JP2001122973A - 微粒化セルロ−ス系素材懸濁液の製造方法、微粒化セルロ−ス系素材の製造方法、及び微粒化セルロ−ス系素材懸濁液の製造装置 - Google Patents

微粒化セルロ−ス系素材懸濁液の製造方法、微粒化セルロ−ス系素材の製造方法、及び微粒化セルロ−ス系素材懸濁液の製造装置

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JP2001122973A
JP2001122973A JP30781599A JP30781599A JP2001122973A JP 2001122973 A JP2001122973 A JP 2001122973A JP 30781599 A JP30781599 A JP 30781599A JP 30781599 A JP30781599 A JP 30781599A JP 2001122973 A JP2001122973 A JP 2001122973A
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sludge
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Motokazu Kikuchi
基和 菊地
Ikuro Sato
幾郎 佐藤
Tatsuya Saeki
達也 佐伯
Hideki Morita
英樹 森田
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Morinaga Milk Industry Co Ltd
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Morinaga Milk Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 連続製造が可能であり、製造量が大きく工業
的規模での連続製造に好適であり、しかもエネルギ−コ
ストが安価な、微粒化セルロ−ス系素材の懸濁液の製造
方法等を提供すること。 【解決手段】 少なくとも、a)原料のセルロ−ス系素
材を液に懸濁し原料懸濁液を調製する工程、b)調製し
た原料懸濁液より、前記原料のセルロ−ス系素材よりも
平均粒径が小さいセルロ−ス系素材を含有する懸濁液を
分離する工程、c)分離した懸濁液を、微粒化セルロ−
ス系素材の懸濁液として取得する工程、からなる微粒化
セルロ−ス系素材懸濁液の製造方法、微粒化セルロ−ス
系素材の製造方法、及び微粒化セルロ−ス系素材懸濁液
の製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平均粒径が小さい
セルロ−ス系素材が懸濁された懸濁液の製造方法、この
方法を利用したセルロ−ス系素材の製造方法、及びセル
ロ−ス系素材の懸濁液の製造装置に関する。
【0002】更に詳しくは、本発明は、従来大量製造が
困難であった平均粒径が小さいセルロ−ス系素材又はそ
の懸濁液を、簡便に、低コストで、しかも連続的に製造
することを可能にした製造方法、及び装置に関する。
【0003】本発明において「粒度分布」とは、特に断
わりのない限りレ−ザ−回折・散乱式粒度分布測定装置
によって得られる体積基準粒度分布である。また、本発
明において「平均粒径」とは、特に断わりのない限り積
算体積50%の粒径(メジアン径)を意味し、この平均
粒径は前記レ−ザ−回折・散乱式粒度分布測定装置によ
って測定することが可能である。
【0004】
【従来の技術】従来から、種々の飲食品、医薬品、化粧
品等の分野において、セルロ−ス系素材が利用される傾
向にある。このようなセルロ−ス系素材としては、結晶
セルロ−スが代表的なものである。
【0005】一般に結晶セルロ−スは、セルロ−スを酸
加水分解又はアルカリ加水分解して得られる実質的に一
定の重合度を有するセルロ−ス微結晶子集合物である。
即ち、高純度の特殊セルロ−ス系素材粉体であって、そ
の特徴は、人体に無害であり、カビ、細菌等の微生物に
容易に汚染されず、化学的に不活性であり、更に、白色
で無味無臭である点にあり、このため、広範な用途が知
られている(「食品添加物総覧」、第62ペ−ジ、株式
会社食品化学新聞社、平成3年12月20日)。
【0006】このような結晶セルロ−スの代表例として
は、市販品では「アビセル」(登録商標。以下同じ。)
を例示することができる。アビセルは、飲料の分野にお
いては分散安定剤として利用されており、特に、ココア
飲料、カルシウム等の無機質含有飲料、コ−ヒ−飲料
等、液中に種々の不溶成分を分散させたスラリ−飲料に
多用されている。
【0007】一般のスラリ−飲料においては、液中の不
溶成分が沈殿し、容器の底に滞積するという問題があっ
た。従来は、この問題を軽減するために、スラリ−飲料
にセルロ−ス系素材を分散懸濁させることが行われてい
た。
【0008】セルロ−ス系素材を添加した場合には、液
中にセルロ−ス系素材の架橋が形成され、この架橋が各
種不溶成分を保持するため、不溶成分の沈殿を抑制する
ことができる。
【0009】このように、セルロ−ス系素材は、液中の
不溶成分を安定化させる分散安定化作用を有するが、こ
のような分散安定化の能力が可及的に高いセルロ−ス系
素材が、市場から求められている。
【0010】また飲食品に添加されるセルロ−ス系素材
は、粒子が荒い場合には、消費者から「舌触りが悪い」
との評価を下される恐れがあり、この点の解決も望まれ
ている。
【0011】一般に、セルロ−ス系素材においては、平
均粒径が小さいものほど前記分散安定化の能力が高いこ
とが知られており、また「舌触り」に関しても粒子径が
小さいほど良好になることが知られている。特に、「舌
触り」に関しては、粒径3μm以下の粒子であれば舌の
上でザラツキを感じることがないという事実が知られて
いる[例えば、デイリー・フーズ(DAIRY FOODS) 、第8
9巻、第5号、第48〜49ペ−ジ、1988年]。
【0012】このように、液中の不溶成分に対する分散
安定化能力が高く、かつ舌触りの良いセルロ−ス系素材
を得ることを目的として、従来から、セルロ−ス系素材
を粉砕処理して平均粒径を小さくする技術が実用化され
ている。
【0013】即ち、原料となるセルロ−ス系素材を液に
懸濁し、この懸濁液(以下、原料懸濁液と記載すること
がある。)を粉砕処理し、原料懸濁液を、前記原料とな
るセルロ−ス系素材の平均粒径よりも小さい平均粒径を
有するセルロ−ス系素材(以下、「微粒化セルロ−ス系
素材」と記載することがある。)の懸濁液に変換するの
である。
【0014】例えば、特公昭62−30220号公報に
は、セルロ−ス系素材を液に懸濁して原料懸濁液を調製
し、これを均質機等に通液し、少なくとも200kg/
cm 2(約20MPa)の圧力差で小径オリフィス(均
質機)を通過させることによって、前記セルロ−ス系素
材を粉砕し、微粒化セルロ−ス系素材の懸濁液とする技
術が開示されている(以下、この技術を従来技術1と記
載する。)。
【0015】また、特公平6−11793号公報には、
同様に原料懸濁液を湿式粉砕機に通液して粉砕処理する
ことにより、微粒化セルロ−ス系素材の懸濁液とする技
術が開示されている(以下、この技術を従来技術2と記
載する。)。
【0016】尚、補足すれば、従来技術2においては、
積算体積50%の粒径が0.3〜6μmであり、かつ3
μm以下の粒子の積算体積割合が25%以上である微粒
化セルロ−ス系素材の懸濁液を取得することができると
されている。
【0017】また、特開平5−255513号公報に
は、同様に原料懸濁液をナノマイザ−(登録商標)に通
液し、200m/sの速度で対面衝突させることによっ
て、微粒化セルロ−ス系素材の懸濁液となす技術が開示
されている(以下、この技術を従来技術3と記載す
る。)。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術1乃至従
来技術3は、基本的にセルロ−ス系素材を、均質機、ナ
ノマイザ−、湿式粉砕機等の粉砕機器を通過させること
により微粒化セルロ−ス系素材となす技術である。
【0019】しかしながら、一般にセルロ−ス系素材
は、粉砕機器を1回通過させただけでは十分に粉砕する
ことはできないため、前記従来技術1乃至従来技術3に
おいては、原料懸濁液を反復して粉砕処理しなければな
らなかった。
【0020】この傾向は、特に従来技術1及び従来技術
2においては顕著であり、実際、従来技術1では原料懸
濁液を均質化装置に20回も反復して通過させており、
また従来技術2では原料懸濁液を湿式粉砕機に5回以上
反復して通過させている。
【0021】また、前記従来技術3においては、原料懸
濁液を高速で噴出させるために処理量が小さくならざる
をえず、工業的規模での実施は困難であった。
【0022】このように、前記従来技術1及び従来技術
2においては、粉砕処理を反復して行う必要があり、ま
た前記従来技術3においては、処理量を上げることがで
きないため、いずれも単位時間あたりの製造量が制限さ
れ、製造コストが高価になるという問題があった。
【0023】また、一般に、粉砕処理はエネルギ−消費
量が高く、ランニングコストが高価な処理方法であるた
め、より効率の高い粉砕方法が求められているが、この
観点から前記従来技術を見れば、前記従来技術の粉砕処
理は効率的とは言い難いものであった。
【0024】即ち、一般に、懸濁液には、粉砕する必要
のない小径の粒子が存在しており、このような小径の粒
子を粉砕装置に通液することは全くの無駄であるとこ
ろ、前記従来技術では、粉砕するべき大径粒子ととも
に、粉砕する必要がない小径の粒子をも同時に処理して
いるため、エネルギ−的に無駄が多いのである。
【0025】また、前記従来技術1及び従来技術2にお
いては、原料懸濁液の粉砕処理を反復して行う必要があ
るが、粉砕処理を反復する度に、懸濁液の粘度が上昇す
るために、粉砕の進行につれて、粉砕処理に要するエネ
ルギ−も急激に増大する。
【0026】このように、前記従来技術においては、エ
ネルギ−的に効率が悪いという点も大きな問題となって
いた。
【0027】本発明者らは、微粒化セルロ−ス系素材、
又はその懸濁液を製造する技術に関し、鋭意研究を行っ
た結果、後記試験例2に記載したように、セルロ−ス系
素材においては、粉砕する必要のない小径の粒子が予想
外に高い濃度比率で存在しているという事実を発見し、
この事実に基づいて、本発明を完成させた。
【0028】本発明の目的は、連続製造が可能であり、
単位時間当たりの製造量が大きく、工業的規模での連続
製造に好適であり、しかもエネルギ−コストが安価な、
微粒化セルロ−ス系素材の懸濁液の製造方法を提供する
ことである。
【0029】本発明の他の目的は、このような製造方法
を利用した微粒化セルロ−ス系素材の製造方法を提供す
ることである。
【0030】本発明の更に他の目的は、このような方法
を実施するための装置を提供することである。
【0031】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明の第一の発明は、少なくとも、次のa)〜
c)、 a)原料のセルロ−ス系素材を液に懸濁し、原料懸濁液
を調製する工程、 b)調製した原料懸濁液から、前記原料のセルロ−ス系
素材よりも平均粒径が小さいセルロ−ス系素材を含有す
る懸濁液を分離する工程、 c)分離した懸濁液を、微粒化セルロ−ス系素材の懸濁
液として取得する工程、からなる微粒化セルロ−ス系素
材懸濁液の製造方法、である。
【0032】また、前記本発明の第一の発明は、次の
d)、 d)前記b)の工程において懸濁液を分離した後のスラ
ッジを、分離する前の原料懸濁液に戻す工程、を含むこ
と、次のe)、 e)セルロ−ス系素材を粉砕する工程、が前記a)の工
程後又は前記d)の工程中に行われること、前記b)乃
至e)の工程が、連続的に行われること、及び前記e)
の粉砕が、媒体式湿式粉砕機によって行われること、を
望ましい態様としている。
【0033】前記課題を解決するための本発明の第二の
発明は、前記第一の発明の製造方法によって微粒化セル
ロ−ス系素材懸濁液を製造し、製造した微粒化セルロ−
ス系素材の懸濁液を乾燥し、乾燥した微粒化セルロ−ス
系素材を取得することを特徴とする微粒化セルロ−ス系
素材の製造方法、である。
【0034】前記課題を解決するための本発明の第三の
発明は、原料のセルロ−ス系素材の懸濁液である原料懸
濁液を貯留する貯留タンクと、前記貯留タンクの出口に
先端が連結され原料懸濁液を送液する送液管路と、前記
送液管路の末端に連結される遠心分離機と、前記遠心分
離機のスラッジ側出口に先端が連結され末端が前記貯留
タンクに開口しスラッジを前記貯留タンクに戻す循環管
路とを備え、前記送液管路及び/又は循環管路に前記セ
ルロ−ス系素材を粉砕する粉砕手段を設けたことを特徴
とする微粒化セルロ−ス系素材懸濁液の製造装置、であ
る。
【0035】また、前記本発明の第三の発明は、前記粉
砕手段の前に、セルロ−ス系素材の濃度を調整する濃度
調整手段を備えたこと、及び前記遠心分離機のスラッジ
側出口に、遠心分離機より排出されるスラッジを希釈分
散させる希釈手段を備えたこと、を望ましい態様として
いる。
【0036】
【発明の実施の形態】本発明の第一の発明は、微粒化セ
ルロ−ス系素材の懸濁液の製造方法である。
【0037】本発明においてセルロ−ス系素材は、セル
ロースを含有する素材である。このようなセルロ−ス系
素材としては、果実及び穀物に由来する植物繊維、木材
パルプ等の精製パルプ繊維、各種食物繊維、セルロ−ス
系の天然繊維又はその精製繊維等を例示できる。
【0038】ただし、本発明においては、法的に自由に
食品に添加できる食品添加用のセルロ−ス系素材が望ま
しく、特に結晶セルロ−スが最も好ましい。
【0039】また、このようなセルロ−ス系素材に、種
々の分散補助剤(例えば、水溶性ガム類、増粘安定剤
類、各種糖類、デキストリン類、デンプン類等)、若し
くはその他の成分を混合した混合物、又はこれらを液に
懸濁して磨砕し、練合し、乾燥させたセルロ−ス系素材
の複合体であっても良く、このような混合物又は複合体
も本発明のセルロ−ス系素材の範囲に包含される。
【0040】本発明の製造方法は、基本的には、a)原
料のセルロ−ス系素材を液に懸濁し、原料懸濁液を調製
する工程、b)調製した原料懸濁液から、前記原料のセ
ルロ−ス系素材よりも平均粒径が小さいセルロ−ス系素
材を含有する懸濁液を分離する工程、c)分離した懸濁
液を、微粒化セルロ−ス系素材の懸濁液として取得する
工程、からなっている。
【0041】本発明の製造方法においては、前記a)の
原料懸濁液を調製する工程を行うが、ここに原料懸濁液
とは、原料となるセルロ−ス系素材を液に懸濁したもの
である。「セルロ−ス系素材を液に懸濁し」とは、字義
どおり解釈すれば、固形状のセルロ−ス系素材を液(例
えば、水道水、蒸留水、脱イオン水等)に懸濁する作業
を行うことである。しかしながら、予め懸濁液として調
製されたものを、例えば貯留タンク等に入れて次の工程
に進む準備を行う操作、濃度を調整する操作等も、前記
a)の原料懸濁液を調製する工程に包含される。
【0042】即ち、一般にセルロ−ス系素材は、固形物
として納品される場合もあるが、懸濁液の状態で納品さ
れる場合もあり(例えば、旭化成社製「セオラスクリ−
ム」:登録商標)、このように懸濁液の状態で納品され
た場合には、セルロ−ス系素材を液に懸濁させる作業は
不要である。しかしながら、このような懸濁液を、その
後の分離処理を行うために準備することも、前記a)の
原料懸濁液を調製する工程に包含されるのである。
【0043】調製した原料懸濁液は、前記b)の分離処
理を行う。この分離処理によって、前記c)のように、
原料のセルロ−ス系素材よりも小さい平均粒径を有する
微粒化セルロ−ス系素材の懸濁液(即ち、微粒化セルロ
−ス系素材の懸濁液)を取得するのである。
【0044】分離する方法は、自然沈降分離法でも良い
が、機械的な分離法によって行うことが好ましく、この
ような分離装置としては、液体サイクロン、クラリファ
イア−、遠心濾過機、膜分離装置等を例示することがで
きる。尚、本発明の機械的分離法としては、濾過分離
法、圧搾分離法等を例示できるが、遠心力を利用する方
法が好ましく、特に遠心沈降式の分離法が望ましい。
【0045】また、分離装置は1台に限られるものでは
なく複数台を使用しても良く、この場合は、直列若しく
は並列、又は直列並列を組み合わせて並べる等、種々の
設置態様を採ることができる。また異なる機構の分離装
置を組み合わせて使用することもできる。
【0046】分離した後は、分離した懸濁液は、微粒化
セルロ−ス系素材の懸濁液として取得することができる
が、分離した後には、それ以外の残存物(以下「スラッ
ジ」と記載する。)が発生することになる。このような
スラッジは、廃棄しても良いが、別な用途に使用しても
良い。また、別途、粉砕処理することもできる。
【0047】以上の各工程のうち、前記b)の分離する
工程、及び前記c)の分離後の懸濁液を取得する工程
は、回分式で行っても良いが、連続的に行うことが好ま
しい。また、この場合、前記a)の原料懸濁液を調製す
る工程も、連続的に行なっても良い。尚、回分式で行う
場合は、前記b)及びc)の工程は、反復して複数回行
うこともできる。
【0048】以上の本発明の製造方法によって得られる
微粒化セルロ−ス系素材は、その粒度分布又は平均粒径
は、分離する際の条件によって適宜最適なものにするこ
とが可能である。この場合、前記従来技術2の特公平6
−11793号公報に記載された「積算体積50%の粒
径が0.3〜6μmであり、かつ3μm以下の粒子の積
算体積割合が25%以上」の微粒化セルロ−ス系素材で
あることが最も好ましい。何故ならば、このような素材
は、従来から有用な素材として知られているからであ
る。
【0049】この従来技術2においては、このように有
用な微粒化セルロ−ス系素材の懸濁液を取得するために
は、粉砕機に原料懸濁液を反復して通過させる必要があ
った。しかしながら、本発明では、原料懸濁液を単に分
離処理するだけである。従って、従来、このように反復
処理しなければ得られなかった懸濁液を、本発明の製造
方法により製造する利点は特に大きいのである。
【0050】尚、本発明の方法により得られた微粒化セ
ルロ−ス系素材の懸濁液は、後記試験例3からも明らか
なように(図10参照)、全ての粒子が粒径10μm以
下の粒子で占められているものが望ましく、特に、3μ
m以下の粒子の積算体積割合が97%以上、及び/又は
1μm以下の粒子の積算体積割合が86%以上のものが
好ましい。
【0051】以上の本発明の製造方法の特徴を説明すれ
ば、前記従来技術1乃至3においては、専ら、粉砕処理
を行うことによって微粒化セルロ−ス系素材の懸濁液を
得ていたが、本発明では、これを分離処理することによ
って取得することを特徴とする。
【0052】尚、以下の説明においては、分離処理によ
る取得目的である粒径の小さい粒子を小径粒子と記載
し、それ以外の粒子を大径粒子と記載して区別するもの
とする。
【0053】従来、セルロ−ス系素材の懸濁液に対して
分離処理が行われてこなかった理由は、一般に、セルロ
−ス系素材の中で、小径粒子の存在比率は極めて少ない
と考えられていたためである。換言すれば、分離処理に
よって小径粒子を取得する操作は効率が悪いと考えられ
ていたためである。
【0054】即ち、一般に、セルロ−ス系素材の懸濁液
について、レ−ザ−回折・散乱式粒度分布測定装置によ
って粒度分布を測定した場合には、粒径3μm以下の粒
子の存在比率は極めて小さいという結果となる(後記試
験例1参照)。このような測定事実から、従来は、原料
懸濁液の分離処理を行うことは非効率であると考えられ
ていたのである。
【0055】しかしながら、本発明者らは、後記試験例
2に示すように、原料懸濁液を遠心沈降させて上澄層と
沈殿層とに分離したところ、上澄層には比較的小さい粒
子が浮遊しており、しかも驚くべきことに、重量に換算
すれば、この上澄層に浮遊している粒子の量は、沈殿層
に固まっている粒子の量よりも多いという事実を発見し
たのである。即ち、この事実は大径粒子を粉砕するより
も、小径粒子を分離して取得するほうが遥かに効率が良
いことを意味している。
【0056】以上のように、本発明は、従来に増して、
効率良く微粒化セルロ−ス系素材懸濁液を取得すること
ができる方法なのである。
【0057】本発明の製造方法においては、次のd)、 d)前記b)の工程において懸濁液を分離した後のスラ
ッジを、分離する前の原料懸濁液に戻す工程、を含むこ
とを望ましい態様とする。
【0058】原料懸濁液を分離処理し、微粒化セルロ−
ス系素材の懸濁液を得た場合にはスラッジが発生する。
このスラッジには、引き続き小径粒子が存在している可
能性がある。そこで、このスラッジを、分離する前の原
料懸濁液に戻すことにより、再度分離処理することがで
きるのである。
【0059】例えば、管路を設けてスラッジを分離装置
の上流側の配管に戻しても良く、また、一端貯留した上
で原料懸濁液のタンクに戻しても良い。このような態様
であれば、無駄なく小径粒子を分離することができる。
【0060】尚、前記b)の懸濁液を分離する工程が連
続的に行われる場合は、このd)のスラッジを戻す工程
も、連続的に行うことが望ましい。尚、この場合は、前
記a)の原料懸濁液を調製する工程も連続的に行っても
良い。
【0061】また、本発明は、更に、次のe)、 e)セルロ−ス系素材を粉砕する工程、が前記a)の工
程後又は前記d)の工程中に行われることを望ましい態
様としている。
【0062】前記従来技術1乃至従来技術3は、専ら粉
砕処理によって微粒化セルロ−ス系素材の懸濁液を得る
ものであるが、このような粉砕処理を、本発明と組み合
わせることもできるのである。
【0063】本発明における粉砕工程は、分離処理を行
う前の懸濁液か、又は、分離処理を行った後のスラッジ
に対して行うことができる。即ち、前記e)の粉砕は、
前記a)の原料懸濁液を調製する工程後であって前記
b)の懸濁液を分離する工程の前か、又は前記d)のス
ラッジを戻す工程の途中か、いずれかにおいて行うこと
が望ましく、これらの双方において行うことも可能であ
る。
【0064】粉砕に使用する粉砕装置は、液に懸濁され
た粒子を粉砕できる装置であれば如何なるものでも良
く、特に制約はない。例えば、前記従来技術1乃至従来
技術3に開示された、ホモゲナイザ−、ナノマイザ−、
媒体式湿式粉砕機等を使用することも可能である。
【0065】また、粉砕装置は1台に限られるものでは
なく複数台を使用しても良く、この場合は、直列若しく
は並列、又は直列並列を組み合わせて並べる等、種々の
設置態様を採ることができる。また異なる機構の粉砕装
置を組み合わせて使用することもできる。
【0066】このような態様であれば、セルロ−ス系素
材に対して、小径粒子を分離すると同時に粉砕処理を行
うことになるため、極めて効率良く微粒化セルロ−ス系
素材の懸濁液を得ることができる。
【0067】尚、前記b)の懸濁液を分離する工程、又
は前記d)のスラッジを戻す工程が連続的に行われる場
合は、このe)の粉砕の工程も、連続的に行うことが望
ましい。尚、この場合は、前記a)の原料懸濁液を調製
する工程も連続的に行っても良い。この場合は、粉砕の
装置は、連続式の粉砕装置を採用する。
【0068】また、前記e)の粉砕の工程は、どちらか
といえば前記d)のスラッジを戻す工程の途中で行うこ
とが望ましい。即ち、分離処理が終了した後のスラッジ
に対してのみ、粉砕処理を行うのである。
【0069】スラッジは、大径粒子が多く含まれている
ことになるが、専らスラッジに対して粉砕処理を行うこ
とによって、大径粒子に対して選択的に粉砕処理を行う
ことになり、極めて効率的に微粒化セルロ−ス系素材の
懸濁液を得ることができる。
【0070】即ち、前記従来技術1〜3においては全て
の粒子を粉砕処理していたが、この態様では、大径粒子
のみを選択して粉砕することができるため、効率が良
く、エネルギ−コストが安価になるのである。
【0071】また、本発明の製造方法にあっては、少な
くとも、前記b)の分離処理する工程、前記d)のスラ
ッジを戻す工程、及び前記e)の粉砕処理する工程、並
びに前記c)の微粒化セルロ−ス系素材の懸濁液を取得
する工程を、連続的に行うことが望ましい。これらの工
程を連続的に行うことは、大量生産を可能とし、本発明
の効果を最大限に享受することができるためである。
尚、この場合、前記a)の原料懸濁液を調製する工程
も、連続的に行っても良いことは言うまでもない。
【0072】また本発明においては、前記粉砕の工程
は、媒体式湿式粉砕機によって行うことを望ましい態様
とする。
【0073】一般に、媒体式湿式粉砕機は、ガラス球、
セラミック球、金属球等の各種の媒体が充填された密閉
容器又は開放容器に、この媒体を撹拌する撹拌翼を備え
た粉砕装置である。連続式の媒体式湿式粉砕機であれ
ば、容器に懸濁液を連続的に通液し、媒体を撹拌し、媒
体同士の摩砕作用によって懸濁液中の粒子を連続的に粉
砕する。回分式の装置であれば、容器に懸濁液を投入し
た後、媒体を撹拌させて同様に懸濁液中の粒子を粉砕す
る。
【0074】このような媒体式湿式粉砕機であれば、セ
ルロ−ス系素材を確実に粉砕することができる。尚、一
般に、媒体式湿式粉砕機が連続式である場合は、密閉容
器が使用され、回分式である場合は開放容器が使用され
る。
【0075】本発明の第二の発明は、微粒化セルロ−ス
系素材の製造方法である。この微粒化セルロ−ス系素材
は、前記第一の発明の懸濁液の製造方法によって得られ
た懸濁液を乾燥して得られるものである。乾燥方法、乾
燥手段は、いかなるものでも良い。
【0076】この場合、懸濁液に対し、水溶性ガム類等
の分散剤、その他の成分を添加して乾燥し、混合物又は
複合体として取得しても良い。このようなセルロ−ス系
素材の混合物又は複合体も、本発明の微粒化セルロ−ス
系素材の範囲に包含される。
【0077】本発明の第三の発明は、微粒化セルロ−ス
系素材の懸濁液の製造装置である。以下に前記課題を解
決するために創出した本発明の装置の発明を説明する
が、本発明の装置の要素には後記する実施例の要素との
対応を容易にするため、実施例の要素の符号をカッコで
囲んだものを付記している。本発明を後述の実施例の符
号と対応させて説明する理由は、本発明の理解を容易に
するためであって、本発明の技術的範囲を実施例に限定
するためではない。
【0078】図1は、本発明の製造装置の一実施例を示
す模式図である。
【0079】本発明の装置(1)は、原料懸濁液を貯留
するための貯留タンク(10)を備えている。貯留タン
ク(10)には、別途、ミキサ−(11)を付属させて
も良い。また、貯留タンク(10)には、撹拌手段(1
6、17)を設けることが望ましい。
【0080】この貯留タンク(10)の出口には、送液
管路(20)の先端が連結されており、この送液管路
(20)の末端には、遠心分離機(30)が連結されて
いる。
【0081】尚、この送液管路(20)には、送液手
段、特に定量送液手段(21〜24)を設けることが望
ましい。ただし、遠心分離機(30)を設置する高さ位
置が、貯留タンク(10)よりも極めて低い位置であっ
て、十分な水頭によって懸濁液が送液される場合、また
遠心分離機(30)自体が懸濁液を吸入する機能を有す
る場合等、特別な場合は送液手段は不要である。
【0082】遠心分離機(30)は、製品側出口(30
b)とスラッジ側出口(30c)とを有しており、遠心
分離した後、比重の軽い液は製品側出口(30b)から
排出され、比重が重い液はスラッジ側出口(30c)か
ら排出される。
【0083】遠心分離機(30)は、1台に限られるも
のではなく、複数台の遠心分離機(30)を、直列若し
くは並列、又は直列と並列とを組み合わせて設置するこ
ともできる。
【0084】遠心分離機(30)のスラッジ側出口(3
0c)には、循環管路(40)が連結されており、この
循環管路(40)の末端は、前記貯留タンク(10)に
開口されている。
【0085】本発明の装置(1)では、送液管路(2
0)若しくは循環管路(40)、又はその両方に、粉砕
手段(50)を設置する。
【0086】例えば、循環管路(40)を介して循環す
るスラッジは、大径粒子を多く含有する懸濁液である。
従って、循環管路(40)に粉砕手段(50)を設ける
ことにより、大径粒子を選択的に粉砕処理することがで
きる。
【0087】このような粉砕手段(50)は、連続式の
ものが望ましく、高圧ホモジナイザ−、ナノマイザ−等
の各種装置であっても良い。しかしながら、後記実施例
に示すとおり、媒体式湿式粉砕機(50)が最も望まし
い。このような媒体式湿式粉砕機(50)としては、連
続式のものが好ましく、連続湿式ボ−ルミル、湿式ビ−
ズミル、アペックスミル(コトブキ技研工業社製:商
標)等を例示することができるが、特公平4−7005
0号公報に開示された装置(例えば、井上製作所社製
「スパイクミル」:商標)が望ましい。尚、このような
媒体式湿式粉砕機(50)は、適度な冷却手段(図示せ
ず)を備えるものであっても良い。また、粉砕手段(5
0)は、粉砕する強度を調節する粉砕強度調節手段(5
1)を備えていることが望ましい。
【0088】粉砕手段(50)の上流側には、粉砕手段
(50)に一定量のスラッジを送液する送液手段、特に
定量送液手段(48)を設けることが望ましいが、粉砕
手段(50)自身がポンプの機能を有する場合には、運
転条件次第では定量送液手段(48)を省略することも
可能である。
【0089】尚、粉砕手段(50)の出口側(50a)
は、循環管路(40c)が接続されており、この循環管
路(40c)の末端は前記貯留手段(10)に開口され
る。また、以上のような本発明の製造装置(1)におい
ては、円滑に連続的に運転するために、各管路にアキュ
ムレ−トタンク(図示せず)を設置しても良い。
【0090】以上のとおり構成された本発明の装置
(1)の作用は次のとおりである。
【0091】最初に、貯留タンク(10)に、原料懸濁
液を貯留する。この原料懸濁液は、最初から懸濁液の状
態で納入されたものを、そのまま貯留タンク(10)に
投入して濃度調整しても良い。また、貯留タンク(1
0)に、予め別途ミキサ−(11)を付属させ、このミ
キサ−(11)により原料懸濁液を調製し、貯留タンク
(10)に送液することもできる。また、貯留タンク
(10)自体をミキサ−の機能を付加し、貯留タンク
(10)において懸濁液を調製することも可能である。
【0092】原料懸濁液は、送液管路(20)を介して
遠心分離機(30)に送液される。送液管路(20)の
途中に粉砕手段(50)が備えられている場合は、ここ
で、原料懸濁液中のセルロ−ス系素材が粉砕される。
【0093】送液された原料懸濁液は、遠心分離機(3
0)に通液され、ここで遠心分離される。遠心分離機
(30)の製品側出口(30b)からは、前記セルロ−
ス系素材よりも小さい平均粒径を有するセルロ−ス系素
材の懸濁液(微粒化セルロ−ス系素材の懸濁液)が排出
される。
【0094】一方、遠心分離機(30)のスラッジ側出
口(30c)からは、スラッジが排出されるが、このス
ラッジ側出口(30c)には、循環管路(40)が連結
されているため、スラッジは循環管路(40)を介し
て、前記貯留タンク(10)に戻される。尚、この循環
管路(40)の途中に粉砕手段(50)が備えられてい
る場合は、ここで、セルロ−ス系素材は粉砕される。
【0095】以上のとおり、原料のセルロ−ス系素材
は、送液管路(20)と循環管路(40)とを循環する
が、所定の粒径以下の小径粒子は遠心分離機(30)に
より分離され、微粒化セルロ−ス系素材懸濁液として連
続的に取得される。
【0096】一方、大径粒子のセルロ−ス系素材は、送
液管路(20)と循環管路(40)とを循環しながら、
粉砕手段(50)により粉砕される。
【0097】前記従来技術1乃至従来技術3のように、
粉砕処理のみを行う技術にあっては、反復して粉砕処理
する必要があったため、連続運転が困難であり、低処理
量に甘んじるほかなく、また粉砕処理を行う度に懸濁液
の粘度が上昇するため、粉砕機の運転コストが増大して
いた。
【0098】しかしながら、本発明の装置(1)では、
分離処理を組み合わせているため、セルロ−ス系素材の
うち小径粒子のみを選択的に分離取得することができ
る。また、粉砕の効率が極めて高くなり、運転の際には
エネルギ−コストを低減することができる。更に、連続
的な製造が可能であるため、大量生産に適しており、大
規模な工場における製造装置として設置することが可能
である。
【0099】本発明の装置(1)は、粉砕手段(50)
の前に、セルロ−ス系素材の濃度を調整する濃度調整手
段(41)を備えることを望ましい態様とする。
【0100】一般に、粉砕手段(50)では、粉砕処理
するべき懸濁液の濃度が変動する場合は、粉砕の効果も
変動してしまう。従って、粉砕処理の前に、予め懸濁液
の濃度を調整することが望ましいのである。この場合
は、懸濁液の濃度を検知する検知手段(47)を設け、
この検知手段(47)の検知結果に基づいて、濃度を自
動的に制御することもできる。
【0101】また、本発明の装置(1)は、遠心分離機
(30)のスラッジ側出口(30c)に希釈手段(3
4)を備えることを望ましい態様とする。
【0102】遠心分離機(30)のスラッジ側出口(3
0c)からは、スラッジが断続的に排出されるが、この
スラッジは粘度が高いため、そのままでは送液が困難な
場合がある。この場合は、排出されたスラッジを希釈分
散させる希釈手段(34)を備え、液を添加して希釈
し、粘度を低下させることが好ましい。尚、前記濃度調
整手段(41)及び希釈手段(34)は、別体として構
成することもできるが、一体として構成することもでき
る。
【0103】以上、説明した本発明の製造方法又は製造
装置により製造した、微粒化セルロ−ス系素材又はその
懸濁液は、食品、化粧品、医薬品等の分野で好適に使用
することができる。特に、セルロ−ス系素材が結晶セル
ロ−スである場合には、スラリ−飲料の分散安定剤とし
て好適であり、ココア飲料、コ−ヒ−飲料、カルシウム
強化飲料、乳酸菌飲料、ジュ−ス類、抹茶飲料等に使用
することができる。
【0104】次に試験例を示し、本発明について詳しく
説明する。
【0105】試験例1 この試験は、セルロ−ス系素材を分離処理した場合の効
果と、その粒度分布をレ−ザ−回折・散乱式粒度分布測
定装置を用いて測定した場合に、全粒子中の小径粒子の
存在比率がどのように把握されるか、を確認するために
行った。
【0106】(1)試料の調製 水道水に市販のアビセル(旭化成社製。RC−N81)
を添加し、濃度0.25重量%に調整した上で、ホモミ
キサ−によって撹拌処理し、アビセルの懸濁液を調製し
た。このアビセルの懸濁液を試料1とした。
【0107】次いで、試料1を分離容器に分注し、実験
用遠心分離機(久保田商事社製、KS−5000)によ
って、2900ガル(28420m/s2 )、5分間の
条件で常法のとおり処理し、分離容器内の試料を上澄層
と沈殿層とに分離した。
【0108】この分離容器の上澄層を別容器に移して試
料2とし、残部の沈殿層を試料3とした。
【0109】(2)試験方法 試料1乃至試料3を適宜濃度調整した後、レ−ザ−回折
・散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA−9
10)によって粒度分布を測定した。
【0110】(3)試験結果 この試験の結果は、図2乃至図4に示すとおりである。
図2は、分離処理を行う前の懸濁液(試料1)の粒度分
布測定結果を示す図であり、図3は、分離処理を行った
後の上澄層(試料2)の粒度分布測定結果を示す図であ
り、図4は、分離処理を行った後の沈殿層(試料3)の
粒度分布測定結果を示す図である。図2乃至図4におい
て横軸は粒子径であり、左縦軸は図中の棒グラフに対応
する体積分布であり、右縦軸は積算体積分布である。
【0111】図2から、分離処理を行う前の試料は、分
布の形状は0.5μm付近と11μm付近との二カ所に
ピ−クを有する分布になっていることが明らかである。
即ち、原料のアビセルは、小径粒子と大径粒子とが混在
する粒度分布となっているのである。尚、図2の測定結
果から算出された粒子の平均粒径は9.071μmであ
った。
【0112】また、図3から、上澄層には、粒径1.3
μm以下の小径粒子しか存在していないことが、また図
4から、沈殿層は粒径3μmを越える粒子でほぼ占めら
れており、若干粒径1.3μm以下の小径粒子も残って
いる。この結果からは、分離処理の効果によって小径粒
子が完全に分離されていることが明らかである。
【0113】尚、この図3の測定結果から算出された粒
子の平均粒径は0.452μmであり、図4の測定結果
から算出された粒子の平均粒径は11.288μmであ
った。
【0114】一方、分離処理を行う前の状態において、
粒径1.3μm以下の粒子が占める体積割合を確認すれ
ば、図2では、粒径1.3μm以下の粒子の積算体積比
率は18.6%(体積基準)に過ぎない。事実、分離処
理した後の沈殿層と上澄層とを肉眼で観察した結果、上
澄層は無色透明であり、一見して粒子がほぼ存在してい
ないものと従来は認識されていたのである。
【0115】これに対して前記の試験結果から、セルロ
−ス系素材を分離処理することによって小径粒子を取得
できることが判明したのである。ただし、小径粒子の存
在比率に関しては、少なくともレ−ザ−回折・散乱式粒
度分布測定装置を使用した結果からは、小径粒子の存在
比率(体積基準)は全体の2割以下であった。
【0116】試験例2 この試験は、実際の重量を測定した場合に、全粒子の中
で、小径粒子の比率がどのように把握されるか、を確認
するために行った。
【0117】(1)試料の調製 前記試験例1と同一の方法により調製した試料2(上澄
層)及び試料3(沈殿層)を各々試験試料とした。
【0118】(2)試験方法 試料2と試料3とを各々別々に50ml容アルミカップ
に投入し、100℃の恒温槽に6時間保持して乾燥し、
乾燥重量を測定した。
【0119】測定された試料2及び試料3の乾燥重量の
和を算出し、この和に対して試料2又は試料3の各々の
乾燥重量が占める比率を算出し、上澄層の固形分と沈殿
層の固形分との存在比率を算出した。以上の操作を7回
反復し、その平均値を算出して試験した。
【0120】(3)試験結果 この試験の結果は、表1に示すとおりである。表1は、
上澄層と沈殿層とに含有される固形分の重量と、各々の
全体に対する比率を示す表である。
【0121】表1から明らかなとおり、上澄層には平均
して約54重量%もの粒子が存在しており、これに対し
て沈殿層には約46重量%の粒子しか存在していないこ
とが明らかである。
【0122】即ち、前記試験例1のレ−ザ−回折・散乱
式粒度分布測定装置による測定では、全粒子中の18.
6%(体積基準)にすぎないと認識されていた小径粒子
が、重量基準では、実際には約54重量%存在していた
ことが判明した。
【0123】このように測定方法によって差異が生じた
理由は不明であるが、考えられる理由としては、セルロ
−ス系素材が細長い繊維状の形状を有しているため散乱
光に影響を与えること、また、小径粒子の粒径が光の波
長と同等か又は小さいため測定精度が変動することが考
えられる。
【0124】以上の試験の結果、セルロ−ス系素材の懸
濁液においては、上澄層と沈殿層とに分離した場合に
は、上澄層における小径粒子の存在比率は一見すると少
ないが、実際には全体の半分以上を占めているという事
実が確認され、この結果、セルロ−ス系素材懸濁液を分
離処理することにより小径粒子を効率良く取得できるこ
とが確認された。
【0125】
【表1】
【0126】試験例3 この試験は、本発明の製造方法により得られた微粒化セ
ルロ−ス系素材について、平均粒径と、分散安定性及び
風味との関係を調べるために行った。
【0127】(1)試料の調製 後記実施例2で得られた平均粒径0.381μmの製品
(微粒化セルロ−ス系素材懸濁液)を出発試料1とし、
同様に、後記実施例3で得られた平均粒径0.427μ
mの製品を出発試料2とし、後記実施例4で得られた平
均粒径0.529μmの製品を出発試料3とし、後記実
施例5で得られた平均粒径0.660μmの製品を出発
試料4とし、後記実施例6で得られた平均粒径0.86
9μmの製品を出発試料5とした。尚、以上の出発試料
1〜5の粒度分布の分布形状は、各々図6、及び図9乃
至図12に図示されている。
【0128】以上のように調製した出発試料1乃至出発
試料5から一部採取し、前記試験例2と同一の方法によ
り固形分濃度(重量基準)を測定し、希釈して濃度を
1.5重量%に調整した。次いで、希釈した出発試料
に、乳清カルシウム(アラミン。商標。)を濃度1.5
重量%の割合で添加し、ホモミキサ−で分散し、最終的
に、アビセルを含有するカルシウム分散液を調製した。
【0129】以上のとおり出発試料1乃至出発試料5か
ら調製したアビセル含有カルシウム分散液を、各々試料
1乃至試料5とした。
【0130】一方、同様に、何の処理も行っていない市
販のアビセル(後記実施例2乃至実施例4において原料
としたもの)及び乳清カルシウムから、前記各試料と同
一の方法によりカルシウム分散液を調製し、対照試料1
とした。
【0131】また、アビセルを添加せず、乳清カルシウ
ムのみを1.5重量%の濃度で分散させたカルシウム分
散液を調製し、対照試料2とした。
【0132】(2)試験方法 1)風味 各試料及び対照試料を、男女10人からなるパネルによ
り風味を試験し、舌触りの「ざらつき感」の有無を判定
し、その結果を次の3段階で評価した。 80%を越えるパネラ−が「ざらつき感」なしと回答
した試料 ・・・○ 50%〜80%のパネラ−が「ざらつき感」なしと回
答した試料 ・・・△ 「ざらつき感」なしと回答したパネラ−が50%未満
であった試料・・・× また、各試料を50mlメスシリンダ−に採取し、常温
で48時間放置し、のち次の項目を試験した。
【0133】2)沈殿体積[ml] メスシリンダ−の底部に生じた沈殿層が占める体積を、
当該メスシリンダ−自体の目盛から測定した。尚、この
量が少ないほど分散安定性が高いことを意味する。
【0134】3)沈降高さ[mm] メスシリンダ−内の液中においては、アビセルの粒子は
架橋を形成し、カルシウムの懸架物を形成している。こ
の懸架物は、当初は液全体に形成されているが、時間と
共に徐々に沈降し、液中の上部に透明な層が発生する。
【0135】この透明な層の厚さを「沈降高さ」と定義
した。尚、この「沈降高さ」は、小さいほどカルシウム
を懸架する能力が高いことを意味し、換言すれば、分散
安定性が高いことを意味する。尚、アビセルを含有しな
い対照試料2は、懸架物が発生しないため、検査対象か
ら除外した。
【0136】4)再分散性[回数] メスシリンダ−を密閉し、上下を反転させ、直ちに戻す
操作を1回とし、この操作を反復したときに、メスシリ
ンダ−底部の沈殿層が再分散されて消失するまでに要し
た操作の回数である。この回数が少ないほど分散安定性
が高いことを意味する。
【0137】(3)試験結果 この試験の結果は、表2に示すとおりである。表2は、
アビセルの平均粒径がカルシウム分散液の分散安定性及
び風味に及ぼす影響を示す表である。
【0138】表2から、本発明により得られたアビセル
(微粒化セルロ−ス系素材)は、平均粒径が小さいほ
ど、沈殿体積及び沈降高さが少なく、総じて分散安定性
が良好であることが明らかである。特に、試料1乃至試
料3は、再分散性が特に良好であり、しかも風味の点で
も「ざらつき感」が少なく、特に望ましい懸濁液であっ
た。
【0139】尚、試料1乃至試料3は、いずれも平均粒
径は0.529μm以下であり、図6、図9及び図10
に示すとおり粒度分布の形状は一つのピークを示してい
る。また、試料3は全ての粒子が粒径10μm以下の粒
子であり(図10参照)、特に、試料2は全ての粒子が
粒径3μm以下であり(図9参照)、試料1は全ての粒
子が粒径1.3μm以下である(図6参照)。
【0140】尚、試料3では3μm以下の粒子の積算体
積割合が97%であり、1μm以下の粒子の積算体積割
合が86%である。
【0141】この試験の結果、本発明は、前記試料3よ
り小さい粒径の、即ち、図10の粒度分布より小さい粒
度分布を有する微粒化セルロ−ス系素材(換言すれば、
3μm以下の粒子の積算体積割合が97%以上、及び/
又は1μm以下の粒子の積算体積割合が86%以上であ
る微粒化セルロ−ス系素材)を得られる条件で実施する
ことが特に望ましいことが判明した。
【0142】尚、補足すれば、粒径が小さい懸濁液であ
る前記試料1乃至試料3は、前記従来技術1乃至従来技
術3では連続的に大量製造することが特に困難であった
が、本発明においては、後記実施例4に示すとおり連続
的に大量製造することを可能としており、この点でも、
本発明の有用性は明らかである。
【0143】
【表2】
【0144】次に、実施例を示して本発明を詳述する
が、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
最初に本発明の製造装置の実施例について説明する。
【0145】
【実施例】実施例1 図1は、本発明の製造装置の一実施例を示す模式図であ
る。図1において、本発明の製造装置1は、貯留タンク
10、送液配管20、遠心分離機30、循環配管40、
及び媒体式湿式粉砕機50を基本的な構成としている。
【0146】貯留タンク10(ヤスダファインテ社製、
BパスBP−B、400l)には、原料調製用ミキサ−
11(ヤスダファインテ社製。100l仕様)が付属し
ている。原料調製用ミキサ−11は、底部にアジテ−タ
−12が設けられており、このアジテ−タ−12はモ−
タ−13によって回転する。
【0147】この原料調製用ミキサ−11から貯留タン
ク10までは、供給管14によって連絡されており、こ
の供給管14には遠心ポンプ15が設けられている。貯
留タンク10には撹拌翼16と、その撹拌翼16を回転
させるモ−タ−17が備えられており、貯留タンク10
の内部に貯留された液体を撹拌する。また、貯留タンク
10の出口10aには、送液配管20の先端が連結され
ており、送液配管20の末端は遠心分離機30の入口3
0aに接続されている。
【0148】送液配管20には、遠心ポンプ21、流量
計22(横河電気社製、ADMAGAE1055G)、
コントロ−ラ−23及び自動調節弁24が備えられてい
る。流量計22によって測定された流量が所定の流量に
なるように、コントロ−ラ−23が自動調節弁24の開
度を調節し、送液管路20を流れる液の流量を所定量に
制御する。
【0149】遠心分離機30(ウエストファリアセパレ
−タ−社製。MSD50)は、前記入口30aの他に、
二つの出口、即ち製品出口30b及びスラッジ出口30
cを備えている。前記のとおり入口30aには前記送液
管路20の末端が連結される。
【0150】製品出口30bには製品配管31の先端が
連結される。製品配管31には、流量計32(横河電気
社製、ADMAG AE1055G)及び流量調節弁3
3が備えられている。
【0151】スラッジ出口30cは、再分散用ミキサ−
34に開口している。再分散用ミキサ−34には、アジ
テ−タ−35及びモ−タ−36の他、水供給口37が備
えられている。
【0152】再分散用ミキサ−34の出口34aには、
循環配管40aの先端が連結されている。循環配管40
aの末端は、濃度調節タンク41(ヤスダファインテ社
製、BパスBP−B、400l)に開口しており、また
循環配管40aの途中には遠心ポンプ42が備えられて
いる。
【0153】濃度調節タンク41には、撹拌翼43及び
モ−タ−44の他、水供給口45が備えられている。こ
の水供給口45は、水量自動調節弁45aを備えてい
る。また、濃度調節タンク41の出口41aには、循環
配管40bの先端が連結されており、この循環配管40
bの末端は媒体式湿式粉砕機50に接続されている。
【0154】濃度調節タンク41の出口41a付近の管
路には、遠心ポンプ41bを介して戻り管46が分岐し
ており、この戻り管46の末端は濃度調節タンク41に
開口している。尚、分岐する付近には、各々流量調製弁
46a及び46bが設けられており、液の戻り量を調節
することができる。
【0155】戻り管46には密度計47(シュルムバ−
ガ−エレクトロニクス社製、ソラトロン7842型)が
設けられている。この密度計47にはコントロ−ラ−4
7aが結線されており、コントロ−ラ−47aの出力側
は前記水量自動調節弁45aに結線されている。即ち、
コントロ−ラ−47aは、密度計47の測定値が予め設
定された所定の値になるよう水量自動調節弁45aの開
度を調節するのである。これによって、濃度調節タンク
41の内部の液は、所定の濃度に自動的に調整される。
【0156】循環配管40bには、定量ポンプ48(兵
神装備社製、モ−ノポンプNL−15)が設けられてお
り、この定量ポンプ48には、流量計48a(横河電気
社製、ADMAG AE1055G)、及びコントロ−
ラ−48bが付属している。即ち、流量計48で測定さ
れた流量が予め設定した所定の値になるように、コント
ロ−ラ−48bが定量ポンプ48の回転数を調節するの
である。
【0157】前記のように循環配管40bの末端には、
媒体式湿式粉砕機50(井上製作所社製、スパイクミル
SHG−20C)が接続されている。媒体式湿式粉砕機
50は、内部に撹拌装置(図示せず)を備えており、更
にセラミックビ−ズ媒体(直径0.65mm。図示せ
ず。)が充填されている。尚、セラミックビ−ズ媒体の
充填率は約57%である。また、媒体式湿式粉砕機50
には、前記撹拌装置の回転数を変更するためのインバ−
タ−51が備えられている。
【0158】媒体式湿式粉砕機50の出口50aには循
環配管40cの先端が接続されており、この循環配管4
0cの末端は、前記貯留タンク10に開口している。以
上の循環配管40a、循環配管40b、及び循環配管4
0cによって本発明の循環配管40が構成されている。
【0159】以上説明した本発明の製造装置1の作用は
次のとおりである。最初に、原料調製用ミキサ−11に
水を貯留し、次いで、原料となるセルロ−ス系素材を添
加し、アジテ−タ−12を回転させて撹拌分散させ、原
料懸濁液を調製する。尚、原料となるセルロ−ス系素材
は、固形の状態であっても懸濁液の状態であってもいず
れでも良い。要は、最終的な濃度が所定の値になれば良
いのである。調製した原料懸濁液は貯留タンク10に貯
留する。貯留している間は、撹拌翼16を回転し、沈殿
が発生することを予防する。
【0160】尚、以上の処理は、原料調製用ミキサ−1
1に水を連続的に供給し、これに原料となるセルロ−ス
系素材を連続的に添加する方法であっても良い。
【0161】貯留した原料懸濁液は、送液配管20を送
液されるが、この際、遠心ポンプ21、流量計22、コ
ントロ−ラ−23及び自動調節弁24によって、一定流
量に維持される。送液された原料懸濁液は、遠心分離機
30に通液される。
【0162】遠心分離機30においては、内部に分離板
(図示せず)を有しており、この分離板を回転させるこ
とによって遠心力を付与し、大径粒子を沈降させて分離
するのである。
【0163】大径粒子を多く含有するスラッジはスラッ
ジ出口30cから断続的に排出され、一方、大径粒子が
分離除去された懸濁液は、製品出口30bより連続的に
排出される。排出された懸濁液は、製品配管31を介し
て微粒化セルロ−ス系素材の懸濁液として取得すること
ができる。
【0164】尚、製品配管31を介して取得できる微粒
化セルロ−ス系素材の懸濁液については、その濃度、平
均粒径、流量等は、遠心分離機30の分離板の回転数、
流量調節弁33の開度、後記インバ−タ−51の設定等
によって適宜調節することができる。
【0165】スラッジ出口30cより排出されたスラッ
ジは、再分散用ミキサ−34に投入される。再分散用ミ
キサ−34では、水供給口37より水を供給し、アジテ
−タ−35を回転させて、スラッジを希釈し、適度に再
分散させ、スラッジの再分散液を調製する。これによっ
てスラッジの粘度は低下し、遠心ポンプ42により送液
することが可能となる。
【0166】スラッジの再分散液は、循環配管40aを
介して濃度調節タンク41に送液される。濃度調節タン
ク41では、戻り管46をスラッジの再分散液が循環
し、密度計47によって密度が測定される。測定された
密度が所定の値になるように、コントロ−ラ−47aが
水量自動調節弁45aの開度を調節し、水供給口45か
ら適宜量の水を投入し、濃度調節タンク41内の液の濃
度を所定の値に調節する。
【0167】このように所定濃度に維持されたスラッジ
の再分散液は、定量ポンプ48によって循環配管40b
を一定流量で送液され、媒体式湿式粉砕機50に通液さ
れる。
【0168】媒体式湿式粉砕機50では、内部にセラミ
ックビ−ズ媒体(図示せず。)が充填されており、撹拌
装置(図示せず。)が回転し、セラミックビ−ズ媒体を
混合して、液中の粒子を粉砕する。尚、撹拌装置の回転
数はインバ−タ−51によって調節される。
【0169】粉砕処理されたスラッジの再分散液は、循
環配管40cを介して、再度、貯留タンク10に送液さ
れて戻される。
【0170】以上の操作により、原料懸濁液のうち大径
粒子は、送液配管20及び循環配管40(即ち40a〜
c)を循環しながら粉砕される。従って、運転が安定し
た後は、貯留タンク10には、適宜、原料懸濁液を補充
しつつ運転することになる。
【0171】実施例1の製造装置1においては、再分散
用ミキサ−34を備えているため、スラッジが高粘度で
あっても、問題なく送液することができる。また、媒体
式湿式粉砕機50の上流側に濃度調節タンク41を備え
ているため、常に一定の濃度条件で媒体式湿式粉砕機5
0に通液することができる。従って、実施例1の装置1
においては、常に安定した状態で、連続的に微粒化セル
ロ−ス系素材懸濁液を取得することができるのである。
【0172】尚、図1の製造装置1においては、定量ポ
ンプ48及び媒体式湿式粉砕機50を、送液配管20に
設置する形式に変更することも可能である。この場合
は、濃度調節手段としての戻り管46、密度計47、コ
ントロ−ラ−47a等は、貯留タンク10に備えること
が望ましい。
【0173】実施例2 次に、前記実施例1の装置を使用した本発明の製造方法
の実施例について説明する。
【0174】(1)原料懸濁液の調製 図1の原料調製用ミキサ−11に、46kg/hの流量
で水道水を流入させ、次いで原料となるアビセル(旭化
成社製。RC−N81。以下、原料アビセルと記載す
る。)を、4kg/hの流量で投入し、アジテ−タ−1
2を稼動しながらアビセルの懸濁液を連続的に調製し、
貯留タンク10に送液した。尚、以下、調製した懸濁液
を、原料アビセル懸濁液と記載する。
【0175】貯留タンク10における原料アビセル懸濁
液を採取し、前記試験例と同一のレ−ザ−回折・散乱式
粒度分布測定装置(ホリバ社製、LA−910)によっ
て粒度分布を測定した結果は、図5に示すとおりであっ
た。
【0176】図5は、未処理の原料アビセル懸濁液の粒
度分布を測定した結果を示す図である。尚、図5及び後
記図6乃至図12においては、いずれも、横軸は粒子径
を示し、縦軸は頻度(体積基準)を示す。
【0177】図5によれば、原料アビセル懸濁液におい
ては、アビセルの粒度分布は、前記試験例1における試
料1と同様に、二つのピークを示すことが明らかであ
る。尚、この原料のアビセルの平均粒径は8.625μ
mであった。
【0178】(2)分離処理 原料アビセル懸濁液を、送液管路20を介して90kg
/hの流量で遠心分離機30に通液した。遠心分離機3
0を回転数5000rpmで運転し、製品出口30bよ
り80kg/hの排出量で、小径のアビセルが多く含有
された懸濁液(以下、微粒化アビセル懸濁液と記載す
る。)を取得した。
【0179】尚、運転が安定した後、得られた微粒化ア
ビセル懸濁液を採取し、粒度分布を測定した結果は、図
6に示すとおりであった。図6は、本発明の製造方法の
一実施例によって得られた微粒化アビセル懸濁液の粒度
分布を測定した結果を示す図である。
【0180】図6からは、本発明の方法によって得られ
た微粒化アビセル懸濁液は、前記試験例1における上澄
層(試料2)と同様、全ての粒子が粒径1.3μm以下
の小径粒子で占められていることが明らかである。尚、
この微粒化アビセル懸濁液のアビセルの平均粒径は0.
381μmであった。
【0181】(3)スラッジの希釈及び濃度調整 遠心分離機30のスラッジ出口30cから10kg/h
の流量でスラッジが断続的に排出された。排出されたス
ラッッジを再分散用ミキサ−34に貯留し、水供給口3
7より水道水を25kg/hの流量で供給し、アジテ−
タ−35を稼動してスラッジを再分散させ、粘度を低下
させた。
【0182】尚、運転が安定した後、得られたスラッジ
の再分散液を採取し、粒度分布を測定した結果は、図7
に示すとおりであった。図7は、スラッジの粒度分布を
測定した結果を示す図である。図7からスラッジの粒子
は、ほぼ粒径1.3μmを越えるもので占められている
ことが明らかである。
【0183】このスラッジの再分散液を循環配管40a
を介して35kg/hの流量で濃度調節タンク41に送
液した。濃度調節タンク41においては、水供給口45
より約5kg/hの流量の水道水を添加し、スラッジの
再分散液を希釈した。尚、水道水の添加量は、密度計4
7の計測値が所定値になるよう適宜調節した。
【0184】(4)粉砕処理 濃度調節タンク41の液を、定量ポンプ48により循環
配管40bを介して媒体式湿式粉砕機50に40kg/
hの流量で通液した。媒体式湿式粉砕機50では、イン
バ−タ−51を60Hzに設定し、内部のセラミックス
ビ−ズ媒体を撹拌しながらスラッジの再分散液の粉砕処
理を行った。粉砕した液を、循環配管40cを介して前
記貯留タンク10に戻した。
【0185】尚、運転が安定した後、このように粉砕処
理した後の液を採取し、粒度分布を測定した結果は、図
8に示すとおりであった。図8は、粉砕処理したスラッ
ジの粒度分布を測定した結果を示す図である。図8から
は、粉砕処理した直後は、粒径1μm以下の粒子が飛躍
的に増大しており、粉砕の効果が顕著であることが明ら
かである。この効果は、大径粒子を選択的に粉砕処理し
たために得られたものである。
【0186】以上の操作を連続的に実施することにより
微粒化アビセル懸濁液を、80kg/hの流量で連続的
に、かつ安定して取得することができた。
【0187】実施例3 媒体式湿式粉砕機50に付属するインバ−タ−51の周
波数を50Hzに設定し、粉砕強度を下げた他は、前記
実施例2と同一の方法及び条件によって微粒化アビセル
懸濁液を製造した。この条件であっても、前記実施例2
と同様に、遠心分離機30の製品出口30bより、問題
なく微粒化アビセル懸濁液を得ることができた。
【0188】尚、運転が安定した後で、得られた微粒化
アビセル懸濁液を採取し、粒度分布を測定した結果は、
図9に示すとおりであった。図9は、本発明の製造方法
の他の実施例によって得られた微粒化アビセル懸濁液の
粒度分布を測定した結果を示す図である。
【0189】図9からは、得られた微粒化アビセル懸濁
液は、全て粒径2μm以下の粒子で占められていること
が明らかである。尚、この微粒化アビセル懸濁液におけ
る粒子の平均粒径は、0.427μmであった。
【0190】実施例4 媒体式湿式粉砕機50に付属するインバ−タ−51の周
波数を40Hzに設定し、粉砕強度を低下させた以外
は、前記実施例2と同一の方法及び条件により微粒化ア
ビセル懸濁液を製造した。
【0191】この条件であっても、前記実施例2及び3
と同様に、遠心分離機30の製品出口30bより、微粒
化アビセル懸濁液を問題なく得ることができた。尚、運
転が安定した後、得られた微粒化アビセル懸濁液を採取
し、粒度分布を測定した結果は、図10に示すとおりで
あった。
【0192】図10は、本発明の製造方法の他の実施例
によって得られた微粒化アビセル懸濁液の粒度分布を測
定した結果を示す図である。図10から、この微粒化ア
ビセル懸濁液は、全てが粒径10μm以下の粒子で占め
られているが、3μmを越える粒子も存在しており、3
μm以下の粒子の積算体積割合が97%、1μm以下の
粒子の積算体積割合が86%であることが明らかであ
る。尚、この微粒化アビセル懸濁液におけるアビセルの
平均粒径は0.529μmであった。
【0193】実施例5 媒体式湿式粉砕機50に付属するインバ−タ−51の周
波数を30Hzに設定し、粉砕強度を低下させた以外
は、前記実施例2と同一の方法及び条件により微粒化ア
ビセル懸濁液を製造した。
【0194】この条件においても、前記実施例2乃至実
施例4と同様に、遠心分離機30の製品出口30bよ
り、微粒化アビセル懸濁液を問題なく得ることができ
た。
【0195】尚、運転が安定した後、得られた微粒化ア
ビセル懸濁液を採取し、粒度分布を測定した結果は、図
11に示すとおりであった。
【0196】図11は、本発明の製造方法の他の実施例
によって得られた微粒化アビセル懸濁液の粒度分布を測
定した結果を示す図である。図11から、この微粒化ア
ビセル懸濁液は、全てが粒径20μm以下の粒子で占め
られているが、図5に示した原料のアビセルに近づいた
二つのピークを示した。尚、この微粒化アビセル懸濁液
におけるアビセルの平均粒径は0.660μmであっ
た。
【0197】実施例6 媒体式湿式粉砕機50に付属するインバ−タ−51の周
波数を20Hzに設定し、粉砕強度を低下させた以外
は、前記実施例2と同一の方法及び条件により微粒化ア
ビセル懸濁液を製造した。
【0198】この条件であっても、前記実施例2乃至実
施例5と同様に、遠心分離機30の製品出口30bよ
り、微粒化アビセル懸濁液を問題なく得ることができ
た。
【0199】尚、運転が安定した後、得られた微粒化ア
ビセル懸濁液を採取し、粒度分布を測定した結果は、図
12に示すとおりであった。
【0200】図12は、本発明の製造方法の他の実施例
によって得られた微粒化アビセル懸濁液の粒度分布を測
定した結果を示す図である。図12から、この微粒化ア
ビセル懸濁液は、図5に示した原料のアビセルに近づい
た二つのピークを示した。尚、この微粒化アビセル懸濁
液におけるアビセルの平均粒径は0.869μmであっ
た。
【0201】実施例7 前記実施例2によって取得した微粒化アビセル懸濁液
を、100ml容ステンレス製トレイに貯留し、このト
レイを100℃の恒温槽に15時間保持し、微粒化アビ
セル懸濁液を乾燥させた。
【0202】乾燥後の固形物をスパチュラで削り取って
採取し、アビセル(本発明の微粒化セルロ−ス系素材)
5gを得た。
【0203】尚、得られたアビセルを適量の水に投入
し、ホモミキサ−によって撹拌した結果、再度懸濁液の
状態となった。
【0204】
【発明の効果】本発明の微粒化セルロ−ス系素材の懸濁
液の製造方法、微粒化セルロ−ス系素材の製造方法、並
びに製造装置によれば、分散安定性が高い微粒化セルロ
−ス系素材又はその懸濁液を、連続的に安定して製造す
ることが可能であり、単位時間あたりの製造量が大き
く、工業的規模での製造に適応でき、しかも効率が良
く、エネルギ−コストを安価で済ませることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の製造装置の一実施例を示す模
式図である。
【図2】図2は、分離処理を行う前の懸濁液の粒度分布
測定結果を示す図である。
【図3】図3は、分離処理を行った後の上澄層の粒度分
布測定結果を示す図である。
【図4】図4は、分離処理を行った後の沈殿層の粒度分
布測定結果を示す図である。
【図5】図5は、未処理の原料アビセル懸濁液の粒度分
布を測定した結果を示す図である。
【図6】図6は、本発明の製造方法の一実施例によって
得られた微粒化アビセル懸濁液の粒度分布を測定した結
果を示す図である。
【図7】図7は、スラッジの粒度分布を測定した結果を
示す図である。
【図8】図8は、粉砕処理したスラッジの粒度分布を測
定した結果を示す図である。
【図9】図9は、本発明の製造方法の他の実施例によっ
て得られた微粒化アビセル懸濁液の粒度分布を測定した
結果を示す図である。
【図10】図10は、本発明の製造方法の他の実施例に
よって得られた微粒化アビセル懸濁液の粒度分布を測定
した結果を示す図である。
【図11】図11は、本発明の製造方法の他の実施例に
よって得られた微粒化アビセル懸濁液の粒度分布を測定
した結果を示す図である。
【図12】図12は、本発明の製造方法の他の実施例に
よって得られた微粒化アビセル懸濁液の粒度分布を測定
した結果を示す図である。
【符号の説明】
1 本発明の製造装置 10 貯留タンク 11 原料調製用ミキサ− 20 送液配管(送液管路) 21 遠心ポンプ(定量送液手段) 22 流量計(定量送液手段) 23 コントロ−ラ−(定量送液手段) 24 自動調節弁(定量送液手段) 30 遠心分離機 31 製品配管 34 再分散用ミキサ−(希釈手段) 40 循環配管(循環管路) 41 濃度調節タンク(濃度調節手段) 48 定量ポンプ(定量送液手段) 50 媒体式湿式粉砕機(粉砕手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐伯 達也 東京都東大和市立野4−515 森永乳業株 式会社装置開発研究所内 (72)発明者 森田 英樹 東京都東大和市立野4−515 森永乳業株 式会社装置開発研究所内 Fターム(参考) 4F070 AA02 AC12 CA02 CA19 CA20 CB02 CB05 CB12 DA33 DA43 4J002 AB011 AB041 AB051 DE026

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、次のa)〜c)、 a)原料のセルロ−ス系素材を液に懸濁し、原料懸濁液
    を調製する工程、 b)調製した原料懸濁液から、前記原料のセルロ−ス系
    素材よりも平均粒径が小さいセルロ−ス系素材を含有す
    る懸濁液を分離する工程、 c)分離した懸濁液を、微粒化セルロ−ス系素材の懸濁
    液として取得する工程、からなる微粒化セルロ−ス系素
    材懸濁液の製造方法。
  2. 【請求項2】 次のd)、d)前記b)の工程において
    懸濁液を分離した後のスラッジを、分離する前の原料懸
    濁液に戻す工程、を含む請求項1に記載の微粒化セルロ
    −ス系素材懸濁液の製造方法。
  3. 【請求項3】 次のe)、 e)セルロ−ス系素材を粉砕する工程、が前記a)の工
    程後又は前記d)の工程中に行われる請求項1又は請求
    項2のいずれかに記載の微粒化セルロ−ス系素材懸濁液
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記b)乃至e)の工程が、連続的に行
    われる請求項3に記載の微粒化セルロ−ス系素材懸濁液
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記e)の粉砕が、媒体式湿式粉砕機に
    よって行われる請求項3又は請求項4のいずれかに記載
    の微粒化セルロ−ス系素材の懸濁液の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれかの製造
    方法によって微粒化セルロ−ス系素材懸濁液を製造し、
    製造した微粒化セルロ−ス系素材の懸濁液を乾燥し、乾
    燥した微粒化セルロ−ス系素材を取得することを特徴と
    する微粒化セルロ−ス系素材の製造方法。
  7. 【請求項7】 原料のセルロ−ス系素材の懸濁液である
    原料懸濁液を貯留する貯留タンクと、前記貯留タンクの
    出口に先端が連結され原料懸濁液を送液する送液管路
    と、前記送液管路の末端に連結される遠心分離機と、前
    記遠心分離機のスラッジ側出口に先端が連結され末端が
    前記貯留タンクに開口しスラッジを前記貯留タンクに戻
    す循環管路とを備え、前記送液管路及び/又は循環管路
    に前記セルロ−ス系素材を粉砕する粉砕手段を設けたこ
    とを特徴とする微粒化セルロ−ス系素材懸濁液の製造装
    置。
  8. 【請求項8】 前記粉砕手段の前に、セルロ−ス系素材
    の濃度を調整する濃度調整手段を備えた請求項7に記載
    の微粒化セルロ−ス系素材懸濁液の製造装置。
  9. 【請求項9】 前記遠心分離機のスラッジ側出口に、遠
    心分離機より排出されるスラッジを希釈分散させる希釈
    手段を備えた請求項7又は請求項8のいずれかに記載の
    微粒化セルロ−ス系素材懸濁液の製造装置。
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