JP2001108529A - レーザー光の波面の測定法 - Google Patents
レーザー光の波面の測定法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】測定装置の簡素化及び小型化を図り、レーザー
光の強度分布の測定からレーザー光の波面を求める測定
法を提供する。 【解決手段】レーザー光の波面の測定法は、レーザー光
の光軸に垂直な且つ光軸に沿って間隔を有する2つの平
面でのレーザー光の強度分布を測定する段階、及び前記
段階により得られた測定値に基づき所定の計算アルゴリ
ズムに従ってレーザー光の波面を求める段階を含む。所
定の計算アルゴリズムが、フレネル伝搬計算を含むこと
により、2つの平面の間隔が任意に選択可能であり、ま
た、2つの平面以外のレーザー光の波面が推定可能であ
る。
光の強度分布の測定からレーザー光の波面を求める測定
法を提供する。 【解決手段】レーザー光の波面の測定法は、レーザー光
の光軸に垂直な且つ光軸に沿って間隔を有する2つの平
面でのレーザー光の強度分布を測定する段階、及び前記
段階により得られた測定値に基づき所定の計算アルゴリ
ズムに従ってレーザー光の波面を求める段階を含む。所
定の計算アルゴリズムが、フレネル伝搬計算を含むこと
により、2つの平面の間隔が任意に選択可能であり、ま
た、2つの平面以外のレーザー光の波面が推定可能であ
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザー光の波面
(位相分布)の測定法に関する。
(位相分布)の測定法に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザー光は、各種材料の加工、計測、
信号伝達等の技術分野において利用されている。これら
の多くの利用分野において、使用されるレーザー光の波
面(位相分布)を測定し、波面の測定値を得ることは、
レーザー光を制御し利用する上で重要である。レーザー
光の波面を測定する従来技術は、次のものを上げること
ができる。 (1)シャックハルトマンの波面測定法 シャックハルトマン(Shack Hartmann)
の波面測定法は、例えば、1996年1月1日の「AP
PLIED OPTICS」第35巻第1号、第188
頁〜第192頁に記載されている。この波面測定法にお
いては、マルチレンズアレイ(多数レンズ列)を用いて
レーザービームを多数の微小ビームに分割する。部分的
なレーザー波面の傾きは、それぞれの微小レンズによっ
て作られる集光スポットの位置に依存する。従って、部
分的なレーザー波面の傾きの積分によって全体の波面を
求めることができる。この測定法において波面の測定精
度を向上させるためには、小型で長焦点距離の回折限界
程度に集光可能な性能を持つマルチレンズアレイが必要
であるが、制作が困難であり高価になる短所を有する。
信号伝達等の技術分野において利用されている。これら
の多くの利用分野において、使用されるレーザー光の波
面(位相分布)を測定し、波面の測定値を得ることは、
レーザー光を制御し利用する上で重要である。レーザー
光の波面を測定する従来技術は、次のものを上げること
ができる。 (1)シャックハルトマンの波面測定法 シャックハルトマン(Shack Hartmann)
の波面測定法は、例えば、1996年1月1日の「AP
PLIED OPTICS」第35巻第1号、第188
頁〜第192頁に記載されている。この波面測定法にお
いては、マルチレンズアレイ(多数レンズ列)を用いて
レーザービームを多数の微小ビームに分割する。部分的
なレーザー波面の傾きは、それぞれの微小レンズによっ
て作られる集光スポットの位置に依存する。従って、部
分的なレーザー波面の傾きの積分によって全体の波面を
求めることができる。この測定法において波面の測定精
度を向上させるためには、小型で長焦点距離の回折限界
程度に集光可能な性能を持つマルチレンズアレイが必要
であるが、制作が困難であり高価になる短所を有する。
【0003】(2)シェアリング干渉法 シェアリング(shearing)干渉法は、例えば、
マックス・ボルン、エミル・ウォルフ著、草川徹・横田
英嗣訳「光学の原理II」第494頁〜第499頁、東
海大学出版会に記載されている。この干渉法において
は、ビームスプリッター又はエタロン板を用いて2分割
したレーザービームを横ずらし(shear)した後に
再び合成する。発生する干渉稿は、横ずらし方向の波面
の傾きを表すので、横ずらし方向の波面は、干渉稿の位
相を積分することにより求まる。2次元波面を得るには
直行する2方向への横ずらしが必要である。
マックス・ボルン、エミル・ウォルフ著、草川徹・横田
英嗣訳「光学の原理II」第494頁〜第499頁、東
海大学出版会に記載されている。この干渉法において
は、ビームスプリッター又はエタロン板を用いて2分割
したレーザービームを横ずらし(shear)した後に
再び合成する。発生する干渉稿は、横ずらし方向の波面
の傾きを表すので、横ずらし方向の波面は、干渉稿の位
相を積分することにより求まる。2次元波面を得るには
直行する2方向への横ずらしが必要である。
【0004】(3)TIE法 TIE(transport of intensit
y equation強度式移送)法は、例えば、T.
E.Gureyev, K.A.Nugent, 「R
apid quantitative phase i
magingusing the transport
of intensity equation」 O
ptics Communications, 199
7年1月1日、及び Michael Reed Te
ague,「Deterministic phase
retrieval: a Green’s fun
ction solution」 J. Opt.So
c. Am./Vol.73, No.11/Nove
mber 1983に記載されている。TIE法は、レ
ーザー光の強度の光軸方向の傾きから波面を求める方法
である。レーザー光はz方向に伝搬していると仮定し
て、レーザー光の強度分布をI、位相分布(波面)をφ
で表すと、それぞれの関係は次式(TIE)で表され
る。 (2π/λ)(∂I/∂z)=−∇・I∇φ ただし ∇=(∂/∂x,∂/∂y) ここで、λは波長である。実際には、レーザー光の強度
の光軸方向の傾きは、光軸に沿って間隔を有し且つ光軸
に垂直な2平面でのレーザー光の強度分布から近似的に
求められる。 ∂I(0)/∂z≒[I(δz)?I(0)]/δz ここで、δzは2つの平面間の距離である。この測定法
の問題点は、δzが小さい場合は測定ノイズが大きく影
響し、δzが大きい場合は波面のエラーも大きくなるこ
とである。従って、適切なδzを選ぶ必要がある。
y equation強度式移送)法は、例えば、T.
E.Gureyev, K.A.Nugent, 「R
apid quantitative phase i
magingusing the transport
of intensity equation」 O
ptics Communications, 199
7年1月1日、及び Michael Reed Te
ague,「Deterministic phase
retrieval: a Green’s fun
ction solution」 J. Opt.So
c. Am./Vol.73, No.11/Nove
mber 1983に記載されている。TIE法は、レ
ーザー光の強度の光軸方向の傾きから波面を求める方法
である。レーザー光はz方向に伝搬していると仮定し
て、レーザー光の強度分布をI、位相分布(波面)をφ
で表すと、それぞれの関係は次式(TIE)で表され
る。 (2π/λ)(∂I/∂z)=−∇・I∇φ ただし ∇=(∂/∂x,∂/∂y) ここで、λは波長である。実際には、レーザー光の強度
の光軸方向の傾きは、光軸に沿って間隔を有し且つ光軸
に垂直な2平面でのレーザー光の強度分布から近似的に
求められる。 ∂I(0)/∂z≒[I(δz)?I(0)]/δz ここで、δzは2つの平面間の距離である。この測定法
の問題点は、δzが小さい場合は測定ノイズが大きく影
響し、δzが大きい場合は波面のエラーも大きくなるこ
とである。従って、適切なδzを選ぶ必要がある。
【0005】(4)フレネル伝搬法 フレネル(Fresnel)伝搬法は、例えば、Iwa
o Kodama,et al. 「Image re
construction from anin−li
ne X−ray hologram with in
tensity distribution cons
traint」, OpticsCommunicat
ions 125, 1966, 36−42に記載さ
れている。X線ホログラフィー分野では、物体の像及び
位相の再構築のために、天文分野では望遠鏡の鏡の波面
歪みを調べるために、フレネル伝搬法が用いられる。
(フレネルの伝搬法は、レーザー光の波面の測定法には
用いられていない。)
o Kodama,et al. 「Image re
construction from anin−li
ne X−ray hologram with in
tensity distribution cons
traint」, OpticsCommunicat
ions 125, 1966, 36−42に記載さ
れている。X線ホログラフィー分野では、物体の像及び
位相の再構築のために、天文分野では望遠鏡の鏡の波面
歪みを調べるために、フレネル伝搬法が用いられる。
(フレネルの伝搬法は、レーザー光の波面の測定法には
用いられていない。)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のレーザー光
の波面の測定法は、複雑であり、また制限事項が有る等
の問題点があった。本発明の目的は、測定方法に必要な
装置の簡素化を図り、レーザー光の強度分布の測定から
レーザー光の波面を求めることができる測定法を提供す
ることである。
の波面の測定法は、複雑であり、また制限事項が有る等
の問題点があった。本発明の目的は、測定方法に必要な
装置の簡素化を図り、レーザー光の強度分布の測定から
レーザー光の波面を求めることができる測定法を提供す
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のレーザー光の波
面の測定法は、レーザー光の光軸に垂直な且つ光軸に沿
って間隔を有する2つの平面でのレーザー光の強度分布
を測定する段階、及び前記段階により得られた測定値に
基づき所定の計算アルゴリズムに従ってレーザー光の波
面を求める段階を含む。
面の測定法は、レーザー光の光軸に垂直な且つ光軸に沿
って間隔を有する2つの平面でのレーザー光の強度分布
を測定する段階、及び前記段階により得られた測定値に
基づき所定の計算アルゴリズムに従ってレーザー光の波
面を求める段階を含む。
【0008】前記所定の計算アルゴリズムは、次のステ
ップ(1)〜(5)を含む。ここで、φ0’(x,y)
は、x−y平面の初期位相分布であり、φ0(x,y)
は、z=0位置でのx−y平面の位相分布であり、φz
(x,y)は、z=Z位置でのx−y平面の位相分布で
ある。また、u0(x,y)とuZ(x,y)は、それぞ
れz=0とz=Zの位置でのx−y平面の(規格化)振
幅分布であり、z=0とz=Zの位置で測定されたx−
y平面の強度分布をI0(x,y)とIz(x,y)とす
ると、u0(x,y)とuZ(x,y)は、次式で与えら
れる。 u0(x,y)=[I0(x,y)/∬I0(x,y)d
xdy]1/2 uZ(x,y)=[Iz(x,y)/∬Iz(x,y)d
xdy]1/2
ップ(1)〜(5)を含む。ここで、φ0’(x,y)
は、x−y平面の初期位相分布であり、φ0(x,y)
は、z=0位置でのx−y平面の位相分布であり、φz
(x,y)は、z=Z位置でのx−y平面の位相分布で
ある。また、u0(x,y)とuZ(x,y)は、それぞ
れz=0とz=Zの位置でのx−y平面の(規格化)振
幅分布であり、z=0とz=Zの位置で測定されたx−
y平面の強度分布をI0(x,y)とIz(x,y)とす
ると、u0(x,y)とuZ(x,y)は、次式で与えら
れる。 u0(x,y)=[I0(x,y)/∬I0(x,y)d
xdy]1/2 uZ(x,y)=[Iz(x,y)/∬Iz(x,y)d
xdy]1/2
【0009】(1)z=0の位置での位相分布φ
0(x,y)を均一な初期位相分布φ0’(x,y)[例
えば、φ0’(x,y)=0]として、[φ0(x,y)
=φ0’(x,y)]、z=0の位置で測定された振幅
分布u0(x,y)と位相分布φ0(x,y)から初期複
素振幅分布u0(x,y)exp[iφ0(x,y)]を
構成する。 (2)距離+Zの伝搬計算を行い、z=Zの位置での初
期複素振幅分布uZ’(x,y)exp[iφZ(x,
y)]を求める。 (3)計算された振幅分布uZ’(x,y)をz=Zの
位置で測定された振幅分布uZ(x,y)と入れ替え、
計算された位相分布φZ(x,y)は、そのままとし
て、z=Zの位置での複素振幅分布uZ(x,y)ex
p[iφZ(x,y)]を構成する。 (4)距離−Zの伝搬計算(距離Zの逆伝搬計算)を行
い、z=0の位置での複素振幅分布u0’(x,y)e
xp[iφ0(x,y)]を求める。 (5)計算された振幅分布u0’(x,y)をz=0の
位置で測定された振幅分布u0(x,y)と入れ替え、
計算された位相分布φ0(x,y)はそのままとして、
z=0の位置での複素振幅分布u0(x,y)exp
[iφ0(x,y)]を構成する。
0(x,y)を均一な初期位相分布φ0’(x,y)[例
えば、φ0’(x,y)=0]として、[φ0(x,y)
=φ0’(x,y)]、z=0の位置で測定された振幅
分布u0(x,y)と位相分布φ0(x,y)から初期複
素振幅分布u0(x,y)exp[iφ0(x,y)]を
構成する。 (2)距離+Zの伝搬計算を行い、z=Zの位置での初
期複素振幅分布uZ’(x,y)exp[iφZ(x,
y)]を求める。 (3)計算された振幅分布uZ’(x,y)をz=Zの
位置で測定された振幅分布uZ(x,y)と入れ替え、
計算された位相分布φZ(x,y)は、そのままとし
て、z=Zの位置での複素振幅分布uZ(x,y)ex
p[iφZ(x,y)]を構成する。 (4)距離−Zの伝搬計算(距離Zの逆伝搬計算)を行
い、z=0の位置での複素振幅分布u0’(x,y)e
xp[iφ0(x,y)]を求める。 (5)計算された振幅分布u0’(x,y)をz=0の
位置で測定された振幅分布u0(x,y)と入れ替え、
計算された位相分布φ0(x,y)はそのままとして、
z=0の位置での複素振幅分布u0(x,y)exp
[iφ0(x,y)]を構成する。
【0010】上記ステップ(2)〜(5)から成るループ
を、計算された強度分布[u0’(x,y)]2と測定さ
れた強度分布[u0(x,y)]2のrms(root−
mean−square)エラー値が許容値以内になる
まで繰り返し、最終的に、z=0の位置での位相分布φ
0(x,y)即ち、波面[又は、z=Zの位置での位相
分布φZ(x,y)]を求める。
を、計算された強度分布[u0’(x,y)]2と測定さ
れた強度分布[u0(x,y)]2のrms(root−
mean−square)エラー値が許容値以内になる
まで繰り返し、最終的に、z=0の位置での位相分布φ
0(x,y)即ち、波面[又は、z=Zの位置での位相
分布φZ(x,y)]を求める。
【0011】前記ステップ(2)又は(4)は、それぞ
れ、次のフレネル伝搬計算を含むことができる。 [(∂2/∂x2)+(∂2/∂y2)]u+2ik(∂u
/∂z)=0 ここで、uは複素振幅分布、iは虚数単位、k(=2π
/λ)は波数、λは波長である。所定の計算アルゴリズ
ムが、フレネル伝搬計算アルゴリズムを含むることによ
り、2つの平面の間隔が任意に選択可能にされ、また、
2つの平面以外のレーザー光の波面が推定可能とされ
る。本発明の測定法においてレーザー光は、広帯域バン
ド幅を有する極短パルスのレーザー光であることができ
る。
れ、次のフレネル伝搬計算を含むことができる。 [(∂2/∂x2)+(∂2/∂y2)]u+2ik(∂u
/∂z)=0 ここで、uは複素振幅分布、iは虚数単位、k(=2π
/λ)は波数、λは波長である。所定の計算アルゴリズ
ムが、フレネル伝搬計算アルゴリズムを含むることによ
り、2つの平面の間隔が任意に選択可能にされ、また、
2つの平面以外のレーザー光の波面が推定可能とされ
る。本発明の測定法においてレーザー光は、広帯域バン
ド幅を有する極短パルスのレーザー光であることができ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の測定方法を実施
するレーザー光の波面の測定装置30の構成図である。
測定装置30は、レーザー光18の光軸に沿って、間隔
Zだけ離れた2個所におけるレーザー光の強度分布を測
定するために、2組のビームスプリッター42、52及
びCCDカメラ43、53を備える。
するレーザー光の波面の測定装置30の構成図である。
測定装置30は、レーザー光18の光軸に沿って、間隔
Zだけ離れた2個所におけるレーザー光の強度分布を測
定するために、2組のビームスプリッター42、52及
びCCDカメラ43、53を備える。
【0013】図2は、測定されたレーザー光の強度分布
から波面(位相分布)を求める計算アルゴリズムを示す
フロー図である。図2において、レーザー光は、z軸方
向に沿って伝搬すると仮定し、z軸に垂直な面をx−y
平面とする。図2において、u0(x,y)とuZ(x,
y)は、それぞれz=0とz=Zの位置でのx−y平面
の(規格化)振幅分布であり、z=0とz=Zの位置で
測定されたx−y平面の強度分布をI0(x,y)とIz
(x,y)とすると、u0(x,y)とuZ(x,y)
は、次式で与えられる。 u0(x,y)=[I0(x,y)/∬I0(x,y)d
xdy]1/2 uZ(x,y)=[Iz(x,y)/∬Iz(x,y)d
xdy]1/2 図2において、φ0’(x,y)は、x−y平面の初期
位相分布であり、φ0(x,y)は、z=0位置でのx
−y平面の位相分布である。φz(x,y)は、z=Z
位置でのx−y平面の位相分布である。
から波面(位相分布)を求める計算アルゴリズムを示す
フロー図である。図2において、レーザー光は、z軸方
向に沿って伝搬すると仮定し、z軸に垂直な面をx−y
平面とする。図2において、u0(x,y)とuZ(x,
y)は、それぞれz=0とz=Zの位置でのx−y平面
の(規格化)振幅分布であり、z=0とz=Zの位置で
測定されたx−y平面の強度分布をI0(x,y)とIz
(x,y)とすると、u0(x,y)とuZ(x,y)
は、次式で与えられる。 u0(x,y)=[I0(x,y)/∬I0(x,y)d
xdy]1/2 uZ(x,y)=[Iz(x,y)/∬Iz(x,y)d
xdy]1/2 図2において、φ0’(x,y)は、x−y平面の初期
位相分布であり、φ0(x,y)は、z=0位置でのx
−y平面の位相分布である。φz(x,y)は、z=Z
位置でのx−y平面の位相分布である。
【0014】図2の計算アルゴリズムは、以下の5ステ
ップから構成される。 (1)z=0の位置での位相分布φ0(x,y)を均一
な初期位相分布φ0’(x,y)[例えば、φ0’(x,
y)=0]として、[φ0(x,y)=φ0’(x,
y)]、z=0の位置で測定された振幅分布u0(x,
y)と位相分布φ0(x,y)から初期複素振幅分布u0
(x,y)exp[iφ0(x,y)]を構成する。 (2)距離+Zの伝搬計算を行い、z=Zの位置での初
期複素振幅分布uZ’(x,y)exp[iφZ(x,
y)]を求める。 (3)計算された振幅分布uZ’(x,y)をz=Zの
位置で測定された振幅分布uZ(x,y)と入れ替え、
計算された位相分布φZ(x,y)は、そのままとし
て、z=Zの位置での複素振幅分布uZ(x,y)ex
p[iφZ(x,y)]を構成する。 (4)距離−Zの伝搬計算(距離Zの逆伝搬計算)を行
い、z=0の位置での複素振幅分布u0’(x,y)e
xp[iφ0(x,y)]を求める。 (5)計算された振幅分布u0’(x,y)をz=0の
位置で測定された振幅分布u0(x,y)と入れ替え、
計算された位相分布φ0(x,y)はそのままとして、
z=0の位置での複素振幅分布u0(x,y)exp
[iφ0(x,y)]を構成する。この(2)〜(5)の
ステップから成るループは、計算された強度分布
[u0’(x,y)]2と測定された強度分布[u
0(x,y)]2のrms(root−mean−squ
are)エラー値が許容値以内になるまで繰り返す。最
終的に、z=0の位置での位相分布φ0(x,y)即
ち、波面[又は、z=Zの位置での位相分布φZ(x,
y)]が求まる。
ップから構成される。 (1)z=0の位置での位相分布φ0(x,y)を均一
な初期位相分布φ0’(x,y)[例えば、φ0’(x,
y)=0]として、[φ0(x,y)=φ0’(x,
y)]、z=0の位置で測定された振幅分布u0(x,
y)と位相分布φ0(x,y)から初期複素振幅分布u0
(x,y)exp[iφ0(x,y)]を構成する。 (2)距離+Zの伝搬計算を行い、z=Zの位置での初
期複素振幅分布uZ’(x,y)exp[iφZ(x,
y)]を求める。 (3)計算された振幅分布uZ’(x,y)をz=Zの
位置で測定された振幅分布uZ(x,y)と入れ替え、
計算された位相分布φZ(x,y)は、そのままとし
て、z=Zの位置での複素振幅分布uZ(x,y)ex
p[iφZ(x,y)]を構成する。 (4)距離−Zの伝搬計算(距離Zの逆伝搬計算)を行
い、z=0の位置での複素振幅分布u0’(x,y)e
xp[iφ0(x,y)]を求める。 (5)計算された振幅分布u0’(x,y)をz=0の
位置で測定された振幅分布u0(x,y)と入れ替え、
計算された位相分布φ0(x,y)はそのままとして、
z=0の位置での複素振幅分布u0(x,y)exp
[iφ0(x,y)]を構成する。この(2)〜(5)の
ステップから成るループは、計算された強度分布
[u0’(x,y)]2と測定された強度分布[u
0(x,y)]2のrms(root−mean−squ
are)エラー値が許容値以内になるまで繰り返す。最
終的に、z=0の位置での位相分布φ0(x,y)即
ち、波面[又は、z=Zの位置での位相分布φZ(x,
y)]が求まる。
【0015】ここで、上記(2)及び(4)において行
われる近軸近似の条件下の自由空間中の光伝搬計算(フ
レネル伝搬計算)は次のように表現される。 [(∂2/∂x2)+(∂2/∂y2)]u+2ik(∂u
/∂z)=0 uは複素振幅分布、iは虚数単位、k(=2π/λ)は波
数、λは波長である。この式の解は、コンボリューショ
ン(たたきこみ)積分法を用いて数値計算することによ
り得られる。図2のステップ(2)及び(4)におい
て、このフレネル伝搬計算を用いることによって、zの
値を比較的任意に選ぶことができ、また、光軸の任意の
位置での波面が推定できる。
われる近軸近似の条件下の自由空間中の光伝搬計算(フ
レネル伝搬計算)は次のように表現される。 [(∂2/∂x2)+(∂2/∂y2)]u+2ik(∂u
/∂z)=0 uは複素振幅分布、iは虚数単位、k(=2π/λ)は波
数、λは波長である。この式の解は、コンボリューショ
ン(たたきこみ)積分法を用いて数値計算することによ
り得られる。図2のステップ(2)及び(4)におい
て、このフレネル伝搬計算を用いることによって、zの
値を比較的任意に選ぶことができ、また、光軸の任意の
位置での波面が推定できる。
【0016】図3は、レーザー光の波面を変形する装置
10の構成図である。図3の装置10は、図1のレーザ
ー光の波面の測定装置へ変形された波面を有するレーザ
ー光を供給するために使用される。図3の装置10にお
いて、レーザー発生源4から放射されるヘリウムネオン
(He−Ne)レーザー光8が、焦点距離+200mm
のレンズ15及び焦点距離+600mmのレンズ16を
用いるテレスコープでレーザー光のビーム径を約2mm
まで拡大された。また、2つのレンズの間隔を変化させ
ることや出射側のレンズを傾けることによってレーザー
光の波面が変形された。変形されたレーザー光18は、
図1に示すCCDカメラ43、53を用いる装置によ
り、レーザー光軸に沿う2箇所におけるレーザー光18
の強度分布が測定され、図2に示すアルゴリズムを用い
てレーザー光の波面が求められた。
10の構成図である。図3の装置10は、図1のレーザ
ー光の波面の測定装置へ変形された波面を有するレーザ
ー光を供給するために使用される。図3の装置10にお
いて、レーザー発生源4から放射されるヘリウムネオン
(He−Ne)レーザー光8が、焦点距離+200mm
のレンズ15及び焦点距離+600mmのレンズ16を
用いるテレスコープでレーザー光のビーム径を約2mm
まで拡大された。また、2つのレンズの間隔を変化させ
ることや出射側のレンズを傾けることによってレーザー
光の波面が変形された。変形されたレーザー光18は、
図1に示すCCDカメラ43、53を用いる装置によ
り、レーザー光軸に沿う2箇所におけるレーザー光18
の強度分布が測定され、図2に示すアルゴリズムを用い
てレーザー光の波面が求められた。
【0017】本発明のフレネル伝搬計算アルゴリズムを
含む測定法を用いた測定結果を図4(a)−(c)に示
す。比較のため従来法であるシェアリング干渉法[測定
精度は、λ/10 (peak−to−valle
y)、λ/50 (rms)以内]を用いた測定結果を
図4(d)−(f)に示す。図4は、レーザー光のx−
y平面での波面の凹凸形状を白黒の濃淡で示したもので
ある。本発明の波面の測定法の測定精度は、従来法との
比較により、peak−to−valley値でλ/1
0以内、rms値でλ/50以内であることが分かっ
た。
含む測定法を用いた測定結果を図4(a)−(c)に示
す。比較のため従来法であるシェアリング干渉法[測定
精度は、λ/10 (peak−to−valle
y)、λ/50 (rms)以内]を用いた測定結果を
図4(d)−(f)に示す。図4は、レーザー光のx−
y平面での波面の凹凸形状を白黒の濃淡で示したもので
ある。本発明の波面の測定法の測定精度は、従来法との
比較により、peak−to−valley値でλ/1
0以内、rms値でλ/50以内であることが分かっ
た。
【0018】
【発明の効果】本発明は、次の作用効果を奏する。 (1)レーザー光の強度分布の測定のみから波面を得る
ことができる。これにより、装置構成が簡便となり、小
型化が可能となる。 (2)所定の計算アルゴリズムが、フレネル伝搬計算を
含むことにより、測定される2つの平面の間隔を比較的
任意に選べる。 (3)所定の計算アルゴリズムが、フレネル伝搬計算を
含むことにより、光軸の任意の位置での波面の推定が可
能である。 (4)広帯域のバンド幅を有する極短パルスのレーザー
光を含むあらゆるレーザー光に対応できる。
ことができる。これにより、装置構成が簡便となり、小
型化が可能となる。 (2)所定の計算アルゴリズムが、フレネル伝搬計算を
含むことにより、測定される2つの平面の間隔を比較的
任意に選べる。 (3)所定の計算アルゴリズムが、フレネル伝搬計算を
含むことにより、光軸の任意の位置での波面の推定が可
能である。 (4)広帯域のバンド幅を有する極短パルスのレーザー
光を含むあらゆるレーザー光に対応できる。
【図1】レーザー波面測定装置の構成図。
【図2】強度分布から波面を求める計算アルゴリズムの
フロー図。
フロー図。
【図3】レーザー光の波面を変形する装置の構成図。
【図4】図4は、レーザー波面の測定の実施例及び比較
例を示す図であり、図4(a)、(b)、(c)は、本
発明による測定結果であり、図4(d)、(e)、
(f)は、従来のシェアリング干渉法を用いた測定結果
である。
例を示す図であり、図4(a)、(b)、(c)は、本
発明による測定結果であり、図4(d)、(e)、
(f)は、従来のシェアリング干渉法を用いた測定結果
である。
4:レーザー発生源、8、18:レーザー光、10:波
面を変形する装置、15、16:レンズ、30:測定装
置、42、52:ビームスプリッター、43、53:C
CDカメラ。
面を変形する装置、15、16:レンズ、30:測定装
置、42、52:ビームスプリッター、43、53:C
CDカメラ。
Claims (5)
- 【請求項1】 レーザー光の波面の測定法であって、レ
ーザー光の光軸(z)に垂直な且つ光軸に沿って間隔を
有する2つの平面でのレーザー光の強度分布を測定する
段階、及び前記段階により得られた測定値(I0,IZ)
に基づき所定の計算アルゴリズムに従ってレーザー光の
波面φ(x,y)を求める段階を含むことを特徴とする
測定法。 - 【請求項2】記所定の計算アルゴリズムは、次のステッ
プ(1)〜(5)を含む請求項1のレーザー光の波面の
測定法。ここで、φ0’(x,y)は、x−y平面の初
期位相分布であり、φ0(x,y)は、z=0位置での
x−y平面の位相分布であり、φz(x,y)は、z=
Z位置でのx−y平面の位相分布である。また、u
0(x,y)とuZ(x,y)は、それぞれz=0とz=
Zの位置でのx−y平面の(規格化)振幅分布であり、
z=0とz=Zの位置で測定されたx−y平面の強度分
布をI0(x,y)とIz(x,y)とすると、u
0(x,y)とuZ(x,y)は、次式で与えられる。 u0(x,y)=[I0(x,y)/∬I0(x,y)d
xdy]1/2 uZ(x,y)=[Iz(x,y)/∬Iz(x,y)d
xdy]1/2 (1)z=0の位置での位相分布φ0(x,y)を均一
な初期位相分布φ0’(x,y)として、[φ0(x,
y)=φ0’(x,y)]、z=0の位置で測定された
振幅分布u0(x,y)と位相分布φ0(x,y)から初
期複素振幅分布u0(x,y)exp[iφ0(x,
y)]を構成する。 (2)距離+Zの伝搬計算を行い、z=Zの位置での初
期複素振幅分布uZ’(x,y)exp[iφZ(x,
y)]を求める。 (3)計算された振幅分布uZ’(x,y)をz=Zの
位置で測定された振幅分布uZ(x,y)と入れ替え、
計算された位相分布φZ(x,y)は、そのままとし
て、z=Zの位置での複素振幅分布uZ(x,y)ex
p[iφZ(x,y)]を構成する。 (4)距離−Zの伝搬計算(距離Zの逆伝搬計算)を行
い、z=0の位置での複素振幅分布u0’(x,y)e
xp[iφ0(x,y)]を求める。 (5)計算された振幅分布u0’(x,y)をz=0の
位置で測定された振幅分布u0(x,y)と入れ替え、
計算された位相分布φ0(x,y)はそのままとして、
z=0の位置での複素振幅分布u0(x,y)exp
[iφ0(x,y)]を構成する。 - 【請求項3】 請求項2の測定法であって、上記ステッ
プ(2)〜(5)から成るループを、計算された強度分布
[u0’(x,y)]2と測定された強度分布[u
0(x,y)]2のrms(root−mean−squ
are)エラー値が許容値以内になるまで繰り返し、最
終的に、z=0の位置での位相分布φ0(x,y)即
ち、波面[又は、z=Zの位置での位相分布φZ(x,
y)]を求める測定法。 - 【請求項4】請求項2又は3の測定法であって、前記ス
テップ(2)又は(4)は、次のフレネル伝搬計算を含
む測定法。 [(∂2/∂x2)+(∂2/∂y2)]u+2ik(∂u
/∂z)=0 ここで、uは複素振幅分布、iは虚数単位、k(=2π
/λ)は波数、λは波長である。 - 【請求項5】前記レーザー光は、広帯域バンド幅を有す
る極短パルスのレーザー光である請求項1乃至4のいず
れか1項の測定法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28818399A JP2001108529A (ja) | 1999-10-08 | 1999-10-08 | レーザー光の波面の測定法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28818399A JP2001108529A (ja) | 1999-10-08 | 1999-10-08 | レーザー光の波面の測定法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001108529A true JP2001108529A (ja) | 2001-04-20 |
Family
ID=17726896
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28818399A Pending JP2001108529A (ja) | 1999-10-08 | 1999-10-08 | レーザー光の波面の測定法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001108529A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001108530A (ja) * | 1999-10-08 | 2001-04-20 | Japan Atom Energy Res Inst | レーザー光の波面の測定法 |
WO2003091685A1 (en) * | 2002-04-23 | 2003-11-06 | The University Of Adelaide | Optical testing method and apparatus |
-
1999
- 1999-10-08 JP JP28818399A patent/JP2001108529A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001108530A (ja) * | 1999-10-08 | 2001-04-20 | Japan Atom Energy Res Inst | レーザー光の波面の測定法 |
JP4729733B2 (ja) * | 1999-10-08 | 2011-07-20 | 独立行政法人 日本原子力研究開発機構 | レーザー光の波面の測定法 |
WO2003091685A1 (en) * | 2002-04-23 | 2003-11-06 | The University Of Adelaide | Optical testing method and apparatus |
US7307706B2 (en) | 2002-04-23 | 2007-12-11 | The University Of Adelaide | Optical testing method and apparatus |
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