JP2001111072A - 太陽電池モジュールおよびその製造方法 - Google Patents
太陽電池モジュールおよびその製造方法Info
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Abstract
下など問題、および透明絶縁基板の傷を防止し、かつ表
面からの反射光による光公害を防止できる太陽電池モジ
ュールを簡便に製造できる方法を提供する。 【解決手段】 透明絶縁基板(1)の第2の主面におい
て、レーザースクライブのためにレーザー照射する領域
以外に対応する領域上に防眩膜(10)を形成する工程
と、透明絶縁基板(1)の第1の主面上に形成された透
明電極層(2)に透明絶縁基板(1)を通してレーザー
照射してスクライブする工程と、透明電極層(2)上に
半導体光電変換層(3)を形成した後、半導体光電変換
層(3)に透明絶縁基板(1)を通してレーザー照射し
てスクライブする工程と、半導体光電変換層(3)上に
裏面電極層(4)を形成した後、裏面電極層(4)に透
明絶縁基板(1)を通してレーザー照射してスクライブ
する工程と有する。
Description
およびその製造方法に関し、特に透明絶縁基板の傷を防
止しながら太陽電池モジュールの表面からの反射光によ
る光公害を防止する技術に関する。
や大気中のCO2の増加のような環境問題などから、ク
リーンな新エネルギーの開発が望まれており、特に太陽
光発電が期待されている。太陽光発電に用いられる太陽
電池モジュールには、大別して、結晶系モジュールと薄
膜系モジュールとがある。
ーガラス上に小面積の単結晶半導体ウェハを用いて形成
された太陽電池セルを20〜30枚配置して相互配線し
ている。そして、これらのセルをEVAなどの充填剤で
封止し、テドラー(登録商標)などの保護フィルムを用
いて保護している。
ジュール)では、前面カバーガラスを兼ねるガラス基板
上に透明電極層、半導体薄膜光電変換層および裏面電極
層を順に積層している。これらの層は気相成長とレーザ
スクライブなどによるパターニングとを利用して複数の
太陽電池セルに分割され、かつ電気的に相互接続(集積
化)されており、これによって所望の電圧と電流の出力
が得られる。そして、薄膜系太陽電池モジュールでも結
晶系太陽電池モジュールの場合と同様の充填剤と保護フ
ィルムが用いられる。
池モジュールに対する特長は、素子間の配線および素子
−ガラス基板間の封止樹脂が不要なため、コスト面で有
利であるだけでなく、封止樹脂における光吸収によるエ
ネルギー損失および封止樹脂の黄変による特性劣化がな
いことである。
ジュールを屋根やビルの外壁に配列した場合、太陽と太
陽電池モジュールとの角度によっては、太陽光が反射し
て隣接する家屋の中を照らしたりする等の光公害の問題
が一部で指摘されていた。
に、ガラス基板の表面に凹凸形状を形成する技術が提案
されている(たとえば特開平11−74552号公
報)。しかし、この技術では、ガラス基板の加工に伴う
コスト増やガラス基板の強度低下など種々の問題が生じ
る。
経て製造されるため、ハンドリング中にガラス基板にし
ばしば傷が生じる。このようにガラス基板に傷が生じた
太陽電池モジュールは外観が悪いため、太陽電池として
の性能は十分であるにもかかわらず商品価値が低く、場
合によっては出荷できなくなるものもある。
絶縁基板の加工に伴うコスト増や強度低下など問題、お
よび透明絶縁基板の傷を防止し、かつ表面からの反射光
による光公害を防止できる太陽電池モジュール、および
このような太陽電池モジュールを簡便に製造できる方法
を提供することにある。
ールは、第1と第2の主面を有する透明絶縁基板と、前
記透明絶縁基板の第1の主面上に順次積層された透明電
極層、半導体光電変換層および裏面電極層からなる太陽
電池セルと、前記透明絶縁基板の第2の主面における、
透明電極層、半導体光電変換層および裏面電極層のスク
ライブ線を含む領域以外に対応する領域上に形成された
防眩膜とを備えたことを特徴とする。
数の短冊状の太陽電池セルは、透明電極層のスクライブ
線、半導体光電変換層のスクライブ線および裏面電極層
のスクライブ線からなる3本1組のスクライブ線により
互いに分離される。本発明においては、透明絶縁基板の
前記第2主面における、複数の太陽電池セルを互いに分
離する3本1組の透明電極層、半導体光電変換層および
裏面電極層のスクライブ線(およびその両側の部分)を
含む所定の幅の領域以外に対応する領域上に防眩膜が形
成される。したがって、本発明においては、防眩膜も短
冊状に形成されている。
は、第1と第2の主面を有する透明絶縁基板と、前記透
明絶縁基板の第1の主面上に順次積層された透明電極
層、半導体光電変換層および裏面電極層からなる太陽電
池セルと、前記透明絶縁基板の第2の主面における、透
明電極層、半導体光電変換層および裏面電極層のスクラ
イブ線を含む領域以外に対応する領域上に形成された防
眩膜とを備えた太陽電池モジュールを製造するにあた
り、前記透明絶縁基板の第2の主面において、透明電極
層、半導体光電変換層および裏面電極層をスクライブす
るためにレーザー照射する領域以外に対応する領域上に
防眩膜を形成する工程と、前記透明絶縁基板の第1の主
面上に形成された透明電極層に透明絶縁基板を通してレ
ーザー照射することにより透明電極層をスクライブする
工程と、前記透明電極層上に半導体光電変換層を形成し
た後、半導体光電変換層に透明絶縁基板を通してレーザ
ー照射することにより半導体光電変換層をスクライブす
る工程と、前記半導体光電変換層上に裏面電極層を形成
した後、裏面電極層に透明絶縁基板を通してレーザー照
射することにより裏面電極層をスクライブする工程とを
具備したことを特徴とする。
した後に、防眩膜のない領域で透明絶縁基板を通して透
明電極層、半導体光電変換層および裏面電極層にレーザ
ー照射してこれらの層をスクライブするようにすれば、
太陽電池モジュールの製造工程中に透明絶縁基板に傷が
生じるのを防止できる。
ポリマー、無機ポリマーまたはこれらの複合材料を含
む。この防眩膜は、光を散乱させるのに適した微細な凹
凸を含む表面を有する。この防眩膜は、さらに無機粒子
または/および有機粒子を含んでいてもよい。
形成された、平坦な表面を有する汚れ防止膜をさらに備
えていてもよい。
ーを用いる場合、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、また
はこれらの混合物を含むものを用いることが好ましい。
造:
基、R2は水素原子または炭素数1〜10のアルキル
基、アリール基およびアラルキル基からなる群より選択
される一価の炭化水素基、aは0、1、または2を示
す。)で表わされる基を含有する加水分解性シリル基含
有アクリル共重合体を含むものが挙げられる。また、フ
ッ素系樹脂としては、水酸基含有フッ素系樹脂が挙げら
れる。
ーを用いる場合、その原料としてアルキルシリケート
(具体的には、エチルシリケート、ブチルシリケートま
たはこれらの混合物)を用いることが好ましい。このよ
うな原料から生成される無機ポリマーはシリカを含む。
る場合、無機粒子としてはたとえばシリカ粒子が挙げら
れる。また、防眩膜に有機粒子を含有させる場合、有機
粒子としてはたとえばアクリル系樹脂、フッ素系樹脂、
ポリエチレンワックス、またはこれらの少なくとも2種
以上の混合物が挙げられる。
説明する。
ュールの一部を断面で示す。図1において、透明絶縁基
板1の下面(第1の主面)上には、SnO2等の透明導
電酸化膜(TCO)からなる透明電極層2、シリコン等
からなる半導体光電変換層3、およびAg等からなる裏
面電極層4が順に積層されている。これらは、図1の紙
面に直交する方向に延びる透明電極層2のスクライブ線
2a、半導体光電変換層3のスクライブ線3a、および
裏面電極層4のスクライブ線4aによってそれぞれ複数
の細長い短冊状の領域に分割されている。このように順
次積層されたそれぞれ短冊状の透明電極2、半導体光電
変換層3および裏面電極4により1つの短冊状の太陽電
池セル5が形成されている。そして、任意の太陽電池セ
ル5の透明電極2は半導体層のスクライブ線3aを介し
て隣り合う太陽電池セル5の裏面電極4に接続され、複
数の太陽電池セル5が電気的に直列に集積化されてい
る。このように集積化された複数の太陽電池セルの背面
は充填樹脂層6によって封止され、さらにその上に積層
された耐候性の背面カバーフィルム7によって保護され
ている。
て、透明電極層2としては、SnO2、ITO、ITO
/SnO2の積層体、またはZnO等が用いられる。半
導体光電変換層3としては、非晶質シリコンa−Si、
水素化非晶質シリコンa−Si:H、水素化非晶質シリ
コンカーバイドa−SiC:H、非晶質シリコンナイト
ライド等の他、シリコンと炭素、ゲルマニウム、錫等の
他の元素との合金からなる非晶質シリコン系半導体の非
晶質または微結晶を、pin型、nip型、ni型、p
n型、MIS型、ヘテロ接合型、ホモ接合型、ショット
キバリア型あるいはこれら組合せた型等に合成した半導
体層が用いられる。この他、半導体光電変換層として
は、CdS系、GaAs系、InP系等を用いることも
できる。裏面電極層4としては、金属または金属酸化物
/金属の複合膜等が用いられる。充填樹脂層6として
は、シリコン、エチレン−ビニルアセテート共重合体、
ポリビニルブチラール等が用いられる。背面カバーフィ
ルム7としては、フッ素系樹脂フィルム、ポリエチレン
テレフタレート、またはアルミニウム等の金属フィルム
やSiO2等の薄膜をラミネートした多層構造のフィル
ム等が用いられる。
の上面(第2の主面)には、透明電極層2、半導体光電
変換層3および裏面電極層4のスクライブ線2a、3
a、4aを含む領域以外に対応する領域上に防眩膜10
が形成されている。ここで、防眩膜10を形成しない領
域の幅は、3本1組のスクライブ線2a、3a、4aを
確実に含むように、これらのスクライブ線の両端(スク
ライブ線2aの一端とスクライブ線4aの他端)の両側
に100μm以上の幅を持たせるように規定する。ま
た、図1の防眩膜10は光を散乱させるのに適した微細
な凹凸を含む表面を有する。
明するように、有機ポリマー、無機ポリマー、またはそ
れらの複合材料を用いることができる。これらの原料に
必要に応じて硬化剤を添加したり希釈剤(たとえば有機
溶剤)で希釈した塗布液を所定の領域上に塗布した後に
硬化することにより防眩膜10を形成することができ
る。
ンボスローラーを用いることによって形成することがで
きる。防眩膜10の原料の塗布液は、硬化前にはガラス
基板1よりはるかに軟質であるので、凹凸表面の形成加
工は太陽電池モジュールの他の部分に何らの損傷を与え
ることなく容易に実施できる。なお、防眩膜10表面の
微細な凹凸構造は、エンボスローラーに限らず、エンボ
スフィルム転写、サンドブラストなどを利用して形成す
ることもできる。
の主面の一部に防眩膜10が形成されているので、反射
光による光公害を防止できる。
を図2(A)〜(C)を参照して説明する。まず、図2
(A)に示すように、第1の主面に透明電極層2が形成
された透明絶縁基板1の第2の主面において、透明電極
層、半導体光電変換層および裏面電極層をスクライブす
るためにレーザー照射する領域以外に対応する領域上に
防眩膜の塗布液を塗布し、エンボスローラーなどにより
表面に凹凸を形成した後、硬化させて防眩膜10を形成
する。通常、透明絶縁基板1は透明電極層2が形成され
た状態で購入されるが、透明電極層2が形成されていな
い透明絶縁基板1の上面に防眩膜10を形成した後、透
明電極層2を形成してもよい。その後、レーザービーム
Lを基板1の上面側から防眩膜10が形成されていない
領域の基板1を通して透明電極層2に照射し、透明電極
層2のスクライブ線2aを形成して透明電極層2を分離
する。
基板1の第1の主面の透明電極層2上にp層、i層およ
びn層を含む半導体光電変換層3を製膜する。その後、
レーザービームLを基板1の上面側から防眩膜10が形
成されていない領域の基板1を通して半導体光電変換層
3に照射し、半導体光電変換層3のスクライブ線3aを
形成して半導体光電変換層3を分離する。
縁基板1の第1の主面の半導体光電変換層3上に裏面電
極層4を製膜する。その後、レーザービームLを基板1
の上面側から防眩膜10が形成されていない領域の基板
1を通して裏面電極層4(および半導体光電変換層3)
に照射し、裏面電極層4のスクライブ線4aを形成して
裏面電極層4を分離して太陽電池セル5を形成する。
5の背面を充填樹脂層6によって封止され、さらに耐候
性の背面カバーフィルム7によって保護する。
ば、従来のように透明絶縁基板1に凹凸をつける加工を
行う必要がないので、コスト増や透明絶縁基板1の強度
低下を避けることができる。また、予め透明絶縁基板1
の第2の主面に防眩膜10を形成しているので、透明絶
縁基板1に傷がつくのを防止でき、太陽電池モジュール
の商品価値が低下することもない。
し、光透過性が良好であり、半導体光電変換層の製膜温
度に耐えられる耐熱性を有することが要求される。この
ような要求を満たす防眩膜10の材料としては、有機ポ
リマー、無機ポリマー、またはそれらの複合材料を用い
ることができる。このうち、有機ポリマーは柔軟であっ
てひび割れしにくい点で好ましく、無機ポリマーは耐候
性や耐熱性が高いという点で好ましい。
ーを用いる場合、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、また
はこれらの混合物を含むものを用いることが好ましい。
有機ポリマー中のアクリル系樹脂、フッ素系樹脂、また
はこれらの混合物の含有率は、50重量%以上、好まし
くは80重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上
に設定される。
マーを含むビニルモノマーと、加水分解性シリル基含有
モノマーとの共重合により得られるものが好ましい。こ
のようなアクリル系樹脂は、主鎖が実質的に炭素−炭素
結合からなり、末端または側鎖に少なくとも1個の加水
分解性シリル基を含有する。加水分解性シリル基とは、
加水分解性基と結合した珪素原子を有する置換基であ
る。なお、上記のアクリル系樹脂は、主鎖または側鎖に
ウレタン結合またはシロキサン結合を一部含んでもよ
い。
的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)
アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチ
ルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)
アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロ
ヘキシル(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メ
タ)アクリレート、ペンタフロロプロピル(メタ)アク
リレート、ポリカルボン酸(マレイン酸、フマル酸、イ
タコン酸等)と炭素数1〜20の直鎖または分岐のアル
コールとのジエステルまたはハーフエステル等の不飽和
カルボン酸のエステル;スチレン、a−メチルスチレ
ン、クロロスチレン、スチレンスルホン酸、4−ヒドロ
キシスチレン、ビニルトルエン等の芳香族炭化水素系ビ
ニル化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ジアリ
ルフタレート等のビニルエステルやアリル化合物;(メ
タ)アクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル化合
物;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含
有ビニル化合物;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリ
レート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
ビニルピリジン、アミノエチルビニルエーテル等のアミ
ノ基含有ビニル化合物;(メタ)アクリルアミド、イタ
コン酸ジアミド、a−エチル(メタ)アクリルアミド、
クロトンアミド、マレイン酸ジアミド、フマル酸ジアミ
ド、N−ビニルピロリドン、N−ブトキシメチル(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミ
ド、N−メチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリ
ン等のアミド基含有ビニル化合物;2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルビニルエーテ
ル、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、アロニク
ス5700(東亜合成(株)製)、Placcel FA-1、Plac
cel FA-4、Placcel FM-1、Placcel FM-4(以上ダイセル
化学(株)製)等の水酸基含有ビニル化合物;(メタ)
アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸および
それらの塩(アルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン
塩等)、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸、酸無水
物、またはその塩;ビニルメチルエーテル、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、クロロプレン、プロピレン、ブタ
ジエン、イソプレン、マレイミド、N−ビニルイミダゾ
ール、ビニルスルホン酸等のその他のビニル化合物等が
挙げられる。
は、具体的には、以下のようなアルコキシシランビニル
モノマーが挙げられる。
体中のアルコキシシランビニルモノマー単位の含有率
は、5〜90重量%、好ましくは20〜80重量%、さ
らに好ましくは30〜70重量%に設定される。
モノマーとの共重合体の製造方法は、たとえば特開昭5
4−36395、特開昭57−36109、特開昭58
−157810等に開示されている。アゾビスイソブチ
ロニトリル等のアゾ系ラジカル開始剤を用いた溶液重合
が最も好ましい。また必要に応じて、連鎖移動剤を用
い、分子量を調節してもよい。連鎖移動剤としては、n
−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、
n−ブチルメルカプタン、γ−メルカプトプロピルトリ
メトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシ
シラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、
(H3CO)3Si−S−S−Si(OCH3)3、(C
H3O)3Si−S8−Si(OCH3)3等が挙げられ
る。特に、分子中に加水分解性シリル基を有する連鎖移
動剤、たとえばγ−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ランを用いれば、末端に加水分解性シリル基が導入され
た加水分解性シリル基含有アクリル系共重合体を得るこ
とができる。
ン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等)、酢酸エステル
類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、アルコール類(メタ
ノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノー
ル等)、エーテル類(エチルセロソルブ、ブチルセロソ
ルブ、セロソルブアセテート等)、ケトン類(メチルエ
チルケトン、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン、ジ
アセトンアルコール、メチルイソブチルケトン、アセト
ン等)のような非反応性の溶剤であれば特に限定されな
い。
共重合体としては、鐘淵化学工業株式会社製ゼムラック
(登録商標)が挙げられる。ゼムラックは、上述した (R1)3-a(R2)aSi− (式中、R1、R2、およびaの定義は上記の通りであ
る。)という分子構造を含んでいる。
フッ素系共重合体を用いることが好ましい。水酸基含有
フッ素系共重合体としては、水酸基価が5〜300mg
KOH/g、さらに10〜250mgKOH/gのもの
が特に好ましい。水酸基含有フッ素系共重合体は、
(1)フッ素含有ビニルモノマー、(2)水酸基含有ビ
ニルモノマー、および(3)その他のモノマーを共重合
することにより合成できる。
は、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチ
レン、トリフルオロエチレン等のフルオロオレフィン;
CH 2=CHCOOCH2CF3、CH2=C(CH3)C
OOCH2CF3、CH2=CHCOOCH(CF3)2、
CH3=C(CH3)COOCH(CF3)2、CH2=C
HCOOCH2CF2CF2CF3、CH2=CHCOOC
F3、CH2=C(CH3)COOCH2CF2CF2C
F3、CH2=C(CH3)COOCF3等を含む(メタ)
アクリル酸フルオロアルキル等が挙げられる。
は、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロ
ピルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテ
ル、ヒドロキシヘキシルビニルエーテル等のヒドロキシ
アルキルビニルエーテル;2−ヒドロキシエチルアクリ
レート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ルメタクリレート、N−メチロールアクリルアミド、N
−メチロールメタクリルアミド、アロニクス5700
(東亜合成(株)製)、Placcel FA-1、同 FA-4、同FM-
1、同FM-4(以上ダイセル化学(株)製)等が挙げられ
る。
ルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビ
ニルエーテル等のアルキルビニルエーテル;シクロヘキ
シルビニルエーテル;マレイン酸、フマール酸、アクリ
ル酸、メタクリル酸、カルボキシルアルキルビニルエー
テル等のカルボキシル基含有モノマー;エチレン、プロ
ピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル;メ
タクリル酸メチル、アクリル酸メチル等の不飽和カルボ
ン酸エステル;ビニルトリエトキシシラン、γ−(メ
タ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等
の加水分解性シリル基含有モノマー等が挙げられる。
旭硝子コートアンドレジン株式会社製のルミフロン、ボ
ンフロン、株式会社トウベ製ニューガメット、大日本塗
料株式会社製Vフロン(いずれも登録商標)が挙げられ
る。
物性を有する。
ーを用いる場合、その原料としてアルキルシリケートを
用いることができる。アルキルシリケートとしては、た
とえばエチルシリケート、ブチルシリケート、またはこ
れらの混合物が挙げられる。このような原料から生成さ
れる無機ポリマーはシリカを含有する。こうした無機ポ
リマーを生成させる際には、原料に触媒好ましくはHC
l等の酸触媒を添加した後に塗布することにより、硬化
速度をコントロールしてもよい。
えば(有)テー・エス・ビー製の無機ワニス、TSB4
200、TSB4300、TSB4400が挙げられ
る。TSB4200はエチルシリケート、TSB440
0はブチルシリケートを主成分とするものであり、TS
B4300はエチルシリケートとブチルシリケートとの
混合物である。これらの原料からは耐候性かつ耐熱性の
無機ポリマーが得られる。
よい。複合材料としては、無機ポリマー分子構造中に有
機分子を付加したもの、無機ポリマーと有機ポリマーと
の混合物、無機ポリマー中に有機ポリマーを分散したも
のなどが挙げられる。
社製のセラミック系塗料、ベルクリーン(登録商標)が
挙げられる。ベルクリーンはアルキルシリケートに高耐
久性の有機ポリマーを混合したものである。
μm、好ましくは0.5〜100μm、さらに好ましく
は1〜30μmに設定される。防眩膜10の平均厚さが
0.1μmより薄い場合には光散乱に適した凹凸を形成
することが困難になる。防眩膜10の平均厚さが500
μmより厚い場合には防眩膜10の透光性が低下して太
陽電池セル5に達する光が減少するおそれがある。
積層してもよい。たとえば、屈折率の異なる材料からな
る複数層の光乱反射層を組合せることにより光乱反射効
果を向上することができる。上層の防眩膜として無機ポ
リマーを用いれば、表面硬度や耐摩耗性を向上させるこ
とができる。上層の防眩膜として有機ポリマーを用いれ
ば、表面のクラックやひずみを吸収することができる。
また、上層の防眩膜として、汚染防止のために撥水性の
高いフッ素系樹脂や、水分散性のよい無機ポリマーを用
いてもよい。
機ポリマーからなる防眩膜10中に無機粒子または/お
よび有機粒子を分散させてもよい。
用いられる。具体的には、たとえば、φ4μmのシリカ
からなるデグサジャパン製TS100、φ2μmのシリ
カからなるデグサジャパン製デグサOK−607、φ
0.07〜0.1μmのシリカゾルからなる日産化学工
業株式会社製EG−ST−ZL等が用いられる。
素系樹脂、ポリエチレンワックス、またはこれらの少な
くとも2種以上の混合物を主成分とするものが用いられ
る。具体的には、たとえば、φ8μmのPMMA(ポリ
メチルメタクリレート)からなる積水化成製MBX−
8、平均φ15μm、最大φ30μmのPE(ポリエチ
レン)からなる楠本化成製SE480−10T等が用い
られる。
は、0.05〜200μm、より好ましくは0.5〜1
00μm、特に好ましくは1〜10μmである。
機の粒子との混合重量比は、無機または有機粒子の粒径
に応じて調整することが好ましい。粒子の粒径が1μm
未満の場合は50〜2000、特には100〜1500
が好ましい。粒子の粒径が1μm以上、たとえば1〜1
0μmである場合は、0.1〜98、さらに1〜50、
特に1〜10が好ましい。粒径が小さいと光乱反射効果
が十分に発揮されず、逆に粒径が大きいとポリマーに対
する粒子の分散性が低下するため好ましくない。
表面を有する汚れ防止膜を形成してもよい。すなわち、
防眩膜10が微細な凹凸構造の表面を有する場合には汚
れが付着しやすいが、その凹凸表面を汚れ防止膜で平坦
化することによって、太陽電池モジュールの表面の汚れ
を軽減することができる。
眩膜10として例示した材料を用いることができる。光
乱反射効果の観点からは、汚れ防止膜と防眩膜10は互
いに異なる材料で形成されていることが好ましい。ただ
し、汚れ防止膜と防眩膜10が同じ材料で形成されてい
ても、一旦形成された防眩膜10の凹凸表面は汚れ防止
膜12との間に明瞭な界面を形成するので、その凹凸界
面によって光乱反射効果は維持される。
合、その表面は良好な撥水性を有するので、雨水などに
よる塵の付着が減少する。汚れ防止膜としてアルキルシ
リケートから形成されるシリカを含む無機ポリマーを用
いた場合、太陽電池セルの表面の耐薬品性が向上すると
ともに、親水性が良好になるため汚れがついたとしても
均一化されて目立ちにくくなる。
明絶縁基板の加工に伴うコスト増や強度低下など問題、
および透明絶縁基板の傷を防止し、かつ表面からの反射
光による光公害を防止できる太陽電池モジュール、およ
びこのような太陽電池モジュールを簡便に製造できる方
法を提供することができる。
示す断面図。
一例を示す断面図。
Claims (10)
- 【請求項1】 第1と第2の主面を有する透明絶縁基板
と、前記透明絶縁基板の第1の主面上に順次積層された
透明電極層、半導体光電変換層および裏面電極層からな
る太陽電池セルと、前記透明絶縁基板の第2の主面にお
ける、透明電極層、半導体光電変換層および裏面電極層
のスクライブ線を含む領域以外に対応する領域上に形成
された防眩膜とを備えたことを特徴とする太陽電池モジ
ュール。 - 【請求項2】 第1と第2の主面を有する透明絶縁基板
と、前記透明絶縁基板の第1の主面上に順次積層された
透明電極層、半導体光電変換層および裏面電極層からな
る太陽電池セルと、前記透明絶縁基板の第2の主面にお
ける、透明電極層、半導体光電変換層および裏面電極層
のスクライブ線を含む領域以外に対応する領域上に形成
された防眩膜とを備えた太陽電池モジュールを製造する
にあたり、 前記透明絶縁基板の第2の主面において、透明電極層、
半導体光電変換層および裏面電極層をスクライブするた
めにレーザー照射する領域以外に対応する領域上に防眩
膜を形成する工程と、 前記透明絶縁基板の第1の主面上に形成された透明電極
層に透明絶縁基板を通してレーザー照射することにより
透明電極層をスクライブする工程と、 前記透明電極層上に半導体光電変換層を形成した後、半
導体光電変換層に透明絶縁基板を通してレーザー照射す
ることにより半導体光電変換層をスクライブする工程
と、 前記半導体光電変換層上に裏面電極層を形成した後、裏
面電極層に透明絶縁基板を通してレーザー照射すること
により裏面電極層をスクライブする工程とを具備したこ
とを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。 - 【請求項3】 前記防眩膜は、有機ポリマー、無機ポリ
マーまたはこれらの複合材料を含むことを特徴とする請
求項2記載の太陽電池モジュールの製造方法。 - 【請求項4】 前記防眩膜は、光を散乱させるのに適し
た微細な凹凸を含む表面を有することを特徴とする請求
項2または3記載の太陽電池モジュールの製造方法。 - 【請求項5】 前記防眩膜は、さらに無機粒子または/
および有機粒子を含むことを特徴とする請求項2ないし
4いずれか記載の太陽電池モジュールの製造方法。 - 【請求項6】 前記防眩膜の前記凹凸表面上に形成され
た、平坦な表面を有する汚れ防止膜をさらに備えたこと
を特徴とする請求項4または5記載の太陽電池モジュー
ルの製造方法。 - 【請求項7】 前記有機ポリマーは、アクリル系樹脂、
フッ素系樹脂、またはこれらの混合物を含むことを特徴
とする請求項3記載の太陽電池モジュールの製造方法。 - 【請求項8】 前記アクリル系樹脂は、以下の分子構
造: 【化1】 (式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基、R2は水素
原子または炭素数1〜10のアルキル基、アリール基お
よびアラルキル基からなる群より選択される一価の炭化
水素基、aは0、1、または2を示す。)で表わされる
基を含有する加水分解性シリル基含有アクリル系共重合
体を含み、 前記フッ素系樹脂は水酸基含有フッ素系樹脂であること
を特徴とする請求項7記載の太陽電池モジュールの製造
方法。 - 【請求項9】 前記無機ポリマーの原料が、アルキルシ
リケートであることを特徴とする請求項3記載の太陽電
池モジュール。 - 【請求項10】 前記無機ポリマーはシリカを含むこと
を特徴とする請求項3記載の太陽電池モジュール。
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---|---|---|---|
JP28683999A JP4132479B2 (ja) | 1999-10-07 | 1999-10-07 | 太陽電池モジュールの製造方法 |
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JP2001111072A true JP2001111072A (ja) | 2001-04-20 |
JP4132479B2 JP4132479B2 (ja) | 2008-08-13 |
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JP28683999A Expired - Fee Related JP4132479B2 (ja) | 1999-10-07 | 1999-10-07 | 太陽電池モジュールの製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP4132479B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015002042A1 (ja) * | 2013-07-05 | 2015-01-08 | 株式会社カネカ | 太陽電池モジュール用防眩膜、防眩膜付き太陽電池モジュールおよびそれらの製造方法 |
KR102137004B1 (ko) * | 2019-11-22 | 2020-07-23 | 한밭대학교 산학협력단 | 오염방치 텍스쳐링 층이 형성된 태양전지 모듈, 태양전지 모듈에 형성된 오염방지 텍스쳐링 층 형성 방법, 텍스쳐링 층 형성에 사용되는 열처리 장치 |
WO2021246266A1 (ja) * | 2020-06-03 | 2021-12-09 | Agc株式会社 | 防眩膜付き基材および防眩膜付き基材の製造方法 |
-
1999
- 1999-10-07 JP JP28683999A patent/JP4132479B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2021246266A1 (ja) * | 2020-06-03 | 2021-12-09 | Agc株式会社 | 防眩膜付き基材および防眩膜付き基材の製造方法 |
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