JP2001130154A - 平版印刷用部材及び平版印刷方法 - Google Patents

平版印刷用部材及び平版印刷方法

Info

Publication number
JP2001130154A
JP2001130154A JP31714599A JP31714599A JP2001130154A JP 2001130154 A JP2001130154 A JP 2001130154A JP 31714599 A JP31714599 A JP 31714599A JP 31714599 A JP31714599 A JP 31714599A JP 2001130154 A JP2001130154 A JP 2001130154A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lithographic printing
printing
sintered body
image
composite sintered
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31714599A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshinori Hotta
吉則 堀田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP31714599A priority Critical patent/JP2001130154A/ja
Publication of JP2001130154A publication Critical patent/JP2001130154A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)
  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷面がSi34より易焼結性のSi34
セラミックス材料から構成されている平版印刷用部材を
提供すること及びこの平版印刷用部材を用いた平版印刷
方法を提供すること。 【解決手段】 MgO、Al23、Y23、AlN、B
4C、及びSiCから選択される無機材料とSi34
の複合焼結体から印刷面が構成され、かつ該複合焼結体
の密度が2.5g/cm3以上である平版印刷部材、並
びに(イ)この平版印刷部材の印刷面に画像形成のため
のレーザー光を照射することによって画像領域と非画像
領域とを有する平版印刷版を製版する工程、(ロ)
(イ)工程で製版された平版印刷版をを用いて印刷を行
う工程、及び(ハ)印刷終了後、画像消去のためのレー
ザー光を平版印刷版に全面照射する工程を含む平版印刷
方法が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平版印刷用部材及
び平版印刷方法に関し、より詳しくは像様露光された後
の現像を必要とせず、異なった波長のレーザーの照射に
より親疎水性を示す素材を印刷面に有する新規平版印刷
用部材及びそれを用いた平版印刷方法に関する。
【0002】
【従来の技術】平版印刷の技術は、油と水の不混和性に
基づいており、油性材料もしくはインクが画像領域によ
って選択的に保持される。適切に調製された版材の表面
を水で湿らせた後、印刷用インクを塗布すると、非画像
領域は水を保持してインクをはじくのに対して画像領域
はインクを受け入れて水をはじく。従って、これを印刷
させる面と直接又はブランケットと呼ばれる中間体を介
して間接的に接触させると画像領域上のインクが転写さ
れて印刷が行われる。
【0003】インクを受容する画像領域を形成する材料
としては、多くの有機材料が知られているが、それらは
基本的には感光性成分(輻射線感受性材料)とバインダ
ーから形成されている。有用なネガ型組成物には、ジア
ゾ樹脂、光架橋性ポリマー及び光重合性組成物が含まれ
る。有用なポジ型組成物には、芳香族ジアゾオキシド化
合物、例えば、ベンゾキノンジアジド類及びナフトキノ
ンジアジド類が含まれる。これらの材料に像様の露光を
与えて現像と必要により定着を行うと、印刷を行うこと
ができる像様分布の画像領域が形成される。
【0004】水を保持する非画像部領域を形成する材料
としては、陽極酸化処理したアルミニウムの表面が一般
的に用いられている。この用途にアルミニウムを用いる
ために、砂目立て処理及びその後の陽極酸化処理の両方
を行うのが一般的である。砂目立て処理は、その後に塗
布される輻射線感受性塗膜の密着性を改良するのに役立
ち、平版印刷版の非画像領域の水保持特性を高めるのに
も役に立つ。
【0005】このような親水化処理を施した面は、露光
と現像を行うと非画像部では露出し、湿し水を与えると
それを十分に保持するので印刷用インクを効果的にはじ
いて印刷時の汚れを抑制する。
【0006】上記のように一般的な平版印刷版は、像様
露光後に現像液で現像する必要がある。現像液は、画像
形成層の非画像部領域を除去して、粗面化されて親水性
となっている支持体表面を露出させる。現像液は典型的
な水性アルカリ性水溶液であり、大量の有機溶剤を含む
こともある。従って、現像は、その作業工程の煩雑さだ
けでなく、現像の後に大量の使用済みのアルカリ性現像
液廃液を処分する必要もあるので、印刷分野では長い間
重要な関心事項であった。アルカリ現像廃液の問題は近
年特に環境保護の立場から注目されており、できるだけ
廃液量を減らす方法や、低アルカリ化の対策が提案され
ているが、根本的な解決には到っていない。
【0007】上記した背景からアルカリ現像液を用いる
現像を必要としない印刷版を製造する努力が長年にわた
って行われてきた。例えば近年レーザー露光を用いて印
刷版を作成する方法が知られている。しかし用いられて
いる印刷材料はアブレーションにより画像形成するもの
が多い。
【0008】一方ZrO2セラミックスを表面に用いて
レーザー照射により表面物性を変化させて画像を形成さ
せる方法が特開平9−169098号公報に提案されて
いる。そのシステムはそのセラミックスの材質自身がレ
ーザーに対する感度を有し異波長での描画(親油化)と
消去(親水化)に対応したものであり、画像形成及び消
去の両方をレーザー照射だけで行えるものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記方
法をさらに改善する方法として、異波長のレーザー照射
により描画(親水化)及び消去(親油化)を行うことが
できるSi34を平版印刷用部材として用いる方法を提
案した。しかしながら、本発明者らが提案した現像処理
を必要としない平版印刷用部材であるSi34は、それ
自身難焼結性であるために、ロール状の焼結体を得るた
めには特殊な技術やノウハウを要し、高温又は高圧下で
の焼結が必要なためにコストアップの要因となる。本発
明の目的は、印刷面がより易焼結性のSi34基含有セ
ラミックス材料から構成されている平版印刷用部材を提
供することにある。本発明の他の目的は、上記平版印刷
用部材を用いた平版印刷方法を提供することにある。
【0010】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、Si34
と、MgO、Al23、Y23、A1N、B4C、Si
C、又はこれらの任意の組み合わせの材料を常圧焼結す
ることにより緻密な燒結体が得られ、平版印刷用部材と
して必要な表面に水を保持する特性を付与できることを
見出した。さらにこの焼結体は加える無機材料の量が適
切であればSi 34が有するレーザー照射で親疎水性が
変化する特性を損なうことないことを見出し本発明に到
った。即ち、本発明によれば、下記構成の平版印刷用部
材及び平版印刷方法が提供される。 (1)MgO、Al23、Y23、AlN、B4C、及
びSiCからなる群から選択される少なくとも1種の無
機材料とSi34との複合焼結体から印刷面が構成さ
れ、かつ該複合焼結体の密度が2.5g/cm3以上で
あることを特徴とする平版印刷用部材。 (2)(イ)上記(1)に記載の平版印刷用部材の印刷
面に、画像形成のためのレーザー光を照射することによ
って画像領域と非画像領域とを有する平版印刷版を製版
する工程、(ロ)上記(イ)工程で製版された平版印刷
版をを用いて印刷を行う工程、及び(ハ)印刷終了後、
画像消去のためのレーザー光を平版印刷版に全面照射す
る工程を含むことを特徴とする平版印刷方法。
【0011】上記(1)の平版印刷用部材は、その印刷
表面が、MgO、Al23、Y23、AlN、B4C、
及びSiCからなる群から選択される少なくとも1種の
無機材料とSi34の複合焼結体から構成されているこ
とにより、レーザーにより直接画像形成及び消去可能と
なるので、平版印刷版用原版として有利に使用すること
ができる。また、Si34の焼結体の表面は多数の空隙
を有するため、表面から水が吸収されてしまい印刷時に
与えた水が表面に保持されないため印刷版として利用す
ることができない。このため上記複合焼結体において
は、その密度を2.5g/cm3以上とすることにより
表面の吸水性が少くなり、印刷時に与えた水が十分に表
面に保持されることとなった。上記(2)の平版印刷方
法により、Si34基含有無機固体材料への異波長のレ
ーザー照射により画像の描画と消去が可能であり繰り返
し利用可能なシステムを構築することができる。具体的
には描画に用いるレーザー波長が800〜1200nm
の波長域にあり、消去に用いるレーザー波長が10〜2
0μmの波長域にある。
【0012】Si34の焼結体の複合焼結体を印刷用部
材として用いる方法は、従来公知の平版印刷法と比較し
て多くの利点を有する。例えば、印刷版の化学処理を必
要としないこと、水性アルカリ現像液の使用に伴う作業
面の煩雑さが解消すること、これらにより廃液に伴う環
境汚染が防止できること、異波長のレーザー照射により
画像の描画と消去ができ平版印刷用原版の再生が可能に
なること等から、ランニングコストの低減が図れる。印
刷面がこのSi34の複合焼結体により構成されている
本発明の印刷用部材は、上記の利点を損なうことなく、
更に安定な部材として低コストで得ることが可能とな
る。
【0013】印刷版への像様照射は、このSi34の複
合焼結体から構成されている印刷面に親水性から親油
性、もしくは親油性から親水性状態に変換する収束レー
ザービームで行うことができる。このレーザービームを
用いて行う照射は従来一般的に行われていた写真フィル
ムを介する版下工程を必要とせずにデジタルデータから
直接印刷版を製版することをも可能にしておりこれも本
発明の印刷方法の利点である。更に化学処理、ワイピン
グ、ブランシング、べーキング等の製版作業に伴ういく
つかの処理も不要になる。したがって、本発明を利用し
た印刷工程の更なる簡素化として、レーザー露光装置及
びレーザー露光装置の位置を制御する適当な手段を印刷
機に装備することによって印刷機上で直接印刷版を露光
することが可能になることもあげられる。上記Si34
の複合焼結体から構成されている印刷表面は、通常の湿
し水及び通常の平版印刷インクの作用に良く適合するの
で新規なもしくはコストのかかる化学組成物は必要とし
ない。
【0014】本発明の平版印刷用部材に用いる上記Si
34の複合焼結体は、上記した作業性や環境安全性の上
での利点のほかに、平版印刷の用途や印刷適性の面でも
多くの特性をもっている。例えば、材料表面は、セラミ
ック材料の特性として硬度が高いので、耐久性、耐摩耗
性に優れており、したがって長持ちもする。さらに、S
34の複合焼結体は、繰り返し利用可能であることに
より、印刷機の版胴などとして利用した場合、該版胴上
での修正にも対応可能なシステムを提供することができ
る。一方、印刷版の作製作業とコストがかからないの
で、部数の少ない印刷に用いるのにも適している。ま
た、親油性画像領域と親水性非画像領域との区別が優れ
ているので、印刷仕上がりの画質も高いレベルにある。
そのほか、所望に応じて、剛体、半剛体もしくは軟質形
態で印刷面を形成させることもできる。また、活性光の
照射だけで行われる画像形成プロセスは、迅速かつ容易
であり、得られる画像の解像度も照射ビームに依存して
高い。したがって、本発明の平版印刷技術は、電子的に
捕獲されてデジタルに保存された画像への適用に特に好
都合である。
【0015】本発明の方法で製造された平版印刷用部材
は、従来の砂目立てして陽極酸化したアルミニウム板を
越える優れた長期の耐摩耗性を示し長期の連続印刷を可
能にする。
【0016】本発明の方法で製造された平版印刷用部材
の印刷面を構成するSi34の複合焼結体は、公知の材
料であるが、平版印刷プロセスの改良にこの材料を応用
することは今まで開示されていない。本発明は平版印刷
用部材の製造技術分野において大きな進歩をもたらす。
以下に本発明の実施の具体的様態について述べる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の平版印刷用部材の印刷面
は、MgO、Al23、Y23、AlN、B 4C、及び
SiCからなる群から選択される少なくとも1種の無機
材料とSi3 4との複合焼結体から構成される。なかで
も、上記無機材料が、MgO、Al2 3、Y23、Al
N、B4C、及びSiCの2種以上の組み合わせが好ま
しく、特にはAl23とY23の組み合わせが好まし
い。このように組み合わせることにより、複合焼結体の
密度を2.5g/cm3以上になし易くなる。該複合焼
結体の密度は、2.5g/cm3以上、好ましくは2.
7〜3.0g/cm3である。
【0018】Si34自体の焼結体は、その表面は親油
的であるが、焼結が不十分である場合や反応焼結によっ
て得られた焼結体は非常にポーラスな構造を有してお
り、この空隙のために表面から水を吸収してしまうので
印刷時に与えた水が表面に保持されない。本発明に用い
られる複合焼結体は、S34と共に上記の特定の無機材
料と焼結反応を進行さて得られるので、該無機材料が焼
結助剤として作用し、容易に上記範囲の密度の空隙の少
ない綴密な焼結体となり得る。これら特定の無機材料
は、レーザーに対して親疎水性変化をおこす特性を有し
ていない。これら無機材料の含有量が、複合焼結体中
に、Si34に対して20重量%以下であれば、レーザ
ー照射による描画及び消去挙動の変化は実質上起きな
い。20重量%を越えて含有すると、Si34の挙動以
外に無機材料成分の挙動が並行して発現するため、特に
消去の点で十分な親疎水性の変化が得られなくなり、好
ましくない。以上の理由から、無機材料の複合焼結体中
における含有量は、Si34に対して、好ましくは1〜
20重量%、より好ましくは5〜15重量%である。
【0019】この複合焼結体は、近赤外から赤外の波長
を有する活性光の照射により親水性状態から親油性、又
は親油性状態から親水性に効率的に変換することができ
る。この波長の活性光は本発明による無機化合物固体材
料表面に吸収されると熱エネルギーに変換されて表面の
温度を上昇させそれに伴って表面の極性を変化させる。
画像の描画に用いられるレーザー波長は800〜120
0nmの波長域にあり、消去に用いるレーザー波長は1
0〜20μmの波長域にある。描画に用いるレーザー
は、好ましくは上記の1064nmの波長を有するNd
−YAGレーザーであり、同様にQスイッチを装備しパ
ルス発振によってクリプトンアークランプによって光学
的にポンピングされ短時間に高エネルギーのパルスを与
えられるシステムが好ましい。
【0020】上記複合焼結体から構成される印刷面を有
する平版印刷用部材として、簡易印刷に用いる板状の平
版印刷用原版、図1に模式的に示すような一般的なオフ
セット印刷機に用いられる円柱状の回転体をなす版胴
1、また図2に模式的に示すような版胴2に着脱可能な
円筒状のスリーブ3等が挙げられる。なお、図1の版胴
1、図2のスリーブ3は、全体が複合焼結体からなって
いる。
【0021】複合焼結体から構成される印刷面を有する
平版印刷用部材は、次のようにして製造することができ
る。即ち、MgO、Al23、Y23、AlN、B
4C、及びSiCからなる群から選択される少なくとも
1種の無機材料粉末とSi34粉末の所定量を充分混練
した後バインダーとして水を加え、所定形状に成形す
る。その成形体を、好ましくは焼結温度1400〜17
00℃、より好ましくは1500〜1600℃で焼結し
複合焼結体が製造される。
【0022】本発明の平版印刷用部材の印刷面を構成す
る複合焼結体の「活性光の照射による親油性と親水性の
間の変化」は極めて顕著である。画像部と非画像部の親
水性と親油性の差が大きいほど識別効果が顕著であり、
印刷面が鮮明となり、同時に耐刷性も大きくなる。親水
性と親油性の相違度は水滴に対する接触角によって表す
ことができる。親水性が大きいほど水滴は広がりを見せ
て接触角が小さくなり、逆に水滴を反発する(撥水性つ
まり親油性)場合は接触角が大きくなる。
【0023】以上説明した平版印刷用部材を用いた本発
明の平版印刷方法は以下の工程(イ)〜(ハ)を含む。 工程(イ):本発明の平版印刷用部材の印刷面に、画像
形成のためのレーザー光を照射することによって画像領
域と非画像領域とを有する平版印刷版を製版する工程。 工程(ロ):上記(イ)工程で製版された平版印刷版を
を用いて、印刷を行う工程。 工程(ハ):印刷終了後、画像消去のためのレーザー光
を平版印刷版に全面照射する工程。
【0024】工程(イ)において、本発明の平版印刷用
部材の印刷面(版面)は、レーザー光(波長:800〜
1200nm)の照射をうけた部分の接触角が急激に変
化し、版面上の画像上にインキ保持部と水保持部がで
き、紙等の受容シートと接触することによってその被印
刷面にインクが転写され、工程(ロ)が行われる。
【0025】従来技術として前記した特開平9−169
098号公報に記載のジルコニア(Zr02)の極性変
化の度合いが不十分であるのに対して、本発明の平版印
刷用部材の印刷面の極性変化は非常に大きく、従来の平
版印刷版同様の画像部と非画像部の親水性と親油性の差
を有する表面を得ることが可能である。印刷面への像様
露光を行った後(工程(イ)を行った後)、この原版は
現像処理をすることなくそのまま平版印刷工程(工程
(ロ))に供される。それ故、公知の平版印刷法に比較
してその簡便性において多くの利点を有する。すなわち
上記したようにアルカリ現像液による化学処理が不要で
あり、それに伴うワイピング、フラッシングの操作も不
要てあり、現像排液の排出による環境負荷も伴わない。
【0026】以上のようにして得られた平版印刷用原版
の表面は、十分に画像様に極性の変化を有しているの
で、従来行われていたような親水化処理やあるいは親油
化処理(感脂化処理)は基本的には不要であるが、所望
によっては水洗水、界面活性剤を含有するリンス液、ア
ラビアガムや澱粉誘導体を含む不感脂化液で後処理を行
ってもよい。
【0027】本発明の平版印刷用部材を用いた印刷方法
における工程(ロ)及び工程(ハ)は、図3に示すよう
な表面に画像形成できるレーザー光源6、画像消去を行
うレーザー光源7、それぞれのレーザーを操作する制御
手段(図示せず)、ファウンテン溶液供給手段(図示せ
ず)、ファウンテン溶液を印刷面に塗布する手段(図示
せず)、平版印刷用インクの供給手段(図示せず)及び
平版印刷インクを印刷面に転写する手段(図示せず)を
含む平版印刷システムを構成要素として行われる。上記
のシステムを用いることにより平版印刷面に付与された
インク画像はブランケット胴8を介して被印刷物9に転
写され印刷物が得られる。
【0028】工程(ロ)の印刷が終了後は、平版印刷版
は画像消去のための波長10〜20μmのレーザーが照
射されて画像が消去される(工程(ハ))。画像が消去
された平版印刷版は、再度用いられて工程(イ)〜
(ハ)が繰り返される。
【0029】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明するが、本発明の範囲は実施例によって制限されな
い。 (1)複合焼結体の作製 セラミックス原料であるSi34粉末原料にそれぞれの
無機材料を添加し、充分混練した後バインダーとして水
を加え、30mm四方の正方形の板状にプレス成形し
た。無機材料は、MgO、Al23、Y23、AlN、
4C、SiCのそれぞれについて母相のSi34に対
して、重量比で、0、10、20、40重量%の割合に
なるように添加した。このようにして得た成形体を焼結
温度1400、1500、1600℃の3条件で焼結し
複合焼結体を得た。
【0030】(2)複合焼結体の評価 (i)密度の測定 作製した複合焼結体の密度は焼結体の外形を測定し体積
を算出し、別に求めた重量とから嵩密度として求めた。
結果を表1に示した。 (ii)レーザー照射による親疎水性の測定 作製した複合焼結体表面に下記条件のYAGレーザー光を用いて四角い画像様 に照射(露光)した。 レーザー :シングルモード(TEM00) スポット径 :100μm 周波数:2KHz 走査速度 :50mm/sec 出力 :平均出力 2W(ピーク出力 6KW) パルス照射時間:0.12μsec 更に消去性の確認のために下記条件のCO2レーザーをYAGレーザー照射面 の上から照射した。 スポット径 :約70μm 出力 :8.4W 照射前、YAGレーザー照射部、CO2レーザー照射部
の接触角を接触角計(協和界面化学(株)製コンタクト
アングルメーターCA−12型)を用いて測定した。測
定には脱イオン化水(極性)を用い、YAGレーザー照
射部、CO2レーザー照射部、未照射部について接触角
を測定し比較した。以上の結果を表1,2に示した。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】表1に示された結果から、本発明で特定さ
れた無機材料を添加した複合焼結体は、いずれも150
0℃の焼結温度で、密度2.5g/cm3以上の緻密な
焼結体が得られることがわかる。また、表2に示された
結果から、本発明で特定された無機材料を添加した複合
焼結体の親疎水性の変化は、添加しない場合と実質上同
じ変化を示すことがわかる。
【0034】
【発明の効果】本発明の平版印刷用部材は、印刷面がよ
り易焼結性のSi34基含有セラミックス材料から構成
され、しかもSi34自体が有するレーザー光の照射に
よる優れた親疎水性変化の特性を損ねることなく有して
いるので、優れた平版印刷方法を提供することができる
とともに、低コストである。また、上記平版印刷用部材
を用いた本発明の平版印刷方法は、上記の低コストで、
しかも優れた平版印刷用部材を用いているので、全体と
して低コストの印刷システムを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】全体が複合焼結体からなる平版印刷用部材の一
例を模試的に示す図。
【図2】版胴に脱着可能な、全体が複合焼結体からなる
スリーブ状の平版印刷版用原版(平版印刷用部材)の一
例を模試的に示す図。
【図3】画像形成および消去が可能な平版印刷システム
の概略図。
【符号の説明】
1 回転体 2 版胴 3 スリーブ 6 画像形成できるレーザー光源 7 消去用レーザー光源 8 ブランケット胴 9 被印刷物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA00 AB03 AC08 AD01 AD03 BH03 FA03 FA47 2H084 AA14 AE05 BB01 BB16 CC05 2H096 AA07 AA08 BA16 BA20 LA17 LA30 2H114 AA04 AA22 AA24 BA05 DA08 DA10 DA72 EA01 EA02 FA16 GA38

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 MgO、Al23、Y23、AlN、B
    4C、及びSiCからなる群から選択される少なくとも
    1種の無機材料とSi34との複合焼結体から印刷面が
    構成され、かつ該複合焼結体の密度が2.5g/cm3
    以上であることを特徴とする平版印刷用部材。
  2. 【請求項2】 (イ)請求項1に記載の平版印刷用部材
    の印刷面に、画像形成のためのレーザー光を照射するこ
    とによって画像領域と非画像領域とを有する平版印刷版
    を製版する工程、 (ロ)上記(イ)工程で製版された平版印刷版をを用い
    て印刷を行う工程、及び (ハ)印刷終了後、画像消去のためのレーザー光を平版
    印刷版に全面照射する工程を含むことを特徴とする平版
    印刷方法。
JP31714599A 1999-11-08 1999-11-08 平版印刷用部材及び平版印刷方法 Pending JP2001130154A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31714599A JP2001130154A (ja) 1999-11-08 1999-11-08 平版印刷用部材及び平版印刷方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31714599A JP2001130154A (ja) 1999-11-08 1999-11-08 平版印刷用部材及び平版印刷方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001130154A true JP2001130154A (ja) 2001-05-15

Family

ID=18084952

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31714599A Pending JP2001130154A (ja) 1999-11-08 1999-11-08 平版印刷用部材及び平版印刷方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001130154A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009514695A (ja) * 2005-11-02 2009-04-09 マンローラント・アーゲー 消去および再利用可能な凹版刷版による凹版印刷のための方法および装置
US8925457B2 (en) 2011-08-11 2015-01-06 Heidelberger Druckmaschinen Ag Printing form
US11768198B2 (en) 2011-02-18 2023-09-26 Bio-Rad Laboratories, Inc. Compositions and methods for molecular labeling

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009514695A (ja) * 2005-11-02 2009-04-09 マンローラント・アーゲー 消去および再利用可能な凹版刷版による凹版印刷のための方法および装置
US11768198B2 (en) 2011-02-18 2023-09-26 Bio-Rad Laboratories, Inc. Compositions and methods for molecular labeling
US8925457B2 (en) 2011-08-11 2015-01-06 Heidelberger Druckmaschinen Ag Printing form

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5855173A (en) Zirconia alloy cylinders and sleeves for imaging and lithographic printing methods
US5743188A (en) Method of imaging a zirconia ceramic surface to produce a lithographic printing plate
US5839369A (en) Method of controlled laser imaging of zirconia alloy ceramic lithographic member to provide localized melting in exposed areas
JP3583610B2 (ja) ポジテイブ作用性印刷版の作製のための感熱性画像形成要素
JP3392404B2 (ja) レーザイメージング装置に用いるリソグラフ印刷プレート
US5836249A (en) Laser ablation imaging of zirconia-alumina composite ceramic printing member
JPH0848020A (ja) 親油性画像形成層を用いるリソグラフ印刷版及びその画像形成方法
AU6240600A (en) Infrared laser-imageable lithographic printing members and methods of preparing and imaging such printing members
JPH11258781A (ja) 平版印刷部材及びそれを用いる画像形成方法
US5836248A (en) Zirconia-alumina composite ceramic lithographic printing member
US6408755B1 (en) Method for erasing a lithographic printing master
US5893328A (en) Method of controlled laser imaging of zirconia-alumina composite ceramic lithographic printing member to provide localized melting in exposed areas
JP3739962B2 (ja) 平版印刷版用原版、これを用いた平版印刷版の製版方法および平版印刷版用原版の製造方法
JPH10254143A (ja) ポジ作用性平版印刷版の製造方法
US5870956A (en) Zirconia ceramic lithographic printing plate
US5839370A (en) Flexible zirconia alloy ceramic lithographic printing tape and method of using same
JP2001130154A (ja) 平版印刷用部材及び平版印刷方法
JP2001088458A (ja) 明確なナノ構造を伴うプロセスレス感熱印刷版
JP2002341558A (ja) 平版印刷版の印刷処理方法及び平版印刷版
EP0872339B1 (en) Zirconia alloy cylinders and sleeves for lithographic imaging and printing methods
JP2002001900A (ja) 平版印刷方法、平版印刷版および平版印刷装置
JP4094921B2 (ja) 平版印刷版の製版方法
JP2001071657A (ja) 画像形成材料、平版印刷用原版、画像形成方法、及び平版印刷版の製版方法
JP2002002137A (ja) 平版印刷版の作製方法、平版印刷方法および平版印刷装置
JP2002502329A (ja) 感熱性印刷版前駆体