JP2001121212A - ディスクホイール矯正装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 構成を簡素化することによってコストダウン
・小型化の点で優れたディスクホイール矯正装置を提供
すること。 【解決手段】 アルミホイールＡが載置されるテーブル
２と、このテーブル２にアルミホイールＡをボルト締結
する固定手段３と、アルミホイールＡの変形部分を押圧
するプレスヘッド１８と、このプレスヘッド１８を往復
直進運動させる油圧シリンダ１４と、この油圧シリンダ
１４とプレスヘッド１８との間に介装され両者の距離を
調整可能な第１および第２ジョイント１６，１７とを有
する矯正手段５と、テーブル２の上方に設けられ矯正手
段５を着脱自在、かつ、上下方向任意の角度で支持可能
なブラケット９，１０とを備え、固定手段３が、アルミ
ホイールＡのリムフランジ直上にブラケット９が位置す
る状態となるようにアルミホイールＡの固定位置を調整
可能な構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、車両に用いられる
アルミニウム製のディスクホイールに生じた変形を矯正
するディスクホイール矯正装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】軽量で剛性の高いアルミニウム合金製の
ディスクホイール（以下、アルミホイールと称す。）
は、加速、乗心地および燃費の向上に役立つばかりでな
く、外観も美しいという特長を有しているが、一方で非
常に高価であり、例えば、事故やバーストによって変形
を生じた場合、廃棄処分するのは大変不経済であるの
で、多少の変形であればできるだけ矯正して再生するの
が好ましい。

【０００３】ここで、アルミホイールの変形を矯正する
装置としては、実公平３−９８５３号公報に記載のもの
が公知である。この従来装置は、図５に示すように、コ
字状フレーム０１の下部に左右方向回動自在に軸支され
アルミホイールＡ０の軸方向を上下にして載置する回転
テーブル０２と、この回転テーブル０２の上方に設けら
れた径方向修正装置０３および軸方向修正装置０４から
なり、さらに詳しくは、径方向修正装置０３は、コ字状
フレーム０１の上部に固定された油圧シリンダ０５と、
この油圧シリンダ０５のピストンロッド先端に上下方向
昇降自在に設けられた昇降フレーム０６と、この昇降フ
レーム０６の下面にハの字状に取り付けられ、その先端
に幅の狭いアタッチメント０７と幅広のアタッチメント
０８がそれぞれ設けられた油圧シリンダ０９およびプレ
スロッド０１０とから構成され、軸方向修正装置０４
は、門形フレーム０１１に左右方向移動自在に設けられ
た移動装置０１２と、この移動装置０１２に取り付けら
れた油圧シリンダ０１３と、この油圧シリンダ０１３の
ピストンロッド先端に上下方向昇降自在に設けられた修
正手段０１４とから構成されている。

【０００４】すなわち、上記従来装置は、まず、径方向
修正装置０３において油圧シリンダ０５のピストンロッ
ドを伸長させてアタッチメント０７をアルミホイールＡ
０のフランジｆ内側面の変形凹部に当接させると同時
に、アタッチメント０８を前記変形凹部に対向するフラ
ンジｆ内側面に当接させる。そして、油圧シリンダ０９
を徐々に伸長させることでアタッチメント０７が前記変
形凹部を径外方向に押圧する。このとき、その押圧力は
アタッチメント０８に反作用として伝わるが、アタッチ
メント０８はアタッチメント０７に比して十分幅広に形
成されているので、変形凹部のみが径外方向に変形しア
ルミホイールＡ０の径方向の変形が矯正される。なお、
アルミホイールＡ０の軸方向の変形は、軸方向修正装置
０４の油圧シリンダ０１３を伸長させて修正手段０１４
が変形箇所を図中下方に押圧することにより矯正され
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来装置においては、径方向の変形を矯正する手段
（径方向修正装置０３）と軸方向の変形を矯正する手段
（軸方向修正装置０４）とがそれぞれ別々に設けられて
いて、それぞれに油圧シリンダが必要な構成であるの
で、装置の大型化・重量増を招くという問題点を有して
いた。加えて、従来装置は、油圧シリンダ０５，０９、
昇降フレーム０６、移動装置０１２、および油圧シリン
ダ０１３といった多くの可動パーツから構成されている
ので、装置が複雑化しコストアップを招くという問題点
を有していた。

【０００６】本発明は、上述した従来技術が抱える問題
点に着目してなされたものであって、その目的とすると
ころは、径方向および軸方向の変形を１つのアクチュエ
ータ（油圧シリンダ）で矯正可能な構成とすることによ
って、構造を簡素化してコストダウン・小型化の点で優
れたディスクホイール矯正装置を提供しようとするもの
である。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明請求項１記載のディスクホイール矯正装置で
は、アルミニウム製のディスクホイールがディスクを上
下にした状態で載置されるテーブルと、このテーブルに
前記ディスクホイールを固定する固定手段と、前記ディ
スクホイールの変形部分に当接するプレスヘッドと、こ
のプレスヘッドを往復直進運動させ前記変形部分を押圧
させるアクチュエータとを有する矯正手段と、前記テー
ブルの上方に設けられ、前記矯正手段を着脱自在、か
つ、上下方向任意の角度で支持可能な複数の支持部と、
を備え、前記固定手段が、ディスクホイールのリムフラ
ンジ直上に前記支持部の１つが位置する状態となるよう
にディスクホイールの固定位置を調整可能であることを
特徴とする。

【０００８】請求項２記載の発明では、請求項１記載の
ディスクホイール矯正装置において、前記複数の支持部
が、同一方向に嵌合穴が穿設されたブラケットであり、
前記アクチュエータの後端部側方に円筒状の嵌合突部が
形成され、この嵌合突部が前記ブラケットの嵌合穴に嵌
脱自在に設けられていることを特徴とする。

【０００９】請求項３記載の発明では、請求項１または
２記載のディスクホイール矯正装置において、前記複数
の支持部が同一直線上に設けられ、かつ、これら支持部
に矯正手段を装着したとき、この矯正手段の中心線が前
記テーブルに固定されたディスクホイールの直径線直上
に位置することを特徴とする。

【００１０】請求項４記載の発明では、請求項１〜３の
いずれか１項に記載のディスクホイール矯正装置におい
て、前記固定手段が、前記ディスクホイール固定時にデ
ィスクホイールに被装されその中央にボルト穴が形成さ
れたプレートと、前記ボルト穴に挿入可能、かつ、ディ
スクホイールのハブ穴を挿通可能に形成され、前記テー
ブルに穿設されたねじ孔と螺合してディスクホイールと
テーブルとを締結可能なボルトと、前記プレートに一端
が固定されるとともに他端がディスクホイールのボルト
穴に嵌合可能に形成され、ディスクホイール固定時にデ
ィスクホイールのボルト穴とプレートとの距離を一定に
保持する複数のピンと、からなることを特徴とする。

【００１１】請求項５記載の発明では、請求項１〜４の
いずれか１項に記載のディスクホイール矯正装置におい
て、前記ディスクホイールのリム外周に当接可能な平面
視円弧状の切欠部を有し、前記矯正手段がディスクホイ
ールの変形部分を押圧するときその押圧力の水平成分と
逆らう方向にディスクホイールを支持するホイール受け
が設けられていることを特徴とする。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図１は実施の形態のディスクホイ
ール矯正装置を示す正面図であり、図に示すように、本
実施の形態のディスクホイール矯正装置１は、２のテー
ブルと、３の固定手段と、４のフレームと、５の矯正手
段とから構成されている。

【００１３】前記テーブル２は、アルミホイールＡを横
臥状態（ディスクを上下にした状態）で載置するもの
で、例えば、一般構造用圧延鋼材を用い、テーブル２の
幅方向に長い平面視矩形状に形成され、その中央には、
上下方向に穿設されたねじ孔２ａがテーブル２の幅方向
に沿って所定間隔ごとに３つ設けられている。

【００１４】前記固定手段３は、アルミホイールＡをテ
ーブル２に固定するためのもので、プレート６と、ボル
ト７と、ピン８とから構成され、いずれも一般構造用圧
延鋼材を用いて形成されている。前記プレート６は円盤
状に形成され、中央にボルト７を挿入可能なボルト穴が
形成されるとともに、アルミホイールＡのボルト穴と対
応する位置に複数の嵌合穴が円形状に設けられている。
前記ボルト７は、アルミホイールＡのリム幅よりも長
く、かつ、ハブ穴に挿入可能に形成されるとともに、そ
の先端部には前記テーブル２のねじ孔２ａに螺合可能な
おねじ部が設けられている。前記ピン８は、その両端に
小径の嵌合突部が形成された棒状体であって、一端側の
嵌合突部が前記プレート６の嵌合穴と嵌合し、他端側の
嵌合突部がアルミホイールＡのボルト穴と嵌合可能に形
成されている。なお、一般的にアルミホイールのボルト
穴の数は４〜６つであるので、それに合わせて嵌合穴の
数が異なる数種類のプレート６を用意しておくことで任
意のアルミホイールに対応可能となる。また、アルミホ
イールはリム幅も千差万別であるので、長さの異なる数
種類のボルト７およびピン８を用意しておき、アルミホ
イールのリム幅に合った最適な長さのものを選んで使用
する。

【００１５】前記フレーム４は、Ｈ形鋼を用いて形成さ
れ、四方に立設された４本の支柱４ａの上端および中段
部に梁４ｂ，４ｃがそれぞれ４本ずつ横架された平面視
矩形状の支持台であって、支柱４ｃの内側には前記テー
ブル２が水平状態で固定されている。前記梁４ｂの下面
左右には、２本のＨ形鋼が図の奥側に向かって平行に横
架され、これらＨ形鋼の下面には、図中右側のＨ形鋼の
みスペーサを介して、同一径の嵌合孔９ａ，１０ａが穿
設されたブラケット９，１０がそれぞれ垂設されてい
る。そして、これらブラケット９，１０は、前記矯正手
段５を装着したときに矯正手段５の中心線が前記テーブ
ル２の３つのねじ孔２ａを結ぶ直線の直上に位置するよ
うに設けられている。また、図中右側の支柱４ａの装置
内側には、２つのＨ形鋼が図の奥側に向かって上下方向
に隣接して横架されている。そして、これらＨ形鋼と前
記ブラケット１０との間には、支持部材１１が介装され
ている。なお、図中左側の支柱４ａとアルミホイールＡ
との間には、スペーサ１２およびホイール受け１３が介
装されている。このホイール受け１３は、例えば金属板
または木板を用いて形成され、その先端にはアルミホイ
ールＡのリム外径に合わせて平面視円弧状の切欠部が設
けられている。

【００１６】前記矯正手段５は、油圧シリンダ（アクチ
ュエータ）１４と、着脱部１５と、第１および第２ジョ
イント１６，１７と、プレスヘッド１８とから構成さ
れ、油圧シリンダ１４を除いていずれも機械構造用炭素
鋼鋼材で形成されている。図２において、前記油圧シリ
ンダ１４は、容量１０トン程度の単動式油圧シリンダで
あり、ピストンロッドの先端には嵌合穴１４ａが穿設さ
れている。前記着脱部１５は、油圧シリンダ１４をブラ
ケット９（１０）に取り付けるためのもので、その正面
には油圧シリンダ１４のシリンダボディ後端部を装着可
能な嵌合穴１５ａが穿設され、また、その一方の側部に
は前記ブラケット９，１０の嵌合穴９ａ，１０ａに嵌挿
可能な嵌合突部１５ｂが突設されている。前記第１およ
び第２ジョイント１６，１７は、前記油圧シリンダ１４
のピストンロッド先端からプレスヘッド１８までの距離
を調整するためのもので、第１ジョイント１６の一端側
には前記嵌合穴１４ａに嵌挿可能な嵌合突起１６ａが突
設され、他端側には第２ジョイント１７の両端に突設さ
れた嵌合突起１７ａと嵌合可能な嵌合穴１６ｂが穿設さ
れている。これら第１および第２ジョイント１６，１７
は、長さの異なるものがそれぞれ数種類づつ用意されて
いて、アルミホイールＡの形状や大きさに合わせて長さ
の組み合わせを変更したり、ときには単体で使用する。
前記プレスヘッド１８は、アルミホイールＡの変形部分
を押圧して矯正するためのもので、先端部はアルミホイ
ールＡの変形部分の形状に合わせて円弧状に形成され、
後端部中央には前記第２ジョイント１７の嵌合突起１７
ａが嵌挿可能な嵌合穴１８ａが穿設されている。なお、
このプレスヘッド１８は先端形状の異なるものが数種類
用意されていて、アルミホイールＡのリム形状に合った
ものを適宜選択して使用する。

【００１７】次に、本実施の形態のディスクホイール矯
正装置１を用いたアルミホイールＡの変形部分の矯正方
法を説明する。図１において、まず、アルミホイールＡ
の変形部分を上方、かつ、図中左側に向け、かつ、前記
テーブル２に穿設された３つのねじ孔２ａを結ぶ直線上
に載置する。このとき、テーブル２とアルミホイールＡ
との間に適当な高さを有するスペーサを介装させること
でアルミホイールＡの高さを調整するとともに、矯正時
にアルミホイールＡが傷付くのを防止できる。

【００１８】次に、アルミホイールＡのボルト穴にピン
８の一方の嵌合突部をそれぞれ嵌合させ、その上からプ
レート６を被せてピン８の他方の嵌合突部とプレート６
の嵌合穴とをそれぞれ嵌合させた状態としてから、プレ
ート６のボルト穴にボルト７を挿入してアルミホイール
Ａのハブ穴を挿通させてからテーブル２のねじ孔２ａと
螺合させることで、アルミホイールＡとテーブル２とを
ボルト締結する。ここで、ボルト７を締め込む際に、ボ
ルト７の頭がプレート６の中央部分を下方に押圧する力
は、ピン８を介してアルミホイールＡのボルト穴が設け
られた位置に一様に伝達される。よって、アルミホイー
ルＡは水平状態を保ちながらしっかりとテーブル２に固
定される。続いて、アルミホイールＡの左側のリム上方
にホイール受け１３を当接させるとともに、このホイー
ル受け１３と支柱４ａとの間にスペーサ１２を介装させ
てホイール受け１３を固定する。

【００１９】次に、油圧シリンダ１４のシリンダボディ
後端部に着脱部１５を装着するとともに、ピストンロッ
ド先端側に第１ジョイント１６、第２ジョイント１７、
およびプレスヘッド１８を順次取り付ける。このとき、
第１および第２ジョイント１６，１７は、矯正手段５を
ブラケット１０に装着したとき、プレスヘッド１８がア
ルミホイールＡの変形部分に当接した状態となるよう考
慮して最適な長さのものを組み合わせて使用する。

【００２０】上記の要領で組み立てた矯正手段５を、着
脱部１５の嵌合突部１５ｂをブラケット１０の嵌合穴１
０ａに嵌挿させることでブラケット１０に装着する。こ
こで、矯正手段５は、図に示すように大きく倒れ込み、
ほぼ水平に近い状態でブラケット１０に斜設されてい
る。

【００２１】アルミホイールＡと矯正手段５を所定位置
にセッティングした後、油圧シリンダ１４のピストンロ
ッドを徐々に伸長させる。すると、プレスヘッド１８が
アルミホイールＡの変形部分をディスクの径方向外側に
押圧することによってディスク径方向の変形が矯正され
る。このとき、ブラケット１０には着脱部１５を介して
押圧力の反力が作用するが、この反力はブラケット１０
の図中右側に設けられた支持部材１１を介して支柱４ａ
に伝達されるので、ブラケット１０に過大な力が作用し
ても変形や破損が起こらない。さらに、押圧時にアルミ
ホイールＡに加わる力は、ホイール受け１３からスペー
サ１２を介して支柱４ａに伝達されるので、ボルト７が
挿入されたハブ穴に応力集中が起こらない。また、油圧
シリンダ１４のピストンロッドを伸長させる方向と、嵌
合突部１５ｂをブラケット１０から嵌脱する方向とが直
交方向であるので、ピストンロッドを伸長させていると
きに、矯正手段５がブラケット１０から容易に外れるこ
とがない。

【００２２】次に、矯正手段５をブラケット１０から脱
着させ、第１ジョイント１６を取り外して油圧シリンダ
１４のピストンロッドに第２ジョイント１７およびプレ
スヘッド１８を順次取り付ける。その後、矯正手段５を
ブラケット９に垂下状態で装着する。このとき、プレス
ヘッド１８の先端部はアルミホイールＡの変形部分に当
接した状態となっている。

【００２３】上述のように矯正手段５をブラケット９に
装着した後、油圧シリンダ１４のピストンロッドを徐々
に伸長させる。すると、プレスヘッド１８がアルミホイ
ールＡの変形部分をディスク軸方向の図中下方に変形さ
せることによってディスク軸方向の変形が矯正される。
上述のように矯正手段５をブラケット９に装着した後、
油圧シリンダ１４のピストンロッドを徐々に伸長させ
る。すると、プレスヘッド１８がアルミホイールＡの変
形部分をディスク軸方向下方に変形させることによって
ディスク軸方向の変形が矯正される。

【００２４】以上説明してきたように、本実施の形態の
ディスクホイール矯正装置１にあっては、以下に列記す
る効果を奏する。 矯正手段５の取り付け位置をブラケット１０からブ
ラケット９に変更し、その際、油圧シリンダ１４とプレ
スヘッド１８との距離を第１および第２ジョイント１
６，１７によって調整することで、アルミホイールＡの
ディスク径方向およびディスク軸方向の矯正を行うこと
ができるので、油圧シリンダを１つしか必要とせず装置
の小型化・軽量化を図ることができる。 着脱部１５の嵌合突部１５ｂをブラケット９（１
０）の嵌合穴９ａ（１０ａ）に嵌め込み、または抜き取
るという簡単な作業でもって矯正手段５の着脱を手早く
行うことができる。

【００２５】以上、本発明の実施の形態を説明してきた
が、本発明の具体的な構成は本実施の形態に限定される
ものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更
等があっても本発明に含まれる。例えば、本実施の形態
では、ブラケット９，１０をフレーム４の梁４ｂにＨ形
鋼を介して垂設した構成としたが、矯正手段を装着する
支持部は任意の場所に取り付け可能であり、図４に示す
ように、フレーム４の図中右側の支柱４ａにＨ形鋼を横
架させ、これにブラケット１９を取り付けた構成とすれ
ば、実施の形態１よりも部品点数を削減することができ
る。

【００２６】また、本実施の形態では、矯正手段５をブ
ラケット９（１０）に装着するとき、着脱部１５の嵌合
突部１５ｂをブラケット９（１０）の嵌合穴９ａ（１０
ａ）に嵌め込むのみとしたが、ブラケット９（１０）に
止ねじを設けることで、より確実に矯正手段５を固定す
ることができる。

【００２７】また、本実施の形態では、テーブル２とア
ルミホイールＡとをボルト締結するためのねじ孔２ａを
テーブル２に３つ設けたが、ねじ孔の個数は任意であ
る。

【００２８】

【発明の効果】本発明は、上述の通り構成されているの
で、次に記載する効果を奏する。請求項１記載のディス
クホイール矯正装置においては、矯正手段を着脱自在、
かつ、上下方向任意の角度で支持可能な支持部を複数設
けるとともに、変形部分直上に支持部の１つが位置する
ようにディスクホイールの固定位置を調整可能な構成と
したので、ディスク軸方向の変形を矯正するときには変
形部分直上に位置する支持部に矯正手段を垂下状態で装
着し、ディスク径方向の変形を矯正するときには他の支
持部に矯正手段を傾斜した状態で装着することによっ
て、ディスクホイールのディスク軸方向およびディスク
径方向の変形を１つの矯正手段のみを用いて矯正するこ
とができる。よって、アクチュエータを１つしか必要と
しないので装置の小型化・軽量化を図ることができる。
また、可動パーツは矯正手段のみであるので、構成が簡
素化し、従来装置と比較して製造コストを低く抑えるこ
とができる。

【００２９】請求項２記載のディスクホイール矯正装置
においては、ブラケットの嵌合穴をアクチュエータの嵌
合突部に嵌め込み、または抜き取るという簡単な作業で
もって矯正手段の着脱を手早く行うことができ、作業時
間の短縮を図ることができる。また、矯正装置を着脱す
る方向と矯正手段のアクチュエータがディスクホイール
を押圧する方向とが直交しているので、嵌合突部の長さ
をある程度長く形成することで矯正時に安易に外れるこ
とがない。

【００３０】請求項３記載のディスクホイール矯正装置
においては、矯正手段をどの支持部に装着した場合で
も、矯正手段の中心線が同一平面上にあるので、ディス
ク径方向の変形を矯正し、続いてディスク軸方向の変形
を矯正するとき、ディスクホイールの変形部分を動かし
て再度テーブルに固定し直す手間を省くことができる。

【００３１】請求項４記載のディスクホイール矯正装置
においては、一箇所ボルト締めするだけで簡単にディス
クホイールをテーブルに固定することができるので、複
数の変形部分を修正する際にディスクホイールを固定す
る作業を迅速に行うことができる。加えて、ディスクホ
イールのボルト穴とプレートとの間に両者の距離を一定
に保持するピンが介装されているので、ボルト締結時に
ボルトの頭がプレートを押圧する力がピンを介してディ
スクホイールのボルト穴が設けられた位置に一様に伝達
される。よってディスクホイールの水平状態を保持しつ
つしっかりとテーブルに固定することができる。

【００３２】請求項５記載のディスクホイール矯正装置
においては、矯正手段がディスクホイールを押圧すると
き、ディスクホイールに加わる押圧力の水平成分がホイ
ール受けに伝達されるので、ディスクホイールの局部が
応力集中を起こして変形や破損が生じることがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施の形態のディスクホイール矯正装置を示す
正面図である。

【図２】実施の形態の矯正手段を示す斜視図である。

【図３】実施の形態のディスクホイール矯正装置を示す
正面図である。

【図４】その他の実施の形態のディスクホイール矯正装
置を示す正面図である。

【図５】従来のディスクホイール矯正装置の要部正面図
である。

【符号の説明】

Ａ アルミホイール １ ディスクホイール矯正装置 ２ テーブル ２ａ ねじ孔 ３ 固定手段 ４ フレーム ４ａ 支柱 ４ｂ，４ｃ 梁 ５ 矯正手段 ６ プレート ７ ボルト ８ ピン ９，１０，１９ ブラケット（支持部） ９ａ，１０ａ，１４ａ，１５ａ，１６ｂ，１８ａ 嵌合
穴 １１ 支持部材 １２ スペーサ １３ ホイール受け １４ 油圧シリンダ（アクチュエータ） １５ 着脱部 １５ｂ 嵌合突部 １６ 第１ジョイント １６ａ，１７ａ 嵌合突起 １７ 第２ジョイント １８ プレスヘッド

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 アルミニウム製のディスクホイールがデ
   ィスクを上下にした状態で載置されるテーブルと、 このテーブルに前記ディスクホイールを固定する固定手
   段と、 前記ディスクホイールの変形部分に当接するプレスヘッ
   ドと、このプレスヘッドを往復直進運動させ前記変形部
   分を押圧させるアクチュエータとを有する矯正手段と、 前記テーブルの上方に設けられ、前記矯正手段を着脱自
   在、かつ、上下方向任意の角度で支持可能な複数の支持
   部と、を備え、 前記固定手段が、ディスクホイールのリムフランジ直上
   に前記支持部の１つが位置する状態となるようにディス
   クホイールの固定位置を調整可能であることを特徴とす
   るディスクホイール矯正装置。
2. 【請求項２】 前記複数の支持部が、同一方向に嵌合穴
   が穿設されたブラケットであり、 前記アクチュエータの後端部側方に円筒状の嵌合突部が
   形成され、この嵌合突部が前記ブラケットの嵌合穴に嵌
   脱自在に設けられていることを特徴とする請求項１記載
   のディスクホイール矯正装置。
3. 【請求項３】 前記複数の支持部が同一直線上に設けら
   れ、かつ、これら支持部に矯正手段を装着したとき、こ
   の矯正手段の中心線が前記テーブルに固定されたディス
   クホイールの直径線直上に位置することを特徴とする請
   求項１または２記載のディスクホイール矯正装置。
4. 【請求項４】 前記固定手段が、前記ディスクホイール
   固定時にディスクホイールに被装されその中央にボルト
   穴が形成されたプレートと、 前記ボルト穴に挿入可能、かつ、ディスクホイールのハ
   ブ穴を挿通可能に形成され、前記テーブルに穿設された
   ねじ孔と螺合してディスクホイールとテーブルとを締結
   可能なボルトと、 前記プレートに一端が固定されるとともに他端がディス
   クホイールのボルト穴に嵌合可能に形成され、ディスク
   ホイール固定時にディスクホイールのボルト穴とプレー
   トとの距離を一定に保持する複数のピンと、からなるこ
   とを特徴とする請求項１〜３のいずれか１項に記載のデ
   ィスクホイール矯正装置。
5. 【請求項５】 前記ディスクホイールのリム外周に当接
   可能な平面視円弧状の切欠部を有し、前記矯正手段がデ
   ィスクホイールの変形部分を押圧するときその押圧力の
   水平成分と逆らう方向にディスクホイールを支持するホ
   イール受けが設けられていることを特徴とする請求項１
   〜４のいずれか１項に記載のディスクホイール矯正装
   置。