、160℃、15分間の条件で加硫し、加硫ゴム
の物性を測定した。その結果を第6表に示す。
【0057】
【表9】
【0058】
【表10】
【0059】(注)摩耗特性は、比較例12のものを1
00とした指数表示である。上記の結果は、変性ゴムに
SBRベースゴムを用い、充填材はカーボンブラック/
シリカ混合系として評価したものである。本発明におけ
る実施例14〜16は比較例12〜15に比べて、いず
れも低発熱性に優れたゴム組成物が得られている。な
お、比較例13はTTCで変性されたSBRを用いたも
のであり、この変性ゴムは、カーボンブラック/シリカ
混合系に対する相互作用が低いことが分かる。
【0060】
【発明の効果】本発明の変性共役ジエン系重合体は、カ
ーボンブラックやシリカなどのゴム補強用充填材との相
互作用を高め、良好な破壊特性,耐摩耗性及び加工性を
有すると共に、特に優れた低発熱性(低燃費性)を有す
るゴム組成物を与えることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 15/00 C08L 15/00 Fターム(参考) 4J002 AC01X AC03X AC06X AC08X AC11W BB15X BB18X DA036 DJ016 FD140 FD150 4J100 AB00Q AB02Q AB03Q AB04Q AB07Q AB16Q AS01P AS02P AS03P AS04P AS06P BA03H BC04Q BC43P BC65H BC73H BC74H BC79H BC83H CA01 CA04 CA31 DA09 DA25 FA03 HA61 HC63 HC64 JA29

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、Aは炭素数1〜3のアルキレン基、Dは共役ジ
    エン系重合体、nは0又は1を示す。)で表される共役
    ジエン系重合体に結合してなる2−ヒドロキシ−1,3
    −プロピレン基を有する有機基に、含窒素複素環式基が
    その環中の少なくとも一つの窒素原子を介して結合した
    構造を有することを特徴とする変性共役ジエン系重合
    体。
  2. 【請求項2】 共役ジエン系重合体の重合活性末端に、
    一般式(II) 【化2】 (式中、Aは炭素数1〜3のアルキレン基、nは0又は
    1を示す。)で表されるグリシジル基を有する有機基
    に、含窒素複素環式基がその環中の少なくとも一つの窒
    素原子を介して結合してなる含窒素複素環式化合物を反
    応させてなる請求項1記載の変性共役ジエン系重合体。
  3. 【請求項3】 共役ジエン系重合体が、有機リチウム化
    合物を重合開始剤とし、共役ジエン化合物単独又は共役
    ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を重合させて得られ
    たものである請求項2記載の変性共役ジエン系重合体。
  4. 【請求項4】 有機リチウム化合物が、ヒドロカルビル
    リチウム又はリチウムアミド化合物である請求項3記載
    の変性共役ジエン系重合体。
  5. 【請求項5】 含窒素複素環式基が、環中に窒素原子1
    若しくは2個を有する五員環、六員環又は七員環構造を
    有するものである請求項1ないし4のいずれかに記載の
    変性共役ジエン系重合体。
  6. 【請求項6】 含窒素複素環式基が、1−ヘキサメチレ
    ンイミノ基;4,5−ジヒドロ−1−イミダゾリル基;
    4−置換−1−ピペラジニル基;ピペラジン−1,4−
    ジイル基;4−置換−1−ホモピペラジニル基又はホモ
    ピペラジン−1,4−ジイル基である請求項5記載の変
    性共役ジエン系重合体。
  7. 【請求項7】 示差走査熱量計(DSC)にて測定した
    ガラス転移点が、−90〜−30℃である請求項1ない
    し6のいずれかに記載の変性共役ジエン系重合体。
  8. 【請求項8】 ムーニー粘度(ML1+4 /100℃)
    が、10〜150である請求項1ないし7のいずれかに
    記載の変性共役ジエン系重合体。
  9. 【請求項9】 ゴム成分として、請求項1ないし8のい
    ずれかに記載の変性共役ジエン系重合体を含むものを用
    いたことを特徴とするゴム組成物。
  10. 【請求項10】 (A)請求項1ないし8のいずれかに
    記載の変性共役ジエン系重合体少なくとも30重量%を
    含むゴム成分と、その100重量部当たり、(B)カー
    ボンブラック及び/又はシリカ10〜120重量部を含
    む請求項9記載のゴム組成物。
  11. 【請求項11】 請求項9又は10記載のゴム組成物を
    トレッドゴムとして用いたことを特徴とする空気入りタ
    イヤ。
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