JP2001108159A - 補強入りゴムホース及びその製法 - Google Patents

補強入りゴムホース及びその製法

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JP2001108159A
JP2001108159A JP28611799A JP28611799A JP2001108159A JP 2001108159 A JP2001108159 A JP 2001108159A JP 28611799 A JP28611799 A JP 28611799A JP 28611799 A JP28611799 A JP 28611799A JP 2001108159 A JP2001108159 A JP 2001108159A
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reinforcing
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hose
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Yuji Hirano
祐治 平野
Hiromi Fujii
寛美 藤井
Eisuke Watanabe
英祐 渡邊
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Yamashita Rubber Co Ltd
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Yamashita Rubber Co Ltd
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  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 薄肉でかつ耐圧性及び耐透過性が優れた補強
入りホースを得る。 【手段】 予め補強布5とフィルム6を張り合わせて一
体化し、これを押出成形機のダイスへ筒状に丸めながら
供給し、同時にダイス内にて補強中間層3の内外へ内層
2と外層4を押し出して一体化した補強入りホースを成
形する。補強布5とフィルム6が補強中間層3として一
体化しているため、内層2と外層4の間へ偏在せず、均
一に一体化するので、ゴムホース1を薄肉に成形しても
実用上十分な性能を得ることができ、その結果軽量化す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、補強布等の補強
中間層を一体化した薄肉補強入りゴムホース及びその製
法に関する。なお、本願発明において、薄肉とは、補強
中間層を含む内層及び外層の合計肉厚が約3.5mm以下
のものをいう。
【0002】
【従来の技術】ゴムホースの耐圧構造として、ゴムホー
スの肉厚内に補強布を入れて補強層を形成することは公
知である。この補強層の形成方法としては、内層を押し
出してから、その上へ補強糸をスパイラル巻きし、さら
にその上へ外層を押出成形する方法、または、押出成形
用のダイスへ補強布を筒状に丸めながら供給し、ダイス
内で補強布の内外から同時に溶融原料を供給して一体に
押し出す方法がある(特公昭52−17855号)。
【0003】一方、燃料ホース等では通過する燃料の透
過を防ぐため、フィルムを一体化することも公知であ
り、例えば、特開平7−314610号では、フッ素系
フィルムを中間層とし、内外層を同時に押し出すことが
開示されている。
【0004】
【発明の解決しようとする課題】ところで、自動車用燃
料ホース等の特殊用途においては、耐圧性(耐圧耐久性
を含む)、耐透過性を備えるのはもちろん、さらに薄肉
・軽量化が要求される場合がある。しかし薄肉・軽量を
実現するには肉厚を薄くすればよいが、単純に薄肉化す
るとゴム層が薄くなるため、耐圧耐久強度の低下、加圧
時・負圧時のホースの変形量増大、ホース内容液の透過
量増大、生材ホース加硫時におけるマンドレルへの挿入
性悪化及び加硫ホースの接続相手側バルジにおける挿入
性悪化等の弊害が生じる。
【0005】このうち、耐圧強度の向上に関しては、補
強布を入れればある程度の耐圧強度を向上できる。しか
し補強布では耐透過性を改善できない。すなわち、ゴム
ホースの透過性は、実質的にゴム層の材質と厚みに依存
し、補強布の寄与する役割は小さいので、補強布を内容
液が容易に透過してしまう。
【0006】これに対して、プラスチックフィルムを用
いれば、フィルムがバリアー層として機能するため耐透
過性が格段に向上する。しかし、このフィルムは、ゴム
ホース全体の薄肉化のために可能な限り薄くなければな
らず、さらに加硫時におけるマンドレル挿入性等を改善
するため柔軟性に優れ、加硫工程でフィルム端面の接着
が可能になるよう融点が加硫温度より低いことが望まれ
る。ところが、このような条件を満足するフィルムは薄
く、柔らかく、そのうえ融点が低いものであるから、押
出温度と押出圧力に負けて破れ易いものであり、ゴムホ
ースと同時に押出成形することが非常に困難であった。
【0007】そこで、これらの問題を解決するため、補
強布とフィルムを両方用いて中間層を形成することが考
えられる。しかしながら、このような中間層の形成を、
内層押し出し、補強布形成、フィルム巻きつけ、外層押
出と、順次に工程を連ねる従来例方法(逐次押出とい
う)で行うとすれば生産効率が著しく低下する。
【0008】一方、押出成形のダイス内で内外層と補強
層を一体化する方法を採用すれば、逐次押出よりは効率
化するものと考えられるが、この場合は、補強布とフィ
ルムを内層と外層の間へ別々にかつ同時に供給しなけれ
ばならない。したがってこの方法では補強布とフィルム
の位置決めが困難であり、例えば、それぞれ別個の方向
へ偏心することにより相互の相対位置がずれて偏在し易
くなる。この偏在は薄肉ホースにおいて実用上顕著な問
題を生じる。
【0009】すなわち、外層側へ偏在すると、破れ易く
なりかつ布目が表面に浮き出てくれば商品性を損なう。
逆に、内層側へ偏在すると、内層が薄肉になるので、シ
ール性が低下する。また、周方向で部分的に偏在する
と、パイプ等への接続時にクリップで緊縛するとき、周
方向の緊縛力が不均一になるため、やはりシール性が低
下する。
【0010】また、ゴムホースの押出時にフィルムと補
強布のずれにより皺などの外観不良が発生し易くなり、
このフィルムと補強布のずれに起因してフィルムの破れ
易くなったり、局部的に薄い部分が生じることによる耐
透過性低下等の不具合が生じる。
【0011】さらに、フィルムと補強布の間に隙間が生
じ易く、この隙間により補強中間層が厚くなり、かつ表
面に凹凸が生じ易くなるため、ゴムホースの内外表面に
糸目が浮き出た外観不良が発生し易くなる。また、ゴム
ホースの内外層間における追従性が低下するため耐圧性
が低下し、加硫マンドレル挿入時や接続側バルジ挿入時
にフィルムの破れが生じ易くなる。
【0012】したがって、薄肉の補強入りゴムホースを
製造するための根本条件として、補強布とフィルムを偏
在せずに一体化できることが切望されるところとなり、
本願発明は係る要請を実現するものである。
【0013】
【上記課題を解決するための手段】上記課題を解決する
ため本願発明に係る補強入りゴムホースは、内層と外層
の間に補強布等の補強繊維層を含む補強中間層を設けた
補強入りゴムホースにおいて、前記補強中間層が補強繊
維層とフィルムを一体化して形成したものであることを
特徴とする。
【0014】また、本願発明に係る上記補強入りゴムホ
ースの製法は、予め補強繊維層とフィルムを一体化した
補強中間層を形成し、この補強中間層を筒状に丸めなが
らダイスへ送り込み、ダイス内において補強中間層の内
側及び外側から同時に溶融原料を供給して、内層と外層
の間に補強中間層を設けたホースを押し出すことを特徴
とする。
【0015】
【発明の効果】本願発明の補強入りゴムホースは、補強
繊維層とフィルムを一体化した補強中間層を形成するの
で、耐圧性及び耐透過性の双方を同時に満足させて薄肉
・軽量化したゴムホースを得ることができる。しかも、
補強中間層をゴムホースの肉厚内で偏在することなく、
均一に形成できるので、外層側への遍在を防止して破れ
にくくすることができ、内層側への遍在や周方向への部
分的な遍在を防いでシール性を良好にし、かつ、布目を
浮き出させずに商品性を高め、クリップによる緊縛力も
均一化させることができる。
【0016】そのうえ、フィルムと補強繊維層のずれが
生じないので、皺などの外観不良の発生を抑制し、この
フィルムと補強繊維層のずれに起因するフィルムの破れ
や、局部的に薄い部分が生じることによる耐透過性低下
等の不具合を解決する。
【0017】さらに、フィルムと補強繊維層の間に隙間
が生じないので補強中間層を可及的に薄くできる。ま
た、ゴムホースの内外層間における追従性が向上するた
め耐圧性や耐圧耐久性が向上し、加硫マンドレル挿入時
や接続側バルジ挿入時にフィルムの破れを防止でき、こ
れら挿入や接続における作業性を改善できる。
【0018】また、本願発明の補強入りゴムホースの製
法は、予め補強繊維層とフィルムを一体化して補強部材
を形成し、これをダイス内で補強中間層としてその内外
へ内層と外層を同時に押出成形するから、極めて効率的
に製造できるとともに、補強中間層の位置を偏在させ
ず、かつ押出時にフィルムと補強繊維層のずれが生じさ
せないようにできる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、自動車等
の内燃機関における燃料ホースに適用される一実施例を
説明する。図1及び図2に示すホース1は、内層2、補
強中間層3及び外層4からなり、補強中間層3は本願発
明における補強繊維層の一例である補強布5とフィルム
6を張り合わせて一体化したものである。
【0020】図3はこのホース1の使用態様を示す図で
あり、長さ方向一端部の穴へ接続相手であるジョイント
パイプ7の先端部に形成されたバルジ部8を押し込み、
周囲をバンド状のクリップ9で緊縛してある。
【0021】再び図2において、補強中間層3の位置
は、ホース1の外径(すなわち外層4の外径と同じ)を
D,肉厚をT、内層2の外表面までの直径をD1、内層
の肉厚をT1、補強中間層の厚みをT2、外層4の肉厚
をT3としたとき、D=35.7mm,D1=33.5mm
である。またT1≒T3であり、かつ補強中間層3は内
層2と外層4の境界部分へリング状に形成されるように
設定する。
【0022】本願発明においては、T=1.5〜5.0
mm、好ましくは2.0〜3.5mmである。特に、肉厚T
が3.0mm以下のものは、補強布5とフィルム6を別々
に供給しながら同時に押出成形しようとする場合、これ
ら中間層の遍在が顕著化することにより実用性のある性
能を得ることができない程度に薄肉化しているものであ
る。
【0023】補強中間層3の厚さT2は、0.06〜
1.5mm、好ましくは0.13〜0.8mmであり、その
内訳は、補強布5の厚さが、0.05〜1.0mm、好ま
しくは0.1〜0.5mm、フィルム6の厚さが、0.0
1〜0.5mm、好ましくは0.03〜0.3mmとする。
但し、押し出し後の補強布5は内層3または外層4内へ
食い込んでいるから、実質的な内外層の境界はフィルム
6となる。
【0024】具体的な一例では、ホース1の外径Dは、
35.7mmであり、その肉厚Tは2.6mmである。この
肉厚Tは後述する比較例の肉厚が4.5mmであるのに対
して著しく薄肉である。また、内層2と外層4の肉厚T
1,T3がそれぞれ 1.1mm補強中間層3の厚みT
2は0.4mmである。
【0025】補強中間層3の位置は、内層2と外層4の
各肉厚T1,T3の差が±0.3mm以内になるように設
定する。この数値は本願発明において初めて設定可能に
なったものであり、製品に要求される性能に応じて任意
に設定でき、数値を小さくすればより精度が高くなり、
それだけ薄肉化が可能になる。
【0026】また、ホース肉厚Tは円周方向において若
干ながら変化が生じるので、任意の場所でホース1を横
断方向へカットして得られる断面において、円周方向に
肉厚Tをノギスで計り、その最大値と最小値の差を偏肉
とし、これを0.6mm以内とする。この数値は後述する
比較例における許容値を1mmに設定した場合に相当す
る。
【0027】以上により得られた実施例を比較例(耐透
過性、耐圧性において同等性能でかつ本願発明が適用さ
れない従来例)と比較したものを表1に示す。なお、こ
の表の測定値は、雰囲気温度40゜Cにて、透過性測定
溶液として試験用燃料油C(JIS試験規格の試験用燃
料油,イソオクタンとトルエンを各50容量%混合)を
用いて測定したものである。
【表1】
【0028】次に、各構成部の詳細につきさらに説明す
る。まず、内層2及び外層4は同じゴム系材料であり、
NBR、SBR(スチレンブタジエンゴム)、CR(ク
ロロプレンゴム)、IIB(ブチルゴム)、CSM(ク
ロロスルホン化ポリエチレン)、ECO(エピクロルヒ
ドリンゴム)、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴ
ム)などを強度、耐熱性、耐候性、耐薬品性、耐油性、
耐寒性、耐透過性、硬度、比重、価格等から要求特性に
基づいて選択する。但し、内層2と外層4を同材料の組
み合せのみならず異種材料を組み合わせて製造すること
ができる。
【0029】補強中間層3を構成する補強繊維層をなす
補強布5は、織布、不織布または編み物等用途に応じて
いずれも可能であり、その構成材料は公知の種々のもの
を採用できるが、特に、アラミド、PA(ナイロン)
6,PA66、PET(ポリエチレンテレフタレー
ト)、PBT(ポリブチレンテレフタレート),PPS
(ポリフェニレンサルファイド),PVA(ポリビニル
アルコール)等の中から用途に合わせて適宜選択するこ
とが望ましい。
【0030】補強布5の役割は主に耐圧外径変化の防止
で、強度、耐熱性、耐屈曲性、耐吸水性、耐加水分解性
等の性能の優れた繊維を使用していることが望ましい。
一般的に補強布5は長手方向に強く延伸配向させた単糸
を撚り合わせて織り構造にしているため、一定範囲の応
力を織り構造自体の伸縮変形で保持し、それ以上の応力
に対しては糸自体の抗張力で保持することが可能であ
る。繊維の織り構造はラッセル編みや平織りなど種々あ
るが、薄くて耐圧外径変化が小さい、例えば平織りのよ
うな編み構造が好ましい。
【0031】補強中間層3を構成するフィルム6は、耐
透過性の向上を目的とするが、若干ながら耐圧変形防止
の役割も果たす。性能の点から融点が100℃以上30
0℃以下の熱可塑性材料である。融点がホースの加硫温
度(例えば、160゜C)より低い場合は、加硫工程で
フィルムの重なった面同士が融着することにより補強効
果と耐透過性が向上する。
【0032】融点が加硫温度以上であっても、加硫温度
で軟化する性質のプラスチックであれば加工が容易にな
るし、また接着剤を使用すればフィルム同士の端面接着
が可能である。さらにはフィルムを多層構造にすれば、
加硫温度より融点の高い耐熱性プラスチックと、低融点
でヒートシール性の優れたフィルムを組み合わせて使用
することも可能である。
【0033】本発明で用いられるフィルム材料は、HD
PE(高密度ポリエチレン)、LLDPE(直鎖状低密
度ポリエチレン)、エチレンビニルアルコール共重合
体、PVDC(ポリエンカビニリデン)、PP(ポリプ
ロピレン)、PPS、PET、PBT(ポリブチレンテ
レフタレート)、PA6、PA66、PA11、PA1
2、3元フッ素樹脂等の樹脂、またはこれらに対してア
ルミやセラミック等の蒸着フィルムなどを強度、耐圧
性、耐透過性、耐熱温度、柔軟性等から用途に合わせて
選択する。このようなフィルムの製法は、インフレーシ
ョンフィルム成形とTダイ成形のどちらでもよく、両成
形法とも多層押出が可能である。さらには多層張り合わ
せによることもできる。
【0034】ゴムホースを薄肉化する目的で単純にゴム
の肉厚を薄くすれば、逆に透過量は増加する。内容液の
透過はゴム材料や内容液の種類、材料厚みや材料のガス
透過性、内圧等が因子として作用し、ガス透過性に働く
材料因子としては、極性、結晶化度、配向性、結晶構造
等が挙げられる。一般的にプラスチックはゴムに比べて
ガス透過性に優れ、数十μm厚のフィルムの方が数mm厚
のゴムよりも耐ガス透過性が優れる場合も多い。このフ
ィルムの優れた耐ガス透過性をいかすには、0.03mm
から0.3mmの厚みのフィルムが好ましく、あまり厚す
ぎてはホースの屈曲性に支障を来す影響が大きくなる。
【0035】フィルム6の主目的は耐透過性であるか
ら、長期の耐熱耐圧環境下でも性能低下しない材料が好
ましい。ところがこのような条件に適合する耐熱性プラ
スチックは融点が高く、フィルム6の端面同士を加硫工
程で融着するのは困難である。そこで、耐透過性フィル
ムに加えて、フィルム融着用にシーラントフィルムを積
層してヒートシール可能な構成にもできる。シーラント
フィルムとして使用可能なプラスチックは、ポリエチレ
ンかプロピレンが適当であり、フィルム押出工程で多層
押し出すれば容易に目的のフィルムを得ることができ
る。
【0036】これらの補強布5とフィルム6は張り合わ
されて一体化した補強中間層3を形成する。この補強中
間層3は、補強布5一層に対し、フィルム6を1層から
4層使用する。積層の構成としては、補強布に対して透
過性フィルム一層、補強布と耐透過性プラスチックとシ
ーラントフィルム、補強層と耐透過性フィルムを張り合
わせた両面にシーラントフィルム等、2種2層、2種3
層、3種4層、3種5層、5種5層等の構成が可能であ
る。
【0037】フィルム6と補強布5の接着法は、両者を
接着可能な接着法ならばその手法を問わない。フィルム
6と補強布5を接着剤で接着する方法以外にも溶着や圧
着も可能である。いずれの場合であっても、ホースの押
出工程前に予めフィルム6と補強布5を接着一体化して
補強中間層3を形成しておく。
【0038】次に、ホースの成形方法を説明する。図4
はこの成形方法の一例であり、まず、補強布5とフィル
ム6をそれぞれ原反ロール10,11から供給して張り
合わせロール12で張り合わせ一体化して補強部材13
をテープ状に形成する(ロール接着の場合)。
【0039】続いてこの補強部材13を丸めて筒状にし
ながら押し出しダイ14の中間通路15へ供給する。中
間通路15は補強部材13(補強中間層3)を供給する
ための通路であり、その内外に内層用の内側通路16と
外層用の外側通路17が設けられ、それぞれの内外層を
なすための溶融原料が供給される。
【0040】これら3通路は集合通路18で合流し、こ
の集合通路18を通ってホース1が押し出される。この
ホース1は前記本願発明のものと同一構造である。この
ホース1は未加硫もしくは半加硫の状態にあり、引き続
き図示しない加硫工程等へ移行する。すなわちこの押し
出されたホースを所定寸法にカットし、マンドレルに装
着して加硫温度に加熱することにより所定時間加硫し、
例えば、3次元方向等に曲がった曲線状の最終製品を得
る。
【0041】次に、本実施例の作用を説明する。上記の
ようにフィルム6と補強布5を接着一体化した補強中間
層3を用いたので、フィルム3による優れた耐透過性
と、補強布5による優れた耐圧性を兼ね備えることがで
き、これによりゴムホース1をこれら耐透過性と耐圧性
を同時に備えつつも従来と比べて遥かに薄肉化でき、そ
の結果、軽量化も実現できる。
【0042】しかも、補強中間層3をゴムホース1の肉
厚内で偏在することなく均一に形成でき、フィルム6と
補強布5がそれぞれ別個の方向へ偏心して相対的にずれ
を生じるようなことがないので、外層4側への遍在を防
止して破れにくくすることができ、かつ内層2側への遍
在や周方向への部分的な遍在を防いでシール性を良好に
できる。そのうえ布目を浮き出させずに商品性を高め、
クリップ9による緊縛力も均一化させることができる。
【0043】さらに、補強中間層3が、フィルム6と補
強布5を接着して張り合わせることにより予め一体化し
たものであることにより以下の効果がある。 ・補強布5の補強効果により、従来までは押出成形が困
難だった薄く柔らかくかつ融点の低いプラスチックのフ
ィルム6を問題なく押出成形することが可能になり、こ
のような特徴のあるフィルム6を用いた薄肉のゴムホー
ス1も押出成形可能になった。 ・フィルム6と補強布5を別個の工程で押し出す必要が
なくなり、作業性が改善され、生産効率が著しく向上す
る。 ・押出時に生じるフィルム6と補強布5のずれや皺など
の外観不良が解消され、フィルム6と補強布5のずれに
起因するフィルム6の破れ、または薄い部分が生じるこ
とによる耐透過性の低下の不具合が解消された。 ・加硫マンドレル挿入時や接続側バルジ挿入時にフィル
ム6と補強布5の追従性が向上したため、フィルム6の
破れを防止できるようになった。 ・フィルム6と補強布5を接着することでフィルム6と
補強布5の隙間がなくなり、接着しない場合に比べて厚
みを抑えることができた。 ・フィルム6と補強布5の接着で補強布6表面の凹凸を
なだらかにして、ゴムホース1の内外表面に糸目が浮き
出る外観不良を抑えることができた。 ・補強布5表面の凹凸をなだらかにしたことで、ゴムホ
ース1内外の追従性が向上するため、接着しない場合に
比べて耐圧性や耐圧耐久性が向上した。 ・平織り構造の補強布5を使用した場合、加圧の影響で
糸がずれて外径変化率が大きくなる問題が起きることが
あるが、フィルムと接着することで糸ずれを防止できる
ようになった。 ・補強布5の伸縮をフィルム6がさらに抑制するため、
ホースの外径変化を低く抑えることができ、耐圧耐久性
やシール性が向上した。
【0044】なお、本願発明は上記実施例に限定されず
種々に変更・応用可能であり、例えば、内外層、特に外
層4に対して、ゴム材料100重量部に、熱可塑性樹脂
を2〜30重量部にブレンドしたものを使用すれば、ゴ
ムホースの加工性と性能をさらに改善することが可能で
ある。ブレンド用の樹脂として、例えば、PP、ポリP
E(エチレン)、PBT、ポリメチルペンテン、PS、
PVC、PA、PU(ポリウレタン)等を使用できる。
【0045】ゴム材料中の樹脂はゴムと非相溶であれ
ば、加硫後も樹脂そのままで含有される。加硫ゴム中の
樹脂は、熱可塑性の性質を有したままのため、軟化点以
上の温度にすれば可塑性を示すようになる。加硫ゴムは
一度加硫すればゴム弾性の性質を恒久的に失わない。し
かし、ゴムと熱可塑性樹脂をブレンドすることにより、
加硫後に再度加熱して変形を加えてから冷却すると再変
形後の形状を保持可能となり、再び加熱すれば再変形を
除去することが可能になる。
【0046】そこで、ホース1の押し出し直後に半加硫
してゴム硬度を上げることによりマンドレルへ挿入し易
くするとともに、その後マンドレル加硫することで、ホ
ースの生産性の問題点、すなわち曲げR部の皺やよじ
れ、端面のつぶれ、表面への軍手跡の付着等を改善可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係るゴムホースの一部切り欠き図斜視
【図2】その2−2線断面図
【図3】使用態様を示す断面図
【図4】製造工程の説明図
【符号の説明】
1:ゴムホース、2:内層、3:補強中間層、4:外
層、5:補強布、6:フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡邊 英祐 埼玉県入間郡大井町大字亀久保1239番地 山下ゴム株式会社内 Fターム(参考) 3H111 AA02 BA12 CA53 CB05 CC02 DA07 DA26 DB08 EA04 4F209 AA45 AD12 AD16 AD20 AG03 AG08 NA21 NB02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内層と外層の間に補強繊維層を含む補強
    中間層を設けた補強入りゴムホースにおいて、前記補強
    中間層が補強繊維層とフィルムを一体化して形成したも
    のであることを特徴とする補強入りゴムホース。
  2. 【請求項2】 予め補強繊維層とフィルムを一体化した
    補強中間層を形成し、この補強中間層を筒状に丸めなが
    らダイスへ送り込み、このダイス内において補強中間層
    の内側及び外側から同時に溶融原料を供給して、内層と
    外層の間に補強中間層を位置させて押し出すことを特徴
    とする補強入りゴムホースの製法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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