JP2001122557A - ガイドレール潤滑装置用保油シートおよび保油シート積層体の製造方法並びに保油シートの製造方法に用いられる製造装置 - Google Patents

ガイドレール潤滑装置用保油シートおよび保油シート積層体の製造方法並びに保油シートの製造方法に用いられる製造装置

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JP2001122557A JP29890599A JP29890599A JP2001122557A JP 2001122557 A JP2001122557 A JP 2001122557A JP 29890599 A JP29890599 A JP 29890599A JP 29890599 A JP29890599 A JP 29890599A JP 2001122557 A JP2001122557 A JP 2001122557A
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Shizuo Nishikawa
志津雄 西川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保油シートに精度のよく貫通孔を設けること
ができるガイドレール潤滑装置用保油シートの製造方法
の提供。 【解決手段】 シート状の保油材22aを、外形がケー
ス12の内壁面に沿った形状に形成するとともに、少な
くともガイドレール3のガイド部3Aが配置される凹部
31および切込溝32を形成する保油シート外形形成工
程(工程S1)と、この(工程S1)の後、凹部31の
内側面31A,31Bおよび底面31Cを覆う塗油シー
ト37,38,39を取り付ける塗油シート取り付け工
程(工程S2)と、この(工程S2)の後、塗油シート
37,38,39を取り付けた凹部31を基準に、保油
シート積層体14の位置決め孔の構成部分である貫通孔
33,33A,33B、および保油シート積層体をケー
ス内に逆向き収納防止孔の構成部分である貫通孔34を
形成するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばエレベータ
のガイドレールなどに用いられるのに好適なガイドレー
ル潤滑装置用保油シート及び保油シート積層体の製造方
法並びにガイドレール潤滑装置用保油シートの製造方法
に用いられる製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】出願人は、ガイドレールに潤滑油を塗布
するガイドレール潤滑装置として、特開平8−9173
5号公報に記載のガイドレール潤滑装置を発明した。
【0003】このガイドレール潤滑装置は、昇降体に取
り付けられるケースを備える。このケースには、ガイド
部の長手方向に沿って配置される凹部を設けてある。ケ
ースは、内部底面に複数の直立する柱状体を備える。ま
た、ケースは保油シート積層体を収納するときおよび取
り出すときに開閉される蓋体を備える。
【0004】このケース内には、潤滑油を染み込んで蓄
える保油シート積層体を収納してある。
【0005】この保油シート積層体は、ケースに設けら
れる凹部の位置で、ガイド部に長手方向に沿って摺接
し、潤滑油を塗布する凹形状の塗油部を備える。保油シ
ート積層体は、上述した柱状体が挿入され、ケース内で
保油シート積層体を位置決めする位置決め孔を備える。
【0006】この保油シート積層体は、主にカポック繊
維から成る複数枚の保油シートを重ね合わせることによ
り形成してある。これら保油シートのそれぞれには、凹
部が形成される。保油シートの凹部は、複数枚の保油シ
ートが重なり合うことにより保油シート積層体の塗油部
を形成する。また、これらの保油シートのそれぞれに
は、貫通孔が形成される。保油シートの貫通孔は、複数
枚の保油シートが重なり合うことにより位置決め孔を形
成する。
【0007】このように構成されるガイドレール潤滑装
置は、例えばエレベータの昇降路内を昇降する昇降体、
すなわち乗かごおよび釣合おもりに設置される。このガ
イドレール潤滑装置は、昇降体とともに昇降し、ガイド
レールのガイド部に潤滑油を塗布する。
【0008】さらに、同出願人は、塗油部を形成する保
油シートの凹部が、ガイド部と摺接してほぐれるのを防
止した状態でガイド部に潤滑油を塗布するために、保油
シートの凹部を覆う塗油シートを設けた保油シートを開
発中である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、開発中のガ
イドレール潤滑装置では、塗油シートに覆われた凹部の
両側の内側面および底面のそれぞれは、ガイド部の両側
面および端面のそれぞれに均一な押圧力で摺接する必要
がある。
【0010】すなわち、ガイド部の両側面および端面の
いずれかに、塗油シートで覆われた凹部の両側の内側面
および底面のいずれかが、他の面と異なる押圧力で摺接
した場合、潤滑油がガイド部に均一に塗布されない。
【0011】例えば、ガイド部に摺接する塗油シートの
押圧力が部分的に不足している場合、その部分ではガイ
ドレールに十分な潤滑油が塗布されない。また、ガイド
レールに摺接する塗油シートの押圧力が部分的に必要以
上に大きい場合、その部分では潤滑油が必要以上に塗布
されるだけでなく、保油シートの他の部分よりも強く摩
擦されるため、磨耗により塗油シートの寿命が短くな
る。
【0012】そのため、保油シートの凹部に塗油シート
が取り付けられた保油シート積層体の塗油部と、保油シ
ートの位置決め孔との位置関係を精度よく設けることが
できる製造方法および製造装置が要望されている。
【0013】本発明の第1の目的は、上述の問題を考慮
してなされたもので、保油シートに精度よく貫通孔を設
けることができるガイドレール潤滑装置用保油シートの
製造方法を提供することにある。
【0014】また、本発明の第2の目的は、上述の問題
を考慮してなされたもので、保油シート積層体に精度よ
く位置決め孔を設けることができるガイドレール潤滑装
置用保油シート積層体の製造方法を提供することにあ
る。
【0015】また、本発明の第3の目的は、上述の問題
を考慮してなされたもので、保油シートに精度よく塗油
シートを取り付けることができるガイドレール潤滑装置
用保油シートの製造方法に用いられる製造装置を提供す
ることにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上述の第1の目的を達成
するために、請求項1に係る発明は、シート状の保油材
を、外形がほぼケース内壁面に沿った形状に形成すると
ともに、少なくともガイドレールに配置する凹部を形成
する保油シート外形形成工程と、この保油シート外形形
成工程の後に、前記凹部を形成する内側面および底面を
塗油シートで覆って、前記保油材に取り付ける塗油シー
ト取付工程と、この塗油シート取付工程の後に、少なく
ともケース内に位置決めするための貫通孔を設ける貫通
孔形成工程とから構成してある。
【0017】このように構成した請求項1に係る発明で
は、保油シートを製造するに際し、まず、保油シート外
形形成工程で、シート状の保油材を、ケースの内壁面に
沿った形状に形成するとともに、凹部を形成する。
【0018】次に、塗油シート取付工程で、保油材に形
成した凹部の内側面および底面を塗油シートで覆って、
この保油材に塗油シートを取り付ける。
【0019】次に、貫通孔形成工程で、保油シートをケ
ース内に位置決めするための貫通孔を形成する。
【0020】これにより、塗油シートの取り付けられた
凹部を基準に、貫通孔を形成することができるので、保
油シートをケース内に位置決めするための貫通孔を精度
よく設けることができる。
【0021】また、請求項2に係る発明は、請求項1に
係る発明において、前記保油シート外形形成工程は、前
記保油シートに油を吸収させるための貫通孔を設けるこ
とを含み、前記貫通孔形成工程は、保油シートを逆向き
に収納することを防止するための貫通孔を設けること含
むことを特徴としている。
【0022】上述の第2の目的を達成するために、請求
項3に係る発明は、シート状の保油材を、外形がほぼケ
ース内壁面に沿った形状に形成するとともに、少なくと
もガイドレールに配置する凹部を形成する保油シート外
形形成工程と、この保油シート外形形成工程の後に、前
記凹部を形成する内側面および底面を塗油シートで覆っ
て、前記保油材に取り付ける塗油シート取付工程と、こ
の塗油シート取付工程の後に、少なくともケース内に位
置決めするための貫通孔を設ける貫通孔形成工程とによ
って、ガイドレールに摺接する凹部を有する接触型保油
シートを形成し、前記シート状の保油材を、外形がほぼ
ケース内壁面に沿った形状に形成するとともに、少なく
ともガイドレールに配置する凹部を形成する保油シート
外形形成工程と、この保油シート外形形成工程の後に、
少なくともケース内に保油シートを位置決めするための
貫通孔を設ける貫通孔形成工程とによって、ガイドレー
ルに接触しない凹部を有する非接触型保油シートを形成
し、前記接触型保油シートと、前記非接触型保油シート
とを交互に積層して一体化する積層一体化工程とから構
成してある。
【0023】このように構成した請求項3に係る発明で
は、保油シート積層体を製造するに際し、まず、保油シ
ート外形形成工程で、シート状の保油材を、ケースの内
壁面に沿った形状に形成するとともに、凹部を形成す
る。
【0024】次に、塗油シート取付工程で、保油材に形
成した凹部の内側面および底面を塗油シートで覆って、
この保油材に塗油シートを取り付ける。
【0025】次に、貫通孔形成工程で、保油シートをケ
ース内に位置決めするための貫通孔を、塗油シートの取
り付けられた凹部を基準に設け、接触型保油シートを製
造する。
【0026】また、保油シート外形形成工程で、シート
状の保油材を、ケースの内壁面に沿った形状に形成する
とともに、凹部を形成する。
【0027】次に、貫通孔形成工程で、保油シートをケ
ース内に位置決めするための貫通孔を、凹部を基準に設
け、非接触型保油シートを製造する。
【0028】そして、複数枚の接触型保油シートと複数
枚の非接触型保油シートを交互に重ね合わせて一体化
し、保油シート積層体を製造する。
【0029】これにより、接触型保油シートと非接触型
保油シートを重ね合わせても、接触型保油シートに設け
た貫通孔の位置と、非接触型保油シートに設けた貫通孔
の位置がずれることなく重なり合う。したがって、保油
シート積層体をケース内に位置決めする位置決め孔を精
度よく設けることができる。
【0030】上述の第3の目的を達成するために、請求
項4に係る発明は、装置全体を支持する基台と、この基
台上に設けられ、塗油シートを固定する複数の針状部材
と、前記塗油シートを保油材に取り付けるための留め部
材を打ち込む第1の孔とを有し、前記塗油シートが配置
される塗油シート配置部を具備する作業盤と、前記塗油
シート配置部に囲まれる位置に設けられ、前記塗油シー
ト配置部に配置された前記塗油シートを捲り上げる捲り
上げ片と、前記基台上で水平方向に往復動可能に設けら
れ、前記捲り上げ片を押し上げることが可能な押上部材
とを有する捲り上げ手段と、前記捲くり上げ手段によっ
て捲り上げられた塗油シートを、保油材上に押え付ける
押え棒と、前記作業盤に設けられる前記留め部材を打ち
込む前記第1の孔に対向し、前記留め部材を打ち込む第
2の孔を有し、前記作業盤との間で前記保油材、および
この保油材に設けた凹部に配置された前記塗油シートを
押え付ける押え板とを備える構成にしてある。
【0031】このように構成した請求項4に係る発明で
は、保油材に塗油シートを取り付けるに際し、まず、塗
油シート配置部に、塗油シートが配置される。このと
き、この塗油シートは、針状部材が突き刺さって塗油シ
ート配置部に固定される。
【0032】次に、外形を形成されるとともに凹部を形
成された保油材が作業盤に配置される。
【0033】次に、押上部材が水平方向に動かされ、捲
り上げ片が上方に移動する。塗油シートは、捲り上げ片
によって保油材上に捲り上げられる。
【0034】次に、押え棒によって、保油材上に捲り上
げられた塗油シート部分が保油材上に押え付ける。
【0035】次に、保油材上に押え板が配置される。そ
して、押え棒が、押え板の下方から取り除かれる。この
とき、押え板は、保油材と、保油材の凹部を覆う塗油シ
ートを作業盤との間で押え付ける。
【0036】次に、押え板に設けられる第2の孔から留
め部材が打ち込まれる。このとき、ため部材を打ち込む
針は、第2の孔からに第1の孔に達する。そして、留め
部材によって保油材に塗油シートが固定され、塗油シー
トの取り付けが完了する。
【0037】これにより、塗油シートを、塗布シート配
置部に固定した状態で取り扱うことができるとともに、
留め部材を適切に打ち込むことができる。したがって、
保油材に設けた凹部に、塗油シートを精度よく取り付け
ることができる。
【0038】また、請求項5に係る発明は、請求項4に
係る発明において、前記捲り上げ手段は、前記押上部材
の水平方向の往復動をガイドするガイド体と、前記塗油
シート配置部に囲まれる位置に、前記捲り上げ片が上下
動可能に設けられる空間とを有し、前記塗布シート配置
部には、前記塗油シートを位置決めする段差部が設けら
れ、前記留め部材の打ち込みを失敗して発生する前記留
め部材の破片等を、前記第1の孔から排出可能な構造を
有することを特徴としている。
【0039】また、請求項6に係る発明は、請求項4に
係る発明において、前記押上部材は、前記ガイド体に水
平方向の往復動をガイドされる棒状部を備え、この棒状
部の一端には摘みが設けられるとともに、前記押上部材
には、前記捲り上げ片の下部が摺接し、前記押上部材が
水平方向に往復動することにより前記捲り上げ片を上下
動させる傾斜面が設けられることを特徴としている。
【0040】また、請求項7に係る発明は、請求項6に
係る発明において、前記捲り上げ片の下部には、前記押
上部材の前記傾斜面に摺接する傾斜面が設けられるとと
もに、前記捲り上げ片の上部には、鋭角部分を取り除く
ためにカットされたカット面が設けられることを特徴と
している。
【0041】また、請求項8に係る発明は、請求項4に
係る発明において、前記作業盤には、この作業盤の両側
に設けられ、互いに対向する一対の凹部と、作業盤上に
直立する壁面を有し、外形の形成された前記保油材を前
記作業盤上に位置決めする複数のリブと、前記押え板を
配置した後に、この押え板の下方から前記押え棒を取り
除くための切り欠き部とが設けられることを特徴として
いる。
【0042】また、請求項9に係る発明は、請求項4に
係る発明において、前記押え棒は、可撓性を有する棒状
体から成ることを特徴としている。
【0043】また、請求項10に係る発明は、請求項4
に係る発明において、前記押え板は、透明体から成り、
取っ手と、前記押え棒を前記押え板の下方から取り除く
ための切り欠き凹部と、前記塗油シートを配置する位置
を示す位置標示部とを備えることを特徴としている。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、本発明、すなわちガイドレ
ール潤滑装置用保油シートおよび保油シート積層体の製
造方法並びに保油シートの製造装置の一実施形態を図に
基づいて説明する。
【0045】まず、ガイドレール潤滑装置が設置される
エレベータについて図15,16で説明する。
【0046】エレベータ1は、図15に示すように、昇
降路内をガイドレール3に沿って昇降する昇降体4、す
なわち乗かごおよび釣合重りかごを備える。
【0047】昇降体4の上部には、同図15に示すよう
に、ガイドレール3に沿って昇降体4を昇降させるため
のガイドシュー支持枠5が設けられている。このガイド
シュー支持枠5は、昇降体4の上部に設けられる取付部
材6によって取り付けられている。
【0048】ガイドシュー支持枠5には、図16に示す
ように、断面形状がコの字形状のガイドシュー9が圧入
固定される。このガイドシュー9には、ガイドレール3
に設けられ、昇降体4をガイドするガイド部3Aの側面
3Aa,3Abおよび端面3Acが摺接している。
【0049】次に、エレベータに設置されるガイドレー
ル潤滑装置について図15〜31で説明する。
【0050】ガイドレール潤滑装置2は、図15に示す
ように、ガイドシュー支持枠5に取り付けられるL型鋼
から成るブラケット7を介して昇降体4上方に設置され
る。すなわち、ブラケット7は、図16に示すように、
長孔10,10Aを有する。ブラケット7は、ボルト
8,8Aによってガイドシュー枠5に取り付けられる。
このガイドレール潤滑装置2は、図20に示すように、
ブラケット7の長孔10,10Aに対応するねじ孔10
a,10bを有する。すなわち、ガイドレール潤滑装置
2は、ブラケット7の長孔10,10Aから挿入される
ボルト11,11Aが、ねじ孔10a,10bに螺合
し、ブラケット7に取り付けられる。これにより、昇降
体4の上方に設置される。
【0051】このガイドレール潤滑装置2は、図21に
示すように、複数枚、例えば6枚の保油シート21,2
1A,21B,22,22A,23を重ね合わせ、結束
部材25によって一体化した保油シート積層体14を備
える。この保油シート積層体14は、図19に示すよう
に、潤滑油を吸収して蓄えるとともに、ガイドレール3
のガイド部3Aに嵌合して、すなわちガイド部3Aの側
面3Aa,3Abおよび端面3Acを囲み、摺接して潤
滑油を塗布する塗油部17を備える。
【0052】また、ガイドレール潤滑装置2は、図17
〜20に示すように、例えば合成樹脂から成り、保油シ
ート積層体14を収納するとともに、上述した昇降体4
の上方に設置するためのねじ孔10a,10bを有する
ケース12を備える。
【0053】このケース12は、図17〜19に示すよ
うに、内部の底面に一体に設けられ、直立する突起部
分、すなわち柱状体18,18A,18B、20を備え
る。
【0054】柱状体18は、凹部15の内側面15A付
近に設けられる。柱状体18Aは、凹部15の低面15
B付近に設けられる。柱状体18Bは、凹部15の内側
面15C付近に設けられる。柱状体18A,18Bは、
凹部15を中央に挟んで線対称に設けられる。柱状体1
8は、柱状体18Aの位置から柱状体18までの距離
と、柱状体18Bから柱状体18までの距離とが等しく
なるように設けられる。これらの柱状体18,18A,
18Bは、例えば直径が約6mmの円柱状に形成され
る。
【0055】柱状体20は、柱状体18Aの位置から柱
状体20位置までの距離と、柱状体18Bの位置から柱
状体20の位置までの距離が異なるように設けられる。
この柱状体20は、例えば直径が約6mmの円柱状に形
成される。
【0056】また、ケース12は、同図17〜19示す
ように、保油シート積層体14を収納するときまたは取
り出すときなどに、上面の開口部を開閉する蓋体13を
備える。この蓋体13には、蓋体13を閉じたときに柱
状体18,18A,18Bの端部が嵌合する嵌合部1
9,19A,19Bが設けられる。
【0057】また、ケース12は、図19に示すよう
に、保油シート積層体14の塗油部17が配置される凹
部15を備える。また、蓋体13には、凹部15の断面
形状に合致し、蓋体13を閉めたときに凹部15に対向
する凹部16が設けられる。
【0058】保油シート積層体14は、図21に示すよ
うに、潤滑油をガイドレール3のガイド部3Aに塗布す
る塗布部17を備える。保油シート積層体14は、潤滑
油を吸収させるための給油孔43,43A,43Bを備
える。また、保油シート積層体14は、ケース12に設
けられる柱状体18,18A,18Bが挿入され、ケー
ス12内での保油シート積層体14の位置決めする位置
決め孔60,60A,60Bを備える。また、保油シー
ト積層体14は、ケース12に設けられる柱状体20が
挿入され、保油シート積層体14の表裏が逆向きで収納
されるのを防止する逆向き収納防止孔61を備える。
【0059】保油シート21,21A,21B,22,
22A,23は、柔軟性および保形成を有し、潤滑油の
吸着能力および油量の保持能力を考慮てある。すなわ
ち、保油シート21,21A,21B,22,22A,
23には、図25に示すように、例えばカポック繊維を
固めたシートと、このシートがほぐれるのを防止するた
めにシートの表裏を覆う網状体30とから成る保油材2
1a,22aが使用される。カポック繊維とは、パンヤ
科の喬木の実の中に含まれる繊維である。
【0060】この保油材21a,22aは、カポック繊
維を例えば6.8〜8mmの厚さのシート状に固めた
め、表裏を網状体30で覆ってある。この網状体30
は、例えば直径約0.1mmのナイロン製の糸から成
り、格子目の大きさを1.5mmx4mm程度に設定し
てある。
【0061】これら保油シート21,21A,21B,
22,22A,23には、ガイドレール3のガイド部3
Aに接触しない凹部26を有する図22に示す非接触型
保油シート21,21A,21Bと、ガイド部3Aに接
触する凹部31を有する図23,24に示す接触型保油
シート22,22A,23とを使用している。
【0062】非接触型保油シート21,21A,22B
は、図22に示すように、外形がケース12の内壁面に
沿った形状に形成される保油材21aを備える。また、
非接触型保油シート21,21A,21Bには、上述し
た保油シート積層体14の塗油部17の構成部分であ
り、ガイド部3Aが接触することなく位置する凹部26
を設けてある。また、この非接触型保油シート21,2
1A,21Bには、保油シート積層体14の位置決め孔
60,60A,60Bの構成部分である貫通孔27,2
7A,27Bを設けてある。また、この非接触型保油シ
ート21,21A,21Bには、保油シート積層体14
の逆向き収納防止孔61の構成部分である貫通孔28を
設けてある。また、この非接触型保油シート21,21
A,21Bには、保油シート積層体14の給油孔43,
43A,43Bの構成部分である貫通孔29,29A,
29Bを設けてある。
【0063】非接触型保油シート21,21A,21B
に形成される凹部26は、内側面26Aと内側面26B
との間隔寸法が、ガイド部3Aの端面3Acの幅寸法W
1よりも大きく設定してある。また、この凹部26は、
ガイドシュー9がガイド部3Aの側面3Aa,3Abに
接触する凹形状部分の奥行き寸法よりも大きい奥行き寸
法に設定してある。
【0064】非接触型保油シート21,21A,21B
の貫通孔27,27A,27B,28は、例えば直径を
約6.5mmに設定してある。また、貫通孔29,29
A,29Bは、例えば直径を約12mmに設定してあ
る。
【0065】接触型保油シート22,22A,23は、
図23,24に示すように、外形がケース12の内壁面
に沿った形状に形成され、ガイド部に3Aに油を塗布す
る凹部31が形成される保油材22aを備える。また、
接触型保油シート22,22Aには、保油シート積層体
14の位置決め孔60,60A,60Bの構成部分であ
る貫通孔33,33A,33Bを設けてある。また、接
触型保油シート22,22Aには、保油シート積層体1
4の逆向き収納防止孔61の構成部分である貫通孔34
を設けてある。また、接触型保油シート22,22Aに
は、保油シート積層体14の給油孔60,60A,60
Bを構成部分である貫通孔35,35A,35Bを設け
てある。
【0066】接触型保油シート23には、貫通孔35,
35A,35Bを設けていない。すなわち、接触型保油
シート23の形状は、接触型保油シート22,22Aの
形状と比較すると、貫通孔35,35A,35Bを設け
ていない点だけが異なる。この接触型保油シート23
は、保油シート積層体14の給油孔60,60A,60
Bから給油されたときに、潤滑油が保油シート積層体1
4に染み込む前にケース12内に直接流れ込むのを防
ぐ。
【0067】また、接触型保油シート22,22A,2
3は、図26に示すように、内側面31A,31Bおよ
び底部31Cのそれぞれに、ガイド部3Aに潤滑油を塗
布するときの摩擦により保油材22aが磨耗するのを防
止するとともに、ガイド部3Aに摺接して潤滑油を塗布
する塗油シート37,38,39を、留め部材40によ
って取り付けてある。
【0068】また、接触型保油シート22,22A,2
3は、塗油シート37,38,39が取り付けられた凹
部31に、図27に示すように、内側面31Aを含む一
方の側に設けられ、留め部材40によって形成されるく
びれ部41aを中心に首振り可能な舌状部41を備え
る。また、接触型保油シート22,22A,23は、内
側面31Bを含む他方の側にも、同様の舌状部42を備
える。
【0069】なお、凹部31は、図26に示す舌状部4
1,42の間隔寸法G1を、図16に示すガイド部3A
の幅寸法にW1よりも小さい寸法に設定してある。例え
ば13Kのガイドレールの場合、ガイド部3Aの幅寸法
W1が約16mmであるのに対し、凹部31の幅寸法G
1は、約12mmに設定する。また、凹部31の奥行き
寸法は、ガイドシュー9がガイド部3Aの側面3Aa,
3Abに接触する凹形状部分の奥行き寸法よりも小さく
設定してある。
【0070】接触型保油シート22,22A,23に形
成される貫通孔33,33A,33B,34は、非接触
型保油シート21,21A,21Bと同様に例えば直径
を約6.5mmに設定してある。また、貫通孔35,3
5A,35Bも、非接触型保油シート21,21A,2
1Bと同様に、例えば直径を約12mmに設定してあ
る。
【0071】塗油シート37,38,39は、耐摩耗性
織物、例えば厚さ約1mmのアミランなどのニット編物
から成る。これらの塗油シート37,38,39のそれ
ぞれは、保油材22aに図28に示す留め部材40によ
って、内側面31A,31Bおよび底面31のそれぞれ
に固定される。
【0072】留め部材40は、合成樹脂から成る。この
留め部材40は、同図28に示すように、棒状の係止部
40b,40cと、これらの係止部40bと係止部40
cとを並列させた状態で、係止部40b,40cに垂直
で、係止部40bの中央と、係止部40cの中央とを接
続する接続部40aとから成る。この接続部40aの長
さ寸法は、くびれ部41aを通過する潤滑油の円滑な移
動を妨げないように考慮されている。この留め部材40
は、一般的には、衣類等の商品に値札等を取り付ける場
合に使用されているものである。
【0073】係止部40B,40cは、長さ寸法は例え
ば6mm程度、直径は例えば1mm程度に設定される。
また、接続部40aの長さ寸法は例えば約3mm程度、
直径は例えば1mm程度に設定される。
【0074】塗油シート39は、図26に示すように、
底面31Cを覆い、保油材22aに密着した状態で留め
部材40によって固定される。このとき、塗油シート3
9は、留め部材40によって例えば2箇所で固定され
る。これらの留め部材40のそれぞれは、底面31Cか
ら等距離に並列される。また、留め部材40のそれぞれ
の係止部40b,40cは、低面31Cにほぼ平行で直
線状に並ぶ。
【0075】塗油シート37は、同図26に示すよう
に、内側面31Aを含む片側部分を覆い、この片側部分
に密着した状態で留め部材40によって固定される。こ
のとき、塗油シート37は、留め部材40に例えば2箇
所で固定される。これらの留め部材40のそれぞれは、
内側面31Aから等距離に並列する。また、留め部材4
0のそれぞれの係止部40b,40cは、内側面31A
にほぼ平行で直線状に並ぶ。
【0076】塗油シート38は、同図26に示すよう
に、内側面31B含む凹部31の片側部分を覆い、この
片側部分に密着した状態で留め部材40によって固定さ
れる。このとき、塗油シート38は、留め部材40に例
えば2箇所で固定される。これらの留め部材40のそれ
ぞれは、内側面31Bから等距離に並列する。また、留
め部材40のそれぞれの係止部40b,40cは、内側
面31Bにほぼ平行で直線状に並ぶ。
【0077】舌状部41は、留め部材40、切込溝3
2、および塗油シート37によって凹部31の内側面3
1Aを含む一方の側に形成される。すなわち、凹部31
には、図26に示すように、底面31Cに沿った延長上
に、幅寸法W3の切込溝32が設けられる。これによ
り、内側面31Aを含む凹部31の一方の側の一部分
と、底面31Cとが切り離される。そして、塗油シート
37を固定する2個の留め部材40が、図29に示すよ
うに、塗油シート37で覆われた保油材22aを接続部
40aの長さにくびれたくびれ部41aを形成する。こ
のくびれ部41aは、切込溝32の端部位置から切込溝
32の長手方向に直角な直線状に形成される。これによ
り、留め部材40によってくびれ部41aを中心に、首
振りすることが可能な舌状部41が形成される。
【0078】舌状部42は、留め部材40、切込溝3
2、塗油シート38によって、凹部31の内側面31B
を含む他方の側に、上述した舌状部41の場合と同様に
形成される。
【0079】なお、切込溝32は、溝幅寸法W3に設定
される。この切込溝32は、塗油シート39で覆われた
保油材22a部分と、舌状部41,42とが接触しない
間隔、すなわち間隔寸法G3を形成するために設けられ
る。切込溝32の寸法W3は、例えば2mmに設定され
る。塗油シート39の厚さが例えば約1mmの場合、舌
状部41,42と塗油シート39との間隔寸法G3は、
約1mmに形成される。
【0080】保油シート積層体14は、上述した非接触
型保油シート21,21A,21Bのそれぞれと、上述
した接触型保油シート22,22A,23それぞれと重
ね合わせて形成される。すなわち、保油シート積層体1
4は、図21に示すように、接触型保油シート23、非
接触型保油シート21B、接触型保油シート22A、非
接触型保油シート21A、接触型保油シート22、非接
触型保油シート21の順に重ね合わせ、例えば4本の結
束部材25によって一体化することにより形成してあ
る。
【0081】結束部材25は、図29に示すように、合
成樹脂から成り、板状に形成された係止片24aと、棒
状の係止部24cと、これらの係止片24a,24cと
を接続する接続部24bとが一体に形成される。この結
束部材25も上述した留め部材40と同様、一般的に
は、衣類等の商品に値札等を取り付ける場合に使用され
ているものである。
【0082】この結束部材25は、図21に示すよう
に、接続部24bが保油シート21,21A,22,2
2A,23を貫通する。係止片24aは、保油シート積
層体14の上面に直立する。また、係止部24cは、接
続部24b保油シート積層体の下面に当接している。係
止片24aと係止部24cは、保油シート21,21
A,21B,22A,22B,23を挟み、また、貫通
する接続部24bは、保油シート21,21A,21
B,22A,22B,23の水平方向のずれを抑制し、
保油シート21,21A,21B,22A,22B,2
3を一体化する。このとき、係止片24aは、保油シー
ト積層体14を持ち上げる際の摘みの役割を果たす。
【0083】この保油シート積層体14は、非接触型保
油シート21,21A,21Bの凹部26と、接触型保
油シート22,22A,23の凹部31とが交互に重な
り合うことによって形成される塗油部17を備える。こ
の塗油部17には、非接触型保油シート21A,21B
のそれぞれの厚さ寸法分の間隔を置いて、上下方向に等
間隔で接触型保油シート23の舌状部41,42、接触
型保油シート22Aの舌状部41,42、および接触型
保油シート22の舌状部41,42が配置される。
【0084】また、保油シート積層体14は、非接触型
保油シート21,21A,21Bの貫通孔27,27
A,27B,28と、接触型保油シート22,22A,
23の貫通孔33,33A,33B,34と重なり合う
ことによって形成される位置決め孔60,60A,60
B、および逆向き収納防止孔61を備える。
【0085】また、保油シート積層体14は、非接触型
保油シート21,21A,21Bの貫通孔29,29
A,29Bと、接触型保油シート22,22Aの貫通孔
35,35A,35Bと、接触型保油シート23とが重
なり合うことによって形成される給油孔43,43A,
43Bを備える。
【0086】このように構成したガイドレール潤滑装置
2は、図18に示すように、塗布部17がガイド部3A
に配置される。
【0087】このとき、ガイド部3Aは、凹部26に接
触することなく、凹部26の内側面26A,26B間の
中央に位置するとともに、凹部26の底面26Cに対向
して端面3Acが接触しないように位置する。
【0088】また、このとき、ガイド部3Aは、内側面
31A,31B間の中央に位置する。舌状部41は側面
3Aaに当接し、舌状部42は側面3Abに当接する。
また、で塗油シート39で覆われた底面31Cが、ガイ
ド部3Aの端面3Acに当接する。舌状部41および舌
状部42は、ガイド部3Aの中心線Xを挟んで対称に位
置するので、互いに等しい押圧力で、側面3Aa,3A
bに当接する。
【0089】これら舌状部41,42は、昇降体4の矢
印D方向または矢印U方向の昇降にした場合、これらの
昇降方向に応じてくびれ部を中心に首振りする。すなわ
ち、図30に示すように、昇降体4が矢印D方向へ移動
した場合、舌状部41,42のそれぞれは、上方に傾い
た状態でガイド部3Aの側面3Aa,3Abに摺接し、
潤滑油を塗布する。また、昇降体4が矢印U方向に移動
した場合、舌状部41,42のそれぞれは、下方に傾い
た状態でガイド部3Aの側面3Aa,3Abに摺接し、
潤滑油を塗布する。
【0090】このように、この塗油部17では、非接触
型保油シート21A,21Bに設けた凹部26が内側面
26A,26B間の中央にガイド部3Aが位置する。ま
た、接触型保油シート22,22A,23に設けられる
舌状部41,42間の中央にガイド部3Aが位置する。
これにより、ガイド部3Aに塗布される油量が、側面3
Aa,3Abのいずれか一方に偏ることがなく、側面3
Aa,3Abのそれぞれに、ほぼ同量の油を均一に塗布
することができる。
【0091】また、接触型保油シート22,22A,2
3に留め部材40によってくびれた分を形成される舌状
部41,42は、昇降体4の昇降方向に応じて円滑に首
を振ることができるとともに、くびれた部分で潤滑油の
移動を鈍らせることがなく、潤滑油をガイド部3Aに塗
布することができる。
【0092】また、留め部材40によって塗油シート3
7,38,39を取り付ける。これにより、糸などで塗
油シート37,38,39を保油材22aに縫い付ける
場合と比較して、留め部材40は伸びにくく、また、保
油材21a,22aを必要以上に締め付けることがな
く、安定した量の潤滑油をガイド部3Aに塗布すること
ができる。
【0093】また、塗油シート37,38,39は、保
油材22aに留め部材40によって取り付けられる。こ
れにより、塗油シート37,38,39を、所定の工具
を用いて簡単に取り付けることができる。
【0094】次に、本実施形態の、(1)保油シートの
製造方法、(2)保油シート積層体の製造方法、および
(3)保油シートの製造装置について説明する。
【0095】(1) 上述した保油シート21,21
A,21B,22,22A,23の製造方法について次
に説明する。
【0096】1 接触型保油シート22,22A,23
は、図1に示すように、(工程S1)〜(工程S3)に
より構成される製造方法によって製造する。
【0097】はじめに、接触型保油シートの外形を形成
する保油シート外形形成工程を実施する(工程S1)。
すなわち、図4(A)または(a)に示すように、保油
材22aをケース12の内周形状とほぼ一致する形状に
切り取り、切り取った保油材22aに凹部31および切
込溝32を設ける。
【0098】このとき、保油材22aは、複数枚重ねて
切り取るのではなく、保油シート22,22Aの外形を
1枚1枚別々に切り取る。
【0099】このとき、接触型保油シート22,22A
の構成部分である保油材22aには、貫通孔35,35
A,35Bを設ける。接触型保油シート23の構成部分
である保油材22aには、貫通孔35,35A,35B
を設けない。
【0100】次に、塗布シートを取り付ける塗油シート
取付工程を実施する(工程S2)。すなわち、(工程S
1)終了後、図4(B)または(b)に示すように、凹
部31の内側面31A,31Bおよび底面31Cのそれ
ぞれを、塗油シート37,38,39で覆う。そして、
これら塗油シート37,38,39のそれぞれを、留め
部材40で保油材22aに固定する。
【0101】次に、位置決めのための貫通孔33,33
A,33B、および逆向きの収納を防止する孔34を形
成する貫通孔形成工程を実施する(工程S3)。すなわ
ち、(工程S2)終了後、図4(C)または(c)に示
すように、舌状部41,42の端面、および塗油シート
39で覆われた底面31Cの端面を基準に、貫通孔3
3,33A,33B,34を形成し、接触型保油シート
22,22a,23が完成する。
【0102】このとき、貫通孔33,33A,33B,
34は、保油材22aを複数枚重ねて打ち抜くのではな
く、1枚1枚別々に打ち抜く。
【0103】なお、貫通孔35,35A,35Bは、保
油シート外形形成工程(工程S1)を実施するときに設
けたが、貫通孔形成工程(工程S3)を実施するときに
設けてもよい。
【0104】2 非接触型保油シート21,21A,2
1Bは、次の(工程T1)〜(工程T2)により構成し
た製造方法によって製造する。
【0105】まず、非接触型保油シート21,21A,
21Bの外形を形成する保油シート外形形成工程を実施
する(工程T1)。すなわち、図4(イ)に示すよう
に、保油材21aをケース12の内周形状とほぼ一致す
る形状に切り取り、切り取った保油材21aに凹部26
を設ける。
【0106】また、保油材21aに、貫通孔29,29
A,29Bを設ける。
【0107】次に、位置決めのための孔27,27A,
27B、および逆向きの収納を防止する孔28を形成す
る貫通孔形成工程を実施する(工程T2)。すなわち、
(工程U2)終了後、図4(ロ)に示すように、凹部2
6の内側面31A,31Bおよび底面31Cを基準に、
貫通孔27,27A,27B,28を設け、非接触型保
油シート21,21A,21Bが完成する。
【0108】なお、貫通孔29,29A,29Bは、保
油シート外形形成工程(工程T1)を実施するときに設
けたが、貫通孔形成工程(工程T2)を実施するときに
設けてもよい。
【0109】また、保油材21aは、複数枚重ねて切り
取るのではなく、保油シート21,21A,21Bの外
形を1枚1枚別々に切り取る。
【0110】すなわち、柔軟性を有する保油材21a,
22aを複数枚重ねて切り取ると、保油材を21a,2
2aを切り取る刃に、保油材21a,22aが巻き込ま
れる。これにより、先に切られる保油材21a,22a
と、後に切られる保油材21a,22aでは、後に切ら
れた保油材21a,22aが、先に切られる保油材21
a,22aが巻き込まれる分だけ形状が異る。また、保
油材21a,22aは、刃に圧縮されて歪んだ状態で切
り取られる。これにより、切り取られた複数枚の保油材
21a,22aの形状にばらつきが生じる。これらの事
態を避けるために、保油材21a,22aを1枚1枚別
々に切り取る。
【0111】また、貫通孔27,27A,27B,2
8,29,29A,29Bは、保油材21aを複数枚重
ねて打ち抜くのではなく、1枚1枚別々に打ち抜く。
【0112】このように、(1)で説明した本実施形態
の保油シートの製造方法では、保油シート21,21
A,21B,22,22A,23の外形を、複数枚の保
油材21a,22aを重ねて切り取らずに、1枚1枚別
々に形成する。また、貫通孔27,27A,27B,2
8,33,33A,33B,34を、複数枚の保油材2
1aまたは複数枚の保油材22aを重ねて、貫通孔2
7,27A,27B,28または貫通孔33,33A,
33B,34を形成するのではなく、1枚1枚別々に形
成する。これらにより、保油シート21,21A,21
B,22,22A,23のそれぞれの外形、および貫通
孔27,27A,27B,28,33,33A,33
B,34のそれぞれの位置や大きさが一致した精度のよ
い保油シート21,21A,21B,22,22A,2
3を形成することができる。したがって、ガイドレール
3のガイド部3Aに適量の潤滑油を均一に塗布すること
ができる保油シート21,21A,21B,22,22
A,23を形成することができる。
【0113】これにより、非接触型保油シート21,2
1A,21Bおよび接触型保油シート22,22A,2
3のそれぞれに、精度のよい貫通孔27,27A,27
B,28、または貫通孔33,33A,33B,34を
設けることができる。
【0114】なお、(1)で説明した本実施形態の保油
シートの製造方法では、凹部26、または塗油シート3
7,38,39を取りつけた凹部31を基準に、貫通孔
27,27A,27B,28、または貫通孔33,33
A,33B,34を形成したが、貫通孔27,27A,
27B,28、または貫通孔33,33A,33B,3
4を基準に、凹部26または凹部31を設けるようにし
てもよい。
【0115】また、保油材21a,22aが剛性を有す
る場合には、保油材21a,22aを複数枚重ねた状態
で、保油シート21,21A,21B,22,22A,
23外形や貫通孔27,27A,27B,28,33,
33A,33B,34を形成してもよい。
【0116】(2)上述した保油シート積層体14の製
造方法について次に説明する。
【0117】まず、接触型保油シートおよび非接触型保
油シートを製造する(工程U1)。すなわち、上述した
図4に示すように、(1)の1,2で述べた保油シート
の製造方法により、非接触型保油シート21,21A,
21Bおよび接触型保油シート22,22A,23を製
造する。
【0118】次に、接触型保油シート22,22A,2
3および非接触型保油シート21,21A,21Bを重
ね合わせて一体化する積層一体化工程を実施する(工程
U2)。すなわち、(工程U1)終了後、図4に示すよ
うに、接触型保油シート23、非接触型保油シート21
B、接触型保油シート22A、非接触型保油シート21
A、接触型保油シート22、非接触型保油シート21の
順に重ね合わせる。
【0119】このとき、接触型保油シート22,22
A,23のそれぞれに設けた貫通孔33,33A,33
Bと、非接触型保油シートのそれぞれに設けた貫通孔2
7,27A,27B,とが重なり合い、位置決め孔6
0,60A,60Bが形成される。
【0120】また、このとき、接触型保油シート22,
22A,23のそれぞれに設けた貫通孔34と、非接触
型保油シート21,21A,21Bに設けた貫通孔28
とが重なり合い、逆向き収納防止孔61が形成される。
【0121】また、このとき、接触型保油シート22,
22Aのそれぞれに設けた貫通孔35,35A,35B
と、非接触型保油シート21,21A,21Bのそれぞ
れに設けた貫通孔29,29A,9Bと、接触型保油シ
ート23とが重なり合い、給油孔43,43A,43B
が形成される。
【0122】また、このとき、接触型保油シート22,
22A,23のそれぞれに設けた凹部31と、非接触型
保油シート21,21A,21Bのそれぞれに設けた凹
部26とが重なり合い、塗油部17が形成される。
【0123】そして、重ね合わせた非接触型保油シート
21,21A,21Bおよび接触型保油シート22,2
2A,23を結束部材25によって一体化し、保油シー
ト積層体14が完成する。
【0124】このように(2)で説明した本実施形態の
保油シート積層体の製造方法では、(1)の1,2で述
べた保油シートの製造方法により、精度のよい保油シー
ト21,21A,21B,22,22A,23を製造す
る。これにより、保油シート積層体14に、精度のよい
位置決め孔60,60A,60Bを設けることができ
る。したがって、ガイド部3Aに適量の潤滑油を均一に
塗布する保油シート積層体を製造することができる。
【0125】なお、保油材21a,22aが剛性を有す
る場合には、保油材21a,22aを複数枚重ねた状態
で、貫通孔27,27A,27B,28,33,33
A,33B,34を形成してもよい。
【0126】(3)保油シート製造装置について次に説
明する。
【0127】本実施形態の保油シートの製造装置は、接
触型保油シート22,22A,23を製造する際に用い
られる。
【0128】1 保油シート製造装置は、図5〜8に示
すように、保油シート製造装置全体を支持する基台45
を備える。また、保油シート製造装置は、基台45上に
ねじ等で固定され、(1)の1で説明した(工程S1)
で、外形を形成された保油材22aが配置される作業盤
48を備える。
【0129】作業盤48は、図5〜7に示すように、こ
の作業盤48上に直立する壁面が、保油材22aの外形
に沿って複数個所で当接し、作業盤48に配置される保
油材22aを位置決めする複数のリブ48Eを備える。
【0130】この作業盤48は、図5,6に示すよう
に、塗油シート37,38,39のそれぞれが配置され
る塗油シート配置部70,71,72を備える。
【0131】この塗油シート配置部70,71,72の
それぞれには、図5〜7に示すように、塗油シート3
7,38,39のそれぞれを位置決めする段差部48G
を設けてある。この段差部48Gは、塗油シート配置部
70を例に説明すると、図10に示すように、保油材2
2aの一方の面に取り付けられる塗油シート37部分を
塗油シート配置部70に位置決めする。段差部48Gの
段差寸法は、塗油シート37,38,39の厚さ寸法と
ほぼ同寸法に設定してある。
【0132】この塗油シート配置部70,71,72
は、この塗油シート配置部70,71,72のそれぞれ
に配置される塗油シート37,38,39のそれぞれに
突き刺さり、塗油シート配置部70,71,72のそれ
ぞれの位置に、塗油シート37,38,39のそれぞれ
を固定する複数の直立する針状部材48bを備える。
【0133】この塗油シート配置部70,71,72に
は、留め部材40を打込むための第1の孔48Cを設け
てある。これらの第1の孔48Cは、留め部材40の係
止部40Cの形状に対応した孔部分48C2と、図14
に示す針51の直径に対応した孔部分48C1とを一体
に設けてある。なお、図14に示す針部51は、留め部
材40を打ち込む図示しないタックガンなどの所定の工
具に備えられる。
【0134】また、この作業盤48は、作業者が把持す
るために作業盤の両側で対向する一対の凹部48Dを備
える。
【0135】2 保油シート製造装置は、図6〜8に示
すように、塗油シート配置部70,71,72に配置さ
れる塗油シート37,38,39を捲り上げる捲り上げ
手段46を備える。
【0136】この捲り上げ手段46は、図7に示すよう
に、塗油シート37,38,39を下方から押し上げる
ことにより捲り上げる捲り上げ片47を備える。この捲
り上げ片47は、同図7に示すように、塗油シート配置
部70,71,72に3方を囲まれ、凹形状の切り欠き
部48Aおよびガイド体の凹形状の切り欠き部45A
と、壁部45Cとによって形成した空間47Cに、上下
動可能に設けてある。この捲り上げ片47の上部には、
図12に示すように、鋭角部分を取り除くためにカット
したカット面47Bを設けてある。
【0137】また、捲り上げ手段46は、図7に示すよ
うに、基台45上で、水平方向に往復動可能に設けら
れ、捲り上げ片47を押上可能な押上部材46Cを備え
る。
【0138】また、捲り上げ手段46は、作業盤48と
基台45との間で、押上部材46Cの水平方向の往復動
をガイドするガイド体46Eを備える。押上部材46C
には、ガイド体46Eに形成されるガイド孔45Aに挿
通され、水平方向の往復動をガイドされる棒状部46B
を設けてある。押上部材46Cには傾斜面46Dを設け
てあり、捲り上げ片47の下部には、押上部材46Cの
傾斜面46Dに摺接する傾斜面47Aを設けてある。押
上部材46Cは、水平方向に往復動することにより、傾
斜面46Dによって捲り上げ片47を上下動させる。
【0139】3 保油シート製造装置は、捲り上げ片4
7によって塗油シート37,38,39が捲り上げられ
た部分を、保油材22a上に一時的に押えておくための
押え棒49を備える。この押え棒49は、例えば塗油シ
ート37を例に挙げて説明すると、図13に示すよう
に、塗油シート37が捲られた部分を、保油シート22
aの凹部31の内側面31Aを覆った状態で保油材22
a上に一時的に押えておくためのものである。なお、こ
の押え棒49は、可撓性を有する棒状体から成る。
【0140】4 保油シート製造装置は、図9に示すよ
うに、塗油シート37,38,39および保油材22a
を、作業盤48との間で挟んで押えるための押え板50
を備える。この押え板50は、透明な板体から成る。
【0141】この押え板50には、同図9に示すよう
に、捲り上げ手段46の捲り上げ片47に対向し、凹形
状形成される切り欠き部50Aを設けてある。
【0142】また、押え板50には、同図9に示すよう
に、切り欠き部50Aを囲む位置に、塗油シート37,
38,39のそれぞれが配置されるべき位置が描かれた
位置標示部50Eを設けてある。これらの位置標示部5
0Eのそれぞれは、塗油シート配置部70,71,72
のそれぞれに対向する。
【0143】また、押え板50には、同図9に示すよう
に、塗油シート37,38,39および保油シート22
aおよび保油シート22aの凹部31を覆う塗油シート
37,38,39に留め部材40を打込むための第2の
孔50Bを設けてある。これら第2の孔50Bは、作業
盤48に設ける第1の孔48Cに、保油材22aおよび
保油シート22aの凹部31を覆う塗油シート37,3
8,39を挟んで対向する。この第2の孔50Bは、図
14に示すように、留め部材40の係止部40Bの形状
に対応した孔部分50B2と、針51の直径に対応した
孔部分50B1とを設けてある。
【0144】また、この押え板50には、同図9に示す
ように、図13に示す押え棒49を引き抜くための切り
欠き部50Dを設けてある。また、作業盤48には、切
り欠き部50Dに対応し、リブ48Eを所定の間隔離隔
させた切り欠き部48Fを設けてある。
【0145】また、押え板50は、取っ手50Cを備え
る。
【0146】5 保油シート製造装置は、図6,7に示
すように、作業盤48の下面と、ガイド体の上面との間
に設けられ、打ち込みに失敗した留め部材40の破片等
を排出可能な排出孔45Dを備える。この排出孔45D
は、ガイド体46Eの上面に設れられ、ガイド体46を
横切る溝、および作業盤48の下面によって形成される
空間に、塗油シート配置部72に設けられる第1の孔4
8Cを連通させることにより設けてある。
【0147】また、塗油シート配置部70,71のそれ
ぞれに設けられる第1の孔48Cのそれぞれは、打ち込
みに失敗したときに発生する留め部材40の破片等を、
基台45の下方に排出可能に設けてある。すなわち、こ
れら2つの第1の孔48Cは、作業盤48および基台4
5を貫通し、基台45の下方に突き抜けている。
【0148】6 保油シート製造装置は、図5〜7に示
すように、押え棒49を差し込むことが可能な孔52A
を有する押え棒差し台52を備える。すなわち、押え棒
差し台52は、断面形状がL字形状の部材から成り、基
台45上にねじ等により着脱可能に取り付けられる。そ
して、孔52Aは、押え棒差し台52は、基台45に直
立する部分の上面に設けてある。
【0149】また、押え棒差し台52と壁部45Cと
は、同図5〜7に示すように、所定の間隔離隔させてほ
ぼ平行に設け、押え棒差し台52と壁部45Cの間に、
押え板50を立て掛けることが可能に形成してある。
【0150】このように1〜6で説明した構成の保油シ
ート製造装置は、接触型保油シート22,22A,23
を製造する際、塗油シート37,38,39を保油材2
2aの凹部31に取り付ける場合に使用される。次に、
本実施形態の保油シート製造装置を、塗油シート37を
取り付ける場合を例に挙げて説明する。
【0151】まず、捲り上げ手段46の摘み46Aが手
前に引かれる。このとき、押上部材46Cは、棒状部4
6Bを介して移動する。これにより、捲り上げ片47
は、傾斜面47Aが傾斜面46Dに摺接する位置に応じ
て下方に移動する。このようにして、捲り上げ片47
は、塗油シート配置部70よりも低い位置に配置され
る。
【0152】次に、図10に示すように、塗油シート配
置部70には、塗油シート37が配置される。塗油シー
ト37は、段差部48Gおよび壁部45Cに囲まれる部
分に嵌め込まれ、位置決めされる。また、塗油シート3
7には、複数の針状部材48Bが突き刺さって貫通し、
この塗油シート37は、塗油シート配置部70に固定さ
れる。
【0153】次に、作業盤48上には、図11に示すよ
うに、接触型保油シート22,22B,23の外形を形
成した保油材22aが1枚配置される。この保油材22
aは、複数のリブ48Eのそれぞれの壁面との間に隙間
なく当接し、作業盤48上に位置決めされる。
【0154】次に、捲くり上げ手段46の摘み46Aが
押し込まれる。このとき、棒状部46Bを介して押上部
材46Cが移動する。これにより、捲り上げ片47は、
傾斜面47Aが傾斜面46Dに摺接する位置に応じて上
方に移動する。塗油シート37は、図12に示すよう
に、突き出てくる捲り上げ片47によって保油材22a
上に捲り上げられる。
【0155】次に、保油材22a上に捲り上げられた塗
油シート37は、押え棒49によって保油材22a上に
押えつけられる。このとき、押え棒49を適宜撓ませた
状態で、塗油シート37を押え付ける。
【0156】次に、押え棒49が塗油シート37を押え
付けた状態で、押え板50が保油材22a上に配置され
る。このとき、塗油シート37は、押え棒49によっ
て、押え板50の位置標示50Eに一致するように配置
される。
【0157】次に、押え板50によって塗油シート37
が保油材22aに押えつけられた状態で、押え棒49が
塗油シート37の位置がずれないように取り除かれる。
すなわち、押え棒49は、摘み46A側に位置するリブ
48E間の切り欠き48Fおよび押え板50の切り欠き
50Dによって形成される空間から引き抜かれる。
【0158】次に、押え板50の孔50Bには、所定の
工具に備えられる針51が挿入される。針51は、塗油
シート37および保油材22aを貫通し、塗油シート配
置部70に設けられる第1の孔48Cの構成部分である
孔部分48B1に挿入される。そして、留め部材40が
打ち込まれ、保油材22aに塗油シート37を固定す
る。このとき、打ち込みに失敗して発生した留め部材4
0の破片は、基台45の下方に排出される。
【0159】また、塗油シート38を保油材22aの凹
部31に取り付ける場合には、塗油シート38が塗油シ
ート配置部71に配置されたのち、上述の手順と同様の
手順で取り付けられる。
【0160】また、塗油シート39を保油材22aの凹
部31に取り付ける場合には、塗油シート39が塗油シ
ート配置部72に配置されたのち、上述の手順と同様の
手順で取り付けられる。
【0161】このように、(3)で説明した本実施形態
では、塗油シート37,38,39のそれぞれを塗油シ
ート配置部70,71,72のそれぞれに配置し、段差
部48Gで位置決めし、針状部材48Bで固定する。ま
た、外形および凹部31を形成した保油材22aを作業
盤48上に、複数のリブ48Eによって位置決めする。
また、捲り上げ手段46によって塗油シート37,3
8,39を捲り上げる。また、押え板50に設けた位置
標示部50Eに合わせて、捲り上げた塗油シート37,
38,39部分を配置する。また、塗油シート配置部7
0,71,72に設けた第1の孔48C位置および押え
板50に設けた第2の孔50B位置に留め部材40を打
ち込む。これらにより、精度のよい舌状部41,42お
よび塗油シート39に覆われた底面31を簡単に設ける
ことができる。したがって、ガイド部3Aに適量の潤滑
油を均一に塗布する保油シートを簡単に製造することが
できる。
【0162】また、押え棒49が可撓性を有する押え棒
49を、適宜撓ませて塗油シート37,38,39を押
える。これにより、塗油シート37,38,39を押え
付け易い。
【0163】また、押え板50には切り欠き50Dを設
け、作業盤48には切り欠き50Dに対応する切り欠き
48Fを設けた。これらにより、押え板50を配置した
後の押え棒49を簡単に取り除くことができる。
【0164】また、押え板50は、透明な板体から成る
ので、塗油シート37,38,39の位置が把握し易
く、塗油シート37,38,39の位置を簡単に微調整
することができる。
【0165】また、塗油シート配置部70,71に設け
た第1の孔48Cを作業盤48および基台45を貫通さ
せ、塗油シート配置部72に設けた第1の孔48Cと連
通する第1の排出孔45Dを形成し、打ち込みに失敗し
て発生する留め部材40の破片等を排出させる。これに
より、留め部材40を円滑に打ち込むことができる。
【0166】
【発明の効果】以上のように、請求項1および2に係る
発明は、塗油シートの取り付けられた凹部を基準に、貫
通孔を形成することができるので、保油シートをケース
内に位置決めするための貫通孔を精度よく設けることが
できる。したがって、カイドレールのガイド部に、適量
の潤滑油を均一に塗布する保油シートを製造することが
できる。
【0167】また、請求項3に係る発明は、貫通孔形成
工程で、保油シートをケース内に位置決めするための貫
通孔を、塗油シートの取り付けられた凹部を基準に設け
た接触型保油シートを製造する。また、貫通孔形成工程
で、保油シートをケース内に位置決めするための貫通孔
を、凹部を基準に設けた非接触型保油シートを製造す
る。そして、複数枚の接触型保油シートと複数枚の非接
触型保油シートを交互に重ね合わせて一体化し、保油シ
ート積層体を製造する。これにより、保油シート積層体
をケース内に位置決めする位置決め孔を精度よく設ける
ことができる。したがって、カイドレールのガイド部
に、適量の潤滑油を均一に塗布することが可能な保油シ
ート積層体を製造することができる。
【0168】また、請求項4ないし10に係る発明は、
塗油シートを、塗布シート配置部に固定した状態で取り
扱う。そして、捲り上げ手段によって、片側を固定され
た塗油シートを捲り上げる。押え板で塗油シートを押
え、留め部材を第1の孔および第2の孔により適切に打
ち込む。これにより、保油材に設けた凹部に、塗油シー
トを簡単に、精度よく取り付けることができる。したが
って、ガイドレールのガイド部に適量の潤滑油を均一に
塗布する保油シートを簡単に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の接触型保油シートの製造工程を示
すフローチャートである。
【図2】本実施形態の非接触型保油シートの製造工程を
示すフローチャートである。
【図3】本実施形態の保油シート積層体の製造工程を示
すフローチャートである。
【図4】本実施形態の保油シートの製造工程および保油
シート積層体の製造工程をしめす説明図である。
【図5】本実施形態の保油シート製造装置本体を示す斜
視図である。
【図6】図5の実施形態の平面図である。
【図7】図6の実施形態のN−N断面図である。
【図8】図5の本実施形態の側面図である。
【図9】図5の実施形態に備えられる押え板を示す上面
図である。
【図10】図5の実施形態に備えられる塗油シート配置
部に塗油シートを配置した状体を示す腰部拡大図であ
る。
【図11】図5の実施形態に保油材を配置した状態を示
す斜視図である。
【図12】図5の実施形態に備えられる捲り上げ片が塗
油シートを捲り上げた状態を示す腰部拡大図である。
【図13】図5の実施形態に備えられる押え棒により塗
油シートを保油材上に押えている状態を示す斜視図であ
る。
【図14】図5に示す実施形態に押え板を配置して保油
材に塗油シートを取りつける状態を示す腰部拡大図。
【図15】ガイドレール潤滑装置が昇降体上部に設置さ
れた状態を示す側面図である。
【図16】図15のガイドレール潤滑装置の下面図であ
る。
【図17】図15のガイドレール潤滑装置を示す斜視図
である。
【図18】図15に示すガイドレール潤滑装置に備えら
れる蓋体を開いた状態を示す上面図である。
【図19】図15に示すガイドレール潤滑装置に備えら
れるケースを示す斜視図である。
【図20】図19に示すガイドレール潤滑装置の下面を
示す斜視図である。
【図21】図15のガイドレール潤滑装置のケース内に
収納される保油シート積層体を示す斜視図である。
【図22】図21の保油シート積層体の構成部分である
非接触型保油シートを示す上面図である。
【図23】図21の保油シート積層体の構成部分である
接触型保油シートを示すの上面図である。
【図24】図21の保油シート積層体の構成部分であり
図23に示した接触型保油シートとは異なる形状の接触
型保油シートを示す上面図である。
【図25】図23の接触型保油シートのK−K断面図で
ある。
【図26】図23,24の接触型保油シートに形成され
る凹部の腰部拡大図である。
【図27】図26のY−Y断面図である。
【図28】図23,24の保油シートに塗油シートを取
り付けるための留め部材を示す斜視図である。
【図29】図21の保油シート積層体の構成部分である
結束部材を示す斜視図である。
【図30】昇降体の下降時における保油シート積層体の
動作状態を示す説明図である。
【図31】昇降体の昇降時における保油シート積層体の
動作状態を示す説明図である。
【符号の説明】
2 ガイドレール潤滑装置 3 ガイドレール 3A ガイド部 3Aa 側面 3Ab 側面 3Ac 端面 12 ケース 14 保油シート積層体 15 凹部 17 塗油部 18 柱状体 18A 柱状体 18B 柱状体 20 柱状体 21 非接触型保油シート 21A 非接触型保油シート 21B 非接触型保油シート 21a 保油材 22 接触型保油シート 22A 接触型保油シート 22a 保油材 23 接触型保油シート 25 結束部材 26 凹部 26A 内側面 26B 内側面 26C 底面 27 孔 27A 孔 27B 孔 28 孔 29 孔 29A 孔 29B 孔 30 網状体 31 凹部 31A 内側面 31B 内側面 31A 底面 32 切込溝 33 孔 33A 孔 33B 孔 34 孔 35 貫通孔 35A 貫通孔 35B 貫通孔 37 塗油シート 38 塗油シート 39 塗油シート 40 留め部材 40a 接続部 40b 係止部 40b 係止部 41 舌状部 41a くぼみ部 42 舌状部 43 給油孔 43A 給油孔 43B 給油孔 45 基台 45A ガイド孔 45B 切り欠き部 45C 壁部 45D 排出孔 46 捲り上げ手段 46A 摘み 46B 棒状部 46E ガイド体 47 捲り上げ片 47A 傾斜面 47B カット面 47C 空間 48 作業盤 48A 切り欠き部 48B 針状部材 48C 第1の孔 48C1 孔部分 48C2 孔部分 48D 凹部 48E リブ 48F 切り欠き 48G 段差部 49 押え棒 50 押え板 50A 切り欠き部 50B 第2の孔 50B1 孔部分 50B2 孔部分 50C 取っ手 50D 切り欠き部 50E 位置標示部 51 針 60 位置決め孔 60A 位置決め孔 60B 位置決め孔 61 逆向き収納防止孔 70 塗油シート配置部 71 塗油シート配置部 72 塗油シート配置部
フロントページの続き (72)発明者 中野 政輝 東京都千代田区神田錦町1丁目6番地 株 式会社日立ビルシステム内 (72)発明者 大西 友治 東京都千代田区神田錦町1丁目6番地 株 式会社日立ビルシステム内 (72)発明者 西川 志津雄 東京都千代田区神田錦町1丁目6番地 株 式会社日立ビルシステム内 (72)発明者 下山 敏雄 東京都千代田区神田神保町1丁目64番地 有限会社 三沢エンジニア内 Fターム(参考) 3F305 EA02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状の保油材を、外形がほぼケース
    内壁面に沿った形状に形成するとともに、少なくともガ
    イドレールに配置する凹部を形成する保油シート外形形
    成工程と、この保油シート外形形成工程の後に、前記凹
    部を形成する内側面および底面を塗油シートで覆って、
    前記保油材に取り付ける塗油シート取付工程と、この塗
    油シート取付工程の後に、少なくともケース内に位置決
    めするための貫通孔を設ける貫通孔形成工程とから成る
    ことを特徴とするガイドレール潤滑装置用保油シートの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 前記保油シート外形形成工程は、前記保
    油シートに油を吸収させるための貫通孔を設けることを
    含み、前記貫通孔形成工程は、保油シートを逆向きに収
    納することを防止するための貫通孔を設けること含むこ
    とを特徴とする請求項1記載のガイドレール潤滑装置用
    保油シートの製造方法。
  3. 【請求項3】 シート状の保油材を、外形がほぼケース
    内壁面に沿った形状に形成するとともに、少なくともガ
    イドレールに配置する凹部を形成する保油シート外形形
    成工程と、この保油シート外形形成工程の後に、前記凹
    部を形成する内側面および底面を塗油シートで覆って、
    前記保油材に取り付ける塗油シート取付工程と、この塗
    油シート取付工程の後に、少なくともケース内に位置決
    めするための貫通孔を設ける貫通孔形成工程とによっ
    て、ガイドレールに摺接する凹部を有する接触型保油シ
    ートを形成し、 前記シート状の保油材を、外形がほぼケース内壁面に沿
    った形状に形成するとともに、少なくともガイドレール
    に配置する凹部を形成する保油シート外形形成工程と、
    この保油シート外形形成工程の後に、少なくともケース
    内に保油シートを位置決めするための貫通孔を設ける貫
    通孔形成工程とによって、ガイドレールに接触しない凹
    部を有する非接触型保油シートを形成し、 前記接触型保油シートと、前記非接触型保油シートとを
    交互に積層して一体化する積層一体化工程とから成るこ
    とを特徴とするガイドレール潤滑装置用保油シート積層
    体の製造方法。
  4. 【請求項4】 装置全体を支持する基台と、 この基台上に設けられ、塗油シートを固定する複数の針
    状部材と、前記塗油シートを保油材に取り付けるための
    留め部材を打ち込む第1の孔とを有し、前記塗油シート
    が配置される塗油シート配置部を具備する作業盤と、 前記塗油シート配置部に囲まれる位置に設けられ、前記
    塗油シート配置部に配置された前記塗油シートを捲り上
    げる捲り上げ片と、前記基台上で水平方向に往復動可能
    に設けられ、前記捲り上げ片を押し上げることが可能な
    押上部材とを有する捲り上げ手段と、 前記捲くり上げ手段によって捲り上げられた塗油シート
    を、保油材上に押え付ける押え棒と、 前記作業盤に設けられる前記留め部材を打ち込む前記第
    1の孔に対向し、前記留め部材を打ち込む第2の孔を有
    し、前記作業盤との間で前記保油材、およびこの保油材
    に設けた凹部に配置された前記塗油シートを押え付ける
    押え板とを備えることを特徴とするガイドレール潤滑装
    置用保油シートの製造方法に用いられる製造装置。
  5. 【請求項5】 前記捲り上げ手段は、前記押上部材の水
    平方向の往復動をガイドするガイド体と、前記塗油シー
    ト配置部に囲まれる位置に、前記捲り上げ片が上下動可
    能に設けられる空間とを有し、 前記塗布シート配置部には、前記塗油シートを位置決め
    する段差部が設けられ、 前記留め部材の打ち込みを失敗して発生する前記留め部
    材の破片等を、前記第1の孔から排出可能な構造を有す
    ることを特徴とする請求項4記載のガイドレール潤滑装
    置用保油シートの製造方法に用いられる製造装置。
  6. 【請求項6】 前記押上部材は、前記ガイド体に水平方
    向の往復動をガイドされる棒状部を備え、この棒状部の
    一端には摘みが設けられるとともに、前記押上部材に
    は、前記捲り上げ片の下部が摺接し、前記押上部材が水
    平方向に往復動することにより前記捲り上げ片を上下動
    させる傾斜面が設けられることを特徴とする請求項4記
    載のガイドレール潤滑装置用保油シートの製造方法に用
    いられる製造装置。
  7. 【請求項7】 前記捲り上げ片の下部には、前記押上部
    材の前記傾斜面に摺接する傾斜面が設けられるととも
    に、前記捲り上げ片の上部には、鋭角部分を取り除くた
    めにカットされたカット面が設けられることを特徴とす
    る請求項6記載のガイドレール潤滑装置用保油シートの
    製造方法に用いられる製造装置。
  8. 【請求項8】 前記作業盤には、この作業盤の両側に設
    けられ、互いに対向する一対の凹部と、作業盤上に直立
    する壁面を有し、外形の形成された前記保油材を前記作
    業盤上に位置決めする複数のリブと、前記押え板を配置
    した後に、この押え板の下方から前記押え棒を取り除く
    ための切り欠き部とが設けられることを特徴とする請求
    項4記載のガイドレール潤滑装置用保油シートの製造方
    法に用いられる製造装置。
  9. 【請求項9】 前記押え棒は、可撓性を有する棒状体か
    ら成ることを特徴とする請求項4に記載のガイドレール
    潤滑装置用保油シートの製造方法に用いられる製造装
    置。
  10. 【請求項10】 前記押え板は、透明体から成り、取っ
    手と、前記押え棒を前記押え板の下方から取り除くため
    の切り欠き凹部と、前記塗油シートを配置する位置を示
    す位置標示部とを備えることを特徴とする請求項4記載
    のガイドレール潤滑装置用保油シートの製造方法に用い
    られる製造装置。
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