JP2001119811A - ハイブリッド車の駆動装置 - Google Patents

ハイブリッド車の駆動装置

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JP2001119811A JP29888699A JP29888699A JP2001119811A JP 2001119811 A JP2001119811 A JP 2001119811A JP 29888699 A JP29888699 A JP 29888699A JP 29888699 A JP29888699 A JP 29888699A JP 2001119811 A JP2001119811 A JP 2001119811A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 第1の駆動力源のトルクを車輪に伝達する際
のトルク伝達性能を向上することのできるハイブリッド
車の駆動装置を提供する。 【解決手段】 第1のモータ・ジェネレータ20および
第2のモータ・ジェネレータ21ならびにエンジン1の
トルクを車輪45に伝達することができるハイブリッド
車の駆動装置において、第1のモータ・ジェネレータ2
0のトルクを車輪45に伝達する際に反力要素となる機
能と、エンジン1のトルクを車輪45に伝達する機能と
を備えたキャリヤ29が設けられており、第1のモータ
・ジェネレータ20のトルクおよび第2のモータ・ジェ
ネレータ21のトルクを車輪45に伝達する際に、キャ
リヤ29の回転を抑制するエキゾーストブレーキ7が設
けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数種類の駆動
力源が搭載されているハイブリッド車の駆動装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、燃料の燃焼によりトルクを出力す
るエンジンと、電力の供給によりトルクを出力する電動
機とを搭載し、エンジンおよび電動機のトルクを車輪に
伝達することのできるハイブリッド車が提案されてい
る。このようなハイブリッド車においては、各種の条件
に基づいて、エンジンおよび電動機の駆動・停止を制御
することにより、燃費の向上および騒音の低減ならびに
排気ガスの低減を図ることができるものとされている。
【0003】上記のように、複数種類の駆動力源を搭載
したハイブリッド車の一例が、特開平9−170533
号公報に記載されている。この公報に記載されたハイブ
リッド車においては、エンジン(第2の駆動力源)から
車輪に至るトルクの伝達経路に分配機構が設けられてい
る。この分配機構は、いわゆる遊星歯車機構により構成
されており、そのサンギヤには第1のモータ・ジェネレ
ータ(第1の駆動力源)が連結され、リングギヤには第
2にモータ・ジェネレータ(第3の駆動力源)が連結さ
れ、サンギヤおよびリングギヤに噛合するピニオンギヤ
を保持するキャリヤにはエンジンが連結されている。ま
た、リングギヤから車輪に至るトルクの伝達経路には、
各種のギヤおよび差動装置が設けられている。
【0004】上記公報に記載されたハイブリッド車にお
いては、車両の前進走行時に、エンジンおよび第1のモ
ータ・ジェネレータを駆動力源として用いることができ
る。また、車両の後進走行時には、第2のモータ・ジェ
ネレータを、車両が前進する際とは逆方向に回転させる
ことにより、第2のモータ・ジェネレータのトルクを車
輪に伝達することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記公報に
記載されたハイブリッド車において、車両の後進時に駆
動力が不足している場合は、第1のモータ・ジェネレー
タのトルクを、分配機構を経由して車輪に伝達すること
ができる。すなわち、要求駆動力に対応するトルクの不
足分を、第1のモータ・ジェネレータのトルクによりア
シストすることができる。しかしながら、上記公報に記
載されたハイブリッド車においては、第1のモータ・ジ
ェネレータがサンギヤに連結され、エンジンがキャリヤ
に連結され、出力軸がリングギヤに連結されている。こ
こで、第1のモータ・ジェネレータの駆動力をサンギヤ
に付加しても、エンジンに連結されているキャリヤは、
それ自体で自由に回転できるので、第1のモータ・ジェ
ネレータの回転にともなう反力を受けることができな
い。したがって、第1のモータ・ジェネレータの駆動力
を車輪に伝達することができず、車両の駆動力不足を解
消することが困難であった。
【0006】この発明は上記の事情を背景としてなされ
たものであり、第1の駆動力源のトルクを車輪に伝達す
る際のトルク伝達性能を向上することのできるハイブリ
ッド車の駆動装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するために、第1の駆動力源および第2の駆動
力源のトルクを車輪に伝達することができるハイブリッ
ド車の駆動装置において、前記第1の駆動力源のトルク
を前記車輪に伝達する際に反力要素となる機能と、前記
第2の駆動力源のトルクを前記車輪に伝達する機能とを
備えた伝動部材が設けられており、前記第1の駆動力源
のトルクを車輪に伝達する際に、前記伝動部材の回転を
抑制する回転抑制機構が設けられていることを特徴とす
るものである。
【0008】請求項1の発明によれば、第1の駆動力源
のトルクを車輪に伝達する際に、反力要素となる伝動部
材の回転が抑制されるため、車輪に対する第1の駆動力
源のトルクの伝達効率が向上する。
【0009】請求項2の発明は、請求項1の構成に加え
て、前記車輪にトルクを伝達する第3の駆動力源が設け
られており、前記回転抑制機構は、前記第2の駆動力源
および前記第3の駆動力源のトルクを前記車輪に伝達す
る際に、前記伝動部材の回転を抑制する機能を備えてい
ることを特徴とするものである。
【0010】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
と同様の作用が生じるほか、第2の駆動力源および第3
の駆動力源のトルクが車輪に伝達されるため、要求駆動
力に対する第3の駆動力源のトルク不足を、第2の駆動
力源のトルクにより補うことができる。
【0011】請求項3の発明は、請求項1または2の構
成に加えて、前記第2の駆動力源が内燃機関であり、前
記回転抑制機構が、前記内燃機関の排気状態を制御する
ことにより、前記伝動部材の回転を抑制するエキゾース
トブレーキであることを特徴とするものである。
【0012】請求項3の発明によれば、エキゾーストブ
レーキにより伝動部材の回転が抑制され、請求項1また
は2の発明と同様の作用が生じる。
【0013】請求項4の発明は、請求項1または2の構
成に加えて、前記第2の駆動力源が、前記伝動部材に連
結される出力部材を有し、前記出力部材に動力伝達可能
に連結され、かつ、回転により前記第2の駆動力源を始
動させる始動装置が設けられており、前記回転抑制機構
が、前記始動装置の回転を抑制することにより、前記伝
動部材の回転を抑制するブレーキ装置であることを特徴
とするものである。
【0014】請求項4の発明によれば、ブレーキ装置に
より、始動装置および出力部材ならびに伝動部材の回転
が抑制され、請求項1または2の発明と同様の作用が生
じる。
【0015】なお、この発明において、伝動部材の回転
を抑制する制御としては、伝動部材の回転数を可及的に
少なくする制御と、伝動部材の回転数を零にする(停止
させる)制御とが挙げられる。さらに、伝動部材と第2
の駆動力源とが直結されている(つまり、常時トルクが
伝達される)構成、または、伝動部材と第2の駆動力源
とがクラッチ機構などにより接続・解放可能(つまり、
トルクの伝達・トルクの非伝達を選択可能)な構成のい
ずれでもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明を図面を参照し
ながら具体的に説明する。図1は、この発明の一実施形
態であるFF(フロントエンジンフロントドライブ;エ
ンジン前置き前輪駆動)形式のハイブリッド車の概略構
成図である。図1において、1はエンジンであり、この
エンジン1としては内燃機関、具体的にはガソリンエン
ジン、ディーゼルエンジン、LPGエンジンなどが用い
られる。以下の説明においては、エンジン1としてガソ
リンエンジンを用いた場合を例示する。エンジン1は、
電子スロットルバルブ2を有する吸気管3と燃料噴射装
置4と点火装置5と排気管6とを有する公知のものであ
る。また、排気管3に対応してエキゾーストブレーキ
(言い換えれば、エキゾーストリターダ)7が設けられ
ている。エキゾーストブレーキ7は、排気管3の内部に
設けられたバタフライバルブ8と、バラフライバルブ8
の開度を制御するバキュームシリンダ9と、バキューム
シリンダ9内の空気圧を制御するマグネチックバルブ1
0とを有する公知のものである。
【0017】一方、エンジン1のクランクシャフト11
にはフライホイール12が設けられており、フライホイ
ール12の外周にはリングギヤ13が形成されている。
また、エンジン1を始動させるスタータモータ14が設
けられている。このスタータモータ14としては、マグ
ネチックシフト式またはリダクションギヤ式などの公知
のものを用いることができる。スタータモータ14は出
力軸15を有し、出力軸15にはピニオンギヤ16が形
成されている。出力軸15は、その軸線方向に移動可能
に構成されており、アクチュエータ(図示せず)により
出力軸15を軸線方向に移動することにより、ピニオン
ギヤ16とリングギヤ13とが選択的に噛合・離脱され
る。また、スタータモータ14に隣接して電磁ブレーキ
17が設けられている。この電磁ブレーキ17は、出力
軸15の回転を防止する機能を有しており、電磁ブレー
キ17としては、摩擦式、噛み合い式、空隙式などの公
知の形式のものが例示される。
【0018】前記エンジン1の出力側にはトランスアク
スル18が配置されている。トランスアクスル18はケ
ーシング19を有し、ケーシング19の内部には、第1
のモータ・ジェネレータ(MG)20と第2のモータ・
ジェネレータ(MG)21とデファレンシャル22と動
力分割機構23とが設けられている。第1のモータ・ジ
ェネレータ20は、電力の供給により駆動する電動機と
しての機能と、機械エネルギを電気エネルギに変換する
発電機としての機能とを兼ね備えている。この第1のモ
ータ・ジェネレータ20としては、例えば、交流同期型
のモータ・ジェネレータが挙げられる。この第1のモー
タ・ジェネレータ20は、ケーシング19に固定された
ステータ24と、ステータ24に対面して設けられたロ
ータ25とを有している。ロータ25とクランクシャフ
ト11とが同心状に回転することができる。
【0019】前記動力分割機構23は、第1のモータ・
ジェネレータ20と第2のモータ・ジェネレータ21と
の間の空間に設けられており、この動力分割機構23
は、いわゆるシングルピニオン形式の遊星歯車機構によ
り構成されている。すなわち、動力分割機構23は、サ
ンギヤ26と、サンギヤ26と同心状に配置されたリン
グギヤ27と、サンギヤ26およびリングギヤ27に噛
合するピニオンギヤ28を保持したキャリヤ29とを有
している。
【0020】前記ロータ25の内方空間にはメインシャ
フト30が回転可能に設けられており、メインシャフト
30とキャリヤ29とが連結されている。メインシャフ
ト30はクランクシャフト11と同心状に配置されてお
り、クランクシャフト11とメインシャフト30とが、
ダンパ機構31を介して連結されている。
【0021】一方、第2のモータ・ジェネレータ21
は、電力の供給により駆動する電動機としての機能と、
機械エネルギを電気エネルギに変換する発電機としての
機能とを兼ね備えている。この第2のモータ・ジェネレ
ータ21としては、例えば、交流同期型のモータ・ジェ
ネレータが挙げられる。この第2のモータ・ジェネレー
タ21は、ケーシング19に固定されたステータ32
と、ステータ32に対面して設けられたロータ33とを
有している。このロータ33にはシャフト34が連結さ
れている。シャフト34とメインシャフト30とが同心
状に配置されており、シャフト34とリングギヤ27と
が連結されている。なお、シャフト34におけるロータ
33と動力分割機構23との間には、ドライブスプロケ
ット35が形成されている。
【0022】さらに、シャフト34と相互に平行に、カ
ウンタドライブシャフト36およびカウンタドリブンシ
ャフト37が設けられている。カウンタドライブシャフ
ト36にはドリブンスプロケットト38およびカウンタ
ドライブギヤ39が形成されている。そして、ドライブ
スプロケット35およびドリブンスプロケットト38に
はチェーン40が巻き掛けられている。カウンタドリブ
ンシャフト37にはカウンタドリブンギヤ41およびフ
ァイナルドライブピニオンギヤ42が形成されており、
カウンタドリブンギヤ41とカウンタドライブギヤ39
とが噛合されている。さらに、デファレンシャル22は
リングギヤ43を有しており、リングギヤ43とファイ
ナルドライブピニオンギヤ42とが噛合されている。ま
た、デファレンシャル22の出力側にはドライブシャフ
ト44が連結されており、ドライブシャフト44が車輪
45に連結されている。
【0023】図2は、ハイブリッド車の制御系統を示す
ブロック図である。まず、車両全体を制御するハイブリ
ッド用電子制御装置(HV−ECU)46が設けられて
おり、このハイブリッド用電子制御装置46は、演算処
理装置(CPUまたはMPU)および記憶装置(RAM
およびROM)ならびに入出力インターフェースを主体
とするマイクロコンピュータにより構成されている。以
下、各種の電子制御装置が設けられているが、そのハー
ド構成はほぼ同じである。このハイブリッド用電子制御
装置46に対して、イグニッションスイッチ47の信
号、エンジン回転数センサ48の信号、エンジン冷却水
温センサ49の信号、ブレーキスイッチ50の信号、車
速センサ51の信号、アクセル開度センサ52の信号、
シフトレバーまたはシフトボタンなどのシフト装置(図
示せず)の操作を検出するシフトポジションセンサ53
の信号などが入力されている。
【0024】シフト装置の操作により選択されるシフト
ポジションには、非駆動ポジションおよび駆動ポジショ
ンがある。非駆動ポジションとは、駆動力源のトルクを
車輪45に伝達しないポジションを意味しており、駆動
ポジションとは、駆動力源のトルクを車輪45に伝達す
るポジションを意味している。非駆動ポジションとして
は、例えばP(パーキング)ポジション、N(ニュート
ラル)ポジションが挙げられる。駆動ポジションとして
は、例えばD(ドライブ)ポジション、R(リバース)
ポジションが挙げられる。Dポジションは、車両を前進
走行させることのできるシフトポジションであり、Rポ
ジションは、車両を後進走行させることのできるポジシ
ョンである。
【0025】ハイブリッド用電子制御装置46には、エ
ンジン用電子制御装置(E/G−ECU)54が相互に
信号通信可能に接続されている。このエンジン用電子制
御装置54から、電磁ブレーキ17を制御する信号、ス
タータモータ14を制御する信号、エキゾーストブレー
キ7を制御する信号、燃料噴射装置4を制御する信号、
点火装置5を制御する信号、電子スロットルバルブ2を
制御する信号などが出力される。
【0026】また、ハイブリッド用電子制御装置46に
は、モータ用電子制御装置(モータECU)55が相互
に信号通信可能に接続されている。モータ用電子制御装
置55にはインバータ56が接続されており、インバー
タ56にはバッテリ57が接続されている。そして、イ
ンバータ56には、第1のモータ・ジェネレータ20お
よび第2のモータ・ジェネレータ21が接続されてい
る。そして、バッテリ57の電力により第2のモータ・
ジェネレータ21を駆動することができるとともに、第
1のモータ・ジェネレータ20を発電機として機能させ
た場合に、その電力をインバータ56を経由してバッテ
リ57に充電することができる。さらに、ハイブリッド
用電子制御装置46にはバッテリ用電子制御装置58が
信号通信可能に接続され、バッテリ57の充電状態を示
す信号が、バッテリ用電子制御装置58に入力されてい
る。
【0027】ここで、図1に示す実施形態の構成と、こ
の発明の構成との対応関係について説明すれば、第1の
モータ・ジェネレータ20がこの発明の第1の駆動力源
に相当し、エンジン1がこの発明の第2の駆動力源に相
当し、第2のモータ・ジェネレータ21がこの発明の第
3の駆動力源に相当し、キャリヤ29およびメインシャ
フト30がこの発明の伝動部材に相当し、エキゾースト
ブレーキ7と、スタータモータ14および電磁クラッチ
17と、電子スロットルバルブ2とがこの発明の回転抑
制機構に相当し、クランクシャフト11がこの発明の出
力部材に相当し、電磁ブレーキ17がこの発明のブレー
キ装置に相当し、スタータモータ14がこの発明の始動
装置に相当する。
【0028】つぎに、ハイブリッド車の制御について説
明する。まず、イグニッションスイッチ47の信号に基
づいて、エンジン1が始動される。エンジン1の始動
は、スタータモータ14または第1のモータ・ジェネレ
ータ20のいずれかによりおこなうことができる。すな
わち、スタータモータ14によりエンジン1を始動する
場合は、出力軸14が軸線方向に動作してピニオンギヤ
16とリングギヤ13とが噛合されるとともに、出力軸
14の回転トルクがフライホイール12に伝達されてエ
ンジン1がクランキングされ、燃料の噴射および点火に
よりエンジン1が自律回転する。
【0029】これに対して、第1のモータ・ジェネレー
タ20によりエンジン1を始動するために、第1のモー
タ・ジェネレータ20を駆動させると、サンギヤ26が
回転する。すると、リングギヤ27が反力要素となって
キャリヤ29が回転し、キャリヤ29のトルクがメイン
シャフト30を経由してクランクシャフト11に伝達さ
れ、燃料の噴射および点火によりエンジン1が自律回転
する。
【0030】ところで、車両を前進走行させる場合は、
エンジン1または第2のモータ・ジェネレータ21の少
なくとも一方を駆動力源とすることができる。このエン
ジン1および第2のモータ・ジェネレータ21の駆動・
停止およびその出力は、要求駆動力に基づいて制御され
る。この要求駆動力は、例えばアクセル開度および車速
ならびにシフトポジションなどに基づいて判断される。
【0031】まず、第2のモータ・ジェネレータ21の
みを駆動すると、第2のモータ・ジェネレータ21のト
ルクが、チェーン40およびカウンタドライブシャフト
36ならびにカウンタドリブンシャフト37を経由して
デファレンシャル22に伝達される。ついで、デファレ
ンシャル22から出力されたトルクが車輪45に伝達さ
れ、車両を前進させる駆動力が生じる。
【0032】これに対して、エンジン1を駆動するとと
もに、第1のモータ・ジェネレータ20に連結されてい
るサンギヤ26を固定すると、エンジン1のトルクがメ
インシャフト30を経由して動力分割機構23に伝達さ
れる。すると、動力分割機構23が一体的に回転すると
ともに、そのトルクがチェーン40に伝達される。その
後は前述と同様にしてトルクが車輪45に伝達される。
【0033】また、エンジン1を駆動力源として車両が
前進走行する際に、駆動力不足が生じた場合は、第2の
モータ・ジェネレータ21を駆動させ、そのトルクをシ
ャフト34に伝達することができる。前記駆動力不足
は、アクセル開度および車速などに基づいて判断され
る。この制御により、要求駆動力に対するエンジントル
クの不足分が補われ、駆動力が増加する。さらに、エン
ジン1の駆動中に、第1のモータ・ジェネレータ20を
発電機として機能させ、発生した電気エネルギをバッテ
リ57に充電することもできる。
【0034】さらにまた、車両の惰力走行時(言い換え
ればコースト状態)には、車輪45の動力(言い換えれ
ば運動エネルギ)がカウンタシャフト37,36および
動力分割機構23を経由してエンジン1に伝達され、エ
ンジンブレーキ力が生じる。また、バタフライバルブ8
の開度を可及的に低減することにより、排気管6の排気
圧(排気抵抗)を増加して、エンジン1の回転抵抗を増
加し、車両に作用する制動力(言い換えれば、車両の減
速度)を高めることができる。
【0035】一方、車両を後進走行(後退)させる場合
は、第2のモータ・ジェネレータ21を駆動する。ここ
で、第2のモータ・ジェネレータ21の回転方向は、車
両が前進走行する場合とは逆に制御される。なお、車両
を後進走行させる場合は、エンジン1は停止している。
このように、図1の実施形態では、ドライブトレーンの
構成をコンパクト化することを目的として、エンジン1
の回転トルクを、前進走行時とは逆方向に変換する構
成、例えば、リバースギヤなどが設けられていない。
【0036】つぎに、車両の後進走行時に駆動力不足が
生じた場合の制御について説明する。この場合は、第1
のモータ・ジェネレータ20から、第2のモータ・ジェ
ネレータ21とは逆方向のトルクを出力させることによ
り、そのトルクを動力分割機構23を経由してシャフト
34に伝達することにより、駆動力不足を補うことがで
きる。しかしながら、第1のモータ・ジェネレータ20
のトルクをリングギヤ27に伝達する場合に、反力要素
となるキャリヤ29は、リングギヤ27と比較してその
慣性が小さい。このため、第1のモータ・ジェネレータ
20を駆動した際に、キャリヤ29が共に回転してしま
い、第1のモータ・ジェネレータ29のトルクをリング
ギヤ27に充分に伝達することができない可能性があ
る。
【0037】そこで、この実施形態においては、以下の
ような制御をおこなうことにより、リングギヤ27に対
する第1のモータ・ジェネレータ20のトルク伝達性能
を向上させている。すなわち、第1のモータ・ジェネレ
ータ20を駆動する際に、メインシャフト30の回転を
抑制する制御がおこなわれる。この実施形態において
は、メインシャフト30とクランクシャフト11とがダ
ンパ機構により機械的に連結されているため、エンジン
1の回転を抑制すれば、結果的にメインシャフト30の
回転が抑制される。そして、エンジン1の回転を抑制す
るため、エキゾーストブレーキ7の制御、またはスター
タモータ14および電磁ブレーキ17の制御、または電
子スロットルバルブ2の制御の少なくとも一つがおこな
われる。
【0038】まず、エキゾーストブレーキ7を用いる場
合は、バタフライバルブ8を閉じることにより、エンジ
ン1の回転抵抗を高めることができる。また、スタータ
モータ14および電磁ブレーキ17を用いる場合は、ス
タータモータ14の出力軸15をエンジン1側に突出さ
せてピニオンギヤ16とリングギヤ13とを噛合させる
とともに、電磁ブレーキ17により出力軸15の回転を
防止する。また、スタータモータ14から、エンジン1
を始動させる場合とは逆方向のトルクが出力されるよう
に電流を供給することにより、スタータモータ14のみ
でエンジン回転を抑制することができる。さらに、電子
スロットルバルブ2を用いる場合は、電子スロットルバ
ルブ2を閉じることにより、エンジン1の回転抵抗を高
めることができる。このような制御により、エンジン回
転数が抑制または零に制御される。
【0039】これらの4種類の制御の少なくとも一つが
おこなわれると、メインシャフト30の回転が抑制もし
くは防止される。すると、第1のモータ・ジェネレータ
20のトルクがサンギヤ26に伝達された際に、反力要
素となるキャリヤ29の回転が抑制もしくは防止され
る。このため、サンギヤ26の回転速度が減速され、か
つ、回転方向が逆になってリングギヤ27にトルクが伝
達される。
【0040】図3は、動力分割機構23に対して、第1
のモータ・ジェネレータ20のトルクだけを入力した状
態において、エンジン1の回転を防止した実施形態の共
線図と、エンジン1の回転を抑制しない場合(つまり比
較例)の共線図とを示している。図3において、“S
1”は入力要素であるサンギヤ26を意味し、“C1”
は反力要素であるキャリヤ29を意味し、“R1”は出
力要素であるリングギヤ27を意味している。線分A1
が比較例を示し、線分B1が実施形態を示している。こ
こでは、サンギヤS1の回転数を同じに制御して両者を
比較している。比較例の場合はキャリヤ29が回転する
ため、リングギヤ27の回転数が零になる。これに対し
て、実施形態の場合は、エンジン1の回転防止により、
矢印方向のトルク(反力)がキャリヤ29に作用してキ
ャリヤ29の回転数が零になっているため、リングギヤ
27がサンギヤ26とは逆方向に回転する。
【0041】以上のように、この実施形態によれば、リ
バースポジションが選択された場合に、要求駆動力に対
する第2のモータ・ジェネレータ21のトルクの不足分
を、第1のモータ・ジェネレータ20のトルクにより補
うことができ、駆動力およびドライバビリティが向上す
る。すなわち、エンジン1の回転抵抗のレベルに応じ
て、車両が後進走行する場合の駆動力を向上することが
できる。
【0042】図4は、この発明の他の実施形態を示す図
である。図4において、図1および図2の実施形態と同
様の構成については、図1および図2と同様の符号を付
してその説明を省略する。図4の実施形態においては、
ケーシング19の内部に第1のモータ・ジェネレータ5
9が配置されており、第1のモータ・ジェネレータ59
とエンジン1との間の空間に第2のモータ・ジェネレー
タ60が配置されている。第1のモータ・ジェネレータ
59は、クランクシャフト11と同心状に回転可能なケ
ーシング61を有している。ケーシング61の内周には
ロータ62が取り付けられており、ロータ62に対面す
るステータ63が設けられている。また、ケーシング6
1には、電力供給用のスリップリング64が設けられて
いる。さらにステータ63にはシャフト65が接続され
ている。このシャフト65はエンジン1側に向けて延ば
されており、クランクシャフト11とシャフト65とが
ダンパ機構31により接続されている。
【0043】一方、第2のモータ・ジェネレータ60
は、ケーシング19の内周に固定されたステータ66
と、ステータ66に対面して配置されたロータ67とを
有している。そして、ロータ67とシャフト65との間
のトルク伝達状態を制御する第1クラッチCL1が設け
られている。この第1クラッチCLはダンパ機構31と
第2のモータ・ジェネレータ60との間に配置されてい
る。
【0044】前記ケーシング61における第2のモータ
・ジェネレータ60側の端部には、スリーブ68が形成
されている。スリーブ68はシャフト65と同心状に設
けられており、シャフト65は、スリーブ68の内部お
よびロータ67の内部に亘って配置されている。スリー
ブ68にはドライブスプロケット35が形成されてお
り、スリーブ68における第2のモータ・ジェネレータ
60側の端部と、第2のモータ・ジェネレータ60のロ
ータ67との間のトルク伝達状態を制御する第2クラッ
チCL2が設けられている。前記第1クラッチCL1お
よび第2クラッチCL2としては、例えば湿式多板クラ
ッチなどの公知のものを用いることができる。図4に示
すハイブリッド車も、基本的には図2に示す制御回路に
より制御される。そして、図2に示すように、前記第1
クラッチCL1および第2クラッチCL2の係合・解放
を制御する油圧サーボ機構69および油圧制御装置70
が設けられている。油圧サーボ機構69は、シリンダお
よび油圧室ならびにピストンなどを有する公知のもので
ある。油圧制御装置70は、オイルポンプおよびソレノ
イドバルブなどを有する公知のものである。この油圧制
御装置70にはハイブリッド用電子制御装置46の信号
が入力されている。
【0045】ここで、図4の実施形態の構成と、この発
明の構成との対応関係について説明すれば、第2のモー
タ・ジェネレータ60がこの発明の第1の駆動力源に相
当し、エンジン1がこの発明の第2の駆動力源に相当
し、第1のモータ・ジェネレータ59がこの発明の第3
の駆動力源に相当し、ステータ63およびシャフト65
がこの発明の伝動部材に相当する。
【0046】つぎに、図4および図2に示すハイブリッ
ド車の制御について説明する。まず、車両を前進走行さ
せる場合は、エンジン1または第2のモータ・ジェネレ
ータ60の少なくとも一方を駆動力源とすることができ
る。まず、第2のモータ・ジェネレータ60のみを駆動
する場合は、第1クラッチCL1が解放され、かつ、第
2クラッチCL2が係合される。すると、第2のモータ
・ジェネレータ60のトルクが、スリーブ68およびド
ライブスプロケット35およびドリブンスプロケット3
8およびチェーン40を介してカウンタドライブシャフ
ト36に伝達され、以後は、図1の実施例と同様にして
駆動力が生じる。
【0047】これに対して、エンジン1のみを駆動する
場合は、第1クラッチCL1および第2クラッチCL2
が係合される。すると、エンジン1のトルクがダンパー
機構31およびロータ67を経由してスリーブ68に伝
達され、以後は前述と同様にして駆動力が生じる。な
お、この場合は、第2のモータ・ジェネレータ60は、
発電機または電動機のいずれとしても機能せず、ロータ
67は空転するだけである。さらに、この場合は、第1
のモータ・ジェネレータ59のロータ62とステータ6
3とが一体的に回転するが、第1のモータ・ジェネレー
タ59は、発電機または電動機のいずれとしても機能し
ない。
【0048】また、エンジン1を駆動力源として車両が
前進走行中に、駆動力不足が生じた場合は、第2のモー
タ・ジェネレータ60を電動機として駆動させ、そのト
ルクをスリーブ68に伝達することができる。この制御
により、要求駆動力に対応するエンジントルクの不足分
が補われ、駆動力が増加する。さらに、エンジン1の駆
動中に、第2のモータ・ジェネレータ60を発電機とし
て機能させ、発生した電気エネルギをバッテリ57に充
電することもできる。
【0049】さらにまた、車両の惰力走行時には、車輪
45の動力(運動エネルギ)がカウンタドリブンシャフ
ト37,カウンタドライブシャフト36およびシャフト
65を経由してエンジン1に伝達され、エンジンブレー
キ力が生じる。この際に、図1の実施形態と同様にし
て、エキゾーストブレーキ力を生じさせることができ
る。
【0050】一方、車両を後進走行(後退)させる場合
は、第1クラッチCL1を解放するとともに、かつ、第
2クラッチCL2を係合し、第2のモータ・ジェネレー
タ60を、車両を前進走行させる場合とは逆方向に回転
させ、そのトルクを車輪45に伝達する。なお、車両を
後進走行させる場合はエンジン1は駆動されない。
【0051】つぎに、車両の後進走行時に駆動力不足が
生じた場合の制御について説明する。この場合は、第1
のモータ・ジェネレータ59を駆動し、そのトルクをス
リーブ68を介して車輪45に伝達することができる。
しかしながら、ステータ63が固定的に設けられている
わけではないから、ロータ62の回転時に反力要素とな
るステータ63が空転してしまい、第1のモータ・ジェ
ネレータ59のトルクが車輪45に伝達されにくい。
【0052】そこで、この実施施形態においては、以下
のような制御をおこなうことにより、駆動力を向上させ
ている。すなわち、第1のモータ・ジェネレータ59を
駆動する際に、第1のモータ・ジェネレータ59のステ
ータ63の回転を抑制もしくは防止し、かつ、第1のモ
ータ・ジェネレータ59のロータ62を、第2のモータ
・ジェネレータ60と同方向に回転させる制御がおこな
われる。図4の実施形態においては、シャフト65とク
ランクシャフト11とがダンパ機構31により機械的に
連結されているため、エンジン1の回転を抑制すれば、
結果的にステータ63の回転が抑制される。そして、エ
ンジン1の回転を抑制するために、図1の実施形態と同
様の制御がおこなわれる。
【0053】このようにして、第1のモータ・ジェネレ
ータ59を駆動させてロータ62を回転させる際に、反
力要素となるステータ63の回転が抑制もしくは防止さ
れる。このため、スリーブ68に対する第1のモータ・
ジェネレータ59のトルク伝達効率が向上し、要求駆動
力に対する第2のモータ・ジェネレータ60のトルクの
不足分を、第1のモータ・ジェネレータ59のトルクに
より補うことができる。したがって、図4の実施形態に
おいても、図1の実施形態と同様の効果を得られる。
【0054】上記図1ないし図4の実施形態において、
エンジン1の回転を抑制または防止する4種類の制御の
少なくとも一つをおこなうタイミングとしては、例え
ば、シフトポジションセンサ53によりリバースポジシ
ョンが選択された場合、またはシフトポジションセンサ
53によりリバースポジションが選択され、かつ、実際
の駆動力が要求駆動力未満であると判断された場合など
が挙げられる。また、後進走行時に制御されるバタフラ
イバルブ8の開度を、車両の惰力走行時におけるバタフ
ライバルブ8の開度よりも一層低減させることにより、
エキゾーストブレーキ力を一層強めることができる。
【0055】さらに、図1ないし図4の実施形態におい
て、リバースポジション時にエンジン1の回転を抑制す
る場合は、エンジン回転数を可及的に低く、または停止
させる制御がおこなわれている。これはエンジン回転数
とフリクショントルクとを乗じた値に相当する分のエネ
ルギが、第1のモータ・ジェネレータ20(または第1
のモータ・ジェネレータ59)の動力から失われるため
である。したがって、エンジン回転数を可及的に低く制
御する場合は、要求駆動力に対する不足トルクに基づい
て、エンジン回転数の抑制内容を変更することもでき
る。
【0056】また、各実施形態において、ハイブリッド
車がディーゼルエンジンを搭載したトラックなどの大型
車両であれば、予めエキゾーストブレーキが設けられて
いる。さらに、スタータモータ14などの既存の部品を
利用してエンジン1の回転を抑制または防止している。
このため、エンジン1の回転を抑制するためのみに用い
る部品を格別に設ける必要性が無く、部品点数の増加が
抑制され、製造コストの上昇が回避される。さらにま
た、各図1ないし図4の実施形態は、リバースポジショ
ンが選択された場合にエンジン1の回転を抑制する制御
をおこなう際には、リバースポジションが選択されてい
る状態で、エンジン1の始動要求(運転要求)が無いこ
とが前提条件となる。
【0057】なお、特に図示しないが、クランクシャフ
ト11とメインシャフト30との間、またはクランクシ
ャフト11とシャフト65との間のトルク伝達状態を制
御するクラッチ機構を設け、かつ、リバースポジション
が選択された場合に、メインシャフト30またはシャフ
ト65の回転を抑制するブレーキ機構を別途設ける構成
を採用した場合にも、前述と同様の効果を得られる。こ
の構成を採用した場合は、リバースポジションが選択さ
れ、かつ、2つのモータ・ジェネレータのトルクを車輪
に伝達する際に、クラッチ機構を解放しておけば、エン
ジン1の始動要求(運転要求)に関わりなく、メインシ
ャフト30またはシャフト65の回転を抑制することが
できる。さらに、エキゾーストブレーキ7の一部を構成
し、かつ、排気管6の排気面積を縮小する部材は、バタ
フライバルブに代えて排気管6の幅方向に動作するゲー
ト(シャッター)を用いることもできる。
【0058】ここで、上記の具体例に基づいて開示され
たこの発明の特徴的な構成を列挙すれば以下のとおりで
ある。すなわち第1の手段は、第1の駆動力源および第
2の駆動力源と遊星歯車機構とを備え、この遊星歯車機
構の第1の回転要素(サンギヤ)に第1の駆動力源が連
結され、遊星歯車機構の第2の回転要素(キャリヤ)に
第2の駆動力源が連結されているとともに、遊星歯車機
構の第3の回転要素(リングギヤ)に第3の駆動力源が
連結されているとともに、第3の回転要素が車輪に対し
て動力伝達可能に接続されており、車両を前進および後
進させることのできるハイブリッド車の駆動装置におい
て、前記車両の後進にともない、前記第1の駆動力源か
ら、車両が前進する場合とは逆方向のトルクを出力さ
せ、かつ、前記第1の駆動力源のトルクを前記第3の回
転要素に伝達する際に、前記第2の回転要素が反力要素
となる機能を備えており、前記第1の駆動力源のトルク
を第3の回転要素に伝達する際に、前記第2の回転要素
の回転を抑制する回転抑制機構が設けられていることを
特徴とするものである。
【0059】また第2の手段は、第1の電動機および第
2の電動機ならびにエンジンが、車輪に対してトルク伝
達可能に構成され、車両の前進および後進を選択するこ
とのできるハイブリッド車の駆動装置において、第1の
電動機のステータとエンジンの出力軸(クランクシャフ
ト)とが連結され、第1の電動機のロータが前記車輪に
連結されているとともに、前記第2の電動機のロータが
第1のクラッチを介して前記出力軸に連結され、前記第
の電動機のロータが第2のクラッチを介して前記第1の
電動機のロータに接続されているとともに、車両を後進
させるために第2の電動機から前進走行時とは逆方向の
トルクを出力させる際に、前記第2の電動機のロータを
回転させ、かつ、第2の電動機のロータの回転時に反力
要素となる第2の電動機のステータおよび前記出力軸の
回転を抑制する回転抑制機構が設けられている。
【0060】さらに第3の手段は、第1の駆動力源およ
び第2の駆動力源ならびに第3の駆動力源を備えてお
り、車両を前進および後進させることのできるハイブリ
ッド車の駆動装置において、車両の前進時には前記第1
の駆動力源または第2の駆動力源の少なくとも一方のト
ルクを車輪に伝達することができ、車両の後進時には第
2の駆動力源および第3の駆動力源のトルクを車輪に伝
達することができるとともに、車両の後進時に前記第1
の駆動力源のトルクを前記車輪に伝達する際に反力要素
となる機能と、前記車両の前進時に前記第2の駆動力源
のトルクを前記車輪に伝達する機能とを備えた伝動部材
が設けられており、前記車両の後進時に前記第1の駆動
力源および第3の駆動力源のトルクを車輪に伝達する際
に、前記伝動部材の回転を抑制する回転抑制機構が設け
られていることを特徴とする。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
れば、第1の駆動力源のトルクを車輪に伝達する際に、
反力要素となる伝動部材の回転が抑制されて、第1の駆
動力源の駆動力を車輪に伝達することができるので、車
両の駆動力不足が抑制されて、車両の走行性能およびド
ライバビリティが向上する。
【0062】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
と同様の効果を得られるほか、第2の駆動力源および第
3の駆動力源のトルクが車輪に伝達されるため、要求駆
動力に対する第3の駆動力源のトルク不足を、第2の駆
動力源のトルクにより補うことができる。したがって、
車両の駆動力不足が抑制され、車両の走行性能およびド
ライバビリティが向上する。
【0063】請求項3の発明によれば、エキゾーストブ
レーキにより伝動部材の回転が抑制され、請求項1また
は2の発明と同様の効果を得られる。
【0064】請求項4の発明によれば、ブレーキ装置に
より、始動装置および出力部材ならびに伝動部材の回転
が抑制され、請求項1または2の発明と同様の効果を得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明のハイブリッド車の構成例を示す図
である。
【図2】 図1のハイブリッド車の制御回路を示すブロ
ック図である。
【図3】 図1のハイブリッド車の構成において、エン
ジン回転を抑制した場合の実施形態と、エンジン回転を
抑制しない場合の比較例とを比較する共線図である。
【図4】 この発明のハイブリッド車の構成例を示す図
である。
【符号の説明】
1…エンジン、 2…電子スロットルバルブ、 7…エ
キゾーストブレーキ、14…スタータモータ、 17…
電磁ブレーキ、 20,21,59,60…モータ・ジ
ェネレータ、 29…キャリヤ、 45…車輪、 63
…ステータ、65…シャフト。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永松 茂隆 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3D039 AA00 AB27 AC21 AC39 3G065 AA09 BA06 CA22 DA02 DA04 GA09 GA10 GA11 GA29 GA31 GA46 JA04 JA09 KA03 3G093 AA07 BA19 CA01 CB07 DA06 DB05 EA11 EC02 5H115 PA08 PA12 PC06 PG04 PI16 PI24 PI29 PI30 PO02 PO06 PO17 PU10 PU22 PU24 PU25 PV09 QA10 QE01 QE09 QE10 QE13 QI04 QI07 QI09 QN03 RB08 RE02 RE05 RE06 SE04 SE05 SE08 TB01 TE02 TE08 TO21 TO23 TO30

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の駆動力源および第2の駆動力源の
    トルクを車輪に伝達することができるハイブリッド車の
    駆動装置において、 前記第1の駆動力源のトルクを前記車輪に伝達する際に
    反力要素となる機能と、前記第2の駆動力源のトルクを
    前記車輪に伝達する機能とを備えた伝動部材が設けられ
    ており、前記第1の駆動力源のトルクを車輪に伝達する
    際に、前記伝動部材の回転を抑制する回転抑制機構が設
    けられていることを特徴とするハイブリッド車の駆動装
    置。
  2. 【請求項2】 前記車輪にトルクを伝達する第3の駆動
    力源が設けられており、前記回転抑制機構は、前記第2
    の駆動力源および前記第3の駆動力源のトルクを前記車
    輪に伝達する際に、前記伝動部材の回転を抑制する機能
    を備えていることを特徴とする請求項1に記載のハイブ
    リッド車の駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記第2の駆動力源が内燃機関であり、
    前記回転抑制機構が、前記内燃機関の排気状態を制御す
    ることにより、前記伝動部材の回転を抑制するエキゾー
    ストブレーキであることを特徴とする請求項1または2
    に記載のハイブリッド車の駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記第2の駆動力源が、前記伝動部材に
    連結される出力部材を有し、前記出力部材に動力伝達可
    能に連結され、かつ、回転により前記第2の駆動力源を
    始動させる始動装置が設けられており、前記回転抑制機
    構が、前記始動装置の回転を抑制することにより、前記
    伝動部材の回転を抑制するブレーキ装置であることを特
    徴とする請求項1または2に記載のハイブリッド車の駆
    動装置。
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