JP2001122895A - 新規なオピオイドペプチド誘導体 - Google Patents

新規なオピオイドペプチド誘導体

Info

Publication number
JP2001122895A
JP2001122895A JP29851399A JP29851399A JP2001122895A JP 2001122895 A JP2001122895 A JP 2001122895A JP 29851399 A JP29851399 A JP 29851399A JP 29851399 A JP29851399 A JP 29851399A JP 2001122895 A JP2001122895 A JP 2001122895A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phe
pro
opioid
peptide
quinolyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29851399A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshio Okada
芳男 岡田
Motohiro Takahashi
源浩 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hamari Chemicals Ltd
Original Assignee
Hamari Chemicals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hamari Chemicals Ltd filed Critical Hamari Chemicals Ltd
Priority to JP29851399A priority Critical patent/JP2001122895A/ja
Publication of JP2001122895A publication Critical patent/JP2001122895A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】オピオイドレセプタ−に対して高い親和性を示
し、優れた鎮痛効果を発揮する低分子量のオピオイドペ
プチド誘導体を提供すること。 【構成】一般式(I)のペプチド誘導体: X-Pro-Phe-NH-Y (I) [式中、Xは、ジメチルチロシンを表し、またYは、置
換又は未置換のキノリル又はイソキノリル残基を表
す]。 【効果】一般式(I)のペプチド誘導体は、特にμ―オ
ピオイドレセプタ−に対して高い特異的親和性を示し、
優れた鎮痛効果を発揮する。またμ−レセプタ−アゴニ
スト活性とδ―レセプタ−アンタゴニスト活性を示す一
般式(I)のペプチド誘導体は、優れた鎮痛効果を発揮
ししかも従来公知のオピオイド化合物が有する副作用を
低減できることが予想されるので、新しい鎮痛薬として
期待できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、オピオイドレセプタ―
を介して優れた生理活性作用を有し、特にμ−オピイド
レセプターに低濃度で親和性を示す新規なペプチド誘導
体およびその塩に係わる。更には、μ−オピオイドレセ
プタ―アゴニスト活性とδ−オピオイドレセプタ―アン
タゴニスト活性とを併せて有する新規なペプチド誘導体
またはその塩および前記した新規なペプチド誘導体を一
種又は二種以上有効成分として含んで成る医薬品に係わ
る。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】 ペ
プチドは、単位構造であるアミノ酸の配列により様々な
生理活性を示すことが知られている。またペプチドを構
成するアミノ酸を、他のアミノ酸または置換基等に変換
することによりペプチドミメティクスとし、得られた化
合物は固有の異なる生理活性を示す。脳内に存在する生
理活性ペプチドとして、鎮痛効果等に関わっているエン
ケファリン(Enkephalin; Tyr-Gly-Gly-Phe-Met,Tyr-Gly
-Gly-Phe-Leu) 等、オピオイドと総称されるペプチドに
ついては多くの研究がなされており、その過程でオピオ
イドおよびオピオイド構造を模したオピオイドミメティ
クスについては多くの研究もまたなされている。鎮痛効
果の発現は、リガンド−レセプタ−間の相互作用による
ことが報告されている。オピオイドレセプタ−作用物質
としては、従来からモルヒネが広く知られており、その
類縁体であるオピオイド(モルヒネ様)鎮痛剤が、がん
性疼痛および皮膚移植や水痘−帯状疱疹発症後の激しい
痛みを抑えるために臨床的に使用されている。しかしな
がら、呼吸中枢抑制作用などの中枢神経抑制作用、消化
管の平滑筋緊張や耽溺性、耐性など副作用も重篤であ
り、一層改善された鎮痛剤の開発が、特に強度の痛みを
もたらすガン末期、帯状疱疹における疱疹後痛の症例等
多くの分野で強く要請されている。
【0003】最近ウシ大脳皮質からμオピドレセプタ−
に対して選択的に結合する内因性アゴニストとしてエン
ドモルフィンが発見され、マウスにおいて強力で且つ持
続性の鎮痛効果を有することが報告された(J. E. Za
dinaら、.Nature、386 499−502 (1997))。従来哺乳動
物の脳内から発見された、エンケファリン、ダイノルフ
ィンなど内因性オピオイドペプチドはいずれもδ−およ
びκ−オピオイドレセプター結合性であることから、モ
ルヒネが有する耽溺性や耐性発現などの欠点のない新し
い鎮痛化合物として期待されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記した事情に鑑みて、
本発明者らは、鎮痛効果発現の作用機序を明らかにし且
つ改善された新規鎮痛剤を開発するべく、鎮痛効果を有
する新たなペプチド構造物について体系的な探索と研究
を行った。
【0005】オピオイドレセプタ―に特異的に結合する
内因性オピオイドペプチドがこれまでに、種々の哺乳動
物の中枢系や末梢組織において発見されているが、まず
上記した新規ペプチドの探索に際しては、鎮痛効果など
好ましい薬理作用と副作用との分離を確実にするため、
構造的にはペプチド鎖長を可能な限り短縮し、ペプチド
構造を単純化することを基本方針とした。そこで出発ペ
プチド構造として Tyr -Pro - Phe -を選択し、このも
のを種々な化学的修飾に供して、ペプチド誘導体又は類
縁体を合成し、これらについてマウス脳由来オピオイド
受容体を用いたレセプタ―競合アッセイを行うことによ
ってオピオイド受容体親和性を測定し、更にオピオイド
受容体親和性が特異的に高いペプチド誘導体について、
Tail pressure法によって鎮痛効果を測定した。その結
果、下記一般式(I)によって表されるペプチド誘導体
がμ−オピオイドレセプタ―に対して高い特異的親和性
を示し、従って強力な鎮痛効果を発揮することを見出し
て、本発明を完成したものである。
【0006】即ち、本発明は、下記一般式(I)によっ
て表される、μ−オピオイドレセプタ―に対して高い特
異的親和性を示すペプチド誘導体又はその塩、更にはμ
−オピドレセプタ―アゴニスト活性とδ−オピオイドレ
セプタ―アンタゴニスト活性とを併せて有するペプチド
誘導体又はその塩並びにかかるペプチド誘導体を一種又
は二種以上含んでなる医薬に係わる: X-Pro-Phe-NH-Y (I) [式中Xは、2,6−ジメチルチロシン残基を示し、ま
たYは、置換又は未置換のキノリル又はイソキノリル残
基を表す]。一般式(I)で表されるペプチド誘導体
は、そのN末端からジメチルチロシン、プロリンおよび
フェニルアラニンが結合して成るトリペプチドのC末端
を種々の有機アミンでアミド化したものであって、ジメ
チルチロシンを含めこれらのアミノ酸はすべてL-体であ
り、またC末端をアミド化するために用いられるアミン
としては、いずれもモノアミンであって、例えば置換又
は未置換のキノリルアミン類又はイソキノリルアミン類
が挙げられる。
【0007】
【発明の実施の形態】上記一般式(I)で表されるペプ
チド誘導体は、固相合成法又は液相合成法のいずれによ
っても容易に合成される。固相合成法においては、固相
合成機としてPeptide synthesizer Model 433Aを使用
し、またResinはFmoc-Amide Resinを用い、Fmoc-アミノ
酸としてFmoc-Tyr(tBu)-OH、Fmoc-Pro-OH、Fmoc-Phe-OH
およびFmoc-Trp(Boc)-OHを使用して、HOBT/HBTUによる
活性エステル法でカップリングし、ジイソプロピルエチ
ルアミン(DIEA)でFmoc脱保護を行い、合成ペプチドをレ
ジンから95%TFA/H2Oにより切り出して行うのである。ま
た液相合成においては、例えばTyr-Pro-Phe-NH-キノリ
ン(quinoline)の場合別紙図1に示すスキ−ムに従って
行うことができる。なお、ジメチルチロシンは、Dygoら
(Synthesis, 741(1991))の方法にしたがって合成するこ
とが出来る。
【0008】上記ペプチド誘導体合成法において、目的
とするペプチド誘導体または中間体は、例えばイオンク
ロマトグラフィ―、ゲルろ過クロマトグラフィ―、逆相
クロマトグラフィ―、再結晶、抽出など種々の方法を適
宜に組み合わせて単離、精製すればよい。またかくして
得られた一般式(I)で表されるペプチド誘導体は、定
法に従って有機もしくは無機の酸または塩基を用いてそ
れぞれの塩に変換することが出来る。
【0009】なお合成した、一般式(I)で表されるペ
プチド誘導体又はその塩のオピオイド受容体への親和性
は、以下のようにして行うことができる;即ち、ラット
脳組織を50μg/m L soybean trypsin inhibitorを含む
0.32M sucrose, 10mM HEPES (pH 7.5) でホモジナイズ
し、分画遠沈してシナプス膜分画(P2分画)を得、これ
から内在性リガンドを除去するため 100mM NaCl,0.1mM
GMP, soybean trypsin inhibitorを含む50mM HEPES (p
H 7.5)でプレインキュベートする。[3H]DPDPEおよび
[3H]DAGOを放射性リガンドとして使用し、シナプス膜分
画に吸着した放射性リガンドとの交換結合実験 (Radiol
abeled receptor assay; RRA)を行うのであるが、この
際目的リガンドとの交換を一定条件下の下で行った後、
P2分画に残存する放射線量を測定し、P2分画に吸着した
リガンド量を算出するのである。即ち、放射標識リガン
ドと目的リガンドとの間で競合してレセプターとの結合
が起こるものと仮定し、Affinity constant (Ki)を
Chengらの方法(Y. Cheng,Biochem. Pharmacol.,
22, 3099 (1973))により求める。
【0010】また鎮痛効果は、下記するTail pressure
法に従って行う:即ち、実験動物としてDdY系雄性マウ
ス(体重24〜30g)1群5匹を使用して、披験薬物を生
理的食塩液に溶解した後10μl/mouseを大糟内投与(i.c.
v)し、次いでマウスの尾根部に圧測定装置(UGO BASILE
社製)を用いて加圧下に昇圧していき、マウスがもがき
反応を起こす閾値圧を測定するが、この際陽性対象薬と
して塩酸モルヒネを使用する。なお、投与直後に回転運
動を示したマウスは解析より除外することとし,結果を
閾値圧(g)の時間的経過として平均値±S.Eで表わす。
【0011】本発明に従った、一般式(I)で表される
ペプチド誘導体および塩は、文献に未記載の新規化合物
であり、上記した試験法において確認されたようにオピ
オイドレセプタ―に対する特異的親和性を有し、鎮痛効
果など種々のモルヒネ様生理活性を発現する。
【0012】従って、本発明のペプチド誘導体は、鎮痛
作用のみならずオピオイドペプチドがそのレセプタ−を
経由して発現する種々の中枢性および末梢性応答、例え
ば麻酔、沈静、呼吸、脈動、消化管機能、ホルモン分泌
調節、心筋収縮調節など生理学的作用を発揮することが
明らかである。本発明のペプチド誘導体又はその塩は、
鎮痛薬又はその他のオピオイドレセプタ−活性に関連し
た神経疾患の治療薬又は予防薬として用いることが可能
であり、その場合、経口投与、非経口投与、直腸投与、
舌下投与外用塗布又は脊髄管腔内の硬膜外注入やくも膜
下注入など種々の投与経路によって、それぞれに適した
適宜の基材、賦形剤など薬学的に許容し得る担体や添加
剤と混合して医薬製剤として患者に投与することが出来
る。本発明のペプチド誘導体又はその塩の投与量は、投
与を必要とする患者の年齢、疾患や症状の重篤度などに
よって変動するが、通常は0.01ないし500mg/kg体重を一
日あたり一回又は数回に分けて投与すればよい。以下に
おいて実施例を記載して本発明を更に詳細に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0013】
【実施例】参考実施例: 2,6−ジメチル−L−チロシンの合成 (1)3,5−ジメチル−4−ヨ−ドフェノ−ルの合成 3,5−ヂメチルフェノ−ル(1.0eq)を大過剰のメタノ
−ル中において塩酸を用いて塩酸塩とし次いで約40℃に
加温した後、過ヨウ素酸とヨウ化カリウムを水に溶かし
た溶液を滴下し、そのままおぼ3時間反応させた。定法
に従い反応液を処理して、3,5−ジメチル−4−ヨ−
ドフェノ−ルをほぼ白色の結晶として得た。m.p. 12
8ー129℃、収率、40.8%。(2)4−ヨ−ド−3,5−ジメチル−フェニル酢酸エ
ステルの合成 3,5−ジメチル−4−ヨ−ドフェノ−ル(1.0eq)を過剰
量の無水酢酸とピリジンの混液中に溶かし、約50℃に加
温して2時間撹拌した。常温に冷却後、0.5NHCl
で稀釈して約2時間撹拌し、析出する結晶を分離して、
ほぼ白色の結晶として4−ヨ−ド−3,5−ジメチル−
フェニル酢酸エステルを得た。m.p. 43℃、収率、9
6%。(3) 3−(4−アセトキシ−2,6−ジメチルフェ
ニル)−2−プロピオン 酸メチル(2)−2−アセトア
ミドエステルの合成 4−ヨ−ド−3,5−ジメチル−フェニル酢酸エステル
(1.0eq)と過剰量の2−アセトアミドアクリル酸メチル
エステルとをそれぞれ適量のトリ−o−トリルホスフィ
ン、トリエチルアミンとジアセトキシパラジウムと共に
大過剰量のアセトニトリルに溶解させ、20時間80ー
90℃に加熱下還流させた。触媒を除去後、反応液を減
圧濃縮し、ついで水および酢酸エチルで抽出して、有機
相からほぼ白色の結晶として粗製3−(4−アセトキシ
−2,6−ジメチルフェニル)−2−プロピオン酸メチ
ル(2)−2−アセトアミドエステルを得た。m.p. 1
53―154℃、収率、78%。次いでこの粗製3−(4
−アセトキシ−2,6−ジメチルフェニル)−2−プロ
ピオン酸メチル(2)−2−アセトアミドエステルをシ
リカゲルカラムを注加し、クロロホルムで溶出すること
によって白色の結晶として精製3−(4−アセトキシ−
2,6−ジメチルフェニル)−2−プロピオン酸メチル
(2)−2−アセトアミドエステルを得た。m.p. 15
3―154℃、収率、92%。 (4)4−アセトキシ−N−アセチル−2,6−ジメチ
ル−L−チロシンメチル エステルの合成 3−(4−アセトキシ−2,6−ジメチルフェニル)−
2−プロピオン酸メチル(2)−2−アセトアミドエス
テル(1.0eq)を二倍容量の酢酸エチルに溶解し、得られ
た溶液を窒素ガスで導入しつつ20分以上の間撹拌し、
次いで(R,R)−(−)−1,2−ビス[(O−メトキシ
フェニル)(フェニル)ホスフィノ]エタン(以下”R
h触媒”と略称する)添加後、反応器内をアスピレ−タ
で陰圧にしてから水素ガスを導入し、ほぼ1kg/cm
2まで昇圧した。この減圧・水素ガス加圧のサイクル操
作を4ー5回繰り返してから、水素ガスによる加圧を過
熱下に行って最終的に水素圧4kg/cm2,温度60
℃として、この条件下で9時間還元反応を行った。反応
液を常法に従って処理して、ヘキサンで結晶化すると、
4−アセトキシ−N−アセチル−2,6−ジメチル−L
−チロシンメチルエステルを白色の結晶として得た。
m.p. 106−108℃、収率、90−94%。 (5)2,6−ジメチル−L−チロシン一塩酸塩・一水
塩の合成 4−アセトキシ−N−アセチル−2,6−ジメチル−L
−チロシンメチルエステル(1.0eq)を20倍量の10N
塩酸に加え、得られた溶液を加熱下に還流させた。反応
の進行を確認してから、反応溶液を室温までに冷却し、
析出した結晶を濾取し、デシケ−タ−で乾燥して、2,
6−ジメチル−L−チロシン一塩酸塩・一水塩を得た。
m.p. 255℃、収率、83%。なお、得られた結晶状
化合物をエタノ−ル中に溶解し、トリエチルアミンを加
えると、目的とする2,6−ジメチル−L−チロシン
(以下”Dmt”と略記する)が得られた。実施例1: Dmt-Pro-Phe-NH-3-(Quinolyl) (Sample No.MT−343)の
合成 (1)Boc-Phe-NH-3-(Quinolyl)の合成 Boc-Phe(1.0eq)をTHFに溶解し、NEt3(1.2eq)を加えてか
ら10℃まで冷却した。この混合液にクロロ蟻酸イソブチ
ル(IBCF、1.1eq)を滴下し、−10℃で30分撹拌して混合
酸無水物(MA)反応液とした。また3-キノリルアミン(1.
0eq)をDMFに溶解し−10℃にまで氷冷してアミン成分のD
MF溶液とし、この溶液にMA反応液を滴下し、−10℃付近
に冷却後約30分間攪拌し、以後0〜5℃として一夜攪拌
した。反応液中のアミン成分の消失をTLCで確認した
後、反応液を濃縮し、得られた残査に酢酸エチル(AcOE
t)を加え、有機相を10%クエン酸、5%重曹水、20%食塩水
で順次洗浄した。次いで有機相を無水硫酸ナトリウムで
脱水、濃縮し、残査を石油エーテルで処理して結晶化さ
せた。 AcOEt−石油エ−テルで再結晶を行い、結晶を
濾取して乾燥して、目的化合物を得た。m.p.124-125
℃、[α]D=+47.16 (C=1.0,MeOH) 元素分析、C23H25N3O3として:実測値、C: 70.59,H: 6.
44,N: 10.74 (理論値, C: 70.57, H: 6.44 ,N: 10.74
)。収率、75%。(2)Boc-Pro-Phe-NH-3-(Quinolyl)の合成 Boc-Phe-NH-3-(Quinolyl) (1.0eq)にHCl/dioxane(20eq)
を氷冷下で加え、攪拌して結晶を溶解させ、反応液中の
Boc-Phe-3-NH-(Quinolyl)をTLCでモニタ−してその消失
を確認した。ジエチルエーテルで結晶化し、結晶を分離
後乾燥してPhe-NH-3-(Quinolyl)塩酸塩を得た。これと
は別にBoc-Pro(1.0eq)をTHFに溶解し、NEt3(1.2eq)を加
えて−10℃まで冷却した後、IBCF( 1.1eq)を滴下し、−
10℃で30分間撹拌し、混合酸無水物(MA)反応液とした。
Phe-NH-3-(Quinolyl)塩酸塩をDMFに溶解し、NEt3を混合
液の液性が塩基性となるまで加え、−10℃に氷冷した。
アミン成分のDMF溶液にMA反応液を滴下し、−10℃付近
で約30分攪拌し、以後0〜5℃で一夜攪拌した。反応液
中のアミン成分の消失をTLCで確認した後、反応液を濃
縮し、得られた残査に酢酸エチル(AcOEt)を加え、有機
相を10%クエン酸、5%重曹水、20%食塩水で順次洗浄し
た。有機相を無水硫酸ナトリウムで脱水、濃縮し、得ら
れた残査を石油エ−テルで処理することにより結晶化さ
せた。AcOEt-石油エーテルで再結晶を行い、結晶を分離
後乾燥して目的化合物を得た。m.p. 110-112℃、[α]D
=−37.69 (C=1.0,MeOH)。元素分析、C28H32N4O4・1/2H2
Oとして:実測値、C: 67.99, H: 6.60, N: 11.20 (理
論値、C:67.69, H:6.69, N:11.26)。収率80%。(3)Boc-Dmt-Pro-Phe-NH-3-(Quinolyl)の合成 Boc-Pro-Phe-NH-3-(Quinolyl) (1.0eq)にHCl/dioxane(2
0eq)を氷冷下で加え、攪拌して結晶を溶解後、反応液中
のBoc-Phe-NH-3-(Quinolyl)をモニタ−して、その消失
をTLCで確認した。Et2Oで結晶化し、結晶を分離後乾燥
してPro-Phe-NH-3-(Quinolyl)塩酸塩を得た。Boc-ジメ
チルチロシンヒドラジド(Boc-Dmt-N2H3,1.0eq)をDMFに
溶解し、得られた溶液を−10〜−15℃に冷却し、HCl/di
oxane (2.5eq)、亜硝酸イソアミル(1.2eq)を加えた。
ヒドラジン試薬を用いてTLCでヒドラジドの消失を確認
するまで−10〜−15℃で攪拌を継続し、消失確認後NEt3
(2.5eq)を加えた。Pro-Phe-NH-3-(Quinolyl)塩酸塩(1.
0eq)をDMFに懸濁し、NEt3を液性が塩基性になるまで加
え、得られたDMF溶液を−10〜−15℃に冷却した後、ア
ジド反応液を滴下し、0〜5℃で攪拌を継続した。TLCで
反応の進行を確認した後、反応液を減圧濃縮し、得られ
た残査にAcOEtを加え、有機相を10%クエン酸、5%重曹
水、20%食塩水で順次洗浄した。有機相を無水硫酸ナト
リウムで脱水、濃縮し、得られた残査を石油エーテルで
処理して結晶化し、次いで AcOEt/石油エーテルから再
結晶した。結晶を分離後乾燥して、目的化合物を得た。
m.p.,134-136℃、[α]D=−45.10 (C=1.0,MeOH) 元素分析、C39H45N5O6として:実測値、C; 68.60, H;
6.37, N; 10.00 (理論値、C;68.90, H;6.67, N;10.3
0)。収率79%。(4)Dmt-Pro-Phe-NH-NH-3-(Quinolyl)塩酸塩の合成 Boc-Dmt-Pro-Phe- NH-3-(Quinolyl) (1.0eq)にHCl/diox
ane(20eq)を氷冷下で加え、攪拌して結晶を溶解後、反
応液中のBoc-Dmt-Pro-Phe- NH-3-(Quinolyl)の消失をTL
Cで確認した。ジエチルエーテル(Et2O)で結晶化し、結
晶を分離後乾燥してDmt-Pro-Phe- NH-3-(Quinolyl)塩酸
塩を得た。 アミノ酸分析値:Dmt; 0.88, Pro; 1.10, Phe; 0.84 MS、C34H37N5O4 として: 理論値、 579.70。実測値、 5
79.47実施例2: Dmt-Pro-Phe-NH-5-(Isoquinolyl)(Sample No.MT−454)
の合成 (1)Boc-Phe-NH-5-(Isoquinolyl)の合成 Boc-Phe (1.0eq)をTHFに溶解し、NEt3(1.2eq)を加えて
から10℃まで冷却した。次いでこの混合液にクロロ蟻酸
イソブチル(IBCF、1.1eq)を滴下し、−10℃で30分撹拌
して混合酸無水物(MA)反応液とした。また5-イソキノリ
ルアミン(1.0eq)をDMFに溶解し−10℃にまで氷冷してア
ミン成分のDMF溶液とし、この溶液にMA反応液を滴下
し、−10℃付近に冷却後約30分間攪拌し、以後0〜5℃
として一夜攪拌した。反応液中のアミン成分の消失をTL
Cで確認した後、反応液を濃縮し、得られた残査に酢酸
エチル(AcOEt)を加え、有機相を10%クエン酸、5%重曹
水、20%食塩水で順次洗浄した。次いで有機相をシリカ
ゲルカラムで精製した後、石油エ−テルで処理して結晶
化させた。 AcOEt−石油エ−テルで再結晶を行い、結
晶を濾取し、乾燥して目的化合物を得た。m.p. 150-15
3℃、[α]D=−17.28(C=1.0、MeOH)。元素分析、C23H25N
3O3として:実測値、C: 70.46,H: 6.43,N:10.50 (理論
値, C: 70.57, H: 6.44 ,N: 10.73)。収率、20%。(2)Boc-Pro-Phe-NH-5-(Isoquinolyl)の合成 Boc-Phe-NH-5-(Quinolyl) (1.0eq)にHCl/dioxane(20eq)
を氷冷下で加え、攪拌して結晶を溶解させ、反応液中の
Boc-Phe-NH-5-(Isoquinolyl)をTLCでモニタ−してその
消失を確認した。ジエチルエーテルで結晶化し、結晶を
分離後乾燥してPhe-NH-5-(Isoquinolyl)塩酸塩を得た。
これとは別にBoc-Pro(1.0eq)をTHFに溶解し、NEt3(1.2e
q)を加えて−10℃まで冷却した後、IBCF( 1.1eq)を滴下
し、−10℃で30分間撹拌して混合酸無水物(MA)反応液と
した。Phe-NH-5-(Isoquinolyl)塩酸塩をDMFに溶解し、N
Et3を混合液の液性が塩基性となるまで加えて、−10℃
に氷冷した。アミン成分のDMF溶液にMA反応液を滴下
し、−10℃付近で約30分間攪拌し、以後0〜5℃で一夜
攪拌した。反応液中のアミン成分の消失をTLCで確認し
た後、反応液を濃縮し、得られた残査に酢酸エチル(AcO
Et)を加え、有機相を10%クエン酸、5%重曹水、20%食塩
水で順次洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで脱
水、濃縮し、得られた残査を石油エ−テルで処理するこ
とにより結晶化させた。AcOEt-石油エーテルで再結晶を
行い、結晶を分離後乾燥して目的化合物を得た。m.p.
90-95℃、[α]D=−69.39 (C=1.0,MeOH)。元素分析、C28
H32N4O4として:実測値、C: 68.53, H: 6.30, N: 11.1
7 (理論値、C:68.83, H:6.60, N:11.47)。収率83%。(3)Boc-Dmt-Pro-Phe-NH-5-(Isoquinolyl)の合成 Boc-Pro-Phe-NH-5-(Isoquinolyl) (1.0eq)にHCl/dioxan
e(20eq)を氷冷下で加え、攪拌して結晶を溶解後、反応
液中のBoc-Pro-Phe-NH-5-(Isoquinolyl)をTLCでモニタ
−して、その消失を確認した。Et2Oで結晶化し、結晶を
分離後乾燥してPro-Phe-NH-5-(Isoquinolyl)塩酸塩を得
た。Boc-ジメチルチロシンヒドラジド(Boc-Dmt-N2H3,1.
0eq)をDMFに溶解し、得られた溶液を−10〜−15℃に冷
却し、HCl/dioxane (2.5eq)、亜硝酸イソアミル(1.2e
q)を加えた。ヒドラジン試薬を用いてTLCでヒドラジド
の消失を確認するまで−10〜−15℃で攪拌を継続し、消
失確認後NEt3(2.5eq)を加えた。Pro-Phe-NH-5-(Isoquin
olyl)塩酸塩(1.0eq)をDMFに懸濁し、NEt3を液性が塩
基性になるまで加え、得られたDMF溶液を−10〜−15℃
に冷却した後、アジド反応液を滴下し、0〜5℃で攪拌を
継続した。TLCで反応の進行を確認した後、反応液を減
圧濃縮し、得られた残査にAcOEtを加え、有機相を10%ク
エン酸、5%重曹水、20%食塩水で順次洗浄した。有機相
を無水硫酸ナトリウムで脱水、濃縮し、得られた残査を
石油エーテルで処理して結晶化し、次いで AcOEt/石油
エーテルから再結晶した。結晶を分離後乾燥して、目的
化合物を得た。m.p.,140-142℃、[α]D=−46.89 (C=1.
0,MeOH) 元素分析、C39H45N5O6・H20として:実測値、C; 67.32,
H; 6.57, N; 10.18 (理論値、C;67.12, H;6.08, N;10.
04)。収率50%。(4)Dmt-Pro-Phe-NH-NH-3-(Quinolyl)塩酸塩の合成 Boc-Dmt-Pro-Phe- NH-5-(Isoquinolyl) (1.0eq)にHCl/d
ioxane(20eq)を氷冷下で加え、攪拌して結晶を溶解後、
反応液中のBoc-Dmt-Pro-Phe- NH-5-(Isoquinolyl)の消
失をTLCで確認した。ジエチルエ−テル(Et2O)で結晶化
し、結晶を分離後乾燥してDmt-Pro-Phe- NH-5-(Isoquin
olyl)塩酸塩を得た。 アミノ酸分析値:Dmt; 0.46, Pro; 0.72, Phe; 0.52 MS、C34H37N5O4 として: 理論値、 579.70。実測値、 5
79.97実施例3 Dmt-Pro-Phe-NH-8-(Quinolyl) (Sample No.MT−450)の
合成 3−キノリルアミンの代わりに8−キノリルアミンを用い
た以外は実施例1において記載した方法を繰り返して、D
mt-Pro-Phe-NH-8-(Quinolyl)の合成を行った。以下にそ
の分析値を合成中間体の数値と共に示す。(1)Boc-Phe-NH-8-(Quinolyl)の合成 m.p.130-131℃、[α]D=−48.35 (C=1.0,MeOH) 元素分析、C23H25N3O3として:実測値、C: 70.65,H: 6.
45,N: 10.59 (理論値, C: 70.57, H: 6.44 ,N: 10.74
)。収率、65%。(2)Boc-Pro-Phe-NH-8-(Quinolyl)の合成 m.p.―(オイル状)、[α]D=−78.81 (C=1.0,MeOH)。 元素分析、C28H32N4O4として:実測値、C: 68.53, H:
6.30, N: 11.17 (理論値、C:68.83, H:6.60, N:11.4
7)。オイル状のため収率を100%と仮定して次工程にその
まま使用した。(3)Boc-Dmt-Pro-Phe-NH-8-(Quinolyl)の合成 m.p.,127-130℃、[α]D=−18.62 (C=1.0,MeOH) 元素分析、C39H45N5O6として:実測値、C; 68.60, H;
6.37, N; 10.00 (理論値、C;68.90%, H;6.37%, N;10.30
%)。収率、78%。(4)Dmt-Pro-Phe-NH-8-(Quinolyl)塩酸塩の合成 アミノ酸分析値:Dmt; 0.50, Pro; 0.77, Phe; 0.64 MS、C34H37N5O4 として: 理論値、 579.70。実測値、 5
79.70 なお上記ペプチド誘導体合成においては、融点測定器と
して柳本製作所製融点測定器を使用した;旋光度は、日
本分光 DIP-1000を用いて25℃で測定を行った;アミノ
酸分析器協和として協和精密(株)製 K-101ASアミノ
酸分析器を使用した;マススペクトルは、マトリックス
支援レーザイオン化飛行時間型計測質量分析装置(MALDI
TOF-MS) を使用した。実施例4: 一般式(I)で表されるペプチド誘導体のオピオイドレセ
プタ−親和性の測定 実施例1ないし3において合成したペプチド誘導体につ
いて、公知の方法に従って、μ−およびδ−オピオイド
レセプタ−親和性をラット脳組織から得たシナプス膜分
画を用いた競争的レセプタ−アッセイにより求めた。即
ち、平均体重が300ー350gであるSprague−Dawleyラッ
トを断首して致死させた後、小脳を除去した脳組織を50
μg/m L soybean trypsin inhibitorを含む0.32M sucro
se, 10mMHEPES (pH 7.5) でホモジナイズし、分画遠沈
してシナプス膜分画(P2分画)を得、これから内在性リ
ガンドを除去するため 100mM NaCl、0.1mM GMP, soybea
ntrypsin inhibitorを含む50mM HEPES (pH 7.5)でプレ
インキュベートした。μ−オピオイドレセプタ−アゴニ
ストであるトリチウム標識化[3H]DAGOおよびδ−オピオ
イドレセプタ−選択性の高いトリチウム標識化[3H]DPDP
Eをそれぞれ放射性リガンドとして使用し、該シナプス
膜の一部を被験ペプチド誘導体と共に一定時間インキュ
ベ−トすることによって、シナプス膜分画に対する放射
性リガンドと被験ペプチド誘導体との交換結合反応に基
く競合的レセプタ−結合アッセイ (Radiolabeled recep
tor assay; RRA)を行った。この際目的リガンドとの交
換反応を一定条件下の下で行った後、シナプス膜分画に
残存する放射線量を測定し、シナプス膜分画に吸着した
リガンド量を算出するのであるが、放射標識リガンドと
目的リガンドとの間で競合してレセプターとの結合が起
こるものと仮定し、放射性リガンドの最大特異的結合を
50%阻害する濃度(IC50)を求め、これから親和性結合定
数(Affinity constant (Ki))をChengらの方法
(Y.Cheng,Biochem. Pharmacol., 22, 3099 (197
3))により算出した。本発明のペプチド誘導体について
得られた結果を下記表に示す(参考物質として、H-Dmt-
Pro-Phe-NH-(1)- naphthyl (Sample No. MT-428)の結果
を併記する): 表1:Dmt-Pro-Phe-NH-Xのμ、δレセプターに対する親和性と選択性 ─────────────────────────────────── Receptor binding Ki(nM) Binding sele ctivity ─────────────────────────────────── μ δ δ/μ ─────────────────────────────────── H-Dmt-Pro-Phe-NH-(1)-(N 0.293±0.037 19.86±3.0( 68 aphthyl) (4) 4) H-Dmt-Pro-Phe-NH-(3)-(Q 0.328±0.017 190.37±22. 580 uinolyl) (4) 2(3) H-Dmt-Pro-Phe-NH-(8)-(Q 0.486±0.051 33.14±1.71 68 uinolyl) (5) (4) H-Dmt-Pro-Phe-NH-(5)-(I 0.190±0.018 98.33±8.83 517 soquinolyl) (5) (4) ─────────────────────────────────── 本発明のペプチド誘導体は、μレセプタ−に対して0.19
〜0.48nMと非常に低い濃度で親和性を有することが確認
された。実施例 5: 各種オピオイドレセプタ―に対するアゴニスト・アンタ
ゴニスト活性の測定 モルモット回腸(GPI)およびマウス輸精管(MVD)を用い、
オピオイド化合物のアゴニスト・アンタゴニスト活性に
関するアッセイ試験を行った。即ち、体重が300g前後の
雄性モルモットを放血死体させて、回盲結合部位に直近
の回腸から長さ10cm程度の回腸片を摘出し、36℃に定温
保持したKrebs等張液を満たしたマグヌス管内に、アイ
ソトニックトランスデュ−サ−により1gの静止張力を
かけた状態で載置し、次いで酸素通気処理(95%O2 /5%CO
2)を行った。次いで30Vで0.5 msecの電気刺激を与えて
モルモット回腸縦走筋を収縮させ、収縮が安定した後ペ
プチダ−ゼインヒビタ−を添加し、本発明の被験ペプチ
ド誘導体を加えて、モルモット回腸縦走筋の電気収縮の
変化増幅器と記録計とに接続した GrassFT0.3トランス
デュ−サ−によってモニタ−した。オピオイド活性は、
被験ペプチド誘導体添加後の収縮抑制とナロキソン添加
による収縮抑制解除とによって判定した。なお、モルモ
ット回腸縦走筋の電気収縮を50%抑制する濃度を測定
し、これをIC50とした。またマウスMVD アッセイにおい
て、モルモット回腸の代わりにマウス輸精管を用いて同
様の操作を行い、マウス輸精管の電気収縮を50%抑制す
る濃度IC50を測定した。なおGPIアッセイにおいては、
オピオイド作用は主としてμ−オピオイド受容体によっ
て仲介され、一方MVDアッセイにおいては、電気収縮の
阻害はδ−オピオイド受容体との相互作用によることが
明らかにされているので、それぞれの電気収縮を50%抑
制する濃度IC50は、アゴニスト効力であるものとみなし
た。本発明のペプチド誘導体について得られた結果を下
記表に示す(参考物質として、Sample No. MT-428の結
果を併記する): 表2: Dmt-Pro-Phe-NH-Xのμ、δレセプターに対するアゴニスト・アンタゴニ スト活性 ─────────────────────────────────── SamplePeptides GPI asaay MVD asaay pA2valu IC50± IC50± e vs DA S.E.(nM) S.E.(nM) DLE ─────────────────────────────────── MT-428Dmt-Pro-Phe-NH- 0.494± 5.47±1.01 ― (Naphthyl) 0.183 MT-343Dmt-Pro-Phe-NH-(3)-(Qui 9.14±0.81 >10000 6.01 nolyl) MT-450Dmt-Pro-Phe-NH-(8)-(Qui 44.5±11.0 2981±685 5.87 nolyl) MT-454Dmt-Pro-Phe-NH-(5)-(Iso 0.939± >10000 6.14 quinolyl) 0.112 ─────────────────────────────────── なお、 MVDアッセイにおいては、[D-Ala2,D-Leu5] enk
ephalin (DADLE)をアゴニストに用い、その IC50値を
2倍にするに要するサンプル濃度のマイナスlog値をPA
2 valueとして示した。Sample Nos. MT-343やMT-454
は、μレセプターに親和性を有して作用を発現する、す
なわちアゴニストとして働くのに対して比較的強いδレ
セプターアンタゴニストであることは明らかである。実施例6: 動物実験による鎮痛効果 H.Takagiら(European J. of Pharmacol., 56 (1979) 2
05-208)のマウス大槽内注射法によって、本発明のオピ
オイドペプチド誘導体のそれぞれを生理食塩水に溶解し
た溶液を10μl/マウスの用量でマウス大槽内(i.c.v.)に
投与し、次いでH.TakagiらのTail-pressure法に従っ
て、投与処置したマウス尾根部に圧力測定装置(UGO BAS
ILE社製)を用いて加圧し、その圧力を徐々に高めて、マ
ウスがもがき反応を起こす時の閾値圧を測定した。なお
マウスは一群五匹とし、陽性対照薬として塩酸モルヒネ
を用いまた大槽内投与直後に回転運動を示したマウスは
解析から除外した。実験結果を閾値圧の時間経過のグラ
フとして図2に示す(参考物質として、Sample No. MT-
428の結果を併記する)が、これらのグラフから、本発
明のオピオイドペプチド誘導体は、10μg/マウスの用量
で投与した場合、優れた鎮痛効果を発揮し、特にSample
Nos. 450および454は、鎮痛効果の発現が早いだけでな
く持続性でも用量1μg/マウスの塩酸モルヒネに匹敵
することが判る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年12月28日(1999.12.
28)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】追加
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】チロシン、プロリン、フェニルアラニン及びキ
ノリルアミンを出発物質として用いて液相法でTyr-Pro-
Phe-(Quinolyl)を合成する手法を示す簡略図である。即
ち本図においては、先ずフェニルアラニンのアミノ基を
t-ブトキシカルボニルで保護した後、クロロ蟻酸イソブ
チルを用いてキノリルアミンとカップリングさせ、その
後希塩酸で脱保護反応を行なってH-Phe-NH-(Quinolyl)
を得る;次にプロリンのアミノ基を同様にt-ブトキシカ
ルボニルで保護した後、クロロ蟻酸イソブチルを用いて
前記H-Phe-NH-(Quinolyl)とカップリングさせ、その後
希塩酸を用いて脱保護反応を行なってH-Pro-Phe-NH-(Qu
inolyl)を得る;次いでチロシンのカルボキシル基をメタ
ノールとの反応でエステル化し、またアミノ基をt- ブ
トキシカルボニルで保護した後ヒドラジンと反応させて
エステル基をヒドラジドとし、前記H-Pro-Phe-NH-(Quin
olyl) とカップリングさせてTyr-Pro-Phe-(Quinolyl)が
得られる。
【図2】実施例6 に記載したように、試験物質を10μg/
マウスの用量で マウス大槽内に注入投与して行なったT
ail-pressureによる鎮痛効果試験において、本発明に従
ったオピオイドペプチド誘導体であるSample Nos. MT-4
28, MT-450及びMT-454並びに参考物質であるMT- 424に
ついて得られた疼痛刺激による侵害受容閾値圧の経時変
化を黒塗りの四角で示す。なお、鎮痛試験においては生
理食塩水及び1μg/マウス用量の塩酸モルヒネをそれぞ
れ対照及び陽性対照として用いたが、閾値圧の経時変化
をそれぞれ記号○と記号△で示してある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C084 AA01 AA02 AA07 BA08 BA15 CA59 DB04 DB75 MA52 MA56 MA60 MA66 ZA082 ZC412 4H045 AA10 BA11 BA12 DA50 EA21 FA33 FA42 GA40 HA02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)によって表される、μ
    −オピオイドレセプタ―に対して高い特異的親和性を示
    すペプチド誘導体またはその塩。 X-Pro-Phe-NH-Y (I) [式中、Xは、ジメチルチロシンを表しまたYは、置換
    又は未置換のキノリル又はイソキノリル残基を表す]。
  2. 【請求項2】μ−オピオイドレセプタ―アゴニスト活性
    とδ−オピオイドレセプタ―アンタゴニスト活性とを併
    せて有する、請求項1において記載された、一般式
    (I)で表されるペプチド誘導体又はその塩。
  3. 【請求項3】請求項1において記載された、一般式
    (I)によって表されるペプチド誘導体またはその塩を
    一種又は二種以上有効成分として含んで成る医薬品。
JP29851399A 1999-10-20 1999-10-20 新規なオピオイドペプチド誘導体 Pending JP2001122895A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29851399A JP2001122895A (ja) 1999-10-20 1999-10-20 新規なオピオイドペプチド誘導体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29851399A JP2001122895A (ja) 1999-10-20 1999-10-20 新規なオピオイドペプチド誘導体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001122895A true JP2001122895A (ja) 2001-05-08

Family

ID=17860702

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29851399A Pending JP2001122895A (ja) 1999-10-20 1999-10-20 新規なオピオイドペプチド誘導体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001122895A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6838580B2 (en) 2002-01-29 2005-01-04 Teikoku Seiyaku Co., Ltd. Opioid derivative
JP2006505494A (ja) * 2002-02-20 2006-02-16 アボット・ラボラトリーズ バニロイド受容体サブタイプ1(vr1)受容体を阻害する縮合アザ二環式化合物
US7767705B2 (en) 2006-08-25 2010-08-03 Abbott Laboratories Compounds that inhibit TRPV1 and uses thereof
CN108299216A (zh) * 2018-01-08 2018-07-20 浙江工业大学 一种2,6-二甲基-l-酪氨酸的制备方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6838580B2 (en) 2002-01-29 2005-01-04 Teikoku Seiyaku Co., Ltd. Opioid derivative
JP2006505494A (ja) * 2002-02-20 2006-02-16 アボット・ラボラトリーズ バニロイド受容体サブタイプ1(vr1)受容体を阻害する縮合アザ二環式化合物
JP2011026326A (ja) * 2002-02-20 2011-02-10 Abbott Lab バニロイド受容体サブタイプ1(vr1)受容体を阻害する縮合アザ二環式化合物
US7767705B2 (en) 2006-08-25 2010-08-03 Abbott Laboratories Compounds that inhibit TRPV1 and uses thereof
US8815930B2 (en) 2006-08-25 2014-08-26 Abbvie Inc. Compounds that inhibit TRPV1 and uses thereof
CN108299216A (zh) * 2018-01-08 2018-07-20 浙江工业大学 一种2,6-二甲基-l-酪氨酸的制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6046167A (en) Peptide YY analogs
US4992421A (en) Luteinizing hormone releasing hormone antagonist
EP0315815A1 (en) Branched backbone renin inhibitors
EP0250148A2 (en) Amino acid analogs as CCK-antagonists
EP0184309A2 (en) Peptides selected from amino-acid residues 11 to 23 of VIP
US4472305A (en) Hexapeptide amides
JPH06263797A (ja) 生物活性環化ポリペプチド
FI70228B (fi) Foerfarande foer framstaellning av en enkefalin-analog-peptid
EP0215410A2 (en) Retro-inverso hexapeptide neurotensin analogs, process for their preparation and pharmaceutical compositions containing them
EP3440051B1 (en) Neuropeptide s receptor (npsr) agonists
JPH06501950A (ja) 環状ペプチド、その調製法およびその薬理組成物としての使用
WO1989002431A1 (en) Derivatives of d-glutamic acid and d-aspartic acid
US5270302A (en) Derivatives of tetrapeptides as CCK agonists
JPS5883700A (ja) 3―アミノプレグナー5―エンの新規な誘導体、その塩、その製造方法及びそれを含有する製薬組成物
US5811400A (en) Peptide derivatives with δ opioid receptor antagonist or mixed μ agδ antagonist effects
WO1992019254A1 (en) α-SUBSTITUTED POLYPEPTIDES HAVING THERAPEUTIC ACTIVITY
HU182866B (en) Process for preparing new tetrapeptide derivatives
HU185229B (en) Process for preparing pharmaceutically active peptides and acetates thereof
HU185022B (en) Process for the preparation of biologically active tetrapeptide derivatives
HU186375B (en) Process for the preparation of biologically active encephalina derivatives
JP2001122895A (ja) 新規なオピオイドペプチド誘導体
HU190915B (en) Process for preparing new tripeptide derivatives
SE461042B (sv) Peptider med tillvaextbefraemjande aktivitet jaemte veterinaera kompositioner innehaallande naemnda peptider
FI64349C (fi) Foerfarande foer framstaellning av ett terapeutiskt anvaendbart l-pyroglutamyl-l-histidyl-glysin och dess salter
JPH1160598A (ja) オピオイド様ペプチド