JP2001116516A - 3次元画像検出装置 - Google Patents

3次元画像検出装置

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JP2001116516A JP2000235651A JP2000235651A JP2001116516A JP 2001116516 A JP2001116516 A JP 2001116516A JP 2000235651 A JP2000235651 A JP 2000235651A JP 2000235651 A JP2000235651 A JP 2000235651A JP 2001116516 A JP2001116516 A JP 2001116516A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光を照射して被写体の3次元形状を検出する
3次元画像検出装置において、測距光の発光とCCDで
の電荷の蓄積のタイミングを被写体の距離に応じて自動
的に調整する。 【解決手段】 被写体に向け測距光を一定時間照射す
る。被写体からの反射光をストロボ用調光センサで受光
する。ストロボ用調光センサで受光された反射光の光量
から被写体までの距離を概算する。概算された距離から
遅延時間Δt1 を求める。パルス状の測距光S’3を被
写体に照射し、測距光S’3が立ち下がってからΔt1
時間経過後、CCDでの蓄積期間TU1にわたる電荷の蓄
積を開始する。蓄積期間TU1にCCDで受光される反射
光S’4の斜線部から被写体の3次元形状に関する距離
情報が算出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光伝播時間測定法
を用いて被写体の3次元形状等を検出する3次元画像検
出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来3次元画像入力装置における3次元
計測では、光伝播時間測定法を利用したものが知られて
いる。「Measurement Science and Technology」(S. C
hristie 他、vol.6, p1301-1308, 1995 年)に記載され
た3次元画像入力装置では、パルス変調されたレーザ光
が被計測物体(被写体)に照射され、その反射光がイメ
ージインテンシファイアが取付けられた2次元CCDセ
ンサによって受光され、電気信号に変換される。イメー
ジインテンシファイアはレーザ光のパルス発光に同期し
たゲートパルスによってシャッタ制御される。この構成
によれば、遠い被計測物体からの反射光による受光量は
近い被計測物体からの反射光による受光量に比べて小さ
いので、被計測物体の距離に応じた出力がCCDの各画
素毎に得られる。
【0003】一方、国際公開97/01111号公報に開示され
た装置では、パルス変調されたレーザ光等の光が被計測
物体に照射され、その反射光がメカニカル又は液晶素子
等から成る電気光学的シャッタと組み合わされた2次元
CCDセンサによって受光され、電気信号に変換され
る。そのシャッタは、測距光のパルスとは異なるタイミ
ングで制御され、距離情報がCCDの各画素毎に得られ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの3次元画像検
出装置で計測可能な距離は、測距光を照射する光源の駆
動タイミングとシャッタを駆動するタイミングとによっ
て決定する。したがって、被写体の距離計測を広い範囲
にわたって行なうには、光源とシャッタの駆動タイミン
グを予め適正なタイミングに調整しておく必要がある。
【0005】本発明は、3次元画像検出装置で被写体の
距離を計測する際に、光源とシャッタの駆動タイミング
を自動的に調整する3次元画像検出装置を得ることを目
的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の3次元画像検出
装置は、第1の測距光を被写体に照射する第1の光源
と、第1の測距光の被写体からの第1の反射光を受光
し、受光量に応じた第1の信号電荷を蓄積可能な撮像部
と、第1の信号電荷に基づいて被写体の3次元形状を検
出する3次元計測手段と、被写体までの距離に関する情
報であるプリ測距情報を検出するプリ測距手段と、第1
の光源の発光と第1の信号電荷の蓄積とが行われるタイ
ミングをプリ測距情報に基づいて調整するタイミング調
整手段とを備えることを特徴としている。
【0007】3次元画像検出装置は好ましくは、第2の
測距光を被写体に照射する第2の光源と、第2の測距光
の被写体から第2の反射光を受光検出する受光部とを備
え、プリ測距手段は受光部における第2の反射光の検出
結果に基づいてプリ測距情報を得る。受光部は好ましく
は、受光量に応じた第2の信号電荷を蓄積可能な調光部
であり、プリ測距手段は第2の信号電荷に基づいてプリ
測距情報を得る。このとき第2の光源として例えば、第
1の光源またはストロボ発光装置が用いられる。
【0008】またプリ測距手段において、調光部は好ま
しくはストロボ用調光センサと積分コンデンサとによっ
て構成され、ストロボ用調光センサは例えばフォトダイ
オードである。このとき例えば、第2の測距光の被写体
からの反射光が逆バイアスを印加されたフォトダイオー
ドで受光されることにより、フォトダイオードに逆電流
が流れ、積分コンデンサで第2の信号電荷が蓄積され、
積分コンデンサに生じる電位差からプリ測距情報を検出
する。
【0009】プリ測距手段は例えば、第2の反射光の受
光部での受光位置を用いた三角測距によりプリ測距情報
を得る。このとき受光部はPSD(position sensitive
diode )であることが好ましい。
【0010】第1の測距光は好ましくは、撮像部におけ
る電荷の蓄積が始まる前に照射され、第1の信号電荷が
撮像部における電荷の蓄積が開始してから第1の反射光
の撮像部における受光が終了するまでの間蓄積されるよ
うにタイミング調整手段が駆動されることにより、被写
体の3次元形状に係る距離情報が検出される。このと
き、第1の反射光の全てが撮像部における電荷の蓄積が
行われている間に受光されるようにタイミング調整手段
を駆動し、距離情報に含まれる被写体の反射率に依存す
る反射率情報を検出することが好ましい。これにより3
次元計測手段において反射率の影響が低減できる。
【0011】また、タイミング調整手段によるタイミン
グの調整において、撮像部での電荷の蓄積のタイミング
が第1の光源の発光のタイミングから相対的に一定の時
間ずれて行われる。このとき好ましくは、プリ測距情報
と一定の時間との対応関係を予めメモリに記録し、メモ
リに記録された対応関係にしたがってタイミングの調整
が行われる。これによりプリ測距情報に基づくタイミン
グの調整を迅速かつ簡便に行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施形態
であるカメラ型の3次元画像検出装置の斜視図である。
【0013】カメラ本体10の前面において、撮影レン
ズ11の左上にはファインダ窓12が設けられ、右上に
はストロボ13が設けられている。ストロボ13の左隣
には、ストロボ用調光受光センサ(フォトダイオード
(PD))23が配置されている。カメラ本体10の上
面において、撮影レンズ11の真上には、測距光である
レーザ光を照射する発光装置14が配設されている。発
光装置14の左側にはレリーズスイッチ15、液晶表示
パネル16が設けられ、右側にはモード切替ダイヤル1
7とV/Dモード切替スイッチ18が設けられている。
カメラ本体10の側面には、ICメモリカード等の記録
媒体を挿入するためのカード挿入口19が形成され、ま
たビデオ出力端子20およびインターフェースコネクタ
21が設けられている。
【0014】図2は図1に示すカメラの回路構成を示す
ブロック図である。撮影レンズ11の中には絞り25が
設けられている。絞り25の開度はアイリス駆動回路2
6によって調整される。撮影レンズ11の焦点調節動作
およびズーミング動作はレンズ駆動回路27によって制
御される。
【0015】撮影レンズ11の光軸上にはCCD(撮像
部)28が配設されている。CCD28には、撮影レン
ズ11によって被写体像が形成され、被写体像に対応し
た電荷が発生する。CCD28における電荷の蓄積動
作、電荷の読出動作等の動作はCCD駆動回路30によ
って制御される。CCD28から読み出された電荷信号
すなわち画像信号はアンプ31において増幅され、A/
D変換器32においてアナログ信号からデジタル信号に
変換される。デジタルの画像信号は撮像信号処理回路3
3においてガンマ補正等の処理を施され、画像メモリ3
4に一時的に格納される。アイリス駆動回路26、レン
ズ駆動回路27、CCD駆動回路30、撮像信号処理回
路33はシステムコントロール回路35によって制御さ
れる。
【0016】画像信号は画像メモリ34から読み出さ
れ、LCD駆動回路36に供給される。LCD駆動回路
36は画像信号に応じて動作し、これにより画像表示L
CDパネル37には、画像信号に対応した画像が表示さ
れる。
【0017】カメラをカメラ本体10の外部に設けられ
たモニタ装置とケーブルで接続すれば、画像メモリ34
から読み出された画像信号はTV信号エンコーダ38、
ビデオ出力端子20を介してモニタ装置に伝送可能であ
る。またシステムコントロール回路35はインターフェ
ース回路40に接続されており、インターフェース回路
40はインターフェースコネクタ21に接続されてい
る。したがってカメラをカメラ本体10の外部に設けら
れたコンピュータとインターフェースケーブルを介して
接続すれば、画像メモリ34から読み出された画像信号
をコンピュータに伝送可能である。システムコントロー
ル回路35は、記録媒体制御回路42を介して画像記録
装置43に接続されている。したがって画像メモリ34
から読み出された画像信号は、画像記録装置43に装着
されたICメモリカード等の記録媒体Mに記録可能であ
る。
【0018】発光装置14は発光素子14aと照明レン
ズ14bにより構成され、発光素子14aの発光動作は
発光素子制御回路44によって制御される。発光素子1
4aはレーザダイオード(LD)であり、照射されるレ
ーザ光は被写体の距離を検出するための測距光として用
いられる。このレーザ光は照明レンズ14bを介して被
写体の全体に照射される。3次元計測では、被写体で反
射し撮影レンズ11に入射したレーザ光をCCD28で
検出することにより、被写体の表面形状に関する距離情
報が得られる。これに対し、3次元計測を行なう前に行
われ、被写体までの距離を検出するプリ測距では、発光
装置14aで照射されたレーザ光がストロボ用受光セン
サ23で受光検知され、被写体までの概ねの距離が検出
される。
【0019】ストロボ用調光センサ23は調光回路29
に接続されている。ストロボ発光時、調光回路29はス
トロボ用調光センサ23で受光される光量にしたがって
ストロボ回路24にクエンチ信号を送りストロボ13の
発光時間を制御する。またプリ測距時、ストロボ用調光
センサ23からの信号は、調光回路29を経てA/Dコ
ンバータ39へ送られA/D変換される。A/D変換さ
れた信号はシステムコントロール回路35へ出力され
る。なお調光回路29は、システムコントロール回路3
5によって制御される。
【0020】システムコントロール回路35には、レリ
ーズスイッチ15、モード切替ダイヤル17、V/Dモ
ード切替スイッチ18から成るスイッチ群45と、液晶
表示パネル(表示素子)16とが接続されている。
【0021】次に図3および図4を参照して、本実施形
態における距離測定の原理について説明する。なお図4
において横軸は時間tである。
【0022】距離測定装置Bから出力された測距光は被
写体Sにおいて反射し、図示しないCCDによって受光
される。測距光は所定のパルス幅Hを有するパルス状の
光であり、したがって被写体Sからの反射光も、同じパ
ルス幅Hを有するパルス状の光である。また反射光のパ
ルスの立ち上がりは、測距光のパルスの立ち上がりより
も時間δ・t(δは遅延係数)だけ遅れる。測距光と反
射光は距離測定装置Bと被写体Sの間の2倍の距離rを
進んだことになるから、その距離rは r=δ・t・C/2 ・・・(1) により得られる。ただしCは光速である。
【0023】例えば測距光のパルスの立ち上がりから反
射光を検知可能な状態に定め、反射光のパルスが立ち下
がる前に検知不可能な状態に切換えるようにすると、す
なわち反射光検知期間Tを設けると、この反射光検知期
間Tにおける受光量Aは距離rの関数である。すなわち
受光量Aは、距離rが大きくなるほど(時間δ・tが大
きくなるほど)小さくなる。
【0024】本実施形態では上述した原理を利用して、
CCD28に設けられ、2次元的に配列された複数のフ
ォトダイオードにおいてそれぞれ受光量Aを検出するこ
とにより、カメラ本体10から被写体Sの表面の各点ま
での距離をそれぞれ検出し、被写体Sの表面形状に関す
る3次元画像のデータを一括して入力している。
【0025】図5は、CCD28に設けられるフォトダ
イオード51と垂直転送部52の配置を示す図である。
図6は、CCD28を基板53に垂直な平面で切断して
示す断面図である。このCCD28は従来公知のインタ
ーライン型CCDであり、不要電荷の掃出しにVOD
(縦型オーバーフロードレイン)方式を用いたものであ
る。
【0026】フォトダイオード51と垂直転送部52は
n型基板53の面に沿って形成されている。フォトダイ
オード51は2次元的に格子状に配列され、垂直転送部
52は所定の方向(図5において上下方向)に1列に並
ぶフォトダイオード51に隣接して設けられている。垂
直転送部52は、1つのフォトダイオード51に対して
4つの垂直転送電極52a,52b,52c,52dを
有している。したがって垂直転送部52では、4つのポ
テンシャルの井戸が形成可能であり、従来公知のよう
に、これらの井戸の深さを制御することによって、信号
電荷をCCD28から出力することができる。なお、垂
直転送電極の数は目的に応じて自由に変更できる。
【0027】基板53の表面に形成されたp型井戸の中
にフォトダイオード51が形成され、p型井戸とn型基
板53の間に印加される逆バイアス電圧によってp型井
戸が完全空乏化される。この状態において、入射光(被
写体からの反射光)の光量に応じた電荷がフォトダイオ
ード51において蓄積される。基板電圧Vsub を所定値
以上に大きくすると、フォトダイオード51に蓄積した
電荷は、基板53側に掃出される。これに対し、転送ゲ
ート部54に電荷転送信号(電圧信号)が印加されたと
き、フォトダイオード51に蓄積した電荷は垂直転送部
52に転送される。すなわち電荷掃出信号によって電荷
を基板53側に掃出した後、フォトダイオード51に蓄
積した信号電荷が、電荷転送信号によって垂直転送部5
2側に転送される。このような動作を繰り返すことによ
り、垂直転送部52において信号電荷が積分され、いわ
ゆる電子シャッタ動作が実現される。
【0028】図7は3次元計測におけるタイミングチャ
ートであり、図1、図2、図5〜図7を参照して本実施
形態における3次元計測について説明する。なお本実施
形態の3次元計測では、図4を参照して行なった距離測
定の原理の説明とは異なり、外光の影響による雑音を低
減するために測距光のパルスの立ち下がりから反射光を
検知可能な状態に定め、反射光のパルスが立ち下がった
後に検知不可能な状態に切換えるようにタイミングチャ
ートを構成しているが原理的には何ら異なるものではな
い。
【0029】垂直同期信号(図示せず)の出力に同期し
て電荷掃出し信号(パルス信号)S1が出力され、これ
によりフォトダイオード51に蓄積していた不要電荷が
基板53の方向に掃出され、フォトダイオード51にお
ける蓄積電荷量はゼロになる(符号S2)。電荷掃出し
信号S1の出力の開始の後、一定のパルス幅を有するパ
ルス状の測距光S3が出力される。測距光S3が出力さ
れる期間(パルス幅)は調整可能であり、図示例では、
電荷掃出し信号S1の出力と同時に測距光S3がオフす
るように調整されている。
【0030】測距光S3は被写体において反射し、CC
D28に入射する。すなわちCCD28によって被写体
からの反射光S4が受光されるが、電荷掃出し信号S1
が出力されている間は、フォトダイオード51において
電荷は蓄積されない(符号S2)。電荷掃出し信号S1
の出力が停止されると、フォトダイオード51では、反
射光S4の受光によって電荷蓄積が開始され、反射光S
4と外光とに起因する信号電荷S5が発生する。反射光
S4が消滅すると(符号S6)フォトダイオード51で
は、反射光に基く電荷蓄積は終了するが(符号S7)、
外光のみに起因する電荷蓄積が継続する(符号S8)。
【0031】その後、電荷転送信号S9が出力される
と、フォトダイオード51に蓄積された電荷が垂直転送
部52に転送される。この電荷転送は、電荷転送信号の
出力の終了(符号S10)によって完了する。すなわ
ち、外光が存在するためにフォトダイオード51では電
荷蓄積が継続するが、電荷転送信号の出力が終了するま
でフォトダイオード51に蓄積されていた信号電荷S1
1が垂直転送部52へ転送される。電荷転送信号の出力
終了後に蓄積している電荷S14は、そのままフォトダ
イオード51に残留する。
【0032】このように電荷掃出し信号S1の出力の終
了から電荷転送信号S9の出力が終了するまでの期間T
U1の間、フォトダイオード51には、被写体までの距離
に対応した信号電荷が蓄積される。そして、反射光S4
の受光終了(符号S6)までフォトダイオード51に蓄
積している電荷が、被写体の距離情報と対応した信号電
荷S12(斜線部)として垂直転送部52へ転送され、
その他の信号電荷S13は外光のみに起因するものであ
る。
【0033】電荷転送信号S9の出力から一定時間が経
過した後、再び電荷掃出し信号S1が出力され、垂直転
送部52への信号電荷の転送後にフォトダイオード51
に蓄積された不要電荷が基板53の方向へ掃出される。
すなわち、フォトダイオード51において新たに信号電
荷の蓄積が開始する。そして、上述したのと同様に、電
荷蓄積期間TU1が経過したとき、信号電荷は垂直転送部
52へ転送される。
【0034】このような信号電荷S11の垂直転送部5
2への転送動作は、次の垂直同期信号が出力されるま
で、繰り返し実行される。これにより垂直転送部52に
おいて、信号電荷S11が積分され、1フィールドの期
間(2つの垂直同期信号によって挟まれる期間)に積分
された信号電荷S11は、その期間被写体が静止してい
ると見做せれば、被写体までの距離情報に対応してい
る。
【0035】以上説明した信号電荷S11の検出動作は
1つのフォトダイオード51に関するものであり、全て
のフォトダイオード51においてこのような検出動作が
行なわれる。1フィールドの期間における検出動作の結
果、各フォトダイオード51に隣接した垂直転送部52
の各部位には、そのフォトダイオード51によって検出
された距離情報が保持される。この距離情報は垂直転送
部52における垂直転送動作および図示しない水平転送
部における水平転送動作によってCCD28から出力さ
れる。
【0036】しかしCCD28により検出された反射光
は、被写体の表面の反射率の影響を受けている。したが
って、この反射光を介して得られた距離情報は反射率に
起因する誤差を含んでいる。また、CCD28により検
出された反射光には、被写体からの反射光以外に外光等
の成分も含まれており、これに起因する誤差も存在す
る。これらの誤差を補正する方法については、次の3次
元計測のフローチャートの説明において述べる。
【0037】図11と図12は3次元計測のフローチャ
ートである。図1、図2、図7〜図12を参照して、本
実施形態における3次元計測について説明する。なお図
8〜図10は、距離補正情報、反射率情報および反射率
補正情報の検出動作におけるタイミングチャートであ
る。
【0038】ステップ101においてレリーズスイッチ
15が全押しされていることが確認されるとステップ1
02が実行され、ビデオ(V)モードと距離測定(D)
モードのいずれが選択されているかが判定される。これ
らのモード間における切替はV/Dモード切替スイッチ
18を操作することによって行なわれる。
【0039】Dモードが選択されているとき、ステップ
103においてプリ測距が行われる。その後ステップ1
04において垂直同期信号が出力されるとともに測距光
制御が開始される。すなわち発光装置14が駆動され、
パルス状の測距光S3が断続的に出力される。次いでス
テップ105が実行され、CCD28による検知制御が
開始される。すなわち図7を参照して説明した距離情報
検出動作が開始され、電荷掃出し信号S1と電荷転送信
号S9が交互に出力されて、距離情報の信号電荷S11
が垂直転送部52において積分される。
【0040】ステップ106では、距離情報検出動作の
開始から1フィールド期間が終了したか否か、すなわち
新たに垂直同期信号が出力されたか否かが判定される。
1フィールド期間が終了すると、1フィールド期間にわ
たる信号電荷S11の積分が完了し、積分された信号電
荷がステップ107においてCCD28から出力され
る。この積分された信号電荷は距離情報に対応し、ステ
ップ108において画像メモリ34に一時的に記憶され
る。ステップ109では測距光制御がオフ状態に切換え
られ、発光装置14の発光動作が停止する。
【0041】ステップ110〜113では、距離補正情
報の検出動作(図8参照)が行なわれる。まずステップ
110では、垂直同期信号が出力されるとともにCCD
28による検知制御が開始される。すなわち発光装置1
4の発光動作が行なわれることなく、光源が消灯された
状態で、電荷掃出し信号S21と電荷転送信号S22が
交互に出力される。電荷蓄積時間TU1は図7に示す距離
情報検出動作と同じであるが、被写体に測距光が照射さ
れないため(符号S23)、反射光は存在せず(符号S
24)。したがって、距離情報の信号電荷は発生しない
が、CCD28には外光等の外乱成分が入射するため、
この外乱成分に対応した信号電荷S25が発生し、電荷
転送信号S22の出力によって、それまでフォトダイオ
ードに蓄積していた信号電荷S26が垂直転送部へ転送
される。この信号電荷S26は、外乱成分が距離情報に
及ぼす影響を補正するための、電荷蓄積時間TU1に対す
る距離補正情報に対応している。
【0042】ステップ111では、距離補正情報の検出
動作の開始から1フィールド期間が終了したか否か、す
なわち新たに垂直同期信号が出力されたか否かが判定さ
れる。1フィールド期間が終了すると信号電荷S26の
1フィールド期間にわたる積分が完了し、ステップ11
2においてこの積分された信号電荷がCCD28から出
力される。この積分された信号電荷は距離補正情報に対
応し、ステップ113において画像メモリ34に一時的
に記憶される。
【0043】ステップ114〜118では、反射率情報
の検出動作(図9参照)が行なわれる。ステップ113
では、垂直同期信号が出力されるとともに測距光制御が
開始され、パルス状の測距光S33が断続的に出力され
る。ステップ115では、CCD28による検知制御が
開始され、電荷掃出し信号S31と電荷転送信号S35
が交互に出力される。電荷掃出し信号S31が出力され
ることによって、フォトダイオードにおける蓄積電荷量
はゼロになる(符号S32)。電荷掃出し信号S31の
出力が終了すると、測距光S33が出力され、CCDに
は反射光S34が入射する。反射光S34が消滅した
後、電荷転送信号S35が出力される。すなわち反射率
情報の検出動作は、電荷掃出し信号S31の出力が終了
してから電荷転送信号S35の出力が終了するまでの電
荷蓄積期間TU2内に、反射光S34の全てが受光される
ように制御される。
【0044】このようにフォトダイオード51では、 反
射光S34を受光している間は反射光S34と外光に起
因する信号電荷S36が蓄積され、また、反射光S34
を受光していない間は外光のみに起因する信号電荷S3
7、S38が蓄積される。そして電荷転送信号S35の
出力により、それまでのフォトダイオードに蓄積されて
いた信号電荷S39が垂直転送部へ転送される。この信
号電荷S39は反射率情報に対応し、外光に基く成分
S’39を含んでいる。
【0045】ステップ116では、反射率情報検出動作
の開始から1フィールド期間が終了したか否か、すなわ
ち新たに垂直同期信号が出力されたか否かが判定され
る。1フィールド期間が終了すると信号電荷S39の1
フィールド期間にわたる積分が完了し、ステップ117
においてこの積分された信号電荷がCCD28から出力
される。この積分された信号電荷は反射率情報に対応
し、ステップ118において画像メモリ34に一時的に
記憶される。ステップ119では測距光制御がオフ状態
に切換えられ、発光装置14の発光動作が停止する。
【0046】ステップ120〜123では、反射率補正
情報の検出動作(図10参照)が行なわれる。ステップ
120では、垂直同期信号が出力されるとともにCCD
28による検知制御が開始される。すなわち発光装置1
4の発光動作が行なわれることなく、光源が消灯された
状態で、電荷掃出し信号S41と電荷転送信号S42が
交互に出力される。電荷蓄積時間TU2は図9に示す反射
率情報検出動作と同じであるが、被写体に測距光が照射
されないため(符号S43)、反射光は存在せず(符号
S44)。したがって、反射率情報の信号電荷は発生し
ないが、CCD28には外光等の外乱成分に対応した信
号電荷S46が発生する。この信号電荷S46は、外乱
成分が電荷蓄積時間TU2に対する反射率情報に及ぼす影
響を補正するための反射率補正情報に対応している。
【0047】ステップ121では、反射率補正情報の検
出動作の開始から1フィールド期間が終了したか否か、
すなわち新たに垂直同期信号が出力されたか否かが判定
される。1フィールド期間が終了すると信号電荷S47
の1フィールド期間にわたる積分が完了し、ステップ1
22においてこの積分された信号電荷がCCD28から
出力される。この積分された信号電荷は反射率補正情報
に対応し、ステップ123において画像メモリ34に一
時的に記憶される。
【0048】ステップ124では、ステップ104〜1
23において得られた距離情報、距離補正情報、反射率
情報および反射率補正情報を用いて距離データの演算処
理が行なわれ、ステップ125において距離データが記
録媒体Mにも記録されてこの検出動作は終了する。一
方、ステップ102においてVモードが選択されている
と判定されたとき、ステップ126において測距光制御
がオフ状態に切換えられるとともに、ステップ127に
おいてCCD28による通常の撮影動作(CCDビデオ
制御)がオン状態に定められ、ステップ128で撮像さ
れた画像データが記録媒体Mに記録される。なおVモー
ドでは、ストロボ13を発光した撮影が可能であり、ス
トロボ13を発光して撮影が行なわれるときには、スト
ロボ用調光センサ23はストロボ13の発光の制御に用
いられる。
【0049】次にステップ124において実行される演
算処理の内容を図7〜図10を参照して説明する。反射
率Rの被写体が照明され、この被写体が輝度Iの2次光
源と見做されてCCDに結像された場合を想定する。こ
のとき、電荷蓄積時間tの間にフォトダイオード51に
発生した電荷が積分されて得られる出力Snは、 Sn=k・R・I・t ・・・(2) で表される。ここでkは比例定数で、撮影レンズのFナ
ンバーや倍率等によって変化する。
【0050】被写体がレーザ等の光源からの光で照明さ
れる場合、輝度Iはその光源による輝度IS と背景光に
よる輝度IB との合成されたものとなり、 I=IS +IB ・・・(3) と表せる。
【0051】図7に示されるように電荷蓄積時間を
U1、測距光S3のパルス幅をTS 、距離情報の信号電
荷S12のパルス幅をTD とし、1フィールド期間中の
その電荷蓄積時間がN回繰り返されるとすると、得られ
る出力SM10は、 SM10=Σ(k・R(IS ・TD +IB ・TU1)) =k・N・R(IS ・TD +IB ・TU1) ・・・(4) となる。なお、パルス幅TD は TD =δ・t =2r/C ・・・(5) と表せる。
【0052】図9に示されるようにパルス状の電荷蓄積
時間TU2が、測距光S23の期間(パルス幅)TS より
も十分大きく、反射光の単位受光時間を全部含むように
制御された場合に得られる出力SM20は、 SM20=Σ(k・R(IS ・TS +IB ・TU2)) =k・N・R(IS ・TS +IB ・TU2) ・・・(6) となる。
【0053】図8に示されるように発光を止めて、図7
と同じ時間幅でのパルス状の電荷蓄積を行なった場合に
得られる出力SM11は、 SM11=Σ(k・R・IB ・TU1) =k・N・R・IB ・TU1 ・・・(7) となる。同様に、図10に示されるような電荷蓄積を行
なった場合に得られる出力SM21は、 SM21=Σ(k・R・IB ・TU2) =k・N・R・IB ・TU2 ・・・(8) となる。
【0054】(4)、(6)、(7)、(8)式から、 SD =(SM10−SM11)/(SM20−SM21) =TD /TS ・・・(9) が得られる。
【0055】上述したように測距光S3と反射光S4に
はそれぞれ外光等の外乱成分(背景光による輝度IB
が含まれている。(9)式のTD /TS は、測距光S3
を照射したときの被写体からの反射光S4の光量を、測
距光S3の光量によって正規化したものであり、これ
は、測距光S3の光量(図7の信号電荷S11に相当)
から外乱成分(図8の信号電荷S26に相当)を除去し
た値と、反射光S4の光量(図9の信号電荷S39に相
当)から外乱成分(図10の信号電荷S’39に相当)
を除去した値との比に等しい。
【0056】(9)式の各出力値SM10、SM11、SM
20、SM21はステップ107、112、117、122
において、距離情報、距離補正情報、反射率情報、反射
率補正情報として格納されている。したがって、これら
の情報に基いて、TD /TSが得られる。パルス幅Ts
は既知であるから、(5)式とTD /TS から距離rが
得られる。すなわち 2r=C・TS ・(SM10−SM11)/(SM20−SM21) (10) と表せる。
【0057】しかし被写体までの距離rが大きくなり、
S =2r/Cとなる距離rS を超えると、反射光S4
は全て蓄積間TU1の間に受光されることとなり、距離情
報の検出ができなくなる。これを防ぐ1つの方法とし
て、測距光S3のパルス幅TSと蓄積期間TU1を大きく
し、測距レンジを広げることが考えられる。しかしフォ
トダイオード51に蓄積可能な電荷量には上限があるた
め、パルス幅TS を大きくし測距レンジを広げるには測
距光の放射パワー(パルスS3の高さ)を低くしなくて
はならない。測距光の放射パワーを低くすると距離情報
に対応する信号電荷S12の蓄積電荷量は小さくなる
が、外光により蓄積される信号電荷S13の蓄積電荷量
は変わらないのでS/N比が悪化する。
【0058】したがって本実施形態では、測距光S3の
パルス幅TS は変えず、測距光S3が照射されてから蓄
積期間TU1が開始するまでの時間を被写体の距離に応じ
て調整し、反射光の全てが蓄積期間内に受光されないよ
うに発光装置14およびCCD28を制御する。また反
射率情報を得る際にも、反射光S34が全て蓄積期間T
U2において受光されるように電荷掃出信号S31と電荷
転送信号S35の出力が制御される。
【0059】図13〜図15は、カメラから被写体まで
の距離が近距離、中距離、遠距離の場合について、測距
光S3、S33が発光されるタイミングと反射光S4、
S34がCCD28で受光されるタイミングを蓄積期間
U1とともにそれぞれ示している。なお、ここで蓄積期
間TU1はパルス幅TS よりも十分長く設定されているの
でTU2=TU1として、反射率情報を検出する際の蓄積期
間TU2を距離情報検出の際の蓄積期間TU1で表してい
る。
【0060】図13に示されるように被写体までの距離
が近いときには、測距光S3が立ち下がると略同時に蓄
積期間TU1が始まる。すなわち図13のタイミングチャ
ートに示される測距光S3の発光と蓄積期間TU1が設け
られるタイミングは、図7のタイミングチャートに示さ
れるものと同じである。図13の反射光S4の斜線部は
距離情報に対応する信号電荷で、図7のパルスS12に
対応しておりその幅はTD である。したがって被写体ま
での距離rは式(10)から求めることができる。また
このときの反射率情報も、図9で示されたタイミングに
より得ることができる。すなわち図13において、反射
光S34は蓄積期間TU1の間に全て受光される。
【0061】図14、図15では、測距光S’3、S”
3が立ち下がってからそれぞれΔt 1 、Δt2 の時間が
経過した後、フォトダイオード51における信号電荷の
蓄積が行われる。すなわち、測距光の立ち下がりと略同
時に信号電荷の蓄積が開始する図13の場合に比べ図1
4、図15での信号電荷の蓄積は時間Δt1 、Δt2
け遅れて開始する。この遅延された時間(遅延時間)を
Δtで表すと、被写体までの距離rとTD およびΔtと
の間には TD +Δt=2r/C ・・・(11) の関係がある。時間TD 、Δtの間に光りが進む距離を
それぞれ2rD 、2rtとするとこれらは rD =C・TD /2 rt =C・Δt/2 ・・・(12) となり、被写体までの距離rはこれらの和 r=rD +rt として求められる。距離rD は式(10)によって求め
られるので被写体までの距離rは r=C・(TS ・(SM10−SM11)/(SM20−SM21)+Δt)/2 ・・・(13) で算出される。なお式(10)は、式(13)のΔt=
0の場合に相当するので図13のタイミングチャートで
は、遅延時間Δt=0である。
【0062】反射率情報の検出においても距離情報の検
出と同様に、図14、図15での蓄積は、図13の蓄積
よりもΔt遅れて開始する。すなわち図13〜図15の
ように被写体までの距離が異なる場合においても、反射
光は常に蓄積期間の略同一の区間において受光され、被
写体までの距離が大きいために反射光の一部または全部
が蓄積期間外で受光されることはないので、被写体の遠
近によらず、反射率情報を正確に検出することができ
る。
【0063】このように距離情報および反射率情報の検
出において、信号電荷の蓄積を被写体の距離に応じてΔ
t時間遅延させ、蓄積期間内に受光される反射光から距
離r D を検出すれば、S/N比を悪化させることなく広
い測距レンジを得ることができる。なお遅延期間Δtは
ステップ103のプリ測距において求められる。
【0064】次に図16〜図20を参照して、プリ測距
における遅延時間Δtを求める方法について説明する。
【0065】図16は、第1の実施形態におけるプリ測
距の様子を模式的に表したものである。第1の実施形態
のプリ測距では、発光装置14から一定時間レーザ光を
照射し、被写体Sからの反射光をストロボ用調光センサ
23で受光し、その受光量により被写体までの距離を概
算して遅延時間Δtを算出する。
【0066】図17は、ステップ103で行われるプリ
測距に係る回路の構成を示すブロック図である。システ
ムコントロール回路35、ストロボ回路24、A/Dコ
ンバータ39、ストロボ用調光センサ(PD)23を除
く回路構成は、図2に示された調光回路29に対応す
る。
【0067】ストロボ用調光センサ23には、5Vの逆
バイアス電圧が印加されており、光を受光すると照度に
比例した逆電流iが矢印方向に流れる。このときコンデ
ンサCには電荷が蓄積され電位Vが生じる。電位VはA
/Dコンバータ39でデジタル信号に変換され、システ
ムコントロール回路35へ出力される。電圧比較回路4
5は、電位Vと基準電圧(電位)とを比較し、その差に
基づいてストロボ回路24にクエンチ信号を出力し、ス
トロボ13を発光する際に光量の制御を行なう。
【0068】コンデンサCに蓄積される電荷は、逆電流
iの大きさと、その流れた時間に相関する。発光装置1
4が発光する時間は一定なので、この反射光により逆電
流iが流れる時間は一定であり、コンデンサCに蓄積さ
れる電荷量は、ストロボ用調光センサ23で受光される
反射光の照度のみに依存する。ストロボ用調光センサ2
3で受光される反射光の照度は、光が反射した物体の距
離に相関しており、距離が離れているほどその照度は小
さくなる。したがってコンデンサCで生じる電位Vは、
被写体までの距離に相関している。なおコンデンサCに
蓄積された電荷は、スイッチSWをショートすることに
より放電される。
【0069】図18、はステップ103で実行されるプ
リ測距のフローチャートである。ステップ201では、
まずスイッチSWがショートされコンデンサCに蓄積さ
れている電荷が放電される。その後、発光素子(LD)
14aが一定の時間発光され、発光装置14からレーザ
光が被写体に向けて照射される。被写体からの反射光は
ストロボ用調光センサ23で受光され、ステップ202
においてその光量がコンデンサCで生じた信号電圧Vと
して検出される。ステップ203では、ステップ202
で検出された電圧信号をA/Dコンバータ39でデジタ
ル信号に変換し、システムコントロール回路35へ出力
する。
【0070】ステップ204では、システムコントロー
ル回路において信号電圧Vのレベルを基に被写体までの
距離rt が概算される。ステップ205では概算された
距離rt をもとに式(12)から遅延時間Δtの値が算
出され、このサブルーチンは終了する。これにより、ス
テップ105においてCCD28の検知制御を行なう電
荷掃出信号と電荷転送信号は、発光装置14の発光終了
から算出されたΔt時間だけ遅延されて出力される。
【0071】次にステップ204で実行される演算によ
り信号電圧Vから距離rt を算出する方法について説明
する。図19は、被写体までの距離rとコンデンサCで
生じた電位Vとの関係を概念的に示している。
【0072】一般に被写体までの距離rが大きくなるほ
ど、被写体で反射されストロボ用調光センサ23に戻っ
てくる光の量は減るので、コンデンサCで生じる電位V
は単調に減少し(r>rC )最終的には0となる。ただ
し発光装置14とストロボ用調光センサ23は一定の距
離隔てて配置されているので、被写体が極めて近接(r
≦rc )している場合には、反射した光の多くはストロ
ボ用調光センサ23で受光されずこの関係は成り立たな
い。本発明ではr>rc の領域にある被写体について3
次元計測を行なうので、この領域についてのみ考えれば
よい。このとき距離rに対して電位Vは単調減少するの
で検出された電位Vから距離rが一意的に算出できる。
【0073】例えば距離rと電位Vとの関係が図19の
ように直線Lで表されるとすると、その関係式は V=−(V0 /r0 )・r+V0 ・・・(14) である。ここでr0 、V0 はそれぞれ直線Lの横軸(距
離r)と縦軸(電位V)での切片の値である。したがっ
てコンデンサCで生じた電位がVt のとき、被写体まで
の距離rt は rt =V0 /(V0 −Vt ) ・・・(15) で求められる。したがって(12)式と(15)式から
Δtは Δt=2rt /C =2V0 /((V0 −Vt )・C) ・・・(16) により算出される。図20は、(14)式をグラフで表
したものであり、被写体までの距離rt と遅延時間Δt
との関係が表わされている。
【0074】なお(15)式で表される電位Vt と距離
t との関係や(16)式で表される距離rt (または
電位Vt )と遅延時間Δtとの関係は予め求められ、カ
メラのメモリに変換テーブルとして記録されている。例
えばデジタル化された電位V t の値毎にメモリが対応づ
けられており、対応づけられたメモリには、対応する遅
延時間Δtの値が記録されている。したがってステップ
204やステップ205で行われる演算や変換は、この
変換テーブルに基づいて行われる。このときシステムコ
ントロール回路35は、測距光の照射とCCD28での
信号電荷の蓄積が変換テーブルにより得られた遅延時間
Δtの間隔をおいて行われるように、発光素子制御回路
44およびCCD駆動回路30の駆動を制御する。
【0075】以上により、本発実施形態によれば、発光
装置14とストロボ用調光センサを用いて被写体のプリ
測距を行ない、求められた被写体までの概ねの距離から
3次元計測で用いる測距光の発光パルスと蓄積期間のタ
イミングを被写体の距離に応じて測距に最適なタイミン
グに調整できる。また本実施形態ではプリ測距のために
新に計測装置を設けず、3次元計測のための発光装置1
4とストロボ用調光センサを用いてプリ測距を行なって
いるので、簡単かつ安価にプリ測距を実現できる。
【0076】次に本発明の第2の実施形態について説明
する。図21は第2の実施形態におけるプリ測距の様子
を模式的に表したものである。第1の実施形態のプリ測
距では、発光装置14から一定の時間レーザ光が照射さ
れたが、第2の実施形態ではストロボ13から一定の時
間ストロボ光が照射され、被写体Sからの反射光をスト
ロボ用調光センサ23で受光し、その受光量により被写
体までの距離を概算して遅延時間Δtを算出する。プリ
測距用の光源としてストロボ13を用いること以外は、
第1の実施形態と同様である。
【0077】第2の実施形態においていも、プリ測距用
に新たな装置を設けていないので第1の実施形態と同様
の効果が得られる。
【0078】次に、図22から図25を参照して、本発
明の第3の実施形態について説明する。図22は、第3
の実施形態のカメラ型の3次元画像検出装置の斜視図で
ある。第3の実施形態の構成も、第1の実施形態と略同
様であるが、第3の実施形態では、プリ測距用の赤外線
発光装置60および受光装置61を備えており、プリ測
距はこれらの装置を用いて行われる。
【0079】図23は、図22に示すカメラの回路構成
を示すブロック図である。図23も、第1の実施形態に
おけるカメラの回路構成を示す図2と略同様であり、赤
外線発光装置60及び受光装置61に関わる部分のみが
異なる。すなわち、赤外線発光装置60は、赤外LED
62aからなり、測距回路63によりその発光は制御さ
れる。また、受光装置61は、PSD(position senit
ive diode)61aと集光レンズ61bからなり、PS
D61aで検出された信号は測距回路63において処理
される。測距装置63は、システムコントロール回路3
5によって制御され、測距回路63により検出されたプ
リ測距情報は、システムコントロール回路35へ出力さ
れる。なお、本図では、ストロボ13に関わる回路構成
は省略されている。
【0080】図24は、第3の実施形態におけるプリ測
距の様子を模式的に表わしたものである。第3の実施形
態のプリ測距では、赤外線発光装置60から赤外光が照
射され、被写体Sで反射された反射光を受光装置61の
PSD61aで検出することにより被写体Sまでの距離
が,三角測量法により求められる。
【0081】図25は、第3の実施形態のカメラにおい
て実行されるプリ測距のフローチャートである。第3の
実施形態においても、3次元計測全体のフローチャート
は図11、図12に示されたものと同様であり、異なる
のは、図11のステップ103の内容のみである。すな
わち、図25のフローチャートは、図11のステップ1
03(プリ測距)のサブルーチンを第3の実施形態につ
いて表わしたものである。
【0082】ステップ301では、赤外光が赤外LED
60aから照射される。被写体で反射された赤外光は、
ステップ302においてPSD61aで受光検出され
る。ステップ303では、反射赤外光のPSD61aで
の受光位置から被写体までの距離が概算される。ステッ
プ304では、ステップ303での距離演算により、距
離が確定したか否かが判定される。すなわち、反射され
た赤外光が受光されず、被写体までの距離が算出できな
い場合などを確認する。被写体までの距離が確定されて
いないと判定されると、処理はステップ301に戻り、
再度プリ測距のために赤外線の発光及び受光が行われ
る。一方、距離が確定されていると判定されたときに
は、図18のステップ205と同様にステップ305に
おいて、演算された距離から遅延量が求められこのサブ
ルーチンは終了する。なお、このとき距離と遅延量との
関係は第1の実施形態と同様、例えば予め用意された変
換テーブルなどにより行われる。
【0083】なお、第3の実施形態のPSDを用いたプ
リ測距は、一点測距装置であったが、専用のプリ測距装
置としては多点測距装置であってもよい。
【0084】以上により、本発実施形態によれば、被写
体をプリ測距することにより被写体までの距離を予め概
ね求められることから、3次元計測で用いる測距光の発
光パルスと蓄積期間のタイミングを被写体の距離に応じ
て測距に最適なタイミングに調整でき、より精度の高い
3次元計測を行うことができる。
【0085】なお、本実施形態において、プリ測距は全
てアクティブ方式で行われたが、パッシブ方式であって
もよい。
【0086】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、3次元画
像検出装置で被写体の距離を計測する際に、光源とシャ
ッタの駆動タイミングを自動的に調整する3次元画像検
出装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態であるカメラ型の3次
元画像検出装置の斜視図である。
【図2】図1に示すカメラの回路構成を示すブロック図
である。
【図3】測距光による距離測定の原理を説明するための
図である。
【図4】測距光、反射光、ゲートパルス、およびCCD
が受光する光量分布を示す図である。
【図5】CCDに設けられるフォトダイオードと垂直転
送部の配置を示す図である。
【図6】CCDを基板に垂直な平面で切断して示す断面
図である。
【図7】3次元計測で距離情報を検出する際のタイミン
グチャートである。
【図8】3次元計測で距離補正情報を検出する際のタイ
ミングチャートである。
【図9】3次元計測で反射率情報を検出する際のタイミ
ングチャートである。
【図10】3次元計測で反射率補正情報を検出する際の
タイミングチャートである。
【図11】3次元計測のフローチャートの前半部であ
る。
【図12】3次元計測のフローチャートの後半部であ
る。
【図13】被写体が近距離に存在する場合における測距
光の照射、反射光の受光、蓄積期間のタイミングチャー
トである。
【図14】被写体が中距離に存在する場合における測距
光の照射、反射光の受光、蓄積期間のタイミングチャー
トである。
【図15】被写体が遠距離に存在する場合における測距
光の照射、反射光の受光、蓄積期間のタイミングチャー
トである。
【図16】第1の実施形態でのプリ測距を模式的に表し
た図である。
【図17】プリ測距に係る回路の構成を示すブロック図
である。
【図18】プリ測距のフローチャートである。
【図19】被写体までの距離とコンデンサに生じる電位
との関係を示す図である。
【図20】被写体までの距離と遅延時間との関係を示す
図である。
【図21】第2の実施形態でのプリ測距を模式的に表し
た図である。
【図22】本発明の第3の実施形態であるカメラ型の3
次元画像検出装置の斜視図である。
【図23】図22に示すカメラの回路構成を示すブロッ
ク図である。
【図24】第3の実施形態でのプリ測距を模式的に表し
た図である。
【図25】第3の実施形態におけるプリ測距のフローチ
ャートである。
【符号の説明】
13 ストロボ 14 発光装置 23 ストロボ用調光センサ 28 CCD 61a PSD 62a 赤外線LED
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 7/32 G02B 7/11 B G03B 13/36 G03B 3/00 A (72)発明者 谷 信博 東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光 学工業株式会社内 (72)発明者 山本 清 東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光 学工業株式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の測距光を被写体に照射する第1の
    光源と、 前記第1の測距光の前記被写体からの第1の反射光を受
    光し、受光量に応じた第1の信号電荷を蓄積可能な撮像
    部と、 前記第1の信号電荷に基づいて前記被写体の3次元形状
    を検出する3次元計測手段と、 前記被写体までの距離に関する情報であるプリ測距情報
    を検出するプリ測距手段と、 前記第1の光源の発光と前記第1の信号電荷の蓄積とが
    行われるタイミングを前記プリ測距情報に基づいて調整
    するタイミング調整手段とを備えることを特徴とする3
    次元画像検出装置。
  2. 【請求項2】 第2の測距光を前記被写体に照射する第
    2の光源と、前記第2の測距光の前記被写体から第2の
    反射光を受光検出する受光部とを備え、前記プリ測距手
    段が前記受光部における前記第2の反射光の検出結果に
    基づいて前記プリ測距情報を得ることを特徴とする請求
    項1に記載の3次元画像検出装置。
  3. 【請求項3】 前記受光部が受光量に応じた第2の信号
    電荷を蓄積可能な調光部であり、前記プリ測距手段が前
    記第2の信号電荷に基づいて前記プリ測距情報を得るこ
    とを特徴とする請求項2に記載の3次元画像検出装置。
  4. 【請求項4】前記第2の光源として前記第1の光源が用
    いられることを特徴とする請求項3に記載の3次元画像
    検出装置。
  5. 【請求項5】 前記プリ測距手段において、前記調光部
    がストロボ用調光センサと積分コンデンサとによって構
    成されることを特徴とする請求項3に記載の3次元画像
    検出装置。
  6. 【請求項6】 前記ストロボ用調光センサがフォトダイ
    オードであることを特徴とする請求項5に記載の3次元
    画像検出装置。
  7. 【請求項7】 前記プリ測距手段において、前記第2の
    測距光の前記被写体からの反射光が逆バイアスを印加さ
    れた前記フォトダイオードで受光されることにより、前
    記フォトダイオードに逆電流が流れ、前記積分コンデン
    サで前記第2の信号電荷が蓄積されることを特徴とする
    請求項6に記載の3次元画像検出装置。
  8. 【請求項8】 前記第2の信号電荷により前記積分コン
    デンサに生じる電位差から前記プリ測距情報を検出する
    ことを特徴とする請求項7に記載の3次元画像検出装
    置。
  9. 【請求項9】 前記第2の光源としてストロボ発光装置
    が用いられることを特徴とする請求項3に記載の3次元
    画像検出装置。
  10. 【請求項10】 前記プリ測距手段が、前記第2の反射
    光の前記受光部での受光位置を用いた三角測距により前
    記プリ測距情報を得ることを特徴とする請求項2に記載
    の3次元画像検出装置。
  11. 【請求項11】 前記受光部がPSD(position sensit
    ive diode )であることを特徴とする請求項10に記載
    の3次元画像検出装置。
  12. 【請求項12】 前記第1の測距光が前記撮像部におけ
    る電荷の蓄積が始まる前に照射され、前記第1の信号電
    荷が前記撮像部における電荷の蓄積が開始してから前記
    第1の反射光の前記撮像部における受光が終了するまで
    の間蓄積されるように前記タイミング調整手段が駆動さ
    れることにより、前記被写体の3次元形状に係る距離情
    報が検出されることを特徴とする請求項1に記載の3次
    元画像検出装置。
  13. 【請求項13】 前記第1の反射光の全てが前記撮像部
    における電荷の蓄積が行われている間に受光されるよう
    に前記タイミング調整手段を駆動し、前記距離情報に含
    まれる前記被写体の反射率に依存する反射率情報を検出
    することを特徴とする請求項12に記載の3次元画像検
    出装置。
  14. 【請求項14】 前記タイミング調整手段による前記タ
    イミングの調整において、前記撮像部での電荷の蓄積の
    タイミングが前記第1の光源の発光のタイミングから相
    対的に一定の時間ずれて行われることを特徴とする請求
    項12に記載の3次元画像検出装置。
  15. 【請求項15】 前記プリ測距情報と前記一定の時間と
    の対応関係を予めメモリに記録し、前記メモリに記録さ
    れた対応関係にしたがって前記タイミングの調整が行わ
    れることを特徴とする請求項14に記載の3次元画像検
    出装置。
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