JP2001110094A - 情報記録ディスク - Google Patents

情報記録ディスク

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JP2001110094A
JP2001110094A JP29075399A JP29075399A JP2001110094A JP 2001110094 A JP2001110094 A JP 2001110094A JP 29075399 A JP29075399 A JP 29075399A JP 29075399 A JP29075399 A JP 29075399A JP 2001110094 A JP2001110094 A JP 2001110094A
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disk
thickness
mold
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JP29075399A
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Hiroyuki Hirata
弘之 平田
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Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハブを遊勘状態で保持できる構造の情報用光
ディスクにおいて、基板内の応力の発生による複屈折を
防ぎ、読み取りエラーが少なく、小径の情報記録光ディ
スクを提供する 【解決手段】 円盤状の基体表面の中央部にハブが収容
される円柱状の凹部を有し、該凹部の底面にスピンドル
が挿入される孔が基体と同軸状に形成された情報記録光
ディスクにおいて、最内周の情報記録面が半径16mm
以下の領域に設けられ、情報記録面における基板厚みが
0.5mm以上、0.7mm以下であり、情報記録エリア
と凹部との間に環状凹部を少なくとも一箇所以上形成
し、環状凹部内における基板の最小厚みが0.35mm
以上、0.45mm以下にすることにより、基板内の応
力の発生による複屈折を防ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形されて製
造される光ディスク、相変化ディスク、光磁気ディスク
等の情報記録ディスクの中でも特に内周部にハブを遊嵌
状態で保持することの出来る構造で、小型で生産性に優
れ、光学的な異方性の少ない情報記録ディスクに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、光ディスク、相変化ディスク、光
磁気ディスク等の情報記録ディスクをディスク回転機構
に設けられたマグネットに吸引させる手段として、予め
ハブを金型内に挿入して射出成形で得られた所謂インサ
ート成形ハブを情報記録ディスクに紫外線硬化樹脂を用
いて接着させたり、超音波を使った溶着手段でディスク
に固定する方法が一般的であったが、近年ミニ・ディス
クに代表される比較的小径で安価な情報記録ディスクに
おいては、情報記録ディスクの基体を形成するプラスチ
ック自体を超音波を用いて加振熱変形させ、磁性を持つ
ハブを遊嵌状態でディスクに係止する方法が採用されて
いる。この方法は金属製ハブとなるハブを打ち抜きプレ
ス加工のみで得られる為、高価なインサート成形金型を
必要とせず、また、情報記録ディスクへの取り付け手段
についても、超音波溶着機を用いてディスク基体のプラ
スチックを加振熱変形させることにより、極めて短時間
で係止でき、製造コスト的においても有利な手段であ
る。更には、ハブが遊嵌状態であることから、情報記録
ディスク自体が温度変化を伴った場合においても、従来
の接着タイプの固定手段で問題となった金属製ハブとプ
ラスチック製ディスクの線膨張係数の違いによるディス
クへの局部的な応力の発生も生じることはない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種のハ
ブの係止方法を採用する為には、ディスクの内周部に前
述のハブを挿入する為の凹部を形成する必要がある。こ
の場合、射出成形される基板はこの凹部形状によって、
基板の厚み方向に段差部が形成され、この段差部によっ
て射出成形中の樹脂の流路が妨げられ、この部分におい
て局部的な応力を発生しながら成形される為、記録エリ
アにおいて光学的な異方性、即ち複屈折を生じてしま
う。特に近年採用されているDVD(デジタル・バーサタ
イル・ディスク)の如く、レンズの開口率となるNA(Num
erical Aperture)を0.6以上に上げてレーザー光を絞
り込み、記録密度を高めた高容量の記録方式では、ディ
スクの傾きによるコマ収差を抑える目的で記録エリアの
基板厚みを0.6mmと薄く厚みを設定しているが、0.
6mm厚程度に薄くされた基板においては複屈折がより
顕著となって、信号の記録再生時に受光素子の光量に変
動を来し、信号の読み取りエラーを生じてしまう。この
理由は従来の情報記録ディスクの主流であった1.2m
m基板厚から比べると、射出成形の際、金型キャビティ
間隔が狭い為に樹脂の流動過程で樹脂の流れが阻害され
て応力が発生し、複屈折を生じやすくなる、特にディス
ク内周部分ではこの傾向がより顕著となり、ディスクの
内周を記録エリアとして使う小径ディスクにおいては実
用化において大きな課題となる。これはピットの凹凸形
状による光の位相差を利用したCD-A、CD-ROM、
DVD-ROMなどの読み出し専用メモリや、記録膜の
反射率変化を利用した相変化ディスク、磁気的カー効果
を利用する光磁気ディスクなどの書き換え可能メモリの
共通した問題となる。特に磁気的カー効果を利用した光
磁気ディスクでは、光を直線偏光化させて、僅かな偏光
方向の回転による光量変化を検出する為、より顕著な問
題となる。
【0004】また、現在実用化されている情報記録ディ
スクの基板材料はポリーカーボネートが大半を占めてお
り、このポリカーボネートは光弾性係数が高い為、基板
内に応力が僅かに発生するだけでも複屈折を生じる問題
がある。
【0005】本発明は内周部にハブを遊勘状態で保持で
きる構造の情報用光ディスクにおいて、基板内の応力の
発生による複屈折を防ぎ、読み取りエラーが少なく、小
径の情報記録光ディスクを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、円盤状
の基体表面の中央部にハブが収容される円柱状の凹部を
有し、該凹部の底面にスピンドルが挿入される孔が基体
と同軸状に形成された情報記録光ディスクにおいて、最
内周の情報記録面が半径16mm以下の領域に設けら
れ、情報記録面における基板厚みが0.5mm以上、0.
7mm以下であり、情報記録エリアと凹部との間に環状
凹部を少なくとも一箇所以上形成し、環状凹部内におけ
る基板の最小厚みが0.35mm以上、0.45mm以下
である情報記録ディスクが提供される。
【0007】ここで情報記録ディスク用の成形基板に発
生する複屈折について説明する。
【0008】射出成形した基板に発生する複屈折を立体
的に見立てると、情報記録面に対する面内方向に生じる
平面複屈折率、基板の厚み方向に生じる断面複屈折率に
分けることが出来るが、この内一般的に計測管理されて
いる平面複屈折率について、発生する応力との関係を図
5に示す。この図は基板面内における応力の方向性を規
定したものであるが、径方向の応力をσrad(X軸)とす
ると、この(X軸)と直交する周方向の応力をσtan(Y
軸)、基板材料の光弾性係数をC、基板厚みをt、平面
複屈折率をB0、平面リタデーションをR0とすると平面
複屈折率B0、平面リタデーションR0はそれぞれ式
(1)、(2)で表すことが出来る。
【0009】 平面複屈折率 B0=(σrad−σtan)・C ………… (1) 平面リタデーション R0=B0・t ………………… (2) 図6はハブを収納する凹部を形成する為、内周部の基板
の厚み方向に段差部を持った基板厚0.6mmの平面リ
タデーションR0(以下、単にリタデーションと記す)と
成形時のシリンダ温度との関係を示した図であるが、こ
の図から半径16mm以下の内周部ではいずれもリタデ
ーションは極端なマイナス値を示しており、周方向応力
σtanが“大”であることが分かる。つまり、基板厚み
0.6mmでは射出成形の際、金型キャビティ間隔が狭
い為、樹脂の流動過程でその流れが阻害され、基板に周
方向の応力が生じてしまうことを示したものである。そ
こで射出中は樹脂の流動抵抗を軽減させる為にキャビテ
ィ間隔を広げ、射出が終わった段階でキャビテイ間隔を
狭めて所望の厚みに調整する方法や、成形機の加熱シリ
ンダの温度を上げ、溶融樹脂の粘度を下げて射出過程の
応力の発生を抑える方法などが各社より提案されてい
る。一般的に成形時の冷却時間は基板の厚みの2乗で決
定され、基板厚み0.6mmでは1.2mm厚に比し、そ
の時間は1/4となり、急激に冷却されることにより、
この冷却時間に比例して成形条件での光学特性の調整代
は狭まってしまう。つまり、前述の成形時のシリンダ温
度を変えたデータからも、このリタデーションを調整す
る調整代は僅かなものであり、大半は成形する基板の形
状で決定され、1.2mm基板厚ほどは成形条件によっ
て光学特性をコントロールすることが出来ない。そこで
本発明者らは樹脂の流動過程で生じる応力を基板の径方
向と周方向で等しくしてやれば良い、即ち周方向の応力
が発生しやすい0.6mm厚基板では、意図的に径方向
の応力を発生させてやればそれぞれが相殺され光学的な
異方性、即ち複屈折の小さい基板が得られるとの目的で
鋭意検討した結果、情報情報記録面と段差部の間に少な
くとも1ヶ所以上環状凹部を形成し環状凹部内の基板厚
みが0.35mm以上、0.45mm以下になるように環
状凹部を形成することにより光学的異方性、即ち複屈折
の小さい基板を得ることが出来ることを見出した。この
基板上の環状凹部は金型上では環状凸部であり、樹脂の
流動過程ではこの凸部によって径方向の応力が強めら
れ、キャビテイ内で発生する周方向応力と相殺され、複
屈折が抑えられる。この環状凹部の最小断面厚さが0.
45mmを越えると径方向の応力の発生は小さく、周方
向の応力が勝る状態となる。また、環状凹部の最小断面
厚さが0.35mm以下であれば周方向の応力に対して
径方向の応力の発生が過剰となってしまう。つまり環状
凹部の基板厚みをHとした時、径方向応力と周方向応力
の関係は表1の通りとなる。
【0010】
【表1】
【0011】成形材料的にはポリカーボネート以外にも
ポリメチルメタアクリレートやノルボルネン系非晶質ポ
リオレフィン等の複屈折に優れる材料があるが、これら
は光弾性係数Cを異にするものの射出過程で生じる応力
は粘度に依存する為、発生する複屈折の絶対量に差はあ
るものの、相対関係としてこの関係はいずれの材料にも
適用出来る。また、樹脂粘度の目安は樹脂温度300
℃、せん断速度1/1000秒にて1000poise前後
の光ディスク用途の成形材料であれば支障はない。次に
環状凹部を形成する手段として、射出成形金型のキャビ
ティ内周部に入れ駒を形成して金型上で凸部を設けた
り、スタンパを金型に挟持するスタンパ押さえを用いて
凸部を形成することが可能であり、固定型、可動型のい
ずれかに凸部を形成しても構わないが、成形した基板を
自動機でハンドリングする為の真空吸着面を確保した
り、金型からの離型性や型構造の複雑化を避ける為には
このスタンパ押さえを利用することが望ましい。また、
環状凹部の形状であるが、射出成形の観点からは抜き勾
配を設ける必要があることから、金型側に略台形近似で
形成することが望ましく、その幅についても成形基板の
局部的な強度低下を避ける為には1mm以下が望まし
い。
【0012】これにより、従来遊嵌ハブを形成する為に
ディスクの内周部に凹部を形成し、高NA化に対応して
基板厚みを0.5mm以上、0.7mm以下にしたディス
クでは基板の射出成形の際、樹脂の流動過程で周方向の
応力が高まり、極めて大きな光学的異方性、即ち複屈折
を生じていたが、記録エリアと磁性板が挿入される凹部
形状を形成する段差部との間に、基板の厚み方向の最小
断面厚さが0.35mm以上、0.45mm以下になるよ
うに環状の凹部を少なくとも一箇所以上形成することに
より、径方向の応力が高められ、元々問題となっていた
周方向の応力とそれぞれが相殺されることによってディ
スクの内周部でも良好な光学特性が得られ、この基板に
よって製作された情報記録ディスクはノイズが少なく、
S/Nの高いものとなる。また、半径16mm以下の内
周付近から記録エリアとして使える為、比較的小型のデ
ィスクとして最適である。ハブが収容される凹部の内底
面の厚みは0.5mm以上が好ましい。0.5mm未満である
と、底面がディスクの基準面を形成すると共にハブの磁
気的吸引力によってディスクを回転機構に狭持させる
為、磁気的吸引力、即ちクランプ力によってディスクに
反りを生じたり、或いはディスクを高速回転させること
によって共振を起こす恐れがある。
【0013】
【発明の実施の形態】(実施例1)以下、本発明に係る
各種実施例について、図面を用いて説明する。まず、本
発明に係る情報記録ディスクについて第1の実施例を図
1、図2、図3、図4を用いてそれぞれ説明する。実施
例1の情報記録用ディスク1は図1に示すように外径が
50mm、内径11mmで円盤状を成し、ポリカーボネ
ート樹脂製の成形基板2を基体として射出成形法により
製作される。情報記録ディスク1には情報情報記録面6
が形成されており、レーザー光が対物レンズ24より照
射され、ポリカーボネート製の成形基板2内を透過し、
上面に形成された情報記録面6に信号を記録、再生す
る。情報記録面6の基板厚みは0.6mmであり、情報
記録面6には複数の溝、並びにアドレス情報を記録した
複数の凹凸マークが形成される。その内周には回転軸2
1が挿入されるセンターホール9が形成され、センター
ホール9の廻りにはハブ3を載置する凹部4が情報記録
ディスク1の内周部に形成される。この凹部4の反対面
には情報記録面6に対して垂直方向の基準面を形成する
ディスク基準面8が凸形状で形成されており、このディ
スク基準面8の厚みは0.7mmである。駆動装置(図示
しない)側に設けられた回転軸21にはこの回転軸に対
して情報記録面6に対して水平方向の基準面を形成する
ターンテーブル20と、情報記録ディスク1に取り付け
られたハブ3を吸引させる為のマグネット22が取り付
けられており、駆動装置に情報記録ディスク1が装着さ
れると、ターンテーブル20は情報記録ディスク1の半
径方向の位置決めをセンターホール9にて行うと共に記
録面に対して水平方向の情報記録ディスクの位置決めを
ディスク基準面8にて行う。この時、ハブ3はターンテ
ーブル20に設けたマグネット22に吸引され、回転軸
21が高速回転しても情報記録ディスク1がターンテー
ブル20から外れることはない。また、凹部4の上面に
はハブ3の抜け防止用の溶着かしめ突起10が超音波溶
着で情報記録ディスク1の内側に形成されており、ハブ
3は遊嵌状態で凹部4に係止された形となり、駆動装置
から情報記録ディスク1を取り除いても、ハブ3が凹部
4から脱落することはない。図2は成形基板2の内周と
金型キャビティ部の関係を詳細に表した断面図である
が、成形基板2の内周部にはハブ3を載置する凹部4が
形成され、この部分は基板の厚み方向の段差部7とな
る。また、この段差部7と情報記録面6の間には基板の
最小厚みが0.4mmになるように環状凹部5が形成さ
れ、この凹部の断面形状は逆台形とし、幅1mmでセン
ターホール9に対して同心円で配置される。
【0014】図3は本発明の射出成形金型30の断面構
造を示し、図4は図3に示した射出成形金型30のキャ
ビティ30a部分の拡大断面図である。射出成形金型3
0は固定金型31と可動金型41とを同軸上(X軸)に
組み合わせて構成される。固定金型31は固定ダイセッ
ト32とその中心軸X上に順次挿入されたスプールブッ
シュ36、固定ブッシュ37、スタンパ押さえ35、固
定ミラー33並びに情報記録ディスク1の信号面を形成
するスタンパ34とを備える。スプールブッシュ36は
射出成形時に溶融樹脂を金型内に流入するための成形機
ノズル(図示しない)と連結される。固定ブッシュ37
はスプールブッシュ36の外周に挿入される円筒状の入
れ駒で、基板上ではハブ3が挿入される凹部4を形成す
ると共に、後述するゲート・カッター44が固定側に前
進して成形基板2のセンターホール9を打ち抜く際の雌
型の役目を果たす。また、スタンパ34には情報記録デ
ィスク1の情報記録面6に対応した反転パターンとなる
複数の溝、並びにアドレス情報を記録した複数の凹凸マ
ークが形成されており、その内周部をスタンパ押さえ3
5にて、外周を固定ミラー上に設けたスタンパ真空吸引
孔33aにて真空吸引させ、固定ミラー33に対して密
着して取り付けられる。スタンパ押さえ35にはスタン
パ押さえ凸部35aが形成されており、この凸部はディ
スク上の環状凹部5を形成すると共にスタンパ34を固
定ミラー33に挟持する目的も兼ねている。固定ミラー
33の表面はスタンパ34を密着させて取り付ける目的
で鏡面に仕上げられており、スタンパとの間で成形時の
熱による膨張、収縮を繰り返す為、摩耗対策としてTi
Nのセラミックコーティングがなされる。一方、可動金
型41は可動ダイセット42とその中心軸X上に順次挿
入されたエジェクタ・ピン48、ゲートカッター44、
エジェクタ・スリーブ46、可動ブッシュ45、可動ミ
ラー43並びに成形基板2の外径を形成するキャビティ
・リング47とを備える。エジェクタ・ピン48は型内で
冷却された成形基板として不要な部分となるスプール
(図示しない)を離型させる役目を果たす。また、エジェ
クタ・スリーブ46は可動ダイセット42内に形成され
た円筒状シリンダ46a内に中心軸方向に移動可能に挿
入され、成形基板2をキャビティからエジェクタ・ピン
同様に離型させる為のものである。可動ミラー43は基
板上でレーザー光が入射する面を形成する為のもので、
光が回折されて透過率を損なわないレベルで鏡面に仕上
げられる。ゲートカッター44は樹脂をキャビティ内に
充填後、固定金型側に前進して、成形基板2のセンター
ホール9を打ち抜く際の雄型の役目を果たす。ゲート4
4aの厚みはキャビテイ間隔よりも薄く、且つ樹脂の流
れを阻害しない範囲でその厚みを0.4mmの設定とし
た。ここで、キャビテイ上で固定ブッシュ37とスタン
パ押さえ35、可動ミラー43と可動ブッシュ45の入
れ駒を形成する隙間には、それぞれ固定金型側、可動金
型側の離型用のエアー流路が形成され、高温で成形され
た基板を均一にキャビティから離型させる役目を果た
す。固定金型31及び可動金型41は成形機に装着され
る際に、中心軸Xと平行な4本のロッド(図示しない)
により支持され、可動金型41は中心軸X方向に移動す
るために該ロッド上を摺動可能である。図3のように可
動金型41が固定金型31と合体されると、固定ブッシ
ュ45、スタンパ34、スタンパ押え35、可動ミラー
43、キャビティ・リング47、可動ブッシュ45、エ
ジェクタ・スリーブ46によってキャビティ30aが画
成される。
【0015】図3及び図4に示した射出成形金型30を
住友重機械工業社製の射出成形機DISK3(図示しな
い)にボルト(図示しない)を用いて装着し、成形基板2
の射出成形を実施した。先ず、固定金型31、可動金型
41の金型温度を125℃、シリンダ温度を380℃に
それぞれ調節した。次に、成形機ノズルをスプールブッ
シュ36に押し付け、固定金型31と可動金型41を射
出成形機の型締め機構(図示しない)により型締め力1
0tonにて締め付け、溶融したポリカーボネート樹脂
(帝人化成パンライトAD5503)を射出成形金型3
0のキャビティ30a内に射出した。キャビティ30a
内に樹脂が充填された後、冷却による樹脂の体積収縮分
を補充するために一定時間保圧した。次いで、型締め力
を15tonに増圧しながらキャビテイ内の樹脂を圧縮
すると共にゲートカッター44を固定金型31側の固定
ブッシュ37に向かって突出し、ゲート44aを切断し
て冷却を開始した。型締め力は15tonを維持したま
ま、冷却時間6秒経過後、先ず固定金型側から離型エア
ーをブローして、成形基板2をスタンパ34から均一に
剥離しながら金型を開いた。次いで可動金型側から離型
エアーをブローして、成形基板2を可動ミラー43から
均一に剥離し、エジェクタ・スリーブ46とエジェクタ・
ピン48を突出して固化した成形基板2とスプールをキ
ャビティ外へ離型した。こうして直径50mmのポリカ
ーボネート樹脂製の成形基板2を得た。 (実施例2〜3、比較例1〜3)実施例1では成形基板
2の環状凹部の最小断面厚さを0.4mmとしたが、本
実施例並びに比較例では図4に示すスタンパ押さえ凸部
の高さをそれぞれ表2に示すような環状凹部内の最小厚
みになるように変えて、実施例1同様にして成形基板を
得た。尚、比較例1では図11の如く、基板の記録エリ
アの厚さと最小断面厚さを0.6mmと等しくする為、
図12に示す金型構造の通り、スタンパ34の内周をス
タンパ真空吸引溝33bにて真空吸引させ、固定ミラー
33に固定した金型構造とした。
【0016】
【表2】
【0017】(実施例4)図8は成形基板内周と金型キ
ャビティ部の関係を表した断面図であり、本実施例につ
いて図8を用いて説明する。実施例1ではスタンパ押さ
え35に設けたスタンパ押さえ凸部35aで環状凹部5
を形成したが、本実施例では固定ブッシュ37にも固定
ブッシュ凸部37aを形成し、基板の環状凹部の最小断
面厚さを0.4mmとした。また、凹部形状は逆台形と
して、幅1mmでセンターホール9と同心円で配置し、
スタンパ押さえ凸部35aの高さは0.1mmとして、
実施例1と同様にして成形基板を得た。 (実施例5)図9は成形基板内周と金型キャビティ部の
関係を表した断面図であり、本実施例について図9を用
いて説明する。実施例1ではスタンパ押さえ35に設け
たスタンパ押さえ凸部35aで環状凹部5を形成した
が、本実施例では可動ブッシュ45にも可動ブッシュ凸
部45aを形成し、基板の環状凹部の最小断面厚さを
0.4mmとした。また、凹部形状は逆台形として、幅
1mmでセンターホール9と同心円で配置し、スタンパ
押さえ凸部35aの高さは0.1mmとして、実施例1
と同様にして成形基板を得た。
【0018】(比較例4〜6)本比較例では射出成形金
型30のゲート44aの厚みとリタデーションR0の関
係を調査する目的で下表の通りゲート厚みを変えてサン
プル作成を行った。図13、図14はそれぞれ下表の比
較例6と比較例4のゲート厚みとした射出成形金型30
のゲート部分を拡大した断面図である。それぞれゲート
カッター44の位置を変えてゲート44aを形成した。
比較例5は図示しないが比較例6同様にゲート44aの
厚みが0.2mmになるようにゲートカッター44の位
置を変えた。また、環状凹部形状は比較例2に合わせ、
逆台形として幅1mmでセンターホールと同心円で配置
した。以下、実施例1同様に成形を行い、成形基板2を
得た。ゲート厚みと環状凹部内における基板の最小厚み
の値を表3に示す。
【0019】
【表3】
【0020】(成形基板の評価)評価は成形された基板
の光学的特性で最も一般的に計測管理されるリタデーシ
ョンR0を求めた。装置は市販されている溝尻光学社製
の複屈折測定機を用いた。この装置はHe-Neレーザ
ー633nm、ビーム径φ1mmの平行光を光源とし
て、λ/4波長板で偏光させ基板内を透過させた後の偏
光円の楕円率を回転検光子を通した光検出器で求め、波
長のリタデーションR0を算出した。ここでのリタデー
ションR0は平面複屈折率B0と基板厚みtの積となる。
また、一般にシングルパスと定義される透明基板を透過
させた時の値で評価を行った。評価結果はディスクの回
転方向に12点測定した平均値を各半径の値として求め
た。評価結果を図7、図10、図15に示す。図7は実
施例1から3、比較例1から3の基板の最小断面厚さを
それぞれ変えた成形基板の半径方向に対するリタデーシ
ョンR0の測定結果であるが、実施例1、2、3に示す
基板の最小断面厚さが0.35から0.45mmの範囲で
リタデーションR0が“0nm”近傍と良好な結果を示
す。逆に比較例1、2ではマイナス側、比較例3ではプ
ラス側とそれぞれ周方向応力、径方向応力が勝る結果で
ある。また、図10は実施例4、実施例5の成形基板の
半径方向に対するリタデーションR0の測定結果である
が、最小断面厚さを形成する形態をそれぞれ変えたがい
ずれも良好な結果を示す。更に、図15は比較例4、
5、6の成形基板の半径方向に対するリタデーションR
0の測定結果であるが、ゲート厚みをそれぞれ変えても
リタデーションR0に見られる変化は僅かである。つま
りゲート厚みを変えても樹脂のせん断発熱による粘度の
変化や、径方向、周方向の応力バランスに変化はないと
の結果である。これは元々ディスク成形では高樹脂温で
成形されいることから、その溶融粘度は十分低い為であ
り、また、基板の段差部手前となるゲート部分の厚み変
化では発生する応力に影響を及ぼさない。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、ハブが収納される凹部
を内周部に形成し、記録エリアの基板厚みが0.5mm
以上、0.7mm以下の円盤状を成した情報記録ディス
クにおいて、情報記録エリアとハブが収納される凹部に
よって形成された段差部との間に、基板の厚み方向の最
小断面厚さが0.35mm以上、0.45mm以下になる
ように環状の凹部を形成することにより、半径16mm
以下の内周においても良好な複屈折を得ることが出来、
この基板を成膜して得られた情報記録ディスクは読みと
りエラーが少なく、基板外径が65mm以下の比較的小
径の情報記録ディスクに最適である。また、特に低複屈
折率が要求される光磁気記録として最適である。更に
は、環状の凹部を形成する手段として成形金型にスタン
パを挟持するスタンパ押さえを用いて金型上に凸部を形
成することによって、シンプルな型構造で良好な複屈折
を持った成形基板を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施例の情報記録ディスク
が駆動用回転軸に挿入された断面図である。
【図2】本発明に係る第1の実施例の成形基板と金型キ
ャビティ内周部の関係を表した断面図である。
【図3】本発明に係る第1の実施例の射出成形金型を表
した断面図である。
【図4】本発明に係る第1の実施例の射出成形金型を表
した断面詳細図である。
【図5】本発明に係る平面複屈折と応力の関係を規定し
た図である。
【図6】従来の情報記録ディスクのリタデーションを表
した図である。
【図7】本発明に係る実施例1から3、比較例1から3
の情報記録ディスクのリタデーションを表した図であ
る。
【図8】本発明に係る実施例4の成形基板と金型キャビ
ティ内周部の関係を表した断面図である。
【図9】本発明に係る実施例5の成形基板と金型キャビ
ティ内周部の関係を表した断面図である。
【図10】本発明に係る実施例4から5の情報記録ディ
スクのリタデーションを表した図である。
【図11】本発明に係る比較例1の成形基板と金型キャ
ビティ内周部の関係を表した断面図である。
【図12】本発明に係る比較例1の射出成形金型を表し
た断面図である。
【図13】本発明に係る比較例6の射出成形金型キャビ
ティ内周部を表した詳細断面図である。
【図14】本発明に係る比較例4の射出成形金型キャビ
ティ内周部を表した詳細断面図である。
【図15】本発明に係る比較例4から6の情報記録ディ
スクのリタデーションを表した図である。
【符号の説明】
1 情報記録ディスク 2 成形基板 3 ハブ 4 凹部 5 環状凹部 6 情報記録面 7 段差部 8 ディスク基準面 9 センターホール 10 溶着かしめ突起 20 ターンテーブル 21 回転軸 22 マグネット 23 回転軸基準面 24 対物レンズ 30 射出成形金型 30a キャビティ 31 固定金型 32 固定ダイセット 33 固定ミラー 34 スタンパ 35 スタンパ押さえ 35a スタンパ押さえ凸部 36 スプールブッシュ 37 固定ブッシュ 37a 固定ブッシュ凸部 41 可動金型 42 可動ダイセット 43 可動ミラー 44 ゲートカッター 44a ゲート 45 可動ブッシュ 45a 可動ブッシュ凸部 46 エジェクタ・スリーブ 46a 円筒状シリンダ 47 キャビティ・リング 48 エジェクタ・ピン 33a スタンパ真空吸引孔 33b スタンパ真空吸引溝

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円盤状の基体表面の中央部にハブが収容
    される円柱状の凹部を有し、該凹部の底面にスピンドル
    が挿入される孔が基体と同軸状に形成された情報記録光
    ディスクにおいて、最内周の情報記録面が半径16mm
    以下の領域に設けられ、情報記録面における基板厚みが
    0.5mm以上、0.7mm以下であり、情報記録エリア
    と凹部との間に環状凹部を少なくとも一箇所以上形成
    し、環状凹部内における基板の最小厚みが0.35mm
    以上、0.45mm以下であることを特徴とする情報記
    録ディスク。
  2. 【請求項2】 前記凹部の内底面の厚さが0.5mm以上
    であることを特徴とする請求項1記載の情報記録ディス
    ク。
  3. 【請求項3】 基板外径が65mm以下であることを特
    徴とする請求項1記載の情報記録ディスク。
  4. 【請求項4】 記録方式が光磁気記録であることを特徴
    とする請求項1記載の情報記録ディスク。
  5. 【請求項5】 環状凹部が射出成形時に金型にスタンパ
    を挟持するスタンパ押さえによって形成された凹部であ
    ることを特徴とする請求項1記載の情報記録ディスク。
JP29075399A 1999-10-13 1999-10-13 情報記録ディスク Withdrawn JP2001110094A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005041173A2 (en) * 2003-10-22 2005-05-06 Koninklijke Philips Electronics N.V. Optical storage disc
US7149176B2 (en) 2001-10-13 2006-12-12 Samsung Electronics Co., Ltd. High-density optical disc

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