JP2001123839A - 2サイクル筒内噴射エンジン - Google Patents

2サイクル筒内噴射エンジン

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JP2001123839A
JP2001123839A JP30453899A JP30453899A JP2001123839A JP 2001123839 A JP2001123839 A JP 2001123839A JP 30453899 A JP30453899 A JP 30453899A JP 30453899 A JP30453899 A JP 30453899A JP 2001123839 A JP2001123839 A JP 2001123839A
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Japan
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fuel
injector
cylinder
engine
injection
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JP30453899A
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Takeshi Motoyama
雄 本山
Kenji Morikawa
健志 森川
Tokuji Muramatsu
得次 村松
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Yamaha Motor Co Ltd
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Yamaha Motor Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/02Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke
    • F02B2075/022Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle
    • F02B2075/025Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle two
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/12Other methods of operation
    • F02B2075/125Direct injection in the combustion chamber for spark ignition engines, i.e. not in pre-combustion chamber
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)
  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 混合気の均一性を良好に保つことができる2
サイクル筒内噴射エンジンを提供すること。 【構成】 シリンダボディ(シリンダ壁)2にインジェ
クタ30を取り付け、該インジェクタ30から燃料をシ
リンダ3内に直接噴射する2サイクル筒内噴射エンジン
1において、前記インジェクタ30から噴射される燃料
噴霧のコーンアングルを15°〜30°に設定する。本
発明によれば、インジェクタ30から噴射される燃料噴
霧のコーンアングルを15°〜30°に設定したため、
燃料噴霧に必要十分な貫通力が得られとともに、燃料の
霧化が促進されて混合気の均一性が良好に保たれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリンダ壁に取り
付けられたインジェクタから燃料をシリンダ内に直接噴
射する2サイクル筒内噴射エンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】斯かる筒内噴射エンジンを2サイクルエ
ンジンに適用する提案が種々なされている(例えば、特
開平6−58224号、特公平7−37765号、特開
平8−312351号、特開平10−115233号公
報参照)が、この種の2サイクルエンジンでは燃料の吹
き抜けが生じないタイミングでインジェクタからシリン
ダ内に燃料を直接噴射することによって燃費や排ガス特
性の改善を図ることができる。
【0003】又、インジェクタをシリンダ壁に取り付け
ることによって、高温・高圧の排ガスがシリンダ内に存
在する期間はピストンによってインジェクタをカバーし
て該インジェクタへの熱害(特に燃料噴射孔の閉塞)を
防ぐこともできる。
【0004】更に、燃焼ガスの逆流も生じないため、燃
料の噴射圧力を300〜600kPa程度の低い圧力に
抑えることができ、自動車において専ら採用されている
燃料噴射系の適用が可能となり、燃料噴射システムのコ
ストダウンを図ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、筒内噴射エ
ンジンにおいては、インジェクタから噴射される燃料噴
霧のコーンアングルが30°を超えると、燃料噴霧の貫
通力が低いために混合気の均一性が損なわれる。又、逆
に燃料噴霧のコーンアングルが15°未満である場合に
は、燃料の霧化が悪く、同様に混合気の均一性が損なわ
れる。特に、インジェクタを排気ポートの反対側に設置
した2サイクルエンジンにおいては、燃料噴霧のコーン
アングルが15°未満では燃料噴霧の貫通力が強過ぎ、
そのまま排気ポートに吹き抜ける燃料噴霧の量が多くな
って燃費が悪化するという問題が発生する。
【0006】又、筒内噴射エンジンにおいては、インジ
ェクタに多数の燃料噴射孔を形成して燃料を多くの燃料
噴射孔から噴射させた方が混合気の均一性確保のために
望ましい。
【0007】しかしながら、燃料噴霧をシリンダ軸線方
向に長く分布させると、ピストンに到達した燃料噴霧の
形態がインジェクタに近い側と遠い側で異なってしま
う。具体的には、インジェクタに近い側では燃料噴霧は
より密集して濃混合気が形成され、遠い側では逆の傾向
を示し、この結果、混合気の均一性が損なわれてしま
う。
【0008】従って、本発明の目的とする処は、混合気
の均一性を良好に保つことができる2サイクル筒内噴射
エンジンを提供することにある。
【0009】又、燃料噴霧をシリンダ軸線方向に長く分
布させると、シリンダに開口する噴射用ポートをシリン
ダ軸線方向(ピストン摺動方向)に長く形成する必要が
あるため、ピストンの上部外周に嵌着されたピストンリ
ングを跨ぐ形で噴射用ポートを介してシリンダ内の混合
気が圧縮工程においてシリンダ外に漏れてしまい、熱効
率が低下するという問題が発生する。
【0010】従って、本発明の目的とする処は、混合気
の均一性を良好に保ちつつ高い熱効率を確保することが
できる2サイクルエンジンを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、シリンダ壁にインジェクタ
を取り付け、該インジェクタから燃料をシリンダ内に直
接噴射する2サイクル筒内噴射エンジンにおいて、前記
インジェクタから噴射される燃料噴霧のコーンアングル
を15°〜30°に設定したことを特徴とする。
【0012】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記インジェクタの複数の燃料噴射孔から
噴射される燃料噴霧のシリンダ軸線方向の全幅をシリン
ダ軸線に直角な方向の全幅よりも小さく設定したことを
特徴とする。
【0013】従って、請求項1記載の発明によれば、イ
ンジェクタから噴射される燃料噴霧のコーンアングルを
15°〜30°に設定したため、燃料噴霧に必要十分な
貫通力が得られとともに、燃料の霧化が促進されて混合
気の均一性が良好に保たれる。
【0014】又、請求項2記載の発明によれば、燃料噴
霧をシリンダ軸線方向に直角な方向に広く分布させたた
め、ピストンに到達した燃料噴霧の形態がインジェクタ
に近い側と遠い側でほぼ同一となって混合気の均一性が
良好に保たれるとともに、シリンダに開口する噴射用ポ
ートのシリンダ軸線方向(ピストン摺動方向)の長さを
短くすることができ、シリンダ内の混合気が圧縮工程に
おいてピストンリングを跨ぐ形で噴射用ポートを介して
シリンダ外に漏れることがなく、エンジンに高い熱効率
が確保される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0016】図8は本発明に係る2サイクル筒内噴射エ
ンジンを搭載して成るスクータ型自動二輪車の側面図で
ある。
【0017】先ず、図8に示すスクータ型自動二輪車1
00の概略構成を図8に基づいて説明する。
【0018】図8に示すスクータ型自動二輪車100に
おいて、101は車体前方上部に位置するヘッドパイプ
であり、該ヘッドパイプ101内にはステアリング軸1
02が回動自在に挿通している。そして、このステアリ
ング軸102の上端には不図示のハンドルが取り付けら
れており、同ステアリング軸102の下端部にはフロン
トフォーク103が取り付けられ、該フロントフォーク
103の下端には前輪104が回転自在に軸支されてい
る。
【0019】又、前記ヘッドパイプ101からはダウン
チューブ105が車体後(図8の左方に向かって斜め下
方に延出しており、該ダウンチューブ105の後端には
左右一対のシートレールフレーム106が車体後方に向
かって斜め上方に延出している。そして、これら左右一
対のシートレールフレーム106には、本発明に係る2
サイクル筒内噴射エンジン1を備えるユニットスイング
式エンジン110が上下に揺動自在に支持されており、
該ユニットスイング式エンジン110の後端部には駆動
輪である後輪107が回転自在に軸支され、該後輪10
7とユニットスイング式エンジン110はリヤクッショ
ン108を介して車体側に懸架されている。
【0020】更に、上記ユニットスイング式エンジン1
10の上方にはシート109が配設され、該シート10
9の下方にはオイルタンク111が配され、その方向に
は燃料タンク112が配設されており、これらは樹脂製
の車体カバー113によって覆われている。
【0021】ここで、本発明に係る前記2サイクル筒内
噴射エンジン(以下、単にエンジンと称する)1の燃料
噴射システムの構成を図1に基づいて説明する。
【0022】図1は燃料噴射システムの構成を示すブロ
ック図であり、図示のように本発明に係るエンジン1の
シリンダボディ2の側壁にはインジェクタ30が斜めに
取り付けられている。
【0023】上記インジェクタ30には燃料タンク24
から導出する燃料供給ラインL1 が接続されており、燃
料供給ラインL1 の途中には燃料ポンプ25が設けられ
ている。そして、燃料供給ラインL1 の途中からは燃料
戻りラインL2 が分岐しており、この燃料戻りラインL
2 はその端部が燃料タンク24内の上部に開口し、その
途中にはプレッシャレギュレータ26が設けられてい
る。尚、燃料タンク24内には燃料が収容され、前記燃
料供給ラインL1 の燃料タンク24内に臨む端部にはフ
ィルタ27が取り付けられている。
【0024】又、エンジン1の吸気系にはスロットルバ
ルブ28、サブスロットルアクチュエータ29、リード
バルブ18等が設けられ、その周囲にはスロットルセン
サ46と吸気温センサ47が設けられており、更にエン
ジン1には回転センサ48と冷却水温センサ49が設け
られており、これらの回転センサ48と冷却水温センサ
49及び前記スロットルセンサ46と吸気温センサ47
はECU(エンジンコントロールユニット)50に電気
的に接続されている。尚、ECU50には更に大気温セ
ンサ51と傾斜角センサ52がそれぞれ電気的に接続さ
れている。
【0025】更に、エンジン1の頂部には点火プラグ1
4が取り付けられており、この点火プラグ14はイグニ
ッションコイル53によって駆動され、このイグニッシ
ョンコイル53はECU50からの制御信号を受けて作
動するCDIユニット54によって駆動制御される。
尚、筒内噴射エンジン1において、4はピストン、20
は掃気通路、22は排気管であり、排気管22内には排
ガスを浄化するための触媒コンバータ55が設けられて
いる。
【0026】ところで、エンジン1に設けられた発電機
56によって発電された電気は整流器57を経てバッテ
リ58に蓄えられ、前記燃料ポンプ25とECU50は
バッテリ58からの電力の供給を受けてそれぞれ駆動さ
れる。
【0027】而して、エンジン1が始動され、燃料ポン
プ25が駆動されると燃料タンク24内の燃料は燃料供
給ラインL1 を通ってインジェクタ30に供給される
が、スロットルセンサ46によって検出されたスロット
ル開度、吸気温センサ47によって検出された吸気温
度、回転センサ48によって検出されたエンジン回転
数、冷却水温センサ49によって検出された冷却水温度
及び大気圧センサ51によって検出された大気圧はそれ
ぞれECU50に入力され、ECU50はこれらの値に
応じた最適な制御信号をインジェクタ30、サブスロッ
トルアクチュエータ29、プレッシャレギュレータ2
6、CDIユニット54及びオイルポンプ59に対して
出力してこれらを最適制御する。
【0028】従って、インジェクタ30の駆動がECU
50によって制御されることによって、該インジェクタ
30から燃料が所定のタイミングで所定時間だけシリン
ダ3内に向かって直接噴射され、シリンダ3内に噴射さ
れた燃料は掃気通路20からシリンダ2内に供給された
吸気(空気)と混合して所定の空燃比(A/F)の混合
気が形成される。そして、この混合気はピストン4によ
って圧縮された後、ECU50によって駆動制御される
点火プラグ14によって適当なタイミングで着火されて
燃焼し、この混合気の燃焼によって発生した高温・高圧
の排ガスは排気行程において排気管22を通って大気中
に排出され、以後、同様の作用が繰り返されて当該エン
ジン1が連続運転される。尚、燃料噴射圧はECU50
によって制御されるプレッシャレギュレータ26によっ
て制御され、インジェクタ30によって噴射されないで
残った余剰燃料は燃料戻りラインL2 を通って燃料タン
ク24に戻される。
【0029】次に、本発明に係る前記エンジン1の構成
の詳細を図2に基づいて説明する。
【0030】図2はエンジン1の縦断面図であり、本実
施の形態に係るエンジン1のシリンダボディ2に形成さ
れたシリンダ3内には前記ピストン4が摺動自在に嵌装
されており、該ピストン4はコンロッド5を介してクラ
ンク軸6に連結されている。尚、クランク軸6はクラン
クケース7内のクランク室8に図2の紙面垂直方向に配
されており、その一端には前記発電機56(図1参照)
が取り付けられている。又、ピストン4の上端部外周に
は2つのリング溝11が上下2段に形成されており、各
リング溝11にはピストンリング12がそれぞれ嵌着さ
れている。
【0031】又、シリンダボディ2の上面にはシリンダ
ヘッド13が被着されており、このシリンダヘッド13
の中央部には前記点火プラグ14が螺着されており、該
点火プラグ14の電極部14aはシリンダヘッド13に
形成された燃焼室Sに臨んでいる。尚、シリンダボディ
2とシリンダヘッド13には冷却水が流れるためのウォ
ータージャケット15,16が形成されている。
【0032】他方、前記クランクケース7内のクランク
室8に開口する吸気通路17にはクランク室8内への吸
気(空気)の流入を許容するリードバルブ18が設けら
れており、吸気通路17の端部には吸気管19が接続さ
れている。
【0033】又、シリンダボディ13には3つの掃気通
路20と1つの排気通路21が形成されており、これら
の掃気通路20と排気通路21の各一端は掃気ポート2
0a、排気ポート21aとしてそれぞれシリンダ3内に
開口している。そして、掃気通路20の各他端はクラン
ク室8に開口し、排気通路21の他端には図1に示す前
記排気管22が接続されている。
【0034】而して、本実施の形態に係るエンジン1は
前述のようにインジェクタ30から燃料がシリンダ3内
に向かって直接噴射されるが、インジェクタ30はシリ
ンダボディ(シリンダ壁)2の排気ポート21aに対向
する位置にその先端部が下方に向くように斜めに傾斜し
て取り付けられており、その取付角度はシリンダ壁(シ
リンダ3の内壁面)に垂直な面に対して図示のように1
5°〜30°に設定されている。
【0035】ここで、インジェクタ30はプレートオリ
フィスタイプのインジェクタであって、その構成の詳細
は図3〜図5に示される。
【0036】即ち、図3はインジェクタ30の縦断面
図、図4は図3のa部拡大詳細図、図5は図4の矢視b
方向の図であり、該インジェクタ30はインジェクタハ
ウジング31を有し、このインジェクタハウジング31
の後端部には蓋体32が嵌着され、インジェクタハウジ
ング31内にはコイル33aを備えたソレノイド33が
収納されている。そして、前記蓋体32は樹脂製のキャ
ップ34で覆われ、このキャップ34のコネクタ34a
に前記ソレノイド33から導出するリード線35が設け
られ、このリード線35がコネクタ34aを介して前記
ECU50(図1参照)側に接続される。又、蓋体32
の内部にはパイプ36が挿入され、蓋体32の燃料入口
32aから供給される燃料はパイプ36を通ってインジ
ェクタハウジング31内の燃料室37に導入される。
【0037】一方、インジェクタハウジング31の先端
部にはニードルハウジング38がニードルストッパ39
を介して嵌着されており、ニードルハウジング38内に
はニードル40が摺動自在に嵌装されており、このニー
ドル40には可動体41が固定されている。
【0038】又、前記蓋体32と可動体41との間には
圧縮スプリング42が縮装されており、この圧縮スプリ
ング42によって可動体41を介してニードル40がニ
ードルハウジング38の座面38a(図4参照)に当接
して燃料通路43を閉じるよう常に付勢されている。従
って、ソレノイド33が非通電状態にあるときにはニー
ドル40は図示のようにニードルハウジング38の座面
38aに当接して燃料通路43を閉じているため、該イ
ンジェクタ30からの燃料噴射は行われない。
【0039】ところで、図4及び図5に詳細に示すよう
に、インジェクタハウジング31の先端部にはニードル
ハウジング38の先端面に当接するプレート44が嵌合
保持されており、このプレート44の中央部には山形部
44bが形成されている。そして、この山形部44bの
一方の斜面には2つの燃料噴射孔(オリフィス)44a
がインジェクタ軸線に対して角度15°〜30°だけ傾
斜して穿設されている。
【0040】而して、ソレノイド33に通電されて該ソ
レノイド33に発生する電磁力によって可動体41が圧
縮スプリング42の付勢力に抗して吸引されてニードル
40が移動し、該ニードル40がニードルハウジング3
8の座面38aから離れると、燃料通路43が開かれて
燃料が燃料通路43からプレート44の燃料噴射孔44
aを通って所定の方向(インジェクタ軸線に対して角度
15°〜30°だけ傾斜した方向)に噴射される。この
とき、ニードル40に形成されたストッパフランジ40
aがニードルストッパ39に当接してニードル40の移
動が規制される。
【0041】以上のように、インジェクタ30からは燃
料がインジェクタ軸線に対して角度15°〜30°だけ
傾斜して噴射されるため、図2に示すように、インジェ
クタ30からの燃料噴射方向はインジェクタ軸線に対し
て該インジェクタ30の傾斜方向に15°〜30°傾く
こととなり、燃料噴霧の噴射方向がシリンダ壁(シリン
ダ3の内壁)に対して35°〜55°の範囲で傾斜する
ように設定することができる。
【0042】ここで、インジェクタ30からの燃料噴射
の状態を図6及び図7(図6のc−c線断面図)が、本
実施の形態においては、インジェクタ30から噴射され
る燃料噴霧のコーンアングルが15°〜30°に設定さ
れている。
【0043】ところで、筒内噴射エンジンにおいては、
インジェクタから噴射される燃料噴霧のコーンアングル
が30°を超えると、燃料噴霧の貫通力が低いために混
合気の均一性が損なわれる。又、逆に燃料噴霧のコーン
アングルが15°未満である場合には、燃料の霧化が悪
く、同様に混合気の均一性が損なわれる。特に、インジ
ェクタ30を排気ポート21aの反対側に設置した本実
施の形態に係るエンジン1においては、燃料噴霧のコー
ンアングルが15°未満では該燃料噴霧の貫通力が強過
ぎ、そのまま排気ポート21aに吹き抜ける燃料噴霧の
量が多くなって燃費が悪化するという問題が発生する。
【0044】而して、本実施の形態においては、前述の
ようにインジェクタ30から噴射される燃料噴霧のコー
ンアングルを15°〜30°に設定したため、燃料噴霧
に必要十分な貫通力が得られとともに、燃料の霧化が促
進され、混合気の均一性が良好に保たれ、燃焼室Sでの
混合気の安定した燃焼が可能となる。
【0045】一方において、筒内噴射エンジンにおいて
は、インジェクタに多数の燃料噴射孔を形成して燃料を
多くの燃料噴射孔から噴射させた方が混合気の均一性確
保のために望ましい。
【0046】しかしながら、燃料噴霧をシリンダ軸線方
向に長く分布させると、ピストンに到達した燃料噴霧の
形態がインジェクタに近い側と遠い側で異なってしま
う。具体的には、インジェクタに近い側では燃料噴霧は
より密集して濃混合気が形成され、遠い側では逆の傾向
を示し、この結果、混合気の均一性が損なわれてしま
う。
【0047】又、燃料噴霧をシリンダ軸線方向に長く分
布させると、シリンダに開口する噴射用ポートをシリン
ダ軸線方向(ピストン摺動方向)に長く形成する必要が
あるため、ピストンの上部外周に嵌着されたピストンリ
ングを跨ぐ形で噴射用ポートを介してシリンダ内の混合
気が圧縮工程においてシリンダ外に漏れてしまい、熱効
率が低下するという問題が発生する。
【0048】そこで、本実施の形態では、図5に示すよ
うにインジェクタ30のプレート44に2つの燃料噴射
孔44aを並設し、図7に示すように、これらの燃料噴
射孔44aから噴射される燃料噴霧のシリンダ軸線方向
(図7の上下方向)の全幅Yがシリンダ軸線に直角な方
向(図7の左右方向)の全幅Xよりも小さく(Y<X)
なるようにした。尚、図7において、X,Yはシリンダ
軸線上での値をそれぞれ示す。
【0049】従って、燃料噴霧はシリンダ軸線方向に直
角な方向(左右方向)に広く分布することとなり、ピス
トン4に到達した燃料噴霧の形態がインジェクタ30に
近い側と遠い側でほぼ同一となって混合気の均一性が良
好に保たれるとともに、シリンダ3に開口する噴射用ポ
ート23の上下方向(ピストン4の摺動方向)の高さ寸
法Hを左右方向の幅Bよりも小さく(H<B)抑えるこ
とができ、シリンダ3内の混合気が圧縮工程においてピ
ストンリング12を跨ぐ形で噴射用ポート23を介して
シリンダ3外に漏れることがなく、当該エンジン1に高
い熱効率が確保される。
【0050】又、本実施の形態では、インジェクタ30
からの燃料噴射方向をインジェクタ軸線に対して該イン
ジェクタ30の傾斜方向に15°〜30°傾けるように
したため、該インジェクタ30として安価なプレートオ
リフィスタイプのものを生産ばらつきを抑えた範囲内で
使用することができ、又、該インジェクタ30をシリン
ダ壁(シリンダ3の内壁)に垂直な面に対して15°〜
30°傾けてシリンダボディ2に取り付けて燃料噴霧の
噴射方向がシリンダ壁に対して35°〜55°の範囲内
で傾斜するようにしたため、インジェクタ30から噴射
される燃料の全量をピストン4のヘッド部分に噴射する
ことができ、燃料噴射システムのコストダウンを図るこ
とができる。
【0051】更に、インジェクタ30を従来よりも小さ
い角度だけ傾けてシリンダボディ2に取り付けるように
したため、従来のようにシリンダヘッド13をインジェ
クタ30を避けて大きく切り欠く必要がなく、シリンダ
ヘッド13とシリンダボディ2との合面の面積が部分的
に小さくなって冷却水漏れやシリンダ内圧漏れ等の問題
が発生することがなく、シリンダヘッド13とシリンダ
ボディ2の設計の容易化を図ることができる。
【0052】ところで、本実施の形態に係るエンジン1
においては、インジェクタ30のシリンダボディ2に対
するシリンダ軸線方向(図2の上下方向)の取付位置は
次のように設定されている。
【0053】即ち、図2に示すように、シリンダボディ
2の上端面からインジェクタ30の取付位置までの距離
をA、図示のように下死点(BDC)にピストン4が位
置するときのシリンダボディ2の上端面からピストン4
の頂面までの距離をL、ピストン4が図2に鎖線にて示
すように上死点(TDC)にあるときのシリンダボディ
2の上端面から上方のリング溝11の下端位置までの距
離をRS、シリンダボディ2の上端面から排気ポート2
1aの上縁までの距離をESとするとき、 RS<A<0.3L 0.35ES<A<0.65ES を満足する高さ位置にインジェクタ30が取り付けられ
ている。
【0054】而して、上記高さ位置にインジェクタ30
を取り付けることによって、爆発行程の初期においてピ
ストン4によってインジェクタ30への熱負荷を緩和し
つつ、従来のエンジンよりも長い噴射可能域を確保する
ことができる。
【0055】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、請求項1
記載の発明によれば、シリンダ壁にインジェクタを取り
付け、該インジェクタから燃料をシリンダ内に直接噴射
する2サイクル筒内噴射エンジンにおいて、前記インジ
ェクタから噴射される燃料噴霧のコーンアングルを15
°〜30°に設定したため、混合気の均一性を良好に保
つことができるという効果が得られる。
【0056】請求項2記載の発明によれば、インジェク
タの複数の燃料噴射孔から噴射される燃料噴霧のシリン
ダ軸線方向の全幅をシリンダ軸線に直角な方向の全幅よ
りも小さく設定したため、混合気の均一性を良好に保ち
つつエンジンに高い熱効率を確保することができるとい
う効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る2サイクル筒内噴射エンジンの燃
料噴射システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る2サイクル筒内噴射エンジンの縦
断面図である。
【図3】本発明に係る2サイクル筒内噴射エンジンのイ
ンジェクタの縦断面図である。
【図4】図3のa部拡大詳細図である。
【図5】図4の矢視b方向の図である。
【図6】本発明に係る2サイクル筒内噴射エンジンにお
けるインジェクタから噴射される燃料噴霧の状態を示す
断面図である。
【図7】図6のc−c線断面図である。
【図8】本発明に係る2サイクル筒内噴射エンジンを搭
載して成るスクータ型自動二輪車の側面図である。
【符号の説明】
1 2サイクル筒内噴射エンジン 2 シリンダボディ(シリンダ壁) 3 シリンダ 30 インジェクタ 44 プレート 44a 燃料噴射孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村松 得次 静岡県磐田市新貝2500番地ヤマハ発動機株 式会社内 Fターム(参考) 3G023 AA07 AB01 AC05 AD03 AF02 3G066 AA02 AA08 AB02 AD13 BA02 BA04 CC24 CC35 CC48 CD28

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ壁にインジェクタを取り付け、
    該インジェクタから燃料をシリンダ内に直接噴射する2
    サイクル筒内噴射エンジンにおいて、 前記インジェクタから噴射される燃料噴霧のコーンアン
    グルを15°〜30°に設定したことを特徴とする2サ
    イクル筒内噴射エンジン。
  2. 【請求項2】 前記インジェクタの複数の燃料噴射孔か
    ら噴射される燃料噴霧のシリンダ軸線方向の全幅をシリ
    ンダ軸線に直角な方向の全幅よりも小さく設定したこと
    を特徴とする請求項1記載の2サイクル筒内噴射エンジ
    ン。
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JP2007269319A (ja) * 2001-09-27 2007-10-18 Yamaha Motor Co Ltd 自動二輪車用燃料噴射エンジンの燃料ホース取付構造

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JP4690364B2 (ja) * 2001-09-27 2011-06-01 ヤマハ発動機株式会社 自動二輪車用燃料噴射エンジンの燃料ホース取付構造

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