JP2001114043A - エネルギー吸収部材 - Google Patents

エネルギー吸収部材

Info

Publication number
JP2001114043A
JP2001114043A JP29576299A JP29576299A JP2001114043A JP 2001114043 A JP2001114043 A JP 2001114043A JP 29576299 A JP29576299 A JP 29576299A JP 29576299 A JP29576299 A JP 29576299A JP 2001114043 A JP2001114043 A JP 2001114043A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
absorbing member
bottom wall
energy absorbing
wall portion
energy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP29576299A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3938451B2 (ja
Inventor
Susumu Miyazaki
晋 宮崎
Koji Kuyama
耕司 久山
Hiroshi Karizume
浩志 狩集
Toru Hashimura
徹 橋村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanto Jidosha Kogyo KK
Kobe Steel Ltd
Toyota Motor East Japan Inc
Original Assignee
Kanto Jidosha Kogyo KK
Kobe Steel Ltd
Kanto Auto Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanto Jidosha Kogyo KK, Kobe Steel Ltd, Kanto Auto Works Ltd filed Critical Kanto Jidosha Kogyo KK
Priority to JP29576299A priority Critical patent/JP3938451B2/ja
Publication of JP2001114043A publication Critical patent/JP2001114043A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3938451B2 publication Critical patent/JP3938451B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Body Structure For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速衝突時における支持部材による底壁部の
打ち抜きを防止してエネルギー吸収量を増大させる。 【解決手段】 Al合金製で断面略矩形に成形された中
空押出形材であるエネルギー吸収部材3において、衝突
によるエネルギー吸収過程で上壁部31および底壁部1
2の間に設けられたウェブ13、14が中空内側に曲が
るようにウェブ13、14と上壁部31および底壁部1
2との接続角度などを調整した。これにより、ステイ7
2による底壁部32の打ち抜きをウェブ13、14によ
って抑制できるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エネルギー吸収部
材に関し、例えば自動車のバンパー補強材として用いら
れるエネルギー吸収部材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車、船舶、電車などの輸送機
の外板や構造材あるいは部品用として、または家電製品
の構造材あるいは部品用として、さらには屋根材などの
建築構造物の部材用として、軽量化の観点からアルミニ
ウム(Al)合金の使用が期待されている。
【0003】アルミニウム合金の用途の一つとして、自
動車のバンパー補強(リインフォースメント)材などの
エネルギー吸収部材がある。エネルギー吸収部材には断
面矩形の中空形材として成形されるものがある。エネル
ギー吸収部材には、様々なタイプのものが存在するが、
バンパー補強材などとして使われるエネルギー吸収部材
は、自動車の衝突などにより外部からエネルギーが与え
られたときに、その衝撃エネルギーを形材の塑性変形に
より吸収する。これにより、他の部材が極力破損しない
ようにすることが可能となる。
【0004】このようなエネルギー吸収部材について
は、それが使用される構造物の種類や使用部位によっ
て、他の部材が極力破損しないようにするのに必要な吸
収すべきエネルギーの大きさが決まってくる。一方で、
吸収可能なエネルギーの大きさがあまりに大きいと、過
剰設計となって重量が過大となってしまう。従って、エ
ネルギー吸収部材は、必要最小限のエネルギーを吸収す
ることができるように、しかも、過剰設計となって重量
が過大とならないように設計される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな中空構造を有するエネルギー吸収部材を例えば自動
車のバンパー補強材として用いた場合、自動車の高速衝
突時のエネルギー吸収性能が低くなるという問題があ
る。この点について、図14に基づいて説明する。図1
4(a)は、いわゆるバリア試験といわれる自動車の高
速衝突時におけるエネルギー吸収部材のエネルギー吸収
性能を測定する試験の様子を示す概略図である。また、
図14(b)〜(d)は、図14(a)のA−A線にお
ける断面を衝突過程に従って経時的に表した断面図であ
る。
【0006】図14(a)、(b)において、長尺部材
として成形されたエネルギー吸収部材101は上壁部1
11、底壁部112、ウェブ(側壁部)113、114
からなる略矩形断面を有しており、その端部近傍には、
2本のステイ(支持部材)102、103がボルト10
5によって取り付けられている。このような状態で、エ
ネルギー吸収部材101と壁104とが高速衝突して、
上壁部111および底壁部112に荷重が加えられる
と、エネルギー吸収は行われるものの、衝突力ないしは
衝撃力が大きいため、図14(c)に示すように、ウェ
ブ113、114が外側に変形するとともに、ウェブ1
13、114と底壁部112との接続個所116やウェ
ブ113、114の曲げ変形個所117で割れが生じ
る。
【0007】この結果、さらに変形が進行すると、図1
4(d)に示すように、エネルギー吸収部材101を支
えるステイ102、103が底壁部112を突き抜けて
エネルギー吸収部材101の中空部分の内部に侵入す
る、いわゆるステイ102、103による打ち抜き現象
が発生する。そのため、図14(d)のような打ち抜き
が生じた後はエネルギー吸収部材101によるエネルギ
ー吸収が行われないことになり、エネルギー吸収部材1
01の高速衝突時におけるエネルギー吸収性能は不十分
なものであった。
【0008】これに対し、エネルギー吸収部材を構成す
るAl合金材料を高強度化することが試みられてきた。
しかしながら、強度の高い材料は、その一方で比較的割
れやすいという特性を有しており、かえってステイによ
る打ち抜きを助長することになる。そのため、材料強度
を高くしても、高速衝突時のエネルギー吸収量を向上さ
せることができない。
【0009】一方、最近では、エネルギー吸収部材など
の補強部材には、衝突の際のエネルギー吸収量だけでは
なく、軽量かつ省スペースな構造であることも要求され
るようになっている。この軽量化と省スペースの要求を
満足するためには、第1にエネルギー吸収部材の材料で
ある鋼なり、Al合金なりの材料強度を高くする必要が
ある。しかし、材料を高強度化した場合には材料は割れ
やすくなり、割れが生じたときにはエネルギー吸収量は
逆に低下する。つまり、エネルギー吸収量の向上と軽量
化および省スペースのための高強度化は相矛盾する課題
であって、材料側での成分、組織などの変更による冶金
的な解決もさることながら、構造的な工夫も強く求めら
れている。
【0010】そこで、本発明の目的は、軽量化および省
スペースを実現しつつ、高速衝突時におけるエネルギー
吸収量の大きいエネルギー吸収部材を提供することであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1のエネルギー吸収部材は、上壁部と、前記
上壁部と対向する底壁部と、前記上壁部および底壁部の
間に設けられた一対の側壁部とからなる断面が略矩形の
中空構造を有しており、外部からの荷重によるエネルギ
ーを中空部分の変形により吸収するエネルギー吸収部材
において、前記一対の側壁部が、前記底壁部と前記一対
の側壁部との接続個所どうしを結ぶ平面に対してそれぞ
れ鋭角をなす部分を有しており、前記上壁部および底壁
部に対して加えられた外部からの荷重によるエネルギー
を吸収する過程で、前記側壁部の少なくとも一部が中空
内側に曲がるように構成されていることを特徴とするも
のである。
【0012】請求項1のエネルギー吸収部材は、一対の
側壁部が底壁部と一対の側壁部との接続個所どうしを結
ぶ平面に対してそれぞれ鋭角をなす部分を有しており、
上壁部および底壁部に対して加えられた外部からの荷重
によるエネルギーを吸収する過程で、側壁部の少なくと
も一部が中空内側に曲がるように構成されているため
に、例えばステイのようなエネルギー吸収部材を支持す
る支持部材が高速衝突時に中空内側に侵入するのを中空
内側に曲がった側壁部が抑制するので、支持部材による
底壁部の打ち抜きを防止することができる。そのため、
支持部材による打ち抜きが生じる場合と比較してエネル
ギー吸収量が大幅に増加する。
【0013】また、側壁部が中空内側に曲がることによ
り側壁部と底壁部とが干渉するので、エネルギー吸収部
材により大きな荷重が加えられることになってエネルギ
ー吸収量が増加する。
【0014】さらに、側壁部が中空内側に曲がることに
より、たとえ側壁部に割れが生じたとしても、割れた部
分が上壁部および底壁部の幅内に収まっていることが多
いと考えられ、そのため、側壁部には上壁部および底壁
部を介して荷重がかけられることが多くなり、割れた部
分を有する側壁部によってもエネルギーを吸収すること
ができるようになる。従って、側壁部に割れの生じた場
合であっても予定された大きさまたはそれに近いエネル
ギーを吸収することが可能となる。
【0015】なお、請求項1のエネルギー吸収部材は、
任意の断面形状を有していてよく、略矩形の断面形状を
有するものに限られるものではない。また、上壁部およ
び底壁部は、必ずしも互いに平行に対向している必要は
ない。また、上壁部、底壁部および側壁部は、それぞれ
必ずしも1つの面で構成されている必要はなく、複数の
面(平面および曲面の両方を含む)で構成されていてよ
い。また、「少なくとも一部が中空内側に曲がる」とし
たのは、側壁部を構成する各部分のすべてが中空内側に
曲がらなくとも、側壁部の一部が中空内側に曲がること
により、支持部材による打ち抜きを防止する作用が働く
ことが考えられるからである。
【0016】請求項1において、上壁部および底壁部に
対して加えられた外部からの荷重によるエネルギーを吸
収する過程で側壁部の少なくとも一部が中空内側に曲が
るようにするための具体的な手段について説明する。上
述したように、断面が完全に矩形で4つの面が直交して
いる場合には、外部からの荷重が加えられた上壁部およ
び底壁部が中空内側に向けて曲がるとともに、側壁部と
してのウェブが中空外側に向けて曲がる。従って、側壁
部の少なくとも一部が中空内側に曲がるように構成する
には、上壁部および底壁部と平行な面に対して鋭角をな
す部分が側壁部にあることが少なくとも必要である。ま
た、上壁部(または底壁部)が曲面である場合には、底
壁部と一対の側壁部との接続個所どうしを結ぶ平面に対
してそれぞれ鋭角をなす部分を側壁部がそれぞれ有して
いることが必要である。
【0017】また、ある面はその両端の角部での曲率半
径が大きくなるほど中空外側に曲がりやすくなる傾向が
ある。従って、側壁部の少なくとも一部を中空内側に曲
がりやすくするには、曲率半径が比較的小さい角部を有
する部分が側壁部にあることが好ましい。また、ある面
はその両端の角部が肉盛などで補強されていても中空内
側に曲がりやすくなる。従って、側壁部の少なくとも一
部を中空内側に曲がりやすくするには、肉盛などで補強
された角部を有する部分が側壁部にあることが好まし
い。
【0018】すなわち、側壁部の少なくとも一部が中空
内側に曲がるように構成するためには、底壁部と一対の
側壁部との接続個所どうしを結ぶ平面に対してそれぞれ
鋭角をなす部分が側壁部にあることが必要であり、その
「鋭角」の角度範囲は、曲率半径の大小や肉盛などでの
補強程度に依存して変化する。なお、ここでは、側壁部
の少なくとも一部が中空内側に曲がるように構成するた
めの好適な条件として曲率半径の大小や肉盛などでの補
強程度を挙げたが、これら以外に好適な条件があれば、
その条件を満たすようにすることが好ましい。
【0019】また、請求項2のエネルギー吸収部材は、
前記上壁部および底壁部に対して加えられた外部からの
荷重によるエネルギーを吸収する過程で、前記側壁部が
前記上壁部の幅よりも突出することなく曲がるように構
成されていることを特徴とするものである。
【0020】請求項2のエネルギー吸収部材は、上壁部
および底壁部に対して加えられた外部からの荷重による
エネルギーを吸収する過程で側壁部が上壁部の幅よりも
突出することなく曲がるように構成されているために、
高速衝突時における支持部材による底壁部の打ち抜きを
より効果的に防止することができるとともに側壁部と底
壁部との干渉作用が大きくなるので、エネルギー吸収量
が増大する。また、たとえ側壁部に割れが生じたとして
も、側壁部には上壁部および底壁部を介して荷重がかけ
られることとなって、割れた部分を有する側壁部によっ
てもエネルギーを吸収することができるようになる。従
って、側壁部に割れの生じた場合であっても予定された
大きさまたはそれに近いエネルギーを吸収することが可
能となる。
【0021】なお、請求項2のエネルギー吸収部材にお
いて、「側壁部が上壁部の幅よりも突出することなく曲
がる」としたのは、側壁部が上壁部の幅よりも突出する
と、その部分で支持部材による打ち抜きを防止すること
ができなくなるとともに、その突出部において側壁部に
割れが生じると、その部分で荷重によるエネルギー吸収
を行うことができなくなるからである。また、ここでい
う「上壁部の幅」は、荷重がかけられた方向に垂直な方
向に関する上壁部の断面寸法を意味するものとする。
【0022】請求項2において、上壁部および底壁部に
対して加えられた外部からの荷重によるエネルギーを吸
収する過程で上壁部および底壁部に挟まれた側壁部が上
壁部の幅よりも突出することなく曲がるようにするため
の具体的な手段は、請求項1の場合とほぼ同様である。
すなわち、底壁部と一対の側壁部との接続個所どうしを
結ぶ平面に対してそれぞれ鋭角をなす部分を側壁部がそ
れぞれ有していることが必要であり、その「鋭角」の角
度範囲は、曲率半径の大小や肉盛などでの補強程度に依
存して変化する。また、上壁部の幅よりも突出しない範
囲において、側壁部の一部が中空外側に曲がってもよ
い。
【0023】また、請求項3のエネルギー吸収部材は、
前記上壁部および底壁部に対して加えられた外部からの
荷重によるエネルギーを吸収する過程で、前記上壁部お
よび底壁部の少なくともいずれか一方と実質的に垂直に
近接する垂直面部を前記側壁部が有していることを特徴
とするものである。
【0024】請求項3のエネルギー吸収部材は、上壁部
および底壁部に対して加えられた外部からの荷重による
エネルギーを吸収する過程で上壁部および底壁部の少な
くともいずれか一方と実質的に垂直に近接する垂直面部
を側壁部が有しているために、中空部分の変形途中にお
いて垂直面部が上壁部および底壁部を垂直に支えること
になる。そのため、垂直面部を曲げて中空部分を変形さ
せるには比較的大きな荷重が必要となることから、中空
部分の変形をより効果的に抑制することができる。従っ
て、部材の板厚を変えないという条件ではより大きなエ
ネルギーを吸収することが可能となり、同じ大きさのエ
ネルギーを吸収するという条件では板厚を薄くして部材
の軽量化を図ることができる。
【0025】また、請求項3のエネルギー吸収部材を輸
送機用として用いた場合、中空部分の変形当初は比較的
小さな荷重で中空部分が変形するため、エネルギー吸収
部材を支持する部材に大きな荷重が加えられることがな
く、破壊が予定されているエネルギー吸収部材だけを壊
すことができる。
【0026】また、請求項4のエネルギー吸収部材は、
上述したエネルギー吸収部材において、前記垂直面部の
板厚がそれ以外の部分の板厚よりも大きいことを特徴と
するものである。
【0027】請求項4のエネルギー吸収部材によると、
垂直面部の板厚がそれ以外の部分の板厚よりも大きいこ
とにより、所定の大きさのエネルギー吸収を実現しつ
つ、垂直面部の強度だけを補強し且つ全体の軽量化を図
ることが可能である。
【0028】また、請求項5のエネルギー吸収部材は、
上壁部と、前記上壁部と対向する底壁部と、前記上壁部
および底壁部の間に設けられた一対の側壁部とからなる
中空構造を有しており、外部からの荷重によるエネルギ
ーを中空部分の変形により吸収するエネルギー吸収部材
において、前記一対の側壁部が、前記底壁部と前記一対
の側壁部との接続個所どうしを結ぶ平面に対してそれぞ
れ鋭角をなして接続されているとともに、前記一対の側
壁部に少なくとも1個所の中空内側に向いた折り曲げ個
所がそれぞれ設けられていることを特徴とするものであ
る。
【0029】請求項5によると、一対の側壁部が底壁部
と一対の側壁部との接続個所どうしを結ぶ平面に対して
それぞれ鋭角をなして接続されているために、一対の側
壁部に荷重がかけられた場合に側壁部が中空内側に曲げ
られやすくなっており、しかも一対の側壁部に少なくと
も1個所の中空内側に向いた折り曲げ個所がそれぞれ設
けられていることにより、一対の側壁部に荷重がかけら
れた場合に側壁部を非常に高い割合で中空内側に曲げる
ことができる。従って、請求項1と同様に、高速衝突時
における支持部材による底壁部の打ち抜きを防止するこ
とができるとともに側壁部と底壁部との干渉作用が生じ
るために、エネルギー吸収量を増大させることができ
る。また、側壁部に割れが生じたとしても、予定された
大きさまたはそれに近いエネルギーを吸収することが可
能となる。
【0030】また、請求項5では、一対の側壁部が底壁
部と一対の側壁部との接続個所どうしを結ぶ平面に対し
てそれぞれ鋭角をなして接続されているために、側壁部
に設けられる折り曲げ個所のうち最も底壁部に近い折り
曲げ個所(以下、本明細書において「第1折り曲げ部」
という)は非常に高い割合で中空内側に向いた折り曲げ
個所となる。そして、中空内側に向いた第1折り曲げ部
を設けるようにした場合には、後述の実施例で詳述する
ように、中空内側に向いた第1折り曲げ部と底壁との距
離、および、第1折り曲げ部と底壁端との距離を適宜設
定することによって、用途に応じてエネルギー吸収部材
として好適な特性を実現することができるという利点が
ある。
【0031】また、請求項5のエネルギー吸収部材は、
任意の断面形状を有していてよく、略矩形の断面形状を
有するものに限られるものではない。また、上壁部と底
壁部は、必ずしも互いに平行に対向している必要はな
い。また、上壁部および底壁部は、それぞれ必ずしも1
つの面で構成されている必要はなく、複数の面(平面お
よび曲面の両方を含む)で構成されていてよい。
【0032】また、請求項6のエネルギー吸収部材は、
前記上壁部が中空外側に膨らむように湾曲している部分
を有することを特徴とするものである。
【0033】請求項6によると、上壁部が中空外側に膨
らむように湾曲している部分を有するために、上壁部の
曲げ剛性が向上して上壁部に大きな荷重が与えられた場
合であっても衝突面となる上壁部が中空内側に座屈しづ
らく、エネルギー吸収部材におけるエネルギー吸収量が
増加する。また、請求項6によると、低速衝突時のエネ
ルギー吸収部材の変形量を小さく抑制できるという利点
がある。
【0034】また、請求項7のエネルギー吸収部材は、
前記上壁部が、前記上壁部と前記一対の側壁部との接続
個所を越えて外側に伸延して設けられていることを特徴
とするものである。
【0035】請求項7によると、上壁部と一対の側壁部
との接続個所を越えて上壁部が外側に伸延しているため
に、上壁部がその端点において側壁部と接続されている
場合と比較して上壁部の曲げ剛性が向上し、衝突時に上
壁部が座屈しにくく、エネルギー吸収量が増加する。
【0036】また、請求項8のエネルギー吸収部材は、
前記底壁部が、前記底壁部と前記一対の側壁部との接続
個所を越えて外側に伸延して設けられていることを特徴
とするものである。
【0037】請求項8によると、底壁部と一対の側壁部
との接続個所を越えて底壁部が外側に伸延しているため
に、請求項7と同様に底壁部の曲げ剛性が向上してエネ
ルギー吸収量を増加させることができる。また、このよ
うにいわゆるフランジとなる部分を底壁部に設けること
によって、底壁部と側壁部との接続個所近傍に割れが発
生した場合に、その割れが反対側の接続個所に伝播して
いくのを防止することができる。また、底壁部と一対の
側壁部との接続個所を越えて底壁部が外側に伸延してい
るので、底壁部に大きな荷重が与えられた場合であって
も底壁部が中空内側方向に打ち抜かれるのを確実に抑制
することができる。
【0038】また、請求項9のエネルギー吸収部材は、
上述したようなエネルギー吸収部材がアルミニウム合金
製の押出形材であることを特徴とするものである。
【0039】請求項9のように、エネルギー吸収部材が
アルミニウム合金製の押出形材であることにより、部材
の重量を軽量化することができるとともに、部材を比較
的容易に製造することが可能となる。
【0040】また、本発明で用いられる材料は、鋼とし
ては低炭素鋼や炭素鋼或いはハイテン(高強度)鋼が、
アルミニウム合金としては、要求特性に応じて、AAな
いしJIS規格による1000系、3000系、500
0系、6000系または7000系などのアルミニウム
合金が適宜選択されて用いられる。前記したとおり、本
発明では、材料の高強度化とエネルギー吸収量低下との
矛盾を構造的に解決しているので、より高強度な材料が
使用できるという利点もある。この点、前記曲げ剛性を
向上させるためにはハイテン鋼、また、軽量化のために
はAAないしJIS規格による7000系アルミニウム
合金板(以下、単に「7000系Al合金板」という)
であることが好ましい。また、これら高強度材料を用い
ることにより、バンパーなどをより薄肉化できるという
効果がある。
【0041】7000系アルミニウム合金の一例として
の7003アルミニウム合金は、Al−Zn−Mg−C
u系合金であって、基本的にZnを5.0〜6.5重量
%、Mgを0.5〜1.0重量%、Feを0.35重量
%、Mnを0.3重量%、Siを0.3重量%、Cuを
0.2重量%、Crを0.2重量%、Tiを0.2重量
%、残部Alおよび不可避的不純物を含有している。し
かし、必ずしも各成分が規格通りにならずとも、適宜成
分組成の変更は許容される。すなわち、上記元素の成分
範囲の変更や、より具体的な用途および要求特性に応じ
て、他の元素を適宜含むことは許容される。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について、図面を参照して説明する。
【0043】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る
自動車のバンパー補強材として用いられるエネルギー吸
収部材の断面図である。本実施の形態のエネルギー吸収
部材1は、7000系Al合金からなる押出形材であっ
て、4つの部位に囲まれた略矩形の中空構造を有してい
る。すなわち、エネルギー吸収部材1は、互いに平行に
対向する上壁部11および底壁部12と、上壁部11お
よび底壁部12の間に設けられてこれら2つの部位を連
結する一対のウェブ(側壁部)13、14とを具備して
いる。
【0044】ウェブ13、14は、やや中空内側に湾曲
した1つの曲面で構成されており、上壁部11および底
壁部12と70°程度の角度でそれぞれ接続されてい
る。また、ウェブ13、14と上壁部11および底壁部
12との連結個所近傍のウェブ13、14内外には、ウ
ェブ13、14を補強するための肉盛15が施されてい
る。
【0045】エネルギー吸収部材1が自動車のバンパー
補強材として用いられる場合、例えば図14(a)、
(b)に示したように、長尺部材として成形されたエネ
ルギー吸収部材1の底壁部12に2本のステイ(支持部
材)が取り付けられる。このような状態で、エネルギー
吸収部材1と壁とが高速衝突して、上壁部11および底
壁部12にエネルギー吸収部材1を押しつぶす方向の荷
重が加えられると、主にウェブ13、14がステイとの
接続個所を中心として変形する。
【0046】図2は、高速衝突時のステイとの接続部分
でのエネルギー吸収部材1の変形過程での一状態を示す
断面図である。本実施の形態では、上壁部11および底
壁部12とウェブ13、14とが70°程度の角度をな
して接続されているとともにウェブ13、14の両端部
近傍に肉盛15が施されているために、図2に示すよう
に、ウェブ13、14は、上壁部11および底壁部12
に対して加えられた荷重によるエネルギーにより中空内
側に曲げられる。
【0047】従って、さらに変形が進んでウェブ13、
14のいずれかの個所に割れが発生したとしても、変形
の最終段階、つまり上壁部11と底壁部12とが実質的
に接触する程度に近接するまでの間にウェブ13、14
の割れた部分が上壁部11または底壁部12と当接する
ことになる。そのため、たとえウェブ13、14に割れ
が生じたとしても、割れた部分には上壁部11および底
壁部12から荷重が加えられることになり、割れが生じ
た以降その部分でのエネルギー吸収が行われないという
ことがなくなる。つまり、割れが生じたウェブ13、1
4にもある程度の荷重が加えられ、荷重によるウェブ1
3、14の変形によってエネルギーの吸収が行われるこ
とになる。
【0048】また、ウェブ13、14が中空内側に曲げ
られるので、内側に倒れたウェブ13、14がステイの
侵入を食い止めることになって、図14(d)に示した
ようなステイによる打ち抜き現象を防止することができ
る(この点については、後の第3の実施の形態において
図7を参照にして詳述する)。このように、本実施の形
態によると、ステイによる底壁部12の打ち抜きを極力
防止することができるため、打ち抜き現象が生じる場合
と比較してエネルギー吸収量が大幅に増大する。また、
ステイの幅を小さくしても打ち抜きが生じにくくなるの
で、ステイの幅を可能な限り小さくすることができ、ス
テイの小型化によって車両の軽量化を図ることができ
る。
【0049】また、本実施の形態によると、ウェブ1
3、14が中空内側に曲げられるので、エネルギー吸収
が進むと内側に倒れたウェブ13、14が底壁部12と
接触してエネルギー吸収部材1に加えられる荷重が大き
くなり、この点からもエネルギー吸収部材1によるエネ
ルギー吸収量を増大させることができる。
【0050】次に、本発明の第2の実施の形態について
説明する。図3は、本発明の第2の実施の形態に係る自
動車のバンパー補強材として用いられるエネルギー吸収
部材の断面図である。本実施の形態のエネルギー吸収部
材2は、7000系Al合金からなる押出形材であっ
て、4つの部位に囲まれた略矩形の中空構造を有してい
る。すなわち、エネルギー吸収部材2は、互いに平行に
対向する上壁部21および底壁部22と、上壁部21お
よび底壁部22の間に設けられてこれら2つの部位を連
結する一対のウェブ(側壁部)23、24とを具備して
いる。
【0051】ウェブ23は、上部23aと中央部(垂直
面部)23bと下部23cとの3つの平面部分から構成
されている。上部23aは上壁部21と80°程度の角
度で接続されており、下部23cは底壁部22と80°
程度の角度で接続されている。また、上壁部21および
底壁部22と垂直である中央部23bは、上部23aお
よび下部23cとそれぞれ160°程度の角度で接続さ
れている。つまり、ウェブ23は、上壁部21および底
壁部22の端部からやや中空内側に凹んだ形状に形成さ
れている。そして、ウェブ23と上壁部21および底壁
部22との連結角部は、非常に小さな曲率半径を有して
いる。
【0052】また、ウェブ24についても、ウェブ23
と同様に、上部24aと中央部(垂直面部)24bと下
部24cという3つの平面部分から構成されており、こ
れら各部分の接続角度などはウェブ23の上部23aと
中央部23bと下部23cと同じである。また、ウェブ
24と上壁部21および底壁部22との連結角部の曲率
半径が非常に小さい点もウェブ23同様である。
【0053】また、本実施の形態のエネルギー吸収部材
2において、ウェブ23、24の中央部23b、24b
の板厚は、エネルギー吸収部材2の他の部分の板厚より
も若干大きく形成されている。
【0054】このように構成されたエネルギー吸収部材
2が自動車のバンパー補強材として用いられる場合、例
えば図14(a)、(b)に示したのと同様に、長尺部
材として成形されたエネルギー吸収部材2の底壁部22
に2本のステイが取り付けられる。このような状態で、
エネルギー吸収部材2と壁とが高速衝突して、上壁部2
1および底壁部22にエネルギー吸収部材2を押しつぶ
す方向の荷重が加えられると、主にウェブ23、24が
ステイとの接続部分を中心として変形する。
【0055】図4は、ステイとの接続部分でのエネルギ
ー吸収部材2の変形過程での一状態を示す断面図であ
る。本実施の形態では、上壁部21および底壁部22と
ウェブ23、24とが80°程度の角度をなして接続さ
れているとともにウェブ23、24と上壁部21および
底壁部22との連結角部の曲率半径が非常に小さいため
に、図4に示すように、ウェブ23、24は、上壁部2
1および底壁部22に対して加えられた荷重によるエネ
ルギーにより中空内側に曲げられる。このとき、ウェブ
23、24の中央部23b、24bには、上部23a、
24aおよび下部23c、24cからほぼ同等の荷重が
それぞれ加えられるので、中央部23b、24bは上壁
部21および底壁部22に対して垂直な状態を保ったま
まである。つまり、ウェブ23、24は、その凹みの程
度が大きくなるように変形していく。
【0056】図5は、図4よりもさらに変形が進んだ状
態でのエネルギー吸収部材2の断面図である。ウェブ2
3、24の中央部23b、24bは上壁部21および底
壁部22の対して垂直な状態を保ったまま、上壁部21
および底壁部22に接近していき、最終的にはこれらに
接触する。
【0057】従って、ここまでの過程でウェブ23、2
4に割れが発生したとしても(本実施の形態では特に上
部23a、24aと中央部23b、24bとの境界付近
などで割れが発生しやすいと考えられる)、中央部23
b、24bが上壁部21および底壁部22と当接するこ
とになるため、中央部23b、24bには上壁部21お
よび底壁部22から荷重が加えられることになり、割れ
が生じた以降中央部23b、24bでのエネルギー吸収
が行われないということがない。つまり、割れが生じた
ウェブ23、24にもある程度の荷重が加えられ、荷重
によるウェブ23、24の変形によってエネルギーの吸
収が行われることになる。
【0058】また、本実施の形態では、中央部23b、
24bが上壁部21および底壁部22と実質的に垂直に
近接するので、上壁部21および底壁部22が中央部2
3b、24bと接触した以降において中央部23b、2
4bを変形させるには比較的大きな荷重が必要となる。
従って、エネルギー吸収部材2の中空部分の変形が抑制
され、これを変形させるには大きなエネルギーが必要と
なる。つまり、中央部23b、24bの板厚が一定とい
う条件ではより大きなエネルギーを吸収することが可能
であり、同じ大きさのエネルギーを吸収するという条件
では中央部23b、24bの板厚を薄くしてエネルギー
吸収部材2の軽量化を図ることが可能となる。
【0059】また、本実施の形態のエネルギー吸収部材
2を自動車などの輸送機用とした用いた場合、上記のよ
うにエネルギー吸収部材2の軽量化を図ることができる
と同時に、変形当初は比較的小さな荷重により中空部分
が変形するため、エネルギー吸収部材2を支持する部材
に大きな荷重が加えられることがなく、破壊が予定され
ているエネルギー吸収部材2だけを壊すことができる。
【0060】さらに、本実施の形態のエネルギー吸収部
材2では、中央部23b、24bの板厚が他の部分の板
厚よりも大きいために、所定の大きさのエネルギー吸収
を実現しつつ、中央部23b、24bの強度だけを補強
し且つエネルギー吸収部材2全体の軽量化を図ることが
できる。
【0061】図5に示した状態からさらに変形が進む
と、中央部23b、24bが中空内側または外側に曲が
ることによるエネルギー吸収が行われる。中央部23
b、24bが中空内側に曲がるか外側に曲がるかは、中
央部23b、24bと上壁部21および底壁部22との
接触角度やウェブ23、24における割れの有無などの
条件に依存する。中央部23b、24bが中空外側に曲
がる場合には、中央部23b、24bは、上壁部21お
よび底壁部22の幅よりも突出しないことが好ましい。
なぜなら、このようなときに突出部で割れが発生する
と、そこでのエネルギー吸収が行われなくなるおそれが
あるからである。
【0062】また、本実施の形態においても、第1の実
施の形態と同様に、内側に倒れたウェブ23、24によ
って高速衝突時の底壁部22の打ち抜き現象を防止する
ことができるとともに、内側に倒れたウェブ23、24
が底壁部22と接触することによってエネルギー吸収量
を増大させることができる。
【0063】次に、本発明の第3の実施の形態について
説明する。図6は、本発明の第3の実施の形態に係る自
動車のバンパー補強材として用いられるエネルギー吸収
部材の断面図である。本実施の形態のエネルギー吸収部
材3は、7000系Al合金からなる押出形材であっ
て、4つの部位に囲まれた略矩形の中空構造を有してい
る。すなわち、エネルギー吸収部材3は、若干中空外側
(すなわち上向き)に膨らむように湾曲した上壁部31
と、上壁部31と対向する平板として形成された底壁部
32と、上壁部31および底壁部32の間に設けられて
これら2つの部位を連結する一対のウェブ(側壁部)3
3、34とを具備している。
【0064】上壁部31は、左端部31a、中央部31
b、右端部31cの3つの部分から構成されている。左
端部31aと中央部31bとの境界部にはウェブ33が
接続されており、中央部31bと右端部31cとの境界
部にはウェブ34が接続されている。つまり、上壁部3
1の左端部31aは、上壁部31とウェブ33との接続
個所を越えて左外側に伸延しており、上壁部31の右端
部31cは、上壁部31とウェブ34との接続個所を越
えて右外側に伸延している。同様に、底壁部32は、左
端部32a、中央部32b、右端部32cの3つの部分
から構成されており、左端部32aと中央部32bとの
境界部にはウェブ33が接続されており、中央部32b
と右端部32cとの境界部にはウェブ34が接続されて
いる。また、上壁部31の場合に比べて伸延長さは短い
ものの、底壁部32の左端部32aは、底壁部32とウ
ェブ33との接続個所を越えて左外側に伸延しており、
底壁部32の右端部32cは、底壁部32とウェブ34
との接続個所を越えて右外側に伸延している。
【0065】また、ウェブ33は、上部33aと中央部
(垂直面部)33bと下部33cとの3つの平面部分か
ら構成されている。上部33aは上壁部31と80°程
度の角度で接続されており、下部33cは底壁部32と
60°程度の角度で接続されている。また、上壁部31
の中央部31bおよび底壁部32の中央部32bと垂直
である中央部33bは、中空内側に向いた折り曲げ個所
36aにおいて上部33aと160°程度の角度で接続
されているとともに、中空内側に向いた折り曲げ個所3
7aにおいて下部33cと120°程度の角度で接続さ
れている。つまり、ウェブ33は、やや中空内側に凹ん
だ形状に形成されている。
【0066】また、ウェブ34についても、ウェブ33
と同様に、上部34aと中央部(垂直面部)34bと下
部34cという3つの平面部分から構成されており、中
空内側に向いた折り曲げ個所36b、37bにおける接
続角度などはウェブ33の場合と同じである。
【0067】なお、本実施の形態では底壁部32が平面
であるが、これが中空外側または内側に膨らむように湾
曲していてもよい。この場合には、ウェブ33、34は
底壁部32とウェブ33、34との接続個所どうしを結
ぶ平面に対してそれぞれ鋭角をなして接続されていれば
よい。
【0068】また、本実施の形態のエネルギー吸収部材
3において、ウェブ33、34の中央部33b、34b
の板厚は、エネルギー吸収部材3の他の部分の板厚より
も若干大きく形成されている。
【0069】このように構成されたエネルギー吸収部材
3が自動車のバンパー補強材として用いられる場合、例
えば図7(a)に示すように、長尺部材として成形され
たエネルギー吸収部材3の底壁部32の両端部近傍に2
本のステイ(図7(a)には1つのステイ72だけが示
されている)がボルト73によって取り付けられる。こ
のような状態で、エネルギー吸収部材3と壁とが高速衝
突して、上壁部31および底壁部32にエネルギー吸収
部材3を押しつぶす方向の荷重が加えられると、主にウ
ェブ33、34がステイとの接続部分を中心として変形
する。
【0070】このとき、ウェブ33、34の下部33
c、34cと底壁部32とが鋭角をなして接続されてお
り、ウェブ33、34の折り曲げ個所36a、36b、
37a、37bがすべて中空内側に向いているために、
ウェブ33、34は上壁部31および底壁部32に加え
られたエネルギーによって中空内側に曲げられ、図7
(b)に示すように、ウェブ33、34の下部33c、
34cが底壁部32と接触する。また、さらに変形が進
むと、図7(c)に示すように、ウェブ33、34の中
央部33b、34bにも曲げ個所が生じてボルト73の
頂部が上壁部31の内側と接するようになる。
【0071】このように、ウェブ33、34が中空内側
に曲がると、ウェブ33、34のいずれかの個所に割れ
が発生したとしても割れた部分にも上壁部31および底
壁部32からの荷重が加えられることになり、エネルギ
ー吸収部材3は予定していたエネルギー量またはそれに
近いエネルギー量を吸収することになる。
【0072】また、本実施の形態では、ウェブ33、3
4が中空内側に曲げられるので、内側に倒れたウェブ3
3、34の下部33c、34cがステイ72の侵入を食
い止めることになって、図14(d)に示したようなス
テイによる底壁部32の打ち抜き現象を防止することが
できて、エネルギー吸収部材3によるエネルギー吸収量
が大幅に増加する。
【0073】また、本実施の形態によると、ウェブ3
3、34が中空内側に曲げられるので、エネルギー吸収
が進むと内側に倒れたウェブ33、34が底壁部32と
接触してエネルギー吸収部材3に加えられる荷重が大き
くなり、この点からもエネルギー吸収部材3によるエネ
ルギー吸収量を増大させることができる。なお、図7
(c)に示されているようなボルト73と上壁部31と
の接触によっても、エネルギー吸収部材3によるエネル
ギー吸収量が増大する。
【0074】また、本実施の形態のエネルギー吸収部材
3においては、上壁部31が中空外側に膨らむように湾
曲していること、および、上壁部31がウェブ33、3
4との接続個所を越えて外側に伸延した左端部31a、
右端部31cを有していることにより、上壁部31の曲
げ剛性が通常の断面矩形のエネルギー吸収部材のものよ
りも大きい。そのため、上壁部31が座屈しづらく、エ
ネルギー吸収部材3によるエネルギー吸収量が大きくな
っている。
【0075】さらに、上壁部31が中空外側に膨らむよ
うに湾曲しているために、高速衝突でのエネルギー吸収
量が増大することに加えて、低速衝突時においてエネル
ギー吸収部材3の変形量を小さく抑制することができる
という利点がある。
【0076】また、本実施の形態のエネルギー吸収部材
3においては、底壁部32とウェブ33、34との接続
個所を越えて底壁部32が外側に伸延しているために、
底壁部32の曲げ剛性が通常の断面矩形のエネルギー吸
収部材のものよりも大きい。そのため、底壁部32が座
屈しづらく、エネルギー吸収部材3によるエネルギー吸
収量が大きい。
【0077】また、本実施の形態のエネルギー吸収部材
3には、底壁部32にウェブ33、34との接続個所を
越えて外側に伸延した左端部32a、右端部32cのよ
うないわゆるフランジとなる部分が設けられているため
に、底壁部32とウェブ33、34との接続個所近傍に
割れが発生した場合であっても、その割れが反対側の接
続個所に伝播しづらい。この点からも、エネルギー吸収
部材3のエネルギー吸収量を増加させることができる。
また、本実施の形態のエネルギー吸収部材3によると、
左端部32a、右端部32cが設けられているために、
高速衝突によって底壁部32に大きな荷重が与えられた
場合であっても底壁部32がステイによって中空内側方
向に打ち抜かれるのを抑制することができる。従って、
この点からも、エネルギー吸収部材3のエネルギー吸収
量を増加させることができる。また、底壁部32に左端
部32a、右端部32cを設けることでステイによる打
ち抜き防止効果があるので、ステイの幅をより小さくし
ても打ち抜きが発生しづらく、ステイ幅の減少分だけ車
両の軽量化を図ることができる。
【0078】次に、本発明の第4の実施の形態について
説明する。図8は、本発明の第4の実施の形態に係る自
動車のバンパー補強材として用いられるエネルギー吸収
部材の断面図である。本実施の形態のエネルギー吸収部
材4は、7000系Al合金からなる押出形材であっ
て、4つの部位に囲まれた略矩形の中空構造を有してい
る。すなわち、エネルギー吸収部材4は、若干中空外側
(すなわち上向き)に膨らむように湾曲した上壁部41
と、上壁部41と対向する平板として形成された底壁部
42と、上壁部41および底壁部42の間に設けられて
これら2つの部位を連結する一対のウェブ(側壁部)4
3、44とを具備している。
【0079】本実施の形態のエネルギー吸収部材4が第
3の実施の形態のエネルギー吸収部材3と異なるのは、
ウェブ43、44の構造に関する点だけであり、上壁部
41および底壁部42の構造は第3の実施の形態の上壁
部31および底壁部32と実質的に同じである。すなわ
ち、第3の実施の形態のエネルギー吸収部材3ではウェ
ブ33、34がそれぞれ3つの部分から構成されていた
が、本実施の形態ではウェブ43、44が2つの部分か
ら構成されている。具体的には、ウェブ43は、上部4
3aと下部43bとの2つの平面部分から構成されてお
り、上部43aは上壁部41と80°程度の角度で接続
されており、下部43bは底壁部42と60°程度の角
度で接続されている。また、ウェブ43の上部43aと
下部43bは中空内側に向いた折り曲げ個所46aにお
いて120°程度の角度で接続されており、ウェブ43
は、やや中空内側に凹んだ形状に形成されている。
【0080】また、ウェブ44についても、ウェブ43
と同様に、上部44aと下部44bという2つの平面部
分から構成されており、中空内側に向いた折り曲げ個所
46bにおける接続角度などはウェブ43の場合と同じ
である。
【0081】このように構成されたエネルギー吸収部材
4が自動車のバンパー補強材として用いられると、図7
(a)で説明したのと同様に底壁部42にステイが取り
付けられる。そして、高速衝突によって上壁部41およ
び底壁部42にエネルギー吸収部材4を押しつぶす方向
の荷重が加えられると、主にウェブ43、44がステイ
との接続部分を中心として変形する。このとき、ウェブ
43、44の下部43b、44bと底壁部42とが鋭角
をなして接続されており、ウェブ43、44の折り曲げ
個所46a、46bがすべて中空内側に向いているため
に、ウェブ43、44は上壁部41および底壁部42に
加えられたエネルギーによって中空内側に曲げられる。
従って、ウェブ43、44のいずれかの個所に割れが発
生したとしても割れた部分にも上壁部41および底壁部
42からの荷重が加えられることになり、エネルギー吸
収部材4は予定していたエネルギー量またはそれに近い
エネルギー量を吸収することになる。
【0082】また、本実施の形態では、ウェブ43、4
4が中空内側に曲げられるので、内側に倒れたウェブ4
3、44の下部43b、44bがステイの侵入を食い止
めることになって、図14(d)に示したようなステイ
による底壁部42の打ち抜き現象を防止することができ
る。このように、本実施の形態によると、ステイによる
打ち抜きを極力防止することができるため、ステイの幅
を可能な限り小さくすることができ、この点から車両の
軽量化を図ることができる。
【0083】また、本実施の形態によると、ウェブ4
3、44が中空内側に曲げられるので、エネルギー吸収
が進むと内側に倒れたウェブ43、44が底壁部42と
接触してエネルギー吸収部材4に加えられる荷重が大き
くなり、この点からもエネルギー吸収部材4によるエネ
ルギー吸収量を増大させることができる。
【0084】また、本実施の形態のエネルギー吸収部材
4においては、上壁部41が中空外側に膨らむように湾
曲していること、および、上壁部41がウェブ43、4
4との接続個所を越えて外側に伸延した左端部41a、
右端部41cを有していることにより、上壁部41が座
屈しづらく、エネルギー吸収部材3によるエネルギー吸
収量が大きくなっている。さらに、上壁部31が中空外
側に膨らむように湾曲しているために、低速衝突時にお
いてエネルギー吸収部材3の変形量を小さく抑制するこ
とができる。
【0085】また、本実施の形態のエネルギー吸収部材
4においては、底壁部42とウェブ43、44との接続
個所を越えて底壁部42が外側に伸延しているために、
底壁部42が座屈しづらく、エネルギー吸収部材4によ
るエネルギー吸収量が大きい。また、本実施の形態のエ
ネルギー吸収部材4には、底壁部42にウェブ43、4
4との接続個所を越えて外側に伸延した左端部42a、
右端部42cが設けられているために、底壁部42とウ
ェブ43、44との接続個所近傍に割れが発生した場合
であっても、その割れが反対側の接続個所に伝播しづら
く、また、底壁部42に大きな荷重が与えられた場合で
あっても底壁部42が中空内側方向に打ち抜かれるのを
抑制することができ、これらの点からもエネルギー吸収
部材4のエネルギー吸収量を増加させることができる。
【0086】以上、本発明の好適な実施の形態について
説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるもの
ではなく、様々な設計変更が可能である。例えば、上述
の実施の形態では断面が略矩形のエネルギー吸収部材に
ついて説明したが、本発明はこれに限られるものではな
く、例えば断面が略5角形であってもよい。また、上述
の実施の形態では、ウェブ全体が中空内側に曲がる場合
を説明したが、ウェブは少なくともその一部が中空内側
に曲がればよく、必ずしもウェブ全体が中空内側に曲が
る必要はない。
【0087】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。
【0088】図9は本発明の一実施例のエネルギー吸収
部材の断面図である。本実施例のエネルギー吸収部材5
は、上壁部51と、底壁部(幅50mm)52と、これ
らに対して鋭角に接続された側壁部(長さ40mm)5
3、54とからなる略矩形断面を有している。また、側
壁部53、54には、中空内側に向いた第1折り曲げ部
55、56がそれぞれ設けられている。図9に示したよ
うな断面形状を有するエネルギー吸収部材5について、
中空内側に向いた第1折り曲げ部55、56と底壁56
との距離s、および、第1折り曲げ部55、56と底壁
端との距離dとエネルギー吸収部材5の特性との関係を
〔表1〕に示す4種類のエネルギー吸収部材(実施例1
〜4)について調べた。その結果を図10〜図13に示
す。
【0089】
【表1】
【0090】図10は、実施例1および2のエネルギー
吸収部材についての荷重−変位特性を示すグラフであ
る。また、図11は図10を距離dと変位が小さい個所
での最大ピーク荷重(初期ピーク荷重)Pmax との関係
を表すものに書き換えたグラフである(なお、図11に
は、実施例3および4の初期ピーク荷重のデータも書き
込まれている)。例えばエネルギー吸収部材が自動車の
バンパー補強材として用いられる場合には、エネルギー
吸収部材と接続された他部材が初期ピーク荷重によって
破壊されるのを防止するために、初期ピーク荷重を一定
以下に押さえることが望まれる。図11から距離dが大
きいほど初期ピーク荷重が小さくなり、距離dを小さく
すれば初期ピーク荷重を用途に応じた値以下に押さえる
ことが可能であることが分かる。
【0091】図12は、実施例2〜4のエネルギー吸収
部材についての荷重−変位特性を示すグラフである。ま
た、図13は図12を距離sと第2荷重立ち上がり位置
(荷重が初期ピークから一旦落ち込んだ後に再度増加に
転じる変位位置)との関係を表すものに書き換えたグラ
フである(なお、図13には。実施例1の第2荷重立ち
上がり位置のデータも書き込まれている)。例えばエネ
ルギー吸収部材が自動車のバンパー補強材として用いら
れる場合には、エネルギー吸収部材におけるエネルギー
吸収量を増加させるために第2荷重立ち上がり位置をな
るべく変位の小さい個所とすることが望まれる。そし
て、図13から、距離sが小さいほど第2荷重立ち上が
り位置を早くすることができることが分かる。
【0092】本実施例から明らかなように、中空内側に
向いた第1折り曲げ部を有するエネルギー吸収部材にお
いては、第1折り曲げ部と底壁部との距離s、および、
第1折り曲げ部Bと底壁端との距離dが荷重−変位特性
と大きな関連を有している。そのため、距離sおよび距
離dを用途などに応じて適宜変更することで用途に応じ
た最適な特性を有するエネルギー吸収部材を得ることが
できる。
【0093】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1のエネル
ギー吸収部材によると、例えばステイのようなエネルギ
ー吸収部材を支持する支持部材が高速衝突時に中空内側
に侵入するのを中空内側に曲がった側壁部が抑制するの
で、支持部材による底壁部の打ち抜きを防止することが
できて、支持部材による打ち抜きが生じる場合と比較し
てエネルギー吸収量が大幅に増加する。また、側壁部が
中空内側に曲がることにより側壁部と底壁部とが干渉す
るので、エネルギー吸収部材により大きな荷重が加えら
れることになってエネルギー吸収量が増加する。
【0094】さらに、側壁部が中空内側に曲がることに
より、たとえ側壁部に割れが生じたとしても、割れた部
分が上壁部および底壁部の幅内に収まっていることが多
いと考えられ、そのため、側壁部には上壁部および底壁
部を介して荷重がかけられることが多くなり、割れた部
分を有する側壁部によってもエネルギーを吸収すること
ができるようになる。従って、側壁部に割れの生じた場
合であっても予定された大きさまたはそれに近いエネル
ギーを吸収することが可能となる。
【0095】請求項2のエネルギー吸収部材によると、
高速衝突時における支持部材による底壁部の打ち抜きを
より効果的に防止することができるとともに側壁部と底
壁部との干渉作用が大きくなるので、エネルギー吸収量
が増大する。また、たとえ側壁部に割れが生じたとして
も、側壁部には上壁部および底壁部を介して荷重がかけ
られることとなって、割れた部分を有する側壁部によっ
てもエネルギーを吸収することができるようになる。従
って、側壁部に割れの生じた場合であっても予定された
大きさまたはそれに近いエネルギーを吸収することが可
能となる。
【0096】請求項3のエネルギー吸収部材によると、
中空部分の変形途中において垂直面部が上壁部および底
壁部を垂直に支えることになるので、中空部分の変形を
より効果的に抑制することができる。従って、部材の板
厚を変えないという条件ではより大きなエネルギーを吸
収することが可能となる。
【0097】請求項4のエネルギー吸収部材によると、
垂直面部の板厚がそれ以外の部分の板厚よりも大きいこ
とにより、所定の大きさのエネルギー吸収を実現しつ
つ、垂直面部の強度だけを補強し且つ全体の軽量化を図
ることが可能である。
【0098】請求項5のエネルギー吸収部材によると、
一対の側壁部に荷重がかけられた場合に側壁部を非常に
高い割合で中空内側に曲げることができるので、請求項
1と同様に、高速衝突時における支持部材による底壁部
の打ち抜きを防止することができるとともに側壁部と底
壁部との干渉作用が生じるために、エネルギー吸収量を
増大させることができる。また、側壁部に割れが生じた
としても、予定された大きさまたはそれに近いエネルギ
ーを吸収することが可能となる。
【0099】また、請求項5によると、中空内側に向い
た第1折り曲げ部が設けられるために、第1折り曲げ部
と底壁との距離、および、第1折り曲げ部と底壁端との
距離を適宜設定することによって、用途に応じてエネル
ギー吸収部材として好適な特性を実現することができ
る。
【0100】請求項6のエネルギー吸収部材によると、
上壁部が中空外側に膨らむように湾曲している部分を有
するために、上壁部の曲げ剛性が向上して上壁部に大き
な荷重が与えられた場合であっても衝突面となる上壁部
が中空内側に座屈しづらく、エネルギー吸収部材におけ
るエネルギー吸収量が増加する。また、低速衝突時のエ
ネルギー吸収部材の変形量を小さく抑制できる。
【0101】請求項7のエネルギー吸収部材によると、
上壁部と一対の側壁部との接続個所を越えて上壁部が外
側に伸延しているために、上壁部がその端点において側
壁部と接続されている場合と比較して上壁部の曲げ剛性
が向上し、衝突時に上壁部が座屈しにくく、エネルギー
吸収量が増加する。
【0102】請求項8のエネルギー吸収部材によると、
底壁部と一対の側壁部との接続個所を越えて底壁部が外
側に伸延しているために、底壁部の曲げ剛性が向上して
エネルギー吸収量を増加させることができる。また、底
壁部と側壁部との接続個所近傍に割れが発生した場合
に、その割れが反対側の接続個所に伝播していくのを防
止することができる。また、底壁部に大きな荷重が与え
られた場合であっても底壁部が中空内側方向に打ち抜か
れるのを確実に抑制することができる。
【0103】請求項9のエネルギー吸収部材によると、
部材の重量を軽量化することができるとともに、部材を
比較的容易に製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る自動車のバン
パー補強材として用いられるエネルギー吸収部材の断面
図である。
【図2】図1に示したエネルギー吸収部材の変形過程で
の一状態を示す断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る自動車のバン
パー補強材として用いられるエネルギー吸収部材の断面
図である。
【図4】図3に示したエネルギー吸収部材の変形過程で
の一状態を示す断面図である。
【図5】図4よりもさらに変形が進んだ状態でのエネル
ギー吸収部材の断面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係るエネルギー吸
収部材の断面図である。
【図7】図6のエネルギー吸収部材の変形過程を経時的
に示した断面図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係るエネルギー吸
収部材の断面図である。
【図9】本発明の実施例のエネルギー吸収部材の概略形
状を示す断面図である。
【図10】本発明の実施例1、2における荷重−変位特
性を示すグラフである。
【図11】図10を基にして描いた初期ピーク位置と距
離dとの関係を表すグラフである。
【図12】本発明の実施例1、3、4における荷重−変
位特性を示すグラフである。
【図13】図12を基にして描いた第2荷重立ち上がり
位置と距離sとの関係を表すグラフである。
【図14】エネルギー吸収部材の使用状態の一例を示す
概略図である。
【符号の説明】
1、2 エネルギー吸収部材 11、21 上壁部 12、22 底壁部 13、14、23、24 ウェブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久山 耕司 神奈川県横須賀市船越町7−71 関東自動 車工業株式会社内 (72)発明者 狩集 浩志 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 橋村 徹 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 Fターム(参考) 3D003 AA04 AA05 AA10 BB01 CA02 CA09 DA14

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上壁部と、前記上壁部と対向する底壁部
    と、前記上壁部および底壁部の間に設けられた一対の側
    壁部とからなる断面が略矩形の中空構造を有しており、
    外部からの荷重によるエネルギーを中空部分の変形によ
    り吸収するエネルギー吸収部材において、 前記一対の側壁部が、前記底壁部と前記一対の側壁部と
    の接続個所どうしを結ぶ平面に対してそれぞれ鋭角をな
    す部分を有しており、 前記上壁部および底壁部に対して加えられた外部からの
    荷重によるエネルギーを吸収する過程で、前記側壁部の
    少なくとも一部が中空内側に曲がるように構成されてい
    ることを特徴とするエネルギー吸収部材。
  2. 【請求項2】 前記上壁部および底壁部に対して加えら
    れた外部からの荷重によるエネルギーを吸収する過程
    で、前記側壁部が前記上壁部の幅よりも突出することな
    く曲がるように構成されていることを特徴とする請求項
    1に記載のエネルギー吸収部材。
  3. 【請求項3】 前記上壁部および底壁部に対して加えら
    れた外部からの荷重によるエネルギーを吸収する過程
    で、前記上壁部および底壁部の少なくともいずれか一方
    と実質的に垂直に近接する垂直面部を前記側壁部が有し
    ていることを特徴とする請求項1または2に記載のエネ
    ルギー吸収部材。
  4. 【請求項4】 前記垂直面部の板厚がそれ以外の部分の
    板厚よりも大きいことを特徴とする請求項3に記載のエ
    ネルギー吸収部材。
  5. 【請求項5】 上壁部と、前記上壁部と対向する底壁部
    と、前記上壁部および底壁部の間に設けられた一対の側
    壁部とからなる中空構造を有しており、外部からの荷重
    によるエネルギーを中空部分の変形により吸収するエネ
    ルギー吸収部材において、 前記一対の側壁部が、前記底壁部と前記一対の側壁部と
    の接続個所どうしを結ぶ平面に対してそれぞれ鋭角をな
    して接続されているとともに、前記一対の側壁部に少な
    くとも1個所の中空内側に向いた折り曲げ個所がそれぞ
    れ設けられていることを特徴とするエネルギー吸収部
    材。
  6. 【請求項6】 前記上壁部が中空外側に膨らむように湾
    曲している部分を有していることを特徴とする請求項5
    に記載のエネルギー吸収部材。
  7. 【請求項7】 前記上壁部が、前記上壁部と前記一対の
    側壁部との接続個所を越えて外側に伸延して設けられて
    いることを特徴とする請求項5または6に記載のエネル
    ギー吸収部材。
  8. 【請求項8】 前記底壁部が、前記底壁部と前記一対の
    側壁部との接続個所を越えて外側に伸延して設けられて
    いることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記
    載のエネルギー吸収部材。
  9. 【請求項9】 アルミニウム合金製の押出形材であるこ
    とを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のエ
    ネルギー吸収部材。
JP29576299A 1999-10-18 1999-10-18 エネルギー吸収部材 Expired - Lifetime JP3938451B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29576299A JP3938451B2 (ja) 1999-10-18 1999-10-18 エネルギー吸収部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29576299A JP3938451B2 (ja) 1999-10-18 1999-10-18 エネルギー吸収部材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001114043A true JP2001114043A (ja) 2001-04-24
JP3938451B2 JP3938451B2 (ja) 2007-06-27

Family

ID=17824848

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29576299A Expired - Lifetime JP3938451B2 (ja) 1999-10-18 1999-10-18 エネルギー吸収部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3938451B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003089275A1 (en) * 2002-04-19 2003-10-30 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Bumper device
JP2006315575A (ja) * 2005-05-13 2006-11-24 Kobe Steel Ltd バンパステイおよびバンパ装置
JP2006335241A (ja) * 2005-06-02 2006-12-14 Kobe Steel Ltd バンパステイおよびバンパ装置
JP2007176487A (ja) * 2007-03-30 2007-07-12 Nippon Light Metal Co Ltd バンパステイ
JP2007284039A (ja) * 2006-03-22 2007-11-01 Kobe Steel Ltd バンパー構造体及びフレーム構造体
JP2009179136A (ja) * 2008-01-30 2009-08-13 Honda Motor Co Ltd 車両用フロントバンパ装置
WO2013172137A1 (ja) * 2012-05-15 2013-11-21 日産自動車株式会社 衝撃吸収部材
WO2015145799A1 (ja) * 2014-03-26 2015-10-01 豊田鉄工株式会社 車両用構造部材の製造方法
JP2019535582A (ja) * 2016-11-22 2019-12-12 イェスタムプ・ハードテック・アクチエボラーグ 軽量バンパビーム
JP2022096858A (ja) * 2020-12-18 2022-06-30 豊田鉄工株式会社 車両骨格構造

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003089275A1 (en) * 2002-04-19 2003-10-30 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Bumper device
US7000975B2 (en) 2002-04-19 2006-02-21 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Bumper device
CN1313300C (zh) * 2002-04-19 2007-05-02 爱信精机株式会社 保险杠装置
JP2006315575A (ja) * 2005-05-13 2006-11-24 Kobe Steel Ltd バンパステイおよびバンパ装置
JP2006335241A (ja) * 2005-06-02 2006-12-14 Kobe Steel Ltd バンパステイおよびバンパ装置
JP2007284039A (ja) * 2006-03-22 2007-11-01 Kobe Steel Ltd バンパー構造体及びフレーム構造体
JP2007176487A (ja) * 2007-03-30 2007-07-12 Nippon Light Metal Co Ltd バンパステイ
JP4706656B2 (ja) * 2007-03-30 2011-06-22 日本軽金属株式会社 バンパステイ
JP2009179136A (ja) * 2008-01-30 2009-08-13 Honda Motor Co Ltd 車両用フロントバンパ装置
WO2013172137A1 (ja) * 2012-05-15 2013-11-21 日産自動車株式会社 衝撃吸収部材
WO2015145799A1 (ja) * 2014-03-26 2015-10-01 豊田鉄工株式会社 車両用構造部材の製造方法
JP2019535582A (ja) * 2016-11-22 2019-12-12 イェスタムプ・ハードテック・アクチエボラーグ 軽量バンパビーム
JP2022096858A (ja) * 2020-12-18 2022-06-30 豊田鉄工株式会社 車両骨格構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP3938451B2 (ja) 2007-06-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8955284B2 (en) Structure including a frame having four sides and a closed cross-section structural member
JP2006027375A (ja) 車両用衝撃吸収構造体及びその取付構造
JP2007191008A (ja) 自動車サイドシル
US20200198703A1 (en) Hollow member
JP2001114043A (ja) エネルギー吸収部材
KR102558628B1 (ko) 차량용 구조 부재
US20100031600A1 (en) Load Bearing Frame
US20220048455A1 (en) Bumper arrangement
JPH09277953A (ja) 衝撃吸収部材
JP5283405B2 (ja) 自動車用補強部材
JP2001227573A (ja) エネルギー吸収部材
EP3611058B1 (en) Structural member for automobiles
JP2006335241A (ja) バンパステイおよびバンパ装置
JP4303659B2 (ja) 自動車の衝撃吸収構造
JP7288179B2 (ja) 継手構造
JP4198000B2 (ja) 横圧壊型バンパーステイ及びバンパー構造体
JP3992408B2 (ja) エネルギー吸収部材
JP2010006278A (ja) 車両のアンダーランプロテクタ
JPH0648177A (ja) 衝撃吸収特性に優れた軽量なドア補強パイプ
US11981370B2 (en) Structural member for vehicle
JPH1129064A (ja) アルミニウム合金押出形材からなる軸圧壊特性に優れたエネルギー吸収部材
JP4766075B2 (ja) バンパステイ
WO2022149504A1 (ja) 構造部材
EP4431370A1 (en) Vehicle side sill
JP5254662B2 (ja) 車両用衝撃吸収具及び車両用バンパ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060728

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060816

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061016

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061226

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070226

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070320

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070322

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3938451

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100406

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110406

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110406

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120406

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130406

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130406

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140406

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term