JP2001121668A

JP2001121668A - 化粧シート

Info

Publication number: JP2001121668A
Application number: JP30500999A
Authority: JP
Inventors: Seishi Ikemoto; 精志池本
Original assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Current assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date: 1999-10-27
Filing date: 1999-10-27
Publication date: 2001-05-08

Abstract

(57)【要約】【課題】長期間の生活で付着した汚れやシミ、あるい
は、擦れ傷等により汚損した化粧シートを、短時間で容
易に施工当時の真新しい状態に復元することができる安
価な化粧シートを提供することである。【解決手段】基材の一方の面に意匠層を設け、該意匠
層上に表面保護層を形成した化粧シートにおいて、前記
表面保護層は前記意匠層側から第１表面保護層と第２表
面保護層とを剥離可能に順に積層した構成からなると共
に、少なくとも前記第２表面保護層が合成樹脂製透明シ
ートからなることを特徴とする化粧シート。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、住宅等の壁面や天
井面等に用いられる化粧シートに関し、さらに詳しく
は、短時間で容易に施工当時の真新しい状態に復元する
ことができる化粧シートに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、住宅等の壁面や天井面等に、印刷
や発泡、凹凸模様等を施した意匠性に優れた化粧シート
が用いられ、通常、この施工は専門業者により行われ
る。具体的には、化粧シートの裏面にエマルジョン糊を
塗工して壁面や天井面等に貼りつけるもので、しわの発
生や気泡の抱き込みを生じることなく壁面や天井面等に
化粧シートを貼着するのは、素人には極めて難しいし作
業であった。そのために、長期間の生活で付着した汚れ
やシミ、あるいは、擦れ傷等により汚損した化粧シート
を新たな化粧シートに張り替える場合は、専門業者に依
頼せざるを得ず、多くの時間と費用がかかるために、張
り替えを先延ばしする場合が多かった。

【０００３】こういった問題を解決するための提案が色
々となされている。具体的に例示すると、たとえば、特
開平５−１０６３２１号公報、実開平６−５４８００号
公報を挙げることができる。これらはいずれも、複数枚
からなる化粧シートを積層すると共に、表出する化粧シ
ートを容易に剥がすことができるように構成したもので
あって、長期間の生活で付着した汚れやシミ、あるい
は、擦れ傷等により汚損した表出する第１化粧シートを
剥がすことにより、前記第１化粧シートの下側にある第
２の化粧シートを表出させて、張り替え時の時間と費用
を低コストなものにしようとするものである。確かに、
上記特開平５−１０６３２１号公報、実開平６−５４８
００号公報に開示された発明、考案は、複数枚からなる
化粧シートを積層した構成からなるために、各々の化粧
シートの意匠を替えることも可能であり、たとえば、長
期間の生活で付着した汚れやシミ、あるいは、擦れ傷等
により汚損した表出する第１化粧シートを剥がすことに
より、第１化粧シートとは全く異なる意匠を有する第２
化粧シートを表出させることができ、従来とは全く違っ
た室内の雰囲気を楽しむことができるという効果を奏す
ることができる反面、当然のことながら複数枚からなる
化粧シートは、従来の１枚からなる化粧シートに比べて
少なくとも積層する枚数分は高くなり、化粧シートの初
期コストが上がるために、容易に採用されるまでには至
っていないのが現状である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、上記
問題を解決する目的でなされたものであり、長期間の生
活で付着した汚れやシミ、あるいは、擦れ傷等により汚
損した化粧シートを短時間で容易に施工当時の真新しい
状態に復元することができる安価な化粧シートを提供す
ることである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明者は、上記のよう
な目的を達成するために、請求項１記載の発明は、基材
の一方の面に意匠層を設け、該意匠層上に表面保護層を
形成した化粧シートにおいて、前記表面保護層は前記意
匠層側から第１表面保護層と第２表面保護層とを剥離可
能に順に積層した構成からなると共に、少なくとも前記
第２表面保護層が合成樹脂製透明シートからなることを
特徴とするものである。このように構成することによ
り、長期間の生活で付着した汚れやシミ、あるいは、擦
れ傷等により汚損した化粧シートを合成樹脂製透明シー
トからなる第２表面保護層を剥離するだけで、施工当時
の真新しい状態に復元することができる。

【０００６】

【発明の実施の形態】上記の本発明について、図面等を
用いて以下に更に詳しく説明する。まず、図１は本発明
にかかる化粧シートの一実施例の層構成を示す断面図で
あり、図中の１は化粧シート、２は基材、３は意匠層、
４は表面保護層、40は第１表面保護層、45は第２表面保
護層をそれぞれ示す。

【０００７】図１は本発明にかかる化粧シートの一実施
例の層構成を示す断面図であって、化粧シート１は基材
２の一方の面に意匠層３を設け、該意匠層３上に表面保
護層４を形成すると共に、該表面保護層４は前記意匠層
３側から第１表面保護層40と合成樹脂製透明シートから
なる第２表面保護層45とを剥離界面Ａで剥離可能に順に
積層した構成からなっている。

【０００８】前記基材２としては、たとえば、薄紙，チ
タン紙，樹脂含浸紙，紙間強化紙等の紙、あるいは、織
布、不織布、あるいは、ポリオレフィン、ポリエステ
ル、ポリアクリル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重
合体ケン化物等の合成樹脂製シートなどの１種ないし２
種以上の積層体を挙げることができ、また、壁紙として
化粧シートを用いる場合は、スルファニルグアナジンや
リン酸グアニジンなどの水溶性難燃剤を含浸させたパル
プ主体の難燃紙、あるいは、水酸化アルミニウムや水酸
化マグネシウムなどの無機質剤を混抄した無機質紙など
の通常壁紙用裏打紙といわれているものを用いることが
できる。また、前記合成樹脂製シートには必要に応じて
難燃性を付与するために、水酸化アルミニウム、水酸化
マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、三酸化
アンチモン、酸化チタン等の無機物の１種ないし２種以
上の混合物からなる無機充填剤を適宜添加されたもので
あってもよい。さらに、前記基材２は必要に応じて、一
方の面ないし両方の面に、コロナ放電処理、プラズマ処
理、オゾン処理等の周知の易接着処理を施したものであ
ってもよい。また、自然環境に優しい化粧シートとする
場合には、塩素等のハロゲンを含まない非ハロゲン系の
基材２が好ましい。この基材２の総厚としては20〜300
μｍが適当である。

【０００９】また、前記意匠層３としては、化粧シート
１に化粧シートとしての体裁を備えるために設けられる
ものであり、この意匠層３の構成要素としては、まず第
１に木目模様等に代表される印刷絵柄層、第２にボリュ
ウム感のある、あるいは、風合いのよい化粧シートとす
るために設けられる発泡層などを挙げることができ、こ
れらの構成要素は単独あるいは組み合わせて用いること
ができる。この意匠層３の上記構成要素について詳述す
る。

【００１０】まず、前記意匠層３が印刷絵柄層である場
合について説明する。印刷絵柄層は、一般的にはグラビ
ア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写
シートからの転写印刷等周知の印刷法によりインキにて
形成することができる。印刷絵柄としては、木目柄、石
目柄、布目柄、皮紋柄、幾何学図形、文字、記号、ある
いは、全面ベタ柄等がある。インキとしては、ビヒクル
として、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等
の塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、イソシアネー
トとポリオールからなるポリウレタン、アクリル、酢酸
ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロース
系樹脂、ポリアミド系樹脂等を１種ないし２種以上混合
して用い、これに顔料、溶剤、各種補助剤等を加えてイ
ンキ化したものを用いることができるが、自然環境に優
しいことを考慮すると、インキのビヒクルとしては、た
とえば、ポリエステル、イソシアネートとポリオールか
らなるポリウレタン、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹
脂、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂の１種ないし
２種以上からなるものを用い、これに顔料、溶剤、各種
補助剤等を加えてインキ化したものが好適である。

【００１１】次に、前記意匠層３が発泡層である場合に
ついて説明する。発泡層はバインダー樹脂中に発泡剤を
添加した発泡層形成樹脂組成物を基材２上に塗工し、加
熱発泡炉で加熱発泡させることにより形成することがで
きる。前記バインダー樹脂としては、オレフィン系樹
脂、エステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂
などの非ハロゲン系樹脂が自然環境に優しいことを考え
ると適当である。また、発泡剤としては、低沸点の炭化
水素、または、フロンガスや石油エーテル等の揮発性物
質を、たとえば、アクリロニトリル等の樹脂の中空体中
に内包した熱膨張型カプセル発泡剤、あるいは、アゾジ
カルボンアミドやオキシビスベンゼンスルホニルヒドラ
ジド等の熱分解型発泡剤のいずれか、ないし、いずれを
も用いることができる。発泡剤の添加量は、バインダー
樹脂100 重量部に対して概ね0.5 〜20重量部程度であ
る。なお、発泡層を形成する発泡層形成樹脂組成物に
は、発泡層に難燃性を付与する目的で、水酸化アルミニ
ウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリ
ウム、三酸化アンチモン、酸化チタン等の無機物の１種
ないし２種以上の混合物からなる無機充填剤を適宜添加
することもできるし、顔料ないし染料等を添加して着色
することもできる。また、発泡層形成樹脂組成物を基材
２上に塗工する方法としては、Ｔダイ押出機等による加
熱溶融塗工法、あるいは、溶液状の発泡層形成樹脂組成
物をロールコート法、グラビアコート法等の周知の塗工
法のいずれの方法でもよい。

【００１２】次に、前記表面保護層４について説明す
る。まず、前記表面保護層４は、前記第１表面保護層40
と前記合成樹脂製透明シートからなる第２表面保護層45
とからなり、前記第１表面保護層40と前記第２表面保護
層45とが剥離可能に積層されている。前記表面保護層４
としては、化粧シートとして必要な表面物性、たとえ
ば、耐汚染性、耐擦傷性、耐薬品性等を付与するために
設けるもので、たとえば、オレフィン系樹脂、アクリル
系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、アミド
系樹脂、スチレン系樹脂、エステル系樹脂、ウレタン系
樹脂などを用いることができる。なお、フッ素系樹脂、
たとえば、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−テ
トラフルオロエチレン共重合体等を用いてもよいが、自
然環境に優しい化粧シートを考えると、用いない方が好
ましい。

【００１３】前記第１表面保護層40としては、前記各種
樹脂をシート化したものをサーマルラミネート法、ある
いは、ドライラミネート法等で積層したものであっても
よいし、また、前記各種樹脂をＴダイ押し出しラミネー
ト法等で加熱溶融押し出しすることにより形成したもの
であってもよいし、また、前記各種樹脂に各種補助剤、
溶剤等を加えて溶液化したものをグラビアコート法、ロ
ールコート法等の周知の塗工法で塗工することにより形
成したものであってもよい。なお、前記第１表面保護層
40は、必要に応じてマット剤、あるいは、顔料ないし染
料等の着色剤等を加えたものであってもよい。

【００１４】また、前記第２表面保護層45としては、前
記表面保護層４で説明した各種樹脂を用いることがで
き、たとえば、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、エ
ステル系樹脂などをシート化したものが好適である。

【００１５】次に、前記第１表面保護層40と前記第２表
面保護層45とを剥離界面Ａで剥離可能に積層する方法に
ついて説明する。最も一般的な方法としては、たとえ
ば、前記第１表面保護層40と前記第２表面保護層45とを
粘着剤を用いて積層する方法であって、前記第１表面保
護層40と前記第２表面保護層45とを剥離するときの接着
力が100g／25mm巾（引っ張り速度が30cm／分で180 度剥
離した場合の接着力）以下となる粘着剤を用いて積層す
ることにより前記第１表面保護層40と前記第２表面保護
層45とを剥離界面Ａで剥離可能に積層することができ
る。この場合、剥離界面Ａは粘着剤と第１表面保護層40
との間となるように構成するのが望ましく、第１表面保
護層40、および、第２表面保護層45に用いる樹脂を選択
するなり、あるいは、第２表面保護層45を形成する合成
樹脂製透明シートの粘着剤と接する面にコロナ放電処
理、プラズマ処理、オゾン処理等の周知の易接着処理を
施すことにより剥離界面Ａを粘着剤と第１表面保護層40
との間となるように構成することができる。また、別の
方法としては、前記第１表面保護層40と前記第２表面保
護層45とを前記意匠層３上に共押出し、たとえば、前記
第１表面保護層40をエチレンがリッチなエチレン−プロ
ピレン共重合体とし、前記第２表面保護層45をプロピレ
ンがリッチなエチレン−プロピレン共重合体として共押
出しすることにより、前記第１表面保護層40と前記第２
表面保護層45とを剥離界面Ａで剥離可能に積層すること
ができる。

【００１６】また、前記意匠層３、あるいは、前記表面
保護層４には必要に応じて、ラジカル補足剤、および／
ないし、紫外線吸収剤を添加しても構わない。これは、
前記意匠層３、あるいは、前記表面保護層４が紫外線に
よって劣化するのを防止し、耐候性を向上させる目的で
用いられる。また、本発明の化粧シート１は、必要に応
じて前記表面保護層４側からエンボス版等により凹凸模
様を形成することもできる。これにより、意匠性をさら
に向上させることができる。

【００１７】また、本発明の化粧シート１は、木質合
板，木質繊維板、パーチクルボード等の木質系基材、石
膏ボード，石膏スラグボード等の石膏系基材、パルプセ
メント板，石綿スレート板，石綿セメント板、木質セメ
ント板等の繊維セメント板、ＧＲＣおよびコンクリー
ト、ジアリルフタレート樹脂，ベンゾグアナミン樹脂，
フェノール樹脂，メラミン樹脂，不飽和ポリエステル樹
脂，エポキシ樹脂，ウレタン樹脂等の樹脂を含浸した樹
脂含浸紙の下地材を積層した構成としてもよい。

【００１８】

【実施例】上記発明について、以下に実施例を挙げて更
に詳しく説明する。実施例１ 120g/m² の壁紙用裏打紙〔特種製紙（株）製： DN-120
C〕の一方の面に発泡層形成樹脂組成物〔大日精化
（株）製： AOW5160（エチレン−酢酸ビニル共重合体系
樹脂に熱膨張型マイクロカプセルが添加されたエマルジ
ョン）〕をロータリースクリーン印刷機で乾燥後に130g
/m² となるように塗工、乾燥して後に前記発泡層形成樹
脂組成物塗工面にアクリル系水性インキで布目模様を印
刷して意匠層を形成し、その後加熱発泡炉（170 ℃で60
秒）で前記発泡層形成樹脂組成物を発泡させて発泡層を
形成すると同時にサーマルラミネート法で12μｍのアク
リル系フィルム〔三菱レーヨン（株）製：ＨＢＣ〕を前
記発泡層上に積層して第１表面保護層を形成した。さら
にこのものを170 ℃で40秒加熱して後に、一方の面にア
クリル系粘着剤を塗工した45μｍのポリプロピレン／ポ
リエチレンとの共押出しフィルム〔日東電工（株）製：
RB-200S〕を布目エンボス版で凹凸模様を形成すると同
時に積層して第２表面保護層を形成し、本発明の化粧シ
ートを得た。

【００１９】上記実施例１で作製した化粧シートの第１
表面保護層と第２表面保護層との初期接着力は、20ｇ／
25mm巾（引っ張り速度が30cm／分で180 度剥離した場合
の接着力）であり、このものを室温で一ヵ月放置した
が、第１表面保護層と第２表面保護層との間で自然に剥
離が生じることもなかった。また、室温で一ヵ月放置後
の第１表面保護層と第２表面保護層との接着力は30ｇ／
25mm巾（引っ張り速度が30cm／分で180 度剥離した場合
の接着力）と多少初期接着力より強くなるものの第１表
面保護層と第２表面保護層との間で容易に剥がすことが
でき、真新しい表面を露出することができた。

【００２０】

【発明の効果】本発明の化粧シートは、今まで縷々説明
してきたように、長期間の生活で付着した汚れやシミ、
あるいは、擦れ傷等により汚損した化粧シートを第２表
面保護層を剥がすことにより容易に施工当時の真新しい
状態に復元することができるという優れた効果を奏する
ものである。さらに、本発明の化粧シートは、構成が極
めてシンプルであり、化粧シートを積層した従来のもの
と比べて、低コストで提供することができるという効果
を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかる化粧シートの一実施例の層構成
を示す断面図である。

【符号の説明】

１化粧シート２基材３意匠層４表面保護層 40 第１表面保護層 45 第２表面保護層

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続きＦターム(参考） 4F100 AK01C AK04 AK07 AK25 AK25G AK25H AK68 AR00D AS00B AS00C AT00A AT00D BA03 BA04 BA07 BA10A BA10C CB00 CC00 DD07 DG10 DJ01 GB08 HB00 HB00D HB21 HB31 JK06 JL05 JL06 JL14 JN01C

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】基材の一方の面に意匠層を設け、該意匠
層上に表面保護層を形成した化粧シートにおいて、前記
表面保護層は前記意匠層側から第１表面保護層と第２表
面保護層とを剥離可能に順に積層した構成からなると共
に、少なくとも前記第２表面保護層が合成樹脂製透明シ
ートからなることを特徴とする化粧シート。