JP2001107882A - スクロール型流体機械及びこれに用いるスクロールの加工方法 - Google Patents

スクロール型流体機械及びこれに用いるスクロールの加工方法

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JP2001107882A
JP2001107882A JP29022199A JP29022199A JP2001107882A JP 2001107882 A JP2001107882 A JP 2001107882A JP 29022199 A JP29022199 A JP 29022199A JP 29022199 A JP29022199 A JP 29022199A JP 2001107882 A JP2001107882 A JP 2001107882A
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Toshiyuki Goto
利行 後藤
Kazuhiro Sato
和弘 佐藤
Hiroaki Bito
宏明 尾藤
Nobufumi Shinohara
伸史 篠原
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工縞による加震力の発生を抑制して、発生
する騒音を低減したスクロール流体機械を提供する。ま
た、こうしたスクロール圧縮機械に用いるスクロールの
加工方法を提供する。 【解決手段】 旋回スクロール33の渦巻状ラップ33
bの歯面33cに形成された加工縞34を、端板から傾
斜して形成し、従来の固定スクロールと噛み合ったとき
に、互いに非平行になるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スクロール型流体
機械に関する。
【0002】
【従来の技術】スクロール型流体機械は、高効率かつ低
騒音で稼動できるため、最近では空調用途や冷凍用途の
圧縮機に多用されるようになってきている。従来のスク
ロール型流体機械の一例を、図1に示す。このスクロー
ル型流体機械は、ボディハウジング1と、このボディハ
ウジング1内に設置されたスクロール圧縮機構Cと、こ
のスクロール圧縮機構Cの下部においてフレーム41に
固定された電動モータMとを備えている。また、電動モ
ータMの回転軸51が、スクロール圧縮機構Cの下部に
連結されている。
【0003】スクロール圧縮機構Cには、フレーム41
に固定された固定スクロール(第1のスクロール)21
と、この固定スクロール21と噛み合わされ、固定スク
ロール21に対して公転旋回する旋回スクロール(第2
のスクロール)31が設けられている。固定スクロール
21は、端板と、この端板の一方の面に立設された渦巻
状ラップ21bからなる。また、旋回スクロール31
は、端板31aと、端板31aの一方の面に立設された
渦巻状ラップ31bからなる。
【0004】旋回スクロール31は、回転軸51を介し
て電動モータMによって、固定スクロール21に対して
公転旋回する。前記電動モータMの回転軸51は、その
軸心から所定量偏心された偏心ピン52が上端に突出状
に設けられている。偏心ピン52は、旋回スクロール3
1の下部に軸線を同じくして立設された円筒形のボス5
3内に挿入されており、回転軸51が回転すると偏心ピ
ン52を介して、旋回スクロール31が固定スクロール
21の軸心回りを偏心して回転する。吸入したガスを複
数の圧縮室3に密閉し、この圧縮室3が外側から中心部
の吐出ポート2にかけて移動する間に次第に容積を減少
し、圧縮仕事をする。
【0005】この圧縮仕事において、旋回スクロール3
1が旋回運動する過程で、固定スクロール21と接触す
る。その際、この接触は他方のスクロールに加振力を与
え、振動を発生させる。この振動はフレーム41を経
て、ボディハウジング1に伝播される。その後、最終的
には音響エネルギーとして空気中に放射される。このよ
うにしてスクロールの加振力は騒音となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、こうしたス
クロール型流体機械においては、渦巻状ラップ21b、
31bの加工を、マシニングセンタにて行っている。マ
シニングセンタによる加工では通常エンドミルを用いて
いるが、その加工の進行に伴い、渦巻状ラップ21bの
歯面には加工縞(第1の加工縞)22が、渦巻状ラップ
31bの歯面31cには加工縞(第2の加工縞)32
が、各々形成される。図8に、渦巻状ラップ31bの歯
面31cに形成された加工縞32の一例を示す。図中L
(一点鎖線)は、加工で目的とする寸法ライン(理想ラ
イン)であるが、実際には実線のように加工によるうね
り、すなわち凸部32aと凹部32bとが交互に連続し
て現れる現象が生ずる。このうねりが加工縞32であ
る。この加工縞32は、歯の回転速度、送り速度、切削
抵抗等により様々な形態となるが、通常は歯の長手方向
に平行に形成されることとなる。図7に、従来の旋回ス
クロール31を示す。端板31aと垂直方向から歯を当
てて渦巻状ラップ31bを加工しているため、この図に
示すように、端板31aと垂直方向に加工縞が形成され
ている。なお、詳しくは後述するが、固定スクロール2
1の渦巻状ラップ21bの歯面にも同様の加工縞22が
形成されており、凸部22aと凹部22bが交互に連続
して現れる。
【0007】圧縮作用に伴う固定スクロール21と旋回
スクロール31の相対旋回時においては、互いの歯面
は、互いに平行である加工縞22と加工縞32をなぞる
ようにして線状に接触する。図9(a)に、固定スクロ
ール21と旋回スクロール31が噛み合ったときの凸部
22aと凸部32aの状態を示す。こうした凹部と凸部
をなぞる運動に伴い、互いの歯面の接触力は変動し、こ
の接触力変動が、それぞれのスクロールの振動を励起す
る加振力となる。その振動がフレーム41を経由してボ
ディハウジング1に伝搬し、騒音として放射される。さ
らには、加工縞22及び加工縞32の凹凸の度合いがひ
どい場合には、加工縞同士が相対移動することによる抵
抗が増大し、また、落ち込み、跳ね上がり等による衝撃
が発生する場合がある。
【0008】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
ので、加工縞による加震力の発生を抑制して、発生する
騒音を低減したスクロール流体機械を提供することを目
的とする。また、こうしたスクロール圧縮機械に用いる
スクロールの加工方法を提供することを目的としてい
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
端板と渦巻状ラップを各々有する第1のスクロール及び
第2のスクロールが、第1のスクロール側の渦巻状ラッ
プの歯面と第2のスクロール側の渦巻状ラップの歯面を
接触させて噛み合い、互いに相対旋回するスクロール型
流体機械において、前記第1のスクロール側の渦巻状ラ
ップの歯面に形成された第1の加工縞と、前記第2のス
クロール側の渦巻状ラップの歯面に形成された第2の加
工縞は、互いに非平行であることを特徴とする。
【0010】このスクロール型流体機械においては、第
1の加工縞と第2の加工縞のうち少なくとも一方が傾斜
するようにしている。そのため、スクロールの相対旋回
時において、第1のスクロール側の歯面と第2のスクロ
ール側の歯面とは、互いの歯面に形成された凸部のみで
点接触する。そのため、接触力変動がなくなり、発生す
る加振力を抑制でき、発生する騒音を低減できる。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1記載のス
クロール型流体機械であって、前記第1の加工縞と前記
第2の加工縞の少なくとも一方は、前記端板から前記相
対旋回の方向に向けて傾斜していることを特徴とする。
【0012】このスクロール型流体機械においては、傾
斜させた第1又は第2の加工縞を、第1のスクロールと
第2のスクロールの噛み合い時に、端板側から相対旋回
方向、すなわち、スクロールが噛み合う方向に傾斜する
ようにしている。渦巻状ラップは、歯底側がたわみにく
く、歯先側がたわみやすくなっているので、加工におけ
る加工誤差や加工縞の凹凸は、歯底側が小さく、歯先側
が大きくなる。そのため、加工縞を相対旋回方向に傾斜
しておけば、加工縞の凹凸が小さい歯底側から噛み合い
を開始するため、噛み合い開始時の衝撃は著しく小さく
できる。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項1または2
に記載のスクロール型流体機械であって、前記第1の加
工縞と前記第2の加工縞の双方は、互いに同一方向に且
つ異なる角度で傾斜していることを特徴とする。
【0014】第1の加工縞と第2の加工縞を非平行にす
ると互いの凸部同士が点接触するが、こうした接触点以
外の部分は間隙部分となる。この間隙部分の容積が大き
いと、ガスを圧縮する際にその漏れ量が大きくなる。そ
のため、このスクロール流体機械においては、第1の加
工縞と第2の加工縞の双方を同一方向に且つ異なる角度
で傾斜しているので、間隙部分の容積は小さくなり、ガ
スの漏れ量を小さくでき、スクロール流体機械の性能低
下を抑制できる。
【0015】請求項4記載の発明は、請求項1または2
に記載のスクロール型流体機械であって、前記第1の加
工縞と前記第2加工縞の双方は、互いに逆方向に傾斜し
ていることを特徴とする。
【0016】このスクロール圧縮機においては、第1の
加工縞と第2の加工縞を互いに逆方向に傾斜するように
しているので、互いに同一方向に傾斜した場合に比べ
て、接触点の数を増加させることができる。第1及び第
2のスクロールの相対旋回に伴いこの接触点の数が変化
し、接触力も変化する。接触点の数が多ければ接触力の
変化を小さくでき、加振力の発生をさらに抑制できる。
【0017】請求項5記載の発明は、請求項1から4い
ずれか記載のスクロール型流体機械に用いるスクロール
の加工方法であって、工具を前記端板に対して傾斜させ
て前記歯面を切削することを特徴とする。
【0018】このスクロールの加工方法においては、工
具を傾けることで第1又は第2のスクロールの渦巻状ラ
ップを加工し、第1又は第2の加工縞を傾斜させる。加
工縞は、材料変化やロットによるばらつきによって、微
妙に変化してしまう場合があり、安定した加工縞を形成
しようとすると、マシニングセンタの各種パラメータを
微調整しなくてはならず、多大な時間、手間を要する。
しかし、工具を傾斜させる方法で傾斜した加工縞を形成
させれば、材料変更・加工条件等の変更時の調整も容易
である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る第一乃至第五
の実施形態を、図面に基づいて説明する。
【0020】[第一の実施の形態]図2において、本発
明を適用した旋回スクロール33を示す。この旋回スク
ロール33は、端板33aと、端板33aの一方の面か
ら立設する渦巻状ラップ33bを有する。渦巻状ラップ
33bの両側面部は固定スクロール21の渦巻状ラップ
21bと接触する歯面33cを形成しており、この歯面
33cには、加工縞34が形成されている。この加工縞
34は、凸部34aと図示しない凹部とが交互にかつ互
いに平行な縞をなすことにより形成される。
【0021】加工縞34は、端板33aに対して、傾斜
角θ1(0°<θ1<90°)をもって傾斜している。
加工縞34aを傾斜させるのは、マシニングセンタの各
種パラメータ(工具の回転数・振動数・ねじれ角・直径
・送り速度など)をコントロールすることによって可能
である。傾斜の角度に応じて上記の各種パラメータをコ
ントロールする。
【0022】加工縞22の凸部22aと加工縞34の凸
部34aを重ね合わせた状態を、図9(b)に示す。こ
の図に示すように、加工縞34が傾斜されることによ
り、渦巻状ラップ33bと渦巻状ラップ21bとは、互
いの凸部34aと22aのみが点接触によって噛み合う
こととなる。
【0023】本実施形態においては、凸部34a及び2
2aは、互いに他方の凹部(図示せず)と噛み合うこと
がなくなる。従って、凸部と凹部が噛み合うことによる
落ち込みが無くなり、加工縞22と34の相対移動によ
る抵抗が少なくなる。これにより、固定スクロール21
の歯面と旋回スクロール33の歯面の歯面接触力の変動
を少なくでき、振動が励起されにくくなる。その結果と
して、騒音は低減される。図10に、本実施形態に係る
スクロール流体機械と従来のスクロール流体機械の音響
パワーレベル(騒音)の比較を示す。図中、(a)が本
実施形態に係るスクロール流体機械を、(b)が従来の
スクロール流体機械を示している。この図に示すよう
に、特に800Hz以上の周波数において、顕著な効果
が現れている。
【0024】[第二の実施の形態]本実施形態は、第一
の実施形態と比較して、加工縞の傾斜方向を限定してい
る点のみが異なっているので、この点について説明す
る。旋回スクロール33の渦巻状ラップ33bは、固定
スクロール21の渦巻状ラップ21bと接触する歯面3
3cを形成しており、この歯面33cには、加工縞36
が形成されている。この加工縞36は、端板33aに対
して旋回スクロール33が旋回する方向に、傾斜角θ1
(0°<θ1<90°)をもって傾斜して形成されてい
る。この加工縞36は、凸部36aと図示しない凹部と
が交互にかつ互いに平行な縞をなすことにより形成され
る。
【0025】加工縞22の凸部22aと加工縞36の凸
部36aを重ね合わせた状態を、図3に示す。この図に
おいて、歯面33cは、旋回スクロール33の回転に伴
い、図中R方向に回転する。
【0026】本実施形態においては、固定スクロール2
1と旋回スクロール33の噛合い時の接触力も低減する
ことができる。すなわち、渦巻状ラップ33bは、歯底
側がたわみにくく、歯先側がたわみやすくなっているの
で、加工における加工誤差や加工縞の凹凸は、歯底側が
小さく、歯先側が大きくなる。そのため、加工縞を相対
旋回方向に傾斜しておけば、加工縞の凹凸が小さい歯底
側から噛み合いを開始するため、噛み合い開始時の衝撃
を著しく小さくできる。
【0027】[第三の実施の形態]本実施形態は、第二
の実施形態と比較して、固定スクロールの加工縞も傾斜
している点のみが異なる。そのため、この点について説
明し、旋回スクロール33についての説明は省略する。
【0028】固定スクロール24は、端板と、この端板
の一方の面から立設する渦巻状ラップ24bを有する。
渦巻状ラップ24bの両側面部は旋回スクロール33の
渦巻状ラップ33bと接触する歯面を形成しており、こ
の歯面には加工縞が形成されている。この加工縞は、凸
部25aと図示しない凹部とが交互にかつ互いに平行な
縞をなすことにより形成される。この凸部25aと加工
縞36の凸部36aを重ね合わせた状態を、図4に示
す。この図に示すように、加工縞24は、端板に対し
て、傾斜角θ2(0°<θ2<90°)をもって傾斜し
て形成されている。この傾斜角θ2は、旋回スクロール
33の加工縞36の傾斜角θ1と同一方向であって異な
る角度(θ1≠θ2)としている。
【0029】本実施形態においては、固定スクロール2
4の加工縞と加工縞36の双方を同一方向に且つ異なる
角度で傾斜しているので、互いの歯面の間に形成される
間隙部分の容積は小さくなり、ガスの漏れ量を小さくで
き、スクロール流体機械の性能低下を抑制できる。
【0030】[第四の実施の形態]本実施形態は、第三
の実施形態と比較して、固定スクロール24の加工縞の
傾斜角のみが異なっているので、この点について説明す
る。
【0031】固定スクロール24の渦巻状ラップ24b
の歯面には、加工縞が形成されている。この加工縞は、
端板に対して傾斜角θ3(0°<θ3<90°)をもっ
て傾斜して形成されている。この傾斜角θ3は、旋回ス
クロール33の加工縞34の傾斜角θ1とは逆方向であ
る。この加工縞は、凸部27aと図示しない凹部とが交
互に連続して現れている。
【0032】凸部27aと加工縞36の凸部36aを重
ね合わせた状態を、図4に示す。この図において、凸部
27aと凸部34aとの接触点の数(接触点数)は凸部
27aと凸部34aの交点部分であるが、第三の各実施
形態の場合と比較して、大幅に増加している。図11
に、接触点数の変化と接触力の関係の一例を示す。図
中、(a)は第三の実施形態における接触点数の変化に
よる各接触点での接触力の変化の一例を、(b)は本実
施形態における接触点数の変化による各接触点での接触
力の変化の一例を示す。第三の実施形態における一例で
は、1回転中の接触点数は1と2の間で変化する。この
場合、(a)に示すように、接触点が2のときの接触力
は、1のときと比べて凡そ0.5倍となる。一方、本実
施形態における一例では、1回転中の接触点数は3と4
の間で変化する。この場合、(b)に示すように、接触
点が4のときの接触力は、4のときと比べて凡そ0.7
5倍となる。このように、接触点数が多いと、接触点数
の変化による接触力変化も小さく、スクロール加振力を
より低減できる。また、加工縞のピッチ、傾きの調整に
より接触点数を一定にすることで接触力の変化を無く
し、変動の小さい加振力を得ることが出来、さらに騒音
は低減できる。
【0033】本実施形態においては、接触点の数を多く
しているので、固定スクロール24と旋回スクロール3
3の相対旋回に伴う接触点の数の変化を小さくでき、加
振力の発生ををさらに抑制できる。
【0034】[第五の実施の形態]本実施形態は、第一
乃至第四の実施形態において用いられる、旋回スクロー
ル33の加工方法についてのものである。旋回スクロー
ル33の渦巻状ラップ33bの歯面33cを加工する際
に、エンドミル37を傾けて加工を行う。図12に、こ
のときの状態を示す。この図に示すように、端板33a
は、正規の垂直方向からの加工よりも不必要に削られる
ことになり、これによる溝35が形成される。この溝3
5は、このままにしておくと渦巻状ラップ33bの強度
低下やガス漏れを引き起こすため、図6に示すように、
その上にプレート38を設け、歯丈の高さを調整する。
また、エンドミル37の傾斜により、厳密には歯丈方向
には埋想的な同一のインボリュート曲線とはならなくな
るため、あまり大きな工具角度を設けるとラップ漏れが
増大するので留意を要する。
【0035】このスクロールの加工方法においては、エ
ンドミル37を傾斜させることで旋回スクロール33の
渦巻状ラップ33bを加工し、加工縞34を傾斜させる
ようにしており、歯丈の高さを調整するようにしてい
る。渦巻状ラップ33bの傾斜加工は、マシニングセン
タの各種パラメータ(工具の回転数・振動数・ねじれ角
・直径・送り速度など)をコントロールすることによっ
て可能であることは上述の通りであるが、加工縞は、材
料変化やロットによるばらつきによって、微妙に変化し
てしまう場合がある。そのため、安定した加工縞を形成
しようとすると、マシニングセンタの各種パラメータを
微調整しなくてはならず、多大な時間、手間を要する。
しかし、エンドミル37を傾斜させる方法で傾斜した加
工縞を形成させれば、材料変更・加工条件等の変更時の
調整も容易である。
【0036】なお、本実施形態においては、旋回スクロ
ールに関する加工方法についてのみ記載したが、固定ス
クロールについても適用できることは言うまでもない。
また、工具の例としてエンドミルについてのみ説明した
が、これに限定されるものでなく、他の工具であっても
差し支えない。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るスク
ロール流体機械によれば、第1のスクロール側の渦巻状
ラップの歯面に形成された第1の加工縞と、第2のスク
ロール側の渦巻状ラップの歯面に形成された第2の加工
縞を、互いに非平行となるようにしている。そのため、
加工縞による加震力の発生を抑制して、発生する騒音を
低減したスクロール流体機械を提供することができる。
また、本発明に係るスクロールの加工方法によれば、工
具を傾けることで第1又は第2のスクロールの渦巻状ラ
ップを加工し、第1又は第2の加工縞を傾斜させるよう
にしている。そのため、発生する騒音を低減したスクロ
ール流体機械を構成するスクロールを提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のスクロール型流体機械の構造を示す
断面図である。
【図2】 本発明に係る旋回スクロールを示す斜視図
である。
【図3】 本発明の第2の実施形態を示す概略図であ
って、固定スクロールの加工縞の凸部と旋回スクロール
の加工縞の凸部を重ね合わせた状態を示す側断面図であ
る。
【図4】 本発明の第3の実施形態を示す概略図であ
って、固定スクロールの加工縞の凸部と旋回スクロール
の加工縞の凸部を重ね合わせた状態を示す側断面図であ
る。
【図5】 本発明の第4の実施形態を示す概略図であ
って、固定スクロールの加工縞の凸部と旋回スクロール
の加工縞の凸部を重ね合わせた状態を示す側断面図であ
る。
【図6】 本発明の第5の実施形態を示す概略図であ
って、旋回スクロールの側断面図である。
【図7】 従来の旋回スクロールを示す斜視図であ
る。
【図8】 スクロール加工縞による騒音への影響説明
補助図であり、旋回スクロールの断面図である。
【図9】 本発明の原埋を説明する概略図である。
(a)は従来の固定スクロールの加工縞の凸部と旋回ス
クロールの加工縞の凸部を重ね合わせた状態を示す側断
面図であり、(b)は本発明の第1の実施形態における
固定スクロールの加工縞の凸部と旋回スクロールの加工
縞の凸部を重ね合わせた状態を示す側断面図である。
【図10】 スクロール加工縞による騒音への影響説
明補助図であり、音響パワーレベルと周波数の関係を示
すグラフ図である。
【図11】 接触点数の変化と接触力の関係の一例を
示すグラフ図である。(a)は第三の実施形態における
接触点数の変化による各接触点での接触力の変化の一例
を、(b)は本実施形態における接触点数の変化による
各接触点での接触力の変化の一例を示す。
【図12】 本発明の第五の実施形態を示す側断面図
であって、旋回スクロールを加工している図である。
【符号の説明】
1 ボディハウジング 2 吐出ポート 3 圧縮室 21、24 固定スクロール(第1のスクロール) 21b、24b 渦巻状ラップ 22 加工縞(第1の加工縞) 22a、25a、27a 凸部 31、33 旋回スクロール(第2のスクロール) 31a、33a 端板 31b、33b 渦巻状ラップ 31c、33c 歯面 32、34 加工縞(第2の加工縞) 32a、34a、36a 凸部 35 溝 37 エンドミル(工具) 38 プレート 41 フレーム 51 回転軸 52 偏心ピン 53 ボス C スクロール圧縮機構 M 電動モータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾藤 宏明 愛知県西春日井郡西枇杷島町旭町3丁目1 番地 三菱重工業株式会社エアコン製作所 内 (72)発明者 篠原 伸史 愛知県西春日井郡西枇杷島町旭町3丁目1 番地 三菱重工業株式会社エアコン製作所 内 Fターム(参考) 3H039 AA03 AA04 AA12 BB02 BB07 CC02 CC03 CC05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端板と渦巻状ラップを各々有する第1
    のスクロール及び第2のスクロールが、第1のスクロー
    ル側の渦巻状ラップの歯面と第2のスクロール側の渦巻
    状ラップの歯面を接触させて噛み合い、互いに相対旋回
    するスクロール型流体機械において、 前記第1のスクロール側の渦巻状ラップの歯面に形成さ
    れた第1の加工縞と、前記第2のスクロール側の渦巻状
    ラップの歯面に形成された第2の加工縞は、互いに非平
    行であることを特徴とするスクロール型流体機械。
  2. 【請求項2】 前記第1の加工縞と前記第2の加工縞
    の少なくとも一方は、前記端板から前記相対旋回の方向
    に向けて傾斜している請求項1記載のスクロール型流体
    機械。
  3. 【請求項3】 前記第1の加工縞と前記第2の加工縞
    の双方は、互いに同一方向に且つ異なる角度で傾斜して
    いる請求項1または2に記載のスクロール型流体機械。
  4. 【請求項4】 前記第1の加工縞と前記第2加工縞の
    双方は、互いに逆方向に傾斜している請求項1または2
    に記載のスクロール型流体機械。
  5. 【請求項5】 請求項1から4いずれか記載のスクロ
    ール型流体機械に用いるスクロールの加工方法であっ
    て、工具を前記端板に対して傾斜させて前記歯面を切削
    することを特徴とするスクロールの加工方法。
JP29022199A 1999-10-12 1999-10-12 スクロール型流体機械及びこれに用いるスクロールの加工方法 Withdrawn JP2001107882A (ja)

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