JP2001113618A - 断熱材及びその製造方法 - Google Patents

断熱材及びその製造方法

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JP2001113618A
JP2001113618A JP30158199A JP30158199A JP2001113618A JP 2001113618 A JP2001113618 A JP 2001113618A JP 30158199 A JP30158199 A JP 30158199A JP 30158199 A JP30158199 A JP 30158199A JP 2001113618 A JP2001113618 A JP 2001113618A
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insulating material
film
resin film
resin
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Soichiro Tsujimoto
聡一郎 辻本
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Osaka Gas Co Ltd
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Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた断熱性を有する断熱材を提供する。 【解決手段】平らな樹脂フィルム(A)と、エンボス加工
された樹脂フィルム(B)を貼り合わせた2枚の樹脂フィ
ルムからなる断熱材であって、 1)フィルム(A)及びフィルム(B)として0〜100℃の
黒体輻射に対するエネルギー吸収率が0.1以下である
樹脂フィルムを用いており、 2)フィルム(B)のエンボス加工の突起の高さが1〜1
0mmであり、 3)フィルム(B)のエンボス加工の突起部分にガスが封
入されており、 4)フィルム(A)の外側表面にアルミニウムが蒸着され
ており、 5)アルミニウム蒸着後のフィルム(A)の内側表面の、
0〜100℃の黒体輻射に対するエネルギー反射率が
0.85以上であることを特徴とする断熱材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、断熱材及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、断熱材としては、グラスファイバ
ーやセラミックファイバーを含む成形体や、発泡ポリエ
チレン、発泡ポリスチレン、発泡ポリウレタンなどの成
形体が、円筒状やシート状などとして用いられていた。
これらの熱伝導率は、対流のない空気の熱伝導率よりか
なり大きく、断熱性能が十分でなかった。また、軟質の
材料は、施工時や使用時に力が加わると容易に圧密して
断熱性能が大きく低下する。一方硬質の発泡材の場合、
脆く、変形しにくいため破損し易い。さらに、発泡剤は
嵩張るため、施工時など多量の断熱材を持ち運ぶ場合の
運搬効率に劣る。断熱材がファイバーを含む成形体の場
合、ファイバーが折れたり、材料から抜けたりして脱離
し易く、作業時に衣服や周囲に付着するなど作業性が十
分でなく、衛生面でも問題がある。
【0003】一方、エンボス加工された樹脂フィルムの
片面に平らな樹脂フィルムを貼った断熱材は、輻射伝熱
が大きく、断熱性が不充分である。断熱性を向上させる
ために、エンボス加工された樹脂フィルムの両面に平ら
な樹脂フィルムを貼り、さらに、エンボス加工の突起の
ある面の反対の面にアルミニウム蒸着した樹脂フィルム
を貼ることが提案されているが、この場合は、変形しに
くいため、平面部分以外(例えば、管)へのしわのない
密着した施工が困難であり、特に断熱性能を高めるため
に積層することが平面部分以外に対して困難であった。
即ち、しわが発生すると、例えば建物内の管に施工した
際に、局所的に層の厚みの小さい部分が多数発生するこ
と及び与えられた空間(狭所の場合が多い)に対して許
容できる断熱材の厚みが小さくなってしまうことが原因
となり、断熱性能が低下する、さらに冷水用配管として
用いた場合には結露が生じやすいという問題が生じてい
た。さらに、かかる断熱材を管に施工すると、内側の樹
脂フィルムがエンボス加工の凹側に引き込まれてしま
い、空気層が薄くなり、断熱性が低下するので好ましく
ない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
したような欠点のない断熱材を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、エンボス加
工された樹脂フィルムの片面に平らな樹脂フィルムを貼
り、平らな樹脂フィルムの表面にアルミニウムを蒸着し
た断熱材は、エンボス加工された樹脂フィルムの外側に
しか平らな樹脂フィルムを有していないが、優れた断熱
性を示し、上記欠点を解消することを見出し、本発明を
完成した。
【0006】即ち、本発明は、下記の各項に示す発明を
提供するものである。
【0007】項1 平らな樹脂フィルム(A)と、エンボ
ス加工された樹脂フィルム(B)を貼り合わせた2枚の樹
脂フィルムからなる断熱材であって、 1)フィルム(A)及びフィルム(B)として0〜100℃の
黒体輻射に対するエネルギー吸収率が0.1以下である
樹脂フィルムを用いており、 2)フィルム(B)のエンボス加工の突起の高さが1〜1
0mmであり、 3)フィルム(B)のエンボス加工の突起部分にガスが封
入されており、 4)フィルム(A)の外側表面にアルミニウムが蒸着され
ており、 5)アルミニウム蒸着後のフィルム(A)の内側表面の、
0〜100℃の黒体輻射に対するエネルギー反射率が
0.85以上であることを特徴とする断熱材。
【0008】項2 フィルム(B)の外側表面にアルミニ
ウムが蒸着されていることを特徴とする項1に記載の断
熱材。
【0009】項3 封入したガスが、二酸化炭素及びフ
ッ素化炭化水素からなる群より選ばれる少なくとも1種
を含むガスであることを特徴とする項1又は2に記載の
断熱材。
【0010】項4 樹脂フィルムの素材が、ポリイミド
樹脂,ポリエステル樹脂,ポリアミド樹脂,ポリエチレ
ン樹脂及びポリ塩化ビニル樹脂からなる群より選ばれる
少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の
断熱材。
【0011】項5 項1〜4のいずれかに記載された断
熱材の少なくとも2枚を、一枚の断熱材のフィルム(A)
と他の一枚の断熱材のフィルム(B)のエンボス加工とが
接するように積層した積層型の管用断熱材であって、管
に施工した際に両端面が接合するように、厚み方向に漸
次拡幅状に裁断したことを特徴とする積層型の管用断熱
材。
【0012】項6 項5に記載の断熱材の両端を接続す
ることにより円筒形に成形してなる管用断熱材。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の断熱材は、エンボス加工
などの処理を行っていない平らな樹脂フィルム(A)と、
エンボス加工された樹脂フィルム(B)を貼り合わせたも
のである。
【0014】樹脂フィルム(A)及び樹脂フィルム(B)とし
ては、0〜100℃の黒体輻射に対するエネルギー吸収
率が0.1以下、好ましくは0.05以下の樹脂フィル
ムを用いる。上記エネルギー吸収率の条件を満たす樹脂
フィルムは、樹脂フィルム(A)及びフィルム(B)の素材及
び厚みを、下記に例示するような条件から適宜選択する
ことにより得ることができる。
【0015】樹脂フィルムの素材としては、ポリイミド
樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビ
ニル樹脂、ポリエチレン樹脂などが挙げられる。ポリイ
ミド樹脂としてはポリエーテルイミド樹脂など;ポリエ
ステル樹脂としてはポリエチレンテレフタレート(PE
T)樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂など;ポリ
アミド樹脂としてはナイロン樹脂が好ましく例示され
る。
【0016】樹脂フィルム(A)及び樹脂フィルム(B)の素
材としては、ガス透過性が小さい素材を使用することが
好ましい。かかる樹脂フィルムを使用した場合、長期に
わたり気体を密封することが可能となり、空気より熱伝
導率の低い気体を封入すると、断熱性能の持続性が向上
するので好ましい。ガス透過性が小さい樹脂フィルムと
しては、例えば、乾燥時のガス(封入されているガス)
透過率が10ml/(m2・24h・atm)未満程度の
ものが好ましく、3ml/(m2・24h・atm)未満
程度のものがより好ましく、1ml/(m2・24h・a
tm)未満程度のものがさらに好ましい。
【0017】樹脂フィルムを難燃化すると、火災が起こ
りにくいので好ましい。樹脂フィルムの難燃化は、例え
ば、フィルム成形時に、ホウ酸、ホウ酸ナトリウムなど
の難燃剤を混合するなどして行うことができる。
【0018】エンボス加工されていない平らな樹脂フィ
ルム(A)及び又はエンボス加工された樹脂フィルム(B)の
素材の種類は、異なっていてもよいが、同一であること
が好ましい。
【0019】樹脂フィルムの厚みは、成形時、使用時な
どに破損しない程度のものであれば特に限定されるもの
ではなく、使用する材料の熱伝導率、エンボス加工の分
布密度などに応じて適宜設定することができるが、樹脂
フィルムによる伝導伝熱量が、封入されているガスによ
る伝熱量の10%以下程度、好ましくは5%以下程度と
なるような厚みが好ましく、通常、50μm以下程度で
あり、より好ましくは3〜40μm程度である。
【0020】エンボス加工は、慣用されている方法に従
って行うことができ、例えば、加圧ロール、成形型を用
いたプレス機などにより加工することができる。
【0021】エンボス加工(エンボス加工により形成さ
れた突起部分)は、樹脂フィルム上に偏り無く一様に
(均一に)施されていることが好ましい。エンボス加工
が一様に施されていると、断熱材の厚みの一様性、荷重
が加えられた時の変形の一様性(厚みの一様性)、荷重
の一様性が確保され、樹脂フィルムの破損が起こりにく
いので好ましい。エンボス加工は、例えば1cm2当た
り0.3〜10個程度存在することが好ましい。
【0022】エンボス加工された樹脂フィルム(B)の厚
み方向の突起の高さ(凹凸の高さ)は、1〜10mm程
度であり、2〜8mm程度であることが好ましい。1m
m未満では、所期の断熱性能を得るために必要な断熱材
厚みにするために積層した場合の層数が多くなり、コス
トが高くなるので実用性がない。10mmを越えると、
樹脂フィルム(A)と樹脂フィルム(B)により形成される密
閉空間で気体の対流による伝熱が大きくなり、断熱性能
が低下するので好ましくない。
【0023】エンボス加工の形状としては、例えば、円
柱状、半球状、直方体状などが挙げられる。樹脂フィル
ムの水平方向におけるエンボスの面積は、0.1〜3c
2程度であることが好ましい。
【0024】エンボス加工された樹脂フィルム(B)と、
エンボス加工されていない平らな樹脂フィルム(A)は、
図1−(1)及び図1−(2)に示すように互いに貼り
合わされる。貼り合わせは、例えば接着剤を用いて行
う。接着剤の種類は、特に限定されるものではなく、慣
用されている接着剤から樹脂フィルムの種類に応じて適
宜選択することができる。或いは、樹脂フィルム(A)と
樹脂フィルム(B)は、加熱融着により貼り合わせてもよ
い。加熱融着は、常法に従って行うことができ、その際
の温度は、樹脂フィルムの種類に応じて適宜設定するこ
とができるが、通常80〜300℃程度である。
【0025】樹脂フィルム(A)とエンボス加工された樹
脂フィルム(B)との貼り合わせは、連続的に行ってもよ
いし、バッチ式に行ってもよい。但し、樹脂フィルム
(A)と樹脂フィルム(B)は、連続的に成型機に供給するこ
とが作業効率の点から好ましい。
【0026】樹脂フィルム(A)と樹脂フィルム(B)とを貼
り合わせると、エンボス加工された樹脂フィルム(B)の
突起と樹脂フィルム(A)により空間(以下、「セル」と
いう場合がある。)が形成され、該空間を密閉性を有す
るセルとなるように貼り合わせると、ガスを封入するこ
とが可能となる。ガスが封入された密閉性のあるセル
は、荷重を加えた場合に圧縮されにくいため、断熱材の
厚みがほとんど変化せず、断熱性能の低下を極わずかに
抑えることができる。
【0027】セルに封入するガスとしては、空気又は空
気より熱伝導率が小さいガスが好ましい。これらは単独
で、又は組み合わせて封入することができる。空気より
熱伝導率が小さいガスとしては、二酸化炭素、フッ素化
炭化水素(例えば、フッ化メチル、フッ化エチル、フッ
化プロピルなどの炭素数1〜3程度のフッ素化炭化水
素)などが好ましく例示される。空気より熱伝導率が小
さいガスを密封すると、断熱性能がより優れた断熱材が
得られるので好ましい。
【0028】空気より熱伝導率が小さいガスを密封する
場合は、当該ガスの透過率が極めて小さい樹脂フィルム
を用いることが望ましい。
【0029】ガスの封入量は、ガスの種類、所望の断熱
性などに応じて適宜設定することができるが、通常、セ
ル内の圧力が大気圧程度となるような量である。
【0030】本発明の断熱材は、樹脂フィルム(A)の外
側表面にアルミニウムを蒸着させている。アルミニウム
は輻射率が小さいので、アルミニウムを蒸着させた断熱
材は、輻射伝熱が大幅に低減し、断熱性能が大幅に向上
する。アルミニウムの蒸着は、例えば図1に示すよう
に、樹脂フィルム(A)と樹脂フィルム(B)を貼り合わせた
後に、慣用されている方法に従って行うことができる。
或いは、予めアルミニウムを平らなフィルム(A)の片面
に蒸着させておき、該樹脂フィルム(A)の他の一面と樹
脂フィルム(B)を貼り合わせてもよい。アルミニウムの
蒸着は、常法を用いて鏡面に仕上げることが好ましく、
或いは表面に酸化膜の少ない金属状態で仕上げることが
好ましい。
【0031】アルミニウムの蒸着は、アルミニウム蒸着
をした状態における樹脂フィルム(A)の内側表面(樹脂
フィルム(A)の、アルミニウムを蒸着した面と反対側の
面)の0〜100℃の黒体輻射に対するエネルギー反射
率が0.85以上、好ましくは0.9以上、より好まし
くは0.95以上となるように行う。かかる反射率は、
例えば、アルミニウム蒸着の厚みを適宜設定することに
より得ることができ、例えば、アルミニウム蒸着の厚み
を0.03μm以上とすることにより得ることができ
る。アルミニウム蒸着の厚みの上限は特に限定されない
が、通常、5μm程度である。
【0032】本発明断熱材においては、エンボス加工さ
れた樹脂フィルム(B)の外側表面(エンボス加工の突起
がある面)にも、アルミニウムを蒸着させることが好ま
しい。図2に、樹脂フィルム(B)の外側表面にアルミニ
ウムを蒸着させた本発明断熱材の概念図を示す。樹脂フ
ィルム(B)の外側表面にアルミニウムを蒸着させると、
輻射率の大きい表面に樹脂フィルム(B)が接するように
断熱材を施工した場合でも、樹脂フィルム(B)の外側表
面(樹脂フィルム(A)と貼り合わせていない面)からの
輻射を低減することが可能となるので好ましい。この場
合もアルミニウムの蒸着は、鏡面に仕上げること、或い
は表面に酸化膜の少ない金属状態で仕上げることが好ま
しい。
【0033】かくして得られた単層の断熱材(図1−
(3))は、少なくとも2枚の断熱材を用いて、一枚の
断熱材の平らなフィルム(A)と他の一枚の断熱材のフィ
ルム(B)のエンボスの突起(セル)とが接するように積
層して、積層型の断熱材とすることができる。
【0034】積層型断熱材の樹脂フィルムの積層数及び
厚みは、用途に応じた所望の断熱性能が得られる限り特
に限定されるものではないが、エンボス加工の突起の高
さ、断熱材の用途(使用場所)などに応じて適宜設定す
ることができ、例えば、2〜10層程度であり、2〜1
00mm程度であることが好ましい。
【0035】積層型の断熱材は、単層型断熱材を重ね合
わせただけのものであってもよいし、一方の断熱材の平
らなフィルム(A)と他方の断熱材のフィルム(B)のエンボ
スの突起とを、慣用されている接着剤を用いて接着した
ものであってもよい。
【0036】積層する際、各層のエンボス加工された部
分は、重なるように積層してもよいし、重ならないよう
に積層してもよい。
【0037】本発明の断熱材(単層型及び積層型)は、
建築用、空調用などの用途に好ましく用いることができ
る。建築用としては、例えば、壁面、天井、床などに適
用することができ、具体的には、壁面断熱用、床暖房用
などに用いることができる。空調用としては、空調用熱
源機の作動媒体又は冷熱若しくは温熱を搬送する配管用
として好適である。本発明の断熱材は、冷熱及び温熱の
貯蔵用の管状のタンクの断熱材としても好適である。
【0038】本発明の断熱材を管に施工する場合は、樹
脂フィルム(B)を内側にして、即ちエンボスの突起のあ
る面を内側として巻くのが好ましい。
【0039】単層型の断熱材を管に施工する際には、通
常、管にロール状に巻き付けると、しわが発生しにくい
ので好ましい。
【0040】積層型の断熱材を管用の断熱材として使用
する場合は、管へのしわのない密着した施工を可能とす
るため、管に施工した際に両端面が接合するように厚み
方向に漸次拡幅状に裁断することが好ましい。より具体
的には、各層の幅方向の長さが、管に施工した際の管の
中心からの距離を半径とする円周長さ程度になるよう
に、厚み方向に漸次拡幅状に裁断することにより、管に
施工した際のしわの発生を防ぐことが可能となる。各層
の幅方向の長さは、施工時にしわが発生しない程度に拡
幅状になっていればよく、円周長さと完全に一致してい
る必要はない。しわが発生しなければ、管との密着性が
向上し、より小さな空間で優れた断熱性能が得られるの
で好ましい。かかる断熱材の概念図を図3−(1)に示
し、該断熱材を施工してなる管の概念図を図3−(2)
に示す。
【0041】かかる断熱材は、幅方向の長さが同じ単層
型の断熱材を積層した後に、しわが発生しないように漸
次拡幅状に裁断して得ることができる。或いは、単層型
の断熱材を、積層した後に漸次拡幅状となるような長さ
に予め裁断しておき、それらを積層して得ることもでき
る。
【0042】管用の断熱材は、円筒状に成形された状態
で提供されてもよい。例えば、積層型断熱材であれば、
しわが発生しないように漸次拡幅状に裁断された断熱材
の両端を接続して成形したものであってもよい。両端の
接続は、通常、両端面に接着剤を塗布して行ってもよい
し、管に巻いた後に粘着テープを用いて留めることによ
り行ってもよい。
【0043】本発明には、上記したような各種の断熱材
を施工してなる配管や、管状物(例えば、管状のタン
ク)も含まれる。
【0044】
【発明の効果】本発明断熱材は、優れた断熱性を有して
おり、さらに、軽量で、ロール巻きなどによりコンパク
トにできるため、保管、輸送及び持ち運びが容易であ
る。
【0045】また、本発明の断熱材によれば、管乃至管
状物へのしわのない施工が可能となり、優れた断熱性能
が得られる。
【0046】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。
【0047】実施例1 ポリエチレン樹脂フィルム(膜厚10μm)に、高さ4
mm、直径10mmの円柱状のエンボス加工(突起)
を、1個/cm2の密度で設け(樹脂フィルム(B))、平
らなポリエチレン樹脂フィルム(A)(膜厚10μm)と
を、空気が封入されるようにして熱融着させた。ポリエ
チレン樹脂フィルムの0〜100℃の黒体輻射に対する
エネルギー吸収率を常法に従って測定したところ、0.
05未満であった。次いで、ポリエチレン樹脂フィルム
(A)の外側表面に、通常の真空蒸着法により、アルミニ
ウムを鏡面となるように蒸着させた。アルミニウム層の
厚みは約1μmであった。
【0048】アルミニウム蒸着された後のポリエチレン
樹脂フィルム(A)の内側表面の0〜100℃の黒体輻射
に対するエネルギー反射率を常法に従って測定したとこ
ろ、0.9以上であった。
【0049】かかる単層型の断熱材を3枚用意し、一枚
の断熱材の樹脂フィルム(A)に、他の一枚の断熱材の樹
脂フィルム(B)のエンボスの突起が重なるようにして3
層重ねて積層型の断熱材とし、有効熱伝導率を測定し
た。
【0050】有効熱伝導率の測定には、JIS−A1412(19
94)の平板熱流計法を適用した装置を使用した。サンプ
ルのサイズは300mm×300mmとした。断熱材の
平らな面を30℃とし、エンボス加工された突起を有す
る面を10℃とした。有効熱伝導率は、0.029W/
Kmであった。
【0051】実施例2 封入気体を二酸化炭素とする以外は実施例1と同様にし
て断熱材を得た。有効熱伝導率は、0.024W/Km
であった。
【0052】実施例3 エンボス加工の突起の高さを6mmとする以外は実施例
1と同様にして断熱材を得た。有効熱伝導率は、0.0
29W/Kmであった。
【0053】比較例1 アルミニウムの蒸着を行わない以外は実施例1と同様に
して断熱材を得た。有効熱伝導率は、0.051W/K
mであった。
【0054】比較例2 エンボスの突起の高さを16mmとする以外は実施例1
と同様にして断熱材を得た。有効熱伝導率は、0.05
1W/Kmであった。
【0055】比較例3〜6 現行品(厚み20mm)の有効熱伝導率を、実施例1と
同様の条件にて測定した。結果は下記の通りである。
【0056】 比較例3 ロックウール保温板 0.037W/Km 比較例4 発泡ポリエチレン板 0.042W/Km 比較例5 グラスウール保温板 0.038W/Km 比較例6 発泡ポリスチレン板 0.038W/Km 実施例1〜3で得られた本発明断熱材は比較例1〜6の
断熱材と比べて有効熱伝導率が小さく、優れた断熱性能
を示した。
【0057】実施例4 外径15.9mm、肉厚1mmの銅管に、以下の積層型
(3層積層)の断熱材を施工した。
【0058】実施例1で得られた単層型の断熱材3枚を
積層に用いた。3枚のうち1枚を、該銅管の外周長さと
エンボス加工された側の長さが同程度となるように裁断
した。該断熱材を管に巻いた際に銅管に直接接する内側
の層とする。管に巻いた際に外側の層となる残りの2枚
の単層型断熱材を、積層して配管に巻いた際にしわにな
らない程度に幅方向の長さを漸次長くして裁断した。こ
れら長さが異なる3枚の断熱材を、接着剤を用いて順次
接着し、積層型の断熱材を得た。該積層型の断熱材を前
記銅管に巻き、粘着テープで留めた。その結果、断熱材
を施工してなる外径約40mmの銅管が得られた。
【0059】断熱材を施工した銅管に温水を流し、該断
熱材の熱伝導率を求めた。熱伝導率は、断熱材の内表面
と外表面の温度及び温水の入口と出口の温度を測定する
ことにより求めた。断熱材の外表面の温度は5℃、内表
面は50℃であった。有効熱伝導率は、0.030W/
Kmであった。
【0060】比較例7 実施例1の単層型の断熱材のエンボス加工した樹脂フィ
ルム(B)の上に、さらに平らなポリエチレン樹脂フィル
ム(膜厚10μm)を重ねて接着し、両面が平らな樹脂
フィルム(A)である断熱材を製造した。次いで、実施例
4と同様にして、当該断熱材を幅方向への長さを漸次長
くして裁断したものを3枚重ね、配管に施工したが、各
断熱材の内側の平らな樹脂フィルム(A)が圧縮され変形
してしわが発生した。その結果、外径で約42mm(実
施例4より約2mm大きい)となる部分が生じた。従っ
て、この配管を壁に通す場合、実施例4の断熱材と比
べ、約2mm大きな穴を開ける必要が生じる。
【0061】有効熱伝導率は、実施例4の断熱材より約
7%程度増加した。これは、しわの発生により、樹脂フ
ィルムの間隔が部分的に小さくなるところが生じ、その
部分の空気による伝熱が増大した結果と考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明断熱材(単層型)及び本発明断熱材の製
造方法の一例を示す図である。
【図2】フィルム(B)の外側表面にアルミニウムを蒸着
した本発明断熱材(単層型)の一例を示す図である。
【図3】本発明断熱材(積層型)の一例及び本発明断熱
材を管に施工した一例を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H036 AA01 AB03 AB18 AB35 AC03 AE13 4F100 AA36B AB10C AB10D AH05B AK01A AK01B AK04A AK04B AK15A AK15B AK41A AK41B AK46A AK46B AK49A BA04 BA07 BA10C BA10D DD03B DD25B EC032 EH112 EH66C EH66D EH662 EJ39B GB07 JJ02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平らな樹脂フィルム(A)と、エンボス加
    工された樹脂フィルム(B)を貼り合わせた2枚の樹脂フ
    ィルムからなる断熱材であって、 1)フィルム(A)及びフィルム(B)として0〜100℃の
    黒体輻射に対するエネルギー吸収率が0.1以下である
    樹脂フィルムを用いており、 2)フィルム(B)のエンボス加工の突起の高さが1〜1
    0mmであり、 3)フィルム(B)のエンボス加工の突起部分にガスが封
    入されており、 4)フィルム(A)の外側表面にアルミニウムが蒸着され
    ており、 5)アルミニウム蒸着後のフィルム(A)の内側表面の、
    0〜100℃の黒体輻射に対するエネルギー反射率が
    0.85以上であることを特徴とする断熱材。
  2. 【請求項2】 フィルム(B)の外側表面にアルミニウム
    が蒸着されていることを特徴とする請求項1に記載の断
    熱材。
  3. 【請求項3】 封入したガスが、二酸化炭素及びフッ素
    化炭化水素からなる群より選ばれる少なくとも1種を含
    むガスであることを特徴とする請求項1又は2に記載の
    断熱材。
  4. 【請求項4】 樹脂フィルムの素材が、ポリイミド樹
    脂,ポリエステル樹脂,ポリアミド樹脂,ポリエチレン
    樹脂及びポリ塩化ビニル樹脂からなる群より選ばれる少
    なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の断
    熱材。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載された断
    熱材の少なくとも2枚を、一枚の断熱材のフィルム(A)
    と他の一枚の断熱材のフィルム(B)のエンボス加工とが
    接するように積層した積層型の管用断熱材であって、管
    に施工した際に両端面が接合するように、厚み方向に漸
    次拡幅状に裁断したことを特徴とする積層型の管用断熱
    材。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の断熱材の両端を接続す
    ることにより円筒形に成形してなる管用断熱材。
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