JP2001119084A - 光ファイバレーザ装置及び光増幅装置 - Google Patents

光ファイバレーザ装置及び光増幅装置

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JP2001119084A
JP2001119084A JP29684399A JP29684399A JP2001119084A JP 2001119084 A JP2001119084 A JP 2001119084A JP 29684399 A JP29684399 A JP 29684399A JP 29684399 A JP29684399 A JP 29684399A JP 2001119084 A JP2001119084 A JP 2001119084A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 励起光の導入によってレーザ光の発光及び信
号の増幅を行う光ファイバレーザ装置及び光増幅装置に
おいて、励起光の導入により発生した熱の放射効率を高
める。 【解決手段】 レーザ活性物質を有するコア3ca及び
クラッド層3cbによって構成された光ファイバ3cを
円盤状に巻きつけて配置し、封止樹脂3dによって封止
して板状の光ファイバ構造体3を構成する。光ファイバ
構造体3の表面には低屈折率層3aを配置し、側面には
励起光を導入するレンズダクト2を配置する。また、別
途、冷却水の循環により冷却を行う水冷ユニット5を形
成し、光ファイバ構造体3の表面に形成された低屈折率
層3aと水冷ユニット5を柔軟性を有する熱伝導シート
4を介して接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ活性物質に
励起光を導入してレーザ光を発生する光ファイバレーザ
装置、及びレーザ活性物質に励起光を導入して光の増幅
を行う光増幅装置に関し、特に本体の冷却機構を有する
光ファイバレーザ装置及び光増幅装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光通信及びレーザ加工の分野では、高出
力でより安価なレーザ装置の開発が求められている。こ
のような要請を満たすものとして、光ファイバを利用し
た光ファイバレーザ装置が知られている。
【0003】光ファイバレーザ装置は、レーザ活性物質
を有するコアとその周りを取り囲むクラッド層により構
成された光ファイバ、及びレーザ活性物質に励起光を導
入する励起光導入部によって構成され、励起光導入部か
ら光ファイバのコアに励起光を導入することによってレ
ーザ光を発生させる。コアの屈折率はクラッドの屈折率
よりも大きく設定され、コア内のレーザ活性物質への励
起光導入によって発生したレーザ光は、コアとクラッド
層の境界線で全反射を繰り返しながらコア内部を進み、
光ファイバの端面から出力される。
【0004】光ファイバレーザ装置においてレーザ光の
発生効率をより高めようとする場合、コア内のレーザ活
性物質にいかに効率良く励起光を導入できるかが問題と
なる。このレーザ活性物質への励起光導入効率を高める
方法として、コア内にレーザ活性物質を有する1つなが
りの光ファイバを束ね、その束に励起光を導入すること
によってレーザ光を発生させる方法がある。この方法を
とる光ファイバレーザ装置では、1つながりの光ファイ
バを一定の領域に複数回折り返すか、円盤状又は円柱状
の領域に巻きつけること等によって光ファイバの束を形
成し、このように形成された光ファイバの束を、クラッ
ド層と同じ屈折率を持つ紫外線硬化樹脂等の硬化性物質
で隙間なく覆うことにより光ファイバ構造体を形成す
る。光ファイバ構造体は、クラッド層よりも屈折率の低
い低屈折率層でその外部を覆われ、さらに、その周辺に
は励起光導入部であるLD光源が複数配置される。そし
て、これらのLD光源によって光ファイバ構造体内部に
励起光を導入し、光ファイバ構造体内部に位置するレー
ザ活性物質を励起してレーザ光を発生させる。このよう
な光ファイバ構造体内部に導入された励起光は、光ファ
イバ構造体と低屈折率層との境界面で全反射を繰り返し
ながら光ファイバ構造体内部に閉じ込められ、光ファイ
バ構造体を構成する光ファイバの束を何度も横切りなが
らレーザ活性物質への励起光導入を行う。これにより、
レーザ活性物質への励起光導入が効率良く行われ、高い
レーザ光発生効率を得ることが可能となる。
【0005】このような光ファイバレーザ装置において
レーザ光を発生させる場合、励起光の導入によって光フ
ァイバ構造体が発熱する。この励起光の導入による熱
は、冷却水を循環する水路が設けられた水冷ユニットを
用いた水冷、或いは、放熱フィンが設けられた空冷ユニ
ットを用いた空冷等により放熱する必要がある。このよ
うな水冷ユニット等の冷却ユニットは、光ファイバ構造
体と一体化して構成してもよいが、その場合、例えば、
光ファイバ構造の構成部品を単体で修理、交換ができな
い、或いは、冷却ユニットにトラブルが生じた場合、冷
却ユニット等のみを交換できない等の問題が生じる。そ
のため、冷却ユニットは、光ファイバ構造体と個別に構
成し、それらを組み合わせることによって、光ファイバ
レーザ装置を構成することが望ましい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、光ファイバ構
造体は、光ファイバを複数回折り返したり、巻きつけた
りして構成した束を樹脂等で固めて構成されているた
め、その表面には光ファイバの形状を反映した凹凸が表
れてしまう。そのため、光ファイバ構造体とそれに取付
けられる冷却ユニットとの密着性が低下してしまうこと
となり、これにより、光ファイバ構造体から冷却ユニッ
トへの熱伝導性が低下し、十分な放熱効果が得られない
という問題点がある。
【0007】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、励起光の導入により発生した熱を効率良く放
射できる光ファイバレーザ装置を提供することを目的と
する。
【0008】また、本発明の他の目的は、励起光の導入
により発生した熱を効率良く放射できる光増幅装置を提
供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明では上記課題を解
決するために、レーザ活性物質に励起光を導入してレー
ザ光を発生する光ファイバレーザ装置において、前記レ
ーザ活性物質を有するコアと、前記コアを取り囲むクラ
ッド層とを有する光ファイバが配置される光ファイバ構
造体と、前記レーザ活性物質に前記励起光を導入する励
起光導入部と、少なくとも前記クラッド層の屈折率より
も小さな屈折率を有し、前記光ファイバ構造体の表面に
一体に又は別体として密着して設けられ、前記励起光を
前記光ファイバ構造体の内部に閉じ込める低屈折率部
と、前記低屈折率部の外部に密着して設けられる熱伝導
部と、前記熱伝導部に密着して配置される冷却ユニット
とを有することを特徴とする光ファイバレーザ装置が提
供される。
【0010】ここで、光ファイバはレーザ活性物質に励
起光が導入されることによってレーザ光を発生し、励起
光導入部はレーザ活性物質に励起光を導入し、低屈折率
部は励起光を光ファイバ構造体の内部に閉じ込め、熱伝
導部は光ファイバ構造体の外部に密着して設けられるこ
とにより、光ファイバ構造体に生じた熱を効率良く冷却
ユニットに伝え、冷却ユニットはその熱を放熱する。
【0011】また、レーザ活性物質に励起光を導入して
レーザ光を発生する光ファイバレーザ装置において、前
記レーザ活性物質を有するコアと、前記コアを取り囲む
クラッド層とを有する光ファイバが配置される光ファイ
バ構造体と、前記レーザ活性物質に前記励起光を導入す
る励起光導入部と、少なくとも前記クラッド層の屈折率
よりも小さな屈折率を有し、前記光ファイバ構造体の表
面に一体に又は別体として密着して設けられ、前記励起
光を前記光ファイバ構造体の内部に閉じ込める低屈折率
部と、前記低屈折率部に密着して配置される冷却ユニッ
トとを有することを特徴とする光ファイバレーザ装置が
提供される。
【0012】ここで、光ファイバはレーザ活性物質に励
起光が導入されることによってレーザ光を発生し、励起
光導入部はレーザ活性物質に励起光を導入し、低屈折率
部は励起光を光ファイバ構造体の内部に閉じ込め、冷却
ユニットは、光ファイバ構造体の外部に密着して配置さ
れることによって、光ファイバ構造体に生じた熱が効率
良く伝えられ、伝わった熱を放熱する。
【0013】さらに、レーザ活性物質に励起光を導入し
て光の増幅を行う光増幅装置において、前記レーザ活性
物質を有するコアと、前記コアを取り囲むクラッド層と
を有する光ファイバが配置される光ファイバ構造体と、
前記レーザ活性物質に前記励起光を導入する励起光導入
部と、少なくとも前記クラッド層の屈折率よりも小さな
屈折率を有し、前記光ファイバ構造体の表面に一体に又
は別体として密着して設けられ、前記励起光を前記光フ
ァイバ構造体の内部に閉じ込める低屈折率部と、前記低
屈折率部の外部に密着して設けられる熱伝導部と、前記
熱伝導部に密着して配置される冷却ユニットとを有する
ことを特徴とする光増幅装置が提供される。
【0014】ここで、光ファイバはレーザ活性物質に励
起光が導入されることによってレーザ光を発生し、励起
光導入部はレーザ活性物質に励起光を導入し、低屈折率
部は励起光を光ファイバ構造体の内部に閉じ込め、熱伝
導部は光ファイバ構造体の外部に密着して設けられるこ
とにより、光ファイバ構造体に生じた熱を効率良く冷却
ユニットに伝え、冷却ユニットはその熱を放熱する。
【0015】また、レーザ活性物質に励起光を導入して
光の増幅を行う光増幅装置において、前記レーザ活性物
質を有するコアと、前記コアを取り囲むクラッド層とを
有する光ファイバが配置される光ファイバ構造体と、前
記レーザ活性物質に前記励起光を導入する励起光導入部
と、少なくとも前記クラッド層の屈折率よりも小さな屈
折率を有し、前記光ファイバ構造体の表面に一体に又は
別体として密着して設けられ、前記励起光を前記光ファ
イバ構造体の内部に閉じ込める低屈折率部と、前記低屈
折率部に密着して配置される冷却ユニットとを有するこ
とを特徴とする光増幅装置が提供される。
【0016】ここで、光ファイバはレーザ活性物質に励
起光が導入されることによってレーザ光を発生し、励起
光導入部はレーザ活性物質に励起光を導入し、低屈折率
部は励起光を光ファイバ構造体の内部に閉じ込め、冷却
ユニットは、光ファイバ構造体の外部に密着して設けら
れることによって、光ファイバ構造体に生じた熱が効率
良く伝えられ、伝わった熱を放熱する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。まず、本発明における第1の実施
の形態について説明する。
【0018】図2は本形態における光ファイバレーザ装
置1の平面図であり、図1は、図2における光ファイバ
レーザ装置1のA−A断面図である。光ファイバレーザ
装置1は、レーザ光を発生する光ファイバ構造体3、光
ファイバ構造体3に励起光を導入する励起光導入部であ
るレンズダクト2、光ファイバ構造体3に密着して固定
され、熱伝導部として機能する熱伝導シート4、及び励
起光の導入によって発熱した光ファイバ構造体3等の冷
却を行う冷却ユニットである水冷ユニット5によって構
成されている。
【0019】光ファイバ構造体3は、Ndイオン等に代
表されるレーザ活性イオン、色素、その他発光中心等の
レーザ活性物質を有するコア3caと、それを取り囲む
クラッド層3cbとによって構成される1つながりの光
ファイバ3c、発生したレーザを引き出すレーザ引出し
用光ファイバ3f、光ファイバの一端に取付けられる反
射鏡3e、クラッド層3cbとほぼ同じ屈折率を持ち、
励起光に対して透明な封止樹脂3d、及びクラッド層3
cbよりも小さい屈折率を持つ透明弗素樹脂等の低屈折
率部として機能する低屈折率層3aによって構成されて
いる。ここで、反射鏡3eとしては、発生したレーザ光
の波長に対して高い反射率を持つものが望ましい。ま
た、クラッド層3cbには、その屈折率がコア3caの
屈折率よりも小さいものを用いる。
【0020】光ファイバ3cは、その一端を中心に配置
し、その中心から外部に向かって順次一層の渦巻き状に
巻きつけていくことにより、円盤状の平面を形成する。
この円盤の中心に位置する光ファイバ3cの一端には反
射鏡3eが取付けられ、円盤状の外側に位置する他の一
端には、レーザ引出し用光ファイバ3fが取付けられ
る。
【0021】このように円盤状に配置された光ファイバ
3c及び反射鏡3eは、封止樹脂3dによって円盤状に
封止される。このように光ファイバ3cを封止した封止
樹脂3dの表面には低屈折率層3aが配置され、これに
より、円盤状の光ファイバ構造体3が形成される。
【0022】円盤状に形成された光ファイバ構造体3の
円盤側面には、複数のレンズダクト2がその円盤側面に
沿ってある一定の間隔で配置され、各レンズダクト2に
は、励起光を出力する図示していないLD光源が取付け
られる。ここで、各レンズダクト2が配置される向き
は、LD光源が出力する励起光を光ファイバ構造体3の
円盤側面から中心方向へ導入する向きとする。
【0023】光ファイバ構造体3の底面には熱伝導シー
ト4が密着して配置される。熱伝導シート4の材料とし
ては、高い熱伝導性、及び光ファイバ構造体3の表面等
の凹凸に対して十分に密着できる柔軟性を有するもので
あれば特に制限なく使用できる。また、装置稼動時の高
温下に長時間さらされても、光ファイバ構造体3及び水
冷ユニット5に固着しない非固着性を有するものであれ
ばより望ましい。このような条件を満たすものとして
は、例えば、耐熱性ゴムの中にそのゴムよりも熱伝導率
の高い物質を分散させたシートが挙げられる。具体的に
は、例えば、耐熱性ゴムとしてシリコンゴムを用い、そ
の内部にボロンナイトライドを分散させたものがある。
さらに、機械的強度の向上のため、それらにグラスファ
イバを添加したものを用いてもよい。
【0024】光ファイバ構造体3の底面に密着して配置
された熱伝導シート4の底面には、水冷ユニット5が密
着して配置される。水冷ユニット5は、その内部に複数
の水路を有し、その水路に冷却水を循環させることによ
って装置の冷却を行う。
【0025】水冷ユニット5は、装置の冷却効率を高め
るために平板構造となっていることが望ましい。また、
材料としては、熱伝導性が高く、ある程度の耐熱性があ
れば特に制限なく使用できるが、熱伝導性及び軽量性を
考慮しアルミニウムが望ましい。さらに、使用環境に応
じ、その他の熱伝導率の高い金属、例えば銅等を用いる
こととしてもよい。
【0026】次に、図1及び図2を用いて、光ファイバ
レーザ装置1の動作について説明する。光ファイバレー
ザ装置1を用いてレーザ光の出力を行う場合、まず、図
示していないLD光源によって、レンズダクト2へ励起
光を導入する。レンズダクト2へ導入された励起光は、
レンズダクト2によって光ファイバ構造体3の円盤側面
から光ファイバ構造体3の中心方向に導入される。
【0027】低屈折率層3aの屈折率は封止樹脂3dの
屈折率よりも小さいため、光ファイバ構造体3に導入さ
れた励起光は低屈折率層3aと封止樹脂3dとの境界部
分で全反射し、光ファイバ構造体3の内部に閉じ込めら
れる。この際、光ファイバ構造体3の内部に閉じ込めら
れた励起光は、この境界部分で全反射を繰り返しながら
光ファイバ構造体3の内部に構成されるコア3caを横
切り、コア3caの内部に存在するレーザ活性物質を励
起する。これにより、光ファイバ構造体3の内部に導入
された励起光は、レーザ活性物質に吸収され、或いはそ
の他の損失によって、そのエネルギーを喪失するまで、
光ファイバ構造体の内部に存在し、コア3caの内部の
レーザ活性物質を有効に励起し続けることとなる。
【0028】このように励起光が導入されたレーザ活性
物質はレーザ光を発生し、発生したレーザ光はコア3c
aとクラッド層3cbとの境界面で全反射しながら、コ
ア3caの内部を進行する。コア3caの内部を進行し
たレーザ光は光ファイバ3cの両端に達し、そのうち光
ファイバ構造体3の中心に位置する反射鏡3eが取付け
られた一端に達したレーザ光は、反射鏡3eで全反射す
ることによってその進行方向を変え、再びコア3ca内
部を進行する。これにより、発生したレーザ光はレーザ
引出し用光ファイバ3fが取りつけられた一端に集約す
ることが可能となり、その一端に達したレーザ光はレー
ザ引出し用光ファイバ3fから取出されることとなる。
【0029】以上のように、光ファイバ構造体3に導入
された励起光はレーザ活性物質の励起に用いられること
となるが、その一部は、低屈折率層3aと封止樹脂3d
との境界面、クラッド層3caと封止樹脂3dとの境界
面、レーザ活性物質、内部に存在する不純物等での損失
によって熱に変換されることとなる。また、この際、レ
ンズダクトに励起光を導入するLD光源自体も発熱する
こととなる。このように光ファイバ構造体3等で発生し
た熱は光ファイバ構造体3に密着した熱伝導シート4に
効率良く伝えられ、熱伝導シート4に伝わった熱は水冷
ユニット5に伝えられることとなる。水冷ユニット5に
到達した熱はその内部を流動する冷却水に伝えられ、そ
の冷却水の流動によって外部に放出されることとなる。
これにより、励起光の導入によって発生した光ファイバ
構造体3の熱を効率良く放出することが可能となる。
【0030】図3は、本形態における光ファイバレーザ
装置1の具体的な構成例を示した組み立て図である。図
3の例では、水冷ユニット5に給水口5a及び排出口5
bが設けられており、この給水口5aから水冷ユニット
5に冷却水を導入し、導入された冷却水は水冷ユニット
5内部を流動した後、排出口5bから排出される。水冷
ユニット5の上面には熱伝導シート4が密着して配置さ
れ、さらに熱伝導シート4の上面には光ファイバ構造体
3が密着して配置される。そして、その上面には、内部
を保護するための本体カバー6が配置される。
【0031】このように、本形態では、光ファイバ構造
体3の底面に熱伝導シート4を密着させて配置し、さら
に、その熱伝導シート4の底面に水冷ユニット5を密着
して配置することとしたため、光ファイバ構造体3の外
部表面に凹凸がある場合であっても、励起光導入時にお
いて光ファイバ構造体3に生じる熱を効率良く水冷ユニ
ット5に伝えることが可能となり、装置の放熱を効率良
く行うことが可能となる。
【0032】なお、本形態では、光ファイバ3cを渦巻
き状に巻きつけて配置し、封止樹脂3dで封止で固める
ことにより、光ファイバ構造体3を構成することとした
が、光ファイバを複数回折り返し、或いは円筒状に巻き
つけられた光ファイバを押し倒す等により光ファイバを
平面状に配置し、それを封止樹脂で板状に封止して、光
ファイバ構造体3を構成することとしてもよい。
【0033】また、本形態では、光ファイバ3cを封止
樹脂3dで封止して光ファイバ構造体3を構成すること
としたが、封止樹脂3dを用いず、各光ファイバ間を溶
着し、或いは、クラッド層3cbと屈折率の等しいオイ
ルで光ファイバ間の隙間を満たすことにより光ファイバ
構造体3を構成することとしてもよい。
【0034】さらに、本形態では、熱伝導シート4を光
ファイバ構造体3の底面のみに配置し、さらにその底面
に水冷ユニット5を配置することとしたが、光ファイバ
構造体3の上下面、或いはそれに加えて側面にも熱伝導
シートを配置し、それらに水冷ユニットを密着させて配
置する構成としてもよい。
【0035】また、本形態では、熱伝導シート4を低屈
折率層3aと水冷ユニット5との間に介在させることと
したが、熱伝導性シート4を用いず、低屈折率層3aに
直接水冷ユニット5を密着させて配置させる構成として
もよい。この場合、低屈折率層3aとしては、流動性を
有し、光ファイバ3cのクラッド層3cb及び封止樹脂
3dよりも屈折率が小さく、励起光を透過する物質を用
いることが望ましい。このような構成にすることによ
り、低屈折率層3aが励起光を光ファイバ構造体3に閉
じ込める働き、及び光ファイバ構造体3から水冷ユニッ
ト5への熱伝導性を高める働きの両方を兼ねることとな
り、部品点数の削減を図ることができる。なお、この場
合の低屈折率層3aの厚みは、100μm以下であるこ
とが望ましい。
【0036】さらに、本形態では、レーザ光の発生を行
う光ファイバレーザ装置1について説明したが、本発明
を、光ファイバレーザ装置1の構成から反射鏡3eを排
除し、光ファイバ3cの一端から入力光を入力させた光
を増幅して他の一端から出力する光増幅装置に対して適
用することとしてもよい。
【0037】次に、本発明における第2の実施の形態に
ついて説明する。本形態は、第1の実施の形態における
光ファイバレーザ装置1の変形例である。第1の実施の
形態では、水冷により光ファイバレーザ装置1の冷却を
行っていたが、第2の実施の形態では空冷によって光フ
ァイバレーザ装置の冷却を行う。なお、以下の説明で
は、第1の実施の形態との相違点を中心に説明を行い、
第1の実施の形態と共通する事項については説明を省略
する。
【0038】図4は、本形態における光ファイバレーザ
装置10の構成を示した組み立て図である。光ファイバ
レーザ装置10では、光ファイバ構造体3の上下面に熱
伝導シート14a、14bを密着させて配置し、さら
に、それぞれの熱伝導シート14a、14bに空冷ユニ
ット15、16を密着させて配置する。
【0039】空冷ユニット15、16は、熱伝導シート
14a、14bとの密着性を高めるため、その内面は平
坦であることが望ましい。一方、それぞれの外面には、
複数の放熱フィン15a、16aが構成される。放熱フ
ィン15a、16aは、空冷ユニット15、16の外面
に複数構成されたひだ状の突起物であり、空冷ユニット
15、16が外気に接する表面積を広くとり、空冷ユニ
ット15、16の放熱効果を高める働きをする。放熱フ
ィン15a、16aの形状としては、このように外気に
対する表面積を広くとれる構造であれば特に制限はな
い。また、材料としては、熱伝導性が高く、ある程度の
耐熱性があれば特に制限なく使用できるが、熱伝導性及
び軽量性を考慮しアルミニウムが望ましい。さらに、使
用環境に応じ、その他の熱伝導率の高い金属、例えば銅
等を用いることとしてもよい。
【0040】このような構成をとることにより、励起光
導入により光ファイバ構造体3に発生した熱は、光ファ
イバ構造体3に密着された熱伝導シート14a、14b
に効率良く伝わり、さらに、熱伝導シート14a、14
bに伝わった熱は、それに密着された空冷ユニット1
5、16に効率良く伝わり、それぞれの放熱フィン15
a、16aから外気中に放熱される。
【0041】このように、空冷ユニット15、16によ
って冷却を行うこととしても、第1の実施の形態と同様
な効果を得ることが可能となる。なお、本形態では、空
冷ユニット15、16のみによって冷却を行うこととし
たが、空冷ユニット15、16の内部に冷却水を流動さ
せる構成とし、空冷と水冷とによって冷却を行う構成と
してもよい。
【0042】また、本形態では、光ファイバ構造体3の
上下に空冷ユニット15、16を配置することとした
が、上下どちらか一方のみに空冷ユニットを配置する構
成としてもよい。
【0043】さらに、本形態では、熱伝導シート14
a、14bを光ファイバ構造体3の低屈折率層3aと空
冷ユニット15、16との間に介在させることとした
が、熱伝導性シート14a、14bを用いず、低屈折率
層3aに直接空冷ユニット15、16を密着させて配置
させる構成としてもよい。この場合、低屈折率層3aと
しては、流動性を有し、光ファイバ3cのクラッド層3
cb及び封止樹脂3dよりも屈折率が小さく、励起光を
透過する物質を用いることが望ましい。このような構成
にすることにより、低屈折率層3aが励起光を光ファイ
バ構造体3に閉じ込める働き、及び光ファイバ構造体3
から空冷ユニット15、16への熱伝導性を高める働き
の両方を兼ねることとなり、部品点数の削減を図ること
ができる。なお、この場合の低屈折率層3aの厚みは、
100μm以下であることが望ましい。
【0044】また、本形態では、レーザ光の発生を行う
光ファイバレーザ装置10について説明したが、本発明
を、光増幅装置に対して適用することとしてもよい。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように本発明の光ファイバ
レーザ装置では、光ファイバ構造体の外部に低屈折率部
を設け、さらにその外部に熱伝導部を密着させて設け、
その熱伝導部を冷却ユニットに密着させることとしたた
め、光ファイバ構造体の外部表面に凹凸がある場合であ
っても、励起光導入時において光ファイバ構造体に生じ
る熱を効率良く冷却ユニットに伝えることが可能とな
り、装置の放熱を効率良く行うことが可能となる。
【0046】また、本発明の光ファイバレーザ装置で
は、光ファイバ構造体の外部に低屈折率部を設け、その
低屈折率部に冷却ユニットに密着させることとしたた
め、部品点数を増やすことなく、装置の放熱を効率良く
行うことができる。
【0047】さらに、熱伝導部として熱伝導性シートを
用いることにより、メンテナンスの容易性を維持しつ
つ、装置の放熱を効率良く行うことができる。また、本
発明の光増幅装置では、光ファイバ構造体の外部に低屈
折率部を設け、さらにその外部に熱伝導部を密着させて
設け、その熱伝導部を冷却ユニットに密着させることと
したため、光ファイバ構造体の外部表面に凹凸がある場
合であっても、励起光導入時において光ファイバ構造体
に生じる熱を効率良く冷却ユニットに伝えることが可能
となり、装置の放熱を効率良く行うことが可能となる。
【0048】さらに、本発明の光増幅装置では、光ファ
イバ構造体の外部に低屈折率部を設け、その低屈折率部
に冷却ユニットに密着させることとしたため、部品点数
を増やすことなく、装置の放熱を効率良く行うことがで
きる。
【0049】また、熱伝導部として熱伝導性シートを用
いることにより、メンテナンスの容易性を維持しつつ、
装置の放熱を効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光ファイバレーザ装置の断面図である。
【図2】光ファイバレーザ装置の平面図である。
【図3】光ファイバレーザ装置の構成を示した組み立て
図である。
【図4】光ファイバレーザ装置の構成を示した組み立て
図である。
【符号の説明】
1、10 光ファイバレーザ装置 2 レンズダクト 3 光ファイバ構造体 3a 低屈折率層 3c 光ファイバ 3ca コア 3cb クラッド層 3d 封止樹脂 4、14a、14b 熱伝導シート 5 水冷ユニット 15、16 空冷ユニット 15a、16a 放熱フィン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H038 AA61 BA45 2H050 AB18X AD12 BB04S BB08S 5F072 AB08 AK06 FF09 JJ20 PP07 TT01 TT22

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ活性物質に励起光を導入してレー
    ザ光を発生する光ファイバレーザ装置において、 前記レーザ活性物質を有するコアと、前記コアを取り囲
    むクラッド層とを有する光ファイバが配置される光ファ
    イバ構造体と、 前記レーザ活性物質に前記励起光を導入する励起光導入
    部と、 少なくとも前記クラッド層の屈折率よりも小さな屈折率
    を有し、前記光ファイバ構造体の表面に一体に又は別体
    として密着して設けられ、前記励起光を前記光ファイバ
    構造体の内部に閉じ込める低屈折率部と、 前記低屈折率部の外部に密着して設けられる熱伝導部
    と、 前記熱伝導部に密着して配置される冷却ユニットと、 を有することを特徴とする光ファイバレーザ装置。
  2. 【請求項2】 レーザ活性物質に励起光を導入してレー
    ザ光を発生する光ファイバレーザ装置において、 前記レーザ活性物質を有するコアと、前記コアを取り囲
    むクラッド層とを有する光ファイバが配置される光ファ
    イバ構造体と、 前記レーザ活性物質に前記励起光を導入する励起光導入
    部と、 少なくとも前記クラッド層の屈折率よりも小さな屈折率
    を有し、前記光ファイバ構造体の表面に一体に又は別体
    として密着して設けられ、前記励起光を前記光ファイバ
    構造体の内部に閉じ込める低屈折率部と、 前記低屈折率部に密着して配置される冷却ユニットと、 を有することを特徴とする光ファイバレーザ装置。
  3. 【請求項3】 前記光ファイバ構造体は、前記励起光を
    透過する封止物質が、前記光ファイバを覆うことによっ
    て構成され、前記低屈折率部の屈折率は、前記封止物質
    の屈折率よりも小さいことを特徴とする請求項1又は2
    記載の光ファイバレーザ装置。
  4. 【請求項4】 前記熱伝導部は、柔軟性を有する熱伝導
    性シートであることを特徴とする請求項1〜3のいづれ
    か1項に記載の光ファイバレーザ装置。
  5. 【請求項5】 前記光ファイバ構造体は板状に形成さ
    れ、前記熱伝導部は、前記ファイバ構造体の表裏面少な
    くとも一方側に配置されることを特徴とする請求項1又
    は2に記載の光ファイバレーザ装置。
  6. 【請求項6】 レーザ活性物質に励起光を導入して光の
    増幅を行う光増幅装置において、 前記レーザ活性物質を有するコアと、前記コアを取り囲
    むクラッド層とを有する光ファイバが配置される光ファ
    イバ構造体と、 前記レーザ活性物質に前記励起光を導入する励起光導入
    部と、 少なくとも前記クラッド層の屈折率よりも小さな屈折率
    を有し、前記光ファイバ構造体の表面に一体に又は別体
    として密着して設けられ、前記励起光を前記光ファイバ
    構造体の内部に閉じ込める低屈折率部と、 前記低屈折率部の外部に密着して設けられる熱伝導部
    と、 前記熱伝導部に密着して配置される冷却ユニットと、 を有することを特徴とする光増幅装置。
  7. 【請求項7】 レーザ活性物質に励起光を導入して光の
    増幅を行う光増幅装置において、 前記レーザ活性物質を有するコアと、前記コアを取り囲
    むクラッド層とを有する光ファイバが配置される光ファ
    イバ構造体と、 前記レーザ活性物質に前記励起光を導入する励起光導入
    部と、 少なくとも前記クラッド層の屈折率よりも小さな屈折率
    を有し、前記光ファイバ構造体の表面に一体に又は別体
    として密着して設けられ、前記励起光を前記光ファイバ
    構造体の内部に閉じ込める低屈折率部と、 前記低屈折率部に密着して配置される冷却ユニットと、 を有することを特徴とする光増幅装置。
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