JP2001111238A - バイアホール接続強度測定装置および方法 - Google Patents

バイアホール接続強度測定装置および方法

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JP2001111238A
JP2001111238A JP28852399A JP28852399A JP2001111238A JP 2001111238 A JP2001111238 A JP 2001111238A JP 28852399 A JP28852399 A JP 28852399A JP 28852399 A JP28852399 A JP 28852399A JP 2001111238 A JP2001111238 A JP 2001111238A
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via hole
jig
land surface
connection strength
hole
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Minoru Miura
實 三浦
Toru Nishikado
徹 西門
Yoshihisa Kishimoto
芳久 岸本
Yuichi Takemoto
雄一 竹本
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Sumitomo Metal SMI Electronics Device Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビルドアップ基板内に形成されたバイアホー
ルの接合強度を定量的に測定する。 【解決手段】 バイアホール5が接続されたランド面6
に対して平行に、すなわちバイアホール5の中心軸
“A”に対して垂直方向に測定用治具7を移動させ、治
具7を介してバイアホール5に剪断応力を印加する。そ
して、印加した応力により、バイアホールが剪断破壊し
たときの治具7にかかる剪断荷重をもって、そのバイア
ホールの接合強度とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、特にLSIパッ
ケージ、高密度多層配線板などに用いられるビルドアッ
プ構造を有する配線板(以下、ビルドアップ配線板と称
する)に形成されたバイアホールの接続強度を測定する
装置および方法に関し、特にビルドアップ層間を電気的
に接続するために形成されたバイアホールの下地ランド
面とバイアホールとの接続強度を簡易にかつ精度よく測
定できる装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のMPUの駆動周波数の高速化とと
もに、周辺部品となるパッケージ、ドーターカード、マ
ザーボードなどにも高密度配線化が進展している。一方
では、携帯電話をはじめとする携帯機器の急速な普及と
ともに、これらの機器に用いられる配線板にも小型、軽
量化の要求を満たすべく高密度配線化が進んでいる。
【0003】これらの高密度化の要求に応えるべく、配
線層と絶縁層とを交互に数層以上積層した、多層配線板
が開発され、さらに近年ではさらなる高密度化に対応す
るためコア材上に導体回路と有機樹脂薄膜からなる絶縁
層とを交互に積層していくビルドアップ方式と呼ばれる
方法で積層された配線板が採用されるようになった。
【0004】ビルドアップ法による多層プリント配線板
の製造方法は、サブトラクティブ法、セミアディティブ
法、フルアディティブ法などが知られている。セミアデ
ィティブ法を例にとってその製法を説明する。
【0005】両面リジッド配線板を基に、スルーホール
加工、パターンめっきなどによりその両面に所定の配線
層を形成したコア材を作製する。このコア材上に、絶縁
層となる樹脂層を塗布した後、フォトリソグラフィ法も
しくはレーザ加工法により絶縁層に直径が50μmから
150μm程度のバイアホールを形成する。
【0006】このバイアホールは、下地層と絶縁層上に
形成される配線層との層間を電気的に接続するために形
成されるものである。その後、無電解めっきにより全面
に銅などの導体層を形成した後、導体層上にフォトレジ
スト塗布を行なった後、フォトリソグラフィ法によりレ
ジスト層の配線部となるべき部位を除去する。その後、
電気めっきなどの手段により配線部を所定の厚さに形成
した後、レジスト層を剥離し、さらに下地の導体層をエ
ッチングなどの手段で除去することにより、ビルドアッ
プの1層を基材の両面に形成させる。
【0007】一般のビルドアップ基板では、上記の絶縁
層形成から導体層のエッチング除去までを所定回数繰返
すことにより、必要とする層数のビルドアップ配線板が
得られる。
【0008】このようにして製造されたビルドアップ配
線板は、通常LSIの搭載時およびその後の実装時に、
はんだリフローの工程など熱履歴を受ける。ところで、
LSIはシリコンなどの材料からなり通常3〜5ppm
/KのX−Y方向の線膨張係数を有しているのに対し、
ビルドアップ配線板は体積率から換算すると、ほとんど
絶縁樹脂層からなっており、その内ガラスクロスなどで
補強されたコア材のX−Y方向における線膨張係数は約
20ppm/Kである。樹脂単体からなるビルドアップ
層のX−Y方向における線膨張係数は約50〜60pp
m/Kである。
【0009】このような、線膨張係数の不整合性を有し
たまま、はんだリフロー工程を経る結果、200℃以上
のリフロー温度から室温に冷却される際に、上記線膨張
係数の不整合に起因する残留応力がビルドアップ基板内
に発生する。また、LSIを搭載したビルドアップ配線
板を実際にコンピュータなどに組込んだ形で使用を続け
た場合にも、MPUの発熱、冷却の繰返しの間に、同様
に冷熱サイクルが与えられることになる。このような残
留応力が発生した場合、この応力を緩和するために配線
層の剥離、絶縁層のクラックなどの不良が生じることに
なる。一般には、上記の不良は、バイアホール接続部に
発生する場合が最も頻度が高く、バイアホールの接続信
頼性がビルドアップ配線板の信頼性を決定していると言
っても過言ではない。さらに、近年の高密度化ととも
に、バイアホール径はますます微小化し、要求される信
頼性はますます厳しくなってきている。
【0010】ところが、このように高密度化が進むビル
ドアップ配線板の信頼性を評価する手法は従来確立され
てはいなかった。これまでは、製品(ビルドアップ配線
板)のビルドアップ層をアッシング、エッチングなどの
手法により除去した後、顕微鏡を通して人間の手で微小
な針などの治具を用いて1個1個バイアホールを剥し、
その剥れ方によりその製品のバイアホール接続強度とし
ていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような人間の手でバイアホールを剥していく方法は、い
わゆる官能検査であることから、測定者による個人差を
誤差要因として含むのみならず、バイアホールの接続強
度を定量化することは不可能であり、また製品ごとの定
量的な比較も不可能であった。その結果、バイアホール
接続強度が低い製品を用いた場合、LSI実装後に動作
不良となったりすることがある。
【0012】そこでこの発明は上述の課題を解決するた
めになされたものであり、バイアホールの接続強度を簡
便な方法でかつ高精度に定量的に測定する装置および方
法を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ビルドア
ップ配線板内のバイアホールの接続強度を定量的に高精
度に測定する方法について検討を重ねた結果、ランド面
に形成されたバイアホールに対して、特定の形状を有す
る治具を用いて一定の速度で剪断応力を印加した場合、
バイアホールを形成する配線層母材の強度に比べ、バイ
アホール接合界面の強度が弱い場合にはバイアホールが
界面から剥離することを見出し、そのときの荷重を測定
することにより、バイアホールの接続強度を測定するこ
とが可能であることを見出し、本願発明のバイアホール
接続強度の測定装置および方法に到達した。
【0014】すなわち、この発明のある局面に従うと、
バイアホール接続強度測定装置は、ビルドアップ配線板
内のランド面に形成されたバイアホールに対して、治具
をランド面に平行に移動させ、治具によりバイアホール
を剪断破壊させるときに治具にかかる荷重を測定するこ
とでバイアホールの接続強度を測定することを特徴とし
ている。
【0015】好ましくはバイアホール接続強度測定装置
は、ランド面に形成されたバイアホールの直径より広い
幅を有する板状の治具を用いることを特徴としている。
【0016】好ましくはバイアホール接続強度測定装置
は、ランド面に形成されたバイアホール底部の配線厚の
2倍から0.1倍の厚みを有し、バイアホールの直径よ
り広い幅を有する治具を用い、バイアホール底部に剪断
応力を印加することを特徴としている。
【0017】さらに好ましくは、バイアホール接続強度
測定装置は、ランド面に垂直に形成されたバイアホール
に対して、バイアホール底部の配線厚以下の間隔で治具
をランド面に対して平行に移動させることを特徴として
いる。
【0018】この発明の他の局面に従うと、バイアホー
ル接続強度測定方法は、ビルドアップ配線板内のランド
面に形成されたバイアホールに対して、治具をランド面
に平行に移動させ、治具によりバイアホールを剪断破壊
させるときに治具にかかる荷重を測定することでバイア
ホールの接続強度を測定することを特徴としている。
【0019】これらの発明に従うと、バイアホールの接
続強度を簡便な方法でかつ高精度に定量的に測定するこ
とが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態の1つ
におけるバイアホール接続強度測定装置および方法につ
いて図面を参照しながら詳しく説明する。本実施の形態
におけるバイアホール接続強度測定装置による測定の対
象となるビルドアップ配線板は、サブトラクティブ法、
セミアディティブ法あるいはフルアディティブ法のいず
れの方法で製造されたものであってもよい。また、バイ
アホールの形成方法として、フォトリソグラフィ法、レ
ーザ加工法のいずれの方法を用いてもよい。
【0021】バイアホールの接続強度を測定するため
に、図1に示すように、前処理として少なくともバイア
ホール2の接合界面からバイアホールが接続しているラ
ンド面3までの絶縁樹脂層1を剥離させ、図2に示す構
造にする必要がある。絶縁樹脂層を選択的に剥離する方
法としては、公知の技術を用いることが可能であり、た
とえば、SF6、CF4、酸素などのプラズマアッシン
グ法や、RIE(リアクティブイオンエッチング)法な
どの化学的除去法を用いることができる。この場合、樹
脂の剥離工程でバイアホール配線層に機械的、化学的損
傷を与えなければいずれの公知の方法でも用いることは
可能である。
【0022】通常のビルドアップ配線板の製造方法にお
いては、バイアホールはランド面に垂直に形成されてお
り、バイアホールの形状として図3のような底部径に比
べ上部径が大きいもの、図4に示すような底部、上部径
ともほぼ等しい円筒状のもの、または図5および6に示
すような、図3および図4それぞれのバイアホール内を
めっきなどの手段によりフィリングしたものなどが知ら
れているが、いずれの形状に対しても本実施の形態の装
置により測定することができる。
【0023】本実施の形態において、バイアホールの接
続強度の測定においては、図7に示すようにランド面6
に対して平行に、すなわちバイアホール5の中心軸
“A”に対して垂直に治具7を移動させ、治具7を介し
てバイアホール5に対して剪断応力を印加する。そし
て、印加した応力によりバイアホールが剪断破壊したと
きの治具にかかる剪断荷重をもって、そのバイアホール
の接続強度とする。
【0024】このとき、治具を移動させる速度は特に限
定されるものではないが、通常、0.001mm/秒か
ら1mm/秒、好ましくは0.01mm/秒から0.5
mm/秒である。
【0025】本実施の形態においては、予め治具をバイ
アホールから一定の距離を離して設置し、一定の速度で
徐々に治具とバイアホールとの間の距離を短くしていく
ことで、最終的にバイアホール接合界面を剪断破壊する
ことによって、その接続強度を測定している。ただし、
被測定基板を固定して、治具を一定速度で移動させる方
式の他、治具を固定しておき、被測定基板をテーブルに
固定し、そのテーブルを一定速度で移動させる方式も用
いることができる。
【0026】本実施の形態において用いられる測定治具
は大きく分けて2種類の形状(図7および14に示す形
状)のものを用いることができる。1番目の治具は、図
8および図9に示す形状の治具である。図8には、上面
から見たバイアホール10と治具11との相対的な位置
関係を示しており、図9には治具を斜めから見た状態を
示している。ここで、治具先端部の幅(W1)は、バイ
アホールの直径(W2)に対して同じ幅かあるいはそれ
以上の幅を有していることが好ましい。
【0027】治具先端部の厚み(D1)は、特に制約さ
れるものではないが、極端に厚い場合は、微細なランド
部に治具を設置しがたく、逆に極端に薄い場合は治具自
体の強度が低下し、寿命の点で問題がある。また、図9
では、治具先端部が細くなった、いわゆるテーパ形状の
治具を例示している。これは、微細な配線部に精度よく
治具を配置し、かつ治具自体の強度を確保するためにこ
のような形状としているものであり、特に本発明を制限
するものではない。
【0028】本治具を用いてバイアホールの接続強度を
測定した場合、ランド面と平行に治具が移動するに従
い、図10〜図13に示すように治具13の面とバイア
ホール12の上部とが接触するとともに(図11)、治
具の移動に伴いバイアホールが塑性変形し、治具面と同
一面となった後(図12)、バイアホール接合境界の剥
離に至る(図13)。
【0029】この治具を用いてバイアホールの接続強度
を測定する場合、図3〜図6に示すいずれのバイアホー
ルに対しても良好な測定値を得ることができる。とりわ
け、図5および図6のようなフィリングされた形状のバ
イアホールに対して再現性よく高精度な測定結果を得る
ことができる。
【0030】また、治具として図14〜図16に示す形
状のものを用いてもよい。図14には、バイアホール1
5と治具16との相対的な位置関係を、図15および図
16には治具16を斜め方向から見た図を示している。
ここで、図15に示す形状の治具においては、治具先端
部の幅(W3)は、バイアホール直径に対して同じ幅か
あるいはそれ以上の幅を有していることが望ましい。
【0031】また、治具先端部の厚み(D2)について
は、先端部が細くなった、いわゆるテーパ状になってい
るが、これは治具自体の強度を確保するためのものであ
り、本発明を制約するものではない。
【0032】さらに、図16に示す形状の治具は、先端
部をバイアホールの底部形状と一致させ、治具を通して
印加する剪断応力が治具とバイアホールが接触する1点
に集中するのを防ぎ、より均一にバイアホール底部全体
に力が印加されることを目的としたものである。
【0033】ここで、先端部に与える円弧の曲率はバイ
アホール底部の曲率に比べ、同じか大きいことが望まし
い。
【0034】図15および図16の治具を用いてバイア
ホールの接続強度を測定する場合、治具が直接バイアホ
ールと接触する部分の厚み(D2,D3)は、バイアホ
ール底部の配線層厚(D4)に対し、2倍から0.1倍
の厚みであることが望ましい。
【0035】これにより、治具をランド面に対して平行
に(バイアホールの中心軸に対して垂直に)移動して、
バイアホールに対して剪断応力を印加する場合、その剪
断応力をバイアホール底部に集中して印加することが可
能となり、より高精度にバイアホールの接続強度を測定
することが可能となる。すなわち、図8および図9に示
す治具では、バイアホール配線層自体の強度が接続強度
よりも弱い場合には、底部および側壁破壊によりバイア
ホールが破断するのに対し、図15または16の治具を
用いることにより、上記モードによる破壊を防止し、真
のバイアホール接続強度に近い値を得ることが可能とな
る。
【0036】図8および図9ならびに図15および図1
6に示す治具の材質は特に制約されるものではないが、
バイアホール配線層材質に比べ高強度であることが望ま
しい。通常、バイアホール配線層は、湿式めっきから得
られる金属銅、銅合金、銀、ニッケル、スズなど、ある
いは乾式プロセスで得られるアルミニウム、アルミニウ
ム合金、銅、金などにより構成される。したがって、こ
れらの金属より高強度な材料であれば、治具の材質は特
に制約を受けるものではない。
【0037】しかしながら、治具自体の疲労破壊、母材
強度、操作性などの観点から、たとえば、チタン、チタ
ン合金、ステンレス、タングステン、モリブデンあるい
はそれらの合金などの金属類、アルミナ、炭化珪素、窒
化珪素などのセラミックス類が治具の材料に好適であ
る。また、これらの材料の単体はもちろん、特にバイア
ホールと接触する部分のみこれらの材料を接合した治具
を用いることもできる。
【0038】本実施の形態においては、上記治具をラン
ド面に対して一定の間隔を保持しながら、ランド面に対
して平行に移動させることにより、バイアホールの接続
強度を測定する。このときのランド面と治具との間隔
は、バイアホール底部の配線層厚より狭いことが好まし
い。
【0039】すなわち、図17に示す、バイアホール底
部の配線厚(D5)に対して、治具とランド面との間の
距離(D6)が狭いことが好ましい。具体的には、D6
は、D5の5%から80%、さらに好ましくはD6はD
5の10%から50%の間隔であることが望ましい。た
とえば、50μm径のバイアホールで、底部の配線層厚
(D5)が20μmのバイアホールを例にとると、D6
の値は1μmから16μm、さらに好ましくは2μmか
ら10μmの値となる。治具とランド面との間隔(D
6)がこの値より狭い場合において、治具とランド面と
が高精度に平行となっていないときは、治具がランド面
に接触し、真のバイアホール接続強度ではなく、ランド
面の変形荷重を測定値として検出する恐れがある。ま
た、逆に治具とランド面との間隔がこの値より大きい場
合には、間隔の設定精度などの要因によりわずかに治具
が移動するだけで、バイアホールの側壁が破壊され、印
加した剪断応力がバイアホール底部に印加されず、真の
バイアホール接続強度が得られないことがある。
【0040】本実施の形態においては、目的とするバイ
アホールの接続強度を精度よく測定するために、必要に
応じ、種々の付随装置を測定装置に取付けることが可能
である。まず、上述の測定用治具とランド面との間隔を
精度よく制御するためには、治具をランド面に垂直な方
向に可動とし、治具をマイクロメータなどの精密機器に
接続し、治具をランド面に接触させた値を原点として、
マイクロメータを作動させることにより、正確に治具と
ランド面との間の距離を制御することが可能となる。
【0041】また、CCDカメラなどをバイアホール近
くに接続し、破断の状況を観察するとともに、バイアホ
ールがランド面から破断しているかどうかを確認するこ
とができる。
【0042】さらに、治具の負荷荷重と治具の移動距離
とを同時にモニタし、応力−歪み曲線として出力させる
ことも可能である。
【0043】以下に、測定用基板の作製例とその測定結
果について説明する。 [測定用基板の作製例1]市販の両面銅張り積層板(エ
ポキシ系、FR−4グレード)を用い、スルーホール加
工、銅めっき、エッチングによりパターン形成しコア材
を得た。このコア材に対し、市販のエポキシアクリレー
トを主成分とするレジストを40μmの厚みで塗布し
た。得られた基板を乾燥後、フォトリソグラフィにより
バイアホールを形成し、大気中で180℃×3時間の熱
処理を行ない、絶縁層を完全硬化させた。
【0044】このとき、大気中の高温処理により、バイ
アホール底部表面は酸化膜で覆われていた。この基板を
濃度の異なる3種類の希硫酸(0.1wt%,1wt
%,10wt%)でそれぞれ30秒間処理し、バイアホ
ール底部に残存する銅酸化膜の状態が異なる3種類の基
板を得た。
【0045】これらの基板に対し化学銅めっきにより全
面に約0.8μmの銅を析出させた後、市販のドライフ
ィルムレジストを全面に貼付け、フォトリソグラフィに
より配線パターンを形成した。
【0046】さらに、下地の化学銅層を電極として、硫
酸銅めっき浴中で電気銅めっきを行ない、配線層厚約1
8μmの配線層を形成し、ドライフィルムレジストをア
ルカリ処理により全面剥離して、測定用基板を得た。
【0047】得られた基板の断面観察によると、基板内
のバイアホールの上部径は70μm、下部径は50μ
m、バイアホール底部の配線層厚は18μmであった。
【0048】得られた基板に対し、CF4ガスと酸素ガ
ス(濃度比:CF4/O2=1/6)を1torrの圧力
下で導入したプラズマアッシング装置により、室温で約
20分アッシングを行ない、ビルドアップ絶縁層を剥離
し、バイアホールの接続強度が異なると考えられる3種
類の基板を得た(基板1−1,1−2,1−3)。
【0049】[測定用基板の作製例2]上述の作製例1
で行なったフォトリソグラフィ法によるバイアホール形
成に代えて、炭酸ガスレーザを用いるレーザ加工法によ
りバイアホールを作製した以外は、作製例1と同様にし
て測定用基板を作製した。得られた基板の断面観察の結
果、基板内のバイアホールの上部、下部とも径は50μ
m、バイアホール底部の配線層厚は18μmとなった
(基板2−1,2−2,2−3)。
【0050】[測定用基板の作製例3]作製例1で用い
た電気銅めっき浴中の添加剤濃度と電流密度とを変化さ
せることにより、配線層を形成した以外は、作製例1と
同様にして測定用基板を作製した。得られた基板の断面
観察の結果、基板内のバイアホールの上部径は70μ
m、下部径は50μm、バイアホール底部の配線層厚は
50μm、底部以外の配線層厚は18μmであるフィリ
ング形状のバイアホールを有する基板を得た(基板3−
1,3−2,3−3)。
【0051】[測定用基板の作製例4]作製例2で用い
た電気銅めっき浴中の添加剤濃度と電流密度とを変化さ
せることにより配線層を形成した以外には、作製例2と
同様にして測定用基板を作製した。得られた基板の断面
観察の結果、基板内のバイアホールの上部径、下部径と
も50μm、バイアホール底部の配線層厚は50μm、
底部以外の配線層厚は18μmであるフィリング形状の
バイアホールを有する基板を得た(基板4−1,4−
2,4−3)。
【0052】[測定用治具の作製例1]タングステン製
の角材を加工し、図18に示す形状、寸法の治具を作製
した(形状1)。
【0053】[測定用治具の作製例2]タングステン製
の角材を加工し、図19に示す形状、寸法の治具を作製
した(形状2)。
【0054】[測定用治具の作製例3]タングステン製
の角材を加工し、図20に示す形状、寸法の治具を作製
した(形状3)。
【0055】[実施例1]基板作製例で作製した測定用
基板を、図21に示すように小型引張り試験機の引張り
方向(矢印方向)に対して平行になるように固定した。
引張り試験機のロードセル18として、最大荷重500
gのロードセルを取付けた。上記治具作製例で作製した
治具21を治具固定具19を介してマイクロメータ20
に接続し、治具21を基板面24に対して垂直方向に可
動できるように設置した。ランド面と治具先端の間隔を
表1に示す値として剪断試験を行なった。バイアホール
の剪断破壊時に得られた最大荷重を信号変換器22によ
って測定した。
【0056】この操作を同条件で作製した1枚の基板に
含まれる30個のバイアホールについて行なった。この
ときの最大荷重の平均値とその標準偏差を表1に示す。
また、破断したバイアホール接続界面を顕微鏡で観察し
た結果、いずれのバイアホールにおいても下地配線とバ
イアホールとの間に剥れが生じていた。
【0057】
【表1】
【0058】[実施例2〜3]治具形状、治具とランド
面との距離を表2および3に示す値に変えた以外は、実
施例1と全く同様にして試験を行なった。得られた結果
を表2および3に示す。
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】[実施の形態における効果]上述の実施の
形態によれば、従来は定量的に測定することが不可能で
あったバイアホールとランド面との接続強度を容易にか
つ精度よく定量的に測定することができる。本実施の形
態における装置を用いることにより、ビルドアップ基板
の製品ごとの定量的な比較も可能となり、LSIを搭載
する前に、本実施の形態における装置を用いて、製品の
バイアホール強度を測定し、高強度のビルドアップ基板
にのみLSIを搭載することが可能となる。
【0062】その結果、これまでLSI実装後のバイア
ホール接続不良による高価なLSIの損失や製品の動作
不良を回避することが可能となる。
【0063】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 測定するビルドアップ基板の前処理(絶縁樹
脂層の剥離)前の状態を示す断面図である。
【図2】 前処理後のビルドアップ基板の断面図であ
る。
【図3】 バイアホールの第1の形状を示す断面図であ
る。
【図4】 バイアホールの第2の形状を示す断面図であ
る。
【図5】 バイアホールの第3の形状を示す断面図であ
る。
【図6】 バイアホールの第4の形状を示す断面図であ
る。
【図7】 本実施の形態におけるバイアホール接続強度
を測定する状態を示す図である。
【図8】 バイアホールと測定治具との相対的な位置関
係を示す平面図である。
【図9】 バイアホール強度測定装置に用いられる治具
の具体例を示す斜視図である。
【図10】 図9に示す治具を用いてバイアホールの強
度を測定するときのバイアホールの破断挙動を示す図で
ある。
【図11】 図10に続く図である。
【図12】 図11に続く図である。
【図13】 図12に続く図である。
【図14】 バイアホールと測定治具との相対的な位置
関係を示す側面図である。
【図15】 バイアホール強度測定装置に用いられる治
具の例を示す図である。
【図16】 バイアホール強度測定装置に用いられる治
具の例を示す図である。
【図17】 バイアホール底部の配線厚と、測定治具と
ランド面との間の距離の相対的な関係を示す図である。
【図18】 治具作製例1で作製した、バイアホール測
定用治具の形状を示す図である。
【図19】 治具作製例2で作製した、バイアホール測
定用治具の形状を示す図である。
【図20】 治具作製例3で作製した、バイアホール測
定用治具の形状を示す図である。
【図21】 実施例1で用いられたバイアホール測定装
置の概略図である。
【符号の説明】
1 ビルドアップ絶縁層、2 バイアホール、3 ビル
ドアップ配線層、4コア材、5 バイアホール、6 ラ
ンド、7 測定用治具、8 ビルドアップ絶縁層、9
ランド、10 バイアホール、11 測定用治具、12
バイアホール、13 測定用治具、14 ランド、1
5 バイアホール、16 測定用治具、17 ランド、
18 ロードセル、19 治具固定台、20 マイクロ
メータ、21 測定用治具、22 信号変換器、23
資料固定台(X−Yステージ)、24 被測定試料。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸本 芳久 兵庫県尼崎市扶桑町1番8号 住友金属工 業株式会社エレクトロニクス技術研究所内 (72)発明者 竹本 雄一 兵庫県尼崎市扶桑町1番8号 住友金属工 業株式会社エレクトロニクス技術研究所内 Fターム(参考) 5E346 AA43 BB01 EE31 EE38 GG31 GG34 HH31

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビルドアップ配線板内のランド面に形成
    されたバイアホールに対して、治具を前記ランド面に平
    行に移動させ、前記治具により前記バイアホールを剪断
    破壊させるときに前記治具にかかる荷重を測定すること
    で前記バイアホールの接続強度を測定することを特徴と
    する、バイアホール接続強度測定装置。
  2. 【請求項2】 前記ランド面に形成されたバイアホール
    の直径より広い幅を有する板状の治具を用いることを特
    徴とする、請求項1に記載のバイアホール接続強度測定
    装置。
  3. 【請求項3】 前記ランド面に形成されたバイアホール
    底部の配線厚の2倍から0.1倍の厚みを有し、バイア
    ホールの直径より広い幅を有する治具を用い、バイアホ
    ール底部に剪断応力を印加することを特徴とする、請求
    項1に記載のバイアホール接続強度測定装置。
  4. 【請求項4】 前記ランド面に垂直に形成されたバイア
    ホールに対して、バイアホール底部の配線厚以下の間隔
    で治具をランド面に対して平行に移動させることを特徴
    とする、請求項1から3のいずれかに記載のバイアホー
    ル接続強度測定装置。
  5. 【請求項5】 ビルドアップ配線板内のランド面に形成
    されたバイアホールに対して、治具を前記ランド面に平
    行に移動させ、前記治具により前記バイアホールを剪断
    破壊させるときに前記治具にかかる荷重を測定すること
    で前記バイアホールの接続強度を測定することを特徴と
    する、バイアホール接続強度測定方法。
  6. 【請求項6】 前記ランド面に形成されたバイアホール
    直径より広い幅を有する板状の治具を用いることを特徴
    とする、請求項5に記載のバイアホール接続強度測定方
    法。
  7. 【請求項7】 前記ランド面に形成されたバイアホール
    の底部の配線厚の2倍から0.1倍の厚みを有し、バイ
    アホールの直径より広い幅を有する治具を用い、バイア
    ホール底部に剪断応力を印加することを特徴とする、請
    求項5に記載のバイアホール接続強度測定方法。
  8. 【請求項8】 前記ランド面に垂直に形成されたバイア
    ホールに対して、バイアホール底部の配線厚以下の間隔
    で治具をランド面に対して平行に移動させることを特徴
    とする、請求項5から7のいずれかに記載のバイアホー
    ル接続強度測定方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005251739A (ja) * 2004-02-03 2005-09-15 Toray Ind Inc リペア方法およびリペア治具
JP2008196750A (ja) * 2007-02-09 2008-08-28 Hitachi Appliances Inc 冷蔵庫
JP2021019131A (ja) * 2019-07-22 2021-02-15 株式会社伸光製作所 プリント配線板

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