JP2001122895A - 新規なオピオイドペプチド誘導体 - Google Patents
新規なオピオイドペプチド誘導体Info
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- JP2001122895A JP2001122895A JP29851399A JP29851399A JP2001122895A JP 2001122895 A JP2001122895 A JP 2001122895A JP 29851399 A JP29851399 A JP 29851399A JP 29851399 A JP29851399 A JP 29851399A JP 2001122895 A JP2001122895 A JP 2001122895A
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- opioid
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Abstract
(57)【要約】
【目的】オピオイドレセプタ−に対して高い親和性を示
し、優れた鎮痛効果を発揮する低分子量のオピオイドペ
プチド誘導体を提供すること。 【構成】一般式(I)のペプチド誘導体: X-Pro-Phe-NH-Y (I) [式中、Xは、ジメチルチロシンを表し、またYは、置
換又は未置換のキノリル又はイソキノリル残基を表
す]。 【効果】一般式(I)のペプチド誘導体は、特にμ―オ
ピオイドレセプタ−に対して高い特異的親和性を示し、
優れた鎮痛効果を発揮する。またμ−レセプタ−アゴニ
スト活性とδ―レセプタ−アンタゴニスト活性を示す一
般式(I)のペプチド誘導体は、優れた鎮痛効果を発揮
ししかも従来公知のオピオイド化合物が有する副作用を
低減できることが予想されるので、新しい鎮痛薬として
期待できる。
し、優れた鎮痛効果を発揮する低分子量のオピオイドペ
プチド誘導体を提供すること。 【構成】一般式(I)のペプチド誘導体: X-Pro-Phe-NH-Y (I) [式中、Xは、ジメチルチロシンを表し、またYは、置
換又は未置換のキノリル又はイソキノリル残基を表
す]。 【効果】一般式(I)のペプチド誘導体は、特にμ―オ
ピオイドレセプタ−に対して高い特異的親和性を示し、
優れた鎮痛効果を発揮する。またμ−レセプタ−アゴニ
スト活性とδ―レセプタ−アンタゴニスト活性を示す一
般式(I)のペプチド誘導体は、優れた鎮痛効果を発揮
ししかも従来公知のオピオイド化合物が有する副作用を
低減できることが予想されるので、新しい鎮痛薬として
期待できる。
Description
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、オピオイドレセプタ―
を介して優れた生理活性作用を有し、特にμ−オピイド
レセプターに低濃度で親和性を示す新規なペプチド誘導
体およびその塩に係わる。更には、μ−オピオイドレセ
プタ―アゴニスト活性とδ−オピオイドレセプタ―アン
タゴニスト活性とを併せて有する新規なペプチド誘導体
またはその塩および前記した新規なペプチド誘導体を一
種又は二種以上有効成分として含んで成る医薬品に係わ
る。
を介して優れた生理活性作用を有し、特にμ−オピイド
レセプターに低濃度で親和性を示す新規なペプチド誘導
体およびその塩に係わる。更には、μ−オピオイドレセ
プタ―アゴニスト活性とδ−オピオイドレセプタ―アン
タゴニスト活性とを併せて有する新規なペプチド誘導体
またはその塩および前記した新規なペプチド誘導体を一
種又は二種以上有効成分として含んで成る医薬品に係わ
る。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】 ペ
プチドは、単位構造であるアミノ酸の配列により様々な
生理活性を示すことが知られている。またペプチドを構
成するアミノ酸を、他のアミノ酸または置換基等に変換
することによりペプチドミメティクスとし、得られた化
合物は固有の異なる生理活性を示す。脳内に存在する生
理活性ペプチドとして、鎮痛効果等に関わっているエン
ケファリン(Enkephalin; Tyr-Gly-Gly-Phe-Met,Tyr-Gly
-Gly-Phe-Leu) 等、オピオイドと総称されるペプチドに
ついては多くの研究がなされており、その過程でオピオ
イドおよびオピオイド構造を模したオピオイドミメティ
クスについては多くの研究もまたなされている。鎮痛効
果の発現は、リガンド−レセプタ−間の相互作用による
ことが報告されている。オピオイドレセプタ−作用物質
としては、従来からモルヒネが広く知られており、その
類縁体であるオピオイド(モルヒネ様)鎮痛剤が、がん
性疼痛および皮膚移植や水痘−帯状疱疹発症後の激しい
痛みを抑えるために臨床的に使用されている。しかしな
がら、呼吸中枢抑制作用などの中枢神経抑制作用、消化
管の平滑筋緊張や耽溺性、耐性など副作用も重篤であ
り、一層改善された鎮痛剤の開発が、特に強度の痛みを
もたらすガン末期、帯状疱疹における疱疹後痛の症例等
多くの分野で強く要請されている。
プチドは、単位構造であるアミノ酸の配列により様々な
生理活性を示すことが知られている。またペプチドを構
成するアミノ酸を、他のアミノ酸または置換基等に変換
することによりペプチドミメティクスとし、得られた化
合物は固有の異なる生理活性を示す。脳内に存在する生
理活性ペプチドとして、鎮痛効果等に関わっているエン
ケファリン(Enkephalin; Tyr-Gly-Gly-Phe-Met,Tyr-Gly
-Gly-Phe-Leu) 等、オピオイドと総称されるペプチドに
ついては多くの研究がなされており、その過程でオピオ
イドおよびオピオイド構造を模したオピオイドミメティ
クスについては多くの研究もまたなされている。鎮痛効
果の発現は、リガンド−レセプタ−間の相互作用による
ことが報告されている。オピオイドレセプタ−作用物質
としては、従来からモルヒネが広く知られており、その
類縁体であるオピオイド(モルヒネ様)鎮痛剤が、がん
性疼痛および皮膚移植や水痘−帯状疱疹発症後の激しい
痛みを抑えるために臨床的に使用されている。しかしな
がら、呼吸中枢抑制作用などの中枢神経抑制作用、消化
管の平滑筋緊張や耽溺性、耐性など副作用も重篤であ
り、一層改善された鎮痛剤の開発が、特に強度の痛みを
もたらすガン末期、帯状疱疹における疱疹後痛の症例等
多くの分野で強く要請されている。
【0003】最近ウシ大脳皮質からμオピドレセプタ−
に対して選択的に結合する内因性アゴニストとしてエン
ドモルフィンが発見され、マウスにおいて強力で且つ持
続性の鎮痛効果を有することが報告された(J. E. Za
dinaら、.Nature、386 499−502 (1997))。従来哺乳動
物の脳内から発見された、エンケファリン、ダイノルフ
ィンなど内因性オピオイドペプチドはいずれもδ−およ
びκ−オピオイドレセプター結合性であることから、モ
ルヒネが有する耽溺性や耐性発現などの欠点のない新し
い鎮痛化合物として期待されている。
に対して選択的に結合する内因性アゴニストとしてエン
ドモルフィンが発見され、マウスにおいて強力で且つ持
続性の鎮痛効果を有することが報告された(J. E. Za
dinaら、.Nature、386 499−502 (1997))。従来哺乳動
物の脳内から発見された、エンケファリン、ダイノルフ
ィンなど内因性オピオイドペプチドはいずれもδ−およ
びκ−オピオイドレセプター結合性であることから、モ
ルヒネが有する耽溺性や耐性発現などの欠点のない新し
い鎮痛化合物として期待されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記した事情に鑑みて、
本発明者らは、鎮痛効果発現の作用機序を明らかにし且
つ改善された新規鎮痛剤を開発するべく、鎮痛効果を有
する新たなペプチド構造物について体系的な探索と研究
を行った。
本発明者らは、鎮痛効果発現の作用機序を明らかにし且
つ改善された新規鎮痛剤を開発するべく、鎮痛効果を有
する新たなペプチド構造物について体系的な探索と研究
を行った。
【0005】オピオイドレセプタ―に特異的に結合する
内因性オピオイドペプチドがこれまでに、種々の哺乳動
物の中枢系や末梢組織において発見されているが、まず
上記した新規ペプチドの探索に際しては、鎮痛効果など
好ましい薬理作用と副作用との分離を確実にするため、
構造的にはペプチド鎖長を可能な限り短縮し、ペプチド
構造を単純化することを基本方針とした。そこで出発ペ
プチド構造として Tyr -Pro - Phe -を選択し、このも
のを種々な化学的修飾に供して、ペプチド誘導体又は類
縁体を合成し、これらについてマウス脳由来オピオイド
受容体を用いたレセプタ―競合アッセイを行うことによ
ってオピオイド受容体親和性を測定し、更にオピオイド
受容体親和性が特異的に高いペプチド誘導体について、
Tail pressure法によって鎮痛効果を測定した。その結
果、下記一般式(I)によって表されるペプチド誘導体
がμ−オピオイドレセプタ―に対して高い特異的親和性
を示し、従って強力な鎮痛効果を発揮することを見出し
て、本発明を完成したものである。
内因性オピオイドペプチドがこれまでに、種々の哺乳動
物の中枢系や末梢組織において発見されているが、まず
上記した新規ペプチドの探索に際しては、鎮痛効果など
好ましい薬理作用と副作用との分離を確実にするため、
構造的にはペプチド鎖長を可能な限り短縮し、ペプチド
構造を単純化することを基本方針とした。そこで出発ペ
プチド構造として Tyr -Pro - Phe -を選択し、このも
のを種々な化学的修飾に供して、ペプチド誘導体又は類
縁体を合成し、これらについてマウス脳由来オピオイド
受容体を用いたレセプタ―競合アッセイを行うことによ
ってオピオイド受容体親和性を測定し、更にオピオイド
受容体親和性が特異的に高いペプチド誘導体について、
Tail pressure法によって鎮痛効果を測定した。その結
果、下記一般式(I)によって表されるペプチド誘導体
がμ−オピオイドレセプタ―に対して高い特異的親和性
を示し、従って強力な鎮痛効果を発揮することを見出し
て、本発明を完成したものである。
【0006】即ち、本発明は、下記一般式(I)によっ
て表される、μ−オピオイドレセプタ―に対して高い特
異的親和性を示すペプチド誘導体又はその塩、更にはμ
−オピドレセプタ―アゴニスト活性とδ−オピオイドレ
セプタ―アンタゴニスト活性とを併せて有するペプチド
誘導体又はその塩並びにかかるペプチド誘導体を一種又
は二種以上含んでなる医薬に係わる: X-Pro-Phe-NH-Y (I) [式中Xは、2,6−ジメチルチロシン残基を示し、ま
たYは、置換又は未置換のキノリル又はイソキノリル残
基を表す]。一般式(I)で表されるペプチド誘導体
は、そのN末端からジメチルチロシン、プロリンおよび
フェニルアラニンが結合して成るトリペプチドのC末端
を種々の有機アミンでアミド化したものであって、ジメ
チルチロシンを含めこれらのアミノ酸はすべてL-体であ
り、またC末端をアミド化するために用いられるアミン
としては、いずれもモノアミンであって、例えば置換又
は未置換のキノリルアミン類又はイソキノリルアミン類
が挙げられる。
て表される、μ−オピオイドレセプタ―に対して高い特
異的親和性を示すペプチド誘導体又はその塩、更にはμ
−オピドレセプタ―アゴニスト活性とδ−オピオイドレ
セプタ―アンタゴニスト活性とを併せて有するペプチド
誘導体又はその塩並びにかかるペプチド誘導体を一種又
は二種以上含んでなる医薬に係わる: X-Pro-Phe-NH-Y (I) [式中Xは、2,6−ジメチルチロシン残基を示し、ま
たYは、置換又は未置換のキノリル又はイソキノリル残
基を表す]。一般式(I)で表されるペプチド誘導体
は、そのN末端からジメチルチロシン、プロリンおよび
フェニルアラニンが結合して成るトリペプチドのC末端
を種々の有機アミンでアミド化したものであって、ジメ
チルチロシンを含めこれらのアミノ酸はすべてL-体であ
り、またC末端をアミド化するために用いられるアミン
としては、いずれもモノアミンであって、例えば置換又
は未置換のキノリルアミン類又はイソキノリルアミン類
が挙げられる。
【0007】
【発明の実施の形態】上記一般式(I)で表されるペプ
チド誘導体は、固相合成法又は液相合成法のいずれによ
っても容易に合成される。固相合成法においては、固相
合成機としてPeptide synthesizer Model 433Aを使用
し、またResinはFmoc-Amide Resinを用い、Fmoc-アミノ
酸としてFmoc-Tyr(tBu)-OH、Fmoc-Pro-OH、Fmoc-Phe-OH
およびFmoc-Trp(Boc)-OHを使用して、HOBT/HBTUによる
活性エステル法でカップリングし、ジイソプロピルエチ
ルアミン(DIEA)でFmoc脱保護を行い、合成ペプチドをレ
ジンから95%TFA/H2Oにより切り出して行うのである。ま
た液相合成においては、例えばTyr-Pro-Phe-NH-キノリ
ン(quinoline)の場合別紙図1に示すスキ−ムに従って
行うことができる。なお、ジメチルチロシンは、Dygoら
(Synthesis, 741(1991))の方法にしたがって合成するこ
とが出来る。
チド誘導体は、固相合成法又は液相合成法のいずれによ
っても容易に合成される。固相合成法においては、固相
合成機としてPeptide synthesizer Model 433Aを使用
し、またResinはFmoc-Amide Resinを用い、Fmoc-アミノ
酸としてFmoc-Tyr(tBu)-OH、Fmoc-Pro-OH、Fmoc-Phe-OH
およびFmoc-Trp(Boc)-OHを使用して、HOBT/HBTUによる
活性エステル法でカップリングし、ジイソプロピルエチ
ルアミン(DIEA)でFmoc脱保護を行い、合成ペプチドをレ
ジンから95%TFA/H2Oにより切り出して行うのである。ま
た液相合成においては、例えばTyr-Pro-Phe-NH-キノリ
ン(quinoline)の場合別紙図1に示すスキ−ムに従って
行うことができる。なお、ジメチルチロシンは、Dygoら
(Synthesis, 741(1991))の方法にしたがって合成するこ
とが出来る。
【0008】上記ペプチド誘導体合成法において、目的
とするペプチド誘導体または中間体は、例えばイオンク
ロマトグラフィ―、ゲルろ過クロマトグラフィ―、逆相
クロマトグラフィ―、再結晶、抽出など種々の方法を適
宜に組み合わせて単離、精製すればよい。またかくして
得られた一般式(I)で表されるペプチド誘導体は、定
法に従って有機もしくは無機の酸または塩基を用いてそ
れぞれの塩に変換することが出来る。
とするペプチド誘導体または中間体は、例えばイオンク
ロマトグラフィ―、ゲルろ過クロマトグラフィ―、逆相
クロマトグラフィ―、再結晶、抽出など種々の方法を適
宜に組み合わせて単離、精製すればよい。またかくして
得られた一般式(I)で表されるペプチド誘導体は、定
法に従って有機もしくは無機の酸または塩基を用いてそ
れぞれの塩に変換することが出来る。
【0009】なお合成した、一般式(I)で表されるペ
プチド誘導体又はその塩のオピオイド受容体への親和性
は、以下のようにして行うことができる;即ち、ラット
脳組織を50μg/m L soybean trypsin inhibitorを含む
0.32M sucrose, 10mM HEPES (pH 7.5) でホモジナイズ
し、分画遠沈してシナプス膜分画(P2分画)を得、これ
から内在性リガンドを除去するため 100mM NaCl,0.1mM
GMP, soybean trypsin inhibitorを含む50mM HEPES (p
H 7.5)でプレインキュベートする。[3H]DPDPEおよび
[3H]DAGOを放射性リガンドとして使用し、シナプス膜分
画に吸着した放射性リガンドとの交換結合実験 (Radiol
abeled receptor assay; RRA)を行うのであるが、この
際目的リガンドとの交換を一定条件下の下で行った後、
P2分画に残存する放射線量を測定し、P2分画に吸着した
リガンド量を算出するのである。即ち、放射標識リガン
ドと目的リガンドとの間で競合してレセプターとの結合
が起こるものと仮定し、Affinity constant (Ki)を
Chengらの方法(Y. Cheng,Biochem. Pharmacol.,
22, 3099 (1973))により求める。
プチド誘導体又はその塩のオピオイド受容体への親和性
は、以下のようにして行うことができる;即ち、ラット
脳組織を50μg/m L soybean trypsin inhibitorを含む
0.32M sucrose, 10mM HEPES (pH 7.5) でホモジナイズ
し、分画遠沈してシナプス膜分画(P2分画)を得、これ
から内在性リガンドを除去するため 100mM NaCl,0.1mM
GMP, soybean trypsin inhibitorを含む50mM HEPES (p
H 7.5)でプレインキュベートする。[3H]DPDPEおよび
[3H]DAGOを放射性リガンドとして使用し、シナプス膜分
画に吸着した放射性リガンドとの交換結合実験 (Radiol
abeled receptor assay; RRA)を行うのであるが、この
際目的リガンドとの交換を一定条件下の下で行った後、
P2分画に残存する放射線量を測定し、P2分画に吸着した
リガンド量を算出するのである。即ち、放射標識リガン
ドと目的リガンドとの間で競合してレセプターとの結合
が起こるものと仮定し、Affinity constant (Ki)を
Chengらの方法(Y. Cheng,Biochem. Pharmacol.,
22, 3099 (1973))により求める。
【0010】また鎮痛効果は、下記するTail pressure
法に従って行う:即ち、実験動物としてDdY系雄性マウ
ス(体重24〜30g)1群5匹を使用して、披験薬物を生
理的食塩液に溶解した後10μl/mouseを大糟内投与(i.c.
v)し、次いでマウスの尾根部に圧測定装置(UGO BASILE
社製)を用いて加圧下に昇圧していき、マウスがもがき
反応を起こす閾値圧を測定するが、この際陽性対象薬と
して塩酸モルヒネを使用する。なお、投与直後に回転運
動を示したマウスは解析より除外することとし,結果を
閾値圧(g)の時間的経過として平均値±S.Eで表わす。
法に従って行う:即ち、実験動物としてDdY系雄性マウ
ス(体重24〜30g)1群5匹を使用して、披験薬物を生
理的食塩液に溶解した後10μl/mouseを大糟内投与(i.c.
v)し、次いでマウスの尾根部に圧測定装置(UGO BASILE
社製)を用いて加圧下に昇圧していき、マウスがもがき
反応を起こす閾値圧を測定するが、この際陽性対象薬と
して塩酸モルヒネを使用する。なお、投与直後に回転運
動を示したマウスは解析より除外することとし,結果を
閾値圧(g)の時間的経過として平均値±S.Eで表わす。
【0011】本発明に従った、一般式(I)で表される
ペプチド誘導体および塩は、文献に未記載の新規化合物
であり、上記した試験法において確認されたようにオピ
オイドレセプタ―に対する特異的親和性を有し、鎮痛効
果など種々のモルヒネ様生理活性を発現する。
ペプチド誘導体および塩は、文献に未記載の新規化合物
であり、上記した試験法において確認されたようにオピ
オイドレセプタ―に対する特異的親和性を有し、鎮痛効
果など種々のモルヒネ様生理活性を発現する。
【0012】従って、本発明のペプチド誘導体は、鎮痛
作用のみならずオピオイドペプチドがそのレセプタ−を
経由して発現する種々の中枢性および末梢性応答、例え
ば麻酔、沈静、呼吸、脈動、消化管機能、ホルモン分泌
調節、心筋収縮調節など生理学的作用を発揮することが
明らかである。本発明のペプチド誘導体又はその塩は、
鎮痛薬又はその他のオピオイドレセプタ−活性に関連し
た神経疾患の治療薬又は予防薬として用いることが可能
であり、その場合、経口投与、非経口投与、直腸投与、
舌下投与外用塗布又は脊髄管腔内の硬膜外注入やくも膜
下注入など種々の投与経路によって、それぞれに適した
適宜の基材、賦形剤など薬学的に許容し得る担体や添加
剤と混合して医薬製剤として患者に投与することが出来
る。本発明のペプチド誘導体又はその塩の投与量は、投
与を必要とする患者の年齢、疾患や症状の重篤度などに
よって変動するが、通常は0.01ないし500mg/kg体重を一
日あたり一回又は数回に分けて投与すればよい。以下に
おいて実施例を記載して本発明を更に詳細に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
作用のみならずオピオイドペプチドがそのレセプタ−を
経由して発現する種々の中枢性および末梢性応答、例え
ば麻酔、沈静、呼吸、脈動、消化管機能、ホルモン分泌
調節、心筋収縮調節など生理学的作用を発揮することが
明らかである。本発明のペプチド誘導体又はその塩は、
鎮痛薬又はその他のオピオイドレセプタ−活性に関連し
た神経疾患の治療薬又は予防薬として用いることが可能
であり、その場合、経口投与、非経口投与、直腸投与、
舌下投与外用塗布又は脊髄管腔内の硬膜外注入やくも膜
下注入など種々の投与経路によって、それぞれに適した
適宜の基材、賦形剤など薬学的に許容し得る担体や添加
剤と混合して医薬製剤として患者に投与することが出来
る。本発明のペプチド誘導体又はその塩の投与量は、投
与を必要とする患者の年齢、疾患や症状の重篤度などに
よって変動するが、通常は0.01ないし500mg/kg体重を一
日あたり一回又は数回に分けて投与すればよい。以下に
おいて実施例を記載して本発明を更に詳細に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0013】
【実施例】参考実施例: 2,6−ジメチル−L−チロシンの合成 (1)3,5−ジメチル−4−ヨ−ドフェノ−ルの合成 3,5−ヂメチルフェノ−ル(1.0eq)を大過剰のメタノ
−ル中において塩酸を用いて塩酸塩とし次いで約40℃に
加温した後、過ヨウ素酸とヨウ化カリウムを水に溶かし
た溶液を滴下し、そのままおぼ3時間反応させた。定法
に従い反応液を処理して、3,5−ジメチル−4−ヨ−
ドフェノ−ルをほぼ白色の結晶として得た。m.p. 12
8ー129℃、収率、40.8%。(2)4−ヨ−ド−3,5−ジメチル−フェニル酢酸エ
ステルの合成 3,5−ジメチル−4−ヨ−ドフェノ−ル(1.0eq)を過剰
量の無水酢酸とピリジンの混液中に溶かし、約50℃に加
温して2時間撹拌した。常温に冷却後、0.5NHCl
で稀釈して約2時間撹拌し、析出する結晶を分離して、
ほぼ白色の結晶として4−ヨ−ド−3,5−ジメチル−
フェニル酢酸エステルを得た。m.p. 43℃、収率、9
6%。(3) 3−(4−アセトキシ−2,6−ジメチルフェ
ニル)−2−プロピオン 酸メチル(2)−2−アセトア
ミドエステルの合成 4−ヨ−ド−3,5−ジメチル−フェニル酢酸エステル
(1.0eq)と過剰量の2−アセトアミドアクリル酸メチル
エステルとをそれぞれ適量のトリ−o−トリルホスフィ
ン、トリエチルアミンとジアセトキシパラジウムと共に
大過剰量のアセトニトリルに溶解させ、20時間80ー
90℃に加熱下還流させた。触媒を除去後、反応液を減
圧濃縮し、ついで水および酢酸エチルで抽出して、有機
相からほぼ白色の結晶として粗製3−(4−アセトキシ
−2,6−ジメチルフェニル)−2−プロピオン酸メチ
ル(2)−2−アセトアミドエステルを得た。m.p. 1
53―154℃、収率、78%。次いでこの粗製3−(4
−アセトキシ−2,6−ジメチルフェニル)−2−プロ
ピオン酸メチル(2)−2−アセトアミドエステルをシ
リカゲルカラムを注加し、クロロホルムで溶出すること
によって白色の結晶として精製3−(4−アセトキシ−
2,6−ジメチルフェニル)−2−プロピオン酸メチル
(2)−2−アセトアミドエステルを得た。m.p. 15
3―154℃、収率、92%。 (4)4−アセトキシ−N−アセチル−2,6−ジメチ
ル−L−チロシンメチル エステルの合成 3−(4−アセトキシ−2,6−ジメチルフェニル)−
2−プロピオン酸メチル(2)−2−アセトアミドエス
テル(1.0eq)を二倍容量の酢酸エチルに溶解し、得られ
た溶液を窒素ガスで導入しつつ20分以上の間撹拌し、
次いで(R,R)−(−)−1,2−ビス[(O−メトキシ
フェニル)(フェニル)ホスフィノ]エタン(以下”R
h触媒”と略称する)添加後、反応器内をアスピレ−タ
で陰圧にしてから水素ガスを導入し、ほぼ1kg/cm
2まで昇圧した。この減圧・水素ガス加圧のサイクル操
作を4ー5回繰り返してから、水素ガスによる加圧を過
熱下に行って最終的に水素圧4kg/cm2,温度60
℃として、この条件下で9時間還元反応を行った。反応
液を常法に従って処理して、ヘキサンで結晶化すると、
4−アセトキシ−N−アセチル−2,6−ジメチル−L
−チロシンメチルエステルを白色の結晶として得た。
m.p. 106−108℃、収率、90−94%。 (5)2,6−ジメチル−L−チロシン一塩酸塩・一水
塩の合成 4−アセトキシ−N−アセチル−2,6−ジメチル−L
−チロシンメチルエステル(1.0eq)を20倍量の10N
塩酸に加え、得られた溶液を加熱下に還流させた。反応
の進行を確認してから、反応溶液を室温までに冷却し、
析出した結晶を濾取し、デシケ−タ−で乾燥して、2,
6−ジメチル−L−チロシン一塩酸塩・一水塩を得た。
m.p. 255℃、収率、83%。なお、得られた結晶状
化合物をエタノ−ル中に溶解し、トリエチルアミンを加
えると、目的とする2,6−ジメチル−L−チロシン
(以下”Dmt”と略記する)が得られた。実施例1: Dmt-Pro-Phe-NH-3-(Quinolyl) (Sample No.MT−343)の
合成 (1)Boc-Phe-NH-3-(Quinolyl)の合成 Boc-Phe(1.0eq)をTHFに溶解し、NEt3(1.2eq)を加えてか
ら10℃まで冷却した。この混合液にクロロ蟻酸イソブチ
ル(IBCF、1.1eq)を滴下し、−10℃で30分撹拌して混合
酸無水物(MA)反応液とした。また3-キノリルアミン(1.
0eq)をDMFに溶解し−10℃にまで氷冷してアミン成分のD
MF溶液とし、この溶液にMA反応液を滴下し、−10℃付近
に冷却後約30分間攪拌し、以後0〜5℃として一夜攪拌
した。反応液中のアミン成分の消失をTLCで確認した
後、反応液を濃縮し、得られた残査に酢酸エチル(AcOE
t)を加え、有機相を10%クエン酸、5%重曹水、20%食塩水
で順次洗浄した。次いで有機相を無水硫酸ナトリウムで
脱水、濃縮し、残査を石油エーテルで処理して結晶化さ
せた。 AcOEt−石油エ−テルで再結晶を行い、結晶を
濾取して乾燥して、目的化合物を得た。m.p.124-125
℃、[α]D=+47.16 (C=1.0,MeOH) 元素分析、C23H25N3O3として:実測値、C: 70.59,H: 6.
44,N: 10.74 (理論値, C: 70.57, H: 6.44 ,N: 10.74
)。収率、75%。(2)Boc-Pro-Phe-NH-3-(Quinolyl)の合成 Boc-Phe-NH-3-(Quinolyl) (1.0eq)にHCl/dioxane(20eq)
を氷冷下で加え、攪拌して結晶を溶解させ、反応液中の
Boc-Phe-3-NH-(Quinolyl)をTLCでモニタ−してその消失
を確認した。ジエチルエーテルで結晶化し、結晶を分離
後乾燥してPhe-NH-3-(Quinolyl)塩酸塩を得た。これと
は別にBoc-Pro(1.0eq)をTHFに溶解し、NEt3(1.2eq)を加
えて−10℃まで冷却した後、IBCF( 1.1eq)を滴下し、−
10℃で30分間撹拌し、混合酸無水物(MA)反応液とした。
Phe-NH-3-(Quinolyl)塩酸塩をDMFに溶解し、NEt3を混合
液の液性が塩基性となるまで加え、−10℃に氷冷した。
アミン成分のDMF溶液にMA反応液を滴下し、−10℃付近
で約30分攪拌し、以後0〜5℃で一夜攪拌した。反応液
中のアミン成分の消失をTLCで確認した後、反応液を濃
縮し、得られた残査に酢酸エチル(AcOEt)を加え、有機
相を10%クエン酸、5%重曹水、20%食塩水で順次洗浄し
た。有機相を無水硫酸ナトリウムで脱水、濃縮し、得ら
れた残査を石油エ−テルで処理することにより結晶化さ
せた。AcOEt-石油エーテルで再結晶を行い、結晶を分離
後乾燥して目的化合物を得た。m.p. 110-112℃、[α]D
=−37.69 (C=1.0,MeOH)。元素分析、C28H32N4O4・1/2H2
Oとして:実測値、C: 67.99, H: 6.60, N: 11.20 (理
論値、C:67.69, H:6.69, N:11.26)。収率80%。(3)Boc-Dmt-Pro-Phe-NH-3-(Quinolyl)の合成 Boc-Pro-Phe-NH-3-(Quinolyl) (1.0eq)にHCl/dioxane(2
0eq)を氷冷下で加え、攪拌して結晶を溶解後、反応液中
のBoc-Phe-NH-3-(Quinolyl)をモニタ−して、その消失
をTLCで確認した。Et2Oで結晶化し、結晶を分離後乾燥
してPro-Phe-NH-3-(Quinolyl)塩酸塩を得た。Boc-ジメ
チルチロシンヒドラジド(Boc-Dmt-N2H3,1.0eq)をDMFに
溶解し、得られた溶液を−10〜−15℃に冷却し、HCl/di
oxane (2.5eq)、亜硝酸イソアミル(1.2eq)を加えた。
ヒドラジン試薬を用いてTLCでヒドラジドの消失を確認
するまで−10〜−15℃で攪拌を継続し、消失確認後NEt3
(2.5eq)を加えた。Pro-Phe-NH-3-(Quinolyl)塩酸塩(1.
0eq)をDMFに懸濁し、NEt3を液性が塩基性になるまで加
え、得られたDMF溶液を−10〜−15℃に冷却した後、ア
ジド反応液を滴下し、0〜5℃で攪拌を継続した。TLCで
反応の進行を確認した後、反応液を減圧濃縮し、得られ
た残査にAcOEtを加え、有機相を10%クエン酸、5%重曹
水、20%食塩水で順次洗浄した。有機相を無水硫酸ナト
リウムで脱水、濃縮し、得られた残査を石油エーテルで
処理して結晶化し、次いで AcOEt/石油エーテルから再
結晶した。結晶を分離後乾燥して、目的化合物を得た。
m.p.,134-136℃、[α]D=−45.10 (C=1.0,MeOH) 元素分析、C39H45N5O6として:実測値、C; 68.60, H;
6.37, N; 10.00 (理論値、C;68.90, H;6.67, N;10.3
0)。収率79%。(4)Dmt-Pro-Phe-NH-NH-3-(Quinolyl)塩酸塩の合成 Boc-Dmt-Pro-Phe- NH-3-(Quinolyl) (1.0eq)にHCl/diox
ane(20eq)を氷冷下で加え、攪拌して結晶を溶解後、反
応液中のBoc-Dmt-Pro-Phe- NH-3-(Quinolyl)の消失をTL
Cで確認した。ジエチルエーテル(Et2O)で結晶化し、結
晶を分離後乾燥してDmt-Pro-Phe- NH-3-(Quinolyl)塩酸
塩を得た。 アミノ酸分析値:Dmt; 0.88, Pro; 1.10, Phe; 0.84 MS、C34H37N5O4 として: 理論値、 579.70。実測値、 5
79.47実施例2: Dmt-Pro-Phe-NH-5-(Isoquinolyl)(Sample No.MT−454)
の合成 (1)Boc-Phe-NH-5-(Isoquinolyl)の合成 Boc-Phe (1.0eq)をTHFに溶解し、NEt3(1.2eq)を加えて
から10℃まで冷却した。次いでこの混合液にクロロ蟻酸
イソブチル(IBCF、1.1eq)を滴下し、−10℃で30分撹拌
して混合酸無水物(MA)反応液とした。また5-イソキノリ
ルアミン(1.0eq)をDMFに溶解し−10℃にまで氷冷してア
ミン成分のDMF溶液とし、この溶液にMA反応液を滴下
し、−10℃付近に冷却後約30分間攪拌し、以後0〜5℃
として一夜攪拌した。反応液中のアミン成分の消失をTL
Cで確認した後、反応液を濃縮し、得られた残査に酢酸
エチル(AcOEt)を加え、有機相を10%クエン酸、5%重曹
水、20%食塩水で順次洗浄した。次いで有機相をシリカ
ゲルカラムで精製した後、石油エ−テルで処理して結晶
化させた。 AcOEt−石油エ−テルで再結晶を行い、結
晶を濾取し、乾燥して目的化合物を得た。m.p. 150-15
3℃、[α]D=−17.28(C=1.0、MeOH)。元素分析、C23H25N
3O3として:実測値、C: 70.46,H: 6.43,N:10.50 (理論
値, C: 70.57, H: 6.44 ,N: 10.73)。収率、20%。(2)Boc-Pro-Phe-NH-5-(Isoquinolyl)の合成 Boc-Phe-NH-5-(Quinolyl) (1.0eq)にHCl/dioxane(20eq)
を氷冷下で加え、攪拌して結晶を溶解させ、反応液中の
Boc-Phe-NH-5-(Isoquinolyl)をTLCでモニタ−してその
消失を確認した。ジエチルエーテルで結晶化し、結晶を
分離後乾燥してPhe-NH-5-(Isoquinolyl)塩酸塩を得た。
これとは別にBoc-Pro(1.0eq)をTHFに溶解し、NEt3(1.2e
q)を加えて−10℃まで冷却した後、IBCF( 1.1eq)を滴下
し、−10℃で30分間撹拌して混合酸無水物(MA)反応液と
した。Phe-NH-5-(Isoquinolyl)塩酸塩をDMFに溶解し、N
Et3を混合液の液性が塩基性となるまで加えて、−10℃
に氷冷した。アミン成分のDMF溶液にMA反応液を滴下
し、−10℃付近で約30分間攪拌し、以後0〜5℃で一夜
攪拌した。反応液中のアミン成分の消失をTLCで確認し
た後、反応液を濃縮し、得られた残査に酢酸エチル(AcO
Et)を加え、有機相を10%クエン酸、5%重曹水、20%食塩
水で順次洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで脱
水、濃縮し、得られた残査を石油エ−テルで処理するこ
とにより結晶化させた。AcOEt-石油エーテルで再結晶を
行い、結晶を分離後乾燥して目的化合物を得た。m.p.
90-95℃、[α]D=−69.39 (C=1.0,MeOH)。元素分析、C28
H32N4O4として:実測値、C: 68.53, H: 6.30, N: 11.1
7 (理論値、C:68.83, H:6.60, N:11.47)。収率83%。(3)Boc-Dmt-Pro-Phe-NH-5-(Isoquinolyl)の合成 Boc-Pro-Phe-NH-5-(Isoquinolyl) (1.0eq)にHCl/dioxan
e(20eq)を氷冷下で加え、攪拌して結晶を溶解後、反応
液中のBoc-Pro-Phe-NH-5-(Isoquinolyl)をTLCでモニタ
−して、その消失を確認した。Et2Oで結晶化し、結晶を
分離後乾燥してPro-Phe-NH-5-(Isoquinolyl)塩酸塩を得
た。Boc-ジメチルチロシンヒドラジド(Boc-Dmt-N2H3,1.
0eq)をDMFに溶解し、得られた溶液を−10〜−15℃に冷
却し、HCl/dioxane (2.5eq)、亜硝酸イソアミル(1.2e
q)を加えた。ヒドラジン試薬を用いてTLCでヒドラジド
の消失を確認するまで−10〜−15℃で攪拌を継続し、消
失確認後NEt3(2.5eq)を加えた。Pro-Phe-NH-5-(Isoquin
olyl)塩酸塩(1.0eq)をDMFに懸濁し、NEt3を液性が塩
基性になるまで加え、得られたDMF溶液を−10〜−15℃
に冷却した後、アジド反応液を滴下し、0〜5℃で攪拌を
継続した。TLCで反応の進行を確認した後、反応液を減
圧濃縮し、得られた残査にAcOEtを加え、有機相を10%ク
エン酸、5%重曹水、20%食塩水で順次洗浄した。有機相
を無水硫酸ナトリウムで脱水、濃縮し、得られた残査を
石油エーテルで処理して結晶化し、次いで AcOEt/石油
エーテルから再結晶した。結晶を分離後乾燥して、目的
化合物を得た。m.p.,140-142℃、[α]D=−46.89 (C=1.
0,MeOH) 元素分析、C39H45N5O6・H20として:実測値、C; 67.32,
H; 6.57, N; 10.18 (理論値、C;67.12, H;6.08, N;10.
04)。収率50%。(4)Dmt-Pro-Phe-NH-NH-3-(Quinolyl)塩酸塩の合成 Boc-Dmt-Pro-Phe- NH-5-(Isoquinolyl) (1.0eq)にHCl/d
ioxane(20eq)を氷冷下で加え、攪拌して結晶を溶解後、
反応液中のBoc-Dmt-Pro-Phe- NH-5-(Isoquinolyl)の消
失をTLCで確認した。ジエチルエ−テル(Et2O)で結晶化
し、結晶を分離後乾燥してDmt-Pro-Phe- NH-5-(Isoquin
olyl)塩酸塩を得た。 アミノ酸分析値:Dmt; 0.46, Pro; 0.72, Phe; 0.52 MS、C34H37N5O4 として: 理論値、 579.70。実測値、 5
79.97実施例3 Dmt-Pro-Phe-NH-8-(Quinolyl) (Sample No.MT−450)の
合成 3−キノリルアミンの代わりに8−キノリルアミンを用い
た以外は実施例1において記載した方法を繰り返して、D
mt-Pro-Phe-NH-8-(Quinolyl)の合成を行った。以下にそ
の分析値を合成中間体の数値と共に示す。(1)Boc-Phe-NH-8-(Quinolyl)の合成 m.p.130-131℃、[α]D=−48.35 (C=1.0,MeOH) 元素分析、C23H25N3O3として:実測値、C: 70.65,H: 6.
45,N: 10.59 (理論値, C: 70.57, H: 6.44 ,N: 10.74
)。収率、65%。(2)Boc-Pro-Phe-NH-8-(Quinolyl)の合成 m.p.―(オイル状)、[α]D=−78.81 (C=1.0,MeOH)。 元素分析、C28H32N4O4として:実測値、C: 68.53, H:
6.30, N: 11.17 (理論値、C:68.83, H:6.60, N:11.4
7)。オイル状のため収率を100%と仮定して次工程にその
まま使用した。(3)Boc-Dmt-Pro-Phe-NH-8-(Quinolyl)の合成 m.p.,127-130℃、[α]D=−18.62 (C=1.0,MeOH) 元素分析、C39H45N5O6として:実測値、C; 68.60, H;
6.37, N; 10.00 (理論値、C;68.90%, H;6.37%, N;10.30
%)。収率、78%。(4)Dmt-Pro-Phe-NH-8-(Quinolyl)塩酸塩の合成 アミノ酸分析値:Dmt; 0.50, Pro; 0.77, Phe; 0.64 MS、C34H37N5O4 として: 理論値、 579.70。実測値、 5
79.70 なお上記ペプチド誘導体合成においては、融点測定器と
して柳本製作所製融点測定器を使用した;旋光度は、日
本分光 DIP-1000を用いて25℃で測定を行った;アミノ
酸分析器協和として協和精密(株)製 K-101ASアミノ
酸分析器を使用した;マススペクトルは、マトリックス
支援レーザイオン化飛行時間型計測質量分析装置(MALDI
TOF-MS) を使用した。実施例4: 一般式(I)で表されるペプチド誘導体のオピオイドレセ
プタ−親和性の測定 実施例1ないし3において合成したペプチド誘導体につ
いて、公知の方法に従って、μ−およびδ−オピオイド
レセプタ−親和性をラット脳組織から得たシナプス膜分
画を用いた競争的レセプタ−アッセイにより求めた。即
ち、平均体重が300ー350gであるSprague−Dawleyラッ
トを断首して致死させた後、小脳を除去した脳組織を50
μg/m L soybean trypsin inhibitorを含む0.32M sucro
se, 10mMHEPES (pH 7.5) でホモジナイズし、分画遠沈
してシナプス膜分画(P2分画)を得、これから内在性リ
ガンドを除去するため 100mM NaCl、0.1mM GMP, soybea
ntrypsin inhibitorを含む50mM HEPES (pH 7.5)でプレ
インキュベートした。μ−オピオイドレセプタ−アゴニ
ストであるトリチウム標識化[3H]DAGOおよびδ−オピオ
イドレセプタ−選択性の高いトリチウム標識化[3H]DPDP
Eをそれぞれ放射性リガンドとして使用し、該シナプス
膜の一部を被験ペプチド誘導体と共に一定時間インキュ
ベ−トすることによって、シナプス膜分画に対する放射
性リガンドと被験ペプチド誘導体との交換結合反応に基
く競合的レセプタ−結合アッセイ (Radiolabeled recep
tor assay; RRA)を行った。この際目的リガンドとの交
換反応を一定条件下の下で行った後、シナプス膜分画に
残存する放射線量を測定し、シナプス膜分画に吸着した
リガンド量を算出するのであるが、放射標識リガンドと
目的リガンドとの間で競合してレセプターとの結合が起
こるものと仮定し、放射性リガンドの最大特異的結合を
50%阻害する濃度(IC50)を求め、これから親和性結合定
数(Affinity constant (Ki))をChengらの方法
(Y.Cheng,Biochem. Pharmacol., 22, 3099 (197
3))により算出した。本発明のペプチド誘導体について
得られた結果を下記表に示す(参考物質として、H-Dmt-
Pro-Phe-NH-(1)- naphthyl (Sample No. MT-428)の結果
を併記する): 表1:Dmt-Pro-Phe-NH-Xのμ、δレセプターに対する親和性と選択性 ─────────────────────────────────── Receptor binding Ki(nM) Binding sele ctivity ─────────────────────────────────── μ δ δ/μ ─────────────────────────────────── H-Dmt-Pro-Phe-NH-(1)-(N 0.293±0.037 19.86±3.0( 68 aphthyl) (4) 4) H-Dmt-Pro-Phe-NH-(3)-(Q 0.328±0.017 190.37±22. 580 uinolyl) (4) 2(3) H-Dmt-Pro-Phe-NH-(8)-(Q 0.486±0.051 33.14±1.71 68 uinolyl) (5) (4) H-Dmt-Pro-Phe-NH-(5)-(I 0.190±0.018 98.33±8.83 517 soquinolyl) (5) (4) ─────────────────────────────────── 本発明のペプチド誘導体は、μレセプタ−に対して0.19
〜0.48nMと非常に低い濃度で親和性を有することが確認
された。実施例 5: 各種オピオイドレセプタ―に対するアゴニスト・アンタ
ゴニスト活性の測定 モルモット回腸(GPI)およびマウス輸精管(MVD)を用い、
オピオイド化合物のアゴニスト・アンタゴニスト活性に
関するアッセイ試験を行った。即ち、体重が300g前後の
雄性モルモットを放血死体させて、回盲結合部位に直近
の回腸から長さ10cm程度の回腸片を摘出し、36℃に定温
保持したKrebs等張液を満たしたマグヌス管内に、アイ
ソトニックトランスデュ−サ−により1gの静止張力を
かけた状態で載置し、次いで酸素通気処理(95%O2 /5%CO
2)を行った。次いで30Vで0.5 msecの電気刺激を与えて
モルモット回腸縦走筋を収縮させ、収縮が安定した後ペ
プチダ−ゼインヒビタ−を添加し、本発明の被験ペプチ
ド誘導体を加えて、モルモット回腸縦走筋の電気収縮の
変化増幅器と記録計とに接続した GrassFT0.3トランス
デュ−サ−によってモニタ−した。オピオイド活性は、
被験ペプチド誘導体添加後の収縮抑制とナロキソン添加
による収縮抑制解除とによって判定した。なお、モルモ
ット回腸縦走筋の電気収縮を50%抑制する濃度を測定
し、これをIC50とした。またマウスMVD アッセイにおい
て、モルモット回腸の代わりにマウス輸精管を用いて同
様の操作を行い、マウス輸精管の電気収縮を50%抑制す
る濃度IC50を測定した。なおGPIアッセイにおいては、
オピオイド作用は主としてμ−オピオイド受容体によっ
て仲介され、一方MVDアッセイにおいては、電気収縮の
阻害はδ−オピオイド受容体との相互作用によることが
明らかにされているので、それぞれの電気収縮を50%抑
制する濃度IC50は、アゴニスト効力であるものとみなし
た。本発明のペプチド誘導体について得られた結果を下
記表に示す(参考物質として、Sample No. MT-428の結
果を併記する): 表2: Dmt-Pro-Phe-NH-Xのμ、δレセプターに対するアゴニスト・アンタゴニ スト活性 ─────────────────────────────────── SamplePeptides GPI asaay MVD asaay pA2valu IC50± IC50± e vs DA S.E.(nM) S.E.(nM) DLE ─────────────────────────────────── MT-428Dmt-Pro-Phe-NH- 0.494± 5.47±1.01 ― (Naphthyl) 0.183 MT-343Dmt-Pro-Phe-NH-(3)-(Qui 9.14±0.81 >10000 6.01 nolyl) MT-450Dmt-Pro-Phe-NH-(8)-(Qui 44.5±11.0 2981±685 5.87 nolyl) MT-454Dmt-Pro-Phe-NH-(5)-(Iso 0.939± >10000 6.14 quinolyl) 0.112 ─────────────────────────────────── なお、 MVDアッセイにおいては、[D-Ala2,D-Leu5] enk
ephalin (DADLE)をアゴニストに用い、その IC50値を
2倍にするに要するサンプル濃度のマイナスlog値をPA
2 valueとして示した。Sample Nos. MT-343やMT-454
は、μレセプターに親和性を有して作用を発現する、す
なわちアゴニストとして働くのに対して比較的強いδレ
セプターアンタゴニストであることは明らかである。実施例6: 動物実験による鎮痛効果 H.Takagiら(European J. of Pharmacol., 56 (1979) 2
05-208)のマウス大槽内注射法によって、本発明のオピ
オイドペプチド誘導体のそれぞれを生理食塩水に溶解し
た溶液を10μl/マウスの用量でマウス大槽内(i.c.v.)に
投与し、次いでH.TakagiらのTail-pressure法に従っ
て、投与処置したマウス尾根部に圧力測定装置(UGO BAS
ILE社製)を用いて加圧し、その圧力を徐々に高めて、マ
ウスがもがき反応を起こす時の閾値圧を測定した。なお
マウスは一群五匹とし、陽性対照薬として塩酸モルヒネ
を用いまた大槽内投与直後に回転運動を示したマウスは
解析から除外した。実験結果を閾値圧の時間経過のグラ
フとして図2に示す(参考物質として、Sample No. MT-
428の結果を併記する)が、これらのグラフから、本発
明のオピオイドペプチド誘導体は、10μg/マウスの用量
で投与した場合、優れた鎮痛効果を発揮し、特にSample
Nos. 450および454は、鎮痛効果の発現が早いだけでな
く持続性でも用量1μg/マウスの塩酸モルヒネに匹敵
することが判る。
−ル中において塩酸を用いて塩酸塩とし次いで約40℃に
加温した後、過ヨウ素酸とヨウ化カリウムを水に溶かし
た溶液を滴下し、そのままおぼ3時間反応させた。定法
に従い反応液を処理して、3,5−ジメチル−4−ヨ−
ドフェノ−ルをほぼ白色の結晶として得た。m.p. 12
8ー129℃、収率、40.8%。(2)4−ヨ−ド−3,5−ジメチル−フェニル酢酸エ
ステルの合成 3,5−ジメチル−4−ヨ−ドフェノ−ル(1.0eq)を過剰
量の無水酢酸とピリジンの混液中に溶かし、約50℃に加
温して2時間撹拌した。常温に冷却後、0.5NHCl
で稀釈して約2時間撹拌し、析出する結晶を分離して、
ほぼ白色の結晶として4−ヨ−ド−3,5−ジメチル−
フェニル酢酸エステルを得た。m.p. 43℃、収率、9
6%。(3) 3−(4−アセトキシ−2,6−ジメチルフェ
ニル)−2−プロピオン 酸メチル(2)−2−アセトア
ミドエステルの合成 4−ヨ−ド−3,5−ジメチル−フェニル酢酸エステル
(1.0eq)と過剰量の2−アセトアミドアクリル酸メチル
エステルとをそれぞれ適量のトリ−o−トリルホスフィ
ン、トリエチルアミンとジアセトキシパラジウムと共に
大過剰量のアセトニトリルに溶解させ、20時間80ー
90℃に加熱下還流させた。触媒を除去後、反応液を減
圧濃縮し、ついで水および酢酸エチルで抽出して、有機
相からほぼ白色の結晶として粗製3−(4−アセトキシ
−2,6−ジメチルフェニル)−2−プロピオン酸メチ
ル(2)−2−アセトアミドエステルを得た。m.p. 1
53―154℃、収率、78%。次いでこの粗製3−(4
−アセトキシ−2,6−ジメチルフェニル)−2−プロ
ピオン酸メチル(2)−2−アセトアミドエステルをシ
リカゲルカラムを注加し、クロロホルムで溶出すること
によって白色の結晶として精製3−(4−アセトキシ−
2,6−ジメチルフェニル)−2−プロピオン酸メチル
(2)−2−アセトアミドエステルを得た。m.p. 15
3―154℃、収率、92%。 (4)4−アセトキシ−N−アセチル−2,6−ジメチ
ル−L−チロシンメチル エステルの合成 3−(4−アセトキシ−2,6−ジメチルフェニル)−
2−プロピオン酸メチル(2)−2−アセトアミドエス
テル(1.0eq)を二倍容量の酢酸エチルに溶解し、得られ
た溶液を窒素ガスで導入しつつ20分以上の間撹拌し、
次いで(R,R)−(−)−1,2−ビス[(O−メトキシ
フェニル)(フェニル)ホスフィノ]エタン(以下”R
h触媒”と略称する)添加後、反応器内をアスピレ−タ
で陰圧にしてから水素ガスを導入し、ほぼ1kg/cm
2まで昇圧した。この減圧・水素ガス加圧のサイクル操
作を4ー5回繰り返してから、水素ガスによる加圧を過
熱下に行って最終的に水素圧4kg/cm2,温度60
℃として、この条件下で9時間還元反応を行った。反応
液を常法に従って処理して、ヘキサンで結晶化すると、
4−アセトキシ−N−アセチル−2,6−ジメチル−L
−チロシンメチルエステルを白色の結晶として得た。
m.p. 106−108℃、収率、90−94%。 (5)2,6−ジメチル−L−チロシン一塩酸塩・一水
塩の合成 4−アセトキシ−N−アセチル−2,6−ジメチル−L
−チロシンメチルエステル(1.0eq)を20倍量の10N
塩酸に加え、得られた溶液を加熱下に還流させた。反応
の進行を確認してから、反応溶液を室温までに冷却し、
析出した結晶を濾取し、デシケ−タ−で乾燥して、2,
6−ジメチル−L−チロシン一塩酸塩・一水塩を得た。
m.p. 255℃、収率、83%。なお、得られた結晶状
化合物をエタノ−ル中に溶解し、トリエチルアミンを加
えると、目的とする2,6−ジメチル−L−チロシン
(以下”Dmt”と略記する)が得られた。実施例1: Dmt-Pro-Phe-NH-3-(Quinolyl) (Sample No.MT−343)の
合成 (1)Boc-Phe-NH-3-(Quinolyl)の合成 Boc-Phe(1.0eq)をTHFに溶解し、NEt3(1.2eq)を加えてか
ら10℃まで冷却した。この混合液にクロロ蟻酸イソブチ
ル(IBCF、1.1eq)を滴下し、−10℃で30分撹拌して混合
酸無水物(MA)反応液とした。また3-キノリルアミン(1.
0eq)をDMFに溶解し−10℃にまで氷冷してアミン成分のD
MF溶液とし、この溶液にMA反応液を滴下し、−10℃付近
に冷却後約30分間攪拌し、以後0〜5℃として一夜攪拌
した。反応液中のアミン成分の消失をTLCで確認した
後、反応液を濃縮し、得られた残査に酢酸エチル(AcOE
t)を加え、有機相を10%クエン酸、5%重曹水、20%食塩水
で順次洗浄した。次いで有機相を無水硫酸ナトリウムで
脱水、濃縮し、残査を石油エーテルで処理して結晶化さ
せた。 AcOEt−石油エ−テルで再結晶を行い、結晶を
濾取して乾燥して、目的化合物を得た。m.p.124-125
℃、[α]D=+47.16 (C=1.0,MeOH) 元素分析、C23H25N3O3として:実測値、C: 70.59,H: 6.
44,N: 10.74 (理論値, C: 70.57, H: 6.44 ,N: 10.74
)。収率、75%。(2)Boc-Pro-Phe-NH-3-(Quinolyl)の合成 Boc-Phe-NH-3-(Quinolyl) (1.0eq)にHCl/dioxane(20eq)
を氷冷下で加え、攪拌して結晶を溶解させ、反応液中の
Boc-Phe-3-NH-(Quinolyl)をTLCでモニタ−してその消失
を確認した。ジエチルエーテルで結晶化し、結晶を分離
後乾燥してPhe-NH-3-(Quinolyl)塩酸塩を得た。これと
は別にBoc-Pro(1.0eq)をTHFに溶解し、NEt3(1.2eq)を加
えて−10℃まで冷却した後、IBCF( 1.1eq)を滴下し、−
10℃で30分間撹拌し、混合酸無水物(MA)反応液とした。
Phe-NH-3-(Quinolyl)塩酸塩をDMFに溶解し、NEt3を混合
液の液性が塩基性となるまで加え、−10℃に氷冷した。
アミン成分のDMF溶液にMA反応液を滴下し、−10℃付近
で約30分攪拌し、以後0〜5℃で一夜攪拌した。反応液
中のアミン成分の消失をTLCで確認した後、反応液を濃
縮し、得られた残査に酢酸エチル(AcOEt)を加え、有機
相を10%クエン酸、5%重曹水、20%食塩水で順次洗浄し
た。有機相を無水硫酸ナトリウムで脱水、濃縮し、得ら
れた残査を石油エ−テルで処理することにより結晶化さ
せた。AcOEt-石油エーテルで再結晶を行い、結晶を分離
後乾燥して目的化合物を得た。m.p. 110-112℃、[α]D
=−37.69 (C=1.0,MeOH)。元素分析、C28H32N4O4・1/2H2
Oとして:実測値、C: 67.99, H: 6.60, N: 11.20 (理
論値、C:67.69, H:6.69, N:11.26)。収率80%。(3)Boc-Dmt-Pro-Phe-NH-3-(Quinolyl)の合成 Boc-Pro-Phe-NH-3-(Quinolyl) (1.0eq)にHCl/dioxane(2
0eq)を氷冷下で加え、攪拌して結晶を溶解後、反応液中
のBoc-Phe-NH-3-(Quinolyl)をモニタ−して、その消失
をTLCで確認した。Et2Oで結晶化し、結晶を分離後乾燥
してPro-Phe-NH-3-(Quinolyl)塩酸塩を得た。Boc-ジメ
チルチロシンヒドラジド(Boc-Dmt-N2H3,1.0eq)をDMFに
溶解し、得られた溶液を−10〜−15℃に冷却し、HCl/di
oxane (2.5eq)、亜硝酸イソアミル(1.2eq)を加えた。
ヒドラジン試薬を用いてTLCでヒドラジドの消失を確認
するまで−10〜−15℃で攪拌を継続し、消失確認後NEt3
(2.5eq)を加えた。Pro-Phe-NH-3-(Quinolyl)塩酸塩(1.
0eq)をDMFに懸濁し、NEt3を液性が塩基性になるまで加
え、得られたDMF溶液を−10〜−15℃に冷却した後、ア
ジド反応液を滴下し、0〜5℃で攪拌を継続した。TLCで
反応の進行を確認した後、反応液を減圧濃縮し、得られ
た残査にAcOEtを加え、有機相を10%クエン酸、5%重曹
水、20%食塩水で順次洗浄した。有機相を無水硫酸ナト
リウムで脱水、濃縮し、得られた残査を石油エーテルで
処理して結晶化し、次いで AcOEt/石油エーテルから再
結晶した。結晶を分離後乾燥して、目的化合物を得た。
m.p.,134-136℃、[α]D=−45.10 (C=1.0,MeOH) 元素分析、C39H45N5O6として:実測値、C; 68.60, H;
6.37, N; 10.00 (理論値、C;68.90, H;6.67, N;10.3
0)。収率79%。(4)Dmt-Pro-Phe-NH-NH-3-(Quinolyl)塩酸塩の合成 Boc-Dmt-Pro-Phe- NH-3-(Quinolyl) (1.0eq)にHCl/diox
ane(20eq)を氷冷下で加え、攪拌して結晶を溶解後、反
応液中のBoc-Dmt-Pro-Phe- NH-3-(Quinolyl)の消失をTL
Cで確認した。ジエチルエーテル(Et2O)で結晶化し、結
晶を分離後乾燥してDmt-Pro-Phe- NH-3-(Quinolyl)塩酸
塩を得た。 アミノ酸分析値:Dmt; 0.88, Pro; 1.10, Phe; 0.84 MS、C34H37N5O4 として: 理論値、 579.70。実測値、 5
79.47実施例2: Dmt-Pro-Phe-NH-5-(Isoquinolyl)(Sample No.MT−454)
の合成 (1)Boc-Phe-NH-5-(Isoquinolyl)の合成 Boc-Phe (1.0eq)をTHFに溶解し、NEt3(1.2eq)を加えて
から10℃まで冷却した。次いでこの混合液にクロロ蟻酸
イソブチル(IBCF、1.1eq)を滴下し、−10℃で30分撹拌
して混合酸無水物(MA)反応液とした。また5-イソキノリ
ルアミン(1.0eq)をDMFに溶解し−10℃にまで氷冷してア
ミン成分のDMF溶液とし、この溶液にMA反応液を滴下
し、−10℃付近に冷却後約30分間攪拌し、以後0〜5℃
として一夜攪拌した。反応液中のアミン成分の消失をTL
Cで確認した後、反応液を濃縮し、得られた残査に酢酸
エチル(AcOEt)を加え、有機相を10%クエン酸、5%重曹
水、20%食塩水で順次洗浄した。次いで有機相をシリカ
ゲルカラムで精製した後、石油エ−テルで処理して結晶
化させた。 AcOEt−石油エ−テルで再結晶を行い、結
晶を濾取し、乾燥して目的化合物を得た。m.p. 150-15
3℃、[α]D=−17.28(C=1.0、MeOH)。元素分析、C23H25N
3O3として:実測値、C: 70.46,H: 6.43,N:10.50 (理論
値, C: 70.57, H: 6.44 ,N: 10.73)。収率、20%。(2)Boc-Pro-Phe-NH-5-(Isoquinolyl)の合成 Boc-Phe-NH-5-(Quinolyl) (1.0eq)にHCl/dioxane(20eq)
を氷冷下で加え、攪拌して結晶を溶解させ、反応液中の
Boc-Phe-NH-5-(Isoquinolyl)をTLCでモニタ−してその
消失を確認した。ジエチルエーテルで結晶化し、結晶を
分離後乾燥してPhe-NH-5-(Isoquinolyl)塩酸塩を得た。
これとは別にBoc-Pro(1.0eq)をTHFに溶解し、NEt3(1.2e
q)を加えて−10℃まで冷却した後、IBCF( 1.1eq)を滴下
し、−10℃で30分間撹拌して混合酸無水物(MA)反応液と
した。Phe-NH-5-(Isoquinolyl)塩酸塩をDMFに溶解し、N
Et3を混合液の液性が塩基性となるまで加えて、−10℃
に氷冷した。アミン成分のDMF溶液にMA反応液を滴下
し、−10℃付近で約30分間攪拌し、以後0〜5℃で一夜
攪拌した。反応液中のアミン成分の消失をTLCで確認し
た後、反応液を濃縮し、得られた残査に酢酸エチル(AcO
Et)を加え、有機相を10%クエン酸、5%重曹水、20%食塩
水で順次洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで脱
水、濃縮し、得られた残査を石油エ−テルで処理するこ
とにより結晶化させた。AcOEt-石油エーテルで再結晶を
行い、結晶を分離後乾燥して目的化合物を得た。m.p.
90-95℃、[α]D=−69.39 (C=1.0,MeOH)。元素分析、C28
H32N4O4として:実測値、C: 68.53, H: 6.30, N: 11.1
7 (理論値、C:68.83, H:6.60, N:11.47)。収率83%。(3)Boc-Dmt-Pro-Phe-NH-5-(Isoquinolyl)の合成 Boc-Pro-Phe-NH-5-(Isoquinolyl) (1.0eq)にHCl/dioxan
e(20eq)を氷冷下で加え、攪拌して結晶を溶解後、反応
液中のBoc-Pro-Phe-NH-5-(Isoquinolyl)をTLCでモニタ
−して、その消失を確認した。Et2Oで結晶化し、結晶を
分離後乾燥してPro-Phe-NH-5-(Isoquinolyl)塩酸塩を得
た。Boc-ジメチルチロシンヒドラジド(Boc-Dmt-N2H3,1.
0eq)をDMFに溶解し、得られた溶液を−10〜−15℃に冷
却し、HCl/dioxane (2.5eq)、亜硝酸イソアミル(1.2e
q)を加えた。ヒドラジン試薬を用いてTLCでヒドラジド
の消失を確認するまで−10〜−15℃で攪拌を継続し、消
失確認後NEt3(2.5eq)を加えた。Pro-Phe-NH-5-(Isoquin
olyl)塩酸塩(1.0eq)をDMFに懸濁し、NEt3を液性が塩
基性になるまで加え、得られたDMF溶液を−10〜−15℃
に冷却した後、アジド反応液を滴下し、0〜5℃で攪拌を
継続した。TLCで反応の進行を確認した後、反応液を減
圧濃縮し、得られた残査にAcOEtを加え、有機相を10%ク
エン酸、5%重曹水、20%食塩水で順次洗浄した。有機相
を無水硫酸ナトリウムで脱水、濃縮し、得られた残査を
石油エーテルで処理して結晶化し、次いで AcOEt/石油
エーテルから再結晶した。結晶を分離後乾燥して、目的
化合物を得た。m.p.,140-142℃、[α]D=−46.89 (C=1.
0,MeOH) 元素分析、C39H45N5O6・H20として:実測値、C; 67.32,
H; 6.57, N; 10.18 (理論値、C;67.12, H;6.08, N;10.
04)。収率50%。(4)Dmt-Pro-Phe-NH-NH-3-(Quinolyl)塩酸塩の合成 Boc-Dmt-Pro-Phe- NH-5-(Isoquinolyl) (1.0eq)にHCl/d
ioxane(20eq)を氷冷下で加え、攪拌して結晶を溶解後、
反応液中のBoc-Dmt-Pro-Phe- NH-5-(Isoquinolyl)の消
失をTLCで確認した。ジエチルエ−テル(Et2O)で結晶化
し、結晶を分離後乾燥してDmt-Pro-Phe- NH-5-(Isoquin
olyl)塩酸塩を得た。 アミノ酸分析値:Dmt; 0.46, Pro; 0.72, Phe; 0.52 MS、C34H37N5O4 として: 理論値、 579.70。実測値、 5
79.97実施例3 Dmt-Pro-Phe-NH-8-(Quinolyl) (Sample No.MT−450)の
合成 3−キノリルアミンの代わりに8−キノリルアミンを用い
た以外は実施例1において記載した方法を繰り返して、D
mt-Pro-Phe-NH-8-(Quinolyl)の合成を行った。以下にそ
の分析値を合成中間体の数値と共に示す。(1)Boc-Phe-NH-8-(Quinolyl)の合成 m.p.130-131℃、[α]D=−48.35 (C=1.0,MeOH) 元素分析、C23H25N3O3として:実測値、C: 70.65,H: 6.
45,N: 10.59 (理論値, C: 70.57, H: 6.44 ,N: 10.74
)。収率、65%。(2)Boc-Pro-Phe-NH-8-(Quinolyl)の合成 m.p.―(オイル状)、[α]D=−78.81 (C=1.0,MeOH)。 元素分析、C28H32N4O4として:実測値、C: 68.53, H:
6.30, N: 11.17 (理論値、C:68.83, H:6.60, N:11.4
7)。オイル状のため収率を100%と仮定して次工程にその
まま使用した。(3)Boc-Dmt-Pro-Phe-NH-8-(Quinolyl)の合成 m.p.,127-130℃、[α]D=−18.62 (C=1.0,MeOH) 元素分析、C39H45N5O6として:実測値、C; 68.60, H;
6.37, N; 10.00 (理論値、C;68.90%, H;6.37%, N;10.30
%)。収率、78%。(4)Dmt-Pro-Phe-NH-8-(Quinolyl)塩酸塩の合成 アミノ酸分析値:Dmt; 0.50, Pro; 0.77, Phe; 0.64 MS、C34H37N5O4 として: 理論値、 579.70。実測値、 5
79.70 なお上記ペプチド誘導体合成においては、融点測定器と
して柳本製作所製融点測定器を使用した;旋光度は、日
本分光 DIP-1000を用いて25℃で測定を行った;アミノ
酸分析器協和として協和精密(株)製 K-101ASアミノ
酸分析器を使用した;マススペクトルは、マトリックス
支援レーザイオン化飛行時間型計測質量分析装置(MALDI
TOF-MS) を使用した。実施例4: 一般式(I)で表されるペプチド誘導体のオピオイドレセ
プタ−親和性の測定 実施例1ないし3において合成したペプチド誘導体につ
いて、公知の方法に従って、μ−およびδ−オピオイド
レセプタ−親和性をラット脳組織から得たシナプス膜分
画を用いた競争的レセプタ−アッセイにより求めた。即
ち、平均体重が300ー350gであるSprague−Dawleyラッ
トを断首して致死させた後、小脳を除去した脳組織を50
μg/m L soybean trypsin inhibitorを含む0.32M sucro
se, 10mMHEPES (pH 7.5) でホモジナイズし、分画遠沈
してシナプス膜分画(P2分画)を得、これから内在性リ
ガンドを除去するため 100mM NaCl、0.1mM GMP, soybea
ntrypsin inhibitorを含む50mM HEPES (pH 7.5)でプレ
インキュベートした。μ−オピオイドレセプタ−アゴニ
ストであるトリチウム標識化[3H]DAGOおよびδ−オピオ
イドレセプタ−選択性の高いトリチウム標識化[3H]DPDP
Eをそれぞれ放射性リガンドとして使用し、該シナプス
膜の一部を被験ペプチド誘導体と共に一定時間インキュ
ベ−トすることによって、シナプス膜分画に対する放射
性リガンドと被験ペプチド誘導体との交換結合反応に基
く競合的レセプタ−結合アッセイ (Radiolabeled recep
tor assay; RRA)を行った。この際目的リガンドとの交
換反応を一定条件下の下で行った後、シナプス膜分画に
残存する放射線量を測定し、シナプス膜分画に吸着した
リガンド量を算出するのであるが、放射標識リガンドと
目的リガンドとの間で競合してレセプターとの結合が起
こるものと仮定し、放射性リガンドの最大特異的結合を
50%阻害する濃度(IC50)を求め、これから親和性結合定
数(Affinity constant (Ki))をChengらの方法
(Y.Cheng,Biochem. Pharmacol., 22, 3099 (197
3))により算出した。本発明のペプチド誘導体について
得られた結果を下記表に示す(参考物質として、H-Dmt-
Pro-Phe-NH-(1)- naphthyl (Sample No. MT-428)の結果
を併記する): 表1:Dmt-Pro-Phe-NH-Xのμ、δレセプターに対する親和性と選択性 ─────────────────────────────────── Receptor binding Ki(nM) Binding sele ctivity ─────────────────────────────────── μ δ δ/μ ─────────────────────────────────── H-Dmt-Pro-Phe-NH-(1)-(N 0.293±0.037 19.86±3.0( 68 aphthyl) (4) 4) H-Dmt-Pro-Phe-NH-(3)-(Q 0.328±0.017 190.37±22. 580 uinolyl) (4) 2(3) H-Dmt-Pro-Phe-NH-(8)-(Q 0.486±0.051 33.14±1.71 68 uinolyl) (5) (4) H-Dmt-Pro-Phe-NH-(5)-(I 0.190±0.018 98.33±8.83 517 soquinolyl) (5) (4) ─────────────────────────────────── 本発明のペプチド誘導体は、μレセプタ−に対して0.19
〜0.48nMと非常に低い濃度で親和性を有することが確認
された。実施例 5: 各種オピオイドレセプタ―に対するアゴニスト・アンタ
ゴニスト活性の測定 モルモット回腸(GPI)およびマウス輸精管(MVD)を用い、
オピオイド化合物のアゴニスト・アンタゴニスト活性に
関するアッセイ試験を行った。即ち、体重が300g前後の
雄性モルモットを放血死体させて、回盲結合部位に直近
の回腸から長さ10cm程度の回腸片を摘出し、36℃に定温
保持したKrebs等張液を満たしたマグヌス管内に、アイ
ソトニックトランスデュ−サ−により1gの静止張力を
かけた状態で載置し、次いで酸素通気処理(95%O2 /5%CO
2)を行った。次いで30Vで0.5 msecの電気刺激を与えて
モルモット回腸縦走筋を収縮させ、収縮が安定した後ペ
プチダ−ゼインヒビタ−を添加し、本発明の被験ペプチ
ド誘導体を加えて、モルモット回腸縦走筋の電気収縮の
変化増幅器と記録計とに接続した GrassFT0.3トランス
デュ−サ−によってモニタ−した。オピオイド活性は、
被験ペプチド誘導体添加後の収縮抑制とナロキソン添加
による収縮抑制解除とによって判定した。なお、モルモ
ット回腸縦走筋の電気収縮を50%抑制する濃度を測定
し、これをIC50とした。またマウスMVD アッセイにおい
て、モルモット回腸の代わりにマウス輸精管を用いて同
様の操作を行い、マウス輸精管の電気収縮を50%抑制す
る濃度IC50を測定した。なおGPIアッセイにおいては、
オピオイド作用は主としてμ−オピオイド受容体によっ
て仲介され、一方MVDアッセイにおいては、電気収縮の
阻害はδ−オピオイド受容体との相互作用によることが
明らかにされているので、それぞれの電気収縮を50%抑
制する濃度IC50は、アゴニスト効力であるものとみなし
た。本発明のペプチド誘導体について得られた結果を下
記表に示す(参考物質として、Sample No. MT-428の結
果を併記する): 表2: Dmt-Pro-Phe-NH-Xのμ、δレセプターに対するアゴニスト・アンタゴニ スト活性 ─────────────────────────────────── SamplePeptides GPI asaay MVD asaay pA2valu IC50± IC50± e vs DA S.E.(nM) S.E.(nM) DLE ─────────────────────────────────── MT-428Dmt-Pro-Phe-NH- 0.494± 5.47±1.01 ― (Naphthyl) 0.183 MT-343Dmt-Pro-Phe-NH-(3)-(Qui 9.14±0.81 >10000 6.01 nolyl) MT-450Dmt-Pro-Phe-NH-(8)-(Qui 44.5±11.0 2981±685 5.87 nolyl) MT-454Dmt-Pro-Phe-NH-(5)-(Iso 0.939± >10000 6.14 quinolyl) 0.112 ─────────────────────────────────── なお、 MVDアッセイにおいては、[D-Ala2,D-Leu5] enk
ephalin (DADLE)をアゴニストに用い、その IC50値を
2倍にするに要するサンプル濃度のマイナスlog値をPA
2 valueとして示した。Sample Nos. MT-343やMT-454
は、μレセプターに親和性を有して作用を発現する、す
なわちアゴニストとして働くのに対して比較的強いδレ
セプターアンタゴニストであることは明らかである。実施例6: 動物実験による鎮痛効果 H.Takagiら(European J. of Pharmacol., 56 (1979) 2
05-208)のマウス大槽内注射法によって、本発明のオピ
オイドペプチド誘導体のそれぞれを生理食塩水に溶解し
た溶液を10μl/マウスの用量でマウス大槽内(i.c.v.)に
投与し、次いでH.TakagiらのTail-pressure法に従っ
て、投与処置したマウス尾根部に圧力測定装置(UGO BAS
ILE社製)を用いて加圧し、その圧力を徐々に高めて、マ
ウスがもがき反応を起こす時の閾値圧を測定した。なお
マウスは一群五匹とし、陽性対照薬として塩酸モルヒネ
を用いまた大槽内投与直後に回転運動を示したマウスは
解析から除外した。実験結果を閾値圧の時間経過のグラ
フとして図2に示す(参考物質として、Sample No. MT-
428の結果を併記する)が、これらのグラフから、本発
明のオピオイドペプチド誘導体は、10μg/マウスの用量
で投与した場合、優れた鎮痛効果を発揮し、特にSample
Nos. 450および454は、鎮痛効果の発現が早いだけでな
く持続性でも用量1μg/マウスの塩酸モルヒネに匹敵
することが判る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年12月28日(1999.12.
28)
28)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】追加
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】チロシン、プロリン、フェニルアラニン及びキ
ノリルアミンを出発物質として用いて液相法でTyr-Pro-
Phe-(Quinolyl)を合成する手法を示す簡略図である。即
ち本図においては、先ずフェニルアラニンのアミノ基を
t-ブトキシカルボニルで保護した後、クロロ蟻酸イソブ
チルを用いてキノリルアミンとカップリングさせ、その
後希塩酸で脱保護反応を行なってH-Phe-NH-(Quinolyl)
を得る;次にプロリンのアミノ基を同様にt-ブトキシカ
ルボニルで保護した後、クロロ蟻酸イソブチルを用いて
前記H-Phe-NH-(Quinolyl)とカップリングさせ、その後
希塩酸を用いて脱保護反応を行なってH-Pro-Phe-NH-(Qu
inolyl)を得る;次いでチロシンのカルボキシル基をメタ
ノールとの反応でエステル化し、またアミノ基をt- ブ
トキシカルボニルで保護した後ヒドラジンと反応させて
エステル基をヒドラジドとし、前記H-Pro-Phe-NH-(Quin
olyl) とカップリングさせてTyr-Pro-Phe-(Quinolyl)が
得られる。
ノリルアミンを出発物質として用いて液相法でTyr-Pro-
Phe-(Quinolyl)を合成する手法を示す簡略図である。即
ち本図においては、先ずフェニルアラニンのアミノ基を
t-ブトキシカルボニルで保護した後、クロロ蟻酸イソブ
チルを用いてキノリルアミンとカップリングさせ、その
後希塩酸で脱保護反応を行なってH-Phe-NH-(Quinolyl)
を得る;次にプロリンのアミノ基を同様にt-ブトキシカ
ルボニルで保護した後、クロロ蟻酸イソブチルを用いて
前記H-Phe-NH-(Quinolyl)とカップリングさせ、その後
希塩酸を用いて脱保護反応を行なってH-Pro-Phe-NH-(Qu
inolyl)を得る;次いでチロシンのカルボキシル基をメタ
ノールとの反応でエステル化し、またアミノ基をt- ブ
トキシカルボニルで保護した後ヒドラジンと反応させて
エステル基をヒドラジドとし、前記H-Pro-Phe-NH-(Quin
olyl) とカップリングさせてTyr-Pro-Phe-(Quinolyl)が
得られる。
【図2】実施例6 に記載したように、試験物質を10μg/
マウスの用量で マウス大槽内に注入投与して行なったT
ail-pressureによる鎮痛効果試験において、本発明に従
ったオピオイドペプチド誘導体であるSample Nos. MT-4
28, MT-450及びMT-454並びに参考物質であるMT- 424に
ついて得られた疼痛刺激による侵害受容閾値圧の経時変
化を黒塗りの四角で示す。なお、鎮痛試験においては生
理食塩水及び1μg/マウス用量の塩酸モルヒネをそれぞ
れ対照及び陽性対照として用いたが、閾値圧の経時変化
をそれぞれ記号○と記号△で示してある。
マウスの用量で マウス大槽内に注入投与して行なったT
ail-pressureによる鎮痛効果試験において、本発明に従
ったオピオイドペプチド誘導体であるSample Nos. MT-4
28, MT-450及びMT-454並びに参考物質であるMT- 424に
ついて得られた疼痛刺激による侵害受容閾値圧の経時変
化を黒塗りの四角で示す。なお、鎮痛試験においては生
理食塩水及び1μg/マウス用量の塩酸モルヒネをそれぞ
れ対照及び陽性対照として用いたが、閾値圧の経時変化
をそれぞれ記号○と記号△で示してある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C084 AA01 AA02 AA07 BA08 BA15 CA59 DB04 DB75 MA52 MA56 MA60 MA66 ZA082 ZC412 4H045 AA10 BA11 BA12 DA50 EA21 FA33 FA42 GA40 HA02
Claims (3)
- 【請求項1】 下記一般式(I)によって表される、μ
−オピオイドレセプタ―に対して高い特異的親和性を示
すペプチド誘導体またはその塩。 X-Pro-Phe-NH-Y (I) [式中、Xは、ジメチルチロシンを表しまたYは、置換
又は未置換のキノリル又はイソキノリル残基を表す]。 - 【請求項2】μ−オピオイドレセプタ―アゴニスト活性
とδ−オピオイドレセプタ―アンタゴニスト活性とを併
せて有する、請求項1において記載された、一般式
(I)で表されるペプチド誘導体又はその塩。 - 【請求項3】請求項1において記載された、一般式
(I)によって表されるペプチド誘導体またはその塩を
一種又は二種以上有効成分として含んで成る医薬品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29851399A JP2001122895A (ja) | 1999-10-20 | 1999-10-20 | 新規なオピオイドペプチド誘導体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29851399A JP2001122895A (ja) | 1999-10-20 | 1999-10-20 | 新規なオピオイドペプチド誘導体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001122895A true JP2001122895A (ja) | 2001-05-08 |
Family
ID=17860702
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29851399A Pending JP2001122895A (ja) | 1999-10-20 | 1999-10-20 | 新規なオピオイドペプチド誘導体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001122895A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6838580B2 (en) | 2002-01-29 | 2005-01-04 | Teikoku Seiyaku Co., Ltd. | Opioid derivative |
JP2006505494A (ja) * | 2002-02-20 | 2006-02-16 | アボット・ラボラトリーズ | バニロイド受容体サブタイプ1(vr1)受容体を阻害する縮合アザ二環式化合物 |
US7767705B2 (en) | 2006-08-25 | 2010-08-03 | Abbott Laboratories | Compounds that inhibit TRPV1 and uses thereof |
CN108299216A (zh) * | 2018-01-08 | 2018-07-20 | 浙江工业大学 | 一种2,6-二甲基-l-酪氨酸的制备方法 |
-
1999
- 1999-10-20 JP JP29851399A patent/JP2001122895A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6838580B2 (en) | 2002-01-29 | 2005-01-04 | Teikoku Seiyaku Co., Ltd. | Opioid derivative |
JP2006505494A (ja) * | 2002-02-20 | 2006-02-16 | アボット・ラボラトリーズ | バニロイド受容体サブタイプ1(vr1)受容体を阻害する縮合アザ二環式化合物 |
JP2011026326A (ja) * | 2002-02-20 | 2011-02-10 | Abbott Lab | バニロイド受容体サブタイプ1(vr1)受容体を阻害する縮合アザ二環式化合物 |
US7767705B2 (en) | 2006-08-25 | 2010-08-03 | Abbott Laboratories | Compounds that inhibit TRPV1 and uses thereof |
US8815930B2 (en) | 2006-08-25 | 2014-08-26 | Abbvie Inc. | Compounds that inhibit TRPV1 and uses thereof |
CN108299216A (zh) * | 2018-01-08 | 2018-07-20 | 浙江工业大学 | 一种2,6-二甲基-l-酪氨酸的制备方法 |
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