JP2001114136A - 自動車の車体構造 - Google Patents

自動車の車体構造

Info

Publication number
JP2001114136A
JP2001114136A JP29741399A JP29741399A JP2001114136A JP 2001114136 A JP2001114136 A JP 2001114136A JP 29741399 A JP29741399 A JP 29741399A JP 29741399 A JP29741399 A JP 29741399A JP 2001114136 A JP2001114136 A JP 2001114136A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
notch
floor panel
cross member
body structure
rear direction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP29741399A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3828324B2 (ja
Inventor
Manabu Sato
学 佐藤
Tatsuya Fukushima
達也 福島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP29741399A priority Critical patent/JP3828324B2/ja
Priority to US09/688,930 priority patent/US6460918B1/en
Priority to EP00309194A priority patent/EP1093995B1/en
Priority to DE60016694T priority patent/DE60016694T2/de
Publication of JP2001114136A publication Critical patent/JP2001114136A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3828324B2 publication Critical patent/JP3828324B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Body Structure For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 押出方向が直交するフロアパネルとクロスメ
ンバとの継目部分の応力集中の緩和を図る。 【解決手段】 フロアパネル1のフロア一般部1Aでは
切欠部1Dとダッシュクロスメンバ5のトーボード部5
Aに延設した連接部5Dとを嵌合して結合して、それら
の継目部分がトンネル部1Bおよびサイドシル部1Cと
トーボード部5Aとの継目部分よりも後方にオフセット
して、押出方向が直交したフロアパネル1とダッシュク
ロスメンバ5とが入り組んでいるため、車両の前面衝突
時に前記継目部分への応力集中を緩和できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車の車体構造、
とりわけ、アルミ合金等の軽量金属材料により押出成形
したフロアパネルとその前後端部に結合されるクロスメ
ンバとの結合構造に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の中には、例えば特開平9−99
870号公報に示されているように、車体の軽量化と剛
性確保の両立を狙ってフロアパネルをアルミ合金等の軽
量金属材料により車体前後方向に閉断面構造に押出成形
したものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】車体の軽量化および剛
性確保を図るためには、フロアパネルだけにとどまらず
該フロアパネルの前端に結合されるダッシュクロスメン
バや、フロアパネルの後端に結合されるリヤシートクロ
スメンバ等のクロスメンバも、フロアパネルと同様の軽
量金属材料により車幅方向に閉断面構造に押出成形した
ものを用いることが望ましいが、これらフロアパネルと
クロスメンバとを通常のプレス成形品の場合と同様に直
線状に突き合わせた状態で溶接接合したのでは、フロア
パネルとクロスメンバの閉断面押出方向が直交状態とな
っているため、継目部分に応力が集中し易くなってしま
う可能性がある。
【0004】そこで、本発明は簡単な構造によって、押
出方向が直交するフロアパネルとクロスメンバとの継目
部分に応力が集中するのを緩和することができる結合構
造を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にあって
は、車幅方向中央部にトンネル部を備えると共に、車幅
方向側部にサイドシル部を備えて閉断面構造に前後方向
に押出成形したフロアパネルと、閉断面構造に車幅方向
に押出成形され、車幅方向中央部に前記トンネル部に嵌
合するトンネル嵌合部を切欠形成したクロスメンバと
を、前後方向に突き合わせた状態で結合する構造であっ
て、前記クロスメンバと、フロアパネルのトンネル部と
サイドシル部との間のフロア一般部との結合位置を、こ
れらトンネル部およびサイドシル部の前後方向端部とク
ロスメンバとの結合位置よりも、フロアパネルの前後方
向中央側にオフセットした位置に設定したことを特徴と
している。
【0006】請求項2の発明にあっては、請求項1に記
載のクロスメンバが、前傾したトーボード部と該トーボ
ード部からほぼ垂直に立上がる縦壁部とを備えたダッシ
ュクロスメンバであって、フロアパネルのフロア一般部
を、トーボード部の傾斜下縁よりも後方にオフセットし
た位置で該トーボード部に連接結合したことを特徴とし
ている。
【0007】請求項3の発明にあっては、請求項1,2
に記載のフロア一般部の前後方向端部に切欠部を形成す
る一方、クロスメンバに前記切欠部に嵌合する平坦な連
接部を閉断面構造で延設し、これら切欠部と連接部とを
嵌合して結合したことを特徴としている。
【0008】請求項4の発明にあっては、請求項3に記
載の切欠部および連接部を、平面略矩形状に形成したこ
とを特徴としている。
【0009】請求項5の発明にあっては、請求項3に記
載の切欠部および連接部を、一側縁がトンネル部に沿っ
て形成されて該トンネル部側に偏寄して頂点を持つ平面
略V字状に形成したことを特徴としている。
【0010】請求項6の発明にあっては、請求項5に記
載の連接部と切欠部とを嵌合して結合した部分の下面に
沿って、連接部の延設基部と切欠部の平面略V字状の斜
辺の切欠縁部とに接合された前後方向に延在する複数本
の補強バーを備えていることを特徴としている。
【0011】請求項7の発明にあっては、請求項6に記
載の補強バーは、その断面積がフロアパネルの前後方向
中央側に至るにしたがって小さくなるように形成したこ
とを特徴としている。
【0012】請求項8の発明にあっては、請求項7に記
載の複数本の補強バーの中間部分を、切欠部の車幅方向
両側の切欠縁部に接合した車幅方向に延びる梁部材によ
り一体に連設したことを特徴としている。
【0013】請求項9の発明にあっては、請求項6に記
載の補強バーを、その曲げ強度がフロアパネルの前後方
向中央側に至るにしたがって小さくなるように形成した
ことを特徴としている。
【0014】請求項10の発明にあっては、請求項9に
記載の補強バーを、フロアパネルの前後方向中央側に至
るにしたがって中実断面から漸次下側が開放した開断面
に断面形状変化して形成したことを特徴としている。
【0015】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、押出方
向が直交するフロアパネルとクロスメンバとの継目部分
が車幅方向に直線状に揃うことがなく、フロア一般部で
はクロスメンバとの継目部分がフロアパネルの前後方向
中央側にオフセットして、押出方向が直交したフロアパ
ネルとクロスメンバとが入り組んでいるため、車両の前
後方向衝突時に前記継目部分への応力集中を緩和して、
クロスメンバがフロアパネルとの接続部分を基点として
大きく折れ曲り変形するのを抑制するこができる。
【0016】この結果、フロントコンパートメント又は
リヤコンパートメントの圧潰反力を高く維持できて、こ
れらフロントコンパートメント又はリヤコンパートメン
トの潰れストロークを拡大して衝突エネルギー吸収効果
を高めることができる。
【0017】また、トンネル部およびサイドシル部がフ
ロア一般よりも前後方向に突出した構造となるため、こ
れらトンネル部およびサイドシル部はその突出した部分
で曲げ剛性が低められることになり、従って、前後方向
衝突入力により車室が座屈変形した際の衝撃を緩和する
ことができる。
【0018】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
の発明の効果に加えて、車両の前面衝突時にはフロント
コンパートメントのフロントサイドメンバからの軸力に
よって、ダッシュクロスメンバのトーボード部の傾斜下
縁の曲折部が曲げモーメント最大位置となるが、フロア
一般部はこのトーボード部の傾斜下縁よりも後方にオフ
セットした位置で該トーボード部に連接結合して、前記
曲げモーメント最大となる位置に対して押出方向が直交
した閉断面急変部(継目部分)を分離することができ、
従って、ダッシュクロスメンバとフロアパネルとの結合
部に極端な応力集中部分を生じることがなく、フロント
サイドメンバの支持剛性を高めてフロントコンパートメ
ントの圧潰反力を高く維持できると共に、ダッシュクロ
スメンバの座屈タイミングを遅らせることが可能となっ
て、車室の変形を可及的に少なく抑制することができ
る。
【0019】請求項3に記載の発明によれば、請求項
1,2の発明の効果に加えて、フロア一般部に切欠部を
設ける一方、クロスメンバに該切欠部に嵌合する連接部
を延設した簡単な構造によって、フロアパネルとクロス
メンバとの継目の前後方向オフセット配置を容易に構成
することができる。
【0020】請求項4に記載の発明によれば、請求項3
の発明の効果に加えて、切欠部および連接部を平面略矩
形状に形成してあるため、成形性が良くこれら切欠部お
よび連接部の嵌合精度を出し易く、従って、接合強度を
高めることができる。
【0021】請求項5に記載の発明によれば、請求項3
の発明の効果に加えて、切欠部および連接部を、一側縁
がトンネル部に沿って形成されて該トンネル部側に偏寄
して頂点を持つ平面略V字状に形成してあるため、車両
の側面衝突時にフロアパネルの側部中央部分から座屈変
形が進行する場合に、このフロアパネル側部の座屈変形
の可能領域を前後方向に可及的に広げることができて、
衝突エネルギー吸収効果を高めることができる。
【0022】請求項6に記載の発明によれば、請求項5
の発明の効果に加えて、連接部と切欠部との結合部分の
下面に沿って配設した複数本の前後方向に延在する補強
バーによって前記結合部分を補強することができ、車両
の前後方向衝突時におけるクロスメンバとフロアパネル
との結合部での応力集中をより一層緩和することができ
る。
【0023】請求項7に記載の発明によれば、請求項6
の発明の効果に加えて、補強バーの断面積をフロアパネ
ルの前後方向中央側に至るにしたがって小さくしてある
ため、補強バーによる切欠部と連接部との結合部分の補
強剛性をフロアパネルの前後方向中央側に至るにしたが
って低められ、この結果、車両の前後方向衝突入力によ
り車室が座屈変形した際に衝撃が大きくなるのを抑制す
ることができる。
【0024】請求項8に記載の発明によれば、請求項7
の発明の効果に加えて、車幅方向に延在させた梁部材に
よって、補強バーによる前後方向補強剛性の調整を容易
に行うことができる。
【0025】また、該梁部材の存在によって車両の側面
衝突時における車幅方向の補強効果を得ることができ
る。
【0026】請求項9に記載の発明によれば、請求項6
の発明の効果に加えて、補強バーの曲げ強度の変化によ
って該補強バーによる切欠部と連接部との結合部分の補
強剛性をフロアパネルの前後方向中央側に至るにしたが
って低めることができて、車両の前後方向衝突入力によ
り車室が座屈変形した際に衝撃が大きくなるのを抑制す
ることができる。
【0027】請求項10に記載の発明によれば、請求項
9の発明の効果に加えて、補強バーの曲げ強度の変化を
該補強バーの断面形状変化によって容易に調整設定する
ことができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面と
共に詳述する。
【0029】図1〜3において、1は平坦なフロア一般
部1Aと、車幅方向中央部のトンネル部1Bと、車幅方
向側部のサイドシル部1Cとを一体に備えたフロアパネ
ルを示し、該フロアパネル1はアルミ合金等の軽量金属
材料により内壁2と外壁3とを有する閉断面構造に前後
方向に押出成形してあり、これら内,外壁2,3間には
前後方向に延びる複数のリブ壁4を介在させて剛性を高
めてある。
【0030】5はフロアパネル1の前端部に結合される
クロスメンバとしてのダッシュクロスメンバを示し、該
ダッシュクロスメンバ5は通常のプレス成形したダッシ
ュロアパネルと同様に傾斜したトーボード部5Aと該ト
ーボード部5Aから略垂直に立上がる縦壁部5Bとを備
え、フロアパネル1と同様の軽量金属材料により内壁6
と外壁7とを有する閉断面構造に車幅方向に押出成形し
てあって、これら内,外壁6,7間に車幅方向に延びる
複数のリブ壁8を介在させて剛性を高めてある。
【0031】ダッシュクロスメンバ5のトーボード部5
Aの略中央部には、前記トンネル部1Bに嵌合するトン
ネル嵌合部5Cを切欠形成してある。
【0032】ダッシュクロスメンバ5の外面測には、縦
壁部5Bからトーボード部5Aに廻り込んでレインフォ
ース部材9を接合配置してあり、該レインフォース部材
9の車幅方向両側部に前方に向けて延設したアーム部9
Aにフロントサイドメンバ10を嵌合して接合固定して
ある。
【0033】これら左右のフロントサイドメンバ10,
10の前端部はファーストクロスメンバ11およびバン
パーアーマチュア12により連結してあり、これらフロ
ントサイドメンバ10,ファーストクロスメンバ11,
バンパーアーマチュア12等によってフロントコンパー
トメントF・Cの骨格を構成している。
【0034】前記フロアパネル1とダッシュクロスメン
バ5は、それらを前後方向に突き合わせた状態で、具体
的にはトンネル部1Bの前端部にトンネル嵌合部5Cを
嵌合し、サイドシル部1Cの端末をトーボード部5Aに
突き合わせた状態でそれらの継目部分をレーザー溶接,
ミグ溶接等により溶接して結合するが、フロア一般部1
Aとトーボード部5Aとの結合位置は、前記トンネル部
1Bおよびサイドシル部1Cとトーボード部5Aとの結
合位置よりも、フロアパネル1の前後方向中央側(後
方)にオフセットした位置に設定してある。
【0035】この実施形態にあっては、フロア一般部1
Aの前端部にトンネル部1Bの下縁からサイドシル部1
Cの内側下縁に亘って平面略矩形状に切欠部1Dを形成
する一方、トーボード部5Aの傾斜下縁から後方に向け
て前記切欠部1Dに嵌合する平面略矩形状の平坦な連接
部5Dを上,下壁6,7とそれらを継ぐ複数のリブ壁8
とからなる閉断面構造で延設し、これら切欠部1Dと連
接部5Dとを嵌合してそれらの継目部分を同様に溶接し
て結合してある。
【0036】この実施形態では連接部5Dの後端に開断
面の接続部5Eを形成して、該接続部5E内にフロア一
般部1Aの前端、即ち、切欠部1Dの前縁を嵌合して結
合するようにしているが、この他、連接部5Dの後端と
フロア一般部1Aの前端とを相互に嵌合する図外のジョ
イント部材を介して略面一となるように接続して結合す
るようにしてもよい。
【0037】また、サイドシル部1Cの前端部分は連接
部5Dの側部上に重合して前端をトーボード部5Aに突
き合わせて結合するようにしているため、該サイドシル
部1Cの前端部の連接部5D上に重合する部分は、該連
接部5Dの板厚(高さ)相当分で切削加工してある。
【0038】なお、図3中、13は図外のサスペンショ
ンメンバを連結するためのマウントボルトを示す。
【0039】以上の実施形態の構造によれば、押出方向
が直交するフロアパネル1とダッシュクロスメンバ5と
の継目部分が車幅方向に直線状に揃うことがなく、フロ
ア一般部1Aでは切欠部1Dとトーボード部5Aに延設
した連接部5Dとを嵌合して結合し、該フロア一般部1
Aではトーボード部5Aとの継目部分がトンネル部1B
およびサイドシル部1Cとトーボード部5Aとの継目部
分よりも後方にオフセットして、これら押出方向が直交
したフロアパネル1とダッシュクロスメンバ5とが入り
組んでいるため、車両の前面衝突時に前記継目部分への
応力集中を緩和して、ダッシュクロスメンバ5がフロア
パネル1との接続部分を基点として大きく折れ変形する
のを抑制することができる。
【0040】とりわけ、この前面衝突時にはフロントサ
イドメンバ10からの軸力によって、トーボード部5A
の傾斜下縁の曲折部が曲げモーメント最大位置となる
が、フロア一般部1Aは切欠部1Dと連接部5Dとを嵌
合することによって、該トーボード部5Aの傾斜下縁よ
りも後方にオフセットした位置でトーボード部5Aに連
接結合して、前記曲げモーメント最大となる位置に対し
て押出方向が直交した閉断面急変部(継目部分)を分離
することができ、従って、ダッシュクロスメンバ5とフ
ロアパネル1との結合部に極端な応力集中部分が生じる
ことがない。
【0041】これらのことから、フロントサイドメンバ
10の圧潰反力(支持剛性)を高めて該フロントサイド
メンバ10を図4に示すようにその前端側から整然と潰
れ変形させ、フロントコンパートメントF・Cの潰れス
トロークを拡大して衝突エネルギー吸収効果を高めるこ
とができる。
【0042】因みに、図5〜8は本実施形態の構造に対
比して、フロアパネル1の前端とダッシュクロスメンバ
5の後端とを、車幅方向でほぼ直線状に結合して構成し
たモデルを示したもので、このモデル構造ではトーボー
ド部5Aの傾斜下縁にフロア一般部1Aが突き合わされ
て結合され、かつ、フロアパネル1Aの前端が全体的に
車幅方向でほぼ直線状にトーボード部5Aに結合されて
いることから、車両の前面衝突時に図8に示すようにト
ーボード部5Aの傾斜下縁の曲折部に応力集中が生じて
該曲折部を起点としてダッシュクロスメンバ5が折れ変
形する度合いが大きくなる傾向となる。
【0043】図9のa線は本実施形態における衝突エネ
ルギー吸収特性を、b線は前記対比モデル構造の衝突エ
ネルギー吸収特性を示しており、同図からも明らかなよ
うに対比モデル構造におけるダッシュクロスメンバ5の
座屈タイミングPb に対して、本実施形態ではダッシュ
クロスメンバ5の座屈タイミングPa を大幅に遅らせる
ことができて斜線領域で示すようにフロントコンパート
メントF・Cの潰れ変形量を増大でき、従って、車室の
変形を可及的に少なく抑制することができる。
【0044】また、本実施形態ではフロア一般部1Aの
前端部の切欠部1Dの形成により、トンネル部1Bおよ
びサイドシル部1Cが、該フロア一般部1Aの前端より
も前方に突出した構造となるため、これらトンネル部1
Bおよびサイドシル部1Cはその前端部の突出した部分
で曲げ剛性が低められることになり、従って、図9に示
すように対比モデル構造に比べて車室が座屈変形した際
の衝撃をGb からGaへと緩和することができる。
【0045】ここで、本実施形態にあっては前述のよう
にフロア一般部1Aに切欠部1Dを設ける一方、ダッシ
ュクロスメンバ5のトーボード部1Aにこの切欠部1D
に嵌合する連接部5Dを延設した簡単な構造によって、
フロアパネル1の前端とダッシュクロスメンバ5の後端
との継目の前後方向オフセット配置を設計的に容易に構
成することができる。
【0046】特に、前記切欠部1Dおよび連接部5Dを
平面略矩形状に形成してあるため、成形性が良くこれら
切欠部1Dおよび連接部5Dの嵌合精度を出し易く、従
って、接合強度を高めることができる。
【0047】図10〜12は本発明の第2実施形態を示
すもので、本実施形態にあっては前記第1実施形態にお
ける切欠部1Dおよび連接部5Dを、一側縁がトンネル
部1Bに沿って形成されて該トンネル部1B側に偏寄し
て頂点を持つ平面略V字状に形成してあり、他の構成に
ついては前記第1実施形態と同様である。
【0048】従って、この第2実施形態の構造によれば
前記第1実施形態の効果に加えて次のような効果を奏せ
られる。
【0049】即ち、車両の側面衝突時にはフロアパネル
1はサイドシル部1Cの前後方向略中央部に接合して立
設した図外のセンターピラーとの結合部近傍を中心にし
てほぼ同心円状に座屈変形が進行するようになるが、前
述のような平面略V字状に切欠部1Dおよび連接部5D
を形成することによって、フロア一般部1Aのサイドシ
ル部1C側の前端部を極力該サイドシル部1Cの前端部
近くまで残すことができて、該サイドシル部1C寄りに
フロア一般部1Aと押出方向が直交する連接部5Dが存
在しなくなるため、フロア一般部1Aの前記座屈変形を
前端側にまで拡大して衝突エネルギー吸収量を増大する
ことができる。
【0050】また、閉断面の急激な変化による座屈の集
中等の変形モードの急激な変化が発生することがなく、
しかも、フロア一般部1Aの車幅方向の座屈変形がある
程度進行すると、連接部5Dによって必要以上にこの座
屈変形が進行するのを抑制することができる。
【0051】これらのことから、車両の前面衝突時のみ
ならず、側面衝突時においても安全対策上良好な変形モ
ード得ることができる。
【0052】なお、本実施形態では切欠部1Dおよび連
接部5Dを、その平面略V字状の斜辺、つまり、これら
切欠部1D,連接部5Dの前後方向の継目が直線となる
ように形成しているが、この斜辺を前方に向けて凸とな
る円弧状に形成するようにして、側面衝突時の要求変形
モードに対応させることもできる。
【0053】図13は本発明の第3実施形態を示すもの
で、本実施形態にあっては、前記図10〜12に示した
第2実施形態における平面略V字状の切欠部1Dと連接
部5Dとを嵌合して結合した部分の下面に沿って、該連
接部5Dの延設基部と切欠部1Dの平面略V字状の斜辺
の切欠縁部とに接合された前後方向に延在する複数本の
補強バー20を付設してある。
【0054】これらの補強バー20は前端側を接合座2
1Fにより一体に連接してあり、各後端には切欠部1D
の斜辺の切欠縁近傍で所要の接合面積を確保し得るよう
に所要の形状で接合座21Rを形成してある。
【0055】補強バー20は、例えばフロアパネル1お
よびダッシュクロスメンバ5と同様の軽量金属材料によ
り、プレス成形,鋳造成形,あるいは射出成形等により
形成してあって、各補強バー20はその断面積が前端か
ら後端に至るにしたがって小さくなるように形成してあ
る。
【0056】従って、この第3実施形態の構造によれば
前記第2実施形態の効果に加えて、連接部5Dと切欠部
1Dとの平面略V字状の結合部分の下面に沿って配設し
た複数本の前後方向に延在する補強バー20によって前
記結合部分を補強することができ、従って、車両の前後
方向衝突時におけるダッシュクロスメンバ5とフロアパ
ネル1との結合部での応力集中をより一層緩和すること
ができて、理想的な衝突エネルギー吸収を行わせること
ができる。
【0057】特に、本実施形態では各補強バー20はそ
の断面積を前端から後端に至るに従って小さく形成して
あるので、各補強バー20の配設部分における連接部5
Dとフロア一般部1Aおよび補強バー20の断面積の総
和を、図14に示すようにフロアパネル1の前後方向中
央側に至るにしたがって小さくして、例えば同図に示す
ように前記総和断面積の変曲点Sp を各補強バー20の
配設部の前部側で該補強バー20の長さの20〜50%
の領域に設定することができて、各補強バー20配設部
分で該変曲点Sp を平面略V字状の継目の斜辺にほぼ沿
わせるこができ、この結果、各補強バー20による切欠
部1Dと連接部5Dとの結合部分の補強剛性をフロアパ
ネル1の前後方向中央側に至るにしたがって低められ
て、車両の前後方向衝突入力により車室が座屈変形した
際に衝撃が大きくなるのを効率的に抑制することができ
る。
【0058】図15は図14に示した第3実施形態の変
形例を示すもので、この第4実施形態にあっては前記複
数本の補強バー20の中間部分を、切欠部1Dの車幅方
向両側の切欠縁部に接合した車幅方向に延びる梁部材2
2により一体に連設してある。
【0059】梁部材22の車幅方向両端部には適宜形状
の接合座23を設けて、所要の接合面積を確保できるよ
うにしてある。
【0060】従って、この第4実施形態の構造によれば
前記第3実施形態の効果に加えて、梁部材22の配設部
分から後方へ突出する補強バー20の本数を調整するこ
とによって、図14に示した総和断面積の変曲点Sp の
調整、即ち、補強バー20による前後方向補強剛性の調
整を容易に行うことができる。
【0061】また、該梁部材22の存在によって車両の
側面衝突時における車幅方向の補強効果を得ることがで
きる。
【0062】前記第3,第4実施形態では補強バー20
の断面積の調整によって補強剛性をコントロールするよ
うにしているが、この他、補強バー20の曲げ強度の調
整により補強剛性をコントロールすることもできる。
【0063】これは、例えば図16の(A)に示すよう
に補強バー20の前端部を断面長円形の中実に形成する
と共に、前端部から後端部に至るにしたがって漸次下側
が開放した開断面、例えば同図の(B)に示すように上
方に凸となる円弧状の開断面に断面形状変化させて、補
強バー20の曲げ強度を後端に至るにしたがって低める
ようにしてもよい。
【0064】このように補強バー20の曲げ強度の変化
を補強バー20の断面形状変化によって実現できること
により、該補強バー20による補強剛性のコントロール
を容易に行うことができ、また、前記第3,第4実施形
態のように補強バー20を先細にして断面積を変化させ
るものに較べて成形性を向上することができる。
【0065】また、この第5実施形態のように補強バー
20を前後端に亘って断面積を変えずに、後端側が上方
に凸となる円弧状に漸次断面形状変化させることによ
り、車両の前面衝突時の車室の座屈変形によって該補強
バー20が下向きに曲げ変形した際に、該補強バー20
の曲げ許容限界を拡大できて破断するのを回避すること
ができる。
【0066】ここで、前記第3,第4実施形態では切欠
部1Dおよび連接部5Dを平面略V字状に形成している
が、この他、変形モードの要求によっては図17に示す
ように、これら切欠部1D,連接部5Dを平面略U字状
に形成するようにしてもよく、この第6実施形態では補
強バー20として図16の第5実施形態に示したものを
用いた場合を例示している。
【0067】なお、前記実施形態ではクロスメンバとし
てダッシュクロスメンバ5を例示したが、フロアパネル
1の後端に結合される図外のリヤシートクロスメンバと
の結合部に適用して前述と同様の効果を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す斜視図。
【図2】本発明の第1実施形態の断面説明図。
【図3】本発明の第1実施形態におけるフロアパネルと
ダッシュクロスメンバとを分離して示す斜視図。
【図4】本発明の第1実施形態の車両前面衝突時におけ
る変形状態を示す斜視図。
【図5】本発明の第1実施形態の対比モデルを示す斜視
図。
【図6】図5に示したモデルの断面図。
【図7】図5に示したモデルのフロアパネルとダッシュ
クロスメンバとを分離して示す斜視図。
【図8】図5に示したモデルの車両前面衝突時における
変形状態を示す斜視図。
【図9】車両前面衝突時のエネルギー吸収特性を説明す
るグラフ
【図10】本発明の第2実施形態を示す斜視図
【図11】本発明の第2実施形態におけるフロアパネル
とダッシュクロスメンバを分離して示す斜視図。
【図12】本発明の第2実施形態のフロア下側から見た
斜視図。
【図13】本発明の第3実施形態のフロア下側から見た
斜視図。
【図14】本発明の第3実施形態における補強バー周り
の断面積変化状態を示すグラフ。
【図15】本発明の第4実施形態のフロア下側から見た
斜視図。
【図16】本発明の第5実施形態における補強バーの断
面形状を示し、(A)は前端側を、(B)は後端側を示
す。
【図17】本発明の第6実施形態を示す略示的底面図。
【符号の説明】
1 フロアパネル 1A フロア一般部 1B トンネル部 1C サイドシル部 5 ダッシュクロスメンバ(クロスメンバ) 5A トーボード部 5B 縦壁部 5C トンネル嵌合部 5D 連接部 20 補強バー 22 梁部材

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車幅方向中央部にトンネル部を備えると
    共に、車幅方向側部にサイドシル部を備えて閉断面構造
    に前後方向に押出成形したフロアパネルと、閉断面構造
    に車幅方向に押出成形され、車幅方向中央部に前記トン
    ネル部に嵌合するトンネル嵌合部を切欠形成したクロス
    メンバとを、前後方向に突き合わせた状態で結合する構
    造であって、 前記クロスメンバと、フロアパネルのトンネル部とサイ
    ドシル部との間のフロア一般部との結合位置を、これら
    トンネル部およびサイドシル部の前後方向端部とクロス
    メンバとの結合位置よりも、フロアパネルの前後方向中
    央側にオフセットした位置に設定したことを特徴とする
    自動車の車体構造。
  2. 【請求項2】 クロスメンバが、前傾したトーボード部
    と該トーボード部からほぼ垂直に立上がる縦壁部とを備
    えたダッシュクロスメンバであって、フロアパネルのフ
    ロア一般部を、トーボード部の傾斜下縁よりも後方にオ
    フセットした位置で該トーボード部に連接結合したこと
    を特徴とする請求項1に記載の自動車の車体構造。
  3. 【請求項3】 フロア一般部の前後方向端部に切欠部を
    形成する一方、クロスメンバに前記切欠部に嵌合する平
    坦な連接部を閉断面構造で延設し、これら切欠部と連接
    部とを嵌合して結合したことを特徴とする請求項1,2
    に記載の自動車の車体構造。
  4. 【請求項4】 切欠部および連接部を、平面略矩形状に
    形成したことを特徴とする請求項3に記載の自動車の車
    体構造。
  5. 【請求項5】 切欠部および連接部を、一側縁がトンネ
    ル部に沿って形成されて該トンネル部側に偏寄して頂点
    を持つ平面略V字状に形成したことを特徴とする請求項
    3に記載の自動車の車体構造。
  6. 【請求項6】 連接部と切欠部とを嵌合して結合した部
    分の下面に沿って、連接部の延設基部と切欠部の平面略
    V字状の斜辺の切欠縁部とに接合された前後方向に延在
    する複数本の補強バーを備えていることを特徴とする請
    求項5に記載の自動車の車体構造。
  7. 【請求項7】 補強バーは、その断面積がフロアパネル
    の前後方向中央側に至るにしたがって小さくなるように
    形成したことを特徴とする請求項6に記載の自動車の車
    体構造。
  8. 【請求項8】 複数本の補強バーの中間部分を、切欠部
    の車幅方向両側の切欠縁部に接合した車幅方向に延びる
    梁部材により一体に連設したことを特徴とする請求項7
    に記載の自動車の車体構造。
  9. 【請求項9】 補強バーを、その曲げ強度がフロアパネ
    ルの前後方向中央側に至るにしたがって小さくなるよう
    に形成したことを特徴とする請求項6に記載の自動車の
    車体構造。
  10. 【請求項10】 補強バーを、フロアパネルの前後方向
    中央側に至るにしたがって中実断面から漸次下側が開放
    した開断面に断面形状変化して形成したことを特徴とす
    る請求項9に記載の自動車の車体構造。
JP29741399A 1999-10-19 1999-10-19 自動車の車体構造 Expired - Lifetime JP3828324B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29741399A JP3828324B2 (ja) 1999-10-19 1999-10-19 自動車の車体構造
US09/688,930 US6460918B1 (en) 1999-10-19 2000-10-17 Vehicle body structure
EP00309194A EP1093995B1 (en) 1999-10-19 2000-10-19 Vehicle body structure
DE60016694T DE60016694T2 (de) 1999-10-19 2000-10-19 Fahrzeugaufbaukonstruktion

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29741399A JP3828324B2 (ja) 1999-10-19 1999-10-19 自動車の車体構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001114136A true JP2001114136A (ja) 2001-04-24
JP3828324B2 JP3828324B2 (ja) 2006-10-04

Family

ID=17846195

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29741399A Expired - Lifetime JP3828324B2 (ja) 1999-10-19 1999-10-19 自動車の車体構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3828324B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017136921A (ja) * 2016-02-02 2017-08-10 トヨタ自動車株式会社 車両骨格構造
CN115009380A (zh) * 2022-07-19 2022-09-06 奇瑞汽车股份有限公司 车身前地板结构及车辆

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017136921A (ja) * 2016-02-02 2017-08-10 トヨタ自動車株式会社 車両骨格構造
CN115009380A (zh) * 2022-07-19 2022-09-06 奇瑞汽车股份有限公司 车身前地板结构及车辆
CN115009380B (zh) * 2022-07-19 2024-03-01 奇瑞汽车股份有限公司 车身前地板结构及车辆

Also Published As

Publication number Publication date
JP3828324B2 (ja) 2006-10-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3828329B2 (ja) 自動車の車体構造
EP2105372B1 (en) Frame structure for an automotive vehicle, automotive vehicle provided therewith and method for providing a frame structure
JP3783546B2 (ja) 車両のサイドシル構造
US6854795B2 (en) Automotive side sill reinforcement structure
JP4286884B2 (ja) 自動車の車体構造
US7950724B2 (en) Vehicle body rear structure
EP2112981B1 (en) Vehicle front side member
CN107922015B (zh) 车辆的框架结构
JP2007038839A (ja) 自動車の後部車体構造
US20120119542A1 (en) Car body with reinforcing structure
JP2001260945A (ja) 自動車のフロア構造
JP5482987B2 (ja) 車両の前部車体構造
US8491049B2 (en) Frontal structure of vehicle
CN109204547B (zh) 用于车辆的车身结构
JP2008137483A (ja) 車体前部構造
JPH1076889A (ja) バンパリインフォース
JP7087973B2 (ja) 車体構造
JP2002225652A (ja) オフセット衝突性に優れたバンパー補強材
JP3632654B2 (ja) 車体前部構造
EP1927534B1 (en) Unitary hydroformed roof support pillar
JP3218763B2 (ja) バンパーの取付構造
JPH107021A (ja) 自動車のピラーとサイドシルとの接続部構造
JP2001114136A (ja) 自動車の車体構造
JP2008018901A (ja) 車両前部構造
JP4592399B2 (ja) 車両のフロントピラー構造

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060512

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060706

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100714

Year of fee payment: 4