JP2001131117A - 酢酸の精製方法 - Google Patents
酢酸の精製方法Info
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Abstract
質を効率的に除去する方法を提供すること。 【解決手段】 還元性有機物質を不純物として含む酢酸
を固体触媒に通液するに予め該酢酸に蟻酸を0.05〜
0.2重量%共存させておき、次いで、固体触媒に通液
する。
Description
関する。更に詳しくは、本発明は、還元性有機物質を不
純物として含む酢酸の精製方法に関する。
医薬農薬製造工業、高分子化学工業などにおいて多量に
使用される基礎化学品の一つである。
デヒドの酸化、n−ブタンの直接酸化(米国特許第26
59746号明細書等)、ライトナフサの直接酸化(米
国特許第2926191号明細書等)、メタノールのカ
ルボニル化反応による製造方法(米国特許265024
4号明細書等)、エチレンの直接酸化法(米国特許51
62578号明細書等)が知られている。
も、得られる合成酢酸中には副反応によって不純物が混
入してくるので、これらを酢酸から十分に除去する必要
がある。特に、不純物として還元性有機物質が製品酢酸
中に極微量含まれていても製品酢酸には着色が生じるな
どの問題がある。
われるが、不純物に含まれる還元性有機物質の多くは酢
酸の沸点と近い沸点を有するので、蒸留という物理的な
方法によってこれらの不純物を完全に除去することは極
めて困難であった。
従来技術の有していた問題を解決し、酢酸に含まれる不
純物としての還元性有機物質を効率的に除去する方法を
提供することにある。
微少量混在する還元性有機物質が、酢酸に着色を生じさ
せ、品質を落とす大きな要因となることを見出し、さら
に、該還元性有機物質を除去する方法について鋭意検討
を重ねて本発明を完成するに至った。
を不純物として含む酢酸の精製方法において、該不純物
を含む酢酸と、全酢酸重量を基準として0.05〜0.
2重量%の蟻酸とを共存させ、次いで固体触媒に通液す
ることを特徴とする、酢酸の精製方法により達成するこ
とができる。
は、還元性有機物質を不純物として含む酢酸であり、該
不純物を含む酢酸を、蟻酸の共存下に固体触媒に通液す
ることが必要である。
の水素原子を発生する能力を有し、且つ酢酸に対して耐
久性を有する触媒であればいずれも用いることができる
が、なかでも、貴金属担持型のものを好ましく用いるこ
とができ、該貴金属としてはパラジウムを用いることが
好ましい。さらに、該担持型触媒を用いる場合には、担
持体として、無機酸化物および/または活性炭を用いる
ことが好ましく、該無機酸化物としては耐酸性の高い酸
化チタンが用いられる。
媒を用いる際には、該貴金属の担持量は触媒重量全体に
対して1〜5%とすることが好ましく、さらに、触媒の
形状としてはペレット状、球状、ハニカム状、リング状
など何れの形態も使用できるが粉体状の場合にはそれを
分離する工程が必要となるため好ましくない。
対し、該酢酸を上記固体触媒に通液する以前の任意の段
階で、蟻酸を全酢酸重量(蟻酸を含む。)を基準とし
て、0.05〜0.2重量%共存させておくことが必要
である。
合には、本願発明における還元性有機物質の除去効果を
奏することができない。一方、0.2重量%を越える
と、逆に大量の蟻酸が酢酸中に存在することになり、製
品酢酸純度が低下し、好ましくない。
体触媒と反応することによって発生する水素が、製品酢
酸の着色原因となる還元性有機物質を、着色原因とはな
らない他の化合物へと転換しているものと推察される。
で蟻酸が含まれているのであれば、蟻酸を新たに添加す
る必要は無い。
他の条件によっても多少の変動はあるが、一般に、加圧
設備を必要としない酢酸の沸点以下とすることが好まし
く、特に、50℃〜90℃とすることが好ましい。この
温度範囲にあるときには、不純物の除去が十分に進むと
ともに、設備の腐食も最小限に抑えることが可能であ
る。反応圧力についても任意に設定すればよいが、酢酸
の沸点より高い温度で通液する場合は、酢酸が液相を保
持する圧力で行う必要がある。さらに、酢酸の流量は触
媒単位kg重量当たり3〜7l/h程度に設定すればよ
い。
対象とするのは還元性有機物質であるが、酢酸合成時の
副生成物とは別に、酢酸の沸点と還元性有機物質の沸
点が近いこと、抽出剤を用いても還元性有機物質を完
全に除去することは困難であること、から酢酸水溶液か
ら蒸留操作および/または抽出・蒸留操作により回収し
た酢酸にも、該不純物は多く含まれており、本発明の精
製方法はこの酢酸水溶液から回収した酢酸についても効
果的な精製方法として適用することができる。
99.5%以上で、且つハーゼン色数が10以上である
か、または純分99.5%以上で、且つ過マンガン酸カ
リウム試験で過マンガン酸カリウム溶液の滴定量が10
〜30mLであるか、または純分は99.5%以上で、
且つ硫酸着色試験でのハーゼン色数が20〜100であ
る。これらの品質を有する酢酸を精製するときに、本発
明の効果は最大限に発揮される。
ボン酸製造プロセス、脂肪族カルボン酸製造プロセス、
これらのエステル製造プロセスなどから発生する酢酸含
有廃水を前処理して得た処理排水を挙げることができ
る。なお、本発明において、酢酸含有排水の前処理とは
湿式酸化、抽出、等の不純物を除去する処理である。
しては、酢酸より低沸点でも高沸点であってもどちらで
もよいが、酢酸との蒸留分離が容易な溶媒、例えば酢酸
ブチルやメチル・n−アミルケトン、酢酸エチルなどを
用いればよい。
は、固体触媒を設置する場所は、酢酸蒸留塔から留出し
た酢酸を還流する、酢酸送液配管とすることが好ましい
が、酢酸蒸留塔から留出した酢酸を取り出す酢酸送液配
管でも構わない。なお、この場合は万一触媒が壊れた場
合の酢酸への触媒混入を防ぐため適当なガードフィルタ
ーを設けるのが好ましい。
説明するが、本発明はこれにより何等限定を受けるもの
では無い。なお、実施例中の各値は以下の方法に従って
測定を行った。 (1)酢酸純度(wt%):JIS K-1351に準
じて行った。 (2)蟻酸濃度重量(wt%):液体クロマトグラフィ
ーにより行った。 (3)色(ハーゼン色数):JIS K-1351に準
じて行った。 (4)過マンガン酸カリウム試験(mL):回収酢酸6
mlと蒸留水14mlの混合溶液に、0.1重量%の過
マンガン酸カリウム水溶液を滴下して行き、過マンガン
酸カリウムの赤紫色が30秒以上保つ点を終点として、
それまでに要した過マンガン酸カリウム溶液の適定量を
mLで示した。 (5)硫酸着色試験(ハーゼン色数):回収酢酸27m
lに濃硫酸3mlを添加し、室温で10分間放置した
後、サンプルをJIS K−1351の色度標準と比較
することにより求めた。
ラントで発生した廃水に対して触媒湿式分解処理を行
い、酢酸以外の有機成分を部分的に除去した酢酸含有水
溶液(酢酸2.4重量%、蟻酸0.002重量%)に抽
出剤としてメチル・n−アミルケトンを添加して酢酸を
メチル・n−アミルケトン側に抽出し、該抽出液から蒸
留により水分を除去し、次いで酢酸を抽出剤として蒸留
分離する蒸留塔で得られたテレフタル酸ジメチル製造プ
ラントからの回収酢酸(酢酸の純分99.80%、蟻酸
濃度0.15%、過マンガン酸カリウム試験0.28m
L、ハーゼン色数20、硫酸着色試験によるハーゼン色
数80)を、外径約3mmφのチタニア球上に2重量%
のパラジウムを担持させた触媒を30g充填した流通型
反応器に、上向きに導入し、常圧下、28℃の温度に
て、150g/Hの速度で反応させながら通過させた。
得られた精製酢酸を室温まで冷却した後、品質を測定し
た。結果を表1に示す。
を60℃に変更したこと以外は同様の操作を行った。結
果を表1に示す。
を100℃に変更したこと以外は同様の操作を行った。
結果を表1に示す。
を流通型反応器に通過させなかったこと以外は同様の操
作を行った。結果を表1に示す。
応器での通過速度を300g/Hに変更したこと以外は
同様の操作を行った。結果を表1に示す。
0.01%、過マンガン酸カリウム試験0.18mL、
ハーゼン色数10、硫酸着色試験によるハーゼン色数4
0)を外径約3mmφのチタニア球上に2重量%のパラ
ジウムを担持させた触媒を30g充填した流通型反応器
に、上向きに導入し、常圧下、60℃の温度にて、90
g/Hの速度で反応させながら通過させた。結果を表2
に示す。
した酢酸を流通型反応器に通過させなかったこと以外は
同様の操作を行った。結果を表2に示す。
した酢酸に、さらに蟻酸濃度が0.06重量%になるよ
うに蟻酸を添加したこと以外は同様に操作を実施した。
結果を表2に示す。
要とする量共存していない酢酸を固体触媒に通液しても
(比較例2)、該固体触媒に通液していなくても(比較
例3)、どちらも製品酢酸の品質向上は認められない
が、蟻酸を必要量共存させた実施例5では、比較例2お
よび3と比べて高品質の酢酸を得ることが可能である。
質を連続的に得られ、酢酸の精製工程における効率が向
上すると共に、エネルギーの節減も可能になり、その工
業的価値は極めて大である。
ロー図である。
ロー図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 還元性有機物質を不純物として含む酢酸
の精製方法において、該不純物を含む酢酸と、全酢酸重
量を基準として0.05〜0.2重量%の蟻酸とを共存
させ、次いで固体触媒に通液することを特徴とする、酢
酸の精製方法。 - 【請求項2】 固体触媒が、貴金属担持固体触媒であ
る、請求項1記載の精製方法。 - 【請求項3】 貴金属がパラジウムである、請求項2記
載の精製方法。 - 【請求項4】 固体触媒の担持体が無機酸化物および/
または活性炭である、請求項2または3のいずれか記載
の精製方法。 - 【請求項5】 固体触媒に通液する酢酸が、酢酸水溶液
から蒸留操作および/または抽出・蒸留操作により回収
した酢酸である、請求項1〜4のいずれか記載の精製方
法。 - 【請求項6】 酢酸水溶液が、芳香族カルボン酸製造プ
ロセス、脂肪族カルボン酸製造プロセス、これらのエス
テル製造プロセスからなる群から選ばれた少なくとも1
種類のプロセスから発生する酢酸含有廃水を前処理して
得た処理排水である、請求項5記載の精製方法。
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