JP2001131125A - 光学活性β−アリールエステル化合物及びアミド化合物の合成法 - Google Patents
光学活性β−アリールエステル化合物及びアミド化合物の合成法Info
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Abstract
アリールエステル化合物または光学活性N−置換−β−
アリールアミド化合物を高い光学収率で高収率で製造す
る方法を提供する。 【解決手段】 アリールボロン酸を、α、β−不飽和エ
ステルまたはN−置換−α、β−不飽和アミドにロジウ
ム化合物と光学活性なホスフィン化合物存在下で反応さ
せることにより、容易に高い光学収率を持つ光学活性β
−アリールエステル化合物または光学活性N−置換−β
−アリールアミド化合物を製造できる。
Description
おいて有用な光学活性なβ−アリールエステル化合物ま
たは光学活性N−置換−β−アリールアミド化合物を提
供する製造法に関する。
(1)銅、ロジウム、ニッケル、ルテニウムなどの触媒
存在下、α、β−不飽和ケトンやα、β−不飽和エステ
ルへの1、4付加反応により製造できることが知られて
いる(M.Sawamura,J.Am.Chem.Soc.,1996,118,3309;M.J.
Loots,J.Am.Chem.Soc.,1977,99,8045;E.Gomez-Begoa,J.
Am.Chem.Soc.,1996,118,8553)。(2)また、ロジウム
触媒と光学活性ホスフィン化合物存在下で、芳香族ある
いはアルケニルボロン酸誘導体とエノン化合物を反応さ
せて、光学活性なβ−置換カルボニル化合物を製造する
方法が報告されている(N.Miyaura,Organometalics,199
7,16,4229)。
操作が煩雑である上に、十分な光学収率が得られなかっ
た。 また、(2)の方法では、工業的に有用でアクリル
酸誘導体として入手しやすいα、β−不飽和エステルで
は効果がなく、結果として目的とする光学活性β−置換
エステル化合物を得られなかった。
ジウム触媒および光学活性ホスフィン化合物を反応させ
て光学活性β−置換アミド化合物を製造する方法につい
てはまだ報告されていない。
く鋭意検討したところ、アリールボロン酸化合物 Ar
B(OH)2(Arはフェニル基、ナフチル基、C1〜
10アルキル置換フェニル基、C1〜10アルコキシ置
換フェニル基、ハロゲン置換フェニル基、トリフルオロ
メチル置換フェニル基を示す)と下記式(1)
基、C1〜10アルキル置換フェニル基、C1〜10ア
ルコキシ置換フェニル基、ハロゲン置換フェニル基、ト
リフルオロメチル置換フェニル基を示し、R’は−CO
OXまたは−CONHXであり、XはC1〜C10のア
ルキル基、ベンジル基、フェニル基、ナフチル基を示
す。)で表されるα、β−不飽和エステルまたはN−置
換−α、β−不飽和アミドとをロジウム化合物と光学活
性ホスフィン化合物存在下で反応することにより、高い
光学収率を持つ下記式(2)
置換フェニル基、C1〜10アルコキシ置換フェニル
基、ハロゲン置換フェニル基、トリフルオロメチル置換
フェニル基を示し、RはC1〜10のアルキル基、フェ
ニル基、ナフチル基、C1〜10アルキル置換フェニル
基、C1〜10アルコキシ置換フェニル基、ハロゲン置
換フェニル基、トリフルオロメチル置換フェニル基を示
し、 R’は−COOXまたは−CONHXであり、X
はC1〜C10のアルキル基、ベンジル基、フェニル
基、ナフチル基を示す。)で表される光学活性β −ア
リールエステル化合物または光学活性N−置換−β−ア
リールアミドを高い収率で製造することのできる方法を
見出し本発明を完成した。
ン酸 ArB(OH)2としては、フェニルボロン酸、
オルソ−アルキル置換フェニルボロン酸、オルソ−アル
コキシ置換フェニルボロン酸、オルソ−トリフルオロメ
チル置換フェニルボロン酸、メタ−アルキル置換フェニ
ルボロン酸、メタ−アルコキシ置換フェニルボロン酸、
メタ−トリフルオロメチル置換フェニルボロン酸、パラ
−アルキル置換フェニルボロン酸、パラ−アルコキシ置
換フェニルボロン酸、パラ−トリフルオロメチル置換フ
ェニルボロン酸、ナフチルボロン酸などが挙げられる。
基、C1〜10アルキル置換フェニル基、C1〜10ア
ルコキシ置換フェニル基、ハロゲン置換フェニル基、ト
リフルオロメチル置換フェニル基を示し、R’は−CO
OXまたは−CONHXであり、XはC1〜C10のア
ルキル基、ベンジル基、ナフチル基、ナフチルメチル基
を示す。)で表されるα、β−不飽和エステルとして
は、例えば、アクリレート、クロトネート、シンナメー
トなどが、また、 N−置換−α、β−不飽和アミドと
しては、N−ベンジルクロトンアミド、N−シクロヘキ
シルクロトンアミドなどが挙げられる。
は、中性なロジウム錯体化合物が用いられる。例えば、
Rh(acac)(CH2CH2)2およびRh(OAc)(CH2CH2)2が挙げ
られる。 ロジウム化合物の使用量は、使用されるアリ
ルボロン酸に対して0.001モル%から1モル%が好
ましい。
あるものならば特に構わないが、(R)体のβ −アリ
ールエステル化合物を必要とする時は、(S)−binap
を、また、(S)体のβ −アリールエステル化合物を
必要とする時は、(R)−binapを用いることが好まし
い。ここで、binapとは2,2’−ビス−(ジフェニル
ホスフィノ)−1,1’−ビナフチルを意味する。光学
活性ホスフィン化合物の量は、アリールボロン酸に対し
て0.01モル%から10モル%である。
えば、含水のメタノール、エタノール、プロパノール、
ブタノール、ジメトキシエタン、ジオキサンなどが好ま
しいものとして挙げられる。 含水量は反応溶媒量の5
から50Vol./Vol.%であり、特に好ましくは10から
25Vol./Vol.%である。
に好ましくは50℃から100℃の範囲である。
に縛られることはない。
ol)、(S)−binap(0.045mmol)とフェ
ニルボロン酸(2.0mmol)を仕込み、窒素置換し
た。 この中に、ジオキサン(6ml)とH2O(1m
l)を加え室温で30分間攪拌した。この溶液にクロト
ン酸ベンジル(1.0mmol)を加え、16時間10
0℃にて攪拌したところ、(R)−ベンジル 3−フェ
ニルブタノエートを収率90%、光学純度85%ee、
[α]D 20 -14(c1.02,CHCl3)で得る
ことができた。
えた以外は実施例1と同様にして実施した例を表1に示
した。
えた以外は実施例1と同様にして実施した例を表2に示
した。
ミドを変えた以外は実施例1と同様にして実施した例を
表3に示した。
ステルまたはN−置換−α、β−不飽和アミドにロジウ
ム化合物と光学活性なホスフィン化合物存在下で反応さ
せることにより、容易に高い光学収率を持つ光学活性β
−アリールエステル化合物または光学活性N−置換−β
−アリールアミドを提供することができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 アリールボロン酸化合物 ArB(O
H)2(Arはフェニル基、ナフチル基、C1〜10ア
ルキル置換フェニル基、C1〜10アルコキシ置換フェ
ニル基、ハロゲン置換フェニル基、トリフルオロメチル
置換フェニル基を示す)と下記式(1) 【化1】 (RはC1〜10のアルキル基、フェニル基、ナフチル
基、C1〜10アルキル置換フェニル基、C1〜10ア
ルコキシ置換フェニル基、ハロゲン置換フェニル基、ト
リフルオロメチル置換フェニル基を示し、R’は−CO
OXまたは−CONHXであり、XはC1〜C10のア
ルキル基、ベンジル基、フェニル基、ナフチル基を示
す。)で表されるα、β−不飽和エステルまたはN−置
換−α、β−不飽和アミドとをロジウム化合物と光学活
性ホスフィン化合物存在下で反応することにより、下記
式(2) 【化2】 (Arはフェニル基、ナフチル基、C1〜10アルキル
置換フェニル基、C1〜10アルコキシ置換フェニル
基、ハロゲン置換フェニル基、トリフルオロメチル置換
フェニル基を示し、RはC1〜10のアルキル基、フェ
ニル基、ナフチル基、C1〜10アルキル置換フェニル
基、C1〜10アルコキシ置換フェニル基、ハロゲン置
換フェニル基、トリフルオロメチル置換フェニル基を示
し、 R’は−COOXまたは−CONHXであり、X
はC1〜C10のアルキル基、ベンジル基、フェニル
基、ナフチル基を示す。)で表される光学活性β−アリ
ールエステル化合物または光学活性N−置換−β−アリ
ールアミド化合物を製造する方法。 - 【請求項2】 ロジウム化合物が中性なロジウム錯体化
合物である請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 光学活性ホスフィン化合物が(S)−ま
たは(R)−binapである請求項1記載の方法。 - 【請求項4】 反応溶媒が含水のドナー有機溶媒中であ
る請求項1記載の方法。 - 【請求項5】 ロジウム化合物が Rh(acac)(CH2CH2)2
またはRh(OAc)(CH2CH2) 2であり、光学活性ホスフィン
化合物が(S)−または(R)−binapであり、さらに
含水ジオキサン中で反応することを特徴とする請求項1
記載の方法。
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---|---|---|---|
JP26000599A JP4183153B2 (ja) | 1999-08-26 | 1999-09-14 | 光学活性β−アリールエステル化合物及びアミド化合物の合成法 |
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JP11-239602 | 1999-08-26 | ||
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JP4183153B2 JP4183153B2 (ja) | 2008-11-19 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008010455A1 (fr) | 2006-07-19 | 2008-01-24 | Japan Science And Technology Agency | PROCÉDÉ DE FABRICATION D'UN COMPOSÉ SUBSTITUÉ PAR UN GROUPEMENT β-DIARYLE ACCEPTEUR D'ÉLECTRONS |
JP2014505013A (ja) * | 2010-10-28 | 2014-02-27 | コグニス・アイピー・マネージメント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング | β−官能化脂肪族エステルの製造方法 |
-
1999
- 1999-09-14 JP JP26000599A patent/JP4183153B2/ja not_active Expired - Fee Related
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