JP2001121664A - 多層樹脂シート - Google Patents
多層樹脂シートInfo
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Abstract
ともに、耐剥離性、耐油性、耐薬品性を満足する多層樹
脂シートを提供する。 【解決手段】 ブロック共重合体(I)、ビニル芳香族
炭化水素系重合体または重合体混合物(II)、及び少
なくとも1種の実質的に非晶質なポリエステル系重合体
からなる基材層の少なくとも片面に、少なくとも1種の
実質的に非晶質なポリエステル系重合体からなる表面層
を積層してなる多層樹脂シートとする。
Description
水素−共役ジエンブロック共重合体とビニル芳香族炭化
水素系重合体、および実質的に非晶質なポリエステル系
重合体からなる組成物を基材層とし、実質的に非晶質な
ポリエステル系重合体からなる表面層を積層してなる多
層樹脂シートに関する。
いビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック
共重合体は、透明性、耐衝撃性等の特性を利用して、射
出成型用途、シート、フィルム等の押出成形用途等に使
用されている。
透明性、耐衝撃性および剛性に優れた組成物を得るた
め、ポリマー構造が一般式A1−B−A2で示されるビ
ニル芳香族炭化水素−共役ジエンブロック共重合体とス
チレン系樹脂との組成物が、特開平7−216186号
公報には透明性、剛性、耐衝撃性、低温延伸性および耐
自然収縮性に優れる組成物および熱収縮性フィルムを得
るため、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンのランダム
共重合体部分の構造、ビニル芳香族炭化水素ブロックの
ブロック率に特徴を持たせたビニル芳香族炭化水素−共
役ジエンブロック共重合体とビニル芳香族炭化水素系重
合体との組成物、及び該組成物を延伸した熱収縮性フィ
ルムが、記載されている。
は、耐面衝撃性と透明性のバランスに優れた組成物を得
るため、特定構造と分子量分布を有するビニル芳香族炭
化水素−共役ジエンブロック共重合体とビニル芳香族炭
化水素−(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂との
組成物にゴム変性耐衝撃性ポリスチレン及び/又はビニ
ル芳香族炭化水素−共役ジエンブロック共重合体エラス
トマーを含有した樹脂組成物が、特開平9−15128
5号公報には、耐面衝撃性と透明性のバランスに優れ、
かつ成形時のリワーク性が良好なシート用樹脂組成物を
得るため、特定構造と特定範囲内の分子量分布を有し、
ビカット軟化温度が65〜90℃であるビニル芳香族炭
化水素−共役ジエンブロック共重合体とビニル芳香族炭
化水素−(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂との
組成物が記載されている。
役ジエンからなるブロック共重合体とスチレン系樹脂と
の組成物は、耐油性及び耐薬品性に乏しいため、食用油
脂、溶剤、化学薬品等を収納する容器用途としては適さ
ないという問題がある。
性、耐薬品性に優れる組成物として、実質的に非晶質な
ポリエステル系重合体とスチレン系単量体−脂肪族不飽
和カルボン酸エステル共重合体とスチレン系単量体−共
役ジエンブロック共重合体との組成物が、特開平11−
77904号公報には、スチレン−ブタジエン共重合
体、一般用ポリスチレン及びスチレン−ブタジエン−ス
チレン共重合体からなる基材層と、スリップ剤とポリエ
チレンテレフタレートを外層として一体に積層した多層
樹脂シートが記載されている。
−共役ジエンブロック共重合体は、各ブロックを構成す
るスチレン系単量体と共役ジエンの比率が明確に示され
ておらず、機械的強度(剛性、伸び、耐衝撃性)の総合
的バランスが不十分である。
撃性等の物性バランスに優れるとともに、耐剥離性、耐
油性、耐薬品性をも満足する多層樹脂シートの提供を目
的とする。
有するビニル芳香族炭化水素−共役ジエンブロック共重
合体、ビニル芳香族炭化水素重合体、及び実質的に非晶
質なポリエステル系重合体からなる基材層の少なくとも
片面に、実質的に非晶質なポリエステル系重合体からな
る表面層を積層することによって、前記の要求特性を満
足することが可能となることを見出し、完成したもので
ある。
合体、下記(II)のビニル芳香族炭化水素系重合体ま
たは重合体混合物、及び少なくとも1種の実質的に非晶
質なポリエステル系重合体(III)からなり、(I)
/(II)の重量比が80/20〜20/80である重
合体組成物からなる基材層の少なくとも片面に、少なく
とも1種の実質的に非晶質なポリエステル系重合体(I
V)からなる表面層を積層してなる多層樹脂シート、さ
らにこの多層樹脂シートを所定形状に成形してなる多層
樹脂成形体である。
水素重合体ブロックと少なくとも1個の共役ジエン重合
体ブロックと少なくとも1個の共役ジエンとビニル芳香
族炭化水素共重合体ブロックを有するブロック共重合
体、または少なくとも2個のビニル芳香族炭化水素重合
体ブロックと少なくとも1個の共役ジエンとビニル芳香
族炭化水素共重合体ブロックを有するブロック共重合体
で、該ブロック共重合体のビニル芳香族炭化水素含有量
が65〜85重量%、共役ジエン含有量が35〜15重
量%で、ブロック共重合体中に組み込まれたビニル芳香
族炭化水素重合体ブロックのブロック率が50〜97重
量%であるブロック共重合体。
(d)から選ばれた1種のビニル芳香族炭化水素系重合
体または2種以上の重合体の混合物。 (a)ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなり、ビ
ニル芳香族炭化水素含有量が65〜90重量%、共役ジ
エン含有量が35〜10重量%であるブロック共重合体
(ただし(I)とは異なる)。
からなり、ビニル芳香族炭化水素含有量が10重量%以
上65重量%未満、共役ジエン含有量が35重量%を超
え90重量%以下であるブロック共重合体。 (c)非ゴム変性スチレン系重合体。 (d)ゴム変性スチレン系重合体から選ばれた少なくと
も1種のビニル芳香族炭化水素系重合体。
使用するブロック共重合体(I)は、炭化水素溶媒中、
有機リチウム化合物を開始剤としてビニル芳香族炭化水
素及び共役ジエンを重合することにより得るものであ
る。本発明に使用するブロック共重合体(I)のビニル
芳香族炭化水素としてはスチレン、o−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレ
ン、1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、
ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、1,1−ジフ
ェニルエチレン等があるが、特に一般的なものしてはス
チレンが上げられる。
してもよい。共役ジエンとしては、1対の共役二重結合
を有するジオレフィンであり、例えば、1,3−ブタジ
エン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレ
ン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3
−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等があるが、特
に一般的なものとしては、1,3−ブタジエン、イソプ
レン等が挙げられる。これらは1種のみならず2種以上
混合使用してもよい。
のビニル芳香族炭化水素含有量は65〜85重量%、好
ましくは70〜80重量%、共役ジエン含有量は35〜
15重量%、好ましくは30〜20重量%である。ビニ
ル芳香族炭化水素含有量が65重量%未満、共役ジエン
含有量が35重量%を超えると剛性が低下し、ビニル芳
香族炭化水素含有量が85重量%を超え、共役ジエンが
15重量%未満では、耐衝撃性が低下し好ましくない。
またブロック共重合体中に組み込まれているビニル芳香
族炭化水素重合体ブロックのブロック率は50〜97重
量%、好ましくは60〜95重量%である。50重量%
未満では剛性が劣り、97重量%を超えると伸びが低下
し好ましくない。
ロック率は、ブロック共重合体の製造時に、少なくとも
一部のビニル芳香族炭化水素と共役ジエンが共重合する
工程のビニル芳香族炭化水素と共役ジエンの重量、重量
比、重合反応性比等を変えることによりコントロールす
ることができる。
水素と共役ジエンとの混合物を連続的に重合系に供給し
て重合する、及び/又は極性化合物あるいはランダム化
剤を使用してビニル芳香族炭化水素と共役ジエンを共重
合する等の方法が採用できる。極性化合物やランダム化
剤としては、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコー
ルジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエ
ーテル等のエーテル類、トリエチルアミン、テトラメチ
ルエチレンジアミン等のアミン類、チオエーテル類、ホ
スフィン類、ホスホルアミド類、アルキルベンゼンスル
ホン酸塩、カリウムやナトリウムのアルコキシド等が挙
げられる。
組み込まれているビニル芳香族炭化水素重合体ブロック
のブロック率とは、四酸化オスミウムを触媒としてター
シャリーブチルハイドロパーオキサイドによりブロック
共重合体を酸化分解する方法(I.M.KOLTHOF
F,etal.,J.Polym.Sci.1,429
(1946)に記載の方法)により得たビニル芳香族炭
化水素重合体ブロック成分(ただし平均重合度が約30
以下のビニル芳香族炭化水素重合体成分は除かれてい
る)を定量し、次式から求めた値をいう。
体中のビニル芳香族炭化水素重合体ブロックの重量%/
ブロック共重合体中の全ビニル芳香族炭化水素の重量
%)×100 本発明に使用するブロック共重合体(I)は少なくとも
2つのビニル芳香族炭化水素重合体ブロックと少なくと
も1つの共役ジエン重合体ブロックと共役ジエンとビニ
ル芳香族炭化水素重合体ブロックまたは少なくとも2つ
のビニル芳香族炭化水素重合体ブロックと少なくとも1
つの共役ジエンとビニル芳香族炭化水素重合体ブロック
を有するブロック共重合体で、例えば下記の一般式のも
のが挙げられる。
Aはビニル芳香族炭化水素重合体ブロックを示す。
役ジエンとビニル芳香族炭化水素共重合体ブロック、あ
るいは共役ジエン重合体部分と共役ジエンとビニル芳香
族炭化水素共重合体部分が隣接してなるブロックを示
す。Xはカップリング剤の残基又は多官能性有機リチウ
ム化合物等の開始剤の残基を示す。n、k及びmは1以
上の整数、一般的には1〜5である)である。
の好ましいメルトインデックス(以下MI:G条件で温
度200℃、荷重5kg)は成形加工の点から0.1〜
50g/10min、より好ましくは1〜20g/10
minである。
重合体(II)は、(a)ビニル芳香族炭化水素と共役
ジエンからなり、ビニル芳香族炭化水素含有量が65〜
90重量%、共役ジエン含有量が35〜10重量%であ
るブロック共重合体(ただし(I)とは異なる)、
(b)ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなり、ビ
ニル芳香族炭化水素含有量が10重量%以上65重量%
未満、共役ジエン含有量が35重量%を超え90重量%
以下であるブロック共重合体、(c)非ゴム変性スチレ
ン系重合体、(d)ゴム変性スチレン系重合体から選ば
れた1種のビニル芳香族炭化水素系重合体または2種以
上の重合体の混合物である。
は、剛性あるいは耐衝撃性の改良効果があり、ビニル芳
香族炭化水素含有量は65〜90重量%、共役ジエン含
有量は35〜10重量%である。ビニル芳香族炭化水素
含有量が90重量%を超えると耐衝撃性改良効果が得ら
れない場合があり、65重量%未満では剛性の改良効果
が得られない場合がある。
は耐衝撃性の改良効果があり、ビニル芳香族炭化水素含
有量は10重量%以上65重量%未満、共役ジエン含有
量は35重量%を超え90重量以下である。ビニル芳香
族炭化水素含有量が65重量%以上では耐衝撃性の改良
効果が得られない場合があり、10重量%未満では剛性
が低下し好ましくない。
しいMI(G条件で温度200℃、荷重5kg)は成形
加工の点から0.1〜50g/10min、より好まし
くは1〜20g/10minである。
述のブロック共重合体(I)と同様、有機リチウム化合
物を開始剤として重合することにより得ることができ、
その際の有機溶媒、開始剤、ビニル芳香族炭化水素、共
役ジエン、極性化合物、ランダム化剤及びカップリング
剤には前述のものが用いられる。またブロック共重合体
(a)及び(b)は、上記条件が満たされればいかなる
構造をとることもできるが、好ましい例として下記構造
式〜で示される線状ブロック共重合体、あるいは
〜で示されるラジアルブロック共重合体が挙げられ
る。
重合体ブロック、Bは共役ジエンを主とする重合体ブロ
ックを示す。Xはカップリング剤の残基又は多官能性有
機リチウム化合物等の開始剤の残基を示す。n、k及び
mは1以上の整数、一般的には1〜5である。)
合体(c)は剛性の改良効果があり、ビニル芳香族炭化
水素の単独重合体またはビニル芳香族炭化水素を含む2
種以上の共重合体が用いられる。ビニル芳香族炭化水素
としては前述のブロック共重合体(I)と同様のものを
用いることができ、ビニル芳香族炭化水素と共重合可能
なモノマーとしてはアクリル酸エステル、メタクリル酸
エステル、アクリロニトリル、無水マレイン酸等が挙げ
られる。
としてはポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル
共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、
スチレン−無水マレイン酸共重合体等があげられ、これ
らは1種または2種以上の混合物として使用することが
できる。
体(d)は剛性及び耐衝撃性の改良効果があり、ビニル
芳香族炭化水素もしくはこれと共重合可能な単量体とエ
ラストマーとの混合物を重合することにより得られる。
重合方法としては懸濁重合、乳化重合、塊状重合、塊状
−懸濁重合等を用いることができる。
ック共重合体(I)と同様のものを用いることができ、
ビニル芳香族炭化水素と共重合可能な単量体としては、
アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸
エステル、無水マレイン酸等が挙げられる。一方エラス
トマーとしては天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエン
ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ハイスチレンゴム等
が使用される。特に好ましいゴム変性スチレン系樹脂と
してはゴム変性耐衝撃性スチレン系樹脂(HIPS)が
あげられる。
テル系重合体とは、ホモ重合体単独、共重合体単独、ホ
モ重合体と共重合体の組成物、ホモ重合体及び/又は共
重合体とそれ以外の第3の重合体との混合物、及びこれ
らの重合体ならびに混合物の結晶状態に影響を与えるよ
うな添加剤等を加えて得られた混合物を、本発明のシー
トと同じ加工条件で成膜した状態で、広角X線法により
測定して得られた結晶化度が、ポリエステル系重合体成
分100%に換算した値で10%以下のものであり、好
ましくは5%以下、より好ましくは1%未満のものであ
るものをいう。
結晶化度の値で代用してもよい。この場合、昇温速度1
0℃/分で融解エネルギーを測定し、広角X線により結
晶化度の明確なサンプルを標準にして求める。本発明の
ポリエステル系重合体シートの結晶化度は、前記と同
様、ポリエステル重合体成分100%に換算した値で1
0%以下のものであり、好ましくは5%以下、より好ま
しくは上記DSC法による融点がほとんど見られないも
のがよい。このような測定方法で結晶化度が10%を超
えると、積層シート中のポリエステル系重合体層が、脆
くかつ白化した不透明なものとなり好ましくない。
ステル系重合体(III)及び(IV)を構成する単量
体成分としては、酸成分として、テレフタル酸又はその
異性体(例えばイソフタル酸、フタル酸等)又はこれら
の誘導体、脂肪族ジカルボン酸(例えばアジピン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸等)又はその誘導体、ナフタレ
ンジカルボン酸類等より選ばれる少なくとも1種が使用
できる。
エチレングリコール又はその誘導体(例えばポリエチレ
ングリコール)、アルキレングリコール類(トリメチレ
ングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチ
レングリコール等)、シクロアルキルグリコール類(シ
クロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、
シクロヘキサンジアルキオール等)、ビスヒドロキシフ
ェニルアルカン類(ビス(4−ヒドロキシフェニル)メ
タン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニ
ル)プロパン等)またはこれらの水素添加物等より選ば
れる少なくとも1種が使用できる。
(III)及び(IV)は、これら両成分を縮重合して
得られるポリエステルのうち、前述した実質的に非晶質
のもので、ホモ重合体でも、2種以上の酸成分又はグリ
コール成分を共重合したものでもよい。また必要に応じ
てオキシ酸を共重合してもよい。これらのうち、酸成分
とグリコール成分との好ましい組み合わせとしては、酸
成分としてテレフタル酸を選び、場合によっては異性体
(イソフタル酸、フタル酸)を20モル%以下のレベル
で含んだものと、グリコール成分としてエチレングリコ
ール及び1,4−シクロヘキサンジメタノールを主体と
した混合成分とを共重合したものである。
化度の点からエチレングリコールが60〜80モル%、
1,4−シクロヘキサンジメタノールが40〜20モル
%であり、好ましくは前者が64〜75モル%、後者が
36〜25モル%、さらに好ましくは前者が67〜73
モル%、後者が33〜27モル%である。
(III)及び(IV)の重合度は、その極限粘度の値
で好ましくは0.50〜1.2であり、より好ましくは
0.65〜1.0である。0.5未満では強度が低くな
り、1.2を超えると成形性が低下するため好ましくな
い。なお極限粘度は、フェノール/テトラクロロエタン
の60/40重量%溶液を用いて、30℃で測定した値
をいう。本発明で使用するポリエステル系重合体(II
I)と(IV)は、同一構造、組成であっても、あるい
は異なる構造、組成であってもよい。
を構成するブロック共重合体(I)とビニル芳香族炭化
水素系重合体(II)との重量比(I)/(II)は8
0/20〜20/80であり、好ましくは30/70〜
70/30である。ブロック共重合体(I)が80重量
%を超えると成分(II)による改良効果が低く、一方
20重量%未満では物性バランスが低下するため好まし
くない。
組成物にポリエステル系樹脂(III)を含有すること
により、基材層と表面層との剥離強度を高めることがで
きる。ポリエステル系樹脂(III)の含有量は、
(I)+(II)=100重量部に対して0.1〜20
重量部である。0.1重量部未満では十分な剥離強度が
得られず、一方20重量部を超えると成分(I)との相
容性が低下し好ましくない。
は、所定の組成物及び重合体の他に、必要に応じてポリ
スチレン系、石油樹脂系等の低重合物、または他の極性
官能基を有したホモ重合体又は共重合体、または添加剤
等を配合することができる。添加剤の種類は樹脂の配合
に一般的に用いられるものであれば特に制限はないが、
例えば酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、スリッ
プ剤、防曇剤、滑剤、着色剤、難燃剤、可塑剤等があ
る。
厚さは特に制限されず、使用目的や用途に応じて適宜選
択することができるが、一般的には0.1〜1.7mm
程度であり、基材層の厚さを全厚の2〜98%に設定す
ることが好ましい。
いる樹脂または樹脂組成物を複数の押出機により成形
し、得られたシート状成形体を加熱積層して一体化する
方法で製造できる。またさらに好ましい方法として、各
構成層に用いる樹脂又は樹脂組成物を、汎用のフィード
ブロック付きダイまたはマルチマニホールドダイ等を使
用して共押出する方法でもよい。この製造方法を用いた
場合、特に薄い表面層を得ることが可能であり、量産性
が優れる等の利点がある。
で、例えば圧空成形法、真空成形法等一般に知られてい
る方法により、トレー状、ボトル形状、有底円筒形状等
の成形体を効率的に製造することが可能である。本発明
の多層樹脂シートは、剛性及び耐衝撃性等の基本的物性
に優れるとともに、耐剥離性、耐油性、耐薬品性、2次
成形性等の特性をも同時に満足した多層樹脂成形体を得
ることができる。
が、これらは本発明の範囲を制限するものではない。表
−1に実施例、比較例に使用したブロック共重合体
(I)を、表−2にビニル芳香族炭化水素系重合体(I
I)を示した。ブロック共重合体(I)はシクロヘキサ
ン溶媒中でn−ブチルリチウムを開始剤に用い、表1の
ポリマー構造欄に記載されている順序、量のモノマーを
添加して重合した。
応を停止した後、安定剤としてブロック共重合体100
重量部に対して2−t−アミル−6−[1−(3,5−
ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル]−
4−t−アミルフェニルアクリレートを0.4重量部
と、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを0.2重
量部添加し、溶剤を除去してブロック共重合体を回収し
た。得られたブロック共重合体のMIはすべて4〜10
の範囲内であった。
V)として、下記に示すPES−1、PES−2を用い
た。 PES−1:酸成分としてテレフタル酸、グリコール成
分として、エチレングリコールを70モル%、1,4−
シクロヘキサンジメタノールを30モル%の割合で用
い、極限粘度0.75、ビカット軟化点82℃、融点は
DSC法では確認できない共重合ポリエステル。
グリコール成分として、エチレングリコールを75モル
%、1,4−シクロヘキサンジメタノールを25モル%
の割合で用い、極限粘度0.75、ビカット軟化点80
℃、融点はDSC法で200℃にわずかに認められ、結
晶化度2〜3%の共重合ポリエステル。
を使用して、基材層及び表面層の2層から構成される多
層樹脂シートを溶融押出成形し、下記の方法で引張弾性
率、破断伸び、Haze、耐剥離性及び耐油性を評価し
た。
用いて押出温度200℃で、表面層は20mmφ押出機
を用いて押出温度220℃で共押出成形した。さらに得
られた多層樹脂シートから、圧空真空成形機を使用し
て、内面に表面層を有する口径70mm×高さ120m
mの有底円筒形状の容器を製造し、下記の方法で割れに
くさ及び耐薬品性を評価した。多層樹脂シート及び容器
の層構成及び性能を表3に示した。
5mm/min.でシート押出方向及びその直角方向に
ついて測定し、平均値を算出した。試験片は幅12.7
mm、標線間50mmとした。 (2)Haze:シート表面に流動パラフィンを塗布
し、ASTM D1003に準拠して測定した。
ブをつくり、基材層と表面層をつかんで一定の力を加え
て180℃方向に引っ張り剥がした。剥がれなかったも
の、または容易に剥がれなかったものを○、容易に剥が
れたもの、または接着していなかったものを×とした。 (4)容器の割れにくさ:シート押出方向及びその直角
方向のそれぞれに併せて容器を両手で挟み、一定の力を
加えて潰し、割れなかったものを○、割れたものを×と
した。シート押出方向及びその直角方向の各々について
5個の容器を用いて評価した。
℃のココナードMCTオイルを接触させ、72時間放置
後、シートの溶解発生の有無を評価した。 (6)耐薬品性:容器にエタノールを満たした状態で室
温で7日間放置後、容器の白化状態を観察した。全く白
化しなかったものは○、少しでも白化したものは×とし
た。
性等の物性バランスに優れるとともに、耐剥離性、耐油
性、耐薬品性及にも優れている。特に耐油性、耐薬品性
に優れているという特長を生かし、食用油脂、溶剤、化
学薬品を収納する容器用途として好適に使用できる。
Claims (3)
- 【請求項1】 下記に示すブロック共重合体(I)、下
記に示すビニル芳香族炭化水素系重合体または重合体混
合物(II)、及び少なくとも1種の実質的に非晶質な
ポリエステル重合体(III)からなり、(I)/(I
I)の重量比が80/20〜20/80である重合体組
成物からなる基材層の少なくとも片面に、少なくとも1
種の実質的に非晶質なポリエステル系重合体(IV)か
らなる表面層を積層してなる多層樹脂シート。 (I)少なくとも2個のビニル芳香族炭化水素重合体ブ
ロックと少なくとも1個の共役ジエン重合体ブロックと
少なくとも1個の共役ジエンとビニル芳香族炭化水素共
重合体ブロックを有するブロック共重合体、または少な
くとも2個のビニル芳香族炭化水素重合体ブロックと少
なくとも1個の共役ジエンとビニル芳香族炭化水素共重
合体ブロックを有するブロック共重合体で、該ブロック
共重合体のビニル芳香族炭化水素含有量が65〜85重
量%、共役ジエン含有量が35〜15重量%で、ブロッ
ク共重合体中に組み込まれたビニル芳香族炭化水素重合
体ブロックのブロック率が50〜97重量%であるブロ
ック共重合体。 (II)下記(a)、(b)、(c)、(d)から選ば
れた1種のビニル芳香族炭化水素系重合体または2種以
上の重合体の混合物。 (a)ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなり、ビ
ニル芳香族炭化水素含有量が65〜90重量%、共役ジ
エン含有量が35〜10重量%であるブロック共重合体
(ただし(I)とは異なる)。 (b)ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなり、ビ
ニル芳香族炭化水素含有量が10重量%以上65重量%
未満、共役ジエン含有量が35重量%を超え90重量%
以下であるブロック共重合体。 (c)非ゴム変性スチレン系重合体。 (d)ゴム変性スチレン系重合体。 - 【請求項2】 基材層を構成するポリエステル系重合体
(III)の配合量が成分(I)+成分(II)=10
0重量部に対して0.1〜20重量部である請求項1記
載の多層樹脂シート。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の多層樹脂
シートを所定形状に成形してなる多層樹脂成形体。
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