JP2001129666A - 補修用溶接装置 - Google Patents

補修用溶接装置

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JP2001129666A
JP2001129666A JP31442399A JP31442399A JP2001129666A JP 2001129666 A JP2001129666 A JP 2001129666A JP 31442399 A JP31442399 A JP 31442399A JP 31442399 A JP31442399 A JP 31442399A JP 2001129666 A JP2001129666 A JP 2001129666A
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welding
wire
electrode rod
metal electrode
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English (en)
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Takemori Ibaraki
健守 茨木
Takayoshi Kishimoto
孝義 岸本
Michio Tomita
美智雄 冨田
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SOMAKKUSU KK
Original Assignee
SOMAKKUSU KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金型等の溶接補修を、熟練度を要することな
く、容易に高精度で微細箇所にも行えるようにする。 【解決手段】 本体機11と金属電極棒Dおよび溶加ワ
イヤーYで溶接を行うホルダー12をアーク用リード線
23及びモータ用リード線24を包含するガスチューブ
22で接続している。溶接を始めると本体機11からの
アーク電圧の変位を検知して制御して、アーク出力、溶
加ワイヤーYの送り速度等を適宜変化させ、溶加ワイヤ
ーYの最適な溶融状態および正確な位置への送りを維持
すると共に、金属電極棒DとワークW間の間隔も最適距
離に維持して、高精度の溶接を行えるようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金型等の補修用溶
接装置に関し、詳しくは、樹脂成形用金型、ゴム成形金
型、ガラス金型、ダイキャスト金型、プレス金型等の各
種の金属製金型や金属ローラ、刃物等の各種金属製工具
等における摩耗や欠損等の箇所を肉盛り溶接により補修
する装置において、熟練した技術を要せず、非熟練者で
も容易かつ確実に補修溶接を行えると共に、特に、微小
な肉盛りを高精度で行えるようにするものである。
【0002】
【従来の技術】従来、樹脂やゴム成形用の金型に、すり
減り、摩耗、打ち傷等が発生した場合、およびプレス金
型等では刃先に欠け等が発生した場合、これら損傷等を
補修するため、汎用のTIG溶接機が使用されている。
【0003】汎用のTIG溶接機による溶接方法は、非
消耗式のタングステン製等の金属電極棒を取り付けた溶
接ホルダーを作業者が片手に把持する一方、もう一方の
手で溶加棒を把持し、補修箇所に上記金属電極棒の先端
を接近させてアークを発生させると共に、このアーク中
に上記溶加棒の先端を入れることで溶加棒を溶融させ、
補修箇所の肉盛り溶接等を行うものである。
【0004】一方、溶接の対象となる樹脂成型用等の金
型は、高精度で加工形成されているため、補修箇所に施
される溶接も高精度であることが要求される。また、上
記補修が必要となる摩耗等は、金型の凸部先端、凹部の
隅部、エッジ部等の一般に溶接を行うのが困難な場所に
発生する場合が多く、さらに、摩耗等の箇所自体の大き
さも微細であることが多いため、補修溶接を一層困難に
している。
【0005】微細な補修を行う場合、電極の先端や溶加
棒の向きを補修箇所に対してズレがないように位置づけ
るのが困難であり、また、電極先端を補修箇所の方向に
正確に近づけても、アーク出力の設定等が大きければ、
アークが必ず補修箇所に向けて発生するとは限らない。
よって、目的箇所以外の箇所に溶滴が付着したり、肉盛
りがなされたり、金型側に溶融が発生する等、溶接の失
敗が発生しやすく、金型の補修箇所に凹凸が近接して位
置する複雑な形状の場合は、特に発生し易い問題があ
る。
【0006】上記のように、汎用TIG溶接機による金
型補修は、溶接作業自体が溶接ホルダーと溶加棒を同時
に移動させる両手を使用したものである上に、補修対象
として凹凸が多い金型を高精度に溶接する必要があるた
め、高い熟練度を要求している。即ち、適切なアーク出
力に設定した上で、良好なアーク発生距離である2mm
程度に金属電極棒の先端と補修箇所の間隔を維持し、こ
の状態で補修箇所に沿って溶接ホルダーを移動させると
同時に、溶加棒を金属電極棒に対して適切な角度及び送
り速度でアーク中に送りこまねばならない難しさがあ
る。
【0007】上記したTIG溶接機における溶加棒の送
りの困難性を解消するため、図14(A)(B)に示す
実開昭57−21481号及び実開昭58−57378
号でTIG溶接用のホルダー1、1’が夫々開示されて
いる。これらホルダー1、1’は共に、ワイヤー供給ホ
ース1a、1a’で、図14(C)に示すワイヤー送給
器5と接続され、溶加ワイヤーYは連続供給可能にされ
ている。また、溶加ワイヤーYを金属電極棒2、2’の
先端近傍へ導くガイド1b、1b’を可動調整式にし
て、金属電極棒2、2’に対して適切な角度及び位置関
係で溶加ワイヤーYを送給可能にされている。なお、ホ
ルダー1、1’は、電源供給ホース(図示せず)で、図
14(D)に示す電源及びシールドガス供給用の本体機
7とも接続されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記した各ホルダー
1、1’は汎用溶接用であるため、適用される溶加ワイ
ヤーYの外径がφ1.0〜φ3.2mm程度のものを対
象としており、上記ガイド1b、1b’も上記溶加ワイ
ヤー径に適応した内径寸法に設定されている。微細箇所
の補修を行う場合、溶加ワイヤーとして市販されている
うちで最小径1.0mmのワイヤーあるいは1.2mm
のワイヤーが一般的に用いられている。しかしながら、
1.0mmの最小径の溶加ワイヤーを用いても、微細箇
所の補修にはワイヤーの線径が太すぎる場合が多く、必
要以上にワイヤーが溶融して、微細箇所の補修を慎重に
行うことが困難となる。
【0009】また、微小箇所の補修用として、1.0m
m未満のワイヤーを入手できたとしても、このような細
い溶加ワイヤーを上記汎用のホルダー1、1’で用いる
と、ガイド1b、1b’を調整しても、ガイド1b、1
b’の中で細い溶加ワイヤーが遊んでしまい、微細な補
修箇所へ正確に位置決めして溶加ワイヤーが供給できな
い問題がある。
【0010】例えば、補修箇所が1mm四方の微細な場
合、上記ホルダー1、1’のガイド1b、1b’の先端
位置を適切に調整していても、ガイド1b、1b’の内
径寸法が溶加ワイヤー径に対して余裕があると、溶加ワ
イヤーの先端位置が補修箇所からずれやすい。このよう
な位置ずれが発生すると、補修箇所以外に溶滴が付着し
たり、アークだけが飛んで金型を溶融し、金型に取り返
しのつかない程の損傷を与える。
【0011】さらに、ホルダー1、1’と接続されるワ
イヤー送給器5のワイヤー送り速度および本体機7のア
ーク発生出力も、市販されている1.0mm以上の溶加
ワイヤーに合わせた範囲でしか設定できないため、1.
0mm未満の溶加ワイヤーでは溶接不良が発生しやす
い。即ち、上記ワイヤー供給装置5で設定可能な送り速
度は、細線の溶加ワイヤーに対しては速すぎ、また、本
体機7で設定可能なアーク発生出力も大きすぎるため、
ワイヤーが溶け過ぎて微細な制御ができず、ヒケやヒズ
ミが発生しやすい問題がある。
【0012】また、金属電極棒2の先端と溶接箇所との
間隔をアーク発生に良好な距離に保った状態でホルダー
を移動させねばならない困難性は、上記ホルダー1、
1’でも解決されていない。よって、ホルダー1、1’
を備えているTIG溶接機で、溶接を行う場合であって
も、上記した種々の点を考慮して溶接しなければならな
いため、金型補修溶接に対しては、かなりの経験を積ん
だ熟練者でなければ、適切な補修溶接ができない問題が
依然として存在する。
【0013】本発明は、上記した問題を解消せんとする
もので、非消耗式電極によるアーク溶接を用いた金型補
修において、特に、微細な補修溶接が高精度に行え、ヒ
ケ、ヒズミの発生の無い美観を有する補修溶接が行える
ようにすることを第一の課題としている。さらに、上記
高精度の溶接を熟練を要することなく、容易に誰でも行
えるようにすることを第二の課題としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、電源供給部とガス供給部とを備えた本体
機と、該本体機から電源およびガスが供給される作業者
把持用のホルダーとを備えたTIG式補修用溶接装置に
おいて、上記ホルダーに、金属電極棒用の保持・給電手
段を設け、該保持・給電手段で保持された金属電極棒を
ホルダーの先端より突出させる一方、上記ホルダーに溶
加ワイヤー挿通案内用のガイドパイプを設け、該ガイド
パイプの先端開口を上記金属電極棒の先端近傍に位置さ
せて、該ガイドパイプの少なくとも先端開口の直径を
0.2mm〜5mmとし、直径0.1mmから4.0m
mの溶加ワイヤーを先端開口で位置決め保持しながら送
給するようにし、かつ、該溶加ワイヤーの送給速度を
0.2m/minから2.0m/minに設定している
ことを特徴とする補修用溶接装置を提供している。
【0015】上記のように、本発明の補修用溶接装置で
は、溶加ワイヤー案内用のガイドパイプの先端開口を金
属電極棒の先端近傍に位置させ、かつ、ガイドパイプの
先端開口を溶加ワイヤーの径に対応させ、ガイドパイプ
の先端開口で溶加ワイヤーを位置決め保持しているた
め、溶加ワイヤーが補修箇所から位置ずれすることな
く、確実に保持でき、その結果、微細な補修を高精度で
行うことができる。
【0016】本発明の微細な補修用の溶接装置は、上記
ガイドパイプの少なくとも先端開口の直径を0.2mm
〜0.7mmとし、該ガイドパイプに送給する上記溶加
ワイヤーの直径を0.1mm〜0.6mmとすると共
に、該溶加ワイヤーの送給速度を0.2m/min〜
1.1m/minに設定することにより、微小肉盛りを
低速で行える構成としている。
【0017】上記のように、市販されている1.0mm
未満の細い0.1〜0.6mmの溶加ワイヤーを用いて
も、ガイドパイプの先端開口で溶加ワイヤーを位置決め
保持することができ、よって、前記した従来のホルダー
に比べ正確に溶加ワイヤーを金属電極棒の先端近傍へ送
給できる。また、溶加ワイヤーの送り速度を低速に設定
しているため、溶加ワイヤーを補修位置に慎重に合わせ
しながら溶接作業ができる。このように、0.1mm〜
0.6mmの極細線の溶加ワイヤーを用いて、低速の送
り速度で供給しているため、微細な補修位置にズレなく
適量のワイヤーを溶かしながら溶接補修を行うことがで
き、よって、ワイヤーの溶け過ぎや補修位置のズレに起
因する微細な溶接の失敗を低減することができる。
【0018】上記ガイドパイプは、先端中央部に空隙を
あけて両側部をフラットに変形させて閉鎖し、上記先端
中央部の空隙を上記寸法の開口として形成している。即
ち、筒状のパイプを先端部に近づくにつれ、徐々にフラ
ット形状に変形させて先細としている。よって、ガイド
パイプの内径は、先端以外では溶加ワイヤー径に対して
余裕を持たせて接触抵抗を増加させず、パイプ内で溶加
ワイヤーの詰まり等の不具合が発生することなく、確実
に正確な送給を行える。かつ、先端は溶加ワイヤー径に
対して略同寸法に設定することで、正確でスムーズな溶
加ワイヤー送りを実現できる。なお、ガイドパイプの内
径と溶加ワイヤーとの接触による抵抗が、送りに影響が
生じない程度に先端以外もパイプ内径を小径に設定する
と溶加ワイヤーの遊びを解消し、より安定した送りを可
能とすることができる。
【0019】上記ガイドパイプの先端を変形させる形態
に代えて、先細となるテーパ形状のパイプを用いてもよ
いことは言うまでもない。しかしながら、先端開口を
0.2mm〜0.6mmとなるテーパ管の形成は精度上
からも容易でなく、よって、上記のように同一径の円筒
状パイプの先端を変形させる方が容易に所要の先端開口
を有するガイドパイプを設けることができる。
【0020】また、上記ガイドパイプは、その先端に、
交換自在な先端カバーを取り付け、該先端カバーに上記
寸法の開口を設けてもよい。上記先端カバーは、先端に
閉鎖面を有する円筒形状とし、閉鎖面の中央に貫通穴を
設けて開口としたものでもよいし、先端に向かって先細
の円錐筒形状として先端閉鎖面中央に貫通穴を設けた形
状としてもよい。このように、ガイドパイプの先端部を
使用する溶加ワイヤー径に合致した専用の先端カバーと
することで、細線の溶加ワイヤーをより正確に位置決め
しながら供給でき、微細な補修を正確に行うことができ
る。また、先端カバーに損傷や摩耗等が生じても、容易
に交換することができる。さらに、ガイドパイプの先端
を先細形状とすると、補修箇所が見やすくなり、溶接状
態を確認しながら補修でき、高精度の補修を行うことが
できる。
【0021】溶加ワイヤーの供給手段は、ホルダーに、
溶加ワイヤーをガイドパイプへと送給する送りローラ
と、該送りローラ駆動用モータとからなるワイヤー送給
手段を一体的に設け、上記送りローラへは、溶加ワイヤ
ーを手動により差し込んで供給し、あるいは、ホルダー
と一体化したコイル・リールから溶加ワイヤーを供給す
る構成とすることが好ましい。
【0022】即ち、微細な補修を行う場合には、溶加ワ
イヤーは細線であるため剛性が低く、引張強度も低いた
め、ホルダーにワイヤー送給手段を設けて、ワイヤーの
送り距離を短くしてガイドパイプに導入することで、安
定したワイヤーの送給を行うことができる。また、微細
な補修では必要とするワイヤー量も少ないため、ホルダ
ー内の送りローラに所要長さのワイヤーを作業者が差し
込んで供給する構成としてもよく、この場合にはホルダ
ーの構成が簡単かつ軽量小型となり、操作性を高めるこ
とができる。また、ホルダーにコイル・リールを付設し
た場合も、微細な補修では溶加ワイヤーの供給量もさほ
ど多くなく、よって、コイル・リールも小さいものとし
て重量を増加させずに操作性を維持でき、かつ、ワイヤ
ーを自動的に連続供給することで、能率よく連続的に補
修溶接作業を行うことができる。このように、ホルダー
にワイヤー送給手段を付設しながら、重量を増加させず
操作性を保持しているため、補修される金型を成形機に
取り付けたままで狭い場所でも補修でき、かつ、微細で
複雑な形状の補修にも都合がよいものとなる。
【0023】また、ホルダーと別体のワイヤー送給器を
設け、該ワイヤー送給器に設けたコイル・リールからワ
イヤーを引き出して送りローラでホルダーへと送給し、
ホルダー内で更に送りローラでガイドパイプへと案内し
てもよい。このようにホルダーと別体のワイヤー送給器
の両方に送りローラを設けると、溶加ワイヤーは、ホル
ダー側の送りローラで引っ張られると共に、別設のワイ
ヤー送給器の送りローラでも後押しされるため、ホルダ
ーから距離が離れた位置にワイヤー送給器が設置されて
いても、溶加ワイヤーに撓みが生じることなく安定した
送給ができる。特に、微細な溶接用に用いる線径が細く
剛性が低いワイヤーの送給に好適なものとなる。
【0024】なお、ホルダーにはワイヤー送給手段を設
けずに、別体のワイヤー送給器にモータ駆動される送り
ローラと、該送りローラに溶加ワイヤーを供給するコイ
ル・リールを設け、該ワイヤー送給器から上記ホルダー
の内部に形成した挿通路を通して上記ガイドパイプへと
溶加ワイヤーを送給する構成としてもよい。即ち、ワイ
ヤーの線径がある程度太い場合や、材質等により剛性を
有する場合等には、別体のワイヤー送給器の送りローラ
のみでワイヤーを送給しても問題が生じない。また、こ
の場合、ホルダー自体は送りローラ等が必要でないた
め、構造が簡略化できると共に軽量化も図れ、ホルダー
の操作性を高めることができる。
【0025】上記ホルダーに設けるワイヤーの送りロー
ラは、一対あるいは複数対とし、対のローラの一方をモ
ータ駆動し、他方を従動ローラとしてもよいし、両方を
モータ駆動してもよい。また、ローラを並列する場合に
はギアの噛み合わせで伝動させている。送りローラを複
数個設けると、1個当たりの送りローラにかかる溶加ワ
イヤー送給の負担を軽減しながら、強力な駆動トルクで
正確に送給できる。また、これら送りローラを着脱自在
にすると、消耗した送りローラを容易に交換できる。な
お、駆動伝達手段としては、上記ギア以外にもベルト等
も使用できる。
【0026】さらに、上記送りローラのうち、少なくと
もモータ駆動される送りローラには周方向のV形状ある
いはU形状の溝を設け、該溝内にワイヤーを通して送給
する構成とすることが好ましい。このように、溝内に溶
加ワイヤーを通すことで、溶加ワイヤーは溝と3点接触
あるいは面接触しながら送給されることで、細線であっ
てもズレ、スリップ、ノッキングが生じることなく確実
に送給することができる。
【0027】また、上記ホルダーには、コイル・リール
から送りローラに供給される溶加ワイヤーの巻き癖を直
線状に矯正する矯正手段を設けることが好ましい。溶加
ワイヤーは小径で剛性が低いと、リールより引き出して
も巻き癖が残像しやすく、上記矯正手段を用いることで
巻き癖を除去した状態で送りローラへ導入すると、溶加
ワイヤーの送給を安定して行える。また、ガイドパイプ
先端より送り出される溶加ワイヤーの方向性が定まり、
金属電極棒から離れることなく金属電極棒に近接した位
置へ導くことができる。
【0028】上記ホルダーに設ける金属電極棒の保持・
給電手段は、チャックあるいはクリップからなり、この
保持・給電手段の中心部に金属電極棒を通して、一定位
置に保持あるいは、前後動可能に保持している。なお、
チャックとクリップとを金属電極棒の搬送路に沿って並
設して、金属電極棒をチャックとクリップの両方に通し
て両方で給電してもよい。
【0029】上記ホルダー内において、金属電極棒を移
動可能に保持する構成とする場合には、ホルダーに金属
電極棒の送り手段を設け、金属電極棒とワークとの距離
に応じて本体機の制御手段により上記送り手段を駆動し
て、金属電極棒を前後動させ、金属電極棒がワークに接
触すると自動的に離反させ、金属電極棒の先端とワーク
との距離を一定位置に保持する構成とすることが好まし
い。
【0030】上記のように金属電極棒を前後動させる場
合でも、ホルダーに把持部としてチャックあるいはクリ
ップを用いて金属電極棒を保持しており、該把持部は本
体機の制御手段に基づき駆動される直動手段に取り付け
られて前後動する構成としている。このようにして金属
電極棒を前後動させることで、溶接開始時に金属電極棒
をワークに接触させるワンタッチ式を採用する場合にお
いても、ホルダーを一定位置に保持して金属電極棒のみ
を前進させてワークと接触させて溶接を開始できる。な
お、上記前後動させる場合は、把持部として電磁式のチ
ャックが好適である。また、アーク発生後は、金属電極
棒を後退させることでワークとの間隔を適切な間隔に維
持して溶接できるので、TIG溶接作業を行う上で最も
困難となる、金属電極とワーク間との適正間隔維持を特
に注意することなく、ホルダー自体はほとんど動かさな
いで容易に溶接が行える。さらに、溶接中は、ワーク形
状に倣って適宜、金属電極棒を適宜前後させることで電
極とワーク間をアーク発生に適した間隔に維持でき、作
業者のホルダー把持に対する手ぶれにも対応できる。
【0031】また、上記チャックあるいはクリップの外
周にガス流路をあけて取り付けたガス用カバーには、先
端の一部より一体にあるいは別体にワーク押当板を突設
し、該ワーク押当板をワークに当接させて金属電極棒の
先端とワークとの距離を一定に保持している。このよう
に、ガス用カバーより所要長さのワーク押当板を突設す
ることで、ワーク押当板を溶接面に当接させながら溶接
することで、金属電極棒の先端と補修箇所との間隔がほ
ぼ一定距離に保たれ、良好なアーク発生状態を容易に維
持できる。よって、熟練度が要求される一因となる電極
とワーク間との間隔維持が解消されるので、溶接の初心
者でも容易に溶接作業を行える。さらに、上記ワーク押
当板のワークとの当接により、ホルダー自体がワークで
支持されることとなり、ホルダーの位置決め及び把持が
補助され作業者の負担を軽減できる。
【0032】なお、溶接開始時に上述したワンタッチ式
を用いる場合は、金属電極棒の先端を補修箇所に接触さ
せる必要があるため、上記ワーク押当板はガス用カバー
と取付自在で別体に設けると共にバネ等の弾性体で突出
側に付勢し、ワーク押当板を強く押し込むと、ワーク押
当板が引っ込み金属電極棒の先端を補修箇所と接触させ
るようにするのが好ましい。
【0033】上記本体機は、金属電極棒とワイヤー用モ
ータへ電源を供給する電源供給部と、上記ホルダーへシ
ールド兼冷却用ガスを供給するガス供給部を備えてい
る。さらに、この本体機には、溶接条件の設定を行うス
イッチおよび設定内容を表示する表示部と、金属電極棒
への出力電圧を検知する手段と、アーク及びモータの出
力を溶接条件に応じて制御する制御手段とを設けること
が好ましい。上記表示部では、各種設定内容をデジタル
表示すると正確に所要の数値を設定できる。
【0034】上記のように、本体機に溶接作業状態に応
じたスイッチを設定すると、条件に見合ったアーク出力
や溶加ワイヤーの送り速度等の種々の内容が自動的に設
定されるため、初心者でも適切な溶接が行える。自動設
定内容は、手動でも適宜設定可能であり、作業者が溶接
作業を行いながら溶接条件を変えることができる。即
ち、通常は自動で溶加ワイヤーの供給を行い、溶接箇所
が複雑な形状である場合や溶接条件等が複雑な場合は、
手動に切り換えて作業者の判断で溶加ワイヤーの供給等
を調整することで、現状に見合った適切な溶接補修が行
える。なお、必ずしも、溶接条件の設定を行う手段およ
び設定条件に応じた制御手段を設ける必要はなく、作業
者自身が溶接状況を判断して適切な溶接条件としながら
補修を行ってもよい。
【0035】本体機に設ける金属電極棒への出力電圧の
検知手段により、金属電極棒がワークに一旦接触したこ
とを検知して、上記制御手段で、自動的に金属電極棒を
ワークから離反させてもよく、ホルダーを移動させなく
ても所謂ワンタッチ式でアーク発生を開始することで
き、溶接の開始も容易にできる。また、金属電極棒のア
ーク発生後に、本体機の制御手段により、溶加ワイヤー
送り用のモータへの出力を開始してワイヤーを送給する
構成とすることが好ましい。即ち、ワーク等の温度が溶
接に適切な温度条件になるには、溶接開始直後から数秒
程度要するので、これらの時間を考慮して溶加ワイヤー
の送りを開始する。また、溶接中は、金属電極棒と溶接
箇所との間隔の変化に伴うアーク発生状態の変動に応じ
て、溶加ワイヤーの供給速度を増減し、場合によっては
断続送給も可能にしている。また、溶接終了時は、溶加
ワイヤーを引き戻してから、アーク発生を停止するよう
に制御しているので、他の箇所へ溶融物が付着する等の
不具合も解消できる。なお、本体機のスイッチ設定によ
っては、溶接開始時に金属電極棒の先端がワークに接触
しなくとも、その間の距離がアークを発生する適正距離
の状態でフットスイッチをオンすると、アークを発生す
る所謂ノータッチ式も選択できる。
【0036】上記金属電極棒への出力電圧は100ボル
ト以下、出力電流を0.5〜300アンペア、溶加ワイ
ヤーが0.6mm以下の場合は0.5〜50アンペアの
範囲で設定可能として、溶接条件に応じて良好なアーク
を発生させるようにしている。このように、金属電極棒
への出力電流を予め設定できるので、微細箇所の溶接時
には出力電流が小さくして、アークによるワーク自体の
損傷発生を防止できると共に、溶加ワイヤーがスパッタ
として飛散してワークの表面に付着することが防止で
き、微小肉盛りを確実にでき、微小な欠損部分の補修に
適したものとなる。
【0037】上記本体機とホルダーとは絶縁チューブで
接続し、チューブ内にホルダへのアーク用電源等のリー
ド線を通し、リード線とチューブ内周面との隙間をシー
ルドガス供給用のガス流路として利用する構成とする
と、ホルダーに接続するチューブ本数が低減し、ホルダ
ーの操作性が高められる。なお、電源供給用チューブと
ガス供給用チューブとを別個のチューブから構成しても
良いことは言うまでもない。
【0038】上記本体機の電源供給部は、上記ホルダー
の金属電極棒を正極、金属ワークを負極に、あるいは、
金属電極棒を負極、金属ワークを正極に切替接続可能と
していると共に、上記シールドガス供給部は上記ホルダ
ー側の電極切替に応じてシールドガスを切替供給する構
成とすることが好ましい。
【0039】このように金属電極棒の極性を正負逆転可
能とすることで、補修箇所の程度やワークの材質に応じ
た補修溶接を可能にできる。一般に、電極棒を負極、金
属ワークを正極とすると、電極の消耗量を抑えることが
でき、一方、電極棒を正極、金属ワークを負極にする
と、ワークの材質等によってはクリーニング効果等が得
られ、補修箇所に適した溶接状態を選択できる。また、
シールドガスは常に電極棒と接続された側より供給され
るため、上記のように極性の切替と対応させてシールド
ガスの供給側も切り換えている。
【0040】上記溶加ワイヤーは、上記金属製ワークと
共材あるいは鉄、鉄鋼、ステンレス、ベリリウム、銅合
金、アルミニウム合金、亜鉛合金、鋳造品、ニッケル、
ステライトからなり、補修溶接される上記金属製ワーク
は、樹脂成形金型、ゴム成形金型、ガラス金型、ダイキ
ャスト金型、プレス金型、金属ローラ、刃物、刃先、金
属機械部品等からなる。
【0041】このように、本装置は、種々の材料からな
る溶加ワイヤーを使用可能としているので、様々な溶接
条件においても、最適な溶接補修を行える。特にワーク
の材料と同質の共材を溶加ワイヤーに使用すると、溶接
補修された箇所と他の箇所との金属材料的に相異しない
ため、補修箇所が殆ど外観的に解らない元の状態とする
ことができ、補修後に熱処理等を行っても不具合の発生
を防止できる。また、種々の種類を使用可能すること
で、補修できるワークも各種金型に対応できる上に、刃
物の刃先や各種工具や歯車等にも適用できる。
【0042】上記シールドガスとして、アルゴンガス、
ヘリウムガス、炭酸ガス、これらガスの混合ガス、ある
いはアルゴンと酸素の混合ガスを用いている。このよう
に各種の不活性あるいは活性ガスからなるシールドガス
を適宜切り替えて用いると、溶加ワイヤーやワークの材
質等により溶接条件が異なっても、アークが発生する溶
接部を確実に包被して外の環境と遮断し、溶接部の酸化
を防いで補修面の仕上がりを良好にできる。
【0043】また、本発明は、上記補修用溶接装置に用
いる溶加ワイヤーは、であって、その直径を0.1mm
〜0.8mmとしている。該寸法の溶加ワイヤーを用い
ることで、微細箇所の補修にも、精度の高い補修溶接が
可能となり、本体機のアーク出力および溶加ワイヤーの
送り速度の設定で、仕上がりの優れた補修溶接を行え
る。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。図1は、本発明の第一実施形態の補
修用溶接装置10であり、樹脂成形金型、ゴム成型金
型、ガラス金型、ダイキャスト金型、プレス金型等の各
種金型、歯車や金属ローラ、刃物等の各種金属機械部
品、あるいは、刃先等における摩耗や欠損等を溶接補修
する際に用いるものである。上記補修用溶接装置10は
制御部等を内蔵すると共にシールドガスのガスボンベ2
5と繋がれる本体機11と、本体機11とチューブ22
を介して接続されるホルダー12とを備えている。
【0045】図2(A)(B)に示すホルダー12は、
ホルダー12のハウジング12a内の中央上部にワイヤ
ー用モータ13及びワイヤー送り用の一対のローラ14
a、14bを内蔵している。溶接側となる前端部12b
にはチャックとしてコレット16と該コレット16を被
うガス用カバー17を取り付けると共に、上記コレット
16には、非消耗式の金属電極棒Dを突出させた状態で
取り付けている。また、ハウジング前面12eの溶加ワ
イヤー突出部12hからは上記金属電極棒Dの先端へ溶
加ワイヤーYの案内用となるガイドパイプ40を湾曲し
て突設させ、ハウジング後端部12cには溶加ワイヤー
Yを挿通保持するガイドホルダー19を取り付けてい
る。さらに、ハウジング12aの略中央下部からは作業
者の把持部12dを下方に突出させている。なお、上記
把持部12dは、必ずしもハウジング12aの略中央下
部に取り付ける必要はなく、用途に合わせて、ハウジン
グ12aの先端又は後方等に取り付けてもよい。
【0046】上記ローラ14a、14bは、下側のロー
ラ14aをモータ駆動側、上側のローラ14bを従動側
としており、従動側のローラ14bをバネ14cの付勢
により下側のローラ14aに当接させ、この当接具合を
上側のローラ14bの調整ネジ14dにより調整可能と
している。即ち、ローラ14aは回転軸14dでカップ
リング15によりワイヤー用モータ13のモータ軸13
aと連結され、ワイヤー用モータ13の駆動でローラ1
4aが回転すると共に他方のローラ14bを追従回転さ
せている。
【0047】溶加ワイヤーYは上記ローラ14a、14
bの当接箇所14eに通され、各ローラの回転により送
給されるようにしている。これらローラ14a、14b
は着脱自在にハウジング12a内に取り付けられている
ので、摩耗等に対しても容易に交換可能である。なお、
上記ワイヤー用モータ13は、モータ軸13aに直接ロ
ーラ14aを取り付けてもよく、又、歯車等を介在させ
てローラ14aを駆動させてもよく、さらに、歯車等を
用いて上下両方のローラ14a、14bを駆動させるよ
うにしてもよい。また、上記歯車以外には、ベルトを用
いてもよい。
【0048】なお、溶加ワイヤーの送りに大きなトルク
を要する場合等は、図3(A)に示すように、モータ駆
動ローラ14aのローラ面14fにV形状の溝14gを
凹設し、溝14g内に溶加ワイヤーYを通すと共に、従
動ローラ14bを押し当てて、溶加ワイヤーYに対して
V形状溝14gと二点、従動ローラ14bと一点で接触
させる三点接触にして、溶加ワイヤーYへの駆動伝達を
確実に行えるようにしてもいい。また、上記溝形状は、
図3(B)に示すように、U形状の溝14g’にしても
よく、この場合は、溝14g’内で溶加ワイヤーYは面
接触されるので、駆動力の伝達度を一段と向上できる。
【0049】さらに、溶加ワイヤーYが小径で溶加ワイ
ヤーへの駆動力の伝達が困難な場合や、より大きな駆動
トルクが必要な場合は、図3(C)に示すように、複数
個のローラ14a−1、2、14b−1、2、14kを
組み合わせて、ローラ溶加ワイヤーYを送給するように
してもよい。このようにすることで、溶加ワイヤーYを
駆動する各ローラの負担が低減され、より確実に各ロー
ラの駆動力を溶加ワイヤーYに伝達でき正確な送給を可
能にできる。また、各ローラ14a−1、2等には上記
同様歯車を設けて上下のローラ14a−1、2、14b
−1、2を両駆動させるようにしてもよく、さらに、各
ローラ14a−1、2等には上述したV或いはU形状の
溝を設けるようにしてもよい。
【0050】上記ハウジング12aに内蔵されるワイヤ
ー用モータ13は本実施形態では、直流モータであり、
本体機11と後述するモータ用リード線24を介して接
続し、供給される直流電流方向により時計方向あるいは
反時計方向に回転可能にすると共に、電圧値を変化させ
ることで回転速度も可変するようにしている。具体的に
は、図2(B)中の矢印方向にワイヤー用モータ13を
回転すると溶加ワイヤーYが前進し、図中の矢印方向と
逆方向に回転させると後退し、また、回転速度の可変で
溶加ワイヤーYの前後動の速度が変化する。上記ワイヤ
ー用モータ13の回転速度は、後述する本体機11で溶
加ワイヤーYを0.2m/minから2.0m/min
の速度範囲で送給するように設定でき、微小箇所等の補
修に対しては、0.2m/minから1.1m/min
で設定するのが好ましい。尚、ワイヤー用モータ13
は、本体機11にインバータ等を用いることで交流モー
タも適用可能となる。
【0051】一方、ホルダー12に取り付けたガイドホ
ルダー19およびガイドパイプ40は、溶加ワイヤーY
を保護及び保持するのに充分な剛性を有する絶縁材で形
成されている。ガイドホルダー19は、長尺筒状に形成
され、長さは種々の溶加ワイヤーYの長さに対応した寸
法にしており、内径は使用する金属電極棒Dの外径に応
じた寸法のものを取り付けている。ガイドホルダー19
の前端部19aはホルダー12の内部の上記ローラ14
a、14b間の当接箇所14eの直前に位置させて、後
端部19bより挿入する溶加ワイヤーYを当接箇所14
eに確実に導けるようにしている。
【0052】ガイドパイプ40は、適度な角度で湾曲さ
せて形成されており、溶加ワイヤーYに適した寸法のも
のを使用している。また、ガイドパイプ40の先端部4
0aには、図4(A)に示すように、先端開口となる送
り穴41aを設けた先端カバー41を取り付けると共に
送り穴41aの内径を、上記ガイドパイプ40の内径よ
り小径にすることで、溶加ワイヤーYの送り位置の精度
を高めている。具体的に上記送り穴41aの内径は、使
用するワイヤー径に合わせてφ0.2mmからφ5.0
mmにしており、特に微小箇所の溶接等にはφ0.2m
mからφ0.7mmに設定している。このように、ガイ
ドパイプ40は、先端部40a以外では、溶加ワイヤー
Yに対して適度な余裕があり、先端部40aのみで先端
カバー41の送り穴41aaで位置決めするだけなの
で、ワイヤーの送り抵抗が生じることなく、正確に位置
決めされた状態でスムーズな送りが実現できる。
【0053】なお、上記先端カバー41は、使用する溶
加ワイヤーYの外径に適応した寸法のものを各種用意し
ており、使用する溶加ワイヤーYの外径寸法を変更して
も、先端カバー41を対応する内径寸法の送り穴41a
を有するものに取り替えるだけで高精度の送り位置を確
保できる。さらに、先端カバー41は、ガイドパイプ4
0の先端に位置するため溶接作業等の影響で損傷や摩耗
等も生じやすいが、先端カバー41は、ガイドパイプ4
0と別体であるため容易に交換でき、メンテナンス性も
向上する。なお、上記送り穴は、別体の先端カバーに設
ける以外に、先端が閉鎖されたガイドパイプの端面に設
けるようにしてもよい。
【0054】図4(B)は、変形例の先端カバー41’
であり、ガイドパイプ40の内周壁40bに嵌合する突
出筒部41b’を設けている。この突出筒部41b’の
筒内部41c’は送り穴41a’と連続させ、徐々に内
径寸法を送り穴41a’の内径に近づけてテーパ状にし
ている。このようにすることで、溶加ワイヤーYを送り
穴41a’に通して送給する際に、ワイヤーの引っ掛か
り等のおそれを解消でき、安定した溶加ワイヤーYの送
給を行える。
【0055】さらに、図4(C)に示すように、先端カ
バー41’は先細にした円錐筒形状に形成すると共に内
部も先細のテーパ形状に形成し、端面の送り穴41a”
の内径を上述した寸法に設定するようにしてもよい。上
記のようにすることで、ワイヤーの引っ掛かりのおそれ
を解消できると共に、ガイドパイプ先端の外径形状が先
細となるため、作業者が補修箇所或いは溶接具合等の確
認時にガイドパイプに遮られる部分が減少し、より作業
性の向上を図れる。
【0056】上記のように先端カバーを取り付ける以外
には、図4(D)に示すように、ガイドパイプ40’の
先端部40a’自体を先細の円錐筒形状に変形して、先
端内径40c’を上述したφ0.2mmからφ5.0m
mの範囲に設定してもよい。また、円錐筒形状に変形す
る以外には、図4(E)に示すように、先端部40a”
の中央部に筒状の空隙であるワイヤー送給部40d”を
残して両側部をフラットに変形すると共に、先端内径4
0c”を上記の範囲寸法に設定するようにしてもよい。
【0057】さらに、図4(F)に示すように、ガイド
パイプ400全体の内筒部400bの内径を上述した範
囲に設定してもよい。このようにすることで、溶加ワイ
ヤーYの送りは正確にできるが、ガイドパイプ400と
の内周面との接触による抵抗も増加するために、ある程
度剛性を有する溶加ワイヤーに使用するか、内周面に摩
擦を低減する表面処理等を施すことが好ましい。
【0058】一方、図5に示すように、金属電極棒Dの
保持・給電手段となるチャックとしてコレット16がホ
ルダー12の前部に突出しており、周囲には、コレット
カバー18を取り付け、コレットカバー18の周囲には
絶縁体のガス用カバー17を取り付けている。上記コレ
ット16は導電性の材料で形成され、中心に金属電極棒
Dの貫通穴16aを設けると共に、チャック代となるス
リ割部16b及び後端側のネジ部16cを設けている。
ネジ部16cには、キャップ45を締結しており、コレ
ット16による金属電極部Dの保持は、このキャップ4
5を回転させることで行っている。即ち、キャップ45
をコレット16のネジ部16cを締め付ける側に回転す
ると、コレット16が後ろ側へ引き込まれて、先端突出
部16dがコレットカバー18の先端内周面18bと接
し、これによりスリ割部16bで分断された各把持部1
6eが中心方向に撓むことで、金属電極棒Dを把持して
いる。
【0059】また、上記保持により、金属電極棒Dとコ
レット16が確実に接触するので、この接触を通じて、
金属電極棒Dにアーク用の電力を供給している。アーク
用の電力は、本体機11とホルダー12を繋ぐチューブ
22の内部に配置されたアーク用リード線23により、
まず、コレットカバー18に接続された導電性の管継手
26を介して、コレットカバー18に通電され、コレッ
トカバー18とコレット16も接触しているため、コレ
ット16自体も通電し、最終的に金属電極棒Dを導通さ
せている。
【0060】上記チューブ22は、図6(A)(B)に
示すように、アーク用リード線23と共に、モータ用リ
ード線24を内部に通しており、これらリード線23、
24とチューブ内周面22aとの隙間22bをシールド
ガスの流路として利用しており、管継手26を介して、
コレットカバー18へ冷却用を兼ねたシールドガスを送
っている。なお、上記モータ用リード線24は、仕様や
用途等によっては、使い勝手を考慮して、チューブ22
の内部に通さず別体としてもよい。
【0061】図5に示すように、コレットカバー18に
は、管継手26との接続部18cよりガス通路16gを
設けて、コレットカバー18とコレット16との空間K
にシールドガスを送り込むようにしている。また、コレ
ット16の前半分を被う外周壁18dに90°間隔で多
数のガス噴出口18aを設けている。このようにガス噴
出口18aを設けることで、図中の矢印方向で示すよう
に、空間Kに送られたシールドガスが、一旦、充填して
から、四方のガス噴出口18aより均等に噴出され、ガ
ス用カバー17の内壁17aに沿って先端部17bより
放出されている。このシールドガスの放出により、溶接
中、溶接箇所を外部雰囲気と遮断して、最適な溶接環境
を得るようにしている。
【0062】なお、溶接中に、コレット16及びガス用
カバー18が接近しすぎると、アークが発生するおそれ
があるため、コレット16及びガス用カバー18の先端
は、セラミック等の絶縁体で被覆してもよい。
【0063】一方、チューブ22を介してホルダー12
と接続される本体機11は、図1に示すように、ボック
ス形状で、上部斜面をスイッチパネル部11aとし、メ
インスイッチ30a、溶接条件切替スイッチ30b、パ
ワー切替スイッチ30c、モード切替スイッチ30d、
ガス方向切替スイッチ30e、上下スイッチ30h、3
0i、液晶の表示部30j等を取り付けている。下部に
は負極側接続部11b、正極側接続部11c、さらに、
流量調整弁37も設けている。
【0064】本体機11の内部は、図7に示すように、
AC100V等の外部電源より給電する電源部31にモ
ータ電源部32a、制御電源部32b、アーク電源部3
2cを夫々接続して、これら各電源部へ所要電力を供給
している。アーク電源部32cの出力側にはアーク検知
部34を介在させて正極側接続部11cを設けており、
図7中では、アーク用リード線23を介してホルダー1
2と接続している。また、アーク電源部32cのグラン
ド側には負極側接続部11bを設け、母材線29を接続
している。上記アーク検知部34はアーク用の出力変動
を検知して検知信号をアーク制御部33cに送ってい
る。
【0065】上記アーク電源部32cからのアーク電力
の出力は、電源部31の電源をアーク電源部32cで変
調してPWM(Pulse Width Modulation・パルス幅変
調)制御されるパルス幅で出力するようにしている。パ
ルス幅やベース電圧等はスイッチパネル部11aの溶接
条件切替スイッチ30b等の設定により、溶接条件に応
じてアーク出力電圧は100ボルト以下の範囲で、アー
ク出力電流は0.5〜300アンペアの範囲で最適に設
定され、ワンショット的な単発溶接や連続溶接を微細箇
所にも精度良く行えるようにしている。なお、上下スイ
ッチ30h、30i等により上記出力電圧及び電流の範
囲で手動設定することもでき、微細箇所の溶接を行う場
合には、出力電流を0.5〜50アンペアの範囲で設定
するのが好適である。
【0066】また、溶接中における金属電極棒Dとワー
クWとの距離変動等により、出力が変位するとアーク検
知部34で検知してアーク制御部33cへ検知信号を出
力して、アーク制御部33cでアーク出力が適宜制御さ
れ、適切なアーク発生量を確保するようにしている。ま
た、各種スイッチの設定により、溶接開始時に、金属電
極棒DをワークWに接触させてから溶接を始めるワンタ
ッチ式と、接触させないで金属電極棒DとワークWとの
距離がアーク発生に適した位置関係で、フットスイッチ
等のオンで溶接を開始するノータッチ式を適宜選択でき
る。
【0067】また、モータ制御部33bでは、各種スイ
ッチで設定された内容に基づきモータ電源部32aから
の出力を制御して、溶加ワイヤーの送給速度および送給
方向等を制御している。
【0068】一方、上記モータ制御部33b及びアーク
制御部33cと各種信号の送受信を行う装置制御部33
aは、本体機11の各種スイッチ信号等の入力等を受け
て、表示部30jに各種設定状況等を出力表示するよう
にしている。さらに、装置制御部33aはシールドガス
の放出を行う電磁弁35、36の開閉信号も出力してい
る。具体的には、溶接開始信号となるフットスイッチ2
0等のオン信号で、装置制御部33aより電磁弁35の
開信号が出力され、該信号を受けて電磁弁35が開きガ
スボンベ25よりシールドガスが流量調整弁37へ送ら
れている。また、電磁弁36はガス方向切替スイッチ3
0eにより対応方向の弁が開き、チューブ22へシール
ドガスを放出している。なお、電磁弁36は、手動式の
バルブを用いて手動で切替を行ってもよい。
【0069】ホルダー12と本体機11とを繋ぐチュー
ブ22は、負極側接続部11bあるいは正極側接続部1
1cのいずれでも可能である。即ちチューブ22を正極
側接続部11cに接続すると金属電極棒Dが正極とな
り、負極側接続部11bを母材線29でワークWと接続
することでワークWが負極となり、逆に接続すると、金
属電極棒DとワークWの極が上記と逆になる。上記のよ
うに、金属電極棒Dを正極にすると所謂クリーニング効
果等が得られ、一方、金属電極棒Dを負極にすると電極
の消耗抑止効果等が得られるので、極の選択は、これら
の特性、さらに、補修箇所の形態やワーク材質等も考慮
して行っている。
【0070】なお、本体機11は、操作性や作業性等を
高めるために、操作手順等の音声ガイダンスを装置制御
部33aより出力するようにしてもよい。また、フット
スイッチ20の代わりに、ホルダー12の把持部等に溶
接開始信号を発信する手元スイッチを設けて接続リード
線等を介して本体機11に接続してもよい。さらに、上
述した各種制御部、検知部等は必ずしも全て設ける必要
はなく、使用条件等を考慮して、適宜省略してもよい。
【0071】上記補修用溶接装置10により補修溶接を
行うには、まず、補修用ワーク及び溶加ワイヤーYの材
質や溶接条件に適したシールドガスを選定する。使用可
能なシールドガスとしては、アルゴンガス、ヘリウムガ
ス、炭酸ガス、これらのガスを組み合わせた混合ガス
(アルゴンガスと炭酸ガスの混合ガス、アルゴンガスと
ヘリウムガスの混合ガス)あるいはアルゴンと酸素の混
合ガス等があり、これらの中から適切なガスを充填した
ガスボンベ25をチューブ28を介して本体機11に接
続している。なお、ガスボンベ25とチューブ28の接
続はフローメータ38a付きの減圧弁38を介して行っ
ており、フローメータ31aで流量の調整を確認でき
る。
【0072】次に、ホルダー12のコレット16に溶接
条件に適した金属電極棒Dをコレット先端より所要長さ
が突出した状態で取り付けている。上記金属電極棒D
は、タングステンを主材料としたものであり、溶接条件
に合わせて、適宜トリア、セリウム、ランタン等を混在
させたものを使用している。金属電極棒の棒径は0.1
〜2.0mm程度の範囲で、溶接箇所の大きさや形状等
を考慮して最適なものを選択している。
【0073】それから、溶加ワイヤーYも溶接条件に好
適のものを選定して、ホルダー12のガイドホルダー1
9に挿通している。溶加ワイヤーYの材質は、補修用の
ワークと共材のものが使用可能であり、鉄、各種鉄鋼、
ステンレス、ベリリウム、銅合金、アルミニウム合金、
亜鉛合金、鋳造品、ニッケル、ステライト等の汎用のも
のも好適に用いられる。溶加ワイヤーYの直径は0.1
mm〜4.0mmものが適用可能であり、微細箇所等の
溶接の場合は、0.1mm〜0.6mmのものを選択し
ている。なお、溶加ワイヤーYは、上記汎用なものだけ
でなく、種々材質を変更して最適な溶接条件を得られる
専用のφ0.1〜φ0.8mmの溶加ワイヤーを使用す
るようにしてもよい。
【0074】その後、ホルダー12に接続されたチュー
ブ22をワーク材質等等を考慮して、負極側接続部11
cあるいは正極側接続部11bのいずれか一方に接続す
ると共に、未接続の接続部に母材線29を介して補修の
対象となる摩耗や欠損等を有するワークWを接続する。
ワークWとして補修可能なものは、樹脂成型、ゴム成型
等の各種金型、歯車、金属ローラ等の各種金属製の機械
部品および刃物等の刃先である。上記した準備作業の完
了後、本体機11のスイッチパネル11aのメインスイ
ッチ30aをオンしてから、各種スイッチでワーク等の
材質を考慮して溶接条件を設定する。
【0075】ワンタッチ式で溶接を開始する場合は、図
8(A)に示すように、作業者はホルダー12の金属電
極棒Dの先端をワークWの補修を行う欠損部Waに一旦
接触させた状態でフットスイッチ20をオンしてから、
ホルダー12をアーク発生に適正な距離だけ後退させて
いる。上記フットスイッチ20のオンにより金属電極棒
Dにアーク電力が供給されると共にシールドガスGがガ
ス用カバー17から放出される。
【0076】具体的には、図8(A)の状態では、金属
電極棒Dの先端がワークWと接触しているのでフットス
イッチをオンしても即座に放電状態とならず、ホルダー
12の後退による金属電極棒DのワークWからの離反に
よりアークが発生し溶接が開始されている。また、アー
ク発生から数秒経過後に、モータ制御部33bがワイヤ
ー用モータ13を回転させて溶加ワイヤーYを送り出し
ている。上記のように数秒後にワイヤー用モータ13を
回転させるのは、ワークの補修箇所の温度が上昇して溶
融だまりの発生を待つためである。
【0077】上記制御により、図8(B)のように良好
なアークを発生させ、溶加ワイヤーYを溶融させて溶接
を行っている。溶接中は、ガイドパイプ40の先端部4
0aにより溶加ワイヤーYは、正確に位置決めされ、か
つ、本体機11の設定により、汎用のTIG溶接機より
低い0.2m/minから2.0m/minの範囲の適
切な送り速度で送給され、微細箇所等の溶接に対しても
精密な補修肉盛りが行える。また、金属電極棒Dのアー
ク出力も溶接条件および上記送給速度に合致した設定な
ので、確実に溶加ワイヤーYを溶け込まして補修箇所に
浸透させ、剥がれにくい溶接を行える。
【0078】また、アークが連続して発生する時間も、
本体機11の各種スイッチにより自動設定されるため、
過度に溶接を行うこともなく、溶接熱によるワークの歪
み等の発生も抑えることができる。さらに、溶接中に金
属電極棒DとワークWとの間隔Lが変動すると、出力電
力の制御により、アーク発生を適量にすると共にモータ
制御部33bの制御により溶加ワイヤーYを適宜断続送
り等に変更する制御がなされるので、適切な溶接状態を
維持でき、金型の形状等にとらわれることなく初心者等
でも容易に溶接作業が行える。なお、溶接の終了は、フ
ットスイッチ20をオフすると、溶加ワイヤーYが送り
ローラの反転によりガイドパイプ側へ戻り、その後アー
ク出力が停止されるようにしている。このようにして、
溶接終了時に溶接が過多となることを防ぎ、補修箇所以
外に溶接の影響が出ないようにしている。
【0079】一方、ノータッチ式で溶接を開始する場合
は、図9に示すように、ホルダー12をワークWに近づ
けて、金属電極棒DとワークWとの間隔Lをアーク発生
に適した距離にして、この状態でフットスイッチ20を
オンし、アークを発生させている。以降は、図8(B)
に示す上記ワンタッチ式と同様に、溶接中も適宜各種制
御が行われ、良好に補修溶接ができる。このように、ワ
ンタッチ式およびノータッチ式の両者とも、各種制御と
ガイドパイプ40の先端40aによる正確な位置決めに
より、溶加ワイヤーYは常に最適な量が正確な位置へ送
られるため、溶加ワイヤーYの送りを気にすることなく
補修箇所のみを注意して作業でき、熟練していない作業
者でも、精度のよい補修溶接を行うことができる。さら
に、溶接対象が複雑な形状である場合や溶接箇所自体が
微細である場合でも、細線の溶加ワイヤーYを用いて低
速送給できるため、精密な肉盛りが行え、また、アーク
出力等も適切に設定されるため、溶加ワイヤーYの溶融
物がワークWの欠損部Waに確実に食いつき、肉が流れ
たり或いは玉状に丸まることもなく、端部や隅部等の肉
盛り部に所謂ひけ、歪みが生じることもない。
【0080】図10(A)は、本発明の第二実施形態で
あるホルダー52を示している。ホルダー52は、ハウ
ジング後端部52cに溶加ワイヤーYを巻き付けたコイ
ル・リールRを回転自在に保持するコイル・リール支持
部52gを設けている。コイル・リールRの溶加ワイヤ
ーYは後端部52cに取り付けられているガイドホルダ
ー59に挿通して、コイル・リールRより溶加ワイヤー
Yをスムーズに取り出せるようにしている。なお、コイ
ル・リールRの取り付け箇所は、ハウジング後端部52
cに限定されることはなく、使用形態に合わせて他の箇
所に取り付けてもよい。
【0081】また、ホルダー52は、コイル・リールR
より溶加ワイヤーYを引き出すため、より大きなトルク
を要する場合は、図10(B)に示すように、第一実施
形態で説明した複数の送りローラ54a,bを使用する
ことが好ましい。さらに、コイル・リールRの巻回によ
る溶加ワイヤーYの巻き癖を直線状に矯正するため、ピ
ンチローラ58a、抑えローラ58b、cからなる、矯
正手段58を送りローラ54a、bの入り口側等に設け
ることが好ましい。上記矯正手段58は調整ネジ58d
によりピンチローラ58aの溶加ワイヤーYへの押当量
を調整できるため、溶加ワイヤーYの線径や巻き癖具合
等に合わせて矯正程度を調整できる。この矯正により送
りローラ54a、bと溶加ワイヤーYの接触状態を適切
にできるので一段と正確な溶加ワイヤーの送給を行え
る。
【0082】第二実施形態では、上記ホルダー52以外
の本体機器等は第一実施形態と同様な構成であるため説
明を省略する。上記ホルダー52は補修箇所が連続する
場合や、ある程度大きな面積等を補修する場合等におい
て、溶加ワイヤーを取り替えることなく連続して溶接で
きるので溶接作業を効率的にできる。一方、第一実施形
態のホルダー12は、コイル・リールが無いので、第二
実施形態のホルダー52より軽量で操作性に優れ、微細
箇所等の溶接量は多くないが、溶接精度を要求される場
合に好適である。
【0083】図11(A)は、第三実施形態であるホル
ダー100を示している。上記ホルダー100は、第二
実施形態のホルダー52より、コイル・リールRを取り
外した形態としており、コイル・リールRは、ホルダー
100と別体のワイヤー送給器110に回転自在に取り
付けている。このようにコイル・リールRは、ホルダー
と別体に取り付けるため、より溶加ワイヤーYの巻き数
が多いものも適用可能となり、より連続した作業を可能
にしている。なお、上記ホルダー100にも、溶加ワイ
ヤーYの巻き癖の上記矯正手段を設けることが好まし
い。上記ホルダー100及びワイヤー送給器110以外
は、第一実施形態と同様な構成であるため、説明を省略
する。
【0084】図11(B)は、第三実施形態の変形例を
示しており、ワイヤー送給器110’にも、モータ12
3’でローラ124a’等を駆動するワイヤー送給手段
125’を設けている。上記モータ123’は、ホルダ
ー100’のワイヤー用モータ103’と同期をとっ
て、本体機により同様に制御されている。なお、ホルダ
ー100’は、第三実施形態のホルダー100と同様で
ある。非常に細径の溶加ワイヤーYを送給する際には、
撓み等が発生しやすいが、溶加ワイヤーYはホルダー1
00’で引っ張られると同時、ワイヤー送給器110’
側でも同時に送り出しているため、細線の溶加ワイヤー
に対しても撓み等の不具合が発生することなく好適に用
いることができる。また、送り速度も一段と正確に行え
る。
【0085】図11(C)は、第三実施形態の別の変形
例を示しており、ホルダー100”には、送りローラお
よびワイヤー用モータを設けておらず、それ以外の構成
は上記ホルダー100、100’と同等にしている。一
方、ワイヤー送給器110”は、上記ワイヤー送給器1
10’と同様にして、ワイヤー送給手段125”を設け
ている。このようにすることで、ホルダー100”の構
造が簡略化され、軽量化を図れ、溶接時のホルダー10
0”の操作性を高めることができる。なお、この場合
は、溶加ワイヤーYの送給はワイヤー送給手段125”
に頼っているため、ホルダー100”へ送り出す形とな
るので、使用する溶加ワイヤーYは、金型補修用として
は太線の剛性を有するものに好適である。
【0086】図12(A)(B)は、本発明の第四実施
形態のホルダー150を示している。上記ホルダー15
0では、金属電極棒Dを前後に移動できるようにしてお
り、移動用モータ153で回転駆動されるボールネジ1
60と組み合わされるスライドユニット161に金属電
極棒の保持・給電手段を固定している。本実施形態で
は、保持・給電手段のチャックとして電磁チャック16
5を使用している。また、ホルダー150のガス用カバ
ー167の内部には、金属電極棒Dをバネ168の付勢
で挟んで保持するクリップ166を設けている。電磁チ
ャック165は、ボールネジ160の回転により前後動
するため、把持された金属電極棒Dもクリップ166と
接した状態で前後動させている。ボールネジ160の回
転は、本体機の制御部とリード線152で接続されて、
溶接状況に応じて制御されている。
【0087】上記金属電極棒Dは、電磁チャック165
より給電させても、前端部のクリップ166より給電さ
せてもよく、更に電磁チャック165とクリップ166
の両方から給電するようにしてもよい。電磁チャック1
65より給電させる場合は、アーク用リード線は電磁チ
ャック165と導通接続させており、クリップ166か
らの給電の場合は、クリップ166にアーク用リード線
を接続しており、両方の場合は、アーク用リード線を分
割して、上記両者に接続している。なお、電磁チャック
165より給電する場合等は、クリップ166は必ずし
も設ける必要はなく、筒状のホルダー等で金属電極棒を
保持してもよい。
【0088】ホルダー150は、上記以外の溶加ワイヤ
ーYの供給部等は第一実施形態等と同様である。よっ
て、上記ホルダー150は、第一および第二実施形態の
ホルダー自体に溶加ワイヤーを取り付けるタイプや、第
三実施形態のように溶加ワイヤーを別体のワイヤー送給
器に取り付ける場合にも適用可能である。また、ホルダ
ー150は、溶接の開始はワンタッチ式あるいはノータ
ッチ式を選択でき、溶接中は、溶加ワイヤーYの送給と
同様に、溶接状況に合わせて適宜制御されて金属電極棒
Dが前後動するので、金属電極棒DとワークWの間隔L
は常にアーク発生に良好な距離が確保され、ほとんど金
属電極棒DとワークWとの距離も気にすることなく溶接
作業を行える。
【0089】即ち、上記のようにすることで、作業者
は、溶加ワイヤーYの送りに注意を払わず作業できる上
に、溶接作業時に最も重要となる金属電極棒Dとワーク
Wとの間隔の変動にも、ほとんど注意することなく溶接
作業ができるため、溶接作業にかかる困難性をかなりの
部分で排除できる。特に、補修箇所に多数の凹凸があ
り、金属電極棒Dの適正位置に保つのが困難な場合や、
微細箇所等の溶接にホルダー150は好適である。
【0090】図13(A)はホルダー前部のガス用カバ
ーを代えた第五実施形態のガス用カバー17’を示し、
先端部17a’の一部より略円形状のワーク押当部17
b’を軸線方向へ一体的に突出させ、後端部を回転ジョ
イント21を介してホルダー12に取り付けている。上
記のようにワーク押当部17b’を略円形状にすること
で、金属電極棒Dからワーク押当部17b’の外周端面
17c’までの距離は一定となる。よって、ワーク押当
部17b’の外周端面17c’をワークと当接させなが
ら溶接作業を行うことで、種々の角度で溶接を行って
も、金属電極棒Dをワークに対して常に最適距離に位置
させることができると共に、ワーク押当部17b’をホ
ルダー12の支持支点としても利用することができるの
で、作業者のホルダー12の把持が補助され作業時の負
担を軽減できる。また、上記回転ジョイント21により
押当てガイドパイプ部17b’の向きを作業形態に合わ
せてガイドパイプ40と干渉しない範囲で所要方向に変
更することができる。
【0091】なお、第五実施形態のガス用カバー17’
を用いると、溶接開始時は金属電極棒Dをワークに接触
することが不可能となるので、ノータッチ式を選択する
か、あるいは第三実施形態の金属電極棒Dが前後するタ
イプのものと組み合わせることで、ワンタッチ式および
ノータッチ式を適用できるようにしている。
【0092】また、第五実施形態の変形例として、図1
3(B)に示すように、ガス用カバー17”の先端から
突出するワーク押当部17b”をガス用カバー17”と
別体に設けると共に、弾性体であるバネ60”を用いて
突出側に付勢するようにしてもよい。バネ60”の付勢
力は通常のワーク押当部17b”を介して作業時にホル
ダー12をワークWに押し当てる程度の力では撓まず、
強くホルダー12をワークWに対して押し込むと撓むも
のを選択している。上記のようにすることで、溶接開始
時にホルダー12をワークWに対して押し込むことで、
金属電極棒DをワークWに接触させることもできるので
溶接開始時にワンタッチ式も採用できる。
【0093】さらに、第五実施形態の別の変形例のガス
用カバーとして、図13(C)に示すように、ガス用カ
バー17に別体のワーク押当板として補助ガイドパイプ
240を取り付けて突設するようにしてもよい。補助ガ
イド240は上部リング240aと下部リング240c
をジョイントバー240eで連結すると共に、下部リン
グ240cの中心にガス抜き部240dを周壁に有する
補助リング240bを設けると共に、上部リング240
a等の一部を切り欠いて、ホルダー12のガイドパイプ
40との干渉を避けている。溶接時には、補助ガイド2
40の補助リング240bを補修位置の周囲に一致させ
て設置すると共に、上部リング240aに上記ホルダー
のガス用カバー17を挿入して溶接している。このよう
にすることで、金属電極棒Dの補修箇所への位置合わせ
及び上記位置合わせの支持を容易に行うことができ、ま
た、溶接中はシールドガスがガス抜き部240dより適
宜抜け出るので、精度および仕上がり面の優れた補修溶
接を行うことができ、特に微細箇所の補修に対して好適
である。
【0094】
【発明の効果】上記した説明より明らかなように、本発
明の補修用溶接装置を用いることで、溶加材である溶加
ワイヤーの送り位置が正確に位置決めされるため、精度
良く溶接箇所へ送給することができ、高精度が要求さ
れ、かつ、微細箇所の補修溶接に対しても優れた補修溶
接が行える。また、溶接条件等は、本体機の設定により
溶加ワイヤーの送り速度、アーク出力等が金型補修に見
合った程度に自動設定されるため、作業者は溶加ワイヤ
ーの送りを気にすることなく作業に集中でき、また、溶
加ワイヤーも確実に溶融されて補修箇所に浸透し、剥が
れにくい肉盛りが行える。
【0095】さらに、金属電極棒も上記溶加ワイヤーの
供給の制御と同様に制御して前後動させることで、良好
なアーク発生に重要な、金属電極棒とワーク間との距離
が自動調整されるため、溶接作業中、最も重要となる上
記距離を適切に維持できるため、初心者等であっても容
易に優れた溶接を行える。さらに、ガス用カバーを適宜
工夫することで、金属電極棒とワーク間との距離が一定
に保たれるため、作業者はワークとの距離に注意を払う
ことなく、補修箇所の溶接具合のみを注意して溶接作業
ができるので、熟練者でなくとも容易に金型等の補修を
行うことができる。また、ワーク及び溶加ワイヤーの材
質等に合わせて適宜溶接条件を設定でき、正極と負極の
逆転もできるので、ひけや、歪み等が生じることなく、
精度の高い補修溶接を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一実施形態の補修用溶接装置の全
体斜視図である。
【図2】 第一実施形態のホルダーであり、(A)は上
面図、(B)は正面図、である。
【図3】 (A)は送りローラの側面図、(B)は変形
例の送りローラの側面図、(C)は別の変形例の送りロ
ーラの概略図である。
【図4】 (A)〜(F)はガイドパイプの先端部を示
す各種変形例の拡大図である。
【図5】 ホルダーの要部拡大断面図である。
【図6】 ガスチューブであり、(A)は軸直角方向の
断面図、(B)は軸方向の断面図である。
【図7】 本体機の内部構造および接続状況を示す概略
図である。
【図8】 (A)(B)は、ワンタッチ式による溶接状
況を示す概略図である。
【図9】 ノータッチ式の溶接開始時を示す概略図であ
る。
【図10】 (A)は、本発明の第二実施形態のホルダ
ーを示す正面図、(B)は送りローラの変形例を示す概
略図である。
【図11】 (A)(B)(C)は、第三実施形態のホ
ルダーおよびワイヤー送給器を示す各種変形例の概略図
である。
【図12】 本発明の第四実施形態のホルダーであり、
(A)は正面図、(C)は(A)のA−A断面図であ
る。
【図13】 (A)(B)(C)は、本発明の第五実施
形態のホルダーの概略斜視図である。
【図14】 (A)(B)(C)(D)は、従来の溶接
装置を示す概略図である。
【符号の説明】
10 補修用溶接装置 11 本体機 12 ホルダー 20 フットスイッチ 22 ガスチューブ 25 ガスボンベ Y 溶加ワイヤー D 金属電極棒 W ワーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B23K 9/29 B23K 9/29 B

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電源供給部とガス供給部とを備えた本体
    機と、該本体機から電源およびガスが供給される作業者
    把持用のホルダーとを備えたTIG式補修用溶接装置に
    おいて、 上記ホルダーに、金属電極棒用の保持・給電手段を設
    け、該保持・給電手段で保持された金属電極棒をホルダ
    ーの先端より突出させる一方、 上記ホルダーに溶加ワイヤー挿通案内用のガイドパイプ
    を設け、該ガイドパイプの先端開口を上記金属電極棒の
    先端近傍に位置させて、該ガイドパイプの少なくとも先
    端開口の直径を0.2mm〜5mmとし、直径0.1m
    mから4.0mmの溶加ワイヤーを先端開口で位置決め
    保持しながら送給するようにし、かつ、該溶加ワイヤー
    の送給速度を0.2m/minから2.0m/minに
    設定していることを特徴とする補修用溶接装置。
  2. 【請求項2】 上記ガイドパイプの少なくとも先端開口
    の直径を0.2mm〜0.7mmとし、該ガイドパイプ
    に送給する上記溶加ワイヤーの直径を0.1mm〜0.
    6mmとすると共に、該溶加ワイヤーの送給速度を0.
    2m/min〜1.1m/minに設定し、微小肉盛り
    を低速で行える構成としている請求項1に記載の補修用
    溶接装置。
  3. 【請求項3】 上記ガイドパイプは、先端中央部に空隙
    をあけて両側部をフラットに変形させて閉鎖し、上記先
    端中央部の空隙を上記寸法の開口として形成している請
    求項1または請求項2に記載の補修用溶接装置。
  4. 【請求項4】 上記ガイドパイプの先端に、交換自在な
    先端カバーを取り付け、該先端カバーに上記寸法の開口
    を設けている請求項1または請求項2に記載の補修用溶
    接装置。
  5. 【請求項5】 上記ホルダーに、溶加ワイヤーをガイド
    パイプへと送給する送りローラと、該送りローラ駆動用
    モータを設け、 上記送りローラへは、溶加ワイヤーを手動により差し込
    んで供給し、あるいは、ホルダーと一体化したコイル・
    リールまたは別体のワイヤー送給器に設けたコイル・リ
    ールから溶加ワイヤーを供給する構成としている請求項
    1乃至請求項4のいずれか1項に記載の補修用溶接装
    置。
  6. 【請求項6】 上記送りローラは、一対あるいは複数対
    からなり、該送りローラのうち、少なくともモータ駆動
    される送りローラの周方向の溝を設け、該溝内にワイヤ
    ーを通して送給する構成としている請求項5に記載の補
    修用溶接装置。
  7. 【請求項7】 上記ホルダーとは別体のワイヤー送給器
    を設け、該ワイヤー送給器にモータ駆動される送りロー
    ラと、該送りローラに溶加ワイヤーを供給するコイル・
    リールを設け、該ワイヤー送給器から上記ホルダーの内
    部に形成した挿通路を通して上記ガイドパイプへと溶加
    ワイヤーを送給する構成としている請求項1乃至請求項
    4のいずれか1項に記載の補修用溶接装置。
  8. 【請求項8】 上記ホルダーには、コイル・リールから
    送りローラに供給される溶加ワイヤーの巻き癖を直線状
    に矯正する矯正手段を設けている請求項5乃至請求項7
    のいずれか1項に記載の補修用溶接装置。
  9. 【請求項9】 上記ホルダーに設ける金属電極棒の保持
    ・給電手段は、チャックあるいはクリップからなり、こ
    の保持・給電手段の中心部に金属電極棒を通して、一定
    位置に保持あるいは、前後動可能に保持している請求項
    1乃至請求項8のいずれか1項に記載の補修用溶接装
    置。
  10. 【請求項10】 上記ホルダーに金属電極棒の送り手段
    を設け、金属電極棒とワークとの距離に応じて本体機の
    制御手段により上記送り手段を駆動して、金属電極棒を
    前後動させ、金属電極棒がワークに接触すると自動的に
    離反させ、金属電極棒の先端とワークとの距離を一定位
    置に保持する構成としている請求項1乃至請求項9のい
    ずれか1項に記載の補修用溶接装置。
  11. 【請求項11】 上記金属電極棒の保持・給電手段とな
    るチャックあるいはクリップの外周にガス流路をあけて
    ガス用カバーを取り付け、該ガス用カバーの先端の一部
    より一体にあるいは別体にワーク押当板を突設し、該ワ
    ーク押当板をワークに当接させて金属電極棒の先端とワ
    ークとの距離を一定に保持する構成としている請求項1
    乃至請求項10のいずれか1項に記載の補修用溶接装
    置。
  12. 【請求項12】 上記本体機は、金属電極棒とワイヤー
    用モータへ電源を供給する電源供給部と、上記ホルダー
    へシールド兼冷却用ガスを供給するガス供給部、溶接条
    件の設定を行うスイッチおよび設定内容を表示する表示
    部と、金属電極棒への出力電圧を検知する手段と、アー
    ク及びモータの出力を溶接条件に応じて制御する制御手
    段とを備えている請求項1乃至請求項11のいずれか1
    項に記載の補修用溶接装置。
  13. 【請求項13】 上記本体機の電源供給部は上記ホルダ
    ーの金属電極棒を正極、金属ワークを負極に、あるい
    は、金属電極棒を負極、金属ワークを正極に切替接続可
    能としていると共に、 上記シールドガス供給部は上記ホルダー側の電極切替に
    応じてシールドガスを切替供給する構成としている請求
    項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の補修用溶接
    装置。
  14. 【請求項14】 上記溶加ワイヤーは、上記金属製ワー
    クと共材あるいは鉄、鉄鋼、ステンレス、ベリリウム、
    銅合金、アルミニウム合金、亜鉛合金、鋳造品、ニッケ
    ル、ステライトからなり、補修溶接される上記金属製ワ
    ークは、樹脂成形金型、ゴム成形金型、ガラス金型、ダ
    イキャスト金型、プレス金型、金属ローラ、刃物、刃
    先、金属機械部品であることを特徴とする請求項1乃至
    請求項13のいずれか1項に記載の補修用溶接装置。
  15. 【請求項15】 上記シールドガスとして、アルゴンガ
    ス、ヘリウムガス、炭酸ガス、これらガスの混合ガス、
    あるいはアルゴンと酸素の混合ガスを用いている請求項
    1乃至請求項14のいずれか1項に記載の補修用溶接装
    置。
  16. 【請求項16】 請求項1乃至請求項15のいずれか1
    項の補修用溶接装置に用いる溶加ワイヤーであって、そ
    の直径を0.1mm〜0.8mmとしていることを特徴
    とする補修用溶接装置に用いる溶加ワイヤー。
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