JPH11187661A - Dc−dcコンバータ - Google Patents

Dc−dcコンバータ

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JPH11187661A
JPH11187661A JP35065697A JP35065697A JPH11187661A JP H11187661 A JPH11187661 A JP H11187661A JP 35065697 A JP35065697 A JP 35065697A JP 35065697 A JP35065697 A JP 35065697A JP H11187661 A JPH11187661 A JP H11187661A
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voltage
transformer
winding
secondary winding
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JP35065697A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Usui
浩 臼井
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Sanken Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanken Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の出力電圧の正確な調整が可能で電力損
失が少なくかつ効率の高い複数出力のDC−DCコンバ
ータを提供する。 【解決手段】 本発明によるDC−DCコンバータで
は、トランス4の2次巻線4aと並列に補助トランス3
1の1次巻線31aを接続し、補助トランス31の2次
巻線31bに発生する交流電圧を第2の整流平滑回路1
6により整流平滑して第2の直流出力端子17−0V出
力端子8間から直流出力電圧VO2を取り出す。これによ
り、補助トランス31の2次巻線31bの巻数1ターン
当たりの電圧が小さくなるので、補助トランス31の2
次巻線31bから第2の整流平滑回路16を介して出力
される直流出力電圧VO2を正確に調整できる。したがっ
て、膨大な電力損失を発生するドロッパ回路等の出力電
圧調整手段が不要となるので、複数出力のDC−DCコ
ンバータの電力損失を削減して効率を向上できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はDC−DCコンバー
タ、特に複数出力のDC−DCコンバータに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】直流電源からの直流入力電圧を1個又は
複数個のスイッチング素子のオン・オフ動作により断続
してトランスの1次巻線に印加し、トランスの2次巻線
又は1次巻線に発生する交流電圧を整流平滑回路により
整流平滑して直流出力電圧を取り出すDC−DCコンバ
ータは、従来より無停電電源装置(UPS)等の電源機
器やパーソナルコンピュータ等の電子・情報機器の駆動
用又はバックアップ用の電源装置の分野で広く使用され
ている。例えば、図5に示す従来のDC−DCコンバー
タとしてのハーフブリッジ方式の電流共振型コンバータ
は、商用交流電源とコンデンサ入力型整流平滑回路若し
くは乾電池又は蓄電池から構成される直流電源1と、直
流電源1の両端に直列接続された第1及び第2のスイッ
チング素子としての第1及び第2のMOS-FET2、
3と、1次巻線4aとそれぞれ巻数の異なる第1及び第
2の2次巻線4b、4cとを有するトランス4と、第1及
び第2のMOS-FET2、3の各々に対して直列に接
続されたトランス4の1次巻線4a及び電流共振用コン
デンサ5と、第2のMOS-FET3と並列に接続され
た電圧共振用コンデンサ6と、トランス4の第1の2次
巻線4bと第1の直流出力端子7及び0V出力端子8と
の間に接続された整流ダイオード9、10及び平滑コン
デンサ11から成る第1の整流平滑回路12と、トラン
ス4の第2の2次巻線4cに接続された整流ダイオード
13、14及び平滑コンデンサ15から成る第2の整流
平滑回路16と、第2の整流平滑回路16の平滑コンデ
ンサ15と第2の直流出力端子17及び0V出力端子8
との間に接続された三端子レギュレータ18及び発振防
止用コンデンサ19から成るドロッパ回路20とを備え
ている。また、トランス4は漏洩インダクタンスを有す
るリーケージトランスが使用され、漏洩インダクタンス
により1次巻線4aと直列に図示しない電流共振用リア
クトルが形成される。第1の整流平滑回路12の平滑コ
ンデンサ11と第1及び第2のMOS-FET2、3の
各ゲート端子との間には制御回路21が設けられ、第1
の直流出力端子7−0V出力端子8間の第1の直流出力
電圧VO1に応じて第1及び第2のMOS-FET2、3
の各ゲート端子に付与する各オン・オフ制御信号VG1
G2のオン期間又はオフ期間を制御する。
【0003】図5の電流共振型コンバータの動作は次の
通りである。制御回路21からの各オン・オフ制御信号
G1、VG2により第1及び第2のMOS-FET2、3
を交互にオン・オフ動作させると、直流電源1からの直
流入力電圧VIが断続的にトランス4の1次巻線4a及び
電流共振用コンデンサ5の直列回路に印加される。これ
と共に、トランス4内に形成された電流共振用リアクト
ルと電流共振用コンデンサ5との共振作用により、トラ
ンス4の電流共振用リアクトル及び電流共振用コンデン
サ5で構成される直列共振回路に正弦波状の共振電流が
流れる。これにより、第1及び第2のMOS-FET
2、3のターンオン時において、それぞれのMOS-F
ET2、3に共振電流が流れ、各MOS-FET2、3
に流れるドレイン電流の立上りが正弦波状となる。ま
た、第1及び第2のMOS-FET2、3のターンオフ
時には、トランス4の1次巻線4aと電圧共振用コンデ
ンサ6とが電圧共振して各MOS-FET2、3のドレ
イン−ソース端子間の電圧がそれぞれ0Vから緩やかに
上昇する。更に、トランス4の1次巻線4aに流れる電
流により第1及び第2の2次巻線4b、4cにそれぞれ電
圧値の異なる交流電圧が発生し、これらの交流電圧はそ
れぞれ第1及び第2の整流平滑回路12、16により整
流平滑され、第2の整流平滑回路16の出力電圧はさら
にドロッパ回路20により所定の電圧まで降圧され、第
1の直流出力端子7−0V出力端子8間及び第2の直流
出力端子17−0V出力端子8間からそれぞれ電圧値の
異なる第1及び第2の直流出力電圧VO1、VO2が出力さ
れる。なお、制御回路21により、第1の直流出力端子
7−0V出力端子8間の第1の直流出力電圧VO1に応じ
て第1及び第2のMOS-FET2、3に付与する各制
御信号VG1、VG2のオン期間又はオフ期間が制御される
ので、第1の直流出力端子7−0V出力端子8間及び第
2の直流出力端子13−0V出力端子8間からそれぞれ
電圧値の異なる安定化された第1及び第2の直流出力電
圧VO1、VO2を得ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図5に示す
電流共振型コンバータでは、出力電力の増加と共にトラ
ンス4の電流共振用リアクトル及び電流共振用コンデン
サ5で構成される直列共振回路のインピーダンスを下げ
る必要がある。このため、出力電力を増加させる場合、
トランス4の漏洩インダクタンスの値を減少させるか又
は電流共振用コンデンサ5の静電容量を増加させる必要
がある。一般に、電流共振型コンバータで使用されるト
ランス4の漏洩インダクタンスの値はトランス4の各2
次巻線4b、4cの巻数に比例するため、一般的な電流共
振型コンバータでは出力電力の増加と共にトランス4の
各2次巻線4b、4cの巻数が減少する傾向がある。例え
ば、図5に示す電流共振型コンバータの出力電力が15
0W程度でかつ第1の直流出力端子7−0V出力端子8
間の第1の直流出力電圧VO1が5Vであるとき、トラン
ス4の第1の2次巻線4bの一端から中間タップ及び中
間タップから他端までのそれぞれの巻数は1ターンとな
る。つまり、トランス4の第1の2次巻線4bの巻数1
ターン当たりの電圧が5V/ターンということになる。
ここで、第2の直流出力端子17−0V出力端子8間の
第2の直流出力電圧VO2を12Vとする場合、トランス
4の第2の2次巻線4cの一端から中間タップ及び中間
タップから他端までのそれぞれの巻数を12/5*1タ
ーン=2.4ターンにする必要がある。しかしながら、
実際の巻線の巻数は整数倍の値しか取り得ないため、実
際的には3ターンとなる。この場合、第2の直流出力端
子17−0V出力端子8間の第2の直流出力電圧VO2
15Vとなるため、図5に示す電流共振型コンバータで
はトランス4の第2の2次巻線4cに発生する15Vの
交流電圧を第2の整流平滑回路16にて整流平滑した
後、ドロッパ回路20により12Vまで降圧している。
したがって、図5に示すような複数出力の電流共振型コ
ンバータの場合、トランス4の第1の2次巻線4bの巻
数1ターン当たりの電圧が5V/ターンと大きいため、
トランス4の各2次巻線4b、4cの電圧を正確に調整で
きない。このため、第2の直流出力端子17−0V出力
端子8間の第2の直流出力電圧VO2を12Vとするため
にドロッパ回路20等の出力電圧調整手段が必要とな
り、回路構成が複雑となると共に部品点数が増加して製
造コストが高騰する欠点があった。また、ドロッパ回路
20において膨大な電力損失を発生するため、複数出力
の電流共振型コンバータの効率が著しく低下する欠点が
あった。
【0005】そこで、本発明では複数の出力電圧の正確
な調整が可能で電力損失が少なくかつ効率の高い複数出
力のDC−DCコンバータを提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によるDC−DC
コンバータは、直流電源からの直流入力電圧を1個又は
複数個のスイッチング素子のオン・オフ動作により断続
してトランスの1次巻線に印加し、前記トランスの1次
巻線に流れる電流により前記トランスの2次巻線又は前
記1次巻線に発生する交流電圧を第1の整流平滑回路に
より整流平滑して第1の直流出力電圧を取り出す。この
DC−DCコンバータでは、前記トランスの2次巻線又
は前記1次巻線と並列に補助トランスの1次巻線を接続
し、前記補助トランスの2次巻線に発生する交流電圧を
第2の整流平滑回路により整流平滑して第2の直流出力
電圧を取り出す。トランスの2次巻線又は1次巻線と並
列に補助トランスの1次巻線を接続することにより、補
助トランスの2次巻線の巻数1ターン当たりの電圧が小
さくなるので、補助トランスの2次巻線から第2の整流
平滑回路を介して出力される第2の直流出力電圧を正確
に調整できる。したがって、膨大な電力損失を発生する
ドロッパ回路等の出力電圧調整手段が不要となるので、
複数出力のDC−DCコンバータの電力損失を削減して
効率を向上することが可能となる。
【0007】また、本発明の変更実施形態におけるDC
−DCコンバータでは、前記トランスに設けられた3次
巻線に補助トランスの1次巻線を接続し、前記補助トラ
ンスの2次巻線に発生する交流電圧を第2の整流平滑回
路により整流平滑して第2の直流出力電圧を取り出す。
トランスに設けられた3次巻線に補助トランスの1次巻
線を接続することにより、補助トランスの2次巻線の巻
数1ターン当たりの電圧が小さくなるので、補助トラン
スの2次巻線から第2の整流平滑回路を介して出力され
る第2の直流出力電圧を正確に調整できる。したがっ
て、膨大な電力損失を発生するドロッパ回路等の出力電
圧調整手段が不要となるので、複数出力のDC−DCコ
ンバータの電力損失を削減して効率を向上することが可
能となる。更に、この実施形態においてトランスの3次
巻線の電圧を高くした場合は、補助トランスの1次巻線
に流れる電流を減少させることができるので、実際の配
線等のインピーダンスによる電力損失を最小限に抑えて
複数出力のDC−DCコンバータの効率を更に向上する
ことが可能となる。
【0008】前記2つの形態のDC−DCコンバータに
おいて、前記補助トランスに電圧調整用巻線を設け、該
電圧調整用巻線を前記トランスの2次巻線又は前記1次
巻線に対して逆極性で直列に接続し、前記トランスの2
次巻線又は前記1次巻線に発生する交流電圧と前記補助
トランスの電圧調整用巻線に発生する交流電圧との差電
圧を第3の整流平滑回路により整流平滑して前記第1の
直流出力電圧より低い第3の直流出力電圧を取り出す場
合は、前記トランスの2次巻線又は前記1次巻線に発生
する交流電圧とは逆位相の交流電圧が補助トランスの電
圧調整用巻線に発生するので、比較的大きな容量で第1
の直流出力電圧より低い第3の直流出力電圧を得ること
ができる。これとは逆に、前記補助トランスの電圧調整
用巻線を前記トランスの2次巻線又は前記1次巻線に対
して同極性で直列に接続し、前記トランスの2次巻線又
は前記1次巻線に発生する交流電圧と前記補助トランス
の電圧調整用巻線に発生する交流電圧との和電圧を第3
の整流平滑回路により整流平滑して前記第1の直流出力
電圧より高い第3の直流出力電圧を取り出す場合は、前
記トランスの2次巻線又は前記1次巻線に発生する交流
電圧と同位相の交流電圧が補助トランスの電圧調整用巻
線に発生するので、比較的大きな容量で第1の直流出力
電圧より高い第3の直流出力電圧を得ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるDC−DCコ
ンバータをハーフブリッジ方式の電流共振型コンバータ
に適用した場合の一実施形態を図1に基づいて説明す
る。但し、図1では図5に示す箇所と実質的に同一の部
分には同一の符号を付し、その説明を省略する。本実施
形態の電流共振型コンバータは、図1に示すように、図
5に示すハーフブリッジ方式の電流共振型コンバータに
おいて、トランス4の第2の2次巻線4c及びドロッパ
回路20を省略し、トランス4の第1の2次巻線4b
(以降の説明では単に2次巻線4bとする)と並列に補
助トランス31の1次巻線31aを接続し、補助トラン
ス31の2次巻線31bと第2の直流出力端子17との
間に整流ダイオード13、14及び平滑コンデンサ15
から成る第2の整流平滑回路16を接続したものであ
る。その他の構成は、図5に示す電流共振型コンバータ
と略同様である。
【0010】上記の構成において、出力電力が150W
程度でかつ第1の直流出力端子7−0V出力端子8間の
第1の直流出力電圧VO1を5Vとするとき、トランス4
の2次巻線4bの一端から中間タップ及び中間タップか
ら他端までのそれぞれの巻数は1ターンとなる。このと
き、補助トランス31の1次巻線31aの巻数を10タ
ーン程度にすれば、補助トランス31の2次巻線31b
の巻数1ターン当たりの電圧は1V/ターンとなる。し
たがって、補助トランス31の2次巻線31bの一端か
ら中間タップ及び中間タップから他端までのそれぞれの
巻数を12ターンとすれば第2の直流出力端子17−0
V出力端子8間の第2の直流出力電圧VO2を12Vとす
ることができる。また、第2の直流出力端子17−0V
出力端子8間の第2の直流出力電圧VO2が第1の直流出
力端子7−0V出力端子8間の第1の直流出力電圧VO1
よりも低い場合、例えばVO1=5V、VO2=3Vとする
場合は、補助トランス31の1次巻線31aの巻数を2
0ターン程度にすれば、2次巻線31bの巻数1ターン
当たりの電圧が0.5V/ターンとなるので、2次巻線
31bの一端から中間タップ及び中間タップから他端ま
でのそれぞれの巻数を6ターンとすればよい。なお、本
実施形態の電流共振型コンバータの基本的な動作は、先
述の図5に示す電流共振型コンバータの動作と略同様で
あるので詳細な説明は省略する。
【0011】以上のように、本実施形態ではトランス4
の2次巻線4bと並列に補助トランス31の1次巻線3
1aを接続することにより、補助トランス31の2次巻
線31bの巻数1ターン当たりの電圧を小さくできるの
で、補助トランス31の2次巻線31bから第2の整流
平滑回路16を介して第2の直流出力端子17−0V出
力端子8間に出力される第2の直流出力電圧VO2を正確
に調整できる。したがって、図5に示すドロッパ回路2
0等の出力電圧調整手段が不要となるので、複数出力の
電流共振型コンバータの電力損失を削減して効率を向上
することが可能となる。
【0012】図1に示す実施形態の電流共振型コンバー
タは変更が可能である。例えば、図2に示す実施形態の
電流共振型コンバータは、図1に示す電流共振型コンバ
ータにおいて、補助トランス31の2次巻線31bの一
端から中間タップ及び中間タップから他端までのそれぞ
れの巻数を12ターンから7ターンに変更して第2の整
流平滑回路16の出力電圧を7Vとし、補助トランス3
1の2次巻線31bの中間タップと第2の整流平滑回路
16の平滑コンデンサ15との接続点を第1の直流出力
端子7に接続して第2の直流出力端子17−0V出力端
子8間に出力される第2の直流出力電圧VO2を5V+7
V=12Vとしたものである。図2に示す電流共振型コ
ンバータでは、負荷電流の変化による出力電圧の変動が
第2の整流平滑回路16の出力電圧(7V)に対しての
み発生するので、図1に示す電流共振型コンバータの場
合に比較して第2の直流出力端子17−0V出力端子8
間に出力される第2の直流出力電圧VO2(12V)の精
度が高い利点がある。
【0013】また、図3に示す実施形態の電流共振型コ
ンバータは、図1に示す電流共振型コンバータにおい
て、トランス4の2次側に巻数2ターンの3次巻線4d
を設け、補助トランス31の1次巻線31aの接続をト
ランス4の3次巻線4dに変更したものである。図3に
示す電流共振型コンバータでは、トランス4の3次巻線
3dに補助トランス31の1次巻線31aを接続すること
により、図1に示す実施形態と同様に補助トランス31
の2次巻線31bの巻数1ターン当たりの電圧を小さく
できるので、第2の直流出力端子17−0V出力端子8
間に出力される第2の直流出力電圧VO2を正確に調整で
きる。したがって、図3に示す電流共振型コンバータに
おいても図1に示す電流共振型コンバータと略同様の作
用効果が得られる。更に、図3に示す電流共振型コンバ
ータにおいてトランス4の3次巻線4dの電圧を高くし
た場合は、補助トランス31の1次巻線31aに流れる
電流を減少させることができるので、実際の配線等のイ
ンピーダンスによる電力損失を最小限に抑えて複数出力
の電流共振型コンバータの効率を更に向上することが可
能となる。
【0014】ところで、図1に示す電流共振型コンバー
タにおいて、第1の直流出力電圧VO1を比較的大容量で
5Vよりも低い値、例えば出力電力が150W程度でか
つ第1の直流出力電圧VO1を3.5Vとする場合、トラ
ンス4の2次巻線4bの一端から中間タップ及び中間タ
ップから他端までのそれぞれの巻数は計算上0.7ター
ン程度となる。したがって、実際の巻数は1ターンとな
り、このときの第1の直流出力電圧VO1は5Vとなるの
で、トランス4の2次巻線4bの巻数の調整のみで第1
の直流出力電圧VO1を3.5Vとすることは実質的に不
可能である。そこで、図4に示す実施形態の電流共振型
コンバータでは、図1に示す電流共振型コンバータにお
いて、補助トランス31に巻数3ターンの電圧調整用巻
線31c、31dを設け、これらの電圧調整用巻線31
c、31dをそれぞれトランス4の2次巻線4bの上側及
び下側に対して逆極性で直列に接続し、トランス4の2
次巻線4aの上側又は下側に発生する5Vの交流電圧と
補助トランス31の電圧調整用巻線31c又は31dに発
生する1.5Vの交流電圧との差電圧5V−1.5V=
3.5Vを整流ダイオード32、33及び平滑コンデン
サ34で構成される第3の整流平滑回路35により整流
平滑して第3の直流出力端子36−0V出力端子8間か
ら第3の直流出力電圧VO3=3.5Vを得ている。但
し、図4に示す電流共振型コンバータでは、補助トラン
ス31の1次巻線31aの巻数が20ターンであり、2
次巻線31bの一端から中間タップ及び中間タップから
他端までのそれぞれの巻数が24ターンである点が図1
に示す電流共振型コンバータと異なる。したがって、こ
の場合における補助トランス31の1次巻線31aの巻
数1ターン当たりの電圧は0.5V/ターンとなるの
で、巻数3ターンの電圧調整用巻線31c、31dに発生
する交流電圧の絶対値は0.5V/ターン*3ターン=
1.5Vとなる。即ち、図4に示す電流共振型コンバー
タでは、トランス4の2次巻線4bの上側又は下側に発
生する交流電圧(5V)とは逆位相の交流電圧(−1.
5V)が補助トランス31の電圧調整用巻線31c又は
31dに発生するため、第3の整流平滑回路35を介し
て第3の直流出力端子36−0V出力端子8間に出力さ
れる第3の直流出力電圧VO3はこれらの差電圧5V−
1.5V=3.5Vとなる。これにより、比較的大きな容
量で第1の直流出力電圧VO1(5V)より低い第3の直
流出力電圧VO3(3.5V)を得ることができる。
【0015】前記とは逆に、図4に示す実施形態の電流
共振型コンバータにおいて、補助トランス31の電圧調
整用巻線31c、31dをそれぞれトランス4の2次巻線
4bの上側及び下側に対して同極性で直列に接続した場
合は、トランス4の2次巻線4bの上側又は下側に発生
する交流電圧(5V)と同位相の交流電圧(1.5V)
が補助トランス31の電圧調整用巻線31c又は31dに
発生するため、第3の整流平滑回路35を介して第3の
直流出力端子36−0V出力端子8間に出力される第3
の直流出力電圧VO3はこれらの和電圧5V+1.5V=
6.5Vとなる。したがって、この場合は比較的大きな
容量で第1の直流出力電圧VO1(5V)より高い第3の
直流出力電圧VO3(6.5V)を得ることができる。な
お、詳細な説明及び図示は省略するが、図2及び図3に
示す各実施形態の電流共振型コンバータについても図4
に示す実施形態と同様の変更が可能である。
【0016】本発明の実施態様は上記の各実施形態に限
定されず、更に種々の変更が可能である。例えば、図1
〜図3に示す各実施形態ではトランス4の2次巻線4
b、4cに発生した交流電圧を第1及び第2の整流平滑回
路12、16により整流平滑してそれぞれ電圧値の異な
る2つの直流出力電圧VO1、VO2を取り出す電流共振型
コンバータに適用した形態を示したが、トランス4の1
次巻線4aに発生する交流電圧を第1及び第2の整流平
滑回路12、16により整流平滑してそれぞれ電圧値の
異なる2つの直流出力電圧VO1、VO2を取り出す電流共
振型コンバータについても本発明を適用することが可能
である。勿論、図4に示す実施形態においても前記と同
様の変更が可能である。また、上記の各実施形態ではハ
ーフブリッジ方式の複数出力の電流共振型コンバータに
適用した形態を示したが、ハーフブリッジ方式以外の他
方式の複数出力の電流共振型コンバータや電流共振型以
外の絶縁トランスを有する複数出力のDC−DCコンバ
ータにも本発明を適用することが可能である。また、上
記の各実施形態ではスイッチング素子としてMOS-F
ETを使用する形態を示したが、バイポーラ形トランジ
スタ、接合型電界効果トランジスタ(J-FET)等の
他のスイッチング素子も使用可能である。更に、2つ又
は3つの直流出力電圧を出力するDC−DCコンバータ
に限らず、4つ以上の直流出力電圧を出力するDC−D
Cコンバータについても本発明を適用できることは容易
に理解できよう。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、補助トランスを介して
複数の直流電圧を出力することにより、補助トランスの
2次巻線の巻数1ターン当たりの電圧が小さくなるの
で、複数の直流出力電圧を正確に調整できる。したがっ
て、膨大な電力損失を発生するドロッパ回路等の出力電
圧調整手段が不要となり、複数出力のDC−DCコンバ
ータの電力損失を削減して効率を向上することが可能と
なる。また、回路構成が簡素となり部品点数が減少する
ので、複数出力のDC−DCコンバータの製造コストの
削減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるDC−DCコンバータの一実施
形態を示す電気回路図
【図2】 図1の回路の第1の変更実施形態を示す電気
回路図
【図3】 図1の回路の第2の変更実施形態を示す電気
回路図
【図4】 図1の回路の第3の変更実施形態を示す電気
回路図
【図5】 従来のDC−DCコンバータを示す電気回路
【符号の説明】
1...直流電源、2...第1のMOS-FET(ス
イッチング素子)、3...第2のMOS-FET(ス
イッチング素子)、4...トランス、4a...1次
巻線、4b...第1の2次巻線、4c...第2の2次
巻線、4d...3次巻線、5...電流共振用コンデ
ンサ、6...電圧共振用コンデンサ、7...第1の
直流出力端子、8...0V出力端子、9,10...
整流ダイオード、11...平滑コンデンサ、1
2...第1の整流平滑回路、13,14...整流ダ
イオード、15...平滑コンデンサ、16...第2
の整流平滑回路、17...第2の直流出力端子、1
8...三端子レギュレータ、19...発振防止用コ
ンデンサ、20...ドロッパ回路、21...制御回
路、31...補助トランス、31a...1次巻線、
31b...2次巻線、31c,31d...電圧調整用
巻線、32,33...整流ダイオード、34...平
滑コンデンサ、35...第3の整流平滑回路、3
6...第3の直流出力端子

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電源からの直流入力電圧を1個又は
    複数個のスイッチング素子のオン・オフ動作により断続
    してトランスの1次巻線に印加し、前記トランスの1次
    巻線に流れる電流により前記トランスの2次巻線又は前
    記1次巻線に発生する交流電圧を第1の整流平滑回路に
    より整流平滑して第1の直流出力電圧を取り出すDC−
    DCコンバータにおいて、 前記トランスの2次巻線又は前記1次巻線と並列に補助
    トランスの1次巻線を接続し、前記補助トランスの2次
    巻線に発生する交流電圧を第2の整流平滑回路により整
    流平滑して第2の直流出力電圧を取り出すことを特徴と
    するDC−DCコンバータ。
  2. 【請求項2】 前記補助トランスに電圧調整用巻線を設
    け、該電圧調整用巻線を前記トランスの2次巻線又は前
    記1次巻線に対して逆極性で直列に接続し、前記トラン
    スの2次巻線又は前記1次巻線に発生する交流電圧と前
    記補助トランスの電圧調整用巻線に発生する交流電圧と
    の差電圧を第3の整流平滑回路により整流平滑して前記
    第1の直流出力電圧より低い第3の直流出力電圧を取り
    出す「請求項1」に記載のDC−DCコンバータ。
  3. 【請求項3】 前記補助トランスに電圧調整用巻線を設
    け、該電圧調整用巻線を前記トランスの2次巻線又は前
    記1次巻線に対して同極性で直列に接続し、前記トラン
    スの2次巻線又は前記1次巻線に発生する交流電圧と前
    記補助トランスの電圧調整用巻線に発生する交流電圧と
    の和電圧を第3の整流平滑回路により整流平滑して前記
    第1の直流出力電圧より高い第3の直流出力電圧を取り
    出す「請求項1」に記載のDC−DCコンバータ。
  4. 【請求項4】 直流電源からの直流入力電圧を1個又は
    複数個のスイッチング素子のオン・オフ動作により断続
    してトランスの1次巻線に印加し、前記トランスの1次
    巻線に流れる電流により前記トランスの2次巻線又は前
    記1次巻線に発生する交流電圧を第1の整流平滑回路に
    より整流平滑して第1の直流出力電圧を取り出すDC−
    DCコンバータにおいて、 前記トランスに設けられた3次巻線に補助トランスの1
    次巻線を接続し、前記補助トランスの2次巻線に発生す
    る交流電圧を第2の整流平滑回路により整流平滑して第
    2の直流出力電圧を取り出すことを特徴とするDC−D
    Cコンバータ。
  5. 【請求項5】 前記補助トランスに電圧調整用巻線を設
    け、該電圧調整用巻線を前記トランスの2次巻線又は前
    記1次巻線に対して逆極性で直列に接続し、前記トラン
    スの2次巻線又は前記1次巻線に発生する交流電圧と前
    記補助トランスの電圧調整用巻線に発生する交流電圧と
    の差電圧を第3の整流平滑回路により整流平滑して前記
    第1の直流出力電圧より低い第3の直流出力電圧を取り
    出す「請求項4」に記載のDC−DCコンバータ。
  6. 【請求項6】 前記補助トランスに電圧調整用巻線を設
    け、該電圧調整用巻線を前記トランスの2次巻線又は前
    記1次巻線に対して同極性で直列に接続し、前記トラン
    スの2次巻線又は前記1次巻線に発生する交流電圧と前
    記補助トランスの電圧調整用巻線に発生する交流電圧と
    の和電圧を第3の整流平滑回路により整流平滑して前記
    第1の直流出力電圧より高い第3の直流出力電圧を取り
    出す「請求項4」に記載のDC−DCコンバータ。
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