JP2001111165A - 半導体発光装置,光ヘッド装置及び光ディスク装置 - Google Patents

半導体発光装置,光ヘッド装置及び光ディスク装置

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JP2001111165A
JP2001111165A JP2000230378A JP2000230378A JP2001111165A JP 2001111165 A JP2001111165 A JP 2001111165A JP 2000230378 A JP2000230378 A JP 2000230378A JP 2000230378 A JP2000230378 A JP 2000230378A JP 2001111165 A JP2001111165 A JP 2001111165A
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semiconductor light
emitting device
temperature
semiconductor
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JP2000230378A
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English (en)
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Hideyuki Nakanishi
秀行 中西
Yoshiaki Kaneuma
慶明 金馬
Yasuyuki Kawachi
泰之 河内
Akio Yoshikawa
昭男 吉川
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electronics Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体発光素子の低温I−L特性におけるキ
ンクの発生を抑制するための構成を備えた半導体発光装
置,光ヘッド装置及び光ディスク装置を提供する。 【解決手段】 半導体発光装置41は、半導体レーザ1
2と、半導体レーザ12を載置するためのサブマウント
である光検出器62と、光検出器62に配置され、半導
体レーザ12を加熱するための加熱部85とを備えてい
る。半導体レーザ12の周囲温度が半導体レーザ12の
低温I−L特性におけるキンクが発生する温度範囲にあ
る場合には、加熱部85に通電して半導体レーザ12を
加熱しうる。加熱部85は、半導体基板中の不純物拡散
領域かドープトポリシリコン膜かにより構成することが
できる。加熱部85は、放熱層72と絶縁層9とを挟ん
で半導体レーザ12の下方に配置されていることが好ま
しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体発光素子を
備えた半導体発光装置,それを利用した光ヘッド装置及
び光ディスク装置に係り、特に、半導体発光素子の発光
特性の維持対策に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光ディスクあるいは光カードなど
の高密度・大容量の光記憶媒体又は光磁気記憶媒体を有
する光メモリを利用して、光による情報の記録・再生・
消去を行なう光ディスク装置の用途と需要とが急速に拡
大してきている。例えば、光ディスクとしては、ピット
状パターンを有する光ディスクであるディジタルオーデ
ィオディスク、ビデオディスク、文書ファイルディス
ク、さらにはデータファイルを用いたものが実用化され
てきている。
【0003】ここで、光ディスクなどの記録媒体に対す
る情報の記録・再生のためには、半導体発光素子で生成
され微小に絞られた光ビームを記録媒体に到達させる光
学系が必要であり、記録媒体への情報の記録・再生を高
い信頼性のもとに首尾よく遂行するためには、ひとえに
その光学系全体が高い精度で構成されている必要があ
る。例えば、光ディスク装置の主要部である光ヘッド装
置の基本的な機能は、回折限界の微小スポットを形成す
る集光性、上記光学系の焦点制御とトラッキング制御、
及びピット信号の検出に大別される。これらは、目的、
用途に応じて、各種の光学系ならびに光電変換検出方式
の組合せによって構成されている。この組み合わせに
は、半導体レーザ素子や受光素子をユニットとして備え
た半導体発光装置、この半導体発光装置とプリズム,レ
ンズ等とをユニットとして備えた光ピックアップである
光ヘッド装置と、この光ヘッド装置と記録媒体とを一体
化した光ドライブシステムとしての光ディスク装置など
がある。
【0004】ここで、コンパクトディスク(CD)など
の光ディスクシステムでは、波長が800nm前後のい
わゆる赤外域の半導体レーザ素子が光源として用いられ
てきている。一方、光学系設計技術の進歩と光源である
半導体レーザの短波長化・高出力化により、従来以上の
高密度の記憶容量を持つ光ディスクの開発も進んでい
る。
【0005】また、光ディスク装置および光ヘッド装置
の小型化、信頼性向上、低コスト化を目的として、ホロ
グラムを用いて光ヘッド装置の光学系を簡略化したもの
が開示されている。かかる技術の例として、例えば、Wa
i-Hon Lee "Holographic Optical Head for Compact Di
sc Applications" Optical Engineering Vol.28 No.665
0-653(1989)に開示されている技術がある。
【0006】そして、これらの光ディスク装置等では、
半導体レーザによる書き込み・読み出し等を安定に再現
性を良くするために、半導体レーザの発光量を一定に保
つ制御(オート・パワー・コントロール:APC)が行
なわれているのが一般的である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
光ディスク装置において、以下のような半導体レーザに
注入する電流量Iとその発光量Lの関係(I−L)にお
ける不具合があった。
【0008】図12は、半導体レーザの動作温度(3つ
の周囲温度パターン;0℃、30℃、80℃)をパラメ
ータとするI−L特性を示す図である。同図に示すよう
に、常温(例えば、30℃)では、一定の電流値(しき
い値電流)から半導体レーザ発光が始まり、その後は、
所望の発光量まで電流値と発光量がほぼ線形の関係を保
っている。これに対し、高温(例えば80℃)では、常
温に比べて発光に必要な電流量が増加して発熱量も増え
るので、発光量を増やすとI−L曲線が線形からはずれ
る。すなわち電流に対する発光量の利得が下がる。この
ような高温におけるI−L曲線の折れ曲がり、つまり、
発光量の電流値に対する微分値の変化を生じる特性を高
温I−L特性におけるキンクと呼ぶ。
【0009】ここで、半導体レーザを高温I−L特性に
おけるキンクが生じる条件下で使用すると、光ディスク
装置等でのAPC制御が不安定になる。また、高温I−
L特性におけるキンクの発生点よりもさらに高出力側の
領域においては、出射光の遠視野像(ファーフィールド
・パターン:FFP)が乱れ、集光特性が劣化する場合
もある。従って、高温I−L特性におけるキンクの発生
が生じない条件下で半導体レーザを使用しつつ、必要発
光量を確保することが要求される。ところが、半導体レ
ーザの発光量を高くするためには、注入電流量を増加さ
せる必要があり、その注入電流量の増加に伴って半導体
レーザの動作温度は、周囲温度より上昇して高温I−L
特性におけるキンクが発生し易くなる。
【0010】そこで、従来の光ディスク装置等で用いら
れる半導体レーザにおいては、高温I−L特性における
キンクが発生する条件下ではキンク発生点よりも発光量
がさらに高くなるような電流量(例えば図12のA点に
おける電流量)を常温下で供給しうるように、半導体レ
ーザの構造・材質を工夫したり、その放熱特性を高めて
電流注入による温度上昇を抑える工夫をするなどの対策
を講じている。
【0011】しかしながら、高温I−L特性におけるキ
ンクの発生を抑制すべく、半導体レーザの放熱特性など
を改善した場合などにおいて、周囲温度が低い条件下で
半導体レーザを使用すると、大電流領域において低温I
−L特性におけるキンクが生じることが判明した。例え
ば、図12に示す低温(例えば0℃)下で電流量を高め
ると、I−L曲線に折れ曲がりが発生するのである。そ
の結果、従来のように高温I−L特性におけるキンクに
対する対策のために放熱特性を高めた光ディスク装置を
低温条件(例えば10℃)下で使用すると、I−L特性
におけるキンクの発生のために所望の発光特性が得られ
ないおそれがあった。
【0012】本発明の目的は、半導体レーザの放熱特性
を維持しつつ周囲温度が低い条件下でI−L特性におけ
るキンクの発生を抑制する手段を講ずることにより、広
い周囲温度範囲において高い発光量を発揮しうる半導体
発光装置、これを用いた光ヘッド装置及び光ディスク装
置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体発光装置
は、半導体発光素子と、上記半導体発光素子を載置する
ためのサブマウントと、上記サブマウントに配置され、
上記半導体発光素子を加熱するための加熱部とを備えて
いる。
【0014】これにより、半導体発光素子が共にサブマ
ウントに配置された加熱部によって加熱されるので、効
果的に半導体発光素子が加熱され、周囲温度が低温とな
っている条件下においても、I−L特性におけるキンク
の発生が抑制される。
【0015】上記加熱部は、上記半導体発光素子を低温
I−L特性におけるキンクが実質的に現れない温度範囲
まで加熱することが好ましい。
【0016】上記加熱部が抵抗体からなる場合に、簡素
な機構で半導体発光素子を加熱することが可能になり、
低コストで発光量の大きい半導体発光装置が得られるこ
とになる。
【0017】上記加熱部は、上記サブマウントにおいて
半導体発光素子が載置されている部位に近接して設けら
れていることがより好ましい。
【0018】上記サブマウントが半導体基板であり、上
記加熱部が上記半導体基板に設けられた不純物拡散領域
により構成されていることにより、半導体基板を利用し
た加熱部を容易かつ安価に設けることができる。
【0019】上記加熱部が上記半導体発光素子の下方に
配置されていることにより、さらに効果的に半導体発光
素子を加熱することが可能となる。
【0020】上記加熱部と半導体発光素子との間に設け
られた絶縁層と導体放熱層とをさらに備えることによ
り、半導体発光素子の放熱と加熱との双方が可能にな
り、高温I−L特性におけるキンク及び低温I−L特性
におけるキンクの双方を抑制することが可能になる。
【0021】上記絶縁層の厚みが0.1μm以上で1.
5μm以下であり、上記導体放熱層の厚みが10μm以
上で20μm以下である場合に、高い放熱効率と高い加
熱効率とが得られる。
【0022】上記サブマウントは、上記半導体基板に受
光領域を備えていて、光検出器として機能していること
により、受光領域と加熱部とを共通の半導体基板に集約
して設けることが可能になる。
【0023】上記サブマウントに上記半導体基板の上面
から掘り込まれた凹部を設け、上記受光領域を上記半導
体基板の上面に設け、上記不純物拡散領域を上記凹部の
底面部に設けることにより、半導体発光素子の配置位置
を光学系の構造に適合させつつ、半導体発光素子に対す
る高い加熱効率を発揮することができる。
【0024】上記半導体基板は、上記不純物拡散領域と
逆導電型の不純物を含む基板領域と、該基板領域の上方
に設けられ基板領域と同じ導電型でかつ不純物濃度が基
板領域よりも低い表面半導体層により構成されており、
上記凹部の底面が上記基板領域に達していることによ
り、不純物濃度によるエッチレートの相違を利用して、
凹部の深さ寸法精度の向上を図ることができる。
【0025】上記サブマウントは半導体基板であり、上
記加熱部は、上記半導体基板上に設けられたポリシリコ
ン膜により構成されていることによっても、簡素な構成
で安価に加熱部を設けることができる。
【0026】上記サブマウントを側面に配置してなるマ
ウントと、上記マウントの上面に配置された受光領域と
をさらに備えることも可能である。
【0027】上記半導体発光素子の温度が、高温I−L
特性におけるキンクが実質的に現れない温度まで冷却す
るための冷却手段をさらに備えることがより好ましい。
【0028】本発明の光ヘッド装置は、半導体発光素子
と、上記半導体発光素子を低温I−L特性におけるキン
クが実質的に現れない温度まで加熱するための加熱手段
と、上記半導体発光素子の温度を検出するための温度検
出手段と、受光領域を有する光検出器とを備えている。
【0029】これにより、上述のような低温の環境下で
も、I−L特性におけるキンクの発生を抑制しうる光ヘ
ッド装置が得られる。
【0030】本発明の光ディスク装置は、情報記録媒体
を保持するための記録媒体保持部と、半導体発光素子
と、上記半導体発光素子を加熱するための加熱手段と、
上記半導体発光素子の温度を検出するための温度検出手
段と、上記温度検出手段の検出値が上記半導体発光素子
の低温I−L特性におけるキンクを生じる範囲にある場
合に、上記半導体発光素子を低温I−L特性におけるキ
ンクが実質的に現れない温度まで加熱するよう上記加熱
手段の加熱量を制御する制御回路と、受光領域を有する
光検出器とを備えている。
【0031】これにより、上述のような低温環境下で
も、I−L特性におけるキンクの発生を抑制しうる光デ
ィスク装置が得られる。
【0032】上記温度検出手段が、上記半導体発光素子
の所定発光強度における動作電流の値から半導体発光素
子の温度を検出することにより、フィードフォワード制
御による迅速な加熱を行なうことが可能になる。
【0033】上記温度検出手段が、上記半導体発光素子
のしきい値電流の値から半導体発光素子の温度を検出す
る場合も同様である。
【0034】上記加熱手段が、上記光検出器に配置され
ていることにより、コンパクトで加熱効率の高い光ディ
スク装置が得られる。
【0035】上記半導体発光素子を冷却するための冷却
手段をさらに備え、上記制御回路は、上記半導体発光素
子を低温I−L特性におけるキンク及び高温I−L特性
におけるキンクが実質的に現れない温度範囲に収まるよ
う上記加熱手段及び冷却手段を制御することがより好ま
しい。
【0036】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)図1は、本発
明の第1の実施形態に係る半導体発光装置41Aの構成
を概略的に示す斜視図である。同図に示すように、本実
施形態の半導体発光装置41Aは、半導体発光素子であ
る半導体レーザ1と、半導体レーザ1が搭載されたサブ
マウント2と、サブマウント2がその側面に搭載された
マウント3と、マウント3などが設けられた基台4と、
基台4とは絶縁された状態で基台4に取り付けられたリ
ード5と、マウント3の上面に取り付けられた光検出器
6とを備えている。
【0037】ここで、半導体発光装置41Aの組立の
際、半導体レーザ1は、組立時の精度向上などのため、
一旦サブマウント2に取り付けられた後、サブマウント
2全体がマウント3の一側面上に取り付けられる。マウ
ント3は、通常銅などの金属によって構成されているこ
とが多く、一般的に、サブマウント2はシリコン(S
i)等の半導体チップにより構成されている。半導体チ
ップは平坦性がよく、かつ、半導体レーザ1との密着性
もよいという特性を有するからである。また、ほぼ立方
体のマウント3は、金属製の基台4と一体に形成されて
いる。基台4には、外部機器との信号接続用の複数のリ
ード5が上方に延びるように取り付けられている。本実
施形態においては、リード5は基台4とは絶縁されてい
るが、リード5のうちのいくつかが基台4に電気的に接
続されていてもよい。
【0038】本実施形態の半導体発光装置41Aにおい
ては、半導体レーザ1から、リード5の延びる方向と平
行に,つまり図中上方に光が出射される。その出射され
た光が図示しない光ディスクから反射されると、その反
射光がマウント3の上面に取り付けられた光検出器6に
受光される。このように、半導体発光装置41Aは、光
検出器6と半導体レーザ1とが一つの基台4に一体化さ
れて、ユニット化されたものである。
【0039】図2は、図1中の矢印の方向から半導体レ
ーザ1とサブマウント2を見た状態を示す平面図であっ
て、図2に示す部材によって、本発明の半導体発光装置
41Aが構成されている。同図に示すように、サブマウ
ント2の主面上には、半導体レーザ1を加熱するための
抵抗体からなる加熱領域81が半導体レーザ1を三方か
ら囲むように設けられている。この抵抗体からなる加熱
領域81は、後述する変形例や他の実施形態において説
明するように、例えばサブマウント2を構成する半導体
基板上に設けられたポリシリコン膜や、半導体基板内に
形成された不純物拡散領域を利用して設けられている。
そして、半導体レーザ自身の発熱をも考慮して周囲温度
が図12に示す低温I−L特性におけるキンクが現れる
おそれがある程度に低いときには、この加熱領域81に
電流を流して加熱させ、半導体レーザ1を暖めるように
構成されている。すなわち、加熱領域81によって半導
体レーザ1を暖めることにより、図12に示すような低
温I−L特性におけるキンクの発生を未然に防ぐのであ
る。このとき、加熱領域81に通電するかしないかは、
半導体レーザ1の低温I−L特性におけるキンクが発生
する温度と、図示しない温度センサによって検知される
半導体レーザ1の周囲温度との関係で決定され、半導体
レーザ自身の発熱をも考慮しつつ周囲温度が低温I−L
特性におけるキンクの発生する温度よりも低いときに通
電するように構成されている。ただし、一般的に、半導
体レーザは温度が低いほど消費電力が少ない上に、寿命
も長くなるという性質を有する。従って、低温I−L特
性におけるキンクが発生するおそれがない温度、例えば
10℃あるいは15℃程度の一定の温度以上では、加熱
領域への通電を停止させることが望ましい。
【0040】図3は、第1の実施形態の変形例に係る半
導体発光装置41A’の構造を示す平面図である。この
変形例に係る半導体発光装置41A’においては、半導
体レーザ1が金属などの熱伝導率の高い材料からなる放
熱層の上に載置され、放熱層7の下方に絶縁層9を挟ん
で加熱領域82が設けられている。本変形例において
は、以下に説明するように、加熱領域82は、サブマウ
ント2を構成する半導体基板に形成された不純物拡散領
域であり、絶縁層9は半導体基板上に形成されたシリコ
ン酸化膜などである。
【0041】図4は、図3に示すIV−IV線における断面
図である。同図に示すように、サブマウント2を構成す
る半導体基板(シリコン基板)は、高濃度のN型不純物
(例えば砒素)を含む基板領域2a(N+ 型層)と、基
板領域2aの上方に設けられた低濃度のN型不純物(例
えば砒素)を含む表面半導体層2b(N- 型層)とを有
している。また、サブマウント2には、表面半導体層2
bの一部に高濃度(約5×1018atoms ・cm-3)のP
型不純物(例えばボロン)を導入してなる加熱領域82
(P+ 型層)が設けられている。加熱領域82の幅は、
約1000μmで、合計長さは約100μmで、深さは
約100nmである。そして、半導体レーザ1の下方に
は、高温I−L特性におけるキンクが発生しないよう
に、半導体レーザ1の温度上昇を抑制するための放熱層
7が設けられている。この変形例においては、放熱層7
は金(Au)等の比較的熱伝導率の高いかつ化学的に安
定性の高い金属によって構成され、その厚みは約12μ
mである。また、放熱層7と半導体基板との間には、厚
み約1μmのCVDシリコン酸化膜からなる絶縁層9が
介在している。絶縁層9は、電気絶縁性と熱伝導とを兼
ね備えている必要がある。絶縁層9には加熱領域82の
両端にそれぞれ到達する2つのコンタクトホールが設け
られており、各コンタクトホールに埋め込まれたアルミ
ニウムなどからなる2つの電極(図示されていない)が
設けられている。そして、電極から加熱領域82の両端
に電圧V4,V5(V4≠V5)を印加することによ
り、加熱領域82を加熱するように構成されている。た
だし、電圧V4,V5と基板領域2aに印加されている
電圧とは、半導体基板の基板領域2aと加熱領域82と
の間で電流が流れることがないように、PN接合に対し
て逆バイアスとなるように設定されている。この実施形
態においては、電圧V4,V5は、いずれも基板領域2
aに印加されている電圧よりも低い電圧であり、基板領
域2aが接地されている場合には、電圧V4,V5はい
ずれも負の電圧である。ただし、基板領域がP型半導体
領域で加熱領域がN型半導体領域であってもよく、その
場合には、電圧V4,V5は、基板領域に印加される電
圧よりも高い電圧であればよい。、本変形例によると、
加熱領域82を半導体レーザ1の下方に形成することに
より、少ない電流量、少ない電力で効率的に半導体レー
ザ1を暖めて、低温I−L特性におけるキンクの発生を
防止することができる。また、図3に示すように、加熱
領域82を蛇行させることにより、半導体レーザ1の下
方に位置する領域に抵抗値の大きい加熱領域82を設け
ることができる。
【0042】ここで、放熱層7は、放熱層から大気中へ
の放熱と、半導体基板への熱伝導による放熱とを確保す
る必要があることから、厚みが10〜20μmの範囲に
あることが好ましい。また、絶縁層9は、放熱層7−加
熱領域82間の電気的絶縁を確保するためには0.1μ
m以上であることが好ましいが、加熱領域82から半導
体レーザ1に十分な熱を伝えるためには、1.5μm以
下であることが好ましい。すなわち、絶縁層9の厚み
は、0.1μm〜1.5μmであることが好ましい。な
お、金からなる放熱層7の厚みが10μmで、CVDシ
リコン酸化膜からなる絶縁層9の厚みが1μmのとき
に、同じ厚みの部分をシリコン層だけで構成した場合に
比べると、20%程度の熱伝達率の向上が確認されてい
る。
【0043】(第2の実施形態)次に、半導体レーザと
受光領域とを同じ半導体基板(サブマウント)上に設け
て、半導体発光装置中のサブマウントを光検出器として
機能させた例である第2の実施形態について説明する。
【0044】図5は、第2の実施形態に係る半導体発光
装置41Bの構成を概略的に示す斜視図である。同図に
示すように、本実施形態においては、サブマウントであ
る光検出器61には半導体基板をその上面からある深さ
まで掘り込んでなる凹部が形成されており、凹部の底面
上には、金(Au)からなる放熱層71及び絶縁層(図
示されていない)を挟んで半導体発光素子である半導体
レーザ11が配置されている。そして、凹部の一側面は
主面に対して約45°傾斜したミラー部となっており、
半導体レーザ11から水平方向に出射されたレーザ光が
凹部の一側面であるミラー部でほぼ垂直方向に反射され
るように構成されている。また、光検出器61の凹部を
挟む2つの領域には、受光部61A,61Bが設けられ
ている。すなわち、半導体レーザ11からのレーザ光を
凹部のミラー部で図中上方に反射させて、情報記録媒体
(図示されていない)にレーザ光を送り、情報記録媒体
で反射された光ビームを図示されていないホログラムに
よって分割して、各受光部61A,61Bで受けるよう
に構成されている。さらに、光検出器61の凹部周辺の
領域であって半導体基板の受光部61A,61Bの間に
位置する領域には、半導体レーザ11を加熱するための
加熱部84が設けられている。
【0045】図6は、図5に示すVI−VI線における半導
体発光装置41Bの断面図である。同図に示すように、
本実施形態においても、光検出器61を構成する半導体
基板(シリコン基板)は、高濃度のN型不純物(例えば
砒素)を含む基板領域61aと、基板領域61aの上に
設けられた低濃度のN型不純物(例えば砒素)を含む表
面半導体層61bとを有している。そして、光検出器6
1には、表面半導体層61bの一部にP型不純物(例え
ばボロン)を導入してなる加熱領域84が設けられてい
る。この加熱領域84の幅は約300μmで、長さは約
500μmで、深さは約100nmで、不純物濃度は約
5×1018atoms ・cm-3である。また、本実施形態に
おける受光部61A,61Bも、表面半導体層61bの
一部にP型不純物(例えばボロン)を導入して形成され
ており、受光部61A,61Bに光ビームが入ったとき
に、受光部61A,61Bと基板領域61aとの間に太
陽電池と同じ光電変換作用による電流が流れることを利
用して、受光量を検出するように構成されている。
【0046】そして、図示しない電極などから加熱領域
84の両端に電圧V1,V2(V1≠V2)を印加する
ことにより、上記第1の実施形態と同様に、半導体レー
ザ11に低温I−L特性におけるキンクが発生するのを
未然に防止することができる。
【0047】ここで、本実施形態においては、基板領域
61aに印加される電圧をV0,受光部61Aに印加さ
れる電圧をV3とすると、V0>V1、かつV0>V
2、かつV0>V3という関係式が成り立つように設定
されている。その理由について、以下に説明する。
【0048】第1に、受光部61A,61Bに印加され
る電圧V3と、基板領域61aに印加される電圧V0と
がPN接合に対して逆バイアスになっていることによ
り、光電変換効率の向上と応答速度の向上を図ることが
できる。
【0049】第2に、加熱領域84に印加される電圧V
1(又はV2)と基板領域61aに印加される電圧V0
とが、PN接合に対して逆バイアスになっていることに
より、加熱領域84の周辺に空乏層が形成され、加熱領
域84と受光部61A(又は61B)との間、及び受光
部61A,61B同士の間の電気的絶縁性を安定して確
保することができる。
【0050】従って、基板領域61aの電位V0はV
1,V2,V3よりも高くすることが望ましい。すなわ
ち、V0>V1、かつV0>V2、かつV0>V3であ
る。なお、本実施形態の構成とは逆に、P型半導体基板
(及び表面半導体層)上にN型の不純物拡散領域を形成
して受光部や加熱領域を形成することも可能である。そ
の場合には、基板領域61aの電位V0を、V1,V
2,V3よりも低くすることが望ましい。
【0051】次に、図7は、第2の実施形態の変形例に
おける半導体発光装置41B’の断面図であって、図5
に示すVI−VI線に相当する断面における構造を示してい
る。この変形例においては、加熱領域84aが半導体基
板内の不純物拡散領域ではなく、半導体基板上に形成さ
れ不純物を含むドープトポリシリコン膜によって構成さ
れている。また、加熱領域84aと半導体基板との間に
は、シリコン酸化膜からなる絶縁層9aが介在してい
る。半導体基板が基板領域61aと表面半導体層61b
とを有し、表面半導体層61bの一部に高濃度のP型不
純物を導入してなる受光部61Aが設けられている点
は、上記第2の実施形態と同様である。
【0052】本実施形態においては、加熱領域84aを
構成するドープトポリシリコン膜は、ポリシリコン膜に
濃度が約5×1018atoms ・cm-3のN型又はP型の不
純物をドープして構成されており、その幅は約300μ
mで、厚みが約1.5μmで、長さが約700μmであ
る。
【0053】この変形例においても、加熱領域84aの
両端部に電圧V1’,V2’(V1’≠V2’)を印加
することにより、加熱領域84aから熱を発生させて、
上記第2の実施形態と同じ効果を発揮することができ
る。この変形例においては、電圧V1’,V2’は、基
板領域61aへの印加電圧V0や、受光部61Aへの印
加電圧V3とは無関係に設定することができる。ただ
し、V0>V3であることは上記第2の実施形態と同様
である。
【0054】(第3の実施形態)次に、光検出器の凹部
に加熱領域を設けた例である第3の実施形態について説
明する。
【0055】図8は、第3の実施形態に係る半導体発光
装置41Cの構成を概略的に示す斜視図である。同図に
示すように、本実施形態においても、サブマウントであ
る光検出器62には半導体基板をその上面からある深さ
まで掘り込んでなる凹部が形成されており、凹部の底面
上には、金(Au)からなる放熱層72及び絶縁層(図
示されていない)を挟んで半導体発光素子である半導体
レーザ12が配置されている。そして、凹部の一側面は
主面に対して約45°傾斜したミラー部となっており、
半導体レーザ12から水平方向に出射されたレーザ光が
凹部の一側面であるミラー部でほぼ垂直方向に反射され
るように構成されている点も第2の実施形態と同様であ
る。また、第2の実施形態と同様に、光検出器62の凹
部を挟む2つの領域には、受光部62A,62Bが設け
られ、半導体レーザ12からのレーザ光を凹部のミラー
部で図中上方に反射させて、情報記録媒体(図示されて
いない)にレーザ光を送り、情報記録媒体で反射された
光ビームをホログラム(図示されていない)によって分
割して、各受光部62A,62Bで受けるように構成さ
れている。なお、図8において、凹部の2つの側面が凹
部の底面に対して直交するように描かれているが、これ
は見やすくするためであって、実際には図9の断面図に
示すように、2つの側面は垂直方向から傾いている。
【0056】ここで、本実施形態においては、加熱部8
5が、光検出器62を構成する半導体基板の上面ではな
く、凹部の底面において、半導体レーザ12の下方に設
けられている点が第2の実施形態とは異なっている。
【0057】図9は、図8に示すIX−IX線における半導
体発光装置41Cの断面図である。同図に示すように、
本実施形態においても、光検出器62を構成する半導体
基板(シリコン基板)は、高濃度のN型不純物(例えば
砒素)を含む基板領域62a(N+ 型層)と、基板領域
62aの上に設けられた低濃度のN型不純物(例えば砒
素)を含む表面半導体層62b(N- 型層)とを有して
いる。そして、光検出器62には、凹部の底面に露出し
ている表面半導体層62bの一部にP型不純物(例えば
ボロン)を導入してなる加熱領域85(P+ 型層)が設
けられている。この加熱領域85の幅は約500μm
で、長さは約500μmで、深さは約100nmで、不
純物濃度は約5×1018atoms ・cm-3である。
【0058】また、凹部から表面半導体層62bの上面
に亘る厚み約1μmのCVDシリコン酸化膜からなる絶
縁層91が設けられており、絶縁層91のうち加熱領域
85の上方に位置する部分の上に、厚み約1.2μmの
金(Au)からなる放熱層72が設けられている。そし
て、放熱層72の上に、半導体発光素子である半導体レ
ーザ12が載置されている。また、絶縁層91には、そ
れぞれ加熱領域85の両端部に到達するコンタクトホー
ルが形成されており、コンタクトホールを埋めて絶縁層
91の上に延びるアルミニウムからなる2つの電極が設
けられている。そして、電極から加熱領域85の両端に
電圧V1,V2(V1≠V2)を印加することにより、
半導体レーザ12に低温I−L特性におけるキンクが発
生するのを未然に防止するこように構成されている。
【0059】なお、本実施形態における受光部62A,
62Bも、表面半導体層62bの一部にP型不純物(例
えばボロン)を導入して形成されており、受光部62
A,62Bに光ビームが入ったときに、受光部62A,
62Bと基板領域62aとの間に太陽電池と同じ光電変
換作用による電流が流れることを利用して、受光量を検
出するように構成されている。
【0060】本実施形態における半導体発光装置41C
の製造工程にいては、エッチングにより、表面半導体層
62bに溝状の凹部を形成し、凹部の底面にアクセプタ
(P型不純物)を拡散させることにより、加熱領域85
を形成する。その後、基板上にCVD法によりシリコン
酸化膜を堆積した後、シリコン酸化膜をパターニングし
て、凹部から表面半導体層62bの上面に亘る領域に絶
縁層91を形成する。また、リフトオフ法などにより、
絶縁層91の加熱領域85の上方に位置する部分の上
に、Au(金)からなる放熱層72を形成する。
【0061】本実施形態においても、第2の実施形態と
同じ理由により、基板領域62aに印加される電圧をV
0,受光部62A,62Bに印加される電圧をV3とす
ると、V0>V1、かつV0>V2、かつV0>V3と
いう関係式が成り立つように設定されている。
【0062】本実施形態では、第2の実施形態とは異な
り、加熱領域85が凹部の底面部に形成されて、半導体
レーザ12の近傍を加熱することができるので、半導体
レーザ12を効率よく加熱することができるという利点
がある。また、受光部62A,62Bに対する加熱も最
小限ですむため、光検出器62の受光部62A,62B
の感度が温度に依存して変化する場合でも、加熱による
光検出感度の変化を低減できるという効果もある。
【0063】ここで、本実施形態においては、放熱層7
2は、放熱層から大気中への放熱と、半導体基板への熱
伝導による放熱とを確保する必要があることから、厚み
が10〜20μmの範囲にあることが好ましい。また、
絶縁層91は、放熱層72−加熱領域85間の電気的絶
縁を確保するためには0.1μm以上であることが好ま
しいが、加熱領域85から半導体レーザ12に十分な熱
を伝えるためには、1.5μm以下であることが好まし
い。すなわち、絶縁層91の厚みは、0.1μm〜1.
5μmであることが好ましい。なお、金からなる放熱層
72の厚みが10μmで、CVDシリコン酸化膜からな
る絶縁層91の厚みが1μmのときに、同じ厚みの部分
をシリコン層だけで構成した場合に比べると、20%程
度の熱伝達率の向上が確認されている。
【0064】次に、第3の実施形態の変形例について説
明する。図10は、第3の実施形態に係る半導体発光装
置41C’の断面図であって、図8に示すIX−IX線に相
当する断面における構造を示している。
【0065】この変形例においては、凹部が基板領域6
2aに達するまで掘り込まれていて、加熱領域85’が
基板領域62aに接して凹部内で突出するように形成さ
れている。このような構造は、次のようなプロセスによ
って得られる。例えば、エッチングによる凹部の形成の
際に、表面半導体層62b(N- 型層)を貫通して基板
領域62a(N+ 型層)に達するまでエッチングを行な
った後、CVD法及びエッチング法を用いて凹部の底面
上にP型不純物を含むポリシリコン膜を形成するか、エ
ピタキシャル成長法を用いて凹部の底面上にP型不純物
を含む単結晶シリコン膜を形成する。
【0066】本変形例では、加熱領域85’が、エッチ
ング溝である凹部の底面の上に後から形成されているの
で、以下の利点を発揮することができる。まず、凹部を
形成する際に、不純物濃度が相異なる表面半導体層62
b(N- 型層)と基板領域62a(N+ 型層)とでは、
エッチレートが変化することに着目して、基板領域62
aが露出した時点でエッチングを停止することにより、
エッチング深さの精度を高めることができる。第2に、
加熱領域85’を凹部の底面の上に後から形成すること
により、加熱領域85’の面積や特性を精度よく制御す
ることができる。
【0067】なお、凹部を基板領域62aに達するまで
形成した後、基板領域62a内に不純物の拡散によって
加熱領域を形成してもよい。その場合には、上記第1の
効果のみが得られる。また、凹部を表面半導体層62b
内に設けてから、凹部の底面上に突出する加熱領域8
5’を設けてもよい。その場合には、上述の第2の効果
のみが得られる。
【0068】(第4の実施形態)次に、半導体発光装置
に加えて温度センサを搭載した光ヘッド装置(光ピック
アップ)、さらに制御回路などの回路系や情報記録媒体
の保持部などを備えた光ディスク装置(光ディスクドラ
イブ)に関する第4の実施形態について説明する。
【0069】図11は、第4の実施形態に係る光ディス
ク装置150の構成を概略的に示すブロック図である。
同図に示すように、本実施形態に係る光ディスク装置1
50は、上述の各実施形態のうちいずれか1つの構成を
有する半導体発光装置41と、半導体レーザの周囲温度
を検出する温度検出手段である温度センサ101と、半
導体発光装置41と情報記録媒体との間でレーザ光を授
受するための光学系の一部として配置されている対物レ
ンズ4とによって構成される光ヘッド装置100を備え
ている。さらに、光ディスク装置150には、温度セン
サ101の信号を受けて、半導体レーザの周囲温度を算
出するための温度測定回路102と、温度測定回路10
2の出力を受けて加熱領域への電圧の供給・停止や電圧
値などを制御するための制御回路103と、制御回路1
03の制御信号を受けて、加熱領域に電圧を供給するた
めの加熱用回路104と、光ヘッド装置100の対物レ
ンズ4からのレーザ光を受ける情報記録媒体を保持する
ための記録媒体保持部105とを備えている。
【0070】本実施形態に係る光ディスク装置150に
おいては、温度センサ101の情報が温度測定回路10
2で処理された後、制御回路103に伝えられ、制御回
路103により温度が低すぎる場合には加熱用回路10
4を駆動して、光ヘッド装置100内のユニット41内
の加熱領域に電流を流して、加熱するように制御され
る。なお、図示されている制御回路系を半導体発光装置
もしくは光ヘッド装置内部に組み込んでもよい。
【0071】ここで、温度センサ101は、光ヘッド装
置100内に配置すれば半導体レーザの周囲温度を測定
することができるが、半導体レーザにできるだけ近い部
位に配置されていることが好ましい。温度センサ101
としては、熱電対や抵抗体を用いることができる。熱電
対を用いる場合は、温度差に応じて2種の異金属間に発
生する起電力によって温度が検知されるが、比較的正確
に温度を検知しうるという利点がある。抵抗体を用いる
場合は、温度に応じて変化する抵抗値から温度が検知さ
れるが、この場合は抵抗体を制御回路や信号回路に使用
する抵抗体と兼用することができるため、部品点数を増
やさずに、安価に、かつ、省スペースに温度測定ができ
るという利点がある。
【0072】また、図12に示すように、温度をパラメ
ータとして、使用する半導体レーザに注入する電流量I
とその発光量Lの関係(I−L関係)をあらかじめ把握
しておくことにより、所定電流量Iに対応する発光量L
の値、あるいはしきい値電流(図12における発光量L
の立ち上がり部分)から半導体レーザの温度を検知する
ことができるので、これを半導体レーザの温度の検出値
として用いることもできる。その場合、抵抗体を用いる
場合と同様に、安価に、かつ、省スペースに温度測定を
できるという利点がある。
【0073】さらに、温度センサとしてバイメタルを用
い、温度スイッチとして使用すれば、加熱の入切を行う
制御回路の役目を兼ねることも可能である。
【0074】本実施形態の光ディスク装置150による
と、図11に示す温度センサや、制御系を半導体発光装
置、光ヘッド装置、光ディスク装置(光ディスクドライ
ブ)に設けることで、容易に低温I−L特性におけるキ
ンクの発生を防止することができる。
【0075】そして、本実施形態の光ヘッド装置100
及びこの光ヘッド装置100を用いた光ディスク装置
(光ディスクドライブ)150では、周囲温度が低い時
でも加熱機構によって半導体レーザの発光に低温I−L
特性におけるキンクが発生することを防止できるので、
安定して情報記録媒体(光ディスク)への情報の書き込
み、情報の消去、情報の再生を行うことができるという
顕著な効果を有する。
【0076】なお、第4の実施形態においては、低温I
−L特性におけるキンクの発生を防止するための制御の
構成のみを設けているが、上記各実施形態における放熱
層に代えてペルチェ素子などを配置して、I−L特性に
おけるキンクの発生を防止するための冷却量の制御を行
なってもよい。
【0077】なお、上述の説明においては、半導体レー
ザの高温I−L特性におけるキンク及び低温I−L特性
におけるキンクが発生する場合を例にとって説明を行っ
たが、たとえば、周囲温度が35℃以下の場合にのみI
−L特性におけるキンクが発生するようなケースでも、
本発明は適用可能である。
【0078】また、半導体レーザの特性として、I−L
特性におけるキンクを例に挙げて説明を行ってきたが、
波長,ノイズ,発光パターンの遠視野像,その他の半導
体レーザの特性が加熱によって改善できる場合には、本
発明を適用することができる。
【0079】また、上記各実施形態においては、赤外域
の半導体レーザを例として取り上げたが、これも、加熱
によって特性改善が可能な半導体レーザについて、本発
明はすべて適用可能であり、波長によって制限を受ける
ものではない。
【0080】さらに、照明用や光通信用等のLED等の
発光装置にも本発明が適用できるのは、述べるまでもな
い。
【0081】
【発明の効果】本発明によると、半導体発光素子を搭載
した半導体発光装置、半導体発光装置と光学系とを一体
化した光ヘッド装置、又は光ヘッド装置に瀬領回路系な
どをも組み込んだ光ディスク装置において、半導体発光
素子の周囲温度が所定値よりも低いときには、半導体発
光素子を加熱して低温I−L特性におけるキンクが発生
しないように維持したので、安定して情報記録媒体(光
ディスク)への情報記録書き込みや、情報記録消去、情
報再生を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体発光装置
の構成を概略的に示す斜視図である。
【図2】図1中の矢印の方向から半導体レーザとサブマ
ウントを見た状態を示す平面図である。
【図3】第1の実施形態の変形例に係る半導体発光装置
の構造を示す平面図である。
【図4】図3に示すIV−IV線における断面図である。
【図5】第2の実施形態に係る半導体発光装置の構成を
概略的に示す斜視図である。
【図6】図5に示すVI−VI線における半導体発光装置の
断面図である。
【図7】第2の実施形態の変形例における半導体発光装
置の断面図である。
【図8】第3の実施形態に係る半導体発光装置の構成を
概略的に示す斜視図である。
【図9】図8に示すIX−IX線における半導体発光装置の
断面図である。
【図10】第3の実施形態の変形例に係る半導体発光装
置の断面図である。
【図11】第4の実施形態に係る光ディスク装置の構成
を概略的に示すブロック図である。
【図12】一般的な半導体レーザの発光特性を示す説明
図である。
【符号の説明】
1 半導体レーザ 2 サブマウント 3 マウント 4 基台 5 リード 6,61,62 光検出器 7,72 放熱層 9,91 絶縁層 41 半導体発光装置 81,82,84,85 加熱領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 33/00 H01S 5/022 H01S 5/022 5/024 5/024 H01L 31/02 B (72)発明者 河内 泰之 大阪府高槻市幸町1番1号 松下電子工業 株式会社内 (72)発明者 吉川 昭男 大阪府高槻市幸町1番1号 松下電子工業 株式会社内

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体発光素子と、 上記半導体発光素子を載置するためのサブマウントと、 上記サブマウントに配置され、上記半導体発光素子を加
    熱するための加熱部とを備えている半導体発光装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の半導体発光装置におい
    て、 上記加熱部は、上記半導体発光素子を低温I−L特性に
    おけるキンクが実質的に現れない温度範囲まで加熱する
    ことを特徴とする半導体発光装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の半導体発光装置
    において、 上記加熱部は、抵抗体からなることを特徴とする半導体
    発光装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のうちいずれか1つに記載
    の半導体発光装置において、 上記加熱部は、上記サブマウントにおいて半導体発光素
    子が載置されている部位に近接して設けられていること
    を特徴とする半導体発光装置。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の半導体発光装置におい
    て、 上記サブマウントは半導体基板であり、 上記加熱部は、上記半導体基板に設けられた不純物拡散
    領域により構成されていることを特徴とする半導体発光
    装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の半導体発光装置におい
    て、 上記加熱部は、上記半導体発光素子の下方に配置されて
    いることを特徴とする半導体発光装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の半導体発光装置におい
    て、 上記加熱部と半導体発光素子との間に設けられた絶縁層
    と導体放熱層とをさらに備えていることを特徴とする半
    導体発光装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の半導体発光装置におい
    て、 上記絶縁層の厚みが100nm以上で1.5μm以下で
    あり、上記導体放熱層の厚みが10μm以上で20μm
    以下であることを特徴とする半導体発光装置。
  9. 【請求項9】 請求項5〜8のうちいずれか1つに記載
    の半導体発光装置において、 上記サブマウントは、上記半導体基板に受光領域を備え
    ていて、光検出器として機能していることを特徴とする
    半導体発光装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の半導体発光装置にお
    いて、 上記サブマウントには、上記半導体基板の上面から掘り
    込まれた凹部が設けられており、 上記受光領域は、上記半導体基板の上面に設けられてお
    り、 上記不純物拡散領域は、上記凹部の底面部に設けられて
    いることを特徴とする半導体発光装置。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の半導体発光装置に
    おいて、 上記半導体基板は、上記不純物拡散領域と逆導電型の不
    純物を含む基板領域と、該基板領域の上方に設けられ基
    板領域と同じ導電型でかつ不純物濃度が基板領域よりも
    低い表面半導体層とにより構成されており、 上記凹部の底面が上記基板領域に達していることを特徴
    とする半導体発光装置。
  12. 【請求項12】 請求項3に記載の半導体発光装置にお
    いて、 上記サブマウントは半導体基板であり、 上記加熱部は、上記半導体基板上に設けられたポリシリ
    コン膜により構成されていることを特徴とする半導体発
    光装置。
  13. 【請求項13】 請求項1又は2に記載の半導体発光装
    置において、 上記サブマウントは受光領域を備えていて、光検出器と
    して機能していることを特徴とする半導体発光装置。
  14. 【請求項14】 請求項1に記載の半導体発光装置にお
    いて、 上記サブマウントを側面に配置してなるマウントと、 上記マウントの上面に配置された光検出器とをさらに備
    えていることを特徴とする半導体発光装置。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14のうちいずれか1つに
    記載の半導体発光装置において、 上記半導体発光素子の温度が、高温I−L特性における
    キンクが実質的に現れない温度まで冷却するための冷却
    手段をさらに備えていることを特徴とする半導体発光装
    置。
  16. 【請求項16】 半導体発光素子と、 上記半導体発光素子を低温I−L特性におけるキンクが
    実質的に現れない温度まで加熱するための加熱手段と、 上記半導体発光素子の温度を検出するための温度検出手
    段と、 受光領域を有する光検出器とを備えている光ヘッド装
    置。
  17. 【請求項17】 情報記録媒体を保持するための記録媒
    体保持部と、 半導体発光素子と、 上記半導体発光素子を加熱するための加熱手段と、 上記半導体発光素子の温度を検出するための温度検出手
    段と、 上記温度検出手段の検出値が上記半導体発光素子が低温
    I−L特性におけるキンクを生じる範囲にある場合に、
    上記半導体発光素子を低温I−L特性におけるキンクが
    実質的に現れない温度まで加熱するよう上記加熱手段の
    加熱量を制御する制御回路と、 受光領域を有する光検出器とを備えている光ディスク装
    置。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の光ディスク装置に
    おいて、 上記温度検出手段は、上記半導体発光素子の所定発光強
    度における動作電流の値から半導体発光素子の温度を検
    出することを特徴とする光ディスク装置。
  19. 【請求項19】 請求項17に記載の光ディスク装置に
    おいて、 上記温度検出手段は、上記半導体発光素子のしきい値電
    流の値から半導体発光素子の温度を検出することを特徴
    とする光ディスク装置。
  20. 【請求項20】 請求項17〜19のうちいずれか1つ
    に記載の光ディスク装置において、 上記加熱手段は、上記光検出器に配置されていることを
    特徴とする光ディスク装置。
  21. 【請求項21】 請求項17〜20のうちいずれか1つ
    に記載の光ディスク装置において、 上記半導体発光素子を冷却するための冷却手段をさらに
    備え、 上記制御回路は、上記半導体発光素子を低温I−L特性
    におけるキンク及び高温I−L特性におけるキンクが実
    質的に現れない温度範囲に収まるよう上記加熱手段及び
    冷却手段を制御することを特徴とする光ディスク装置。
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