JP2001129080A - 流路切換弁 - Google Patents

流路切換弁

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JP2001129080A JP31458699A JP31458699A JP2001129080A JP 2001129080 A JP2001129080 A JP 2001129080A JP 31458699 A JP31458699 A JP 31458699A JP 31458699 A JP31458699 A JP 31458699A JP 2001129080 A JP2001129080 A JP 2001129080A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 操作性に優れた流路切換弁を提供する。 【解決手段】 ケース1の一側壁1aには、可動部2の
変位方向に沿って、第1のポートおよび第2のポートが
形成され、ケースの一側壁と対向する他側壁には、可動
部の変位方向に沿って切欠き8が形成され可動部には、
ケースの一側壁と向き合う第3のポートと、ケースの他
側壁に形成された切欠きから露出する第4のポートと、
第3のポートと第4のポートとをつなぐ第1の誘導路と
が形成され、可動部には、ケースの一側壁と向き合う第
5のポートと、ケースの一側壁と向き合い、かつ、第5
のポートを挟んで第3のポートと逆側に位置する第6の
ポートと、第5のポートと第6のポートとをつなぐ反転
用の第2の誘導路とが形成され、可動部がケース内にお
ける第1の規定位置に存在する状態では、第1のポート
と第2のポートとが、第5のポート、第2の誘導路、お
よび第6のポートを介して連結される流路切換弁。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、人工透析
治療に使用される医療用の流路切換弁に関するものであ
る。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】腹膜透析治療(透析液
交換作業)は、概して言うと、体内からの廃液排出、
輸液用のチューブ内の空気抜き、体内への透析液の
注入、といった手順にて行われる。このため治療に先立
っては、(イ)人体と廃液を受ける容器との間、(ロ)
人体と透析液が充填された容器との間、(ハ)透析液が
充填された容器と廃液を受ける容器との間は、それぞれ
柔軟なチューブによって接続されることになる。そし
て、使用しないチューブを特殊なクリップで挟んで圧潰
(閉塞)することにより流路を切り換えて、上記腹膜透
析治療が行われる。
【0003】さて、上記クリップには、チューブ内の流
路を確実に閉塞でき、かつ、その状態を安定して維持で
きる機能が求められる。よって、同クリップは、対向す
る刃部同士を近接させることでチューブを局所的に圧潰
でき、更に刃部同士が互いに掛止可能な構造となってい
る。しかし、このクリップを用いる方法では、やはり流
路の完全な閉塞は困難であり、ある程度の漏れは避けら
れない。また、過大な力でチューブを挟んだ場合などに
はチューブに裂傷が生じ、そこから液が漏れ出すことが
ある。更に言えば、上記クリップでチューブを圧潰する
には、かなりの力が必要となるので、上肢が弱っている
患者などは自分で操作することができない。
【0004】そこで、チューブ個々の途中に栓を設ける
方法が考えられた。ところが、先のクリップを使用する
方法についても言えることであるが、複数の栓の連携開
閉はかなり複雑な操作である。このため、操作手順を間
違えて適切な治療ができなくなる恐れがある。なお、こ
うした問題を解決するべく、全てのチューブ(人体側か
ら延びるチューブ、透析液が充填された容器側から延び
るチューブ、廃液を受ける容器側から延びるチューブ)
を接続して使用するタイプの流路切換弁が開発された
(特願昭63−503390)。この流路切換弁は、レ
バーを時計回りあるいは反時計回りに回転させること
で、流路が切り換わるようになっている。つまり、3本
のチューブのうちのいすれか2本が相互に接続され、残
りの1本は閉塞される。
【0005】しかし、こうしたロータリー式の流路切換
弁では、レバーの回転方向を間違いやすい。そして、当
然のことながら、この場合も規定どおり流路を切り換え
ることができず、適切な治療が不可能となる。したがっ
て、本発明が解決しようとする課題は、操作性に優れた
流路切換弁を提供することである。特に、一方向への単
純な操作で流路を切り換えることができる流路切換弁を
提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この課題は、ケースと、
このケース内に変位可能に収納された可動部とを具備し
てなる流路切換弁であって、前記ケースの一側壁には、
前記可動部の変位方向に沿って、第1のポートおよび第
2のポートが形成されてなると共に、前記ケースの一側
壁と対向する他側壁には、前記可動部の変位方向に沿っ
て延びる切欠きが形成されてなり、前記可動部には、前
記ケースの一側壁と向き合う第3のポートと、前記ケー
スの他側壁に形成された前記切欠きから露出する第4の
ポートと、前記第3のポートと前記第4のポートとをつ
なぐ第1の誘導路とが形成されてなり、更に前記可動部
には、前記ケースの一側壁と向き合う第5のポートと、
前記ケースの一側壁と向き合い、かつ、前記第5のポー
トを挟んで前記第3のポートと逆側に位置する第6のポ
ートと、前記第5のポートと前記第6のポートとをつな
ぐ反転用の第2の誘導路とが形成されてなり、前記可動
部が前記ケース内における第1の規定位置に存在する状
態では、前記第1のポートと前記第2のポートとが、前
記第5のポート、前記第2の誘導路、および前記第6の
ポートを介して連結され、前記可動部が前記ケース内に
おける、前記第1の規定位置から所定の距離だけ順方向
に離れた第2の規定位置に存在する状態では、前記第1
のポートと前記第4のポートとが、前記第1の誘導路お
よび前記第3のポートを介して連結され、前記可動部が
前記ケース内における、前記第2の規定位置から所定の
距離だけ順方向に離れた第3の規定位置に存在する状態
では、前記第2のポートと前記第4のポートとが、前記
第1の誘導路および前記第3のポートを介して連結され
るよう構成されてなることを特徴とする流路切換弁によ
って解決される。
【0007】すなわち、上記のごとく構成された本発明
の流路切換弁では、可動部をケースに対して段階的に変
位させることで、流路が切り換わるようになっている。
更に詳しくは、まず、可動部がケース内の第1の規定位
置に存在する状態では、第1のポートと第2のポートと
が連結される。これによって、第2のポート(又は第1
のポート)から流入した流体は、第1のポート(又は第
2のポート)から排出されるようになる。次に、可動部
がケース内における、上記第1の規定位置から所定の距
離だけ順方向に離れた第2の規定位置に存在する状態で
は、第1のポートと第4のポートとが連結される。これ
によって、第4のポート(又は第1のポート)から流入
した流体は、第1のポート(又は第4のポート)から排
出されるようになる。更に、可動部がケース内におけ
る、上記第2の規定位置から所定の距離だけ順方向に離
れた第3の規定位置に存在する状態では、第2のポート
と第4のポートとが連結される。これによって、第4の
ポート(又は第2のポート)から流入した流体は、第2
のポート(又は第4のポート)から排出されるようにな
る。したがって、本発明の流路切換弁を例えば透析治療
に使用する場合には、第1のポートに廃液を受ける容器
側から延びるチューブを接続し、また、第2のポートに
人体側から延びるチューブを接続し、更に第4のポート
に透析液が充填された容器側から延びるチューブを接続
すればよい。こうすることで、可動部を一方向に段階的
に変位させるだけで、確実に流路を切り換えることがで
きる。すなわち、可動部が第1の規定位置に存在する状
態では、人体側と廃液を受ける容器側とが、また、可動
部が第2の規定位置に存在する状態では、透析液が充填
された容器側と廃液を受ける容器側とが、更に可動部が
第3の規定位置に存在する状態では、透析液が充填され
た容器側と人体側とが接続される。このため、流路の切
り換えを間違えることはなく、適切な治療が可能とな
る。総じて言うと、本発明の流路切換弁は、操作性に優
れており、特に一方向への単純な操作(スライド操作)
で、確実に流路を切り換えることができる。
【0008】なお本発明の流路切換弁は、更に、可動部
がケース内における、第1の規定位置から所定の距離だ
け順方向と逆の方向に離れた初期規定位置に存在する状
態では、第1のポート、第2のポート、および第3のポ
ートの全てが閉塞され、前記可動部が前記ケース内にお
ける、第3の規定位置から所定の距離だけ順方向に離れ
た最終規定位置に存在する状態でも、前記第1のポー
ト、前記第2のポート、および前記第3のポートの全て
が閉塞されるよう構成することができる。こうすること
で、流路を完全に閉塞した状態から作業を開始でき、ま
た、作業終了時にも流路を完全に閉塞した状態とするこ
とが可能となる。
【0009】また本発明の流路切換弁では、可動部とケ
ースとの摺接面の気密性を更に高めるため、可動部にお
けるケースの一側壁と向き合う面に、第3のポート、第
5のポート、および第6のポートそれぞれに対応する孔
が形成された、弾性材料(例えばゴムなど)からなるシ
ール材を配設してなることが好ましい。更に本発明の流
路切換弁には、可動部が、(少なくとも)第1の規定位
置、第2の規定位置、第3の規定位置のいずれかに存在
するとき、前記可動部をケースに対して掛止させるため
の掛止機構を具備させてなることが好ましい。これによ
って、可動部を規定の位置に確実に停止させることがで
き、操作性が一層向上する。しかも、この掛止機構を設
けることによって、視覚だけでなく、触覚(指先に作用
する抵抗)によっても、可動部が規定位置に到達したこ
とを認識できる。ゆえに、目が不自由であっても、操作
を間違えることはない。
【0010】なお、本発明の流路切換弁を医療、例えば
透析治療に使用する場合には、基本的に同流路切換弁
は、一度使用された後、直ちに廃棄される。よって、可
動部は順方向と逆の方向には変位不可能であってもよ
い。したがって、可動部の操作間違いを更に起きにくく
するため、上記掛止機構を設ける場合には、それを、可
動部が順方向にのみ変位できるよう構成することが好ま
しい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図10を用いて、本
発明の実施形態を更に詳しく説明する。なお図1は本実
施形態に係る流路切換弁の使用状態での外観図、図2は
図1におけるX−X線での同流路切換弁の断面図、図3
はケースの切欠きを示す斜視図、図4は図1におけるY
−Y線での流路切換弁の断面図、図5は可動部の要部斜
視図、図6は掛止機構部分の平面図、図7〜図10はそ
れぞれ流路を切り換えた状態での流路切換弁の断面図で
ある。
【0012】図1から判るように、本実施形態に係る流
路切換弁(以下、単に本流路切換弁と言う)は、プラス
チック製のケース1と、このケース1内に変位可能に収
納された、同じくプラスチック製の可動部2とを主要構
成要素とする。なお、可動部2については一体成形品で
あり、一方、ケース1については、天面側が開放された
本体部およびこの開放面を閉塞する蓋部からなる二体構
造品である。但し、これ以降の説明や図では、本体部と
蓋部とを区別せず、ケース1を一体成形品のごとく扱
う。
【0013】さて、本流路切換弁を構成するケース1の
一側壁(以下、主側壁と言う)1aには、図2からも判
るように、上記可動部2の変位方向(図2中、左右方
向)に沿って、チューブ接続管3,4が設けられてい
る。そして、チューブ接続管3の基端側には第1のポー
ト(すなわち開口)5が、また、チューブ接続管4の基
端側には第2のポート6がそれぞれ形成されている。
【0014】なお使用(人工透析治療)状態では、チュ
ーブ接続管3に、したがって第1のポート5には、廃液
を受ける容器(図示せず)側から延びるチューブAが接
続される。一方、チューブ接続管4に、したがって第2
のポート6には、人体(図示せず)側から延びるチュー
ブBが接続される。次に、上記ケース1の主側壁1aと
対向する他側壁(以下、対向側壁と言う)1bには、図
3に示すごとく、可動部2の変位方向に沿って延びる細
長い切欠き7が形成されている。なお、この切欠き7の
長さLは、可動部2の総変位量よりも僅かに(チューブ
接続管の直径相当長さだけ)大きい程度である。また、
同切欠き7からは、可動部2に設けたチューブ接続管
(後に詳述)が突出している。
【0015】更に言うと、ケース1の天面にも、可動部
2の変位方向に沿って延びる切欠き8が形成されてい
る。そして、この切欠き8からは、可動部2をスライド
操作するための突起9が突出している。但し、この突起
9は、可動部2の他の部分と一体となっている。つま
り、突起9は可動部2の一部である。また切欠き8は、
上記切欠き7よりもいくらか長くなっている。これは、
突起9の長さ寸法が、可動部2に設けた上記チューブ接
続管の直径よりも大きいためである。つまり、本実施形
態では、切欠き7および切欠き8の有効長さを共に等し
くしている。
【0016】加えて、図4からも判るように、ケース1
の底面にはレール10が形成されている。このレール1
0は、ケース1の他の部分と一体となっており、また、
凹字形の横断面を有する。そして、レール10は、可動
部2の下面側に形成した溝11と、同可動部2がスムー
ズに変位できる程度に遊嵌している。なお、言うまでも
なく、ケース1のレール10と可動部2の溝11とは、
可動部2のガイド機構を形成しており、これによって可
動部2のガタつきが抑えられる。
【0017】さて、可動部2には、上述したようにチュ
ーブ接続管12が一体的に設けられており、更に、この
チューブ接続管12の基端側には第4のポート(すなわ
ち開口)13が形成されている。言い換えれば、可動部
2は、ケース1の対向側壁1bに形成された切欠き7か
ら露出する第4のポート13を有する。なお使用状態で
は、上記チューブ接続管12に、したがって第4のポー
ト13には、透析液が充填された容器(図示せず)側か
ら延びるチューブCが接続される。
【0018】また可動部2には、第3のポート14、お
よびこの第3のポート14と上記第4のポート13とを
つなぐ第1の誘導路15が形成されている。但し、第3
のポート14は、ケース1の主側壁1aと向き合う位置
に存在している。一方、第1の誘導路15は直線状のも
のである。このため、チューブ接続管12の内部空間と
第1の誘導路15とは連続的につながっている。
【0019】更に可動部2には、第5のポート16、第
6のポート17、そしてこれら第5のポート16と第6
のポート17とをつなぐ反転用の第2の誘導路18が形
成されている。このうち第5のポート16および第6の
ポート17は、ケース1の主側壁1aと向き合う位置に
存在している。特に、第6のポート17については、第
5のポート16を挟んで第3のポート14と逆側に位置
している。但し、第3のポート14、第5のポート1
6、第6のポート17は、全て一直線上にある。
【0020】これに加え、可動部2におけるケース1の
主側壁1aと向き合う面(摺接面)には、図5から判る
ように、シール材19が配されている(実際には可動部
2に埋め込まれている)。そして、このシール材19に
おける、上記第3のポート14、第5のポート16、第
6のポート17のそれぞれに対応する位置には、孔19
a〜19cが形成されている。ちなみに本実施形態で
は、シール材19としてゴムなどの弾性材料からなるも
のを使用した。しかし、このシール材19としては、他
の材料から構成されたものを用いてもよく、あるいはシ
ール材19を摺接面に介在させなくともよい。
【0021】本流路切換弁は、可動部2をケース1に対
して掛止(一時的に掛止)させるための掛止機構を更に
具備する。より具体的に言うと、図6からも判るよう
に、ケース1の対向側壁1bには、所定の間隔で、半円
形の凹部20a〜20eが形成されている(但し図6で
は凹部20a,20bだけしか示していない)。ちなみ
に、図2(図7〜図10も同じ)においてP0 で示す点
が凹部20aに、P1 で示す点が凹部20bに、P2
示す点が凹部20cに、P3 で示す点が凹部20dに、
そしてP4 で示す点が凹部20eに対応している。一
方、可動部2の角には、掛止爪21が、残りの部分(本
体部分)に対して一体的に設けられている。特に、この
掛止爪21の先端には、半円形の凸部21aが設けられ
ている。したがって、可動部2のケース1に対する掛止
状態は、この掛止爪21の凸部21aが上記凹部20a
〜20eのいずれかと嵌合することにより得られる。な
お、上述したように可動部2は、弾力性に富んだプラス
チック製である。このため、可動部2を変位させようと
して掛止爪21にある一定以上の力が作用すると、凸部
21aの嵌合状態が解除され、その結果、可動部2の掛
止状態も解除される。
【0022】総じて言うと上記掛止機構は、可動部2
が、初期規定位置、第1の規定位置、第2の規定位置、
第3の規定位置、最終規定位置のいずれかに存在すると
き、同可動部2をケース1に対して掛止させる役割を果
たす。なお図2に示すのは、可動部2が初期規定位置に
存在する状態であり、この状態では、掛止爪21の凸部
21aは凹部20aと嵌合(P0 点に存在)している。
また、凸部21aが凹部20bと嵌合(P1 点に存在)
しているのが第1の規定位置、凸部21aが凹部20c
と嵌合(P2 点に存在)しているのが第2の規定位置、
凸部21aが凹部20dと嵌合(P3 点に存在)してい
るのが第3の規定位置、そして、凸部21aが凹部20
eと嵌合(P4 点に存在)しているのが最終規定位置で
ある。
【0023】さて本流路切換弁では、可動部2が、図2
に示すごとく、ケース1内における初期規定位置に存在
する状態(第1の規定位置から所定の距離だけ順方向と
逆の方向に離れた位置に存在する状態)では、第1のポ
ート5、第2のポート6および第3のポート14(ひい
ては第4のポート13)の全てが閉塞されるようになっ
ている。なお、ここで順方向とは、P0 点からP4 点に
向かう方向である。
【0024】次に、上記可動部2が、図7に示すごと
く、ケース1内における第1の規定位置に存在する状態
では、第1のポート5と第2のポート6とが、第5のポ
ート16、第2の誘導路18および第6のポート17を
介して連結されるようになっている。つまり、同図に矢
印で示すごとく、チューブ接続管4から流入した流体は
可動部2内で反転して、チューブ接続管3から排出され
るようになる。
【0025】更に上記可動部2が、図8に示すごとく、
ケース1内における第2の規定位置に存在する状態(第
1の規定位置から所定の距離だけ順方向に離れた位置に
存在する状態)では、第1のポート5と第4のポート1
3とが、第1の誘導路15および第3のポート14を介
して連結されるようになっている。つまり、同図に矢印
で示すごとく、チューブ接続管12から流入した流体
は、可動部2内を通過して、チューブ接続管3から排出
されるようになる。
【0026】また、上記可動部2が、図9に示すごと
く、ケース1内における第3の規定位置に存在する状態
(上記第2の規定位置から所定の距離だけ順方向に離れ
た位置に存在する状態)では、第2のポート6と第4の
ポート13とが、第1の誘導路15および第3のポート
14を介して連結されるようになっている。つまり、同
図に矢印で示すごとく、チューブ接続管12から流入し
た流体は、可動部2内を通過して、チューブ接続管4か
ら排出されるようになる。
【0027】そして最後に、上記可動部2が、図10に
示すごとく、ケース1内における最終規定位置(上記第
3の規定位置から所定の距離だけ順方向に離れた位置に
存在する状態)では、第1のポート5、第2のポート6
および第3のポート14(ひいては第4のポート13)
の全てが閉塞されるようになっている。このように本流
路切換弁は、可動部2をケース1に対して段階的に変位
させることで、流路が切り換わるようになっている。し
たがって、本流路切換弁を透析治療に使用する場合に
は、図1に示したように、チューブ接続管3(第1のポ
ート5)に廃液を受ける容器側から延びるチューブA
を、また、チューブ接続管4(第2のポート6)に人体
側から延びるチューブBを、更にチューブ接続管12
(第4のポート13)に透析液が充填された容器側から
延びるチューブCをそれぞれ接続すればよい。こうする
ことで、可動部2を一方向に段階的に変位させるだけの
簡単な操作で、確実に流路を切り換えることができる。
【0028】更に詳しく言うと、可動部2が初期規定位
置に存在する状態では、流路が完全に閉塞される。これ
に対して、可動部2を第1の規定位置まで変位させた状
態では、人体側と廃液を受ける容器側とが接続される
(体内からの廃液排出)。また可動部2を第2の規定位
置まで変位させた状態では、透析液が充填された容器側
と廃液を受ける容器側とが接続される(輸液用のチュー
ブ内の空気抜き)。更に可動部2を第3の規定位置まで
変位させた状態では、透析液が充填された容器側と人体
側とが接続される(体内への透析液の注入)。そして最
後に、可動部2を最終規定位置まで変位させた状態で
は、流路が再び完全に閉塞される。本流路切換弁は、こ
うした構造となっているため、透析治療に用いた場合
に、流路の切り換えを間違えることはなく、誰にでも適
切な治療が可能となる。
【0029】更に言えば、本流路切換弁は、片手でも操
作できるため、極めて使い勝手がよい。具体的には、ま
ず拇指を可動部2の突起9に当て、他の四指でケース1
を保持する。そして、拇指を段階的に伸展させ、可動部
2を変位させる。これによって、上述したごとく流路が
切り換わっていく。続いて、本発明の他実施形態につい
て、図11(掛止機構部分の平面図)を用いて説明す
る。なお、本実施形態の流路切換弁も、その基本的な技
術思想や要部構造は、先のものと同じである。よって以
下では相違点についてのみ記述する。
【0030】本実施形態に係る流路切換弁は、掛止機構
を、可動部2’が順方向にのみ変位できるよう構成した
ことを特徴とする。すなわち、図11から判るように、
可動部2’は掛止爪21’を有するが、この掛止爪2
1’の凸部21a’は、半円形ではなく鉤形(四分割円
形)となっている。また、ケース1’の凹部20a’〜
20e’も、同じく鉤形(四分割円形)となっている
(但し、図11では凹部20a’,20b’だけしか示
していない)。したがって可動部2’は順方向(図11
中、右方向)にしか変位できず、後戻りさせることは不
可能である。こうした構造は、使い捨てが前提の医療用
の流路切換弁に特に好適である。
【0031】なお、ここでは、可動部の突起を第2の誘
導路の上に設けたものを例に挙げて本発明を説明した。
しかし、この突起はいかなる位置にあってもよい。更
に、可動部を変位させる手段としては、どのようなもの
が用いられてもよい。
【0032】
【発明の効果】本発明の流路切換弁は操作性に優れる。
特に、一方向への単純な操作で流路を確実に切り換える
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る流路切換弁の使用状態での外
観図
【図2】図1におけるX−X線での流路切換弁の断面図
【図3】ケースの切欠きを示す斜視図
【図4】図1におけるY−Y線での流路切換弁の断面図
【図5】可動部の要部斜視図
【図6】掛止機構部分の平面図
【図7】流路を切り換えた状態での流路切換弁の断面図
【図8】流路を切り換えた状態での流路切換弁の断面図
【図9】流路を切り換えた状態での流路切換弁の断面図
【図10】流路を切り換えた状態での流路切換弁の断面
【図11】掛止機構部分の平面図(他実施形態)
【符号の説明】
1 ケース 1a ケースの主側壁(一側壁) 1b ケースの対向側壁(他側壁) 2 可動部 3,4,12 チューブ接続管 5 第1のポート 6 第2のポート 7,8 切欠き 9 突起 10 レール 11 溝 13 第4のポート 14 第3のポート 15 第1の誘導路 16 第5のポート 17 第6のポート 18 第2の誘導路 19 シール材 19a〜19c シール材の孔 20a〜20e ケースの凹部 21 掛止爪 21a 掛止爪の凸部 A 廃液を受ける容器側から延びるチュ
ーブ B 人体側から延びるチューブ C 透析液が充填された容器側から延び
るチューブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H067 AA14 CC32 CC44 CC48 CC55 DD05 DD12 DD22 EA02 EA05 EA06 EA12 EA24 EC07 EC13 FF11 GG12 GG25 4C066 AA09 CC01 JJ04 QQ14 4C077 AA06 BB01 CC08 DD23 DD25 EE03 KK25

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケースと、このケース内に変位可能に収
    納された可動部とを具備してなる流路切換弁であって、 前記ケースの一側壁には、前記可動部の変位方向に沿っ
    て、第1のポートおよび第2のポートが形成されてなる
    と共に、 前記ケースの一側壁と対向する他側壁には、前記可動部
    の変位方向に沿って延びる切欠きが形成されてなり、 前記可動部には、 前記ケースの一側壁と向き合う第3のポートと、 前記ケースの他側壁に形成された前記切欠きから露出す
    る第4のポートと、 前記第3のポートと前記第4のポートとをつなぐ第1の
    誘導路とが形成されてなり、 更に前記可動部には、 前記ケースの一側壁と向き合う第5のポートと、 前記ケースの一側壁と向き合い、かつ、前記第5のポー
    トを挟んで前記第3のポートと逆側に位置する第6のポ
    ートと、 前記第5のポートと前記第6のポートとをつなぐ反転用
    の第2の誘導路とが形成されてなり、 前記可動部が前記ケース内における第1の規定位置に存
    在する状態では、前記第1のポートと前記第2のポート
    とが、前記第5のポート、前記第2の誘導路、および前
    記第6のポートを介して連結され、 前記可動部が前記ケース内における、前記第1の規定位
    置から所定の距離だけ順方向に離れた第2の規定位置に
    存在する状態では、前記第1のポートと前記第4のポー
    トとが、前記第1の誘導路および前記第3のポートを介
    して連結され、 前記可動部が前記ケース内における、前記第2の規定位
    置から所定の距離だけ順方向に離れた第3の規定位置に
    存在する状態では、前記第2のポートと前記第4のポー
    トとが、前記第1の誘導路および前記第3のポートを介
    して連結されるよう構成されてなることを特徴とする流
    路切換弁。
  2. 【請求項2】 可動部がケース内における、第1の規定
    位置から所定の距離だけ順方向と逆の方向に離れた初期
    規定位置に存在する状態では、第1のポート、第2のポ
    ート、および第3のポートの全てが閉塞され、 前記可動部が前記ケース内における、第3の規定位置か
    ら所定の距離だけ順方向に離れた最終規定位置に存在す
    る状態でも、前記第1のポート、前記第2のポート、お
    よび前記第3のポートの全てが閉塞されるよう構成され
    てなることを特徴とする請求項1に記載の流路切換弁。
  3. 【請求項3】 可動部におけるケースの一側壁と向き合
    う面には、第3のポート、第5のポート、および第6の
    ポートそれぞれに対応する孔が形成された、弾性材料か
    らなるシール材が配設されてなることを特徴とする請求
    項1又は請求項2に記載の流路切換弁。
  4. 【請求項4】 可動部が、第1の規定位置、第2の規定
    位置、第3の規定位置のいずれかに存在するとき、前記
    可動部をケースに対して掛止させるための掛止機構を更
    に具備してなることを特徴とする請求項1〜請求項3の
    いずれかに記載の流路切換弁。
  5. 【請求項5】 掛止機構は、可動部が順方向にのみ変位
    できるよう構成されたものであることを特徴とする請求
    項4に記載の流路切換弁。
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