JP2001113830A - 樹脂組成物への複数色レーザーマーキング法及びそれによって得られた成形品 - Google Patents

樹脂組成物への複数色レーザーマーキング法及びそれによって得られた成形品

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JP2001113830A
JP2001113830A JP29674399A JP29674399A JP2001113830A JP 2001113830 A JP2001113830 A JP 2001113830A JP 29674399 A JP29674399 A JP 29674399A JP 29674399 A JP29674399 A JP 29674399A JP 2001113830 A JP2001113830 A JP 2001113830A
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Masaaki Kondo
正昭 近藤
Hiroshi Tsukahara
浩 塚原
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Asahi Kasei Corp
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一つの被照射体に複数色のマーキングを行
い、樹脂成形品の表面に高品位な文字、絵、記号などの
マークを付与するレーザーマーキングの手法及びその手
法により得られた成形品を提供すること。 【解決手段】 レーザー光を照射することにより変色か
つ発泡を引き起こす添加物(A)を含有させた、レーザ
ー照射で発泡する樹脂組成物(B)にレーザーを照射す
るレーザーマーキング法において、同一の被照射体のマ
ーキングに用いるレーザーの設定条件を変えてマーキン
グする事を特徴とするレーザーマーキング法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザー光を使用
し、樹脂成形品の表面に鮮明な文字、絵、記号などのマ
ークを付与するレーザーマーキングの手法により、高品
位なマーキングが得られる樹脂成形品に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】樹脂は近年その利用分野が拡大するに伴
い、表面に鮮明な文字、絵、記号などのマークが付与さ
れた成形体に用途が広がってきている。従来、表面にマ
ーキングを施す手法として、スクリーン印刷、パッド印
刷、ホットスタンピング等の方法がある。これらは樹脂
表面にインク、箔などを付着させる方法で、その樹脂と
の密着性、耐摩耗性、耐久性等の要求特性を満足させる
ことが難しい。
【0003】その問題を解決するため、樹脂成形品の表
面にレーザーを照射しマーキングを行う方法がある。例
えば、特公昭61−11771号公報では、プラスチッ
クに充填剤としてカーボンブラック又はグラファイトを
混合しエネルギー線に曝す製造方法が開示されている。
また、特公昭62−59663号公報では、エネルギー
線を作用させた際に変色可能の充填剤をプラスチックに
混合しエネルギー線に曝すプラスチック製キー部材の製
造方法が、特開昭61−192737号公報では、放射
に敏感で、変色を惹起する添加物質を含有する高分子有
機物質のマーキング方法が、特開平5−92657号公
報では、カーボンブラックを含有する熱可塑性樹脂組成
物からなる成形品の表面にレーザーを照射してマーキン
グを行うレーザーマーキング方法が、特開平6−297
828号公報では、変色又は脱色する添加物と、レーザ
ー光の影響を受けにくい有機顔料・染料とを併せて含有
する熱可塑性樹脂組成物成形品の表面にレーザーを照射
してマーキングするレーザーマーキング方法が、特開平
7−165979号公報では、鉱物性黒色顔料と無機系
および/または有機系顔料および/またはポリマー可溶
性染料よりなるレーザーマーキング性を有する合成樹脂
成形材料が、特開平9−71726号公報では、熱可塑
性樹脂と金属酸化物よりなる釉薬と顔料・染料よりなる
レーザーマーキング性を有する樹脂組成物が、開示され
ている。しかしいずれのレーザーマーキング法も、単一
色のマーキングを示すものばかりであり、マーキング画
像の自由度という点が不十分であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術で
は困難であった、一つの被照射体に複数色のマーキング
を行い、樹脂成形品の表面に高品位な文字、絵、記号な
どのマークを付与するレーザーマーキングの手法及びそ
の手法により得られた成形品を提供することを目的とす
る。更に具体的には、マーキング対象の成形品上に、そ
の成形品の色よりも黒い色のマーキングと、より白いマ
ーキング、及びその中間色のマーキングを可能とするこ
とが、本発明の解決しようとする課題である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、樹脂にある特定の
添加剤を配合し、かつ単位面積当たりのレーザー照射総
エネルギー量を任意に変えて照射することで、元々の成
形品の色とは異なる複数の色でのマーキングとなること
を見出し、本発明に至った。即ち本発明は、(1)レー
ザー光を照射することにより変色かつ発泡を引き起こす
添加物(A)を含有させた、レーザー照射で発泡する樹
脂組成物(B)にレーザーを照射するレーザーマーキン
グ法において、同一の被照射体のマーキングに用いるレ
ーザーの設定条件を変えてマーキングする事を特徴とす
るレーザーマーキング法、(2)レーザー光を照射する
ことにより変色かつ発泡を引き起こす添加物(A)が、
遷移金属化合物、遷移金属単体の内の少なくとも1種類
であり、かつ該添加物(A)のトータル添加量が、レー
ザー照射で発泡する樹脂組成物(B)100重量部に対
し0.1〜10重量部である上記(1)記載のレーザー
マーキング法、
【0006】(3)レーザー光を照射することにより変
色かつ発泡を引き起こす添加物(A)が、酸化鉄、チタ
ン酸化物、コバルト酸化物の内の少なくとも1種類であ
ることを特徴とする上記(1)又は(2)記載のレーザ
ーマーキング法、(4)レーザー光を照射することによ
り変色かつ発泡を引き起こす添加物(A)と共に、カー
ボンブラックを、レーザー照射で発泡する樹脂組成物
(B)100重量部に対し0.001〜0.03重量部
で添加することを特徴とする上記(1)〜(3)のいず
れかに記載のレーザーマーキング法、(5)レーザー光
として、波長が1064nmのNd:YAGレーザーを
使用することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれ
かに記載のレーザーマーキング法、
【0007】(6)使用するNd:YAGレーザーの定
格出力が、連続モードで1〜10Wの範囲にあり、Qス
イッチ法を用いてマーキングすることを特徴とする上記
(1)〜(5)のいずれかに記載のレーザーマーキング
法、(7)レーザー照射で発泡する樹脂組成物(B)が
ポリアセタール樹脂組成物である事を特徴とする上記
(1)〜(6)のいずれかに記載のレーザーマーキング
法。(8)変更されるレーザーの設定条件が、Qスイッ
チ、ランプ電流、照射画像のドット密度または線密度、
スキャン速度の内の少なくとも1つ以上である上記
(1)〜(7)のいずれかに記載のレーザーマーキング
法、
【0008】(9)使用するNd:YAGレーザーがダ
イオード励起レーザーであり、レーザー光を照射するこ
とにより変色かつ発泡を引き起こす添加物(A)のトー
タル添加量が、レーザー照射で発泡する樹脂組成物
(B)100重量部に対し0.2重量部以上10重量部
以下であり、下記の関係式(1)より導き出されるしき
い値Xが、24,000以上となるレーザー設定条件と
21,000以下となるレーザー設定条件をそれぞれ少
なくとも1つづつを、同一の被照射体のマーキングに用
いる事を特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記
載のレーザーマーキング法、 X = A × B・・・(1) (但し、ここでAはランプ電流(A)、Bは照射画像の
ドット密度(dpi)。)
【0009】(10)使用するNd:YAGレーザーが
ダイオード励起レーザーであり、レーザー光を照射する
ことにより変色かつ発泡を引き起こす添加物(A)のト
ータル添加量が、レーザー照射で発泡する樹脂組成物
(B)100重量部に対し0.2重量部未満であり、前
出の関係式(1)より導き出されるしきい値Xが、7
0,000以上となるレーザー設定条件と50,000
以下となるレーザー設定条件をそれぞれ少なくとも1つ
づつを、同一の被照射体のマーキングに用いる事を特徴
とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載のレーザー
マーキング法、(11)上記(1)〜(10)のいずれ
かに記載のレーザーマーキング法でマーキングされた成
形品、(12)成形品が,光及び光磁気ディスクカート
リッジシャッター、計算機やキーボードのキートッ
プ、、スキービンディング、メーター文字車、ディスポ
ーザルライター、トランクオープナー、フューエルオー
プナー、バックル、ファスナー、コールドファスナー、
プラホック、手摺り、自動車用コンビネーションスイッ
チ部品、エンコーダー部品の中から選ばれる少なくとも
1種の成形体である上記(11)記載のポリアセタール
樹脂成形品、である。
【0010】本発明は、樹脂にレーザー照射により変色
かつ発泡を引き起こす添加物(A)を含有させた樹脂組
成物(B)にレーザーを照射するレーザーマーキング法
において、同一被照射体のマーキングに用いるレーザー
の設定条件を変えてマーキングする事で、照射前の成形
体の色調と格段に異なる複数の色調のマーキングができ
ることを見出し、本発明を完成したものである。尚、同
一被照射体のマーキングに用いるレーザーの設定条件を
変えてマーキングすると言うことは、具体的にはQスイ
ッチ、ランプ電流、照射画像のドット密度または線密
度、スキャン速度の少なくとも1つ以上を変更すること
である。そしてこの事は、被照射体における単位面積当
たりのレーザー照射総エネルギー量を変えて照射するこ
とと同義である。そしてこの同一被照射体におけるレー
ザー照射は、同一工程内でレーザーの設定条件を変えて
マーキングしても、また別の工程でレーザー設定条件を
変えてマーキングしても良く、更にこれらの作業はレー
ザー機器を制御しているパソコンのプログラム変更にて
可能なものである。尚、ここで言うランプ電流とは励起
光源の電流であり、例えばNd:レーザーではダイオー
ドや、Xe、Ar、Kr等のフラッシュランプが使用さ
れる。
【0011】以下、本発明の構成について詳しく説明す
る。本発明でいうレーザー光を照射することにより変色
かつ発泡を引き起こす添加物(A)とは、レーザー光の
エネルギーをマトリックスである樹脂組成物(B)より
も優先的に吸収することのできる添加剤である。かつ、
レーザー照射後、その添加物(A)自身が化学変化を起
こして全く別の物質に変換するメカニズム(以後メカニ
ズムαとする)と、かつ吸収したレーザー光のエネルギ
ーを熱エネルギーに変換し、マトリックスである周囲の
樹脂組成物(B)を溶融・熱分解させ、発泡を誘起する
メカニズム(以後メカニズムβとする)の両方のメカニ
ズムを実現することのできる能力を有する添加剤のこと
である。
【0012】具体的には、酸化鉄、ルチル型又はアナタ
ーゼ型の酸化チタン、チタン酸カリウム、コバルト酸化
物等の遷移金属化合物、真鍮の様な遷移金属を含む合
金、及び銅(II)のフタロシアニン錯体等の遷移金属
錯体である。これらの形状は、樹脂に添加できる形状な
らば限定はなく、粉末状でも、ウイスカーの様な繊維状
でもよい。これらは顔料として、または剛性や強度向上
の為に添加される充填剤の形で使用されても良い。また
これらは1種又は2種以上を併用して用いたり、上記以
外の他の物質との混合物の形で、樹脂に配合させる事が
できる。またパール顔料の様に、マイカ等の充填剤表面
に酸化チタンをコーティングさせている様な顔料でも良
い。この様な遷移金属化合物・合金が変色するメカニズ
ムは未だ良くわかっていないが、照射部の該物質がある
割合でレーザー光のエネルギーを吸収し、遷移金属が還
元反応を引き起こす為、変色しているものと推定され
る。
【0013】尚、ルチル型又はアナターゼ型の酸化チタ
ン、チタン酸カリウムのみを配合させた系では、添加後
の樹脂組成物の色が白くなってしまうが、適量のカーボ
ンブラックや群青等の他の顔料と併用させると、酸化チ
タン又はチタン酸カリウムの変色による黒化が可能であ
るのと同時に、発泡による白化も際だつため、好適であ
る。
【0014】また更により具体的に説明すると、酸化鉄
系の顔料を樹脂組成物(B)に配合させると赤茶色に着
色されるが、これに比較的低い強度、即ち単位面積当た
りのレーザー照射総エネルギー量が低いレーザー光を照
射すると、照射部は黒色に変色し黒色系のマーキングが
できる(メカニズムα)。また逆に比較的強い強度、即
ち単位面積当たりのレーザー照射総エネルギー量が高い
レーザー光を照射すると、発泡により白色系のマーキン
グができる(メカニズムβ)。これら2つのマーキング
メカニズムは競争的に生じていると推定される。レーザ
ーの強度によって違いが出る理由は、次のような理由に
よるものと推定される。即ち、レーザー強度が低い時、
樹脂組成物(B)の分解を引き起こすだけのエネルギー
が足らず、分解・発泡による白化のメカニズムβより
も、変色による黒化のメカニズムαが優先的に起こって
いると思われる。一方レーザー強度が強い場合、双方の
メカニズムとも起こるが、メカニズムαで生じた変色物
質は発泡の際、飛散するかまたは発泡の影響でその色が
見えにくくなり、結果、発泡による白化が優先的に視認
される様になっていると推定される。尚、それらの中間
のレーザー強度にて照射すると、双方のメカニズム(α
とβ)が生じ、中間色のマーキングが可能となる。
【0015】この様なレーザー光を照射することにより
変色かつ発泡を引き起こす添加物(A)のトータルでの
添加量は、レーザー照射で発泡する樹脂組成物(B)1
00重量部に対し0.1〜10重量部であることが望ま
しい。また添加後の樹脂の安定性・機械的物性やマーキ
ングの鮮明さを考慮すると、添加物(A)のトータルで
の添加量は、樹脂組成物(B)100重量部に対し0.
1〜5重量部であることが更に好ましい。
【0016】なお本発明で言う、レーザー照射で発泡す
る樹脂組成物(B)とは、カーボンブラック又は、遷移
金属化合物を含有させ、レーザー照射した際、容易に照
射部にて樹脂の分解・発泡を引き起こす樹脂を言う。具
体的には、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ
エステル樹脂、アクリル樹脂、及びこれらの樹脂とアロ
イ化したポリスチレン系樹脂である。尚、ここで言うポ
リスチレン系樹脂とはポリスチレン樹脂、HiPS、A
BS樹脂、AS樹脂、変成PPE樹脂、PC/ABS樹
脂である。中でも特にポリアセタール樹脂は好適であ
る。これは他樹脂に比べポリアセタール樹脂が熱分解し
易く、その際容易に分解ガスを発生するという特徴を持
つ樹脂だからである。そしてこの特徴こそが、レーザー
マーキングの場合、発泡による鮮明な白色系のマーキン
グを可能とする利点となる。尚、ここで言うポリアセタ
ール樹脂とは、ホルムアルデヒド単量体、またはその3
量体(トリオキサン)もしくは4量体(テトラオキサ
ン)等の環状オリゴマーを原料として製造された、実質
的にオキシメチレン単位からなるオキシメチレンホモポ
リマーに末端安定化を行って得られたポリオキシメチレ
ンホモポリマー、ならびに上記原料と、エチレンオキシ
ド、プロピレンオキシド、エピクロルヒドリン、1,3
−ジオキソラン、1,4−ブタンジオール、グリコール
のホルマールや、ジグリコールのホルマール等の環状ホ
ルマール等のコモノマーから製造された、炭素数2〜8
のオキシアルキレン単位を0.1〜20重量%含有す
る、オキシメチレン−オキシアルキレンコポリマーを末
端安定化処理を行って得られたポリオキシメチレンコポ
リマー、またはポリオキシメチレンターポリマーを挙げ
ることができる。またコポリマーの形態はブロック、グ
ラフト、ランダム等の何れの形態であっても良くまた分
子が鎖状のみならず、分岐、架橋構造を有するものであ
っても良い。またその重合度に関しても特に制限はな
い。更に他樹脂とアロイ化されたポリアセタール系樹脂
であってもよい。
【0017】また本発明においては、所望に応じて樹脂
組成物(B)に通常用いられる公知の顔料を、本願の目
的を妨げない範囲で用いることができる。例えば、群青
等の無機顔料や、アゾ系、アゾメチン系、メチン系、イ
ンダンスロン系、アントラキノン系、ピランスロン系、
フラバンスロン系、ベンゼンスロン系、フタロシアニン
系、ペリノン系、ペリレン系、ジオキサジン系、チオイ
ンジゴ系、イソインドリン系、イソインドリノン系、キ
ナクリドン系、ピルールピロール系、キノフタロン系の
有機顔料等が挙げられる。
【0018】本発明においては、これらの顔料の1種又
は2種以上を併用して用いる事ができるが、必要とする
色調を得るため通常は2種以上の顔料を併用する。顔料
のトータル添加量は、樹脂組成物(B)100重量部に
対して、0.005〜10重量部である。また、添加し
た後の樹脂の熱安定性及び機械的物性を考慮すると、
0.005〜5重量部であることが更に好ましい。
【0019】また本発明では、レーザー光を照射するこ
とにより変色かつ発泡を引き起こす添加物(A)と共
に、必要とする色調を得るのを損なわない範囲でカーボ
ンブラックを少量添加することができる。カーボンブラ
ックを使用すると、特に発泡による白化のメカニズムβ
のマーキング性が良くなり、好適である。所望する色調
を損なわず、かつ効率的に作用させるための配合率範囲
は、樹脂組成物(B)100重量部に対し0.001〜
0.03重量部である。配合率が0.001重量部以上
なのは、これより低いと効果がカーボンブラック添加に
よる効果が認められないからである。また0.03重量
部を超えると、マーキングした場合、カーボンブラック
による発泡が優先的になり、また成形品の色も黒くなる
ため、変色による黒化のメカニズムαが仮に生じてもわ
かりにくくなってしまう為である。この様な理由を考慮
すると、樹脂組成物(B)100重量部に対し、0.0
01〜0.015重量部が、さらに好ましい。
【0020】本発明におけるレーザー光としては、レー
ザー光を照射することにより変色かつ発泡を引き起こす
添加物(A)が優先的に吸収し、かつ樹脂組成物(B)
があまり吸収しない波長のレーザーでの照射が不可欠で
ある。例えば近赤外領域の波長の光は、配合された遷移
金属化合物、遷移金属単体は吸収するが、マトリックス
の樹脂はほとんど吸収しないため、本発明の目的である
黒色系マーキングと白色系マーキング、及びその中間色
マーキングが可能となり好適である。このようなレーザ
ーとして本発明が求める効果を考えると、波長1064
nmのNd:YAGレーザーや、波長824nmのAl
GaAsレーザー等の半導体レーザーが好ましい。中で
も波長1064nmのNd:YAGレーザーは広く市販
されており、またQスイッチ、ランプ電流、照射画像の
ドット密度または線密度、スキャン速度を変えること
で、単位面積当たりの照射総エネルギー量を思い通りに
コントロールすることでき、特に好適である。更にマー
キング対象が樹脂成形品である場合は、使用するNd:
YAGレーザーの定格出力が、連続モードで1〜10W
の範囲にあるのが好ましい。尚、レーザー光の発振方式
はスキャン式でもマスク式でも構わない。またマーキン
グされる画像は、一筆書き方式の連続画像でもドット式
の画像でも構わない。レーザー光のエネルギー密度は樹
脂組成物(B)に対しては1〜1, 000, 000(k
W/cm2 )の範囲で行うことが好ましい。特にエネル
ギー密度が10, 000〜80, 000(kW/c
2 )の範囲にあることが、良好なレーザーマーキング
を得る上で好ましいので、一般的には瞬間的に高いエネ
ルギー密度を作り出すQスイッチ法を用いたレーザーマ
ーキング方法が使用される。Qスイッチ法によるレーザ
ー光のジャイアントパルス幅は樹脂組成物(B)に対し
ては3〜100(ns)が好適である。特に6〜50
(ns)が良好なレーザーマーキングを得る上で好まし
い。
【0021】本発明の樹脂組成物(B)の成形体とし
て、光及び光磁気ディスクカートリッジシャッター、キ
ートップ(計算機やキーボードのキー)、スキービンデ
ィング、メーター文字車、ディスポーザルライター、ト
ランクオープナー、フューエルオープナー、バックル、
ファスナー、コールドファスナー、プラホック、手摺り
等が挙げられる。またロットナンバー、バーコードの付
与にも使用できる。本発明のポリアセタール樹脂成形体
は、電気機器や電子機器の機構部品、自動車部品、その
他の機構部品にも好適に用いることができる。またエン
コーダーに用いられる回転数検知ディスクの様に、LE
D等の照射部品からの光を反射させたりさせなかったり
することで、回転数等を検知する部品に使用すると、大
幅なコストダウンが期待でき好適である。
【0022】本発明においては、所望に応じて樹脂に通
常用いられる公知の添加剤を、本願の目的を妨げない範
囲で用いることができる。例えば、酸化防止剤、光安定
剤、離型剤、顔料、潤滑剤、充填剤等が挙げられる。こ
れらの添加剤の使用量は添加する種類によっても異なる
が、充填剤以外は、概略で樹脂100重量部に対して、
各々の添加剤を0.001〜5重量部である。
【0023】酸化防止剤としては、ヒンダードフェノー
ル系酸化防止剤の1種又は2種以上を用いることができ
る。具体的には、例えばn−オクタデシル−3−
(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェ
ニル)−プロピオネート、n−オクタデシル−3−
(3′−メチル−5′−t−ブチル−4′−ヒドロキシ
フェニル)−プロピオネート、n−テトラデシル−3−
(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェ
ニル)−プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−
ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)−プロピオネート]、1,4−ブタンジオ
ール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)−プロピオネート]、トリエチレン
グリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、テ
トラキス[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチ
ル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタ
ン、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−
ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキ
シ}−1,1−ジメチルエチル]2,4,8,10−テ
トラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、N,N′−ビ
ス−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロ
キシフェニル)プロピオニルヘキサメチレンジアミン、
N,N′−テトラメチレン−ビス−3−(3′−メチル
−5′−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェノール)プ
ロピオニルジアミン、N,N′−ビス−[3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピ
オニル]ヒドラジン、N−サリチロイル−N′−サリチ
リデンヒドラジン、3−(N−サリチロイル)アミノ−
1,2,4−トリアゾール、N,N′−ビス[2−{3
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオニルオキシ}エチル]オキシアミド等があ
る。好ましくは、トリエチレングリコール−ビス−[3
−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)−プロピオネート]及びテトラキス[メチレン−
3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート]メタンである。
【0024】光安定剤の例としては、ベンゾトリアゾー
ル系及び蓚酸アニリド系紫外線吸収剤とヒンダードアミ
ン系光安定剤の1種以上を挙げることができる。ベンゾ
トリアゾール系紫外線吸収剤の例としては、2−(2′
−ヒドロキシ−5′−メチル−フェニル)ベンゾトリア
ゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t
−ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′
−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−イソアミル−フェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−
3′,5′−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)フェ
ニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒド
ロキシ−4′−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾー
ル等が挙げられる。蓚酸アリニド系紫外線吸収剤の例と
しては、2−エトキシ−2′−エチルオキザリックアシ
ッドビスアニリド、2−エトキシ−5−t−ブチル−
2′−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−
エトキシ−3′−ドデシルオキザリックアシッドビスア
ニリド等が挙げられる。これらの紫外線吸収剤はそれぞ
れ単独で用いても良いし、2種類以上を組み合わせて用
いても良い。
【0025】また、ヒンダードアミン系光安定剤の例と
しては、4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ
−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フ
ェニルアセトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピ
ペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テ
トラメチルピペリジン、4−メトキシ−2,2,6,6
−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シクロ
ヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジン、4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメ
チルピペリジン、4−フェノキシ−2,2,6,6−テ
トラメチルピペリジン、4−(エチルカルバモイルオキ
シ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−
(シクロヘキシルカルバモイルオキシ)−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルカルバモ
イルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)−カーボネイト、ビス(2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジル)−オキサレート、ビス(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−マロネ
ート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リジル)−セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジル)−アジペート、ビス(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−テレフ
タレート、1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ピペリジルオキシ)−エタン、α,α′−ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキ
シ)−p−キシレン、ビス(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジルトリレン−2,4−ジカルバメー
ト、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)−ヘキサメチレン−1,6−ジカルバメート、ト
リス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)−ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート、
トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)−ベンゼン−1,3,4−トリカルボキシレート、
1−[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオニルオキシ}ブチル]−4−
[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオニルオキシ]2,2,6,6−テトラメ
チルピペリジン、1,2,3,4−ブタンテトラカルボ
ン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリ
ジノールとβ,β,β′,β′−テトラメチル−3,9
−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)
ウンデカン]ジエタノールとの縮合物等が挙げられる。
上記ヒンダードアミン系光安定剤はそれぞれ単独で用い
ても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。ま
た、前述のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤や、蓚酸
アニリド系紫外線吸収剤と組み合わせてもよい。
【0026】離型剤の例としては、ポリアルキレングリ
コール、アミド基を有する脂肪族化合物、ポリオレフィ
ン重合体から選ばれる1種以上を挙げることができる。
ポリアルキレングリコールとしては、下記一般式(I)
で表されるポリアルキレングリコールを用いることがで
きる。
【0027】
【化1】 (式中、R1 は水素、炭素数1〜6のアルキル基、置換
アルキル基、置換アリル基より選ばれ、各R1 はそれぞ
れ同一であっても異なっていてもよい。また、Xは2〜
6、Yは1000〜20000を表す。)このポリアル
キレングリコールは、アルキレンオキシドの開環重合に
よって得ることができる。アルキレンオキシドの具体的
な例としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシ
ド、ブチレンオキシド、エピクロルヒドリン、スチレン
オキシド、オキセタン、3、3ービス(クロロメチル)
オキセタン、テトラヒドロフラン、2ーメチルテトラヒ
ドロフラン、オキセパンを挙げることができる。これら
のポリアルキレングリコールはそれぞれ単独で用いても
良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0028】アミド基を有する脂肪族化合物としては、
下記一般式(II)で表される脂肪族化合物である。
【化2】 (式中、R2 及び、R4 は、C9 〜C35のアルキル基で
あり、それぞれ同一であっても異なってもよい。R
3 は、C1 〜C6 のアルキレン基を示す。) 具体的な例としては、エチレンビスパルミチン酸アミ
ド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスラ
ウリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチ
レンビスエルカ酸アミド等、及びエチレン(モノパルミ
チン酸・モノステアリン酸)アミド、エチレン(モノス
テアリン酸・モノヘプタデシル酸)アミド等を挙げるこ
とができる。これらのアミド基を有する脂肪族化合物
は、それぞれ単独で用いても良いし、2種以上を組み合
わせて用いても良い。
【0029】ポリオレフィン重合物としては、下記一般
式(III)で表されるポリオレフィン重合物である。
【化3】 (R5 は、水素、炭素数1〜6のアルキル基、置換アリ
ル基より選ばれ、それぞれ同一であっても異なっていて
もよい。また、Zは10〜100000を表す。)
【0030】具体的な例として、エチレン重合体、プロ
ピレン重合体、ブチレン重合体、エチレン・プロピレン
共重合体等が挙げられる。顔料としては、本発明のマー
キングに影響を与えないものであれば特に限定されるも
のではなく、無機系顔料、有機系顔料、メタリック系顔
料、蛍光顔料等が挙げられる。無機系顔料の具体例は、
群青等であり、有機系顔料としては、アゾ系顔料、フタ
ロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリノン系
顔料、ペリレン系顔料、キナクリドン系顔料、イソイン
ドリン系顔料、チオインジゴ系顔料、ジオキサジン系顔
料、イソビオランスロン系顔料、インダンスロン系顔料
等である。
【0031】潤滑剤としては、シリコーン系潤滑剤、エ
ステル系潤滑剤、オレフィン系潤滑剤、ポリテトラフル
オロエチレン系潤滑剤等があげられる。充填剤として
は、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスバルーン、ウォ
ラストナイト、炭素繊維、タルク、マイカ等の各種補強
剤、及び窒化硼素等に代表される核剤が挙げられる。こ
れら、本発明の必須成分の化合物を含む添加剤の添加形
態は、粉体であっても溶融状態であっても構わない。ま
た、添加剤単独若しくは、添加剤と樹脂を、溶融・混練
する前に予め混合することが本発明の効果に対して好ま
しく、その予め混合する方法は、公知の手法で適宣選択
すれば良く、特に制限するものではない。
【0032】本発明の樹脂組成物を製造する方法は、特
に制限するものではない。一般的には、押し出し機を用
い、樹脂とここで規定された必須成分の化合物、更に所
望ならば、任意成分である添加剤とを溶融・混練するこ
とで、本発明の樹脂組成物を製造することができる。こ
の時の押し出し機は、1軸であっても2軸であっても構
わない。また、樹脂の重合時に添加剤を加えても構わな
い。本発明樹脂組成物を成形する方法については特に制
限はなく、押し出し成形、射出成形、圧縮成形、真空成
形、吹き出し成形、発泡成形、インサート成形、アウト
サート成形等の公知の成形方法のいずれかによって、成
形することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下に、実施例及び比較例を挙
げ、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定さ
れるものではない。
【実施例】(実施例1−1〜10−3、及び比較例1〜
5−2)ポリアセタール樹脂(旭化成工業(株)製 テ
ナック−C 7520)と、レーザー光を照射すること
により変色かつ発泡を引き起こす添加物、及びその他の
顔料等を表1に示す割合で配合し、これを射出成形して
50mm×90mm×3mmの平板を得た。この平板に
波長1064nmのNd:YAGレーザー(近赤外線)
を使用してマーキングを行った。
【0034】全てのレーザーマーキング実験はスキャン
式の1064nmの波長のNd:YAGレーザーを使用
した[型式:RSM103D、供給者:ロフィン丸紅レ
ーザー(株)]。このレーザーは定格出力が連続モード
で3W、レーザー照射のスポットの直径が40μmであ
る機器である。しかし、一般に樹脂にマーキングをする
場合はQスイッチを用いて、瞬間的に更に大きなエネル
ギー密度のレーザーを照射することが普通であり、本実
施例でもQスイッチ法を選択した。尚、そのジャイアン
トパルス幅は、10nsである。尚、今回、マーキング
速度は5mm/sに固定した。
【0035】またマーキングした画像は、10mm×1
0mmの正方形とした。この面積は、背景とマーキング
された領域の明度差の測定を可能にするものであった。
この明度差は、色差計(BYK−Gardner社製c
olor guide 45/0)を用いて明度差測定
を行った。明度差は、平板のマーキング部とその周辺の
背景とのΔLを測定して値を得た。
【0036】そしてそれぞれの実施例に置いて、表1−
1〜表1−4に記載した通り、レーザーの設定条件とし
て、Qスイッチ、ランプ電流、ドット密度を変えて複数
の色を実現した。例えば実施例1では、同一の被照射体
(ポリアセタール樹脂製平板)に5つのレーザー設定条
件を、レーザーを制御しているパソコンに入力し、平板
の色とは明らかに明度の異なる5つのマーキングを実現
した。つまり平板の元々の色よりも白い色(即ち、ΔL
が正の値)のマーキング(実施例1−1)と、元々の色
よりも黒い色(即ち、ΔLが負の値)のマーキング(実
施例1−2)、及びその中間の色合いのマーキング(実
施例1−3〜1−5)が同じ被照射物の表面上にできる
事が確認された。一方、比較例1では黒化も白化も共に
生じず、また比較例2−1〜5−2においては、平板の
元々の色よりも白い色(即ち、ΔLが正の値)のマーキ
ングはできるものの、黒い色(即ち、ΔLが負の値)の
マーキングはできなかった。
【0037】この様に本発明ではレーザー条件のセッテ
ィングは、かなり重要なものである。最適なセッティン
グを施すためには、Qスイッチ、ランプ電流、マーキン
グ画像のドット密度を各サンプル毎に適宜、設定するこ
とが必要である事が本発明を遂行する上で新たに判明し
た。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】
【発明の効果】本発明は、従来、単色でしかマーキング
できなかった樹脂組成物へのレーザーマーキングに対
し、複数色でのマーキングを提案するものである。その
効果は、例えばグラデーションや中間色等様にマーキン
グの自由度が広がり、しかもそれが実施者の思いのまま
にできる点にある。本願のレーザーマーキング法を利用
すれば、例えばプリント写真の画像に近い、より高品位
なマーキングができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレーザーマーキング法により、被照射
体の色よりも、黒いマーキングと、白いマーキング、及
びその中間色を発現させたレーザーマーキングの一例を
示す図である。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザー光を照射することにより変色か
    つ発泡を引き起こす添加物(A)を含有させた、レーザ
    ー照射で発泡する樹脂組成物(B)にレーザーを照射す
    るレーザーマーキング法において、同一の被照射体のマ
    ーキングに用いるレーザーの設定条件を変えてマーキン
    グする事を特徴とするレーザーマーキング法。
  2. 【請求項2】 レーザー光を照射することにより変色か
    つ発泡を引き起こす添加物(A)が、遷移金属化合物、
    遷移金属単体の内の少なくとも1種類であり、かつ該添
    加物(A)のトータル添加量が、レーザー照射で発泡す
    る樹脂組成物(B)100重量部に対し0.1〜10重
    量部である請求項1記載のレーザーマーキング法。
  3. 【請求項3】 レーザー光を照射することにより変色か
    つ発泡を引き起こす添加物(A)が、酸化鉄、チタン酸
    化物、コバルト酸化物の内の少なくとも1種類であるこ
    とを特徴とする請求項1又は請求項2記載のレーザーマ
    ーキング法。
  4. 【請求項4】 レーザー光を照射することにより変色か
    つ発泡を引き起こす添加物(A)と共に、カーボンブラ
    ックを、レーザー照射で発泡する樹脂組成物(B)10
    0重量部に対し0.001〜0.03重量部で添加する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のレー
    ザーマーキング法。
  5. 【請求項5】 レーザー光として、波長が1064nm
    のNd:YAGレーザーを使用することを特徴とする請
    求項1〜4のいずれかに記載のレーザーマーキング法。
  6. 【請求項6】 使用するNd:YAGレーザーの定格出
    力が、連続モードで1〜10Wの範囲にあり、Qスイッ
    チ法を用いてマーキングすることを特徴とする請求項1
    〜5のいずれかに記載のレーザーマーキング法。
  7. 【請求項7】 レーザー照射で発泡する樹脂組成物
    (B)がポリアセタール樹脂組成物である事を特徴とす
    る請求項1〜6のいずれかに記載のレーザーマーキング
    法。
  8. 【請求項8】 変更されるレーザーの設定条件が、Qス
    イッチ、ランプ電流、照射画像のドット密度または線密
    度、スキャン速度の内の少なくとも1つ以上である請求
    項1〜7のいずれかに記載のレーザーマーキング法。
  9. 【請求項9】 使用するNd:YAGレーザーがダイオ
    ード励起レーザーであり、レーザー光を照射することに
    より変色かつ発泡を引き起こす添加物(A)のトータル
    添加量が、レーザー照射で発泡する樹脂組成物(B)1
    00重量部に対し0.2重量部以上10重量部以下であ
    り、下記の関係式(1)より導き出されるしきい値X
    が、24,000以上となるレーザー設定条件と21,
    000以下となるレーザー設定条件をそれぞれ少なくと
    も1つづつを、同一の被照射体のマーキングに用いる事
    を特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のレーザー
    マーキング法。 X = A × B・・・(1) (但し、ここでAはランプ電流(A)、Bは照射画像の
    ドット密度(dpi)。)
  10. 【請求項10】 使用するNd:YAGレーザーがダイ
    オード励起レーザーであり、レーザー光を照射すること
    により変色かつ発泡を引き起こす添加物(A)のトータ
    ル添加量が、レーザー照射で発泡する樹脂組成物(B)
    100重量部に対し0.2重量部未満であり、前出の関
    係式(1)より導き出されるしきい値Xが、70,00
    0以上となるレーザー設定条件と50,000以下とな
    るレーザー設定条件をそれぞれ少なくとも1つづつを、
    同一の被照射体のマーキングに用いる事を特徴とする請
    求項1〜8のいずれかに記載のレーザーマーキング法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかに記載のレ
    ーザーマーキング法でマーキングされた成形品。
  12. 【請求項12】 成形品が,光及び光磁気ディスクカー
    トリッジシャッター、計算機やキーボードのキートッ
    プ、、スキービンディング、メーター文字車、ディスポ
    ーザルライター、トランクオープナー、フューエルオー
    プナー、バックル、ファスナー、コールドファスナー、
    プラホック、手摺り、自動車用コンビネーションスイッ
    チ部品、エンコーダー部品の中から選ばれる少なくとも
    1種の成形体である請求項11記載のポリアセタール樹
    脂成形品。
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