JP2001123335A - 分割型ポリエステル複合繊維 - Google Patents

分割型ポリエステル複合繊維

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JP2001123335A
JP2001123335A JP29960699A JP29960699A JP2001123335A JP 2001123335 A JP2001123335 A JP 2001123335A JP 29960699 A JP29960699 A JP 29960699A JP 29960699 A JP29960699 A JP 29960699A JP 2001123335 A JP2001123335 A JP 2001123335A
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alkali
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Kenji Yamashita
賢司 山下
Hiroshi Ishida
石田  央
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Nippon Ester Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルカリ減量加工を行うことで極細繊維とな
り、減量後においても実用的な強度を保持しつつ、染色
性が優れ、かつ、織編物として使用した際にソフトな風
合いを有する分割型ポリエステル複合繊維を提供する。 【解決手段】 繊維の横断面において、アルカリ易溶出
性成分により複数個に分割された複合繊維である。アル
カリ易溶出性成分がエチレンテレフタレート単位を主体
とし、ジカルボン酸成分のうち1〜3モル%がスルホン
酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸成分であり、かつ特
定のポリアルキレングリコールを含有するポリエステル
Aで構成され、複数個に分割されたポリエステルBが、
エチレンテレフタレート単位を主体とし、ジカルボン酸
成分の1〜3モル%がスルホン酸塩基を有する芳香族ジ
カルボン酸であり、かつダイマー酸成分を共重合したポ
リエステルで構成されており、ポリエステルA、Bのア
ルカリ減量速度が特定の式を満足する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ易溶出性
成分により複数個の部分に分割されてなる染色性に優れ
たポリエステル複合繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルカリに易溶出性成分と難溶出性成分
ポリマーとを用い、繊維横断面において、易溶出性成分
によって難溶出性成分が複数個に分割された形態の分割
型複合繊維を紡糸し、易溶出性成分を溶剤で除去するこ
とにより極細繊維を得る方法は広く行われている。
【0003】特に、易溶出性成分と難溶出性成分が互い
に相溶性のあるポリエステル系成分からなり、易溶出性
成分のアルカリによる加水分解速度を難溶出性成分より
も速めることにより分割可能とした繊維は、次のような
利点によりこれまでにも広く用いられてきた。 (1)ポリエステル繊維のアルカリ減量加工は一般的で
あり、薬品、溶出装置が特殊なものではなく、安全、か
つ安価である。 (2)紡糸、延伸、製編織等の溶出処理以前において、
易溶出性成分と難溶出性成分との間の剥離等のトラブル
がなく、安定した加工が可能である。 (3)製編織工程や得られた織編物において、充分な実
用性のある強度を有している。
【0004】これらの分割型複合繊維として、例えば、
特開昭62-78213号公報、特開平1-260018号公報には、難
溶出性成分としてポリエチレンテレフタレート、易溶出
性成分としてスルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン
酸成分を特定量共重合し、かつ、ポリアルキレングリコ
ール類を特定量含有するポリエステルを用いた複合繊維
が知られている。
【0005】この複合繊維から極細繊維を得ることはで
きるが、 1.0デニール以下の極細繊維は繊維単位重量当
たりの表面積が大きくなるため表面反射光が多くなり、
濃い色調を付与することが困難である。特に、ポリエス
テル繊維は構造が緻密で染料が拡散し難く、またガラス
転移点が高いうえに、高分子鎖中に官能基を持たないと
いった理由から染まり難く、濃色化し難いという特性が
ある。
【0006】一般に、ポリエステル繊維を染色する場
合、分散染料を用いて 120〜 130℃の高温高圧下の条件
で染色するか、あるいはキャリアーを用いて常圧沸騰状
態で染色を行う方法が用いられる。しかしながら、高温
高圧下で染色を行う方法では、染色に使用される機械装
置の操作が煩雑であることや、エネルギー的にコストが
高い等の問題がある。
【0007】また、キャリアーを用いる染色方法では、
染色助剤としてのキャリアーは、一般に有害な物質が多
いため、取扱いが難しいうえ排水時の環境に関わる問題
がある。さらに、キャリアーが繊維中の染料の染着座席
を奪ってしまうため、濃色化することが困難である。
【0008】このような欠点を改良するため、特公昭34
-10497号公報に示されているように、ポリエステル中に
カチオン染料の染着座席としてスルホン酸塩基を含有し
た芳香族ジカルボン酸成分を共重合することにより、鮮
やかな色彩を表現することが可能となり、カチオン可染
型のポリエステル繊維として用いられている。
【0009】しかしながら、染色性改善のために、スル
ホン酸塩基含有の共重合量を増加させた場合、重合と紡
糸時の安定性に欠けたり、繊維の物性が低下するという
問題が発生する。特に、アルカリによる加水分解速度
は、共重合量の増加と共に著しく速くなる。
【0010】このようなカチオン可染性のポリエステル
を分割割繊型の難溶出性成分に使用すると、アルカリ処
理により易溶出成分を溶出除去する場合に、両成分の加
水分解速度が速すぎる上、極細繊維であるがために繊維
の表面積が極端に大きくなり、目的とする減量率に制御
することが困難である。また、極細繊維のため、通常の
繊維と比較してアルカリによるダメージが大きく、糸条
の強度が低下するという問題を有していた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決し、アルカリ易溶出性成分により複数個の部分に
分割された分割型ポリエステル複合繊維において、アル
カリ減量処理を施したときに易溶出性成分のみが速やか
に溶解除去され、安定したアルカリ減量処理が可能であ
り、かつ、極細繊維に分割された後に染色性に優れた極
細繊維となる分割型ポリエステル複合繊維を提供するこ
とを技術的な課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するするための手段】本発明は、上記した
課題を解決するもので、その要旨は次のとおりである。 (1) 繊維の横断面であって、アルカリ易溶出性成分によ
り複数個に分割された複合繊維において、アルカリ易溶
出性成分がエチレンテレフタレート単位を主体とし、ジ
カルボン酸成分のうち1〜3モル%がスルホン酸塩基を
有する芳香族ジカルボン酸成分であり、かつ平均分子量
1000〜10000のポリアルキレングリコールを5
〜15重量%含有するポリエステルAで構成され、複数
個に分割されたポリエステルBが、エチレンテレフタレ
ート単位を主体とし、ジカルボン酸成分の1〜3モル%
がスルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸であり、
かつダイマー酸成分を1〜5モル%共重合したポリエス
テルで構成されており、ポリエステルA、Bのアルカリ
減量速度が下記式、を同時に満足することを特徴と
する分割型ポリエステル複合繊維。 a/b > 60 …… b < 0.15 …… ただし、 a:ポリエステルAのアルカリ減量速度(重量%/分) b:ポリエステルBのアルカリ減量速度(重量%/分)
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明における複合繊維は、繊維の横断面におい
て、アルカリ易溶出性成分により複数個に分割された形
態を有するものである。図1(a) 〜(f) は、このような
複合繊維の具体例を示す横断面模式図であり、図中、A
はアルカリ易溶出性成分であるポリエステルA、Bはポ
リエステルAにより複数個に分割されたポリエステルB
を示す。複合繊維の形状は、丸断面形状のみでなく、三
角断面、十字断面等の異形型断面形状でもよい。また、
図1(f) のように繊維の断面中に中空部Cを有していて
もよい。
【0014】本発明において、ポリエステルA、Bは、
次の構成であることが重要である。まず、ポリエステル
Aは、エチレンテレフタレート単位を主体とし、ジカル
ボン酸成分のうち1〜3モル%がスルホン酸塩基を有す
る芳香族ジカルボン酸成分が共重合されており、かつ平
均分子量1000〜10000のポリアルキレングリコ
ールを5〜15重量%含有するものである。
【0015】また、ポリエステルBは、ジカルボン酸成
分の1〜3モル%がスルホン酸塩基を有する芳香族ジカ
ルボン酸成分であり、かつダイマー酸が1〜5モル%共
重合されたものである。
【0016】両成分のスルホン酸塩基を含有する芳香族
ジカルボン酸成分としては、5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸、5−ナトリウムスルホテレフタル酸、5−カ
リウムスルホイソフタル酸、5−カリウムスルホテレフ
タル酸、5−リチウムスルホイソフタル酸等が挙げら
れ、特に5−ナトリウムスルホイソフタル酸が好適であ
る。
【0017】ポリエステルAにおけるスルホン酸塩基を
有する芳香族ジカルボン酸成分の共重合量が1モル%未
満では、アルカリに対する溶解速度が遅くなり、ポリエ
ステルBとの溶解速度差を大きくすることが難しくなる
ため、十分な分割をすることができなくなる。一方、こ
の共重合量が3モル%を超えると製糸性が極端に悪くな
り、紡糸工程での糸切れが多発する。
【0018】また、ポリエステルAに含有させるポリア
ルキレングリコールは、ポリエステルA中においてアル
カリでいち早く溶解されることにより、ポリエステルA
の分子鎖を切断し、また、表面にボイドを発生させて表
面積を増すことなどにより溶解速度を速める作用をする
ものである。
【0019】ポリアルキレングリコールは、分子量が1
000〜10000のものであることが必要である。分
子量がこの範囲よりも小さいと、ポリエステルAのガラ
ス転移温度を低下させるため、紡糸工程で融着が発生し
やすくなり、製糸性が悪化する。一方、分子量がこの範
囲よりも大きいと、ポリエステルとの相溶性が悪くなる
ため、ポリエステルA中に均一に重合することが困難で
ある。
【0020】また、ポリアルキレングリコールの含有量
が5重量%未満であると、ポリエステルAのアルカリに
対する溶解速度が遅くなる。また、15重量%を超える
と製糸性が悪くなり、紡糸工程での糸切れが発生しやす
くなる。なお、ポリエステルAには、必要に応じて二酸
化チタン等の艶消剤、ヒンダードフェノール系化合物等
の酸化防止剤、耐熱材、難燃剤、制電剤、着色剤等の添
加剤を配合することができる。
【0021】本発明におけるもう一方の成分であるポリ
エステルBは、エチレンテレフタレートを主体とし、染
色性を向上するためにジカルボン酸成分の1〜3モル%
がスルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸成分が共
重合されている必要がある。分割割繊後に極細繊維とな
るため、スルホン酸塩基が1モル%未満になると、カチ
オン染料に対する十分な染色効果が得られない。一方、
スルホン酸塩基が3モル%を超えると製糸性が悪くな
り、紡糸工程での糸切れが多発する。
【0022】また、ポリエステルBに共重合されている
ダイマー酸は、炭素原子数10以上の脂肪族モノカルボ
ン酸の2量体であり、例えば、オレイン酸をニッケル存
在下に加圧系でカップリングして得ることができる。ダ
イマー酸の市販品としては、エメリー社製エンポール1
008等が挙げられる。ポリエステルBに対するダイマ
ー酸の共重合の割合は、全酸成分に対して1〜5モル%
である。この共重合の割合が1モル%未満になると、易
染性や耐アルカリ性を向上させる効果が不十分となる。
すなわち、スルホン酸塩基が共重合されているうえ、ア
ルカリ減量処理後に得られる極細繊維は表面積が大きい
ので、アルカリ処理時に減量が促進されやすくなる。5
モル%を超えると、ポリエステルBの融点が降下するな
ど繊維物性が著しく低下するた。
【0023】易溶出性成分のポリエステルAに対する分
割された成分のポリエステルBのアルカリ減量速度が1
/60倍未満であり、ポリエステルBのアルカリ減量速
度は0.15重量%/分未満である必要がある。アルカ
リ減量速度がこの領域から外れると、両成分のアルカリ
加水分解速度が速すぎるために、ポリエステルAのみで
なくポリエステルBの減量速度も促進され、目的とする
減量率の制御ができなくなる。また、ポリエステルBの
減量率も進んでしまい、減量後の極細糸の強伸度が大き
く低下してしまうため実用的でなくなる。そのうえ、目
的とする減量率とした場合においても、ポリエステルB
の減量率が高くなりすぎることで、一部に未割繊の極細
糸条が残存するようになる。その結果、織編物とした場
合の風合いが著しく悪化する。
【0024】本発明においては、本質的な特性を損なわ
ない限り、ポリエステルBに他の共重合成分を少量含有
させてもよい。共重合成分の具体例としては、イソフタ
ル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン
酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等の脂肪族
ジカルボン酸、プロピレングリコール、1-4 ブタンジオ
ール、ジエチレングリコール等のグリコール成分、4−
ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸成分等
を挙げることができる。なお、ポリエステルBには必要
に応じて、二酸化チタン等の艶消剤、ヒンダードフェノ
ール系化合物等の酸化防止剤、耐熱材、難燃剤、制電
剤、着色剤等の添加剤を配合してもよい。
【0025】
【作用】本発明の分割型ポリエステル複合繊維は、アル
カリ減量処理を施したときに易溶出性成分であるポリエ
ステルAのみを速やかに溶解除去し、極細繊維に分割し
た後に良好な染色性を有することを可能としたものであ
る。これは、複数個に分割されたポリエステルBに共重
合されているダイマー酸が嵩高な分子構造であり、立体
障害によってアルカリにより加水分解を阻害する効果が
あるため、染色性に有効であるスルホン酸塩基成分を有
する芳香族ジカルボン酸成分を共重合することを可能と
したためと推定される。また、ダイマー酸が共重合され
ているため、ポリエステルの緻密な分子構造が一部緩和
されてカチオン染料が内部に入りやすくなり、スルホン
酸塩基成分を有するジカルボン酸成分の共重合との相乗
効果で染色性を著しく向上できるものと推定される。
【0026】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
る。 (a)強伸度 複合繊維を筒編みし、60℃で20分間の精錬を行った
後、浴比1:50、5重量%の水酸化ナトリウム水溶液
70℃を用い、25%のアルカリ減量処理を行う。その
後、筒編み地を解き、オリエンティック社製テンシロン
万能試験機 RTC-1210 型を用い、50cmの資料を50cm/分
の速度で引張試験して測定した。 (b)アルカリ減量速度 各ポリエステルのアルカリ減量速度は、75d/36f
の延伸糸の筒編みし、以下の方法で測定した。浴比1:
50、5重量%の水酸化ナトリウム水溶液70℃で20
分間減量処理を行い、次式により求める。 減量速度(重量%/分)=〔(A−B)/A×100〕
/t A:筒編み地の減量前の重量(g) B:筒編み地の減量後の重量(g) t:アルカリ減量処理時間(分) (c)染色性 (a)で作成したアルカリ減量処理後の筒編み地を染料
Astrazon Bule FRR 200%、均染剤 酢酸0.2ml/l ・酢
酸ナトリウム0.2g/l、浴比1:50の染液で、130℃
×30分間の染色を施した。染料濃度は2.5%owf
と、5.0%owfの2種類とした。2種類の染料濃度で
測定した筒編み地を、色彩色差計ミノルタ社製CR-100型
を用いて測定した。各染料濃度の染色性は、L値で評価
した。L値の値が小さい程、染色後の筒編み地は視覚的
判断と同様濃染化していた。 (d)風合い (c)で使用した染色後の筒編み地の風合いを10人の
パネラーによる官能試験により、次の4段階で評価し
た。 ◎……10人中9人以上が軟らかいと評価。 ○……10人中7〜8人が軟らかいと評価。 △……10人中4〜6人が軟らかいと評価。 ×……10人中3人以下が軟らかいと評価。 評価が◎と○の筒編み地を、風合いが合格とした。
【0027】実施例1 ポリエステルAとして、5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸(SIP-Na)を2.5モル%、平均分子量8000の
ポリエチレングリコール(PEG)を12.0重量%共重合
した極限粘度0.72の共重合ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエステルBとして、5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸(SIP-Na)を2.0モル%、ダイマー酸を4
モル%共重合した極限粘度0.65の共重合ポリエチレ
ンテレフタレートを用い、糸条の横断面形状が図1
(d)に示すようにポリエステルAがポリエステルBを
8個に分割するように設計された48孔を有する紡糸口
金を用い、紡糸温度300℃、ポリエステルA/Bの複
合重量比80/20、吐出量38g/分で紡糸し、冷
却、油剤付与を行いながら、3500m/分の速度で巻
き取り、110d/48fの高配向未延伸糸(POY)
を採取した。
【0028】次に、このPOYを80℃の加熱ローラを
介し、1.55倍に延伸し、さらに150℃のヒートプ
レート上で熱処理を行い、75d/48fの延伸糸を得
た。
【0029】実施例2〜4、比較例1〜4 表1に示すように、ポリエステルAとポリエステルBの
組成変更、及び糸条の断面形状を変更した以外は、実施
例1と同様にして延伸糸を得た。各延伸糸の評価結果を
併せて表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】実施例1〜4は、ポリエステルBがスルホ
ン酸金属塩を共重合しているにも関わらず、アルカリ減
量速度が抑制されているため、複合繊維のアルカリ減量
処理後の強伸度低下も小さく、またダイマー酸が共重合
されているため染料が繊維の内部まで入りやすくなり、
カチオン染料による染色性も良好であった。減量割繊も
良好で、風合いが十分にソフトなものであった。
【0032】一方、比較例1〜3は、ポリエステルBの
アルカリ減量速度が速く、複合繊維をアルカリ減量処理
する時にポリエステルAのみでなく、ポリエステルBの
減量も進んでしまうため、強伸度低下が大きくなった。
染色性については、比較例1、2はカチオン染料による
染色はされるものの、実施例1〜4と比較して劣ってい
た。また、比較例3は、ポリエステルBのスルホン酸金
属塩の共重合量が少なく、染色性はかなり劣っていた。
減量割繊については、ポリエステルBの減量が進んでし
まうため、減量率25%では一部未割繊の糸条が残存
し、風合いが堅くなった。次に、比較例4は、ポリエス
テルBがスルホン酸金属塩を共重合していないため、ア
ルカリ減量後の強伸度、風合い共に良好であるが、カチ
オン染料では染色されないため、極細糸の発色性に劣る
ものとなった。
【0033】
【発明の効果】本発明の分割型ポリエステル複合繊維
は、アルカリ減量加工を施すことによりソフトな風合い
を発現することができ、かつ、減量後においても強度低
下が小さく、発色性も良好な織編物とすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における分割型ポリエステル複合繊維の
具体例を示す横断面模式図である。
【符号の説明】
A 易溶出性成分のポリエステルA B 難溶出性成分のポリエステルB C 中空部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維の横断面において、アルカリ易溶出
    性成分により複数個に分割された複合繊維であって、ア
    ルカリ易溶出性成分がエチレンテレフタレート単位を主
    体とし、ジカルボン酸成分のうち1〜3モル%がスルホ
    ン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸成分であり、かつ
    平均分子量1000〜10000のポリアルキレングリ
    コールを5〜15重量%含有するポリエステルAで構成
    され、複数個に分割されたポリエステルBが、エチレン
    テレフタレート単位を主体とし、ジカルボン酸成分の1
    〜3モル%がスルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン
    酸であり、かつダイマー酸成分を1〜5モル%共重合し
    たポリエステルで構成されており、ポリエステルA、B
    のアルカリ減量速度が下記式、を同時に満足するこ
    とを特徴とする分割型ポリエステル複合繊維。 a/b > 60 …… b < 0.15 …… ただし、 a:ポリエステルAのアルカリ減量速度(重量%/分) b:ポリエステルBのアルカリ減量速度(重量%/分)
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