JP2001120241A - ジュール熱加熱装置 - Google Patents

ジュール熱加熱装置

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JP2001120241A JP31116499A JP31116499A JP2001120241A JP 2001120241 A JP2001120241 A JP 2001120241A JP 31116499 A JP31116499 A JP 31116499A JP 31116499 A JP31116499 A JP 31116499A JP 2001120241 A JP2001120241 A JP 2001120241A
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  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、被加熱物中において電流が
流れる場所をある程度操作することができ、それによっ
て被加熱物を均一に加熱することができる加熱装置を提
供することである。 【解決手段】 前記目的を達成するために本発明にかか
るジュール熱加熱装置は、略円筒状体の内面に電極を配
置し、前記略円筒状体内に収容した被加熱物に直接通電
して発生するジュール熱により加熱するジュール熱加熱
装置において、前記略円筒状体の内面に同一間隔で3本
以上の電極線が配置されており、前記電極線は内壁面に
螺旋状に配置されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は被加熱物に電流を通
電させることによって加熱する加熱装置、特に装置の被
加熱物に対する通電機構の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】電流を通電させることにより発生するジ
ュール熱によって被加熱物を加熱する装置は、食品分野
などで用いられている。特開平6−319499号公報
などにも記載されているように食品分野において被加熱
物を加熱することは、食品の製造のみならず、被加熱物
中に存在する菌類やカビなどの細菌を殺菌するためにも
用いられ重要である。ところがジュール熱を利用した加
熱装置を殺菌加熱に用いることは少なからぬ問題が存在
した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図8(a)は従来の加
熱装置における略円筒状体と電極の位置関係を示す略円
筒状体の横断面図である。同図に示すように従来の加熱
装置2は略円筒状体4内面に直径を挟んで相対する一対
の電極6、8によって加熱されていた。この電極6、8
間に電流が流れることによってジュール熱が発生し、被
加熱物を加熱するのである。
【0004】ところがこのような構成であると電流が導
通する部分は常にほぼ決定されており、その他の部分は
加熱することができないと言う問題があった。このため
加熱にむらが生じたり、また局部的に高温となった部分
は風味の劣化が起こってしまうこともあった。
【0005】このような事態を避けるために被加熱物を
攪拌することも行われたが、被加熱物である食品の物性
はその材料等に左右され、均質な流動性を有しない場合
があり、このために加熱むらが解消できないこともあっ
た。さらに加熱むらが生じた場合、当然局所的低温部分
も存在し、十分な殺菌加熱が実現できず、最悪の場合、
食中毒などを引き起こす可能性もある。
【0006】さらに図8(b)は従来の加熱装置におけ
る電極の形状の一例を示すための略円筒状体の横断面図
である。図8(a)と対応する部分には同じ番号が付さ
れている。同図に示すように、より広い範囲で加熱が行
えるように広い面状電極6、8を用いることもあった。
しかしこのような電極であると、電極間距離が場所によ
って異なり、その距離がもっとも近くなる点線丸印の部
分に集中して通電してしまうことがあった。このように
電極の形状によっては、意図しない電流が流れることも
あった。
【0007】本発明は前記課題に鑑みなされたものであ
り、その目的は、被加熱物中において電流が流れる場所
をある程度操作することができ、それによって被加熱物
を均一に加熱することができる加熱装置を提供すること
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明にかかるジュール熱加熱装置は、略円筒状体の
内面に電極を配置し、前記略円筒状体内に収容した被加
熱物に直接通電して発生するジュール熱により加熱する
ジュール熱加熱装置において、前記略円筒状体の内面に
同一間隔で3本以上の電極線が配置されており、前記電
極線は内壁面に螺旋状に配置されていることを特徴とす
る。また本発明において、配置される電極線が線状電極
であることが好適である。また本発明において、3本以
上の電極線の中から順次選択された2本に電流を導通さ
せることによって被加熱物を加熱することが好適であ
る。
【0009】また本発明において、電極が配置された略
円筒状体が、収容された被加熱物を搬送するための略円
筒状搬送路であることが好適である。また本発明におい
て、該略円筒状体内壁面に配置される電極として、断面
形状が凸状の電極を用いることで、搬送中の被加熱物を
搬送路中で攪拌可能であることが好適である。また本発
明において、被加熱物が流動性を有する食品であり、熱
を加えることによって前記食品を殺菌することが好適で
ある。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明におけるジュール熱加熱装
置は被加熱物中において電流が流れる場所をある程度操
作することができ、それによって被加熱物を均一に加熱
することができる加熱装置を提供することを目的とす
る。このため本発明にかかるジュール熱加熱装置は略円
筒状体の内面に電極を配置し、前記略円筒状体内に収容
した被加熱物に直接通電して発生するジュール熱により
加熱するジュール熱加熱装置において、前記略円筒状体
の内面に同一間隔で3本以上の電極線が配置されてお
り、前記電極線は内壁面に螺旋状に配置されていること
を特徴とする。
【0011】図1は、内壁面に同一間隔で3本の電極線
を配置した略円筒状体の横断面図を示すものである。同
図に示すように、略円筒状体16内壁面に同一間隔で3
本の電極線18、20、22が配置されている。このよ
うに構成すれば、電極18、22を同電圧とし、電極2
0をこれより高いか低い電圧をかければ、電極18−2
0間、22−20間で電流を流すことが可能である。そ
してこれらの電極が略円筒状体16内壁面に螺旋状に配
置されるから、電極が2本である構成より広い通電面を
もつことが可能である。
【0012】図2は電極を3本使用した際の通電面を示
す。同図を見てもわかるように通電面の広さがわかる。
このように螺旋状にするのは、図2に斜線によって示さ
れるように電極間で通電する面を考えると略円筒状体内
を通電面がドリルのように貫通する事によって、通電の
ない場所にも熱伝導によって十分な加熱が加わり、円筒
状体内全体をおよそ均一に加熱する事を可能とするため
である。
【0013】比較のために図9に2本の電極を螺旋状に
配置された略円筒状体の断面図を示す。図2と図9の通
電面を比較すると、図9のように電極が2つである場
合、略円筒状体の中心軸を常に通過する通電面が形成さ
れる。すると、中心軸部分は、常に過熱状態にあること
になり、過剰な加熱となる可能性があるが、電極が3つ
である図2のような構成であると電極が螺旋状に配置さ
れた通電面は略円筒状体中心軸を通らずその近傍を回る
ように通電面を形成する。このため中心軸部分に通電す
ることはなくなるが、中心軸部分近傍に必ず通電面が存
在するようになり、熱伝導による加熱で十分に加熱され
る。このため、電極が2本である場合の問題点も解消さ
れ、過剰加熱が起こる可能性が少なくなる。
【0014】なお、電極を3本使用する前記構成を説明
するのに電極18、22を同電圧とし、電極20をこれ
より高いか低い電圧をかけるという直流電圧のような表
現を使用したが、本発明は直流のみを用いることに限定
されず、交流であってもよい。
【0015】本発明において、電極線は線状電極である
ことが好適である。電極が線状電極であるとは、略円筒
状体の内面において少なくとも2つの電極を配置したと
きに、配置した2つの電極間の距離が場所により2倍以
上の違いがない範囲となるような電極を言うこととす
る。例えば略円筒状体断面が真円となるような場合を例
にとって図10を用いて説明する。なお図10において
図9と対応する部分には同じ符号を付して説明を省略す
る。
【0016】図10は略円筒状体の断面を描いた線状電
極の説明図である。同図に示すように、略円筒状体10
の内面に電極12と電極14が配置されている。略円筒
状体10の断面半径をr、略円筒状体10の中心をOと
するときに、電極12、14が略円筒状体10内面で2
θの弧を張るときを考えると、この電極間距離はaで最
大の2rとなり、bで最小の2rcosθとなる。よっ
て電極間距離が2倍以上にならない距離とはθがπ/3
rad以下、つまり60度以下となるように配置するこ
とである。このように電極間距離に2倍以上の違いをも
たせないことで電極間距離の違いにより生じる偏った通
電が起きることをある程度防止することが可能である。
【0017】なお前記定義によれば略円筒状体内壁面に
配置される電極が形成する弧の中心角2θは120度以
下であるとしたが、本構成では3本以上の電極を配置す
るから例えば3本の電極を使用したとき、120度では
互いにとなりあう電極と接触してしまうため、さらに小
さい角度でならなければならないことは明白なことであ
る。このような場合、中心角度が小さいほど、電極間の
距離変化が少ないが、電極断面積が小さすぎると加熱に
必要な電力の供給に耐えられなくなる可能性もあるた
め、これらの点を考慮して、その形態にちょうどよい中
心角度となる電極線を形成することが好ましい。
【0018】図1及び図2に記載した電極を3本以上用
いる本発明の装置においては、3本の電極間で同時に通
電することを考えた。これによって電極が2本である装
置より広い通電面を形成することが可能となった。しか
し本発明者らはさらに鋭意研究を進め、3本以上の電極
線の中から順次選択された2本に交流電流を導通させる
ことによって被加熱物を加熱することでさらに通電面の
面積が広くなること、より安定した通電が可能になるこ
とを見出した。
【0019】図3に3本の電極線の中から順次選択され
た2本に電流を導通させることによって被加熱物を加熱
する構成をもつ略円筒状体の横断面図を示す。同図に示
すように略円筒状体24内面には電極26、28、30
が等間隔で配置されており、見かけ上は図1と同じよう
に見える。しかし、図3では、電極26−28間、28
−30間、30−26間と一定時間ごとに通電する電極
が切り替わるように構成されている。これによって、図
3中に点線で示したような通電が起こる。このように図
1と比較して通電面が一つ増えることとなるため、より
効率の良い加熱と被加熱物の加熱温度の均一性を高くす
ることができる。
【0020】また図4には4本の電極線の中から順次選
択された2本に電流を導通させることによって被加熱物
を加熱する構成をもつ略円筒状体の横断面図を示す。同
図に示すように略円筒状体32内面には電極34、3
6、38、40が等間隔で配置されている。図3同様に
通電が起こる場所を点線で示すと、ほとんどくまなく通
電することがわかる。このような電極は略円筒状体32
内壁面に螺旋状に配置されているのであるから、通電面
はほぼ略円筒状体32内の被加熱物全体に行き渡るよう
に形成されることがわかる。
【0021】図4の構成であると電極が2本であるとき
に起こる中心部分近傍に必ず通電面が存在するようにな
り、中心部分が過剰加熱される可能性を再び抱え込んだ
ように見えるが、これら電極間は常に通電しているので
なく、2本の電極間で順次切り替えて通電しているの
で、例えば、電極34−36間、36−38間、38−
40間、40−34間の順番で通電させ2巡したら一度
36−40間に通電させ、再び電極34−36間、36
−38間、38−40間、40−34間の順番で通電さ
せ2巡したら34−38間で通電させるというように構
成したり、電極34−38間、40−34間の通電時間
を電極34−36間、36−38間、38−40間、4
0−34間の通電時間より短くすると言うように構成す
れば中心部分の過剰加熱は起こり得ない。
【0022】このように本発明におけるジュール熱加熱
装置は、複数の電極を略円筒状体内に等間隔で配置し、
順次選択された2本の電極間で通電させることによっ
て、被加熱物中において電流が流れる場所をある程度操
作することができ、それによって被加熱物を均一に加熱
することができるのである。
【0023】また3本以上の電極から順次選択された2
本の電極に電流を流すことができるから、被加熱物の温
度分布状態を把握して、加熱の不均衡が生じている場
合、温度の低い部分を重点的に加熱し、均一な温度分布
状態にすることも可能となる。
【0024】このように本発明は、3本以上の電極を略
円筒状体内壁面に配置し、その中の選択した2本に電流
を流すことによって電流を通電させる部位をある程度操
作することが可能となった。
【0025】なおここまでに説明してきた本発明の言う
略円筒状体とは、断面が真円である容器や筒状体に限ら
ず、楕円など略円形となる断面を有するものも含むもの
である。
【0026】本発明の略円筒状体は、被加熱物を搬送す
るための略円筒状搬送路として好適に用いることが可能
である。電極が内壁面に螺旋状に配置された通電面は、
図2に示したように、ドリル状に略円筒状体内を貫通し
ている。これによって、被加熱物をくまなく加熱するこ
とが可能であるが、このような構成の円筒状体を搬送路
として使用すると言うことは、円筒状体内を被加熱物が
通過して行くと言うことである。通常、搬送路内の被加
熱物は、攪拌のような混合が起こるとは考えられず、お
よそ、円筒状体内に収容された状態のまま出口方向に向
かって進むものと考えられる。
【0027】そして、この進行過程で、通電面はドリル
状に円筒状体内を貫通しているから、被加熱物の通電場
所は刻々と変化して行き、出口に到達するまでにくまな
く通電され加熱することが可能となる。
【0028】またこのような円筒状体内の被加熱物は、
等速で出口方向に進んでいるものと考えられるから、被
加熱物のある部位に通電される時間はほぼ等しいと考え
てよく、このことから加熱むらも少なくなることが考え
られるからである。
【0029】さらに略円筒状体内壁面に配置された電極
にある程度の厚さををもたせたり、凸型の電極を用いた
りすることによって、略円筒状体内を通過する被加熱物
に対して、攪拌効果を発揮することも確かめられた。こ
のため、加熱の均一性がより高くなることがわかった。
【0030】そして、凸型電極や厚さをもたせた電極を
用いた際に、被加熱物が電極近傍に滞留することが懸念
されたが、電極が螺旋状に配置されていることによっ
て、滞りなく通過していることもわかった。
【0031】このため、食品の原料タンクから製造タン
クへの搬送中における殺菌や予備加熱、製造後保温の必
要な製品の搬送中における保温、製造した製品を容器に
封入する直前での殺菌加熱などが可能となり、生産効率
を向上させることが可能である。
【0032】なお本発明によって前記電極の形状によっ
て、攪拌効果を確実に得たい場合には、被加熱物の粘性
が5000cP(センチポイズ)以下であり、被加熱物
に含まれる固形物の大きさが15mmキューブ以下の大
きさであることが好適である。 粘性がこれより大きい
と十分な攪拌効果は期待できず、また被加熱物に含まれ
る固形物に、これより大きいものが含まれていても十分
な攪拌効果が期待できなくなってしまうからである。
【0033】なお、本発明は、被加熱物に通電する部位
の電流の操作、及びむらのない加熱が可能であるから食
品の殺菌に用いれば大きな効果を発揮することができる
ものである。以下、実施例を用いて本発明をさらに詳し
く説明する。
【0034】
【実施例】図5に本発明の一実施形態を示す。同図は、
食品搬送装置42の概略図であり、本発明のジュール熱
加熱装置44は、原料タンク46から製品タンク48に
食品が搬送される途中の搬送路として、食品搬送装置4
2中に組み込まれており、本実施形態においてジュール
熱加熱装置44は食品を殺菌加熱する装置として用いら
れている。
【0035】本実施例のジュール熱加熱装置44は食品
搬送装置42が駆動されると、それに同期して駆動され
るように構成されている。食品搬送装置42が駆動され
ると、原料タンク上方に取り付けられたレギュレータ5
0によって調整された量のエアーが原料タンク内に送り
込まれる。送り込まれたエアーの量に応じて、原料タン
ク46内部の食品は一定量づつ押し出され、バタ弁52
を通過して搬送路であるジュール熱加熱装置44に送り
出される。
【0036】食品がジュール熱加熱装置44内を通過す
る時間は、原料タンク内に送り込まれるエアーの量によ
って調整される。ジュール熱加熱装置44内を通過する
通過時間は、電流の通電によって食品が殺菌温度まで昇
温される時間に、殺菌するに十分な殺菌時間を加えたも
のとなるように調整されている。この通過時間が長すぎ
ると食品が過剰に加熱され劣化を起こすことがあり、ま
た短すぎると十分殺菌することができないので慎重に調
整する必要がある。
【0037】ジュール熱加熱装置44出口は通常の搬送
路に接続されており、ジュール熱加熱装置44を通過し
た食品は、そのまま通常の搬送路を通過して食品に加え
られた熱を取り除く冷却二重管54を通過する。そして
十分熱が取り除かれた食品は、エアー注入だけでは一定
に保っておくことのできない食品の流速を、一定にする
ために取り付けられたロータリーポンプ56によって吸
い出され、製品タンク48に搬送されるのである。
【0038】このように、本実施形態のジュール熱加熱
装置44を用いれば、通常では食品の搬送だけで費やさ
れる時間で、殺菌加熱まで行うことができ、非常に効率
がアップする。
【0039】ここで、本実施形態の用いられたジュール
熱加熱装置44をさらに詳細に説明する。図6(a)は
図5に示したジュール熱加熱装置44の断面図を、図6
(b)は図6(a)に示したジュール熱加熱装置44の
左側方から見た図を示したものである。図6(a)と図
6(b)の同じパーツには同じ番号を付して示してあ
る。
【0040】同図に示すジュール熱加熱装置44は外径
φ48mm、内径φ41mmの略円筒状体である透明ポ
リカーボネートパイプ60の内壁に、電極部内径がφ3
9mmとなるようなチタン製凸型電極62、64、66
の3本の電極線が螺旋状に配置されている。
【0041】透明ポリカーボネートパイプ60左端は、
食品流入側であり、パッキン68、をはさんでポリカー
ボネートフランジ70にねじ込まれている。凸型電極6
2、64、66は、ポリカーボネートパイプ60の入り
口よりさらに外方まで突出し、ポリカーボネートフラン
ジ70を貫通して備えられている通電端子72、74、
76に接続されている。
【0042】そしてポリカーボネートフランジ70は、
通常の搬送路である流入側SUSパイプのフランジ部分
と接続され、シリコンチャッキング78により両フラン
ジ部分を固定しロックネジ80によりしっかりと固定さ
れている。
【0043】また透明ポリカーボネートパイプ60右端
は、食品流出側であり、凸型電極端末保持リング82が
透明ポリカーボネートパイプ60右端先端に固定され電
極を固定したままポリカーボネートフランジ84に取り
付けられている。そして通常の搬送路である流出側SU
Sパイプのフランジ部分と接続され、左端と同様にシリ
コンチャッキング86により両フランジ部分を固定しロ
ックネジ88によりしっかりと固定されている。
【0044】以上のように構成されたジュール熱加熱装
置44は、通電端子72、74、76を電源につなぐこ
とによって、電力が供給され食品を加熱するのである。
このときに、例えば通電端子72に供給される電力を基
準として、通電端子74、76に供給される電力にそれ
ぞれ±2π/3の位相差を与えたり、一定時間ごとに通
電端子72、74、76のいずれか2つの電極に電力が
供給されるように自動で切り替え可能な切り替えスイッ
チを電源との間に備えることによって、3つの電極の中
から順次選択された2つ電極に通電させることが可能で
ある。なお3つの電極の中から順次選択された2つ電極
に通電させる方法は、ここに示したもののみに限られる
ものではない。
【0045】ところで、食品の殺菌は殺菌温度までの加
熱と、十分に殺菌できるだけの殺菌時間分だけ殺菌温度
を保持する必要がある。前記図5に示した食品搬送装置
には、ジュール熱加熱装置が一つだけ備えられていた。
このような構成は、高温殺菌において有用である。なぜ
ならば、微生物や細菌の死滅に必要な殺菌時間は、殺菌
温度が上昇すると対数的に減少するからである。このた
め、例えば、殺菌温度を120℃とするような高温殺菌
であるならば殺菌時間が数秒から数分となるため、ジュ
ール熱加熱装置の略円筒状体内に供給し続けられる食品
を加熱するために被加熱物に電流を流し続けて、目標と
する殺菌温度に達した後にも殺菌時間分の加熱されるこ
ととなるが殺菌時間は非常に短くて済むため、食品が劣
化してしまうような過剰加熱される前に略円筒状体を通
り抜けるように設定すればよいからである。
【0046】しかし、図5の構成では、低温での殺菌
は、例えば殺菌温度が90℃であっても数分の殺菌時間
が必要とされることがしばしばである。殺菌温度によっ
ては、加熱に必要とされる時間より殺菌時間分殺菌温度
を保持する時間の方が長くなることもある。そういった
場合には、図7に示すように原料タンクと製品タンクの
間に二つのジュール熱加熱装置をはさんで構成した食品
搬送装置を用いても良い。
【0047】図7は本発明の第二の一実施形態の概略図
である。図5と対応する部分には符号100を加えて示
している。本実施例では、加熱用ジュール熱加熱装置1
90と殺菌温度保持用ジュール熱加熱装置192の2つ
が備えられている。このように構成することによって、
低温における殺菌においても過剰に加熱することなく、
十分な殺菌を行うことができる。このように本発明のジ
ュール熱加熱装置は、殺菌温度と殺菌時間の兼ね合い、
及び被加熱物である食品の性質を考慮して逐次改造、改
良することが可能である。
【0048】なお図7においては、送圧ポンプ194に
よって、原料タンク146内の材料を搬送している。本
形態では、送圧ポンプ194によってジュール熱加熱装
置190及び192に送り出される材料の搬送圧がロー
タリーポンプ156によって、製品タンクに送り出され
る搬送圧より高く設定されている。よってジュール熱加
熱装置内での材料は高密度の状態となり、効率的に加熱
することが可能である。
【0049】また、本発明の実施例では、食品搬送装置
にジュール熱加熱装置を組み込んで殺菌加熱する装置を
示したが、本発明はこれに限られるものではなく、調理
のための加熱、保温に用いてもよく、また食品分野以外
に適用することも可能であり、特許請求の範囲に記載し
た装置を権利範囲とするものである。
【0050】実験 図5に示した食品搬送装置を用いて、殺菌能力のテスト
を試みた。試験方法は、原料タンク内に加工済みのカレ
ーを入れ、製品タンク内に搬送する過程で、本発明のジ
ュール熱加熱装置によって加熱殺菌したものと、加熱殺
菌しないものを同一環境下において、経時変化を観察す
ることとした。
【0051】まず、原料タンク内に加工済みカレーを入
れた、このとき原料タンクに入れられるカレーの一部を
採取し、試料1とした。続いて、食品搬送装置を駆動さ
せ、ジュール熱加熱装置と通常のパイプの接続部を一時
的に切り離して、ジュール熱加熱装置に入る直前のカレ
ーを採取し、これを試料2とした。
【0052】さらにジュール熱加熱装置を通過し殺菌さ
れた後、冷却二重管を通過して冷却されたカレーをパイ
プ接続部を一時的に切り離して採取し、これを試料3と
した。なお、本実験では加熱装置の殺菌温度を120℃
で30秒間実施している。最後に製品タンクに搬送され
たカレーを採取し、これを試料4とした。
【0053】それぞれの試料1〜4は、おのおの殺菌消
毒済みのシャーレに密封され、温度30℃、湿度65%
の環境を保つケースに収めて、その経時変化を観察し
た。試料1と2は、24時間経過後に観察すると所々に
青かびのコロニーが形成されていた。これに対し試料3
と4は何の変化も認められなかった。72時間後に再び
観察すると、試料1と2は、表面一面にかびが生えてお
り、細菌はさらに増殖していることがわかった。しかし
試料3と4は72時間経過後も何の変化も見られなかっ
た。以上のことから本発明のジュール熱加熱装置は十分
に殺菌加熱に用いられることがわかった。
【0054】また、前記実験において、すべての試料の
採取終了後、食品搬送装置を止め、冷却二重管入り口の
直前で、一時的にパイプを切り離し、パイプに残るジュ
ール熱加熱装置の略円筒状体を通り抜けてきたカレーの
温度をパイプの様々な部位で計測したが、すべての計測
場所で、119.5℃〜120.5℃の間の温度を示し
た。以上のことから本発明のジュール熱加熱装置は、均
一な加熱が実現されていることが確かめられた。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかるジ
ュール熱加熱装置によれば、被加熱物をほぼ均一な温度
で加熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は内壁面に同一間隔で3本の電極を配置し
た略円筒状体の横断面図である。
【図2】図2は螺旋状に配置された3本の電極の様子を
示す略円筒状体の断面図である。
【図3】図3は3本の電極線の中から順次選択された2
本に電流を導通させることによって被加熱物を加熱する
構成をもつ略円筒状体の横断面図である。
【図4】図4は4本の電極線の中から順次選択された2
本に電流を導通させることによって被加熱物を加熱する
構成をもつ略円筒状体の横断面図である。
【図5】図5は、食品搬送装置にジュール熱加熱装置を
組み込んだ一実施形態を示す概略図である。
【図6】図6は食品搬送装置に組み込まれたジュール熱
加熱装置の拡大断面図、及び側面図である。
【図7】図7は、食品搬送装置にジュール熱加熱装置を
組み込んだ第二の一実施形態を示す概略図である。
【図8】図8は従来の加熱装置における略円筒状体と電
極の位置関係、及び、電極の形状の一例を示す横断面図
である。
【図9】図9は図2に示された通電面を比較するため
に、螺旋状に2本の電極が配置された略円筒状体の通電
面を示す斜視透過図である。
【図10】図10は略円筒状体の断面を描いた線状電極
の説明図である。
【符号の説明】
16 略円筒状体 18、20、22 電極 42 食品搬送装置 44 ジュール熱加熱装置 46 原料タンク 48 製品タンク 50 レギュレータ 52 バタ弁 54 冷却二重管 56 ロータリーポンプ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略円筒状体の内面に電極を配置し、前記
    略円筒状体内に収容した被加熱物に直接通電して発生す
    るジュール熱により加熱するジュール熱加熱装置におい
    て、 前記略円筒状体の内面に同一間隔で3本以上の電極線が
    配置されており、前記電極線は内壁面に螺旋状に配置さ
    れていることを特徴とするジュール熱加熱装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の装置において、配置され
    る電極線が線状電極であることを特徴とするジュール熱
    加熱装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の装置において、3本以上
    の電極線の中から順次選択された2本に電流を導通させ
    ることによって被加熱物を加熱することを特徴とするジ
    ュール熱加熱装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の装置
    において、電極が配置された略円筒状体が、収容された
    被加熱物を搬送するための略円筒状搬送路であることを
    特徴とするジュール熱加熱装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の装置において、該略円
    筒状体内壁面に配置される電極として、断面形状が凸状
    の電極を用いることで、搬送中の被加熱物を搬送路中で
    攪拌可能であることを特徴とするジュール熱加熱装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載の装置
    において、被加熱物が流動性を有する食品であり、熱を
    加えることによって前記食品を殺菌することを特徴とす
    るジュール熱加熱装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007035316A (ja) * 2005-07-22 2007-02-08 Kureha Engineering Co Ltd 直接通電加熱装置、及び直接通電加熱方法
JP2015050962A (ja) * 2013-09-06 2015-03-19 東洋製罐株式会社 加熱殺菌装置
JP2016028556A (ja) * 2014-07-25 2016-03-03 キユーピー株式会社 ジュール加熱装置の温度調整器具及びジュール加熱装置

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