JP2001124687A - 走査型プローブ顕微鏡による二本鎖核酸の分析 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡による二本鎖核酸の分析

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JP2001124687A JP30708099A JP30708099A JP2001124687A JP 2001124687 A JP2001124687 A JP 2001124687A JP 30708099 A JP30708099 A JP 30708099A JP 30708099 A JP30708099 A JP 30708099A JP 2001124687 A JP2001124687 A JP 2001124687A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】二本鎖核酸を、その塩基対が全て上に向いて露
出した状態で、平滑な表面を有する基板上に配置するこ
と。 【解決手段】まず、二本鎖核酸の塩基対間に差し込まれ
て二本鎖核酸の二重螺旋構造を巻き戻すことができるイ
ンターカレート試薬を二本鎖核酸と反応させ、該二本鎖
核酸の螺旋構造を解消して二本鎖を平行化することによ
り、前記二本鎖核酸の全ての塩基対を、平行化された二
本鎖核酸の基準面の片側に配向させる。こうして平行化
された二本鎖核酸を、その塩基対を上に向けて、平滑な
表面を有する基板上に配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、螺旋構造を有する
二本鎖核酸分子の塩基対を走査型プローブ顕微鏡の探針
でプロービングすることにより、該二本鎖核酸分子を分
析する方法に関する。より具体的には、そのような塩基
対のプロービングを可能にするために、二本鎖DNAま
たは二本鎖RNA分子の二重螺旋形状を巻き戻すことに
より、その螺旋構造の内側に内包されている塩基対が外
側に露出するようにして二本の核酸鎖を平行化し、これ
を平滑な基板表面上に配置もしくは固定化する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】ゲノム情報を大規模に解析するには、D
NAの塩基配列を高速に決定する手段の開発が必要であ
る。この点に関して、DNA分子を走査型トンネル顕微
鏡(STM)、原子間力顕微鏡(AFM)等の走査型プ
ローブ顕微鏡を用いて観察することにより、その分子内
にある塩基の種類を識別し、塩基配列を決定する方法
は、塩基配列決定を高速化するための有力な手段として
期待されている。この走査型プローブ顕微鏡を用いた観
察により、二本鎖DNAに固有な螺旋構造が確認されて
いる(Science 243: 370-372(1989), Nature 346: 294-
296(1990))。しかし、塩基配列を同定できるほどにま
で解像度を向上した二本鎖DNAの像は得られていな
い。
【0003】走査型プローブ顕微鏡による分析におい
て、高分解能化を図るための顕微鏡側の要素としては、
例えば、探針の先端系を小さくすること、探針から
の信号に対する感度を上げること、探針の位置制御精
度を上げること等が含まれる。
【0004】しかし、これら顕微鏡側での要素を改善す
ることのみによって、二本鎖DNA上の塩基対を検出お
よび識別するには、次のような原理的な障害が存在す
る。
【0005】第一は、深度方向の障害である。走査型プ
ローブ顕微鏡は、試料の表面ないし表面近傍の構造情報
のみを検出するようになっている。一方、二本鎖DNA
の螺旋構造においては、塩基対は内側に配向しするた
め、螺旋構造を構成するリン酸基やリボースが深度方向
で障害となり、螺旋構造の内側に内包されている塩基対
を検出することが困難である(図1A参照)。
【0006】第二は、水平方向の障害である。走査型の
プローブ顕微鏡による高分解能観察のための条件とし
て、常に探針の先端の一点で試料上を走査する必要があ
る。しかし、二本鎖DNA分子自体は、螺旋を巻いた円
筒型の形状を有しているため、平滑な基板上に固着した
ときには、探針の側面接触が避けられない(図1B)。
この状態では、探針の先端で対象DNAの表面を走査す
ることは不可能であり、水平方向の試料位置の正確な検
出を行う上での障害となる。この問題は、探針の先端径
を小さくする等のような、顕微鏡側の高分解能化によっ
て独立に解決することはできない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたものであり、その一つの目的は、走査型プ
ローブ顕微鏡によって二本鎖核酸を分析する際に、上記
のような深度方向および水平方向の障害を生じることな
く、二本鎖核酸における塩基対部分の直接的プロービン
グを可能にすることにある。
【0008】本発明のもう一つの目的は、上記のような
塩基対部分の直接的プロービングを可能にするために、
塩基対を露出させた二本鎖核酸を基板上に配置する方法
を提供することである。
【0009】本発明の他の目的については、以下の説明
から明らかになるであろう。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、二本鎖核酸の螺旋構造を巻き戻して塩
基対部分を外側に露出させると共に、露出した塩基対が
全て上に向いた状態で、これを平滑な表面を有する基板
上に配置する。
【0011】本発明の一つの側面に従えば、二本鎖核酸
をその塩基対が全て上に向いて露出した状態で、平滑な
表面を有する基板上に配置する方法であって:二本鎖核
酸の塩基対間に差し込まれて二本鎖核酸の二重螺旋構造
を巻き戻すことができるインターカレート試薬を二本鎖
核酸と反応させ、該二本鎖核酸の螺旋構造を解消して二
本鎖を平行化することにより、前記二本鎖核酸の全ての
塩基対を、平行化された二本鎖核酸の基準面の片側に配
向させる工程と;上記のように平行化された二本鎖核酸
を、その塩基対を上に向けて、平滑な表面を有する基板
上に配置する工程とを具備する方法が提供される。
【0012】本発明のもう一つの側面に従えば、二本鎖
核酸をその塩基対が全て上に向いて露出した状態で、平
滑な表面を有する基板上に固定化する方法であって:二
本鎖核酸の塩基対間に差し込まれて二本鎖核酸の二重螺
旋構造を巻き戻すことができるインターカレート試薬
を、二本鎖ホスホロチオエート核酸と反応させ、該二本
鎖ホスホロチオエート核酸の螺旋構造を解消して二本鎖
を平行化することにより、前記二本鎖ホスホロチオエー
ト核酸の全ての塩基対を、平行化された二本鎖核酸の基
準面の一方の側に配向させる工程と;上記のように平行
化された二本鎖ホスホロチオエート核酸を、その塩基対
を上に向けて、平滑な表面を有し且つ硫黄との特異的親
和性を有する基板上に配置すると共に、前記基準面の他
方の側に配向したホスホロチオエートの硫黄原子を介し
て、前記基板の表面に固着させる工程とを具備する方法
が提供される。
【0013】その場合、前記平行化された二本鎖ホスホ
ロチオエート核酸を、高密度で前記基板上に配置し、前
記基準面の他方の側に配向したホスホロチオエートの硫
黄原子を介して前記基板の表面に固着させると共に、前
記平行化した二本鎖ホスホロチオエート核酸の側面に表
れた硫黄を介して、隣接する平行化した二本鎖ホスホロ
チオエート核酸を相互に架橋して整列させるのが好まし
い。このようにして隣接する二本鎖ホスホロチオエート
核酸を相互に架橋した重合体は新規であり、本発明の一
つの側面を構成する。
【0014】本発明の他の側面に従えば、上記何れかの
方法により前記基板上に配置または固定化された二本鎖
核酸を、走査型プローブ顕微鏡によりプロービングする
ことを特徴とする、二本鎖核酸の分析方法を提供する。
【0015】なお、本発明において「基準面」とは、平
行化された二本鎖拡散の厚さ方向の中心点を結ぶ平面を
言う
【0016】
【発明の実施の形態】以下、夫々の項目毎に本発明の詳
細を説明する。
【0017】<二本鎖核酸>本発明において、二本鎖核
酸とは、相補的な塩基配列を有する二本の一本鎖核酸
が、塩基対形成により合体して二本鎖を形成したものを
言う。従って、本発明の二本鎖核酸には、二本鎖DNA
および二本鎖RNAの両者が含まれるだけでなく、DN
AとRNAとのハイブリッド二本鎖も含まれる。また、
ホスホロチオエートDNAのような、核酸誘導体も含ま
れる。以下では、二本鎖DNAを例に説明するが、本発
明は上記の何れの二本鎖核酸に対しても同様に適用でき
るものである。
【0018】<走査型プローブ顕微鏡>本発明は、二本
DNA分子を走査型プローブ顕微鏡で分析する際に有用
である。ここで、走査型プローブ顕微鏡とは、原子レベ
ルでの観察が可能な走査型顕微鏡の総称であり、走査型
トンネル顕微鏡(scanning tunneling microscopy;S
TM)、原子間力顕微鏡(atomic force microscopy;
AFM)が含まれる。AFMは斥力型、引力型およびタ
ッピング型(「タッピング型」は、アメリカ合衆国カリ
ホルニア州サンタバーバラに所在するデジタルインスツ
ルメント社の登録商標)等に大別されるが、この分野の
研究は著しく進展している最中であり、摩擦力顕微鏡、
マクスウエル応力顕微鏡、磁気力顕微鏡、フォトン走査
型トンネル顕微鏡等の新しい顕微鏡が開発されつつあ
る。本発明における走査型プローブ顕微鏡とは、その趣
旨に鑑み、現在知られているものに限らず、原子レベル
の分解能を有する顕微鏡であれば将来開発されるものを
も含む。
【0019】上記の走査型プローブ顕微鏡によるDNA
分析は、分子集合体としての性質に基づく従来の分析と
は異なり、1個のDNA分子自体を分析できるという特
徴を有する。従って、原理的には、1分子のDNAが存
在すれば分析が可能であり、多くのクローンを作製する
必要がないという利点を有する。
【0020】<インターカレーション試薬>本発明で
は、二本鎖DNAを走査型プローブ顕微鏡で分析する際
の深度方向の障害を解決するために、二本鎖DNAにお
ける螺旋構造のねじれを解消させて平行化させる。そし
て、二本鎖DNAの全ての塩基対を、平行化された二本
鎖DNAの基準面の一方の側に配向させる。ここで、
「基準面」とは、平行化された二本鎖DNAの厚さ方向
の中心点を結んだ平面を言う。更に、こうして配向させ
た塩基対を全て上に向けて、平行化された二本鎖DNA
を基板上に配置することにより、リン酸基やリボースの
障害を除き、走査型プローブ顕微鏡の探針が塩基に接近
できるようにする。すなわち、二重螺旋構造を解き、塩
基を露出させることによって、プロービングの際の深度
方向の障害を解消する方針をとる。
【0021】そのための具体的な手段として、第一に、
インターカレーション試薬を用いる。インターカレーシ
ョン試薬とは、塩基対の間に挟まる形で二本鎖DNAに
結合する物質であり、この試薬の多くは、抗生物質ある
いは抗ガン剤として働くことが知られている。このよう
なインターカレーション試薬の例としては、下記の化学
式a〜eで表される化合物が含まれる。好ましくは、式
c〜式eのようなポリピリジン系配位子を有する金属錯
体(以下、ポリピリジン配位金属錯体という)およびそ
の類縁体であり、最も好ましくは式c〜式dの化合物で
ある。
【0022】
【化1】
【0023】なお、式a〜cの化合物の名称は、それぞ
れ次の通りである。
【0024】 式a: エチジウム(ethidium) 式b: プロフラビン(proflavine) 式c: 2−ヒドロキシエタンチオラト(2,2',2''−ターピリジン ) プラチナム(II) 2-Hydroxyethanethiolato(2,2',2''-terpyridine)platinum(II) 式d: 2,2'−ビピリジン(エチレンジアミン)プラチナム(II) (2,2'-Bipyridine)(ethylendiamine)platinum(II) 式e: 2,2'−ビピリジンジクロロプラチナム(II) (2,2'-Bipyridine)dichloroplatinum(II) 多くのインターカレーション試薬において、二本鎖DN
Aの螺旋構造を解消する作用が確認されている(Nuclei
c Acids in Chemistry and Biology, Oxford Universit
y Press. P3463-3468; Nature 287:561-563 (1980);
Nature 276:471-474 (1980))。上記のインターカレー
ション試薬は、二本鎖DNA分子に結合して、その構造
変化を誘導する。例えば、上記式cおよび式dのポリピ
リジン配位金属錯体は、飽和状態では塩基対1残基おき
に塩基対の間に挟まるインターカレーション試薬である
(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 72: 4825-4829;Nature
287: 561-563 (1080))。ポリピリジン配位金属錯体
は、塩基対の間隔を広げることでDNA分子を縦方向に
延ばし、螺旋構造を解消し、平行化する(Nature 287:
561-563 (1980))。ただし、この二本鎖DNAの平行化
を確認する実験においていては、DNAは、束ねた状態
でX線繊維回折像を取るために用いられており、塩基を
露出することを目的とせず、実際に塩基は露出されてい
ない。ポリピリジン配位金属錯体以外のインターカレー
ション試薬によっても、螺旋構造がゆるむことは報告さ
れているが、完全に平行化することを確認した例はな
い。更に、ポリピリジン配位金属錯体に限らず、二本鎖
DNAの塩基対を露出するための手段としてインターカ
レーション試薬が利用された例はない。
【0025】上記のように、本発明ではインターカレー
ション試薬、特に好ましくはポリピリジン配位金属錯体
を用いる。この試薬の結合により二本鎖DNAは平行化
する。その際、図1に示すように、螺旋構造の内側に内
包されていた塩基対(図1上)は、図1下に示すよう
に、平行化された二本鎖DNAの厚さ方向の中心点を結
ぶ平面、即ち基準面の片側に寄る。即ち、螺旋構造を有
する二本鎖DNAは、ポリピリジン配位金属錯体(明る
い部分)の結合を受け、螺旋構造が解消し、平行化した
二本鎖DNA分子となる。側面図から分かるとおり、塩
基(暗い部分)はこのとき基準面の片側(この場合は図
の上側)に寄り、一方リン酸基及びリボース(中間の明
るさの部分)はうねりながら他の片側(この場合は図の
下側)に寄る。このことはArnottら(Nature 287: 561-
563 (1980))によって示されているが、彼等の場合に
は、ポリピリジン配位金属錯体と結合したDNAは束ね
られており、片側に寄った塩基対は露出していない。
【0026】本発明では、この片側に寄った塩基対を一
様に表側に向けて配置することにより、全ての塩基対に
対して走査プローブ顕微鏡の探針の接近を可能とするも
のである。即ち、本発明において、ポリピリジン配位金
属錯体等のインターカレーション試薬は、走査プローブ
顕微鏡を用いて塩基対が観察できるように、これを露出
するという新規な用途に用いられるものである。
【0027】<平行化した二本鎖DNAの基板上への配
置>こうして、インターカレーション試薬により塩基対
部分を露出した二本鎖DNAを、露出した塩基対部分を
上に向けて、平滑な表面を有する適切な基板上に配置す
ることにより、走査型プローブ顕微鏡による塩基配列の
分析が可能になる。そのための基板としては、例えば、
銀、白金等の酸化を受け難い金属基板、炭素配合白金基
板、酸化シリコン基板、マイカの劈開面、黒鉛の劈開
面、石英基板、ガラス基板等が挙げられる。また、チオ
ール基を有する有機分子を金または銀の平滑基板上に層
状に吸着させた自己集合膜;脂質分子を任意の平滑基板
に層状に吸着させたラングミュアー・ブロジェット膜;
マイカ、シリコン、もしくはガラスの表面をシランカッ
プリング剤によって処理したシラン化基を用いてもよ
い。
【0028】平行化されたDNA分子を上記のような基
板表面にランダムに配置したときでも、その中の幾つか
は、露出した塩基対部分を上に向けて配置されることに
なる。既述したように、走査型プローブ顕微鏡によれ
ば、1分子でも目的のDNAがあれば所望の分析を行う
ことができる。従って、基板表面への配置に特別な手段
を用いなくても、所望の塩基対部分を探針でプロービン
グすることができる。しかし、次のような手段を用いる
ことにより、露出した塩基対部分を上に向けて基板上に
固定するのが好ましい。
【0029】<硫黄を介した基板表面への結合>以下の
説明では、インターカレート試薬により平行化された二
本鎖DNAの基準面に平行な平面であって、塩基が外か
ら接する平面を塩基面と称し、リン酸基に外から接する
平面をリン酸面と称する(図2参照)。図2では、平行
化した二本鎖DNAの配置に対して、上方の平面が仮想
的な塩基面を表し、下方の平面が仮想的なリン酸面を表
す。走査プローブ顕微鏡で塩基面を観察するには、塩基
面が表側になければならない。つまり、平行化された二
本鎖DNAは、リン酸面が基板面に対面する形で基板に
固着される必要がある。
【0030】リン酸面の基板への吸着を促進するため
に、ある種の基板に対する硫黄の持つ特異的親和性を利
用することができる。すなわち、金表面に対して、硫黄
原子は強い非特異的吸着をすることで知られている(J
Am. Chem. Soc. 105: 4481-4483 (1983))。そこで、基
板として平滑な金基板を用いると共に、二本鎖DNAと
しては、DNAのリン酸基においてリン酸基にある酸素
のうちの一つを硫黄に置換した二本鎖ホスホロチオエー
トDNAを用いる(図3参照)。
【0031】図3は、二本鎖ホスホロチオエートDNA
分子を模式的に表している。網掛けされた硫黄原子
(S)は、通常のDNAでは酸素原子である。これが硫
黄原子に置き換わった二本鎖DNAが二本鎖ホスホロチ
オエートDNAである。ここで、baseは塩基を表す。こ
の二本鎖ホスホロチオエートDNAにおけるリン酸基の
硫黄を金基板に吸着させることで、平行化されたDNA
はリン酸面を基板に向けて固着され、従って塩基対面は
表側に露出される(図4参照)。図4において、硫黄に
よって置換された部分は黒い原子像で示されている。一
部の硫黄(正面図、側面図ともに小さい矢印の位置)が
基板面に接することができるのに対して、他の硫黄(正
面図、側面図ともに大きい矢印の位置)は平行化した二
本鎖ホスホロチオエートDNAの側面に張り出してい
る。平行化した二本鎖DNA分子のしたにある長方形は
金基板の断面を表している。
【0032】なお、銀基板、白金基板を用いたときにも
同様の効果が得られる。以下では金基板を用いた場合に
ついて説明するが、これらの説明は、銀基板および白金
基板のような硫黄との特異的親和性を有する他の基板を
用いた場合にもあてはまる。従って、本発明は硫黄との
特異的親和性を有する如何なる基板を用いた場合をも包
含するものであり、金基板を用いた場合に限定されな
い。
【0033】上記のような二本鎖ホスホロチオエートD
NAは、DNAを鋳型として、α−チオ−デオキシヌク
レオシド三燐酸を反応基質としたPCRにより合成する
ことができる。
【0034】なお、リン酸部分の酸素を硫黄に置換した
DNA誘導体の従来例としては、硫黄をDNAの末端の
リン酸基に導入した場合と、ヌクレオシド間を結ぶリン
酸基に導入した場合がある。末端のリン酸基に硫黄を導
入した場合については、一本鎖DNAあるいは二本鎖D
NAの5’末端のリン酸基にメルカプトヘキサノールを
エステル結合させた場合(J Am. Chem. Soc. 119: 8916
-8920 (1997)、FEBS Lett. 336: 452-456 (1993))など
の報告がある。また、ヌクレオシド間を結ぶリン酸基に
硫黄を含有したDNA、すなわち、ホスホロチオエート
DNA(phosphorothioate DNA、図3参照)を用い
た場合については、一本鎖DNAについてのみ、金基板
に吸着させた場合(J. Phys. Chem. 98: 8742-8746 (19
94))について報告がある。
【0035】その他、ホスホロチオエートDNAにはヌ
クレアーゼによる分解に対する耐性が認められており、
これを利用して、生体内で特定の遺伝子の機能発現を抑
制するアンチセンスDNAとしての有用性が期待されて
いる。実際ホスホロチオエートDNAは主にこれを目的
として開発されている。
【0036】要するに、DNA分子二本鎖の両方のリン
酸基に硫黄を導入すること、つまり、二本鎖ホスホロチ
オエートDNA分子を用いることによって、DNAを金
基板に固着させた例は知られていないない。
【0037】<硫黄のDNA同士の結合への利用>走査
型プローブ顕微鏡によりDNAを分析する際の、既述し
た水平方向の障害を解決するために、本発明では、上記
のようにして平行化したDNA分子同士を隣り合わせ、
DNAで基板面を覆うことによって、探針がDNA分子
に側面接触しないようにする。これによって、常に探針
の先端部分で試料上を走査することができ、水平方向で
の試料位置の正確な検出を行うことが可能となる。すな
わち、側面接触の問題を解決するための基本方針とし
て、平行化した二本鎖DNA分子が密に整列した重合体
を作製する。
【0038】ポリピリジン配位金属錯体で二本鎖DNA
を飽和して平行化した場合、ポリピリジン配位金属錯体
は、一塩基対置きに塩基対の間に挟まる。ポリピリジン
配位金属錯体が挟まっていない塩基対を結ぶリン酸基は
リン酸面側、即ち、平行化したDNAの裏に潜り込み、
そのリン酸基の硫黄は上述のごとく金基板に結合する
(図4参照)。一方、ポリピリジン配位金属錯体が挟ま
っている塩基対を結ぶリン酸基は、平行化したDNAの
側面に張り出す(図4参照)。金基板面上における平行
化されたDNA分子の密度を高めると、この側面に張り
出したリン酸基の硫黄同士が隣り合う配置をとることが
可能となる。これらの硫黄はジスルフィド結合(disulf
ide bond)を形成するので、平行化したDNA分は互い
に側面で結合して整列する。
【0039】なお、従来技術においては、一本鎖、二本
鎖いずれの場合についても、ホスホロチオエートDNA
の硫黄同士の結合を介在させて、DNA分子間に結合を
形成した例はない。また、このようなジスルフィド結合
によりDNAを平滑な基板上へ高密度固定化、整列化し
た例はない。
【0040】しかし、螺旋構造を維持した状態でのDN
Aの高密度固定化、整列化については、次のような従来
例が知られている。本来、中性水溶液中では、二本鎖D
NAのリン酸基は陰イオン化しており、これにより負に
帯電したDNAは、静電気的に互いに反発し、拡散状態
にある。この拡散状態を解消して、二本鎖DNAの平滑
な基板上に高密度固定化、整列化するための従来技術
は、次の2つに分類される。
【0041】第1は、負に帯電した二本鎖DNAが陽イ
オン性脂質膜へ吸着することを利用する方法である。こ
の方法により、二本鎖DNAは高密度に脂質膜面に吸着
する(Nanobiology 4: 93-100(1996))。さらに脂質膜
をある方向に引き延ばすことにより、その上に吸着した
二本鎖DNAを配向させることが可能である(J Am.Che
m. Soc. 118: 10679-10683(1996))。
【0042】第2は、二本鎖DNA分子間で互いに一本
鎖を橋渡し、橋渡しされた箇所で隣のDNAと結合さ
せ、これにより二本鎖DNAを高密度に基板上に固着、
整列させる方法である(Nature 394: 539-544(199
8))。
【0043】いずれの方法も螺旋構造を維持した状態で
の、高密度固定化、整列化である。螺旋構造が解消され
た状態での、高密度固定化、整列化を実現した例はな
い。
【0044】<固着、整列したDNA重合体>上記方法
により、平行化したDNAは塩基対を露出し、互いに側
面で接するように金基板の上に整列したDNA重合体
(図5参照)を形成する。この構造体は、これまでに報
告されていない新規な化合物である。
【0045】図5において、上方の空間充填モデルは、
2つの横方向に並んだ平行化した二本鎖ホスホロチオエ
ートDNAを、金基板に接するリン酸面側から見たもの
である。二本鎖ホスホロチオエートDNAが並んで側面
で接している部分において、互いに一部の硫黄(黒い原
子像)が対を形成している。この部分が硫黄のジスルフ
ィド結合であり、隣接する平衡化した二本鎖ホスホロチ
オエートDNAを相互に横方向に固定している。対を形
成していない硫黄(黒い原子像)は、図面手前にくる金
基板に吸着し、平行化した二本鎖ホスホロチオエートD
NAを金基板に固定している。
【0046】図5下の模式図は各原子の結合関係を明示
した図である。斜線部分は、金基板である。ポリピリジ
ン配位金属錯体(intercalatorで示されている)が挟ま
っていない塩基をつなぐリン酸基硫黄(S)では、金基
板に吸着しているのに対して、ポリピリジン配位金属錯
体(intercalatorで示されている)が挟まっている塩基
をつなぐリン酸基の硫黄(S)では、隣り合う二本鎖D
NAの二つの硫黄がジスルフィド結合を形成している。
baseは塩基を表す。
【0047】<他の用途>既述したところから明らかな
ように、本発明は、走査型プローブ顕微鏡による二本鎖
DNAの塩基対を直接プロービングするために有用であ
る。しかし、他の用途についても適用することが可能性
である。
【0048】例えば、DNAは三本鎖を形成することが
できるので、上記のように塩基対を露出させて基板上に
固定された二本鎖DNAは、他の相補的DNAを捕捉す
るためのプローブとして使用することも可能である。即
ち、本発明の方法により基板上に固定された二本鎖DN
Aは、DNAチップ(Science 251:767-773 (1991)参
照)のプローブとしても使用できる可能性がある。
【0049】また、DNAは或る程度の電流を通すの
で、上記のようにして基板に固定されたDNAを回路素
子として使用することも可能である。
【0050】更に、螺旋を巻き戻して平行化された二本
鎖DNAは光学異性を有するので、上記のDNA重合体
は、偏光板等の光学素子として使用することも可能であ
る。
【0051】
【実施例】以下、具体的な実験例に基づいて本発明を更
に詳細に説明する。
【0052】この実験例では、まず二本鎖ホスホロチオ
エートDNAを合成する。合成後、不純物を除去し、ポ
リピリジン配位金属錯体を加えて混合し、飽和させる。
次いで、平滑な金基板を用意し、これに混合溶液を加え
た後、洗浄液で流しとる。その後、乾燥した金基板を走
査型プローブ顕微鏡で観察する。
【0053】例 1: 二本鎖ホスホロチオエートDN
Aの合成 硫黄含有DNAの合成にはPCR(polymerase chain r
eaction)法を用いる。α位のリンに対して酸素の代わ
りに硫黄を結合しているヌクレオチド(α-thio-deoxyn
ucleoside triphosphate)を用いて、市販PCR装置で
PCRを行った。PCRの鋳型DNAとしてM13mp
18DNAを用い、プライマーとして以下の二種類のオ
リゴヌクレオチドを用いて、230残基長の二本鎖ホス
ホロチオエートDNAを合成した。これをフェノール/
クロロフォルム溶液と攪拌混合して、反応液に含まれる
タンパク質成分を除去し、また、プライマーDNAをゲ
ル濾過カラムで除去して、二本鎖ホスホロチオエートD
NAを精製した。
【0054】PCR反応に用いたオリゴヌクレオチドは
下記の通りであり、各オリゴヌクレオチドは右側が5´
末端である。
【0055】CGCTTTCAGGTCAGAAGG GCCTGAGTAGAAGAACTC 例 2: ポリピリジン配位金属錯体の合成 ポリピリジン配位金属錯体である2,2’−ビピリジン
エチレンジアミンプラティヌム(II)(式d)を合成
する(J. Chem. Soc. 965 (1934)に従ったJ. Chem. Edu
c. 58: 589-593 (1981)の方法を用いた)。2,2’−
ビピリジンジクロロプラティヌム(II)(式e)0.
42グラムとエチレンジアミン(ethylenediamine)1
00マイクロリットルを50ミリリットルの蒸留水の入
ったフラスコに入れ、約30分間かき混ぜながら水浴中
で加熱沸騰する。溶液が中性に戻れば反応は完了する。
水溶液を濾過し、濾液を脱気乾燥させる。乾燥させた生
成物にエタノールを加え溶解させる。エタノール溶液を
濾過する。濾液を再び脱気乾燥した後、水に溶解させ
る。
【0056】例 3: ポリピリジン配位金属錯体によ
る二本鎖ホスホロチオエートDNAの平行化 100ナノグラムの二本鎖ホスホロチオエートDNAに
対して、5マイクログラムのビピリジンエチレンジアミ
ンプラティヌム(II)を混合して、100マイクロリ
ットルとして2日間放置する。
【0057】例 4: 平滑な金基板の作製 市販の金属蒸着装置に、蒸着面に加熱装置を備え付けた
ものを用いる。1センチメートル四方のマイカを劈開
し、新しく表れた劈開面を表にして、蒸着室内の蒸着面
に複数設置する。フィラメントに金ロッドを置き、蒸着
室を閉じる。蒸着室の排気を行い、蒸着面のマイカを4
00度に熱する。真空度が10-7トールに到達したら、
金をマイカ上に蒸着する。蒸着後金をマイカ上でアニー
ルするために、蒸着面の温度を580度に上げ、3時間
放置する。加熱を止め、自然放冷する。
【0058】 例 5: 金基板への平行化二本鎖DNAの添加 金基板に上記DNA溶液を添加し、室温で2時間放置す
る。蒸留水で金基板上を洗った後、真空デシケータで金
基板を乾燥させる。
【0059】 例 6: 走査型プローブ顕微鏡による観察 DNAの添加処理された金基板を走査型プローブ顕微鏡
の試料台に載せ、観察する。
【0060】対照試料も含めた原子間力顕微鏡による観
察の結果を、図7〜図11に示す。原子間力顕微鏡はデ
ジタルインスツルメント社のナノスコープ3を用い、タ
ッピングモードで観察し、アンプリチード信号を画像化
した。各図に表れている暗い穴は、平滑な金表面の間に
できたくぼみである。平滑な金表面は、所々段差を形成
しているが、それ以外の部分は金の(111)単結晶面
からなる。
【0061】図7は、例1の方法において、二本鎖ホス
ホロチオエートDNAの代わりに通常の二本鎖DNAを
合成し、ポリピリジン配位金属錯体を加えずに、金基板
上に吸着したものを原子間力顕微鏡で観察したものであ
る。
【0062】通常の二本鎖DNAは、金表面に吸着する
が、丸い凝集体となって表れている。
【0063】図8は、例1の方法において、二本鎖ホス
ホロチオエートDNAの代わりに通常の二本鎖DNAを
合成し、例2で作成したポリピリジン配位金属錯体を加
えて、金基板上に吸着したものを原子間力顕微鏡で観察
したものである。
【0064】ポリピリジン配位金属錯体と結合した通常
の二本鎖DNAは、丸い凝集体とはならず、ひも状の形
態のままで金基板に付着している。これは、ポリピリジ
ン配位金属錯体の結合により、二本鎖DNAの取り得る
形態の自由度が減少し、剛性が高まったためと考えられ
る。
【0065】図9は、例1の方法で合成した二本鎖ホス
ホロチオエートDNAを、ポリピリジン配位金属錯体を
加えずに、金基板上に吸着したものを原子間力顕微鏡で
観察したものである。
【0066】二本鎖ホスホロチオエートDNAは、図7
と同様に丸い凝集体となって表れているが、所々で互い
に隣接し、あるいは、凝集体から足を伸ばして互いに接
着している。これは、DNAに含まれる硫黄がジスルフ
ィド結合を形成し、DNAが互いに接着する性質を帯び
たためと考えられる。
【0067】図10は、例1の方法で合成した二本鎖ホ
スホロチオエートDNAに、例2で作成したポリピリジ
ン配位金属錯体を加えて、金基板上に吸着したものを原
子間力顕微鏡で観察したものである。
【0068】二本鎖ホスホロチオエートDNAは、図8
と同様にひも状の形態のままで、金基板上に吸着してい
る。また、この図の上半分はDNAの密度が高く、しか
も左上から右下に整列していることが確認できる。
【0069】図11は、図10と同じ試料を高倍率で観
察した画像である。画面一面DNAが整列しているのが
分かる。
【0070】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
二本鎖核酸を巻き戻して平行化することにより、塩基対
部分を片面側に露出させて基板上に配置することができ
る。従って、二本鎖核酸を走査型プローブ顕微鏡で分析
する際に、深度方向および水平方向の障害を伴わずに塩
基対部分を探針でプロービングすることができる等、顕
著な効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリピリジン配位金属錯体の結合により平行化
した二本鎖DNA分子の空間充填モデル図である。
【図2】平行化した二本鎖DNAにおける塩基面、リン
酸面を表した空間充填モデル図である。
【図3】二本鎖ホスホロチオエートDNA分子の模式図
である。
【図4】ポリピリジン配位金属錯体により平行化した二
本鎖ホスホロチオエートDNAの空間充填モデル図であ
る。
【図5】平行化したホスホロチオエートDNAが互いに
側面で接した空間充填モデル図、模式図である。
【図6】二本鎖DNA分子を走査型プローブ顕微鏡によ
り分析する際の問題点を説明するための模式図である。
【図7】通常の二本鎖DNAを平滑な金基板上に吸着し
たものを原子間力顕微鏡にて観察した画像である。
【図8】通常の二本鎖DNAにインターカレーション試
薬を加えた上で、平滑な金基板上に吸着したものを原子
間力顕微鏡にて観察した画像である。
【図9】二本鎖ホスホロチオエートDNAを平滑な金基
板上に吸着したものを原子間力顕微鏡にて観察した画像
である。
【図10】二本鎖ホスホロチオエートDNAにインター
カレーション試薬を加えた上で、平滑な金基板上に吸着
したものを原子間力顕微鏡にて観察した画像である。
【図11】図11と同様の試料をより高い倍率で観察し
た画像。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二本鎖核酸を、その塩基対が全て上に向
    いて露出した状態で、平滑な表面を有する基板上に配置
    する方法であって:二本鎖核酸の塩基対間に差し込まれ
    て二本鎖核酸の二重螺旋構造を巻き戻すことができるイ
    ンターカレート試薬を二本鎖核酸と反応させ、該二本鎖
    核酸の螺旋構造を解消して二本鎖を平行化することによ
    り、前記二本鎖核酸の全ての塩基対を、平行化された二
    本鎖核酸の基準面の片側に配向させる工程と、 上記のように平行化された二本鎖核酸を、その塩基対を
    上に向けて、平滑な表面を有する基板上に配置する工程
    とを具備する方法。
  2. 【請求項2】二本鎖核酸を、その塩基対が全て上に向い
    て露出した状態で、平滑な表面を有する基板上に固定化
    する方法であって:二本鎖核酸の塩基対間に差し込まれ
    て二本鎖核酸の二重螺旋構造を巻き戻すことができるイ
    ンターカレート試薬を二本鎖ホスホロチオエート核酸と
    反応させ、該二本鎖ホスホロチオエート核酸の螺旋構造
    を解消して二本鎖を平行化することにより、前記二本鎖
    ホスホロチオエート核酸の全ての塩基対を、平行化され
    た二本鎖核酸の基準面の一方の側に配向させる工程と、 上記のように平行化された二本鎖ホスホロチオエート核
    酸を、その塩基対を上に向けて、平滑な表面を有し且つ
    硫黄との特異的親和性を有する基板上に配置すると共
    に、前記基準面の他方の側に配向したホスホロチオエー
    トの硫黄原子を介して、前記基板の表面に固着させる工
    程とを具備する方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の方法であって、前記平
    行化された二本鎖ホスホロチオエート核酸を、高密度で
    前記基板上に配置し、前記基準面の他方の側に配向した
    ホスホロチオエートの硫黄原子を介して前記基板の表面
    に固着させると共に、前記平行化した二本鎖ホスホロチ
    オエート核酸の側面に表れた硫黄を介して、隣接する平
    行化した二本鎖ホスホロチオエート核酸を相互に架橋し
    て整列させることを特徴とする方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れか1項に記載の方法
    により、前記基板上に配置または固定化された二本鎖核
    酸を、走査型プローブ顕微鏡によりプロービングするこ
    とを特徴とする、二本鎖核酸の分析方法。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の方法により、高密度で
    前記基板上に吸着されると共に、隣接する二本鎖ホスホ
    ロチオエート核酸を相互に架橋された核酸重合体。
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