JP2001122902A - 粗カルボキシメチルセルロースの精製方法 - Google Patents
粗カルボキシメチルセルロースの精製方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 カルボキシメチルセルロース(CMC)の溶
媒法による製造方法において、CMC中の残留有機溶媒
の含有量を顕著に低減する、特にメタノールの含有量を
500ppm以下とするCMCの精製方法を提供するこ
と。 【解決手段】 マーセル化セルロースを有機溶媒の存在
下にエーテル化剤で処理することによりCMCを製造す
る方法において、残留有機溶媒を含む粗CMCを、該粗
CMCの表面に形成された被膜を湿潤できるに充分な量
の水分と接触させる湿潤工程と、湿潤させた該粗CMC
を乾燥させることにより水分と一緒に残留有機溶媒を蒸
発除去する乾燥工程とを含む粗CMCの精製方法。湿潤
工程において、水分として水蒸気を用い、粗CMC10
0重量部と水分4〜25重量部とを接触させ、また乾燥
工程において、60〜140℃の温度で行う上記の粗C
MCの精製方法。さらに、粗CMCは、脱液工程以降の
工程で得られる粉末状のものである上記の粗CMCの精
製方法。
媒法による製造方法において、CMC中の残留有機溶媒
の含有量を顕著に低減する、特にメタノールの含有量を
500ppm以下とするCMCの精製方法を提供するこ
と。 【解決手段】 マーセル化セルロースを有機溶媒の存在
下にエーテル化剤で処理することによりCMCを製造す
る方法において、残留有機溶媒を含む粗CMCを、該粗
CMCの表面に形成された被膜を湿潤できるに充分な量
の水分と接触させる湿潤工程と、湿潤させた該粗CMC
を乾燥させることにより水分と一緒に残留有機溶媒を蒸
発除去する乾燥工程とを含む粗CMCの精製方法。湿潤
工程において、水分として水蒸気を用い、粗CMC10
0重量部と水分4〜25重量部とを接触させ、また乾燥
工程において、60〜140℃の温度で行う上記の粗C
MCの精製方法。さらに、粗CMCは、脱液工程以降の
工程で得られる粉末状のものである上記の粗CMCの精
製方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粗カルボキシメチ
ルセルロースの精製方法に関する。より詳しくは粗カル
ボキシメチルセルロース中の残留有機溶媒の含有量を低
減する粗カルボキシメチルセルロースの精製方法に関す
る。
ルセルロースの精製方法に関する。より詳しくは粗カル
ボキシメチルセルロース中の残留有機溶媒の含有量を低
減する粗カルボキシメチルセルロースの精製方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】カルボキシメチルセルロース(以下、C
MCともいう。)は、通常木材パルプ、リンターパルプ
などのセルロース質原料を濃アルカリで処理してマーセ
ル化セルロースとし、これに反応溶媒中でモノクロル酢
酸ナトリウムなどのエーテル化剤を作用させてセルロー
スエーテルとし、洗浄溶媒で洗浄した後、乾燥して製造
されている。乾燥後のCMCは、粉砕されて、粉末また
は顆粒として商品化されている。
MCともいう。)は、通常木材パルプ、リンターパルプ
などのセルロース質原料を濃アルカリで処理してマーセ
ル化セルロースとし、これに反応溶媒中でモノクロル酢
酸ナトリウムなどのエーテル化剤を作用させてセルロー
スエーテルとし、洗浄溶媒で洗浄した後、乾燥して製造
されている。乾燥後のCMCは、粉砕されて、粉末また
は顆粒として商品化されている。
【0003】マーセル化セルロースのエーテル化は、水
媒法および溶媒法により行われているが、工業的には経
済的に有利な溶媒法が主流である。溶媒法においては、
反応溶媒として、通常エタノール、イソプロピルアルコ
ール、ターシャリーブチルアルコールなどの有機溶媒
と、水との混合溶媒が用いられる。また、洗浄溶媒とし
ては、通常メタノール、エタノール、アセトンなどの有
機溶媒と、水との混合溶媒が用いられる。
媒法および溶媒法により行われているが、工業的には経
済的に有利な溶媒法が主流である。溶媒法においては、
反応溶媒として、通常エタノール、イソプロピルアルコ
ール、ターシャリーブチルアルコールなどの有機溶媒
と、水との混合溶媒が用いられる。また、洗浄溶媒とし
ては、通常メタノール、エタノール、アセトンなどの有
機溶媒と、水との混合溶媒が用いられる。
【0004】溶媒法によるCMCの製造方法において
は、通常CMC中に反応溶媒や洗浄溶剤が残留し易い。
この点に関し、これらの残留有機溶媒を除去低減させる
ための方法として、いくつかの技術が提案されている。
たとえば、特開昭57−11750号公報には、マーセ
ル化セルロースをエーテル化後、直接懸濁液をろ過し、
連続作動フィルター上で向流する懸濁液とは異なる精製
剤(例、水含有量20〜40重量%の水/メタノール混
合物など)によって、反応生成物を1回以上抽出した
後、吸引下に乾燥するセルロースエーテル及び澱粉エー
テルの精製方法が開示されている。
は、通常CMC中に反応溶媒や洗浄溶剤が残留し易い。
この点に関し、これらの残留有機溶媒を除去低減させる
ための方法として、いくつかの技術が提案されている。
たとえば、特開昭57−11750号公報には、マーセ
ル化セルロースをエーテル化後、直接懸濁液をろ過し、
連続作動フィルター上で向流する懸濁液とは異なる精製
剤(例、水含有量20〜40重量%の水/メタノール混
合物など)によって、反応生成物を1回以上抽出した
後、吸引下に乾燥するセルロースエーテル及び澱粉エー
テルの精製方法が開示されている。
【0005】しかしながら、従来の技術においては、実
用的にこれらの残留有機溶媒を無くすることは非常に困
難であった。困難である理由は、エーテル化後のCMC
は乾燥される過程で表面にCMCの被膜(または殻)が
形成されて、内部の溶媒は閉じ込められた状態となり、
いかに乾燥条件を強くしても内部の溶媒は残ったままと
なるためと思われる。
用的にこれらの残留有機溶媒を無くすることは非常に困
難であった。困難である理由は、エーテル化後のCMC
は乾燥される過程で表面にCMCの被膜(または殻)が
形成されて、内部の溶媒は閉じ込められた状態となり、
いかに乾燥条件を強くしても内部の溶媒は残ったままと
なるためと思われる。
【0006】CMC中の残留有機溶媒の含有量は、洗浄
後の乾燥工程でCMCを急激に加熱することにより、低
減することができるものの、工程が複雑となることの
他、エネルギーコストが大きくなるという問題がある。
このため、CMC中の残留有機溶媒を、容易に除去低減
できる粗CMCの精製方法が求められていた。
後の乾燥工程でCMCを急激に加熱することにより、低
減することができるものの、工程が複雑となることの
他、エネルギーコストが大きくなるという問題がある。
このため、CMC中の残留有機溶媒を、容易に除去低減
できる粗CMCの精製方法が求められていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、CM
Cの溶媒法による製造方法において、CMC中の残留有
機溶媒の含有量を顕著に低減する、特にメタノールの含
有量を500ppm以下に低減するCMCの精製方法を
提供することにある。現在、市販されているCMCは各
種安全基準を満たしてはいるが、より安全なものを提供
するのが製造業者の責務であるとの考えからこの課題に
取り組んだ。
Cの溶媒法による製造方法において、CMC中の残留有
機溶媒の含有量を顕著に低減する、特にメタノールの含
有量を500ppm以下に低減するCMCの精製方法を
提供することにある。現在、市販されているCMCは各
種安全基準を満たしてはいるが、より安全なものを提供
するのが製造業者の責務であるとの考えからこの課題に
取り組んだ。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、残留有機溶
媒を含む粗CMCの精製方法について鋭意検討した結
果、残留有機溶媒を含む粗CMCを水分と接触させて湿
潤させ、CMCの表面の被膜を膨潤させ、次いでこれを
乾燥することにより、CMC内部に含まれる有機溶媒が
水分と共に蒸発して除去され、その結果有機溶媒を殆ど
含まないCMCを製造できることを見出し、本発明に至
った。
媒を含む粗CMCの精製方法について鋭意検討した結
果、残留有機溶媒を含む粗CMCを水分と接触させて湿
潤させ、CMCの表面の被膜を膨潤させ、次いでこれを
乾燥することにより、CMC内部に含まれる有機溶媒が
水分と共に蒸発して除去され、その結果有機溶媒を殆ど
含まないCMCを製造できることを見出し、本発明に至
った。
【0009】すなわち、本発明は、マーセル化セルロー
スを有機溶媒の存在下にエーテル化剤で処理することに
よりカルボキシメチルセルロースを製造する方法におい
て、残留有機溶媒を含む粗カルボキシメチルセルロース
を、該粗カルボキシメチルセルロースの表面に形成され
た被膜を湿潤できるに充分な量の水分と接触させる湿潤
工程と、湿潤させた該粗カルボキシメチルセルロースを
乾燥させることにより水分と一緒に残留有機溶媒を蒸発
除去する乾燥工程とを含むことを特徴とする粗カルボキ
シメチルセルロースの精製方法を提供するものである。
スを有機溶媒の存在下にエーテル化剤で処理することに
よりカルボキシメチルセルロースを製造する方法におい
て、残留有機溶媒を含む粗カルボキシメチルセルロース
を、該粗カルボキシメチルセルロースの表面に形成され
た被膜を湿潤できるに充分な量の水分と接触させる湿潤
工程と、湿潤させた該粗カルボキシメチルセルロースを
乾燥させることにより水分と一緒に残留有機溶媒を蒸発
除去する乾燥工程とを含むことを特徴とする粗カルボキ
シメチルセルロースの精製方法を提供するものである。
【0010】さらに、上記の湿潤工程は、粗カルボキシ
メチルセルロースに水蒸気を接触させて行うことを特徴
とする上記の粗カルボキシメチルセルロースの精製方
法、上記の湿潤工程は、粗カルボキシメチルセルロース
100重量部に対して、水分4〜25重量部を接触させ
ることを特徴とする上記の粗カルボキシメチルセルロー
スの精製方法、上記の乾燥工程は、60〜140℃の温
度で行うことを特徴とする上記の粗カルボキシメチルセ
ルロースの精製方法、上記の粗カルボキシメチルセルロ
ースは、脱液工程以降の工程で得られる粉末状のもので
あることを特徴とする上記の粗カルボキシメチルセルロ
ースの精製方法を提供するものである。
メチルセルロースに水蒸気を接触させて行うことを特徴
とする上記の粗カルボキシメチルセルロースの精製方
法、上記の湿潤工程は、粗カルボキシメチルセルロース
100重量部に対して、水分4〜25重量部を接触させ
ることを特徴とする上記の粗カルボキシメチルセルロー
スの精製方法、上記の乾燥工程は、60〜140℃の温
度で行うことを特徴とする上記の粗カルボキシメチルセ
ルロースの精製方法、上記の粗カルボキシメチルセルロ
ースは、脱液工程以降の工程で得られる粉末状のもので
あることを特徴とする上記の粗カルボキシメチルセルロ
ースの精製方法を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明の粗CMCの精製方法は、エーテル化後の有
機溶媒を含む粗CMCを水分と接触させて湿潤させた
後、これを乾燥するものである。
る。本発明の粗CMCの精製方法は、エーテル化後の有
機溶媒を含む粗CMCを水分と接触させて湿潤させた
後、これを乾燥するものである。
【0012】(粗カルボキシメチルセルロース)本発明
においては、粗CMCは、マーセル化セルロースにモノ
クロル酢酸ナトリウムなどのエーテル化剤を有機溶媒の
存在下に作用させる、従来の溶媒法による製造方法で製
造されたCMCを意味し、洗浄後の脱液工程で得られる
CMC、乾燥工程で得られるCMC、乾燥後の粉砕工程
で得られるCMCなどが含まれる。CMC中の残留有機
溶媒は、通常反応溶媒として用いられるエタノール、イ
ソプロピルアルコール、ターシャリーブチルアルコール
などや、洗浄溶媒として用いられるメタノール、エタノ
ールなどである。また、残留有機溶媒の含有量は、通常
メタノール500〜6000ppmであり、イソプロピ
ルアルコール100〜4000ppmである。さらに、
CMCは、マーセル化工程で用いる濃アルカリ溶液の種
類により、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、ア
ンモニウム塩およびこれらの混合物などの塩として得ら
れるが、通常ナトリウム塩である。
においては、粗CMCは、マーセル化セルロースにモノ
クロル酢酸ナトリウムなどのエーテル化剤を有機溶媒の
存在下に作用させる、従来の溶媒法による製造方法で製
造されたCMCを意味し、洗浄後の脱液工程で得られる
CMC、乾燥工程で得られるCMC、乾燥後の粉砕工程
で得られるCMCなどが含まれる。CMC中の残留有機
溶媒は、通常反応溶媒として用いられるエタノール、イ
ソプロピルアルコール、ターシャリーブチルアルコール
などや、洗浄溶媒として用いられるメタノール、エタノ
ールなどである。また、残留有機溶媒の含有量は、通常
メタノール500〜6000ppmであり、イソプロピ
ルアルコール100〜4000ppmである。さらに、
CMCは、マーセル化工程で用いる濃アルカリ溶液の種
類により、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、ア
ンモニウム塩およびこれらの混合物などの塩として得ら
れるが、通常ナトリウム塩である。
【0013】また、本発明においては、粗CMCのエー
テル化度は、特に限定するものではなく、その用途に応
じて任意の値のものでよい。通常、市販CMCのエーテ
ル化度は0.6〜2.2である。一般にエーテル化度が
低いものは、吸水性が低く、またゲル化し易い。これに
対して、エーテル化度が高いものは、吸水性が高く、ま
た耐塩性や耐薬品性を有する。エーテル化度の理論的な
最大値は、3.0であるが、エーテル化度3.0のCM
Cを製造することは極めて困難である。
テル化度は、特に限定するものではなく、その用途に応
じて任意の値のものでよい。通常、市販CMCのエーテ
ル化度は0.6〜2.2である。一般にエーテル化度が
低いものは、吸水性が低く、またゲル化し易い。これに
対して、エーテル化度が高いものは、吸水性が高く、ま
た耐塩性や耐薬品性を有する。エーテル化度の理論的な
最大値は、3.0であるが、エーテル化度3.0のCM
Cを製造することは極めて困難である。
【0014】さらに、本発明においては、CMCの重合
度は、特に限定するものではなく、その用途に応じて任
意の重合度のものでよい。CMCの重合度は、CMCの
1重量%水溶液の25℃における粘度(以下、単に1重
量%粘度という。)で表すことができ、一般に10〜1
0000mPa・sである。
度は、特に限定するものではなく、その用途に応じて任
意の重合度のものでよい。CMCの重合度は、CMCの
1重量%水溶液の25℃における粘度(以下、単に1重
量%粘度という。)で表すことができ、一般に10〜1
0000mPa・sである。
【0015】(粗カルボキシメチルセルロースの精製方
法)本発明の粗CMCの精製方法は、上記したように、
粗CMCを水分と接触させて湿潤させる湿潤工程と、こ
れを乾燥させる乾燥工程とを含むものである。本発明の
粗CMCの精製方法により、粗CMC中の残留有機溶媒
の含有量が低減する理由は明確ではないが、粗CMC粒
子を水分で湿潤させて表面に形成されている被膜を膨潤
させ、次いでCMC粒子を乾燥させることにより、水分
と共に粒子内に残留している有機溶媒が蒸発し易くなる
ためと考えられる。
法)本発明の粗CMCの精製方法は、上記したように、
粗CMCを水分と接触させて湿潤させる湿潤工程と、こ
れを乾燥させる乾燥工程とを含むものである。本発明の
粗CMCの精製方法により、粗CMC中の残留有機溶媒
の含有量が低減する理由は明確ではないが、粗CMC粒
子を水分で湿潤させて表面に形成されている被膜を膨潤
させ、次いでCMC粒子を乾燥させることにより、水分
と共に粒子内に残留している有機溶媒が蒸発し易くなる
ためと考えられる。
【0016】粗CMCと水分とを接触させて粗CMCを
湿潤させる湿潤工程は、特に限定するものではなく、粗
CMCの粒子の表面全体に水を均一に付与して湿潤さ
せ、表面に形成されている被膜を膨潤させる条件で公知
の方法で行うことができる。たとえば、容器内に収納し
た粗CMCに水を噴霧する方法、スチームを吹込む方
法、湿った空気を吹込む方法などの公知の湿潤方法を挙
げることができる。好ましくは、スチームを吹込む方法
である。いずれの場合も、粗CMCを撹拌しながら水分
と接触させることにより、より均一に水分を付与するこ
とができる。
湿潤させる湿潤工程は、特に限定するものではなく、粗
CMCの粒子の表面全体に水を均一に付与して湿潤さ
せ、表面に形成されている被膜を膨潤させる条件で公知
の方法で行うことができる。たとえば、容器内に収納し
た粗CMCに水を噴霧する方法、スチームを吹込む方
法、湿った空気を吹込む方法などの公知の湿潤方法を挙
げることができる。好ましくは、スチームを吹込む方法
である。いずれの場合も、粗CMCを撹拌しながら水分
と接触させることにより、より均一に水分を付与するこ
とができる。
【0017】粗CMCを収納した容器内にスチームを吹
込む場合、スチームとして、湿ったスチームを用いるこ
とができるが、乾いたスチーム(過熱スチーム)を用い
ることもできる。乾いたスチームは、容器内に吹込まれ
た際に容器の内壁や粗CMCなどと接触して温度が低下
することから、湿ったスチームとして作用して、粗CM
Cを湿潤させることができる。乾いたスチームの温度
は、吹込んだ際に湿ったスチームとして作用する範囲
で、吹込む系の熱容量を勘案して適宜設定することがで
きる。通常200℃以下のものを用いることができる。
込む場合、スチームとして、湿ったスチームを用いるこ
とができるが、乾いたスチーム(過熱スチーム)を用い
ることもできる。乾いたスチームは、容器内に吹込まれ
た際に容器の内壁や粗CMCなどと接触して温度が低下
することから、湿ったスチームとして作用して、粗CM
Cを湿潤させることができる。乾いたスチームの温度
は、吹込んだ際に湿ったスチームとして作用する範囲
で、吹込む系の熱容量を勘案して適宜設定することがで
きる。通常200℃以下のものを用いることができる。
【0018】また、粗CMC粒子への水分の均一な付与
は、水分を噴霧する場合、スチームを吹込む場合、湿っ
た空気を吹込む場合のいずれにおいても、水分供給口の
個数、容器内における水分供給口の位置、水分供給口間
の間隔、粗CMCの撹拌効率などを適宜設定しておこな
うことができる。さらに、水分を噴霧する場合の水滴の
粒子径、スチームを吹込む場合のスチームの温度や供給
量、湿った空気を吹込む場合の空気の湿度や供給量など
を勘案しておこなうことができる。
は、水分を噴霧する場合、スチームを吹込む場合、湿っ
た空気を吹込む場合のいずれにおいても、水分供給口の
個数、容器内における水分供給口の位置、水分供給口間
の間隔、粗CMCの撹拌効率などを適宜設定しておこな
うことができる。さらに、水分を噴霧する場合の水滴の
粒子径、スチームを吹込む場合のスチームの温度や供給
量、湿った空気を吹込む場合の空気の湿度や供給量など
を勘案しておこなうことができる。
【0019】さらに、粗CMCに水分を付与する際に
は、水分は粗CMCの表面被膜を膨潤させる程度に徐々
に供給することが望ましい。水分を急激に供給する場合
には、供給された水分と最初に接触した粗CMCの粒子
は、その表面の被膜が溶解して相互に結合して団子状の
粗CMCを形成するので好ましくない。団子状の粗CM
Cは、その後の乾燥工程において、残留有機溶媒を蒸発
除去する効率が悪いことから、さらにこれを再粉砕する
工程が必須となる。
は、水分は粗CMCの表面被膜を膨潤させる程度に徐々
に供給することが望ましい。水分を急激に供給する場合
には、供給された水分と最初に接触した粗CMCの粒子
は、その表面の被膜が溶解して相互に結合して団子状の
粗CMCを形成するので好ましくない。団子状の粗CM
Cは、その後の乾燥工程において、残留有機溶媒を蒸発
除去する効率が悪いことから、さらにこれを再粉砕する
工程が必須となる。
【0020】また、粗CMCと水との配合割合は、前述
したように、粗CMCの粒子表面を湿潤できるに充分な
範囲であることが肝要である。本発明においては、粗C
MC100重量部に対して、水4〜25重量部、好まし
くは5〜20重量部、より好ましくは6〜15重量部で
あり、この範囲でCMCのエーテル化度、1重量%粘
度、残留溶媒の種類や濃度、所望とする残留溶媒の含有
量などを勘案して、適宜設定することができる。
したように、粗CMCの粒子表面を湿潤できるに充分な
範囲であることが肝要である。本発明においては、粗C
MC100重量部に対して、水4〜25重量部、好まし
くは5〜20重量部、より好ましくは6〜15重量部で
あり、この範囲でCMCのエーテル化度、1重量%粘
度、残留溶媒の種類や濃度、所望とする残留溶媒の含有
量などを勘案して、適宜設定することができる。
【0021】粗CMC100重量部に対する水の配合割
合が、4重量部未満の場合には粗CMC中の残留有機溶
媒が低減せず、また25重量部を超える場合には、粗C
MCの表面の被膜が水に溶解することから、粗CMCの
粒子が相互に結合して団子状態となる。団子状態となっ
たCMCは、CMCを乾燥させた後、新たな粉砕工程を
必要とすることから、経済的でない。
合が、4重量部未満の場合には粗CMC中の残留有機溶
媒が低減せず、また25重量部を超える場合には、粗C
MCの表面の被膜が水に溶解することから、粗CMCの
粒子が相互に結合して団子状態となる。団子状態となっ
たCMCは、CMCを乾燥させた後、新たな粉砕工程を
必要とすることから、経済的でない。
【0022】湿潤させた粗CMCを乾燥する乾燥工程
は、特に限定するものではなく、容器内に加熱媒体を供
給して乾燥する内部乾燥、容器外から加熱して乾燥する
外部乾燥など任意の方法を採用して行うことができる。
また、乾燥温度と熱供給速度は、粗CMC中の有機溶媒
の蒸発量、すなわち残留有機溶媒の低減量に大きく影響
する。したがって、乾燥工程においては、後述するよう
に、高い乾燥温度と高い熱供給速度でおこなうことが望
ましい。しかし、乾燥温度および/または熱供給速度が
高過ぎる場合には、CMCがこげて着色したり、製造コ
ストが高くなるという問題がある。
は、特に限定するものではなく、容器内に加熱媒体を供
給して乾燥する内部乾燥、容器外から加熱して乾燥する
外部乾燥など任意の方法を採用して行うことができる。
また、乾燥温度と熱供給速度は、粗CMC中の有機溶媒
の蒸発量、すなわち残留有機溶媒の低減量に大きく影響
する。したがって、乾燥工程においては、後述するよう
に、高い乾燥温度と高い熱供給速度でおこなうことが望
ましい。しかし、乾燥温度および/または熱供給速度が
高過ぎる場合には、CMCがこげて着色したり、製造コ
ストが高くなるという問題がある。
【0023】残留有機溶媒の沸点よりも高い温度で、し
かも高い熱供給速度で乾燥する場合には、粗CMCの表
面に被膜が形成される前に内部の残留有機溶媒を蒸発さ
せることができるので、残留有機溶媒の低減効果が大き
い。これに対して、粗CMC中の残留有機溶媒の沸点よ
りも低い温度で、しかも低い熱供給速度で乾燥する場合
には、粗CMC粒子内部の残留有機溶媒が蒸発する前に
表面に被膜が形成されてその蒸発を妨げるために好まし
くない。一方、減圧下で乾燥する場合には、低い乾燥温
度で残留有機溶媒を蒸発させることができるので、残留
有機溶媒を経済的に有利に低減させることができまた着
色の少ないCMCを得ることができる。さらに、窒素ガ
スなどの不活性ガスを通気しながら乾燥する場合は、残
留有機溶媒の蒸気圧をさげまた蒸発した残留有機溶媒の
容器外への移動を促進することから、やはり残留有機溶
媒の低減効果が大きい。
かも高い熱供給速度で乾燥する場合には、粗CMCの表
面に被膜が形成される前に内部の残留有機溶媒を蒸発さ
せることができるので、残留有機溶媒の低減効果が大き
い。これに対して、粗CMC中の残留有機溶媒の沸点よ
りも低い温度で、しかも低い熱供給速度で乾燥する場合
には、粗CMC粒子内部の残留有機溶媒が蒸発する前に
表面に被膜が形成されてその蒸発を妨げるために好まし
くない。一方、減圧下で乾燥する場合には、低い乾燥温
度で残留有機溶媒を蒸発させることができるので、残留
有機溶媒を経済的に有利に低減させることができまた着
色の少ないCMCを得ることができる。さらに、窒素ガ
スなどの不活性ガスを通気しながら乾燥する場合は、残
留有機溶媒の蒸気圧をさげまた蒸発した残留有機溶媒の
容器外への移動を促進することから、やはり残留有機溶
媒の低減効果が大きい。
【0024】乾燥温度は、常圧下で乾燥する場合60〜
140℃、好ましくは60〜130℃、より好ましくは
80〜105℃であるが、この範囲内で上記した乾燥温
度および熱供給速度、さらに粗CMCのエーテル化度、
1重量%粘度、残留溶媒の種類や濃度など、所望とする
CMCの品質(残留溶媒の含有量、水分)などを勘案し
て適宜設定することができる。通常、CMC中の水分は
5〜10重量%である。乾燥温度が60℃未満の場合は
水分を十分に蒸発できず、また有機溶媒の含有量を低減
することができない。140℃を超える場合は水分を迅
速に、また十分除去できるものの、CMCがこげて黄化
するという問題を生じる。
140℃、好ましくは60〜130℃、より好ましくは
80〜105℃であるが、この範囲内で上記した乾燥温
度および熱供給速度、さらに粗CMCのエーテル化度、
1重量%粘度、残留溶媒の種類や濃度など、所望とする
CMCの品質(残留溶媒の含有量、水分)などを勘案し
て適宜設定することができる。通常、CMC中の水分は
5〜10重量%である。乾燥温度が60℃未満の場合は
水分を十分に蒸発できず、また有機溶媒の含有量を低減
することができない。140℃を超える場合は水分を迅
速に、また十分除去できるものの、CMCがこげて黄化
するという問題を生じる。
【0025】本発明の精製方法を適用する粗CMCは、
溶媒法によるCMC製造方法における洗浄溶媒の脱液工
程で得られるCMC、乾燥工程で得られるCMC、乾燥
後の粉砕工程で得られるCMCなどであるが、乾燥工程
の前段の工程、たとえば脱液工程で得られる粗CMC
は、粒度が不均一であることから残留有機溶媒の含有量
を所望の濃度まで低減するために、温度、時間、接触方
法などの接触条件をより厳しくすることが必要である。
また、乾燥工程の後段にある粉砕工程で得られるCMC
は、残留有機溶媒の含有量を容易に低減することができ
る。いずれの場合においても、粒度の小さい粉末状の粗
CMCが、残留有機溶媒の含有量をより顕著に低減する
ことができる。特に、微細粉末状のもの(たとえば、6
0メッシュの篩を全通するもの)が望ましい。
溶媒法によるCMC製造方法における洗浄溶媒の脱液工
程で得られるCMC、乾燥工程で得られるCMC、乾燥
後の粉砕工程で得られるCMCなどであるが、乾燥工程
の前段の工程、たとえば脱液工程で得られる粗CMC
は、粒度が不均一であることから残留有機溶媒の含有量
を所望の濃度まで低減するために、温度、時間、接触方
法などの接触条件をより厳しくすることが必要である。
また、乾燥工程の後段にある粉砕工程で得られるCMC
は、残留有機溶媒の含有量を容易に低減することができ
る。いずれの場合においても、粒度の小さい粉末状の粗
CMCが、残留有機溶媒の含有量をより顕著に低減する
ことができる。特に、微細粉末状のもの(たとえば、6
0メッシュの篩を全通するもの)が望ましい。
【0026】また、本発明の粗CMCの精製方法は、繰
り返して行うことができる。この場合、精製コストが上
昇するものの、残留有機溶媒の含有量を著しく低減でき
る効果が大きく、含有量を100ppm以下に低減する
ことも可能である。
り返して行うことができる。この場合、精製コストが上
昇するものの、残留有機溶媒の含有量を著しく低減でき
る効果が大きく、含有量を100ppm以下に低減する
ことも可能である。
【0027】
【実施例】本発明を実施例に基づいて説明する。なお、
本発明は以下の実施例によって何ら限定されるものでは
ない。実施例1〜6および比較例1〜5においては、以
下に示す粗CMCを用いた。
本発明は以下の実施例によって何ら限定されるものでは
ない。実施例1〜6および比較例1〜5においては、以
下に示す粗CMCを用いた。
【0028】(粗CMC)通常の溶媒法で製造して得ら
れた、1重量%粘度の異なる2種類のCMCを、それぞ
れ直径0.1〜10mmに粉砕して60メッシュの篩に
かけ、これを通過したものを、粗CMC(1)および粗
CMC(2)とした。粗CMC(1)および粗CMC
(2)の性状を表1に示した。また、粗CMC中の水分
および残留有機溶媒(メチルアルコール、エチルアルコ
ールおよびイソプロピルアルコール)の含有量の測定方
法を以下に示す。
れた、1重量%粘度の異なる2種類のCMCを、それぞ
れ直径0.1〜10mmに粉砕して60メッシュの篩に
かけ、これを通過したものを、粗CMC(1)および粗
CMC(2)とした。粗CMC(1)および粗CMC
(2)の性状を表1に示した。また、粗CMC中の水分
および残留有機溶媒(メチルアルコール、エチルアルコ
ールおよびイソプロピルアルコール)の含有量の測定方
法を以下に示す。
【0029】
【表1】
【0030】CMC中の水分は、ハロゲン水分計(日本
シイベルヘグナー株式会社販売、メトラー・トレドHR
73/HG53ハロゲン水分計)を用いて測定した。
シイベルヘグナー株式会社販売、メトラー・トレドHR
73/HG53ハロゲン水分計)を用いて測定した。
【0031】CMC中の残留有機溶媒の含有量は、充填
カラムを装着したFIDガスクロマトグラフ(株式会社
島津製作所製 GC−9A)を用いて、表2に示した測
定条件で測定した。測定用試料液は、CMCを水に溶解
して調製した0.5重量%水溶液を用いた。
カラムを装着したFIDガスクロマトグラフ(株式会社
島津製作所製 GC−9A)を用いて、表2に示した測
定条件で測定した。測定用試料液は、CMCを水に溶解
して調製した0.5重量%水溶液を用いた。
【0032】
【表2】
【0033】(実施例1)表1に示した粗CMC(1)
1kgを、撹拌口、水または窒素の仕込み口および通気
口からなる加熱装置付きの三口フラスコ(容量 3リッ
トル)にいれ、室温(約20度)で粗CMC(1)を撹
拌しつつ、霧吹きで水70g(粗CMC(1)100重
量部に対して、7重量部)を30分間かけて吹きかけ
た。さらに、30分間撹拌を継続した後、撹拌をしなが
ら110℃で2時間加熱して粗CMC(1)を乾燥し
た。加熱中は三口フラスコの通気口から蒸発ガスを排出
した。次いで、撹拌をしながら三口フラスコ内に乾燥し
た窒素ガスを0.05Nm3/時間で通気して常温まで
冷却した。得られたCMC(1)は、0.9835kg
であった。また、得られた処理後のCMC(1)中の水
分および残留有機溶媒の含有量を、前述した方法により
測定し、その結果を表3に示した。
1kgを、撹拌口、水または窒素の仕込み口および通気
口からなる加熱装置付きの三口フラスコ(容量 3リッ
トル)にいれ、室温(約20度)で粗CMC(1)を撹
拌しつつ、霧吹きで水70g(粗CMC(1)100重
量部に対して、7重量部)を30分間かけて吹きかけ
た。さらに、30分間撹拌を継続した後、撹拌をしなが
ら110℃で2時間加熱して粗CMC(1)を乾燥し
た。加熱中は三口フラスコの通気口から蒸発ガスを排出
した。次いで、撹拌をしながら三口フラスコ内に乾燥し
た窒素ガスを0.05Nm3/時間で通気して常温まで
冷却した。得られたCMC(1)は、0.9835kg
であった。また、得られた処理後のCMC(1)中の水
分および残留有機溶媒の含有量を、前述した方法により
測定し、その結果を表3に示した。
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】(実施例2〜5)実施例1において、処理
条件を表3に示した値とし、実施例3と実施例4におい
て粗CMCを乾燥する際に乾燥用窒素ガスを0.1Nm
3/時間通気したことを除いて、実施例1と同様にして
粗CMC(1)を処理し、実施例2〜4のものを得た。
また、実施例1で得られた処理後のCMC(1)を、さ
らに実施例1と同様にして水噴霧処理をして実施例5の
ものを得た。得られた処理後のCMC(1)について、
実施例1と同様にして、それぞれ水分および残留有機溶
媒の含有量を測定し、その結果を表3に示した。
条件を表3に示した値とし、実施例3と実施例4におい
て粗CMCを乾燥する際に乾燥用窒素ガスを0.1Nm
3/時間通気したことを除いて、実施例1と同様にして
粗CMC(1)を処理し、実施例2〜4のものを得た。
また、実施例1で得られた処理後のCMC(1)を、さ
らに実施例1と同様にして水噴霧処理をして実施例5の
ものを得た。得られた処理後のCMC(1)について、
実施例1と同様にして、それぞれ水分および残留有機溶
媒の含有量を測定し、その結果を表3に示した。
【0037】(比較例1〜5)実施例1において、処理
条件を表4に示した値とし、比較例1と比較例3におい
て粗CMCを乾燥する際に乾燥用窒素ガスを0.1Nm
3/時間通気したことを除いて、実施例1と同様にして
粗CMC(1)を処理し、比較例1〜5のものを得た。
比較例1は、水を噴霧せず、乾燥時間を長くしたもので
ある。得られた処理後のCMC(1)について、実施例
1と同様にして、それぞれ水分および残留有機溶媒の含
有量を測定し、その結果を表4に示した。
条件を表4に示した値とし、比較例1と比較例3におい
て粗CMCを乾燥する際に乾燥用窒素ガスを0.1Nm
3/時間通気したことを除いて、実施例1と同様にして
粗CMC(1)を処理し、比較例1〜5のものを得た。
比較例1は、水を噴霧せず、乾燥時間を長くしたもので
ある。得られた処理後のCMC(1)について、実施例
1と同様にして、それぞれ水分および残留有機溶媒の含
有量を測定し、その結果を表4に示した。
【0038】(実施例6)表1に示した粗CMC(2)
500kgを、ジャケットおよび撹拌機付きの横型ステ
ンレス製容器(容量1m3)にいれ、粗CMC(2)を
撹拌しつつ、ゲージ圧3MPa(kgf/cm2)のス
チーム(約140℃)を0.06トン/時間の吹き込み
速度で1時間吹き込み、吹込んだスチームの一部は容器
外に排出した。スチームを吹込んだ際に、粗CMC
(2)を湿潤するのに消費された水は、54kg(粗C
MC(2)100重量部に対して、10.8重量部)で
あった。スチームの吹き込みを終了後、さらに30分間
撹拌を継続した。次いで、撹拌をしながらジャケットに
ゲージ圧3MPaのスチーム(約140℃)を通気し
て、スチームと接触させたCMC(2)を2時間加熱乾
燥した。さらに、撹拌を続けながら容器内に乾燥した窒
素ガスを0.5Nm3/時間通気して常温まで冷却し
た。得られた処理後のCMC(2)の水分およびエチル
アルコールの含有量を実施例1と同様にして測定し、そ
の結果を表5に示した。
500kgを、ジャケットおよび撹拌機付きの横型ステ
ンレス製容器(容量1m3)にいれ、粗CMC(2)を
撹拌しつつ、ゲージ圧3MPa(kgf/cm2)のス
チーム(約140℃)を0.06トン/時間の吹き込み
速度で1時間吹き込み、吹込んだスチームの一部は容器
外に排出した。スチームを吹込んだ際に、粗CMC
(2)を湿潤するのに消費された水は、54kg(粗C
MC(2)100重量部に対して、10.8重量部)で
あった。スチームの吹き込みを終了後、さらに30分間
撹拌を継続した。次いで、撹拌をしながらジャケットに
ゲージ圧3MPaのスチーム(約140℃)を通気し
て、スチームと接触させたCMC(2)を2時間加熱乾
燥した。さらに、撹拌を続けながら容器内に乾燥した窒
素ガスを0.5Nm3/時間通気して常温まで冷却し
た。得られた処理後のCMC(2)の水分およびエチル
アルコールの含有量を実施例1と同様にして測定し、そ
の結果を表5に示した。
【0039】
【表5】
【0040】表3から明らかなように、表1の粗CMC
(1)に比べて、実施例1〜5のものは、いずれも水噴
霧処理をしたことにより、メタノールおよびイソプロピ
ルアルコールの残留濃度は低下した。特に噴霧した水の
量が多い実施例2および実施例4のものは、メタノール
およびイソプロピルアルコールの残留濃度は顕著に低い
ものであった。また、実施例1のものをさらに水噴霧処
理した実施例5のものは、メタノールおよびイソプロピ
ルアルコールの濃度はいずれも200ppm以下とさら
に低いものであった。実施例1〜5のものは、1重量%
粘度が700mPa・s、CMCのエーテル化度が0.
75、のものであるが、1重量%粘度およびエーテル化
度が異なるCMCについても同様の結果が得られた。
(1)に比べて、実施例1〜5のものは、いずれも水噴
霧処理をしたことにより、メタノールおよびイソプロピ
ルアルコールの残留濃度は低下した。特に噴霧した水の
量が多い実施例2および実施例4のものは、メタノール
およびイソプロピルアルコールの残留濃度は顕著に低い
ものであった。また、実施例1のものをさらに水噴霧処
理した実施例5のものは、メタノールおよびイソプロピ
ルアルコールの濃度はいずれも200ppm以下とさら
に低いものであった。実施例1〜5のものは、1重量%
粘度が700mPa・s、CMCのエーテル化度が0.
75、のものであるが、1重量%粘度およびエーテル化
度が異なるCMCについても同様の結果が得られた。
【0041】これに対して、表4に示したとおり、比較
例1〜4のものは、粗CMC(1)1kgに対して、水
噴霧処理をしなかったか、または水の特定量未満(20
gおよび30g)を噴霧したことから、メタノール、イ
ソプロピルアルコール共に、CMC中の残留濃度は殆ど
低下しなかった。また、比較例5のものは、粗CMC1
kgに対して、特定量を超える多量の水(250g)を
噴霧したところ、粗CMC(1)の表面が水に溶解し
て、粗CMC(1)の粒子が相互に結合して団子状とな
ったため実験を中止した。
例1〜4のものは、粗CMC(1)1kgに対して、水
噴霧処理をしなかったか、または水の特定量未満(20
gおよび30g)を噴霧したことから、メタノール、イ
ソプロピルアルコール共に、CMC中の残留濃度は殆ど
低下しなかった。また、比較例5のものは、粗CMC1
kgに対して、特定量を超える多量の水(250g)を
噴霧したところ、粗CMC(1)の表面が水に溶解し
て、粗CMC(1)の粒子が相互に結合して団子状とな
ったため実験を中止した。
【0042】また、表5の実施例6のものは、工業的規
模でCMC(2)をスチーム処理したものであるが、表
5から明らかなように、処理後のCMC(2)中のエチ
ルアルコールの含有量(440ppm)は、表1の粗C
MC(2)のもの(5000ppm)に比べて、著しく
低いものであった。
模でCMC(2)をスチーム処理したものであるが、表
5から明らかなように、処理後のCMC(2)中のエチ
ルアルコールの含有量(440ppm)は、表1の粗C
MC(2)のもの(5000ppm)に比べて、著しく
低いものであった。
【0043】
【発明の効果】以上、詳細かつ具体的に説明したよう
に、本発明の粗カルボキシメチルセルロースの精製方法
は、溶媒法で製造され、残留有機溶媒を含む粗カルボキ
シメチルセルロースを水分と接触させて湿潤させ、次い
で乾燥する構成としたことにより、粗カルボキシメチル
セルロース中の残留有機溶媒の含有量を顕著に低減する
ことができ、特にメタノールの含有量を500ppm以
下に低減できるという効果を奏する。
に、本発明の粗カルボキシメチルセルロースの精製方法
は、溶媒法で製造され、残留有機溶媒を含む粗カルボキ
シメチルセルロースを水分と接触させて湿潤させ、次い
で乾燥する構成としたことにより、粗カルボキシメチル
セルロース中の残留有機溶媒の含有量を顕著に低減する
ことができ、特にメタノールの含有量を500ppm以
下に低減できるという効果を奏する。
Claims (5)
- 【請求項1】 マーセル化セルロースを有機溶媒の存在
下にエーテル化剤で処理することによりカルボキシメチ
ルセルロースを製造する方法において、残留有機溶媒を
含む粗カルボキシメチルセルロースを、該粗カルボキシ
メチルセルロースの表面に形成された被膜を湿潤できる
に充分な量の水分と接触させる湿潤工程と、湿潤させた
該粗カルボキシメチルセルロースを乾燥させることによ
り水分と一緒に残留有機溶媒を蒸発除去する乾燥工程と
を含むことを特徴とする粗カルボキシメチルセルロース
の精製方法。 - 【請求項2】 該湿潤工程は、粗カルボキシメチルセル
ロースに水蒸気を接触させて行うことを特徴とする請求
項1記載の粗カルボキシメチルセルロースの精製方法。 - 【請求項3】 該湿潤工程は、粗カルボキシメチルセル
ロース100重量部に対して、水4〜25重量部を接触
させることを特徴とする請求項1および請求項2のいず
れかに記載の粗カルボキシメチルセルロースの精製方
法。 - 【請求項4】 該乾燥工程は、60〜140℃の温度で
行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
粗カルボキシメチルセルロースの精製方法。 - 【請求項5】 該粗カルボキシメチルセルロースは、カ
ルボキシメチルセルロースの該製造方法において脱液工
程以降の工程で得られる粉末状のものであることを特徴
とする請求項1〜4のいずれかに記載の粗カルボキシメ
チルセルロースの精製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30519699A JP2001122902A (ja) | 1999-10-27 | 1999-10-27 | 粗カルボキシメチルセルロースの精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30519699A JP2001122902A (ja) | 1999-10-27 | 1999-10-27 | 粗カルボキシメチルセルロースの精製方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001122902A true JP2001122902A (ja) | 2001-05-08 |
Family
ID=17942216
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30519699A Pending JP2001122902A (ja) | 1999-10-27 | 1999-10-27 | 粗カルボキシメチルセルロースの精製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001122902A (ja) |
-
1999
- 1999-10-27 JP JP30519699A patent/JP2001122902A/ja active Pending
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---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060912 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100202 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100608 |