JP2001128416A - モータの起動装置 - Google Patents

モータの起動装置

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JP2001128416A
JP2001128416A JP30506699A JP30506699A JP2001128416A JP 2001128416 A JP2001128416 A JP 2001128416A JP 30506699 A JP30506699 A JP 30506699A JP 30506699 A JP30506699 A JP 30506699A JP 2001128416 A JP2001128416 A JP 2001128416A
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thermistor element
temperature coefficient
positive temperature
coefficient thermistor
electrode plate
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JP30506699A
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Yukio Morikawa
行男 森川
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Matsushita Refrigeration Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モータの起動装置に関し、正特性サーミスタ
素子に溝等の加工を施さずとも破壊時の割れ位置を特定
できる正特性サーミスタ素子の支持方法により確実に電
力供給を遮断できるモータの起動装置を提供する。 【解決手段】 正特性サーミスタ素子2は電極2aの一
端部2cが突起1aに、電極2b上の対角部2dが突起
1bによって支持される。接触部3aは対角部2dより
も僅かに正特性サーミスタ素子2の中心側に存在する。
接触部4aは一端部2cよりも僅かに正特性サーミスタ
素子2の中心側に存在する。突起1a及び1bは正特性
サーミスタ素子2の外周部と広く接触している。これに
より正特性サーミスタ素子2の高温部は中心部2eと端
部1f及び1gとなり、中心から割れやすくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気冷蔵庫やエア
コン等に搭載するコンプレッサ及び正特性サーミスタ素
子を使用したモータの起動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、モータの起動装置は、内蔵する正
特性サーミスタ素子が何らかの原因で破壊し故障した場
合、電気的オープン状態で故障するような内部構造が求
められている。
【0003】従来のモータの起動装置で故障時に電気的
オープン状態で故障するような内部構造のものとして
は、特開平9−134803号公報に示されているもの
がある。また、モータの起動装置と同様な内部構造を持
つ過電流保護部品で、故障時に電気的オープン状態で故
障するような内部構造のものとしては、特開平4−78
103号公報に示されているものがある。
【0004】以下、図面を参照しながら上記従来のモー
タの起動装置及びモータの起動装置と同様な内部構造を
持つ過電流保護部品を説明する。
【0005】図6は特開平9−134803号公報に示
されたモータの起動装置の内部構造を示す平面図、図7
は同モータの起動装置が使用される状態を表す図、図8
は同モータの起動装置が故障した状態を表す平面図であ
る。
【0006】図6から図8において、電気絶縁性樹脂の
ケース11の中央部に正特性サーミスタ素子12が電極
板13,14により保持されている。正特性サーミスタ
素子12は対向する2つの平面12a,12bに電極が
形成されている。
【0007】電極板13,14の接触点13b,14a
と正特性サーミスタ素子12との間には電気絶縁部材1
5,16がそれぞれ挟まれている。電極板13の接触点
13aは電極板14の接触点14aよりも正特性サーミ
スタ素子12の外周寄りに位置し、電極板14の接触点
14bは電極板13の接触点13bよりも正特性サーミ
スタ素子12の外周寄りに位置している。
【0008】電極板13,14は正特性サーミスタ素子
12への電気的入出力端子としての役割を担っている。
電極板13,14はその一部分がケース11内部の一端
部に延在し図6に示す様にモータ17のクラスターピン
17a,17bに取り付けられるようピン端子部13
c,14cが構成されている。
【0009】以上のように構成されたモータの起動装置
について、以下その故障時の動作を説明する。
【0010】モータの起動装置が使用される環境等によ
っては、正特性サーミスタ素子12が劣化し、正特性サ
ーミスタ素子12の電極12a,12bのエッジ部分1
2cからスパークが発生し、正特性サーミスタ素子12
が破壊する場合がある。
【0011】このとき、正特性サーミスタ素子12は一
部が欠けたり中央から2つ以上の部分にに割れたりする
が、中央から2つ以上の部分に割れた場合、電極板1
3,14の接触点13a,13b,14a,14bの位
置関係から図8に示すように素子が破壊される。
【0012】このとき、電極板13の接触点13bに電
気絶縁部材15が、電極板14の接触点14aに電気絶
縁部材16が、挟まれており、電極板13,14は電気
的に絶縁されて正特性サーミスタ素子12への電力供給
が停止する。
【0013】図9は特開平4−78103号公報に示さ
れている過電流保護部品の内部構造を示す平面図、図1
0は同過電流保護部品の故障した状態を表す平面図であ
る。本過電流保護部品は全く同じ構造でモータの起動装
置として使用できるものである。
【0014】図9及び図10において、電気絶縁性樹脂
のケース21の中央部に正特性サーミスタ素子22が位
置している。正特性サーミスタ素子22の対向する2つ
の平面22a,22bには、中央部に溝22c,22d
が形成されている。さらに正特性サーミスタ素子22の
対向する2つの平面22a,22bには、電極が形成さ
れており、それぞれ互いに対向しない一端部22e,2
2fで比較的狭い面積でケース21の突起21a,21
bに接触している。
【0015】電極板23は正特性サーミスタ素子22に
溝22cに対して一端部22eの反対側で溝22cの近
くで接触し、電極板24は溝22dに対して一端部22
fの反対側で溝22fの近くで接触している。電極板2
3,24は電気的入出力端子としての役割を担ってい
る。
【0016】以上のように構成された過電流保護部品に
ついて、以下その故障時の動作を説明する。
【0017】過電流保護部品が使用される環境等によっ
ては、正特性サーミスタ素子22が劣化し、正特性サー
ミスタ素子22の電極22a,22bのエッジ部分22
gからスパークが発生し、正特性サーミスタ素子22が
破壊する場合がある。
【0018】このとき、正特性サーミスタ素子22は一
部が欠けたり割れたりするが、正特性サーミスタ素子2
2の中央の溝22c,22dの部分が機械的に弱く割れ
やすい。このとき電極板23,24の位置関係から図1
0に示すように破壊され、電極板23及び電極板24は
電気絶縁状態となり、正特性サーミスタへ素子22の電
力の供給が停止する。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図6に
示す上記従来の構成は、第1に、正特性サーミスタ素子
12の割れ方が定まりにくい為、電気的オープン状態に
ならない場合があるという欠点があった。
【0020】一般に正特性サーミスタ素子は、通電状態
において、その中央部が最も温度が高くなり、破壊する
ときも中央部に沿って最も割れやすい。しかし実際に使
用される場合、正特性サーミスタ素子は何らかの手段に
よって支持されており、その支持部から熱が吸収され部
分的に温度を下げる。
【0021】したがって正特性サーミスタ素子が破壊す
る場合、その支持されていない部分的高温部に沿って破
壊しやすくなるが、上記従来の構成は電気絶縁部材1
5,16が電極板13,14の構造上正特性サーミスタ
素子12の中央部に近いところに比較的広い面積で位置
するため、正特性サーミスタ素子12の中央部の温度を
下げてしまい割れ方が定まらなくなってしまう。
【0022】その結果、図11の割れ31の場合には、
正特性サーミスタ素子12への給電が停止せず、正特性
サーミスタ素子12の破壊がさらに進行してしまい、モ
ータの破損あるいはそれを使用している機器への破損へ
と進んでしまう。
【0023】第2に、正特性サーミスタ素子12の破壊
を促進してしまうという欠点があった。
【0024】正特性サーミスタ素子の破壊は、まず、そ
の対向する両平面に形成された電極間の外周に沿って絶
縁破壊が起こり、スパークが発生する。このとき、正特
性サーミスタ素子に電力を供給している電極板が近くに
存在すると、スパークが電極板にも達成し素子に大きな
ダメージを与える。とりわけ電極板は薄板の金属板をプ
レス加工により形成される場合が多く、エッジ部分が多
く存在する構造となる為この現象は起こりやすい。
【0025】上記従来の構造は、電極板13,14の接
触部13a,14bが、その構造上正特性サーミスタ素
子12の外周近傍に位置するため、スパークが正特性サ
ーミスタ素子12の外周部から電極板13,14に向け
て発生しやすく、正特性サーミスタ素子12に大きなダ
メージを与える。
【0026】上記2つの欠点は、その従来のモータの起
動装置がモータに取り付け使用されるとさらに拡大され
る。
【0027】図7に示すように、電気冷蔵庫等のモータ
のクラスターピンは殆どが垂直面に取り付けられてお
り、上記従来の構成において、ピン端子13c,14c
をクラスターピン17a,17bに取り付けると、電極
板13及び電気絶縁部材16が正特性サーミスタ素子1
2の鉛直上側に位置する。
【0028】一般に発熱体は、鉛直上側が高温になる傾
向を示すので、正特性サーミスタ素子12の鉛直上側部
分12dは電極板13及び電気絶縁部材16により吸熱
されるものの高温となりうる場所であり、図11の割れ
31が示すような割れ方になりがちである。
【0029】正特性サーミスタ素子の破壊は、対向する
両平面に形成された電極間の外周に沿って絶縁破壊が起
こりスパークが発生するが、外周のうちでもスパークは
より高温の部分から発生しやすい。従って、図7に示す
取り付け方は、正特性サーミスタ素子12の高温部であ
る12dで発生したスパークによって電極板13がダメ
ージを受けやすい。
【0030】一方、図9に示す上記従来の構成は、正特
性サーミスタ素子22は、その両端のケース21a,2
1bと電極板23,24によって支持されているが、そ
の支持位置は電極板23,24においては正特性サーミ
スタ素子22の中央に近くに、ケース21との接触は正
特性サーミスタ素子22の両端部22e,22fであ
り、その接触面積は狭い。
【0031】従って、正特性サーミスタ素子22の中央
部が最も温度が高くなる支持方法ではなく、図12に示
す割れ41の位置で正特性サーミスタ素子22が破壊さ
れる可能性が十分にある。この場合、電力供給が継続し
て行われてしまい電気的オープン状態にならないという
欠点があった。
【0032】さらに、正特性サーミスタ素子22は、そ
の中央で破壊されやすいように溝22c,22dを形成
してあるが、これには正特性サーミスタ素子22の製造
コストが大きくなってしまうという欠点があった。さら
に溝22c,22dを形成することにより、正特性サー
ミスタ素子22の信頼性が悪くなるという欠点もあっ
た。さらに付け加えるなら、溝22c,22dを形成す
ることにより、組み立て時の正特性サーミスタ素子22
の方向性や取り扱い等にも配慮する必要があり、製造面
でのコストアップ要因が多く、現実的な手段としては成
り立たなかった。
【0033】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、正特性サーミスタ素子に溝等の加工を施さずとも破
壊時の割れ位置を特定できる正特性サーミスタ素子の支
持方法及びコンプレッサへの取付方法により、異常時に
確実に電力供給を遮断できるモータの起動装置を提供す
ることを目的とする。
【0034】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明は、正特性サーミスタ素子に接触する電極板及
び支持手段の位置及び大きさを考慮することにより、正
特性サーミスタ素子の温度分布から異常時に正特性サー
ミスタ素子が所定位置で割れるように誘導したものであ
る。さらに、実際に使用される取付方向において正特性
サーミスタ素子、電極板及び支持手段の位置関係と正特
性サーミスタ素子の異常時の割れ位置が最適になるよう
配慮したものである。
【0035】これにより異常時には正特性サーミスタ素
子の所定位置が割れることによって故障し、入出力端子
となる電極板の間で割れが発生するので電気的に回路が
遮断された状態で故障が停止する。
【0036】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載の発明は、
互いに平行な第1の平面と第2の平面を有する円形ディ
スク状の正特性サーミスタ素子と、前記正特性サーミス
タ素子の第1の平面に接触して前記正特性サーミスタ素
子を所定位置に保持する第1の支持手段と、前記正特性
サーミスタ素子の第2の平面に接触して前記正特性サー
ミスタ素子を所定位置に保持する第2の支持手段と、前
記正特性サーミスタ素子の第1の平面に弾性的に接触し
て電力を供給する第1の電極板と、前記正特性サーミス
タ素子の第2の平面に弾性的に接触して電力を供給する
第2の電極板とを有し、前記第1の支持手段と前記第2
の電極板は前記正特性サーミスタ素子の平面の外周付近
で直径の3分の1以下の範囲における一端部で前記正特
性サーミスタ素子と接触し、前記第2の電極板は前記第
1の支持手段より前記正特性サーミスタ素子の中心側に
存在し、前記第2の支持手段と前記第1の電極板は前記
正特性サーミスタ素子の平面の外周付近で直径の3分の
1以下の範囲における前記一端部と相離れた他端部で前
記正特性サーミスタ素子と接触し、前記第1の電極板は
前記第2の支持手段より前記正特性サーミスタ素子の中
心側に存在し、前記第1の支持手段及び前記第2の支持
手段は前記第1の電極板及び前記第2の電極板と電気的
に絶縁されており、前記第1の支持手段及び前記第2の
支持手段は前記一端部及び前記他端部で比較的広範囲で
前記正特性サーミスタ素子に接触している構成となって
いる。
【0037】この構成により正特性サーミスタ素子の中
央部が最も高温となりやすく異常時に正特性サーミスタ
素子の中央部分で割れを引き起こしやすくなる。そして
正特性サーミスタ素子が割れたとき2つの電極板の間で
割れが発生するので電気的に回路が遮断された状態とな
り異常時の電力供給が停止できるといった作用を有す
る。
【0038】請求項2記載の発明は、互いに平行な第1
の平面と第2の平面を有する円形ディスク状の正特性サ
ーミスタ素子と、前記正特性サーミスタ素子の第1の平
面に接触して前記正特性サーミスタ素子を所定位置に保
持する第1の支持手段と、前記正特性サーミスタ素子の
第2の平面に接触して前記正特性サーミスタ素子を所定
位置に保持する第2の支持手段と、前記正特性サーミス
タ素子の第1の平面に弾性的に接触して電力を供給する
第1の電極板と、前記正特性サーミスタ素子の第2の平
面に弾性的に接触して電力を供給する第2の電極板とを
有し、前記第1の支持手段と前記第2の電極板は前記正
特性サーミスタ素子の平面の外周付近で直径の3分の1
以下の範囲における一端部で前記正特性サーミスタ素子
と接触し、前記第2の電極板は前記第1の支持手段より
前記正特性サーミスタ素子の中心側に存在し、前記第2
の支持手段と前記第1の電極板は前記正特性サーミスタ
素子の平面の外周付近で直径の3分の1以下の範囲にお
ける前記一端部と相離れた他端部で前記正特性サーミス
タ素子と接触し、前記第1の電極板は前記第2の支持手
段より前記正特性サーミスタ素子の中心側に存在し、前
記第1の支持手段及び前記第2の支持手段は前記第1の
電極板及び前記第2の電極板と電気的に絶縁されてお
り、前記第1の支持手段及び前記第2の支持手段は前記
一端部及び前記他端部で比較的広範囲で前記正特性サー
ミスタ素子に接触した起動装置を備え、前記起動装置を
前記一端部及び前記他端部が鉛直水平方向に、前記支持
手段及び前記電極板によって支持されていない非保持外
周部分が鉛直上側になるように取り付けられたコンプレ
ッサの構成となっている。
【0039】この構成により電極板及び支持手段といっ
た正特性サーミスタ素子に対して吸熱する作用のある部
品の接触位置を鉛直上側に配置せずに、何も接触してい
ない部分を鉛直上側に配置することで正特性サーミスタ
素子の鉛直上側から中央部に向かっての割れを誘導する
ものである。これにより、コンプレッサとして起動装置
の故障が起こった場合に電力供給を停止できるといった
作用を有する。
【0040】
【実施例】以下、本発明の実施例について図1から図5
を用いて説明する。
【0041】図1は本発明の実施例におけるモータの起
動装置の内部構造を示す平面図、図2は同起動装置の内
部構造を示す正面図、図3は同起動装置の内蔵する正特
性サーミスタ素子が破壊した状態を示す平面図、図4は
同起動装置がモータに取り付けて使用される状態を示す
斜視図である。
【0042】図1から図4において、1はケースで、フ
ェノール、不飽和ポリエステル、ポリフェニレンサルフ
ァイド、ポリブチレンテレフタレートなどの耐熱性、電
気絶縁性に優れた樹脂で構成されている。
【0043】ケース1は、内部に正特性サーミスタ素子
2を収納できる空間があり、正特性サーミスタ素子2を
支持する突起1a及び1bが構成されている。2は正特
性サーミスタ素子で、対向する平面に電極2a及び2b
が形成されている。3,4は電極板で、ステンレスある
いは銅合金等により構成され正特性サーミスタ素子2の
電極2a,2bそれぞれに接触部3a,4aで弾性的に
接触して正特性サーミスタ素子2に電力を供給してい
る。電極板3,4は、その一部がケース1の一端に延在
しており、モータのクラスターピンに取り付けられるよ
うピン端子部3b,4bがそれぞれ設けられている。
【0044】正特性サーミスタ素子2は、電極2a,2
bの外周近傍で直径の3分の1以下の範囲(図2におけ
る斜線部分)において、突起1a,1bが広く接触し、
電極板3,4が接触している。突起1aと電極板4は、
斜線部分の一端2cで接触し、互いに対向しておらず、
電極板4の方が正特性サーミスタ素子2の中心寄りで接
触している。突起1bと電極板3は、斜線部分の前記一
端と相離れた他端2dで接触し、互いに対向しておら
ず、電極板3の方が正特性サーミスタ素子2の中心寄り
で接触している。
【0045】正特性サーミスタ素子2は電力が供給され
ると発熱するが、一端2c及び他端2dは突起1a,1
b及び電極3,4によって放熱される。一方、中心部分
2e(図2における斜線で示していない部分)と、突起
1a,1b及び電極3,4が接触していない端部2f及
び2gは高温部となる。
【0046】このような構成によって正特性サーミスタ
素子2は異常時に図3に示すように中心から割れやすく
なる。
【0047】
【表1】
【0048】(表1)は突起1a,1b及び電極板3,
4の正特性サーミスタ素子2との接触位置と、中心での
割れ(接触部3a,4aの間で割れる)との関係を示し
たものである。接触位置は図5におけるd寸法で示され
た斜線部分である。(表1)が示すように、接触位置が
正特性サーミスタ素子の直径の3分の1以下の時、中心
での割れが70%以上と非常に起こりやすいことが分か
る。
【0049】図4に示すように、本実施例におけるモー
タの起動装置は、ピン端子部3b,4bが、コンプレッ
サモータ5のクラスターピン5a,5bに取り付けられ
るが、このとき正特性サーミスタ素子2の電極板3,4
及び突起1a,1bが接触している一端2c,2dは鉛
直水平側に位置し 端部2f,2gは鉛直上側に位置す
る。
【0050】正特性サーミスタ素子は、その異常時に互
いに対向した電極の外周において絶縁破壊が起こりスパ
ークが発生し破壊するが、このスパークは外周のエッジ
うちで最も温度が高いところで発生しやすい。
【0051】したがって、正特性サーミスタ素子は、実
際に使用される状態において、鉛直上側のエッジが、最
もスパークの発生しやすいところである。本実施例にお
けるモータの起動装置は、モータに取り付けた際、正特
性サーミスタ素子2の鉛直上側に接触する電極板や支持
手段がないので、熱の吸収が起こらず2fの位置が外周
のうちで最も高温となり、異常時におけるスパークが発
生しやすい部分である。従って図3に示すような割れ方
が最も起こりやすい取付方である。
【0052】正特性サーミスタ素子2が図3に示すよう
に中心から割れた場合、電極板3,4は正特性サーミス
タ素子2に突起1b,1aを中心とする回転モーメント
を与え破片2h,2iの位置がずれて電気的オープンと
なる。
【0053】以上のように本実施例のモータ起動装置
は、正特性サーミスタ素子2の一端部2cが突起1a
に、他端部2dが突起1bによって支持され、接触部3
aは突起1bよりも僅かに正特性サーミスタ素子2の中
心側に存在し、接触部4aは突起1aよりも僅かに正特
性サーミスタ素子2の中心側に存在し、突起1a,1b
及び接触部4a,3aが正特性サーミスタ素子2の直径
の3分の1以下の一端部2c及び他端部2dで接触して
いるので正特性サーミスタ素子2の高温部は中心部2e
と端部2f,2gとなり、異常時に接触部3aと接触部
4aの間の高温部が割れやすくなる。さらに端部2fを
鉛直上側に取り付けて使用するので異常時に端部2fで
スパークが最も発生しやすく、端部2fから中心部2e
に向けて最も割れやすくなり電気的オープン状態で停止
できる効果がある。
【0054】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、正特性サ
ーミスタ素子に接触する電極板及び支持手段の正特性サ
ーミスタ素子との接触位置を、正特性サーミスタ素子の
両端(直径の3分の1以下)に位置するようにし、中心
付近を支持しないことにより、電極板及び支持手段から
の吸熱を正特性サーミスタ素子の両端のみで起こさせ、
異常時の破壊が中央部でのみ起こるようにしているの
で、正特性サーミスタ素子破壊後は両電極板間が電気的
に遮断された状態となる。
【0055】従って、本発明におけるモータの起動装置
が使用される環境等が悪化し、内蔵する正特性サーミス
タ素子が劣化し破壊に至ることがあっても、モータの起
動装置内で電気回路がオープン状態で停止し、モータや
それを使用している機器の破損を防ぐことができる。
【0056】さらに、本発明のモータの起動装置をコン
プレッサに取り付けた際、正特性サーミスタ素子に接触
する電極板及び支持手段の正特性サーミスタ素子との接
触位置を、鉛直上側に配置しないように取り付けるの
で、正特性サーミスタ素子の異常時の破壊が中央部でよ
り起こりやすくなり、電気回路がオープンで停止する確
率もさらに高くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるモータの起動装置の
内部構造を表す平面図
【図2】同実施例におけるモータの起動装置の内部構造
を表す正面図
【図3】同実施例におけるモータの起動装置の正特性サ
ーミスタ素子が破壊した状態を表す平面図
【図4】同実施例におけるモータの起動装置が取り付け
られる状態を表す斜視図
【図5】同実施例における表1の実験方法を示す正特性
サーミスタ素子の平面図
【図6】従来のモータの起動装置の内部構造を表す平面
【図7】従来のモータの起動装置が使用される状態を表
す斜視図
【図8】従来のモータの起動装置が故障した状態を表す
平面図
【図9】従来の過電流保護装置で、従来のモータの起動
装置として使用できるものの内部構造を表す平面図
【図10】従来の過電流保護装置が故障した状態を表す
平面図
【図11】従来のモータの起動装置が故障した状態での
内部構造を表す正面図
【図12】従来の過電流保護装置が故障した状態での内
部構造を表す正面図
【符号の説明】
1a 第1の支持手段 1b 第2の支持手段 2 正特性サーミスタ素子 2a 第1の平面 2b 第2の平面 2c 一端部 2d 他端部 2f 非保持外周部分 3 第1の電極板 4 第2の電極板 5 モータ 10 起動装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに平行な第1の平面と第2の平面を
    有する円形ディスク状の正特性サーミスタ素子と、前記
    正特性サーミスタ素子の第1の平面に接触して前記正特
    性サーミスタ素子を所定位置に保持する第1の支持手段
    と、前記正特性サーミスタ素子の第2の平面に接触して
    前記正特性サーミスタ素子を所定位置に保持する第2の
    支持手段と、前記正特性サーミスタ素子の第1の平面に
    弾性的に接触して電力を供給する第1の電極板と、前記
    正特性サーミスタ素子の第2の平面に弾性的に接触して
    電力を供給する第2の電極板とを有し、 前記第1の支持手段と前記第2の電極板は前記正特性サ
    ーミスタ素子の平面の外周付近で直径の3分の1以下の
    範囲における一端部で前記正特性サーミスタ素子と接触
    し、前記第2の電極板は前記第1の支持手段より前記正
    特性サーミスタ素子の中心側に存在し、前記第2の支持
    手段と前記第1の電極板は前記正特性サーミスタ素子の
    平面の外周付近で直径の3分の1以下の範囲における前
    記一端部と相離れた他端部で前記正特性サーミスタ素子
    と接触し、前記第1の電極板は前記第2の支持手段より
    前記正特性サーミスタ素子の中心側に存在し、前記第1
    の支持手段及び前記第2の支持手段は前記第1の電極板
    及び前記第2の電極板と電気的に絶縁されており、前記
    第1の支持手段及び前記第2の支持手段は前記一端部及
    び前記他端部で比較的広範囲で前記正特性サーミスタ素
    子に接触していることを特徴とするモータの起動装置。
  2. 【請求項2】 互いに平行な第1の平面と第2の平面を
    有する円形ディスク状の正特性サーミスタ素子と、前記
    正特性サーミスタ素子の第1の平面に接触して前記正特
    性サーミスタ素子を所定位置に保持する第1の支持手段
    と、前記正特性サーミスタ素子の第2の平面に接触して
    前記正特性サーミスタ素子を所定位置に保持する第2の
    支持手段と、前記正特性サーミスタ素子の第1の平面に
    弾性的に接触して電力を供給する第1の電極板と、前記
    正特性サーミスタ素子の第2の平面に弾性的に接触して
    電力を供給する第2の電極板とを有し、前記第1の支持
    手段と前記第2の電極板は前記正特性サーミスタ素子の
    平面の外周付近で直径の3分の1以下の範囲における一
    端部で前記正特性サーミスタ素子と接触し、前記第2の
    電極板は前記第1の支持手段より前記正特性サーミスタ
    素子の中心側に存在し、前記第2の支持手段と前記第1
    の電極板は前記正特性サーミスタ素子の平面の外周付近
    で直径の3分の1以下の範囲における前記一端部と相離
    れた他端部で前記正特性サーミスタ素子と接触し、前記
    第1の電極板は前記第2の支持手段より前記正特性サー
    ミスタ素子の中心側に存在し、前記第1の支持手段及び
    前記第2の支持手段は前記第1の電極板及び前記第2の
    電極板と電気的に絶縁されており、前記第1の支持手段
    及び前記第2の支持手段は前記一端部及び前記他端部で
    比較的広範囲で前記正特性サーミスタ素子に接触した起
    動装置を備え、前記起動装置を前記一端部及び前記他端
    部が鉛直水平方向に、前記支持手段及び前記電極板によ
    って支持されていない非保持外周部分が鉛直上側になる
    ように取り付けられたコンプレッサ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012028728A (ja) * 2010-07-23 2012-02-09 Sensata Technologies Massachusetts Inc 故障したサーミスタ装置の制御方法および制御装置
CN103077789A (zh) * 2012-12-28 2013-05-01 孝感华工高理电子有限公司 一种安全ptc启动器
CN109546893A (zh) * 2019-01-28 2019-03-29 广州森宝电器股份有限公司 一种ptc启动器

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