JP2001106649A - 低級オレフィンと低級脂肪族カルボン酸との混合ガスの製造方法、及び該混合ガスを用いた低級脂肪族エステルの製造方法 - Google Patents
低級オレフィンと低級脂肪族カルボン酸との混合ガスの製造方法、及び該混合ガスを用いた低級脂肪族エステルの製造方法Info
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Abstract
気相で接触反応させて酢酸エチルを製造する方法におい
て、低級脂肪族カルボン酸を比較的低温で気化すること
により、効率的に低級オレフィンと低級脂肪族カルボン
酸との混合ガスを得る方法の提供。 【解決手段】 低級脂肪族カルボン酸を昇圧して低級オ
レフィンと混合した後に加熱して気化することにより、
低級脂肪族カルボン酸を気化できる温度を大幅に低下で
きる。
Description
酸を低温で気化し効率的に低級オレフィンと低級脂肪族
カルボン酸との混合ガスを得る方法に関する。本方法に
よる混合ガスは、特に気相にて低級オレフィンと低級脂
肪族カルボン酸とから酸性触媒の存在下、対応する低級
脂肪族エステルを得ることを特徴とする低級脂肪族エス
テルの製造方法において有効であり、エネルギーコスト
に優れた低級脂肪族エステルの製造方法を提供すること
が出来る。
カルボン酸とをヘテロポリ酸等の酸性触媒の存在下に気
相で反応させて対応する低級脂肪族エステルを得る方法
が知られている。その具体例としては、例えば、特開平
4−139149号公報、特開平5−170699号公
報、特開平5−294894号公報、特開平9−118
647号公報等を挙げることができる。これらの製法
は、低級オレフィンと低級脂肪族カルボン酸とを気相
で、酸性触媒上に流通させて反応させる方法である。
び特開平9−118647号公報記載の触媒では、触媒
活性を高めるために触媒有効成分であるヘテロポリ酸及
び/又はヘテロポリ酸塩を多孔質物質に担持する、いわ
ゆる担持型触媒を提案している。しかし、一般にヘテロ
ポリ酸のような酸触媒を固体触媒に担持した担持型触媒
を用いた気相反応においては、反応基質が液滴状のいわ
ゆるミスト状態で固体触媒に接した場合、担体から触媒
成分が流出してしまう恐れがある。その結果、短時間の
うちに触媒の失活を招いたり、生成物に触媒成分が混入
し予想し得ない副反応を起こすなどの危険が存在する。
反応を行うには、該触媒での反応では常温で液体状の原
料化合物は確実に気体状にして用いる必要がある。気相
にて低級オレフィンと低級脂肪族カルボン酸とから酸性
触媒の存在下、対応する低級脂肪族エステルを得ること
を特徴とする低級脂肪族エステルの製造方法においても
同様である。
ンを過剰に用いたほうが低級脂肪族カルボン酸の転化率
において有利なので、通常低級オレフィンのほうを過剰
に用いることが一般的である。従って、工業的には過剰
に用いた低級オレフィンをリサイクルして使用すること
が必須である。
ほうが付加反応上有利になるので、この点からは出来る
だけ高圧のほうがいい。この場合、前述の低級オレフィ
ンのリサイクル系を含めて、反応系全体の圧力を高圧に
維持したまま行うプロセス(以下、「加圧反応プロセ
ス」と略。)を採用することが好ましいことは容易に考
えられる。
の流出の危険を避けるためには反応系に導入する低級脂
肪族カルボン酸を気体状にする必要である。しかし、加
圧反応プロセスでは系内の圧力と少なくとも同等かそれ
以上の圧力を持った気体状の低級脂肪族カルボン酸を発
生させねばならない。
熱は大きく、完全に気体にするには相当のエネルギーを
要する。さらに高圧下においては、低級脂肪族カルボン
酸の気化に要する蒸発熱はより大きく、この点において
多量のエネルギーを要する問題点が加圧反応プロセスに
は存在する。
ン酸においても、如何に大過剰の低級オレフィンを用い
ても、その転化率を100%にすることは困難である。
従って、通常は未反応低級脂肪族カルボン酸もリサイク
ルするプロセスを構築する。
は、好ましくない副生成物が含まれている場合が多い。
これらの副生成物の具体例としては、例えば、低級オレ
フィン由来の炭化水素化合物や、更にその炭化水素化合
物と低級脂肪族カルボン酸が反応したカルボン酸エステ
ル類を挙げることができる。
安定であり、加圧反応プロセスに必要な高圧の気体状の
低級脂肪族カルボン酸を得るために気化器の温度を高温
にすると、この熱により分解して気化器のファウリング
を起こす原因になる恐れがある。さらに原料である低級
カルボン酸がギ酸、酢酸のように腐食性を有する場合は
高圧、高温下ではその腐食性が増大するため、気化器の
腐食が問題となる。
やメタクリル酸のような重合性を有する物である場合に
は、それ自身が高温に晒されること自体が好ましくない
という問題点がある。
低級カルボン酸とから酸性触媒の存在下、対応する低級
脂肪エステルを得ることを特徴とする低級脂肪族エステ
ルの製造方法においては、反応基質が液滴状のいわゆる
ミスト状態で固体触媒に接した場合に生ずる、担体から
の触媒成分の流出に伴う触媒の失活や、生成物に触媒成
分が混入した結果発生する、予想し得ない副反応に起因
する反応成績の低下など問題点が考えられる。
反応を行うには、該触媒での反応では常温で液体状の原
料化合物、すなわち低級脂肪族カルボン酸は確実に気体
状にして用いる必要がある。そのために低級脂肪族カル
ボン酸の気化器の温度を高くすることはエネルギーコス
ト的な点はもとより、循環した低級脂肪族カルボン酸中
の不純物由来の副反応あるいは、反応性の高い低級脂肪
族カルボン酸それ自体の安定性からいっても好ましくな
い。
の問題点について検討した記述はない。
が高く且つ蒸発熱が大きいために気化することが困難な
低級脂肪族カルボン酸を比較的低温で気化することによ
り、効率的に低級オレフィンと低級脂肪族カルボン酸と
の混合ガスを得る方法の提供を目的とするものである。
下に気相にて低級オレフィンと低級カルボン酸とから酸
性触媒の存在下、対応する低級脂肪エステルを得ること
を特徴とする低級脂肪族エステルの製造方法において、
特にエネルギーコストに優れた低級脂肪族エステルの製
造方法の提供を目的とするものである。
を達成するために、特に低級オレフィンと低級カルボン
酸とから酸性触媒の存在下、気相にて低級脂肪族エステ
ルを得ることを特徴とする低級脂肪族エステルの製造方
法における低級脂肪族カルボン酸の効率的な気化方法、
ひいては効率的な低級オレフィンと低級脂肪族カルボン
酸との混合ガスを得る方法について鋭意研究を行った。
て低級オレフィンと混合した後に加熱して気化すること
により、低級脂肪族カルボン酸を気化できる温度を大幅
に低下でき、よって効率的に低級オレフィンと低級脂肪
族カルボン酸との混合ガスを得ることを見出し、本発明
を完成するに至った。
ボン酸を昇圧して低級オレフィンと混合した後に加熱し
て気化することにより、効率的に低級オレフィンと低級
脂肪族カルボン酸との混合ガスを得る方法である。
より得られた低級オレフィンと低級脂肪族カルボン酸と
の混合ガスとを、気相で酸性触媒の存在下に反応させる
ことによる低級脂肪族エステルの製造方法である。
および低級カルボン酸は、反応系または精製系よりリサ
イクルされたものでもフレッシュのものでも構わない。
応プロセスにフィードする場合、反応系の圧力と同等か
それ以上の圧力下での低級カルボン酸の沸点以上の温度
で蒸発器を運転する必要がある。これに対し本発明
(I)を利用した場合にはあらかじめガス状でフィード
される低級オレフィンと混合することにより、反応系の
全圧に対してフィード組成として要求される低級カルボ
ン酸の分圧と、低級カルボン酸の蒸気圧が等しくなる温
度で蒸発器を運転することで必要量の低級カルボン酸を
気化することができる。
低級カルボン酸の転化率を向上させるために原料である
低級オレフィンを少なくとも原料カルボン酸と等モル以
上用いることが望ましく、好ましくは2倍モル以上、よ
り好ましくは10倍モル以上過剰に用いることが望まし
い。
ルボン酸の蒸気圧が反応系の全圧に対し少なくとも二分
の一から数十分の一となるため、低級カルボン酸を気化
させる温度を大幅に低下することができる。
されるステンレス鋼であるSAS304、316、31
6などやハステロイ−C、−D、もしくはチタンなどの
中から低級カルボン酸を気化させる温度、圧力における
低級カルボン酸の腐食性および、蒸発器の連続運転期間
を考慮して任意のものを選ぶことができる。
はジャケット型、自然循環型、強制循環型、コイル型、
プレート型、流下薄膜型、上昇膜型、フラッシュ蒸発
型、遠心型等の中から使用する熱媒体、運転条件、スケ
ールなどに応じて任意に選択することができるが、原料
カルボン酸の熱安定性、および反応器に液状の低級カル
ボン酸、水を飛沫同伴させないことを考慮した場合に
は、一般に自然循環型、流下薄膜型、上昇膜型を用いる
のが好ましい。また、飛沫同伴を防止するためには、蒸
発装置の上部にデミスターを設置することや液状の原料
酢酸を蒸発器上部より降らせて液状の水および低級脂肪
族カルボン酸を吸収することが好ましい。
では反応が気相付加反応であることから高温、高圧であ
ることが好ましい。また、供給原料が気体状に保たれな
ければならないため使用する原料により選択される温度
は異なる。更にエネルギーコストとの兼ね合いもあり、
一般的には蒸発させる温度としては50℃〜250℃、
より好ましくは120℃〜220℃、圧力としては0.
2MPaから3MPaより好ましくは0.2MPaから
1MPaまでの圧力範囲から選ぶことが好ましい。
触媒としては、通常の固体酸触媒であれば使用可能であ
るが、低級オレフィンへの低級脂肪族カルボン酸の付加
を効率的に行うためにはブレンステッド酸点が多いもの
が好ましい。このような酸触媒としては例えばヘテロポ
リ酸やその塩そのもの、また前記ヘテロポリ酸及びその
塩、或いは硫酸や燐酸のような鉱酸を適当な担体に担持
した担持型触媒、フリーなスルホン酸を持ったイオン交
換樹脂、アルミノシリケート骨格を有するゼオライト等
が上げられる。
素が結合した周辺元素からなるものであり、中心元素は
通常珪素または燐であるが、元素の周期表のI族〜VI
II族の多種の原子の任意の1つからなることができ
る。これらは、例えば第二銅イオン;二価のベリリウ
ム、亜鉛、コバルトまたはニッケルイオン;三価のホウ
素、アルミニウム、ガリウム、鉄、セリウム、ヒ素、ア
ンチモン、燐、ビスマス、クロムまたはロジウムイオ
ン;四価の珪素、ゲルマニウム、錫、チタン、ジルコニ
ウム、バナジウム、硫黄、テルル、マンガン、ニッケ
ル、白金、トリウム、ハフニウム、セリウムイオンおよ
び他の希土類イオン;五価の燐、ヒ素、バナジウム、ア
ンチモンイオン;六価のテルルイオン;および七価のヨ
ウ素イオンが含まれる。また、周辺元素はタングステ
ン、モリブデン、バナジウム、ニオブ、タンタルおよび
他の金属である。これらのヘテロポリ酸は「ポリオキソ
アニオン」、「ポリオキソ金属塩」または「酸化金属ク
ラスター」として呼ばれることがあり、そのアニオン類
の幾つかの構造には、この分野の研究者本人にちなんで
名前が付けられ、例えばケギン、ウエルス−ドーソンお
よびアンダーソン−エバンス−ペアロフ構造として知ら
れている。ヘテロポリ酸は、分子量の大きな単量体だけ
でなく、二量体錯体も含む。
きるヘテロポリ酸には特に制限はないが、具体的には好
ましくは、 ケイタングステン酸 − H4 [SiW12 O40].xH2O リンタングステン酸 − H3 [PW12O40].xH2O リンモリブデン酸 − H3 [PMo12O40].xH2O ケイモリブデン酸 − H4 [SiMo12O40].xH2O リンバナドモリブデン酸 − H3+n[PVnMo12-nO40].xH2O 等が上げられ、またこれらのヘテロポリ酸とのリチウム
塩、カリウム塩、セシウム塩、ルビジウム塩、タリウム
塩、アンモニウム塩、銅塩、マグネシウム塩、ガリウム
塩を始めとする中和塩を用いることも出来る。
球形、円柱状の押出形、顆粒、ペレット、粒形、打錠形
に成形して用いることが出来る。
等を担体に担持した担持型触媒も触媒として使用するこ
とが可能である。担体として使用できるものはシリカ、
チタニア、シリカ−アルミナ、アルミナのような無機質
担体、活性炭や適当に成形したポリマーのような有機担
体等を使用することが可能である。
ルホン酸のような二重結合を有するスルホン酸とスチレ
ンとジビニルベンゼンを共重合させて得られるイオン交
換樹脂が上げられる。
ケートなら使用することは可能だが、特にMFI骨格を
持つものがその酸強度からいってより好ましい。
の何れも実施でき担体の形状も実施する形態に合わせて
粉末から数mmの大きさに成形したものから選ぶことが
出来る。
エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソ
ブテンを挙げることができる。また、低級脂肪族カルボ
ン酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、n
−酪酸、イソ酪酸、アクリル酸、メタクリル酸を挙げる
ことができる。
割合としては、低級脂肪族カルボン酸に対して等モルも
しくは過剰量の低級オレフィンを使用することが望まし
い。その割合としては低級オレフィン対低級脂肪族カル
ボン酸のモル比として、1:1〜30:1の範囲にある
のが好ましく、より好ましくは5:1〜20:1である
のが好適である。
媒寿命の観点から好ましいが、混合量を増加することに
より、エチレンに対するエタノール、ジエチルエーテル
等、使用する原料低級オレフィンに対応するアルコー
ル、エーテル類の副生物も増えてくる。そのために、水
の使用量としては、低級脂肪族カルボン酸、低級オレフ
ィン、水の全使用量中の1mol%〜15mol%、よ
り好ましくは3mol%〜8mol%の範囲から選ぶこ
とが好ましい。
「GHSV」と略。)としては、一般には反応器および
触媒量が一定の場合には、GHSVをある程度まで高く
することに伴ってカルボン酸エステルの生成量が増加す
る。しかし、あまりにGHSVを高くした場合、カルボ
ン酸エステルの生成量の増加割合が低下し、原料転化率
が低くなってしまう。さらにGHSVを高くすることに
より、反応系の圧力損失が増加し、特に循環系の場合に
は圧力損失分を昇圧し、所定のGHSVとするガス量を
循環するのに必要となるコンプレッサーの能力が増大す
る等の問題が生じる。その為反応のGHSVに対する依
存性に応じて最適なGHSVを選択する必要があるが、
一般にはGHSVとして100hr-1〜5000hr-1
の範囲、より好ましくは300hr-1〜2000hr-1
の範囲で触媒上を通すのが好適である。また、原料であ
る低級オレフィンに対応して反応で生成するアルコール
やエーテルはそのままオレフィンとともにリサイクルし
て使用することもできるし精製工程で分離した後に反応
器へリサイクルすることもできる。
により説明する。
示すような構成の装置を用いた。なお、実施例、比較例
とも反応器と蒸発器は共通であり、反応器は内径21.
4mm触媒有効充填長325mmの縦型管状反応器であ
る。蒸発器はステンレス二重管を用い、内部は内径2
1.4mm、長さ400mmの管に、外径2mmのガラ
スビーズ100cm3を詰めた。外部には熱媒として所
定の温度に加熱したオイルバスを循環して、原料として
供給する酢酸を蒸発させた。
酸のセシウム塩からなる直径5mmの打錠型のものであ
る。この触媒は次のようにして調製した。300mlフ
ラスコ中、市販のリンタングステン酸試薬(和光純薬
製)150g(約0.0438モル)と純水60mlと
を混合し溶解した。別に、硝酸セシウム(CsNO 3)
21.5g(0.110モル)を水に溶解し、これを滴
下ロートを用いて攪拌しながら、上記リンタングステン
酸水溶液中に滴下した。滴下すると同時にリンタングス
テン酸セシウム塩の白色微粒結晶が析出した。このフラ
スコを湯浴に漬け、水分を蒸発させ、残留した塊状物を
シャーレにとって乾燥器にいれ、空気中、150℃で6
時間乾燥した。得られた乾燥物を粉砕し、打錠機を用い
て直径5mmの錠剤とした。
MPaの条件下に、エチレン、窒素、酢酸、および水を
それぞれ80.0:10.3:6.7:3.0のモル比
でそれぞれの供給口から空間速度が1500hr-1の割
合で供給した。なお、窒素はエチレンとともに、水は酢
酸とともに供給した。この場合に、酢酸−水混合物の蒸
発する温度は92.4℃であった。なお、この場合の反
応成績は、触媒層のピーク温度が165℃になるように
加熱した場合に酢酸エチルの空時収率STYが200g
/l-cat・h、酢酸エチル、エタノール、ジエチル
エーテルの選択率はそれぞれ93.0、3.4、3.0
%であった。
応装置を用い、圧力0.9MPaの条件下に、エチレ
ン、酢酸、および水をそれぞれ87.0:5.0:8.
0のモル比でそれぞれの供給口から空間速度が1500
hr-1の割合で供給した。なお、水は酢酸とともに供給
した。この場合に、酢酸−水混合物の蒸発する温度は1
02.3℃であった。なお、この場合の反応成績は、触
媒層のピーク温度が165℃になるように加熱した場合
に酢酸エチルSTYで176g/l−cat・h、酢酸
エチル、エタノール、ジエチルエーテルの選択率はそれ
ぞれ91.5、4.3、3.7%であった。
応装置を用い、圧力0.9MPaの条件下に、プロピレ
ン、窒素、酢酸、および水をそれぞれ80.0:10.
3:6.7:3.0のモル比でそれぞれの供給口から空
間速度が1500hr-1の割合で供給した。なお、窒素
はプロピレンとともに、水は酢酸とともに供給した。こ
の場合に、酢酸−水混合物の蒸発する温度は105.6
℃であった。なお、この場合の反応成績は、触媒層のピ
ーク温度が165℃になるように加熱した場合に酢酸イ
ソプロピルSTYで243g/l−cat・h、酢酸イ
ソプロピル、イソプロパノール、ジイソプロピルエーテ
ルの選択率はそれぞれ94.7、2.8、2.3%であ
った。
応装置を用い、圧力0.3MPaの条件下に、エチレ
ン、窒素、アクリル酸、および水をそれぞれ80.0:
10.3:6.7:3.0のモル比でそれぞれの供給口
から空間速度が1500hr-1の割合で供給した。な
お、窒素はエチレンとともに、水はアクリル酸とともに
供給した。この場合に、アクリル酸−水混合物の蒸発す
る温度は85.6℃であった。なお、この場合の反応成
績は、触媒層のピーク温度が165℃になるように加熱
した場合にアクリル酸エチルSTYで52g/l−ca
t・h、アクリル酸エチル、エタノール、ジエチルエー
テルの選択率はそれぞれ91.8、4.3、3.5%で
あった。 実施例5 触媒としてリンタングステン酸のリチウム塩を直径5m
mのシリカ担体(Sudchemie Gmbh製)に
担持したものを用いた。この触媒は次のようにして調製
した。
燥し、残留水分を7%以下とした。500mlフラスコ
中、市販のケイタングステン酸試薬(和光純薬製)29
8g(約0.104モル)と純水120mlとを混合し
加熱溶解した。別に、硝酸リチウム(LiNO3)0.
076g(0.0011モル)を純水に溶解し、これを
滴下ロートを用いて攪拌しながら、上記ケイタングステ
ン酸水溶液中に滴下した。室温で30分撹拌を続け、均
一溶液としたのち、得られた溶液に担体の飽和吸水液量
の95%の体積となるまで純水を加え含浸液とした。こ
の含浸液に担体1Lを加え、均一に担持されるようによ
くかき混ぜて完全に含浸させた。その後、1hr風乾し
た後150℃の熱風乾燥器で5時間乾燥し担持型触媒を
得た。
し、圧力0.9MPaの条件下に、エチレン、窒素、酢
酸、および水をそれぞれ78.5:9.0:8.0:
4.5のモル比でそれぞれの供給口から空間速度が15
00hr-1の割合で供給した。なお、窒素はエチレンと
ともに、水は酢酸とともに供給した。この場合に、酢酸
−水混合物の蒸発する温度は102.2℃であった。な
お、この場合の反応成績は、触媒層のピーク温度が16
5℃になるように加熱した場合に酢酸エチルの空時収率
STYが215g/l-cat・h、酢酸エチル、エタ
ノール、ジエチルエーテルの選択率はそれぞれ90.
8、5.0、4.2%であった。
を0.007g(0.0001モル)とした触媒を調製
した。図1に示した反応装置に上記の触媒を充填し、圧
力0.9MPaの条件下に、エチレン、窒素、酢酸、お
よび水をそれぞれ78.5:9.0:8.0:4.5の
モル比でそれぞれの供給口から空間速度が1500hr
-1の割合で供給した。なお、窒素はエチレンとともに、
水は酢酸とともに供給した。この場合に、酢酸−水混合
物の蒸発する温度は102.2℃であった。なお、この
場合の反応成績は、触媒層のピーク温度が165℃にな
るように加熱した場合に酢酸エチルの空時収率STYが
174g/l-cat・h、酢酸エチル、エタノール、
ジエチルエーテルの選択率はそれぞれ92.1、5.
7、2.2%であった。
硝酸リチウムの使用量をそれぞれ345g(0.120
モル)、0.083g(0.0012モル)とした触媒
を調製した。図1に示した反応装置に上記の触媒を充填
し、圧力0.9MPaの条件下に、エチレン、窒素、酢
酸、および水をそれぞれ78.5:9.0:8.0:
4.5のモル比でそれぞれの供給口から空間速度が15
00hr-1の割合で供給した。なお、窒素はエチレンと
ともに、水は酢酸とともに供給した。この場合に、酢酸
−水混合物の蒸発する温度は102.2℃であった。な
お、この場合の反応成績は、触媒層のピーク温度が16
5℃になるように加熱した場合に酢酸エチルの空時収率
STYが254g/l-cat・h、酢酸エチル、エタ
ノール、ジエチルエーテルの選択率はそれぞれ87.
7、7.6、4.7%であった。
ンタングステン酸を使用し、リンタングステン酸と硝酸
リチウムの使用量をそれぞれ541g(0.194モ
ル)、1.323g(0.0012モル)とした触媒を
調製した。図1に示した反応装置に上記の触媒を充填
し、圧力0.9MPaの条件下に、エチレン、窒素、酢
酸、および水をそれぞれ78.5:9.0:8.0:
4.5のモル比でそれぞれの供給口から空間速度が15
00hr-1の割合で供給した。なお、窒素はエチレンと
ともに、水は酢酸とともに供給した。この場合に、酢酸
−水混合物の蒸発する温度は102.2℃であった。な
お、この場合の反応成績は、触媒層のピーク温度が16
5℃になるように加熱した場合に酢酸エチルの空時収率
STYが196g/l-cat・h、酢酸エチル、エタ
ノール、ジエチルエーテルの選択率はそれぞれ90.
1、6.6、3.3%であった。
応装置を用い、圧力0.9MPaの条件下に、エチレ
ン、窒素、酢酸、および水をそれぞれ80.0:10.
3:6.7:3.0のモル比でそれぞれの供給口から空
間速度が1500hr-1の割合で供給した。なお、窒素
はエチレンとともに、水は酢酸とともに供給した。蒸発
器の温度を実施例1と同一(92.4℃)にした場合、
酢酸−水混合物は蒸発せずに反応器にエチレンのみが供
給され、反応器内の触媒上でエチレンの重合反応が起こ
り、触媒が失活した。
発する温度まで上げた時、その温度は194.4℃であ
った。なお、この場合の反応成績は、触媒層のピーク温
度が165℃になるようにした場合に酢酸エチルSTY
で198g/l−cat・h、酢酸エチル、エタノー
ル、ジエチルエーテルの選択率はそれぞれ92.7、
3.6、3.2%であった。
応装置を用い、圧力0.3MPaの条件下に、エチレ
ン、窒素、アクリル酸、および水をそれぞれ80.0:
10.3:6.7:3.0のモル比でそれぞれの供給口
から空間速度が1500hr-1の割合で供給した。な
お、窒素はエチレンとともに、水はアクリル酸とともに
供給した。蒸発器の温度を実施例4と同一(85.6
℃)とした場合、アクリル酸−水の混合物は蒸発せずに
反応器にエチレンのみが供給され、反応器内の触媒上で
エチレンの重合反応が起こり、触媒が失活した。
物の蒸発する温度まで上げた時、その温度は163.8
℃であった。この温度で実施した場合、蒸発器内でアク
リル酸の重合反応によるファウリングを起こした。その
為蒸発器でアクリル酸−水混合物が気化されなくなり、
反応器内にエチレンのみが供給される状態となり、反応
器内でのエチレンの重合により触媒が失活した。
ン酸を昇圧して低級オレフィンと混合した後に加熱して
気化することにより、低級脂肪族カルボン酸を気化でき
る温度を大幅に低下でき、よって効率的に低級オレフィ
ンと低級脂肪族カルボン酸との混合ガスを得ることが出
来ることは明らかである。これにより、気化に要するエ
ネルギーコストを削減でき、また、気化液の安定性を増
すことで蒸発器の安定運転が可能になる。
フローシートである。
Claims (9)
- 【請求項1】 加圧下に低級オレフィンと低級脂肪族カ
ルボン酸とを混合した後に加熱して気化することを特徴
とする、低級オレフィンと低級脂肪族カルボン酸との混
合ガスの製造方法。 - 【請求項2】 混合する圧力が0.2MPa〜2MPa
の範囲であることを特徴とする請求項1記載の混合ガス
の製造方法。 - 【請求項3】 気化する温度が50℃〜250℃の範囲
であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載
の混合ガスの製造方法。 - 【請求項4】 低級オレフィンがエチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、2−ブテン、iso−ブテン、又はブ
タジエンからなる群の少なくとも一種から選ばれること
を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の混合ガス
の製造方法。 - 【請求項5】 低級脂肪族カルボン酸がギ酸、酢酸、プ
ロピオン酸、n−酪酸、iso−酪酸、アクリル酸、又
はメタクリル酸からなる群の少なくとも一種から選ばれ
ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の混
合ガスの製造方法。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかの方法で得た低
級オレフィンと低級脂肪族カルボン酸との混合ガスを、
気相で酸点を含んだ固体触媒上を流通させ反応させるこ
とを特徴とする低級脂肪族エステルの製造方法。 - 【請求項7】 酸点を含んだ固体触媒がヘテロポリ酸及
び/又はその塩であることを特徴とする請求項6記載の
低級脂肪族エステルの製造方法。 - 【請求項8】 ヘテロポリ酸及び/又はその塩が担体に
担持されていることを特徴とする請求項7のいずれかに
記載の低級脂肪族エステルの製造方法。 - 【請求項9】 水の存在下に反応させることを特徴とす
る請求項6〜8のいずれかに記載の低級脂肪族エステル
の製造方法。
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