JP2001125075A - プラズマアドレス表示装置及びその駆動方法 - Google Patents

プラズマアドレス表示装置及びその駆動方法

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JP2001125075A
JP2001125075A JP30615799A JP30615799A JP2001125075A JP 2001125075 A JP2001125075 A JP 2001125075A JP 30615799 A JP30615799 A JP 30615799A JP 30615799 A JP30615799 A JP 30615799A JP 2001125075 A JP2001125075 A JP 2001125075A
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discharge
electrode
electrodes
pulse
signal
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JP30615799A
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English (en)
Inventor
Shigeki Miyazaki
滋樹 宮崎
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画素に対する画像信号の書き込み特性を安定
化して、表示品位を改善する。 【解決手段】 パネル0は、列状の信号電極Yを備えた
表示セルと、行状に配され且つ各々が少なくとも二本の
電極P,Qを含む放電チャネルXを備えたプラズマセル
とを重ねた積層構造を有し、各信号電極Yと各放電チャ
ネルXの交差部に画素11を規定する。走査回路22
は、各放電チャネルXに配された二本の電極P,Qの間
に駆動電圧を印加して各放電チャネルXに放電を励起す
ることで画素11の各行を順次選択する。信号回路21
は、各信号電極Yに信号電圧を印加して選択された行の
画素に書き込み、画像表示を行なう。走査回路22は、
駆動電圧が高電位から低電位に切り換わる時点で発生す
る放電により、最終的な信号電圧の書き込みを実行す
る。これにより、放電チャネルX内を安定的にアノード
電位に固定でき、DCオフセットを抑制可能である。合
わせて、放電チャネルX内のアフターグローにおけるイ
ンピーダンスを低減化することが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は表示セル及びプラズ
マセルを重ねたパネルを用いたプラズマアドレス表示装
置及びその駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラズマアドレス表示装置は例えば特開
平4−265931号公報に開示されており、図6にそ
の構造を示す。プラズマアドレス表示装置は表示セル1
とプラズマセル2と両者の間に介在する共通の中間シー
ト3とからなるフラットパネル構造を有する。中間シー
ト3は極薄の板ガラスなどからなりマイクロシートと呼
ばれている。プラズマセル2は中間シート3に接合した
下側のガラス基板4から構成されており、両者の空隙に
放電可能な気体が封入されている。下側のガラス基板4
の内表面にはストライプ状の放電電極が形成されてい
る。DC駆動型の場合これらの放電電極は各々アノード
電極A及びカソード電極Kとして機能する。アノード電
極A及びカソード電極Kを一対づつ区切る様に隔壁7が
形成されており、放電可能な気体が封入された空隙を分
割して放電チャネルXを構成する。一対の隔壁7で囲ま
れた放電チャネルX内で、互いに反対極性となるアノー
ド電極Aとカソード電極Kとの間にプラズマ放電を発生
させる。
【0003】一方、表示セル1は透明な上側のガラス基
板8を用いて構成されている。このガラス基板8は中間
シート3の他面側に所定の間隙を介してシール剤などに
より接着されており、間隙には電気光学物質として液晶
9が封入されている。上側のガラス基板8の内表面には
信号電極Yが形成されている。この信号電極Yと放電チ
ャネルXの交差部にマトリクス状の画素が形成される。
又、ガラス基板8の内表面にはカラーフィルタ13も設
けてあり、各画素に例えばRGB三原色を割り当てる。
係る構成を有するフラットパネルは透過型であり、例え
ばプラズマセル2が入射側に位置し、表示セル1が出射
側に位置する。光源となるバックライト12がプラズマ
セル2側に取り付けられている。
【0004】係る構成を有するプラズマアドレス表示装
置では、プラズマ放電が行なわれる行状の放電チャネル
Xを線順次で切り換え走査するとともに、この走査に同
期して表示セル1側の列状信号電極Yに画像信号を印加
することにより表示駆動が行なわれる。放電チャネルX
内にDCプラズマ放電が発生すると内部はほぼ一様にア
ノード電位になり、一行毎の画素選択が行なわれる。即
ち、一本の放電チャネルXは一本の走査線に対応し、サ
ンプリングスイッチとして機能する。プラズマサンプリ
ングスイッチが導通した状態で各信号電極に画像信号
(信号電圧)が印加されると、サンプリングが行なわれ
画素の点灯もしくは消灯が制御できる。プラズマサンプ
リングスイッチが非導通状態になった後にも画像信号は
そのまま画素内に保持される。表示セル1は画像信号に
応じてバックライト12からの入射光を出射光に変調し
画像表示を行なう。
【0005】図7は画素を二個だけ切り取って示した模
式図である。この図においては、理解を容易にする為に
二本の信号電極Y1又はY2と一本のカソード電極K1
と一本のアノード電極A1のみが示されている。個々の
画素11は信号電極Y1,Y2と、液晶9と、中間シー
ト3と、放電チャネルX1とからなる積層構造を有して
いる。放電チャネルX1はプラズマ放電中ほぼ実質的に
アノード電位に接続される。この状態で各信号電極Y
1,Y2に画像信号を印加すると液晶9及び中間シート
3に電荷が注入される。一方、プラズマ放電が終了する
と放電チャネルX1が絶縁状態に戻る為浮遊電位とな
り、注入された電荷は各画素11に保持される。所謂サ
ンプリングホールド動作が行なわれている。従って、放
電チャネルX1は個々の画素11に設けられた個々のサ
ンプリングスイッチ素子として機能するので模式的にス
イッチシンボルS1を用いて表わされている。一方、信
号電極Y1,Y2と放電チャネルX1との間に保持され
た液晶9及び中間シート3は、サンプリングキャパシタ
として機能する。線順次走査によりサンプリングスイッ
チS1が導通状態になると画像信号がサンプリングキャ
パシタに書き込まれ、信号電圧のレベルに応じて各画素
の点灯あるいは消灯動作が行なわれる。サンプリングス
イッチS1が非導通状態になった後にも信号電圧はサン
プリングキャパシタに保持され、表示装置のアクティブ
マトリクス動作が行なわれる。尚、実際に液晶9に印加
される実効電圧はその容量と中間シート3の容量との間
の容量分割により決定される。
【0006】図8は、周辺回路を含めた従来のプラズマ
アドレス表示装置の全体構成を示す模式的な回路図であ
る。プラズマアドレス表示装置は、パネル0と信号回路
21と走査回路22と制御回路23とから構成されてい
る。パネル0は行状に配したカソード電極K及びアノー
ド電極Aとを有するプラズマセル、及び列状に配した信
号電極Yを有する表示セルを互いに重ねた積層構造とな
っている。走査回路22はバッファを介してカソード電
極K1乃至Knに順次選択パルス(駆動電圧)を印加し
て表示セルの走査を行なう。一方、アノード電極A1乃
至Anは基準電位に接地されている。信号回路21は上
述した走査に同期して信号電極Y1乃至Ymに画像信号
を供給し、各画素11に信号電圧を書き込む。制御回路
23は信号回路21及び走査回路22の同期制御を行な
う。
【0007】図9は、各カソード電極K1乃至Knに順
次印加される選択パルスを示している。例えば、カソー
ド電極K1に接地レベルから負極性の選択パルス(駆動
電圧)が印加されると、アノード電極A1との間でDC
プラズマ放電が発生し、対応する画素11に画像信号が
書き込まれる。
【0008】以上の様に、DC型のプラズマアドレス表
示装置では、放電チャネルを上から下へ順番に線順次走
査し、それに合わせて表示セルに書き込まれる画像信号
を印加する。アノード電位は常に一定(接地レベル)で
あり、カソード電位を順番に例えば0Vから−400V
にスイッチングすることで、各チャネルに放電を発生さ
せていた。ここで従来、放電チャネルの走査には負極性
のパルスを用いてきた。その理由としては、走査回路を
IC化する場合、Nチャネルの電界効果型トランジスタ
の方がPチャネルの電界効果型トランジスタに比べキャ
リア移動度が大きい為、大電流を流すのに適しているこ
となどが挙げられる。Nチャネルの電界効果型トランジ
スタを用いる場合には、回路構成上各カソード電極には
アノード電極に対して負極性パルスを印加することにな
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のプラズ
マアドレス表示装置においては、DCプラズマ放電によ
って生成されたイオン及び/又は電子が、中間シートの
下面をチャージアップすることで信号電圧の書き込みが
行なわれる。しかしながら、DC放電型ではアノード電
極及びカソード電極が絶縁膜(誘電体)で被覆されてい
ない為、プラズマ放電で生成されたイオン及び/又は電
子によってスパッタされ断線する恐れがあるとともに、
スパッタされた電極材料の金属が飛び散り、中間シート
或いはガラス基板に付着することから透過率が低下する
という欠点がある。これらDCプラズマ放電型の表示装
置の欠点に鑑み、ACプラズマ放電型の表示装置が開発
されており、図10に示す。基本的には、図6に示した
DCプラズマ放電型と類似しており、対応する部分には
対応する参照番号を付して理解を容易にしている。DC
プラズマ放電型と異なる点は、各放電チャネルXに割り
当てられた一対の放電電極P,Qが絶縁膜(誘電体)6
で被覆されていることである。各放電チャネルXに割り
当てた一対の放電電極P,Qに順次放電電圧を印加し絶
縁膜6の誘電性を利用してACプラズマ放電を励起する
ことでプラズマセル2の線順次走査を行なう。各放電チ
ャネルXに励起されたプラズマ放電は絶縁膜6が荷電粒
子で充電された段階で停止する。ACプラズマ放電は誘
電体の充放電により自律的に制御可能であり、DCプラ
ズマ放電に比べ放電電荷量が少くて済み、その分プラズ
マセル2の劣化が抑制される。
【0010】以上の様にAC型はDC型に比べ寿命が長
いという利点がある。しかしながら、AC型においても
従来の様にDC型と同様の駆動を行なうと、画素に対す
る画像信号の書き込みに問題が生じる。具体的には、画
素内での「書き込みむら」や画面の「ちらつき」が発生
する。又、書き込み時には本来接地電位に保持されるべ
き中間シートの裏面側に100V程度のオフセット電圧
が発生し、「焼きつき」として見える場合がある。従っ
て、実用化の為には何らかの対策を施して表示品位を改
善する必要がある。
【0011】以下、図11を参照して解決すべき課題を
具体的に説明する。図11は、AC型のプラズマアドレ
ス表示装置の動作を示す模式的なタイミングチャートで
ある。AC型でも基本的にはDC型と同様の駆動方法で
表示を行なっている。即ち、各放電チャネルXに含まれ
る片方の電極Qを接地電位(GND)に保持する一方、
各放電チャネルXに含まれるもう片方の電極P1,P
2,P3,・・・に対して一水平周期毎に順次負極性パ
ルスを印加する。ここでは、走査周期をL1,L2,L
3,・・・で表わしており、それぞれ32μsの長さで
ある。この走査周期に合わせて信号電極Yに接地電位G
NDを中心にして走査周期毎に正負反転する画像信号を
印加する。最初の放電チャネルX1に着目すると、一方
の電極P1はタイミングで接地電位から負極性側に立
ち下がり、他方の電極Qとの間で放電開始電圧以上の電
位差が生じるので、一回目のプラズマ放電が発生する。
この放電は電極P1を被覆する誘電体を充電した時点で
終了し、持続時間は高々0.2乃至0.3μsである。
この充電により電極P1の表面電位はGND付近まで復
帰する。この後タイミングで電極P1の電位が負極性
から接地電位に向かって立ち上がると、P1の表面電位
もこれに連れて大きく上昇する。この時、他方の電極Q
との間で大きな電位差が生ずるので二回目のプラズマ放
電が発生する。これにより電極P1を被覆している誘電
体に注入された電荷が放電され、電極P1の表面電位は
徐々にGNDに向かって減衰する。
【0012】以上の様に、AC型においてもDC型と同
様に走査周期に同期して各放電チャネルに負極性のパル
スを印加していく。動作の違いは、DC型の場合はパル
スが印加されている間ずっと放電が持続するのに対し、
図11に示したAC型の駆動ではパルスの立ち下がりタ
イミングと立ち上がりタイミングの両方で、それぞ
れ0.2乃至0.3μsの短いパルス放電が二回発生す
る点である。尚、本明細書では電極に印加されたパルス
の駆動電圧が高電位から低電位へ変化することを「立ち
下がり」と定義し、逆に低電位から高電位へ変化するこ
とを「立ち上がり」と定義する。DC型では放電が持続
するのに対しAC型では電極表面の誘電体を充放電する
間だけプラズマ放電が発生するので、放電後(アフター
グロー)のチャネル内の電荷密度に違いが生じる。DC
型に比べAC型は電荷密度が低くチャネルのインピーダ
ンスが高くなり、表示セルに対する画像信号の書き込み
特性が悪くなる。又、AC型では電極が誘電体で被覆さ
れているので、その表面電位は電極自体の電位からずれ
ている場合がある。これにより、中間シート裏面の電位
もその影響を受け、前述したDCオフセットが発生し易
い。従来の負極性パルスを用いたAC型のプラズマアド
レス表示装置の駆動では、タイミングで示したパルス
の立ち上がりで発生する放電により表示セルに対する最
終的な画像信号の書き込みを行なっているが、この場合
アフターグローにおけるチャネルのインピーダンスが高
くなる為、画素内での画像信号の「書き込みむら」が発
生する。又、この「書き込みむら」がフレーム毎もしく
はフィールド毎に発生すると画面の「ちらつき」が発生
する。加えて、プラズマセルと表示セルを互いに隔てる
中間シートの裏面側に+100V程度のDCオフセット
電圧が発生すると「焼きつき」が画面上に発生する。
【0013】
【課題を解決する為の手段】上述した従来の技術の課題
を解決する為に以下の手段を講じた。即ち、本発明は、
列状の信号電極を備えた表示セルと、行状に配され且つ
各々が少なくとも二本の電極を含む放電チャネルを備え
たプラズマセルとを重ねた積層構造を有し、各信号電極
と各放電チャネルの交差部に画素を設けたパネルと、各
放電チャネルに配された二本の電極の間に駆動電圧を印
加して各放電チャネルに放電を励起することで画素の各
行を順次選択する走査回路と、各信号電極に信号電圧を
印加して選択された行の画素に書き込み、画像表示を行
なう信号回路とを備えたプラズマアドレス表示装置にお
いて、前記走査回路は、該駆動電圧が高電位から低電位
に切り換わる時点で発生する放電により、最終的な画像
信号の書き込みを実行することを特徴とする。好ましく
は、各放電チャネルに配された二本の電極は誘電体で被
覆されており、放電が発生した時該二本の電極間に流れ
る電流を抑制する。一態様では、前記走査回路は、一方
の電極を接地電位に保持した状態で他方の電極に正極性
の駆動電圧をパルス状に印加し、該パルスが立ち上がっ
た時点で発生する放電により書き込みを実行し、更に該
パルスが立ち下がった時点で最終的な信号電圧の書き込
みを実行する。他の態様では、前記走査回路は、一方の
電極を接地し他方の電極に負極性の駆動電圧をパルス状
に印加し、該パルスが立ち下がった時点で書き込みを実
行し、続いて他方の電極を接地し一方の電極に負極性の
駆動電圧をパルス状に印加し、パルスの立ち下がった時
点で最終的な信号電圧の書き込みを実行する。
【0014】本発明によれば、駆動電圧の立ち下がりで
発生する放電を利用することにより、信号電圧を最終的
に画素に書き込んでいる。ここで、立ち下がりとは電極
に印加される駆動電圧が高電位から低電位へ変化するこ
とを意味している。これにより、放電チャネル内を安定
的に接地電位に固定でき、中間シートの裏面側に発生す
る「DCオフセット」を抑制可能である。合わせて、放
電チャネル内のアフターグローにおけるインピーダンス
を低減化することが可能である。以上により、表示セル
側の画素に対する画像信号の書き込み特性が安定化し、
表示品位の改善につながる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態を詳細に説明する。図1は、本発明に係るプラズ
マアドレス表示装置の第一実施形態を示す模式図であ
り、(A)は回路構成を表わし、(B)はその動作説明
に供するタイミングチャートである。(A)に示す様
に、本表示装置は、パネル0と信号回路21と走査回路
22と制御回路23とからなる。パネル0は表示セルと
プラズマセルを互いに重ねた積層構造を有している。表
示セルは列状の信号電極Y1乃至Ymを備えている。プ
ラズマセルは行状に配された放電チャネルX1乃至Xn
を備えている。各信号電極Yと各放電チャネルXの交差
部に画素11が規定される。各放電チャネルXには二本
の電極P,Qが割り当てられている。例えば、放電チャ
ネルX1には二本の放電電極P1,Q1が割り当てら
れ、放電チャネルXnには同じく二本の電極Pn,Qn
が割り付けられている。走査回路22は、各放電チャネ
ルXに配された二本の電極P,Qの間にバッファを介し
て駆動電圧を印加して、各放電チャネルXに放電を励起
することで画素11の各行を順次選択する。信号回路2
1は、各信号電極Y1乃至Ymにバッファを介して信号
電圧を印加して選択された行の画素11に書き込み、所
望の画像表示を行なう。制御回路23は、放電チャネル
Xの順次選択を行なう走査回路22と信号電極Y1乃至
Ymに対する信号電圧の印加を行なう信号回路21とを
互いに同期させる様に制御する。
【0016】この実施形態では、各放電チャネルXに割
り当てられる一対の電極の内、片側の電極Q1乃至Qn
は共通に接地されている一方、他方の電極P1乃至Pn
は走査回路22によって順次パルスが印加される。これ
に合わせて各信号電極Y1乃至Ymには信号電圧が印加
される。具体的には(B)に示した通りである。尚、こ
のタイミングチャートは、図11に示した従来例のタイ
ミングチャートと対応する部分に対応する参照番号を付
して理解を容易にしている。Qは接地電位(GND)に
接続されている一方、P1には最初の水平周期L1でG
NDに対し正極性のパルスが印加される。一水平周期が
例えば32μsであり、パルス幅は例えば10μsであ
る。次の走査周期L2ではP2に同じく正極性のパルス
が印加され、更に次の走査周期L3ではP3に同じく正
極性のパルスが印加される。この様な駆動方式で、走査
回路22は駆動電圧が高電位から低電位に切り換わる時
点で発生する放電により、最終的な画像信号の書き込み
を実行する。本実施形態の場合、各放電チャネルXに配
された二本の電極P,Qはそれぞれ誘電体で被覆されて
おり、放電の時一対の電極P,Q間に流れる電流を抑制
している。本実施形態では、走査回路22は、一方の電
極Qを接地電位に保持した状態で他方の電極Pに正極性
の駆動電圧をパルス状に印加し、パルスが立ち上がる時
点で発生する放電により一回目の書き込みを実行し、
パルスが立ち下がる時点で発生する放電により最終的
な画像信号の書き込みを実行する。
【0017】上述した様に、本実施形態では放電チャネ
ルの走査に正極性パルスを用いる点が従来の負極性パル
スを用いている点と異なる。但し、この場合もパルスの
立ち上がりタイミングと立ち下がりタイミングで短
いパルス放電が二回発生するが、表示セルへの書き込み
は最終的に立ち下がりタイミングで行なわれる。具体
的に説明すると、タイミングでパルスが立ち上がると
予備的な放電が発生し、P1の表面電位はプラズマ放電
で発生した電荷の充電に伴い暫減していく。タイミング
でパルスが立ち下がると表面電位は接地レベルに対し
て大きく負側に振れ、本放電が発生する。これにより、
画像信号Yが対応する画素に書き込まれる。この後、P
1の表面電位は電荷の放電により接地電位GNDに戻っ
ていく。この様に、パルスの立ち下がりを利用して信号
電圧を書き込むことで、画素内の「書き込みむら」や画
面の「ちらつき」がない良好な表示品位を得ることがで
きる。これは、アフターグローのインピーダンスに違い
があり、パルスの立ち上がり後に比べ立ち下がり後の方
がインピーダンスが低くなることや、「DCオフセッ
ト」がなくなる為であると考えられる。尚、アフターグ
ロー後における放電チャネルのインピーダンスは、荷電
粒子数やディケイタイム更にはガス圧やガス種に依存し
ている。
【0018】特に、「DCオフセット」については従来
に比し本質的に殆どゼロの状態で画像信号の書き込みが
可能である。実験によれば、負極性パルスを用いた場合
約100VのDCオフセットが表われたのに対し、正極
性パルスを用いるとほぼ0VのDCオフセットになるこ
とが明らかになった。これは、最終的に画像信号を表示
セルに書き込む際、アノードとして作用する電極の表面
電位がDCオフセットを支配する為であると考えられ
る。なぜならば、グロー放電の原理により、放電チャネ
ル内はプラズマ放電が発生するとほぼアノード電位で満
たされるのであるが、負極性パルスの場合は図11に示
した様にタイミングの放電時に大きな正の表面電位が
アノード側として機能する電極P1に表われるのに対
し、正極性パルスの場合は図1の(B)に示す様にタイ
ミングの放電時にアノードとして機能するのはP1で
はなくQでありその表面電位はほぼ0Vである。即ちタ
イミングの放電では、電極Qの表面電位に比べ電極P
1の表面電位が低い為、アノードとして機能するのは電
極Qの方である。これに対し、図11で示した従来例の
場合、タイミングの放電時点でP1の表面電位がQの
表面電位よりも高い為、アノードとして機能するのはP
1の方である。しかしながら、P1の表面電位は図から
明らかな様に0Vではなく、高電位から0Vに向けて変
化している。
【0019】図2は、図1の(A)に示したパネル0の
具体的な構成例を示す模式的な部分断面図である。図示
する様に、本パネルは表示セル1とプラズマセル2を中
間シート3で互いに接合した積層構造となっている。表
示セル1は中間シート3に対して所定の間隙を配し接合
されたガラス基板8からなり、間隙内には液晶9が封入
されている。又、上側のガラス基板8の内表面には透明
な信号電極Yがストライプ状に形成されている。一方、
プラズマセル2は下側の基板4を用いて組み立てられて
おり、隔壁7を介して中間シート3の裏面側に接合して
いる。プラズマセル2に形成された放電チャネルXは隔
壁7によって仕切られており、その内部にはイオン化可
能なガスが封入されている。一本の放電チャネルXは互
いに平行な一対の電極P,Qを備えている。両電極P,
Q共に金属薄膜53を細線状にパタニングしたものであ
り、その表面は絶縁膜(誘電体)6で被覆されている。
各隔壁7には基準電極51が埋め込まれており、中間シ
ート3の裏面に対して接地レベルと同電位の基準電位を
与えている。中間シート3は例えば50μm程度の極薄
のガラス板からなる。従来、中間シート3の裏面側に生
じる「DCオフセット」の悪影響を抑制する為、中間シ
ート3は極めて絶縁性に優れた高抵抗のガラス薄板を用
いる必要があった。これに対し、本発明では回路的な手
段により「DCオフセット」を抑制できるので、中間シ
ート3は高価な高絶縁性ガラスシートに代えて通常のガ
ラスシートを用いることが可能である。
【0020】図3は、図2に示したパネルの変形例を示
す模式的な部分断面図である。図2と対応する部分には
対応する参照番号を付して理解を容易にしている。異な
る点は、各放電チャネルXにおいて、一方の電極Pは中
央に配されているのに対し、他方の電極Qは各隔壁7の
下部に配されており、互いに隣り合う放電チャネルX間
で共用されていることである。見方を変えると、一本の
放電チャネルXでは中央に放電電極Pが形成され、その
両側に二本の放電電極Qが形成されていることになる。
プラズマ放電は、中央の電極Pと両側の電極Qとの間で
発生するので、より均一な放電状態が得られる。
【0021】図4は、本発明に係るプラズマアドレス表
示装置の第二実施形態を示す模式的なブロック図であ
る。図1の(A)に示した第一実施形態と対応する部分
には対応する参照番号を付して理解を容易にしている。
異なる点は、各放電チャネルX1乃至Xnに割り当てら
れた片方の電極Q1乃至Qnが共通に接地されておら
ず、他方の電極P1乃至Pnと同様に、走査回路22に
よって駆動されることである。
【0022】図5は、図4に示したプラズマアドレス表
示装置の動作説明に供するタイミングチャートであり、
図1の(B)に示した第一実施形態のタイミングチャー
トと対応する部分には対応する参照番号を付して理解を
容易にしている。図示する様に、各信号電極Yには水平
走査周期L=32μs毎に、信号電圧が供給される。そ
の印加時間は例えば28μsである。電極Q1乃至Qn
には水平走査周期毎に一斉に負極性のパルスが印加され
る。その駆動電圧は絶対値で例えば275Vである。こ
れに対し、電極P1,P2,P3,・・・Pnには走査
周期毎に順次負極性のパルスが印加され、その電圧は絶
対値で同じく275Vである。
【0023】最初の水平周期では、まずP1に印加され
た負極性パルスがのタイミングで立ち下がり、星印で
示す様に予備的な放電が発生する。これによりP1の表
面電位は負極性側からGNDに向かって上昇していく。
その途中のタイミングで、各信号電極Yに対する信号
電圧の印加を開始する。この後タイミングでP1のパ
ルスは負極性からGNDに向かって立ち上がる。これに
従い、P1の表面電位は絶対値で275Vだけ接地レベ
ルを超えて上昇する。しかし、他方の電極Q1との間の
電位差は放電開始電圧より低く設定されている為、この
時点で放電が発生することはない。この後タイミング
でQ1に印加されたパルスが負極性側に立ち下がり、P
1の表面電位との間で大きな電位差が生ずる為、本格的
な放電が星印で示す様に発生する。これにより、画素に
対する画像信号の書き込みが行なわれる。又、この本放
電によりP1の表面電位は定常状態に向かって徐々に変
化していく。この後タイミングでQ1のパルスは負極
性からGNDに向かって復帰する。更にタイミングで
信号電極Yに対する信号電圧の印加が終了する。この後
次の水平周期に移り、P2に対して負極性のパルスを印
加し続いてQ2に負極性のパルスを印加することで、先
の水平周期と同様に信号電圧の書き込みを行なう。この
駆動方式では放電チャネルX内の一対の電極P,Qに交
互に同極性のパルスを印加しており、表示セルへの主た
る書き込みはタイミングで発生するプラズマ放電で行
なう。この場合は、先の実施形態と異なり負極性パルス
を用いているが、パルスの立ち下がりで発生するプラズ
マ放電で表示セルに対する画像信号の書き込みを行なっ
ている点は同じである。この場合、二回目のプラズマ放
電が発生した後に起きる電極Pの表面電位は各パルスの
電圧レベルを調整することで、自在に設定可能である。
従って、中間シートの裏面に発生するDCオフセットを
可能な限り0Vに近づけることが可能であり、良好な表
示品位を得ることができる様になる。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
放電チャネルの電極に印加される駆動電圧が高電位から
低電位に切り換わる時点で発生するプラズマ放電によ
り、画素に対する最終的な画像信号の書き込みを実行し
ている。これにより、プラズマ放電発生後のチャネル内
におけるインピーダンスを低減化でき、「書き込みむ
ら」や「ちらつき」のない良好な表示品位が得られる。
又、本質的に「DCオフセット」のない書き込みが可能
となり、「焼きつき」のない表示を得ることが可能であ
る。又「DCオフセット」の除去は同時に「書き込みむ
ら」の抑制にも効果的である。合わせて、「DCオフセ
ット」を実質的に取り除くことで、中間シートとして使
われる薄板ガラス材料の選択肢が増え、製造上のメリッ
トが生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプラズマアドレス表示装置の第一
実施形態を示す回路図及びタイミングチャートである。
【図2】図1に示した表示装置に組み込まれるパネルの
実施例を示す断面図である。
【図3】図2に示したパネルの変形例を示す断面図であ
る。
【図4】本発明に係るプラズマアドレス表示装置の第二
実施形態を示す回路図である。
【図5】図4に示した第二実施形態の動作説明に供する
タイミングチャートである。
【図6】従来のプラズマアドレス表示装置の一例を示す
断面図である。
【図7】図6に示した従来のプラズマアドレス表示装置
の動作説明に供する模式図である。
【図8】図6に示した従来のプラズマアドレス表示装置
の全体構成図である。
【図9】図8に示した従来のプラズマアドレス表示装置
の全体構成の動作説明に供するタイミングチャートであ
る。
【図10】従来のプラズマアドレス表示装置の他の例を
示す断面図である。
【図11】従来のプラズマアドレス表示装置の動作説明
に供するタイミングチャートである。
【符号の説明】
0・・・パネル、1・・・表示セル、2・・・プラズマ
セル、6・・・絶縁膜、7・・・隔壁、9・・・液晶、
11・・・画素、21・・・信号回路、22・・・走査
回路、X・・・放電チャネル、Y・・・信号電極、P・
・・電極、Q・・・電極

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 列状の信号電極を備えた表示セルと、行
    状に配され且つ各々が少なくとも二本の電極を含む放電
    チャネルを備えたプラズマセルとを重ねた積層構造を有
    し、各信号電極と各放電チャネルの交差部に画素を設け
    たパネルと、 各放電チャネルに配された二本の電極の間に駆動電圧を
    印加して各放電チャネルに放電を励起することで画素の
    各行を順次選択する走査回路と、 各信号電極に信号電圧を印加して選択された行の画素に
    書き込み、画像表示を行なう信号回路とを備えたプラズ
    マアドレス表示装置において、 前記走査回路は、該駆動電圧が高電位から低電位に切り
    換わる時点で発生する放電により、最終的な信号電圧の
    書き込みを実行することを特徴とするプラズマアドレス
    表示装置。
  2. 【請求項2】 各放電チャネルに配された二本の電極は
    誘電体で被覆されており、放電が発生した時該二本の電
    極間に流れる電流を抑制することを特徴とする請求項1
    記載のプラズマアドレス表示装置。
  3. 【請求項3】 前記走査回路は、一方の電極を接地電位
    に保持した状態で他方の電極に正極性の駆動電圧をパル
    ス状に印加し、該パルスが立ち上がった時点で発生する
    放電により書き込みを実行し、更に該パルスが立ち下が
    った時点で最終的な信号電圧の書き込みを実行すること
    を特徴とする請求項2記載のプラズマアドレス表示装
    置。
  4. 【請求項4】 前記走査回路は、一方の電極を接地し他
    方の電極に負極性の駆動電圧をパルス状に印加し、該パ
    ルスが立ち下がった時点で書き込みを実行し、 続いて他方の電極を接地し一方の電極に負極性の駆動電
    圧をパルス状に印加し、パルスの立ち下がった時点で最
    終的な信号電圧の書き込みを実行することを特徴とする
    請求項2記載のプラズマアドレス表示装置。
  5. 【請求項5】 列状の信号電極を備えた表示セルと、行
    状に配され且つ各々が少なくとも二本の電極を含む放電
    チャネルを備えたプラズマセルとを重ねた積層構造を有
    し、各信号電極と各放電チャネルの交差部に画素を設け
    たパネルと、各放電チャネルに配された二本の電極の間
    に駆動電圧を印加して各放電チャネルに放電を励起する
    ことで画素の各行を順次選択する走査回路と、各信号電
    極に信号電圧を印加して選択された行の画素に書き込
    み、画像表示を行なう信号回路とを備えたプラズマアド
    レス表示装置の駆動方法において、 前記走査回路は、該駆動電圧が高電位から低電位に切り
    換わる時点で発生する放電により、最終的な信号電圧の
    書き込みを実行することを特徴とするプラズマアドレス
    表示装置の駆動方法。
  6. 【請求項6】 前記走査回路は、一方の電極を接地電位
    に保持した状態で他方の電極に正極性の駆動電圧をパル
    ス状に印加し、該パルスが立ち上がった時点で発生する
    放電により書き込みを実行し、更に該パルスが立ち下が
    った時点で最終的な信号電圧の書き込みを実行すること
    を特徴とする請求項5記載のプラズマアドレス表示装置
    の駆動方法。
  7. 【請求項7】 前記走査回路は、一方の電極を接地し他
    方の電極に負極性の駆動電圧をパルス状に印加し、該パ
    ルスが立ち下がった時点で書き込みを実行し、続いて他
    方の電極を接地し一方の電極に負極性の駆動電圧をパル
    ス状に印加し、パルスの立ち下がった時点で最終的な信
    号電圧の書き込みを実行することを特徴とする請求項5
    記載のプラズマアドレス表示装置の駆動方法。
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