JP2001119947A - 多出力電源装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多出力電源装置としての標準化された出力モ
ジュールを用意しておき、出力の仕様が変わっても、様
々な仕様に対処できる多出力電源装置を提供すること。 【解決手段】 主トランス１２の１次側にスイッチング
部１１を介して入力電源１０を結合し、２次側に複数個
の出力回路１５を並列に結合してなる多出力電源装置に
おいて、出力回路１５は、少なくとも１つが個別トラン
ス２６を含む標準化された出力モジュール２５からな
る。また、出力回路１５は、個別トランス２６を含む標
準化された複数個の出力モジュール２５のみからなり、
この出力モジュール２５における個別トランス２６の１
次側を２次巻線１４に着脱自在に結合してなる構成とす
ることができる。以上のように構成することにより、出
力の仕様が変わっても、主トランス１２を設計し直す必
要がなく、多出力電源装置としての標準化が可能であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、多様化する多出力
電源装置の要求に対し、スイッチングトランスの出力回
路を追加することなく、標準化された出力モジュールを
短納期で提供することのできる多出力電源装置に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】図４に示すように、従来のこの種の多出
力電源装置における絶縁トランス９は、１個の１次巻線
１３と、複数個の２次巻線１４ａ、１４ｂ、…１４ｎと
を具備し、前記１次巻線１３には、入力電源１０とスイ
ッチング部１１が接続され、前記複数個の２次巻線１４
ａ、１４ｂ、…１４ｎは、それぞれ出力回路１５ａ、１
５ｂ、…１５ｎの入力側接続端子２１ａ、２２ａ、入力
側接続端子２１ｂ、２２ｂ、…入力側接続端子２１ｎ、
２２ｎに接続され、出力回路１５ａ、１５ｂ、…１５ｎ
の出力側接続端子２３ａ、２４ａ、出力側接続端子２３
ｂ、２４ｂ、…出力側接続端子２３ｎ、２４ｎには、そ
れぞれ負荷１６ａ、１６ｂ、…１６ｎが接続されてい
る。前記出力回路１５ａ、１５ｂ、…１５ｎは、整流ダ
イオード１７、転流ダイオード１８、チョークコイル１
９、コンデンサ２０からなる整流・平滑回路を具備して
いる。

【０００３】以上のような構成において、入力電源１０
から絶縁トランス９の１次巻線１３に直流電圧が供給さ
れると、スイッチング部１１でチョッピングされ、２次
巻線１４ａ、１４ｂ、…１４ｎにそれぞれ巻数に対応し
た交流電圧が出力し、出力回路１５ａ、１５ｂ、…１５
ｎで整流、平滑化して負荷１６ａ、１６ｂ、…１６ｎに
直流電圧が供給される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このような従来の多出
力電源装置では、負荷１６ａ、１６ｂ、…１６ｎの容量
の大きさに拘らず、絶縁トランス９の２次巻線１４ａ、
１４ｂ、…１４ｎの巻数や線径が予め決まっているの
で、出力の仕様が変わると、絶縁トランス１２を設計し
直さなければならず、設計時間がかかり、また、多出力
電源装置としての標準化が困難である、という問題があ
った。

【０００５】本発明は、出力の仕様が変わっても、トラ
ンスを設計し直す必要がなく、多出力電源装置としての
標準化された出力モジュールを用意しておき、様々な仕
様に対処できる多出力電源装置を提供することを目的と
するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、主トランス１
２の１次側にスイッチング部１１を介して入力電源１０
を結合し、２次側に複数個の出力回路１５を並列に結合
してなる多出力電源装置において、前記出力回路１５
は、少なくとも１つが個別トランス２６を含む標準化さ
れた出力モジュール２５からなるものである。

【０００７】例えば、前記メインの出力回路１５を２次
巻線１４に直接結合し、個別トランス２６を含む標準化
された複数個の出力モジュール２５における個別トラン
ス２６の１次側を２次巻線１４に着脱自在に結合してな
る構成とすることができる。また、出力回路１５は、個
別トランス２６を含む標準化された複数個の出力モジュ
ール２５のみからなり、この出力モジュール２５におけ
る個別トランス２６の１次側を２次巻線１４に着脱自在
に結合してなる構成とすることもできる。

【０００８】以上のように構成することにより、出力の
仕様が変わっても、主トランス１２を設計し直す必要が
なく、多出力電源装置としての標準化が可能である。ま
た、出力回路１５は、メインの１個の出力回路１５と、
個別トランス２６を含む標準化された複数個の出力モジ
ュール２５とで構成することも、又、個別トランス２６
を含む標準化された複数個の出力モジュール２５のみで
構成することもでき、出力の仕様に応じて出力モジュー
ル２５における個別トランス２６の１次側を２次巻線１
４に着脱自在に結合することができる。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明は、主トランス１２の２次
巻線１４にメインの出力回路１５を接続するとともに、
個別トランス２６を含む標準化された出力モジュール２
５を用意しておき、これを出力回路１５と並列に接続す
ることにより、様々な出力仕様に対応できるようにした
ものである。出力回路１５は、個別トランス２６を含む
標準化された複数個の出力モジュール２５のみで構成す
ることもできる。

【００１０】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明
する。本発明の第１実施例を示す第１図において、主ト
ランス１２の１次巻線１３には、直流電源などの入力電
源１０と、パルス幅制御などのＩＣ回路により制御され
るスイッチング部１１が接続されている。前記主トラン
ス１２の２次巻線１４には、メインの出力回路１５が直
接接続され、この出力回路１５の出力側接続端子２３、
２４に負荷１６が接続されている。この出力回路１５
は、整流ダイオード１７、転流ダイオード１８、チョー
クコイル１９、コンデンサ２０からなる整流・平滑回路
を具備して構成されている。この出力回路１５に、過電
流保護回路を介在したり、出力電圧の安定化のための回
路を付加したりすることができることは、後述の通りで
ある。

【００１１】このような電源装置において、本発明は、
主トランス１２の２次巻線１４に、様々な出力仕様に対
応できるように、個別トランス２６を含む標準化された
出力モジュール２５ａ、…２５ｎを任意に接続できるよ
うにしたことを特徴とするものである。前記出力モジュ
ール２５ａ、…２５ｎは、それぞれ標準化された特有の
個別トランス２６を有するとともに、整流ダイオード１
７、転流ダイオード１８、チョークコイル１９、コンデ
ンサ２０からなる整流・平滑回路を具備してなるもので
ある。この場合も出力モジュール２５ａ、…２５ｎに、
過電流保護回路を介在したり、出力電圧の安定化のため
の回路を付加したりすることができることは、後述の通
りである。また、着脱自在に結合するため、入力側に
は、入力側接続端子２１ａ、２２ａ、…入力側接続端子
２１ｎ、２２ｎを有し、出力側には、出力側接続端子２
３ａ、２４ａ、…出力側接続端子２３ｎ、２４ｎを有す
る。前記個別トランス２６の１次側コイルの入力側接続
端子２１ａ、２２ａ、…入力側接続端子２１ｎ、２２ｎ
が前記主トランス１２の２次巻線１４に接続され、ま
た、これらの出力側接続端子２３ａ、２４ａ、…出力側
接続端子２３ｎ、２４ｎには、それぞれ負荷１６ａ、…
１６ｎが接続される。

【００１２】以上のような構成において、入力電源１０
から主トランス１２の１次巻線１３に直流電圧が供給さ
れると、スイッチング部１１でチョッピングされ、２次
巻線１４に巻数に対応した交流電圧が出力し、出力回路
１５で整流、平滑化して負荷１６に直流電圧が供給され
る。同時に、２次巻線１４に出力した交流電圧は、入力
側接続端子２１ｂ、２２ｂ、…入力側接続端子２１ｎ、
２２ｎを介して出力モジュール２５ｂ、…出力モジュー
ル２５ｎにおける個別トランス２６の１次巻線に供給さ
れ、それぞれ巻数に対応した交流電圧が２次巻線に出力
し、出力モジュール２５ｂ、…出力モジュール２５ｎで
整流、平滑化して出力側接続端子２３ｂ、２４ｂ、…出
力側接続端子２３ｎ、２４ｎに接続された負荷１６ｂ、
…１６ｎに直流電圧が供給される。

【００１３】ここで、負荷１６ｂ、…負荷１６ｎに対
し、出力モジュール２５ｂ、…出力モジュール２５ｎの
電圧、容量など仕様が異なる場合には、入力側接続端子
２１ｂ、２２ｂ、…入力側接続端子２１ｎ、２２ｎと出
力側接続端子２３ｂ、２４ｂ、…出力側接続端子２３
ｎ、２４ｎの間に、目的の仕様に合致した出力モジュー
ル２５ｂ、…出力モジュール２５ｎが選択されて結合さ
れる。

【００１４】図１に示した前記第１実施例では、メイン
の出力回路１５は、主トランス１２の２次巻線１４に直
接接続したが、本発明は、これに限られるものではな
く、図２に示す第２実施例のように、このメインの出力
回路１５も、個別トランス２６ａを含む標準化された出
力モジュール２５ａを任意に接続できるように構成し、
この個別トランス２６ａの１次巻線を入力側接続端子２
１ａ、２２ａを介して、主トランス１２の２次巻線１４
に接続し、すべてを出力モジュールとするようにしても
よい。

【００１５】図２に示した前記第２実施例では、主トラ
ンス１２の１次巻線に１個のスイッチング部１１を結合
し、また、出力モジュール２５の個別トランス２６の２
次巻線に１個の整流ダイオード１７を結合した半波整流
の場合とした。このような電源装置は、比較的小容量の
多出力電源装置に用いられる。本発明は、これに限られ
るものではなく、図３に示す第３実施例のように、主ト
ランス１２の１次巻線に２個のスイッチング部１１ａ、
１１ｂと、２個のコンデンサ２７ａ、２７ｂを用いてフ
ルブリッジ結合し、また、出力モジュール２５の個別ト
ランス２６の２次巻線に２個の整流ダイオード１７ａ、
１７ｂを結合して全波整流の電源装置とすることができ
る。この場合は、比較的大容量の多出力電源装置として
用いられる。

【００１６】また、図示しないが、主トランス１２の１
次巻線に結合されたスイッチング部１１に、さらにコン
デンサとスイッチング部１１との直列回路を並列に結合
した部分電圧共振回路で構成することができる。

【００１７】前記第１、第２、第３実施例における出力
モジュール２５ａ、２５ｂ、…２５ｎにおいて、個別ト
ランス２６の２次側に過電流保護回路を介在したり、出
力電圧の安定化のための回路を付加したりすることは適
宜可能である。

【００１８】

【発明の効果】本発明は、主トランス１２の１次側にス
イッチング部１１を介して入力電源１０を結合し、２次
側に複数個の出力回路１５を並列に結合してなる多出力
電源装置において、前記出力回路１５は、少なくとも１
つが個別トランス２６を含む標準化された出力モジュー
ル２５で構成したので、出力の仕様が変わっても、主ト
ランス１２を設計し直す必要がなく、又、多出力電源装
置としての標準化が可能である。

【００１９】出力回路１５は、メインの１個の出力回路
１５と、個別トランス２６を含む標準化された複数個の
出力モジュール２５とで構成することも、又、個別トラ
ンス２６を含む標準化された複数個の出力モジュール２
５のみで構成することもでき、出力の仕様に応じて出力
モジュール２５における個別トランス２６の１次側を２
次巻線１４に着脱自在に結合することができる。

【００２０】主トランス１２の１次側のスイッチング部
１１と、主トランス１２の２次側の整流ダイオード１７
は、使用目的や負荷容量等に応じて半波整流回路又は全
波整流回路とすることができる。

【００２１】個別トランス２６の２次側に過電流保護回
路及び／又は出力電圧の安定化回路を付加することによ
り、過電流に対して保護でき、又、より安定化した出力
電圧が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による多出力電源装置の第１実施例を示
す電気回路図である。

【図２】本発明による多出力電源装置の第２実施例を示
す電気回路図である。

【図３】本発明による多出力電源装置の第３実施例を示
す電気回路図である。

【図４】従来の多出力電源装置を示す電気回路図であ
る。

【符号の説明】

９…絶縁トランス、１０…入力電源、１１…スイッチン
グ部、１２…主トランス、１３…１次巻線、１４…２次
巻線、１５…出力回路、１６…負荷、１７…整流ダイオ
ード、１８…転流ダイオード、１９…チョークコイル、
２０…コンデンサ、２１…入力側接続端子、２２…入力
側接続端子、２３…出力側接続端子、２４…出力側接続
端子、２５…出力モジュール、２６…個別トランス、２
７…コンデンサ。

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 主トランス１２の１次側にスイッチング
   部１１を介して入力電源１０を結合し、２次側に複数個
   の出力回路１５を並列に結合してなる多出力電源装置に
   おいて、前記出力回路１５は、少なくとも１つが個別ト
   ランス２６を含む標準化された出力モジュール２５から
   なることを特徴とする多出力電源装置。
2. 【請求項２】 出力回路１５は、個別トランス２６を含
   まないメインの出力回路１５と、個別トランス２６を含
   む標準化された複数個の出力モジュール２５とからな
   り、前記メインの出力回路１５を２次巻線１４に直接結
   合し、複数個の出力モジュール２５における個別トラン
   ス２６の１次側を２次巻線１４に着脱自在に結合してな
   ることを特徴とする請求項１記載の多出力電源装置。
3. 【請求項３】 出力回路１５は、個別トランス２６を含
   む標準化された複数個の出力モジュール２５のみからな
   り、この出力モジュール２５における個別トランス２６
   の１次側を２次巻線１４に着脱自在に結合してなること
   を特徴とする請求項１記載の多出力電源装置。
4. 【請求項４】 出力回路１５及び出力モジュール２５
   は、整流ダイオード１７、転流ダイオード１８、チョー
   クコイル１９及びコンデンサ２０からなる整流・平滑回
   路を具備してなることを特徴とする請求項１、２又は３
   記載の多出力電源装置。
5. 【請求項５】 主トランス１２の１次側のスイッチング
   部１１と、主トランス１２の２次側の整流ダイオード１
   ７は、全波整流回路からなることを特徴とする請求項
   １、２又は３記載の多出力電源装置。
6. 【請求項６】 個別トランス２６の２次側に過電流保護
   回路及び／又は出力電圧の安定化回路を付加してなるこ
   とを特徴とする請求項１、２又は３記載の多出力電源装
   置。