JP2001106532A - 混合伝導性複合酸化物とそれよりなる酸素分離用または化学反応用セラミックス及びそれらの製造方法 - Google Patents

混合伝導性複合酸化物とそれよりなる酸素分離用または化学反応用セラミックス及びそれらの製造方法

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JP2001106532A
JP2001106532A JP2000092130A JP2000092130A JP2001106532A JP 2001106532 A JP2001106532 A JP 2001106532A JP 2000092130 A JP2000092130 A JP 2000092130A JP 2000092130 A JP2000092130 A JP 2000092130A JP 2001106532 A JP2001106532 A JP 2001106532A
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Noriko Yamada
紀子 山田
Wataru Ito
伊藤  渉
Hitoshi Donomae
等 堂野前
Toru Nagai
徹 永井
Tadashi Sakon
正 佐近
Toshiya Kinoshita
俊哉 木下
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸素分離技術や酸素富化空気製造技術に供さ
れ得る、酸素透過性能が高く、割れにくい複合酸化物と
セラミックスを提供する。 【解決手段】 化学式、Lax Sra-x CoO3-y (0
≦0.1,0.9<a<1.1)で表され、かつ、結晶
系が立方晶系である複合酸化物と、該複合酸化物からな
る酸素分離用混合伝導性セラミックス。上記化学式の複
合酸化物を1100〜1200℃で1〜10時間、大気
中で熱処理し、その後、降温速度50〜300℃/hで
冷却して製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸素含有混合ガス
から高温において酸素を分離する際に、または、化学反
応の際に用いる混合伝導性複合酸化物とこの複合酸化物
からなる混合伝導性セラミックス、及び、それらを製造
する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】酸素を含有するガスから分離した純酸素
や酸素濃度を高めた酸素富化空気は、製鉄・ガラス・セ
メントなどの特に高温高熱を要する工場で熱効率を高め
るために用いられ、その製造は工業的に重要な技術であ
る。また、純酸素や酸素富化空気は医療用としても利用
価値が高い。化学物質製造の様々な段階で役割を果たす
酸化反応においても、純酸素が必要となる。酸素分離技
術または酸素富化空気製造技術においては、種々の方法
が知られているが、これら方法には一長一短がある。例
えば、ゼオライトを用いる吸脱着法では、酸素の吸着・
脱着を繰り返すので、装置が複雑になり、経済的に不利
である。
【0003】ポリシロキサン、ポリシロキサン−ポリカ
ーボネート共重合体あるいはオルガノシロキサンなどの
高分子膜を用いる方法では、選択性が不十分であるた
め、純度の高い酸素を取り出すことができない。また、
上記方法では、原料空気を数10atm に加圧するため、
経済性が劣る。この他に、高い酸素イオン伝導性を示す
酸化ジルコニウムなどの固体電解質を用いる酸素分離の
方法が知られている。この方法では、酸化ジルコニウム
の膜の両面に電極を付与し、両電極を外部回路で短絡す
ることにより、一方の電極面で酸素ガスが電子を受容
し、酸素イオンとなって固体電解質中を拡散して他の電
極面に到達し、この電極面において電子を放出して酸素
ガスとなる回路が形成されている。このような酸素イオ
ン導電性の固体電解質を用いる方法では、固体電解質、
電極、酸素ガスの3相が接する点でのみ所要の電極反応
が起こるため、反応が起こり得る有効面積が小さく、か
つ、電極と固体電解質との固体接触が経時的に劣化し、
反応の継続性や安定性が悪いという問題がある。
【0004】これに対し、固体電解質として、酸素イオ
ン伝導性と電子伝導性を併せ持つ混合伝導性固体電解質
を用いることにより、電極と外部回路を必要としないで
酸素分離を行う方法が知られている。このような混合伝
導性固体電解質からなるセラミックスは、酸素を含有す
るガスから純酸素を分離する、あるいは、酸素富化空気
を製造するなどの工業的な方法に用いることができる材
料として有望である。具体的には、医療用酸素の製造
や、製鉄・ガラス・セメントなど特に高温高熱を要する
工場で、熱効率を高めるために使用する酸素または酸素
富化空気の製造に用いることなどが考えられている。
【0005】例えば、特開昭56−92103号公報に
は、Lax Sr1-x CoO3 (ただし、xは0.1〜
0.9、特に好ましくは0.3〜0.7)で表される金
属酸化物が開示されている。そして、同公報には、xの
限定理由として、xが0.1以下であると、混合伝導性
固体電解質の酸素イオン導電性が小さくなる傾向がある
うえ、焼結性も悪くなると記載されている。
【0006】しかし、他方、xが小さい方が酸素透過性
能が上がるという報告もある。寺岡らは、Lax Sr
1-x Coz Fe1-z 3 系の酸化物において、xの低下
につれて酸素透過性能が上ると報告している(日本化学
会誌、1988, (7), p. 1084-1089)。この報告には、z=
1の場合で、x=1、0.6及び0の場合における3点
のデータが示されているが、このデータによれば、この
3点の中で、x=0のとき、最も高い酸素透過能となっ
ている。
【0007】また、C.H.Chenらは、Lax Sr
1-x CoO3-y において、xが小さくなると酸素透過能
の高いセラミックスとなるが、xが小さくなるにつれ、
特にxが0.5より小さくなると、理由は不明だが、ク
ラックのないセラミックスを得ることが極めて困難にな
ると報告している(Materials Science & Engineering
B39, (1996) 129-132)。
【0008】酸素分離用として使用するセラミックスに
クラックなどがあると、分離前のガスがクラックを通り
そのまま透過してしまうので、高純度の酸素は得られな
い。クラックなどによるリークが甚だしい場合には、酸
素分離がまったくできないこともある。このため、La
x Sr1-x CoO3-y 系のセラミックスでは、金属酸化
物、および、炭酸塩などの金属塩を出発原料として混合
・仮焼を行う最も一般的な方法以外に、EDTA法、ゾ
ルゲル法などの湿式法による合成方法が検討されてき
た。C.H.Chenらは、ゾルゲル法を利用して、x
を0.3まで減らしても相対密度で90〜95%のクラ
ックの入らないセラミックス体が得られることを見い出
し、そのセラミックス体の酸素分離性能を調べている。
【0009】Lax Sr1-x CoO3-y 系のセラミック
スに関する以上の既報を総合すると、特開昭56−92
103号公報ではx=0.4、寺岡らの報告(日本化学
会誌、1988, (7), p. 1084-1089)ではx=0、0.6及
び1.0、また、C.H.Chenらの報告ではx=
0.3のときの酸素透過性能が具体的に示されている
が、Lax Sr1-x CoO3-y 系のセラミックスにおい
ては、xの小さい領域では割れやすく、酸素透過速度を
評価できる試料の作製が難しいため、xの小さい組成領
域で、詳しいデータが得られていないのが現状である。
【0010】特に、Lax Sr1-x CoO3-y 系のセラ
ミックスにおいては、0<x<0.3の範囲における酸
素透過速度について、全く報告されていない。特開昭5
6−92103号公報では、x<0.1のとき酸素透過
性が低いとされ、寺岡らの報告(日本化学会誌、1988,
(7), p. 1084-1089)では、xが小さい領域では酸素透過
性能が上がるとされている。このように、矛盾する見解
が見受けられるのは、Lax Sr1-x CoO3-y 系のセ
ラミックスにおいて、0<x<0.3の組成領域では、
割れやクラックができてしまい、酸素透過性能を正確に
測定できるような試料が作製されていないためと思われ
る。さらに、寺岡らの報告では、酸素透過性能が最も高
いとしているx=0の組成であっても、その値は、厚さ
約1mmのサンプルに係る850℃での測定で、1.7 c
m3・ min-1・cm-2程度であり、実用的なレベルとはいえ
ない。また、C.H.Chenらがゾルゲル法を利用し
て得た、x=0.3のセラミックス体における酸素分離
性能も、実用化には不十分な値である。
【0011】特開昭61−21717号公報は、Lax
Sr1-x Coz Fe1-z 3-y (xは0〜0.9、好ま
しくは0〜0.8。zは0〜0.95、好ましくは0〜
0.9。)を酸素分離用の混合伝導性固体電解質として
提案している。この発明では、Feを固溶させることに
より、Lax Sr1-x CoO3-y 系のセラミックスにお
いて、xが小さい組成領域でも、クラックのないセラミ
ックスを作製しようとしているが、本発明者らが追試し
たところによれば、Feを固溶させても、なお割れやす
いという問題があることが解った。
【0012】特開平7−240115号公報は、Lax
1-x Coz Fe1-z 3-y (式中xは0と1の間、z
は0と1の間であり、Aはバリウム、ストロンチウム、
またはカルシウムから選ばれる)によって表される金属
酸化物で形成される混合伝導性の膜を提案している。同
公報には、この混合伝導性の膜の酸素透過性能につい
て、AがBaで、xが0.2の時の値が記載されている
が、その値は、まだ、実用的な使用が可能なレベルのも
のではない。
【0013】このように、従来作製されてきた混合伝導
性セラミックスは、作製時、クラックが入ったりして実
用化できるようなものが作製できなかったり、また、実
験室レベルでクラックのないものを作製できたとして
も、その酸素透過性能が低かったりして、酸素分離技
術、あるいは、酸素富化空気製造技術において実用化す
るには、いまだ不十分なものである。
【0014】ところで、SrCoO3-y にLaおよび/
またはFeを固溶させた成分系については、酸素透過性
能の他に、結晶構造の研究も行われている。Lax Sr
1-xCoO3-y 系では、前出の寺岡らの報告によると、
x=0.6、0.8及び1.0のときは立方晶系、x=
0では斜方晶系であると報告されているが、0<x<
0.6の組成領域における結晶系に関する報告はなされ
ていない。
【0015】前出のC.H.Chenらの報告による
と、xが0.3のときのLax Sr1- x CoO3-y は立
方晶系で、結晶構造はペロブスカイト相である。さら
に、H.Watanabe & T.Takedaの報
告(Ferrites : Proceedings ofthe International Con
ference July 1970, Japan p588-590) によると、x=
0のとき、すなわち、SrCoO3-y の結晶系は熱処理
条件に依存し、大気中で、950℃で処理すると斜方晶
系(brownnillerite型)になり、1気圧
の酸素中の場合は斜方晶系(orthoferrite
型)になり、高圧酸素下では立方晶系になると報告され
ている。
【0016】また、Y.Takedaらの報告(Z. Ano
rg. Allg. Chem. 540/541 (1986) 259-270) によると、
x=0のとき、すなわち、SrCoO3-y の試料を熱処
理後、液体窒素温度まで急冷して調べたところ、SrC
oO3-y の結晶系は、酸素欠損の程度によって立方晶系
もしくは斜方晶系をとり得ると報告されている。さら
に、C.Y.Tsaiらの報告(J. Am. Ceram. Soc.,
81 (6) 1437-44 (1998))によると、Feが固溶したLa
x A′1-x Coz Fe1-z 3-y (A′=Ba、Sr、
Ca、z=0.2または0.8)の結晶系を種々の組成
で調べた結果に基づき、xが1から0.4までは、いず
れも立方晶系であるが、xが小さくなって0.2まで減
ると、A′およびzによって、正方晶系や斜方晶系が現
れると報告されている。
【0017】しかしながら、本発明者らが調べた限りで
は、Lax Sr1-x CoO3-y 系のセラミックスにおい
て、0<x<0.3の組成領域における結晶構造を調
査、研究した報告はなく、このような混合伝導性セラミ
ックスにおいて、結晶構造と耐クラック性とを関連づけ
た研究もおこなわれていない。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、L
x Sr1-x CoO3-y 系の複合酸化物において、高い
酸素透過性能を示し、かつ、クラックが入らない組成領
域を見い出し、酸素分離技術あるいは酸素富化空気製造
技術に用いることができるセラミックスを提供しようと
するものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明では、従来、酸素
透過性能が正確に知られていなかったLax Sra-x
oO3 系の複合酸化物における、Srの割合の高い組成
領域において、酸素透過性及び耐クラック性と結晶系に
着目した。そして、種々検討の結果、上記複合酸化物の
結晶系を立方晶系にすることにより、クラックがないセ
ラミックスを得ることができ、かつ、優れた酸素透過性
能を確保できることを見い出した。なお、本発明の立方
晶系の複合酸化物の結晶構造はペロブスカイト型であ
る。
【0020】前述のように、大気中で焼結した場合、L
x Sra-x CoO3-y 系の複合酸化物において、xが
0.3以上の組成領域では立方晶系になるが、xが0.
3以下のある値より小さい領域では、斜方晶系になると
考えられる。もっとも、Y.Takedaらの報告や、
H.Watanabe and T.Takedaの報
告によると、高圧酸素下で熱処理した試料や、熱処理後
急冷した試料について立方晶系が得られる場合がある
が、このような特殊な処理条件でのセラミックスの製造
は、工業的に見て実用的とはいえないうえ、特に、液体
窒素温度まで急冷する方法では、割れないセラミックス
を作製することは非常に困難である。
【0021】本発明では、大気中で所定の熱処理と冷却
を行い、従来のデータからは斜方晶系と考えられてい
る、Sr濃度の高いLax Sra-x CoO3-y 系の複合
酸化物においても、立方晶系のLax Sra-x CoO
3-y 系の複合酸化物を得ることが可能であり、それによ
って、クラックがなくかつ、相対密度の高いセラミック
スが得られることを見い出したのである。
【0022】なお、Lax Sra-x CoO3-y 系の複合
酸化物は、固体電解質型燃料電池の分野でも提案されて
いるが、燃料電池の分野で積極的に利用されているもの
は、xが、0.6以上の組成領域のもの(特開平9−3
06514号公報、参照)や、0.4以上の組成領域の
もの(特開平5−121085号公報、参照)である。
また、Lax Sra-x CoO3-y (0≦x<0.1、
0.9<a<1.1)の結晶構造について、調査、研究
した文献もなく、Lax Sra-x CoO3-y (0≦x<
0.1、0.9<a<1.1)系の複合酸化物におい
て、その結晶系を立方晶系にすることで、クラックを防
ぐことができるという知見は、本発明によって初めて明
らかにされたものである。
【0023】本発明は、前記課題を解決すべく、これら
の知見に基づきなされたもので、その要旨は、次のとお
りである。 (1)下記化学式で表され、かつ、結晶系が立方晶系で
あることを特徴とする混合伝導性複合酸化物。 Lax Sra-x CoO3-y (ただし、0≦x<0.1、
0.9<a<1.1) (2)前記(1)記載の混合伝導性複合酸化物からなる
ことを特徴とする酸素分離用混合伝導性セラミックス。 (3)前記(1)記載の混合伝導性複合酸化物からなる
ことを特徴とする化学反応用混合伝導性セラミックス。
【0024】(4)前記(2)記載の酸素分離用混合伝
導性セラミックスにおいて、その相対密度が95%以上
であることを特徴とする酸素分離用混合伝導性セラミッ
クス。 (5)前記(3)記載の化学反応用混合伝導性セラミッ
クスにおいて、その相対密度が95%以上であることを
特徴とする化学反応用混合伝導性セラミックス。 (6)前記(2)または(4)記載の酸素分離用混合伝
導性セラミックスを有することを特徴とする分離装置。 (7)前記(3)または(5)記載の化学反応用混合伝
導性セラミックスを有することを特徴とする化学反応装
置。
【0025】(8)下記化学式で表される複合酸化物
を、1100〜1200℃で1〜10時間、大気中で熱
処理し、その後、降温速度50〜300℃/hで冷却す
ることを特徴とする前記(1)記載の混合伝導性複合酸
化物の製造方法。 Lax Sra-x CoO3-y (ただし、0≦x<0.1、
0.9<a<1.1) (9)下記化学式で表される複合酸化物からなるセラミ
ックスを、1100〜1200℃で1〜10時間、大気
中で熱処理し、その後、降温速度50〜300℃/hで
冷却することを特徴とする前記(2)または(4)記載
の酸素分離用混合伝導性セラミックスの製造方法。 Lax Sra-x CoO3-y (ただし、0≦x<0.1、
0.9<a<1.1)
【0026】(10)下記化学式で表される複合酸化物
からなるセラミックスを、1100〜1200℃で1〜
10時間、大気中で熱処理し、その後、降温速度50〜
300℃/hで冷却することを特徴とする前記(3)ま
たは(5)記載の化学反応用混合伝導性セラミックスの
製造方法。 Lax Sra-x CoO3-y (ただし、0≦x<0.1、
0.9<a<1.1)
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の複合酸化物とセラミック
スについて説明する。本発明では、Lax Sra-x Co
3-y 系の複合酸化物においてLaを0≦x<0.1と
し、かつ、結晶系を立方晶系とすることで、酸素透過性
能が高く、かつ、割れやクラックのない複合酸化物及び
セラミックスを得ることができる。
【0028】この複合酸化物及びセラミックスでは、L
aが、クラック防止に顕著な効果を奏するが、x=0.
1を超えて含有すると、酸素透過性能が低下する。La
を含有しない場合、すなわち、x=0のとき、上記複合
酸化物及びセラミックスにおいては、ややクラックが入
りやすい傾向があるが、使用に差し支える程度ではな
く、酸素透過性能は依然として高い。そして、0<x<
0.1のときは、クラックや割れが生ずることなく、酸
素透過性能も、x=0のときと同程度、あるいは、それ
以上である。
【0029】本発明の複合酸化物とセラミックスにおい
て、aの値は、0.9<a<1.1である。本発明の複
合酸化物はペロブスカイト型であり、a=1が化学量論
組成に相当するが、0.9<a<1.1であれば、ペロ
ブスカイト型の目的とする複合酸化物を作製できる。a
≦0.9あるいはa≧1.1のときは、目的とする複合
酸化物以外の相が現れるので好ましくない。
【0030】xが0.1より小さい場合であっても、複
合酸化物が立方晶系(ペロブスカイト型)になっていな
い(このことは、粉末X線回折で確認できる)場合に
は、この複合酸化物に、クラックが入ったり割れたりす
る。それ故、本発明の複合酸化物とセラミックスにおい
ては、0≦x<0.1で、かつ、結晶系が立方晶系(ペ
ロブスカイト型)であることが必須である。
【0031】なお、この場合、セラミックスの粉末X線
回折により、立方晶系の相の存在量と、その他の相の存
在量の比較をメインピークの面積比で行って、立方晶系
以外に帰属するピーク、例えば、斜方晶系や六方晶系な
どの複合酸化物、及び/または、原料化合物に由来する
ピークの面積を合わせても、その合計面積が、立方晶系
由来のピークの面積に対して10%未満であればよい。
すなわち、本発明のセラミックスは、上記10%未満の
範囲内で、立方晶系以外の複合酸化物及び/または原料
化合物を含んでいてもよい。
【0032】また、本発明のセラミックスにおいて、相
対密度は95%以上であることが好ましい。これは、9
5%より低い場合、リークが生じ酸素透過の選択性が低
下することがあるからである。なお、相対密度を計算す
るときに使用する理論密度の計算には、粉末X線回折か
ら得られる格子定数を使い、酸素の量(3−y)は、複
合酸化物の電荷が電気的に中性になるように決める。例
えば、Lax Sra-x CoO3-y においてx=0.0
5、a=1のときは、La0.05Sr0.95CoO2.525
成となり、格子定数はa=3.875であり、理論密度
は5.55と計算される。
【0033】Lax Sra-x CoO3-y においてyの値
は、複合酸化物の電荷が電気的に中性となるように決め
られるが、このyの値は、複合酸化物が酸素分離に供さ
れる前の組成に基づき決められる値であって、実際に、
この複合酸化物を酸素分離に使用するときには、この値
より若干異なる場合がある。その多くの場合、Lax
a-x CoO3-y は酸素欠損の状態になる。
【0034】なお、本発明の混合伝導性セラミックスの
中に、その混合伝導性、焼結性を損なわない範囲におい
て、他の成分が含有されていてもさしつかえない。次
に、本発明の製造方法について説明する。本発明の複合
酸化物及びセラミックスは、基本的には、熱処理を含む
方法により調製することができる。その方法の1つとし
て、後述する仮焼及び/または焼結などの熱処理過程で
酸化物に転換し得る、La,Sr,Coの各々の金属原
子を含む化合物、たとえば、酸化ランタン、酸化ストロ
ンチウム、酸化コバルトのような酸化物、あるいは、好
ましくは、硝酸塩、炭酸塩、その他に、硫酸塩、リン酸
塩などの無機酸塩、酢酸塩、蓚酸塩などの有機酸塩、塩
化物、臭化物、ヨウ化物などのハロゲン化物、あるいは
水酸化物、オキシハロゲン化物を、所望の割合で混合
し、熱処理を行う方法がある。
【0035】また、上記記載のそれぞれの金属の塩の混
合水溶液を、アンモニア水などのアルカリ水溶液で加水
分解する、いわゆる共沈法により得た沈殿物に熱処理を
施して、所望の複合酸化物を得てもよい。さらに、それ
ぞれの金属の混合物、または、合金を熱処理して酸化し
てもよい。本発明のLax Sra-x CoO3-y 系の複合
酸化物の仮焼段階では、粉末X線回折で測定し、結晶系
が六方晶系になり、かつ、メインピークの面積比で、原
料に由来するピークの面積が複合酸化物のピークの面積
の10%未満になることが望ましい。典型的な仮焼条件
は、大気中120℃/hで昇温し、950℃で12時間
保持し、120℃/hで降温するというパターンであ
る。好ましい保持温度は850〜1000℃である。好
ましい保持時間は、保持温度とも関係するが6〜24時
間である。
【0036】焼結は、Lax Sra-x CoO3-y 系の複
合酸化物が立方晶系のペロブスカイト相になるような温
度・時間条件を選択して実施する。典型的には、大気中
で、120℃/hで昇温し、1150℃で5時間保持し
て熱処理を行い、その後、120℃/hで降温する。好
ましい保持温度は1100〜1200℃、好ましい保持
時間は、保持温度とも関係するが1〜10時間である。
また、好ましい昇温・降温速度は50〜300℃/hで
ある。
【0037】そして、本発明では、所望の立方晶系を得
るため、上記好ましい保持温度、保持時間及び降温速度
をもって、製造方法を規定した。これは、上記規定の温
度・時間条件以外の条件下では、立方晶系とならなかっ
たり、他の結晶系が混在したりして、クラックや割れが
生じたりするからである。本発明の混合伝導性セラミッ
クスを酸素分離膜として用いる場合には、前記記載の調
製方法によって得られた複合酸化物を成膜してもよく、
あるいは、複合酸化物の調製と成膜を兼ねた方法をとる
こともできる。これらの成膜方法としては、例えば、ペ
レット、シート状などの固形物を、切断・研磨などの機
械的加工により膜状に加工してもよく、粉末状のものを
加圧成形あるいはペースト状にして、多孔性支持体上に
塗布し、焼結させてもよい。
【0038】さらに、真空蒸着法、反応性スパッタリン
グ法、化学気相蒸着法、化学スプレー法、合金メッキの
酸化などの成膜方法も用いることができる。なお、成形
の場合に、必要に応じて充填剤、補強材、粘結剤などを
用いてもよい。また、本発明のセラミックス膜を気体分
離用膜として用いる場合、単独で用いてもよく、また、
必要に応じて多孔性支持体を用いた複合膜としても使用
できる。多孔性支持体としては、例えば、本発明の混合
伝導性セラミックス膜と同一組成の多孔性支持体を用い
ることができる。多孔性支持体の厚さは、機械的強度を
保つ目的では厚い方がよいが、ガス拡散を妨げないとい
う目的では薄い方が望ましい。この2つの目的を両立で
きる典型的な厚さは、0.5mm〜1cmである。
【0039】上記記載の成形方法によって得られるセラ
ミックス膜の膜厚は、通常1mm以下、好ましくは0.5
mm以下、さらに好ましくは0.2mm以下である。また、
セラミックス膜の形態としては、平膜、管状膜など用途
に応じて、種々の形態をとり得る。本発明の混合伝導性
セラミックスの膜を用いて混合気体中の酸素を分離する
には、このセラミックスの膜の両側に気密室を設け、一
方の室に酸素ガスを含有する混合気体を供給し、その酸
素分圧よりも他室の酸素分圧が低くなるように両室の圧
力条件を設定する。たとえば、一方の室を常圧または加
圧状態にして、他室を減圧にするか、一方の室を加圧し
て他室を常圧にすることにより、低酸素分圧側に、純度
の高い酸素を取り出すことができる。本発明のセラミッ
クスを酸素分離用として使用する温度は、通常400〜
1200℃、好ましくは500〜1000℃である。
【0040】本発明の混合伝導性セラミックスの表面
に、酸素分離を促進する触媒を付与してもよい。触媒と
しては、白金、パラジウム、金、銀、ビスマス、バリウ
ム、バナジウム、モリブデン、セリウム、ルテニウム、
マンガン、コバルト、ロウジウム、プラセオジウムなど
の金属または金属酸化物があげられる。本発明の混合伝
導性セラミックスは、酸素分離技術や、酸素富化空気製
造技術などに応用することができる。
【0041】また、本発明の混合伝導性セラミックス
は、酸素分離以外の用途、特に酸化反応が関与する化学
反応装置にも利用できる。たとえば、メタンより一酸化
炭素と水素からなる合成ガスを製造するメタンの部分酸
化反応の反応装置に利用する。従来は、メタンと酸素の
混合ガスを出発原料として触媒反応によって合成ガスを
得る反応装置が用いられてきた。本発明の混合伝導性セ
ラミックスを用いる反応装置では、たとえば、空気(な
いし酸素を含む混合ガス)とメタンを混合伝導性セラミ
ックスで隔てて別々に流し、メタンを流している側のセ
ラミックス表面にRhなど従来の合成ガス製造用触媒を配
置する。セラミックスを加熱することで、酸素のみが前
記と同様の原理で透過し、続いてメタン側のセラミック
ス表面でメタンと反応して合成ガスを生成する。
【0042】したがって、従来の方法の様に酸素を前も
って製造する必要が無い、原料ガスが混入しないので効
率良く合成ガスが得られる、連続して反応が起こり製造
装置が単純になるなどの大きな効果がある。本発明の混
合伝導性セラミックスは従来の材料と比較し酸素透過速
度が大きいので、高効率の反応装置を実現することがで
きる。また、メタンの部分酸化以外にも、オレフィン形
成のための炭化水素の部分酸化、エタンの部分酸化、芳
香族化合物の置換など、酸化反応が関与するあらゆる反
応装置に利用できる。
【0043】
【実施例】本発明を実施例によって具体的に説明する。 (実施例1)La0.05Sr0.95CoO3-y となるよう
に、酸化ランタン5.35g、炭酸ストロンチウム9
2.11g、四三酸化コバルト52.54gを、イソプ
ロピルアルコール120g中で、ボールミルにより混合
した。混合後、乾燥してイソプロピルアルコールを除
き、900℃で12時間、仮焼した。得られた仮焼粉を
直径14mm、高さ3.5mmのディスク状に成形し、さら
に、1150℃で5時間、大気中で焼成した。昇温・降
温速度は120℃/hである。
【0044】焼結体から、厚さ0.5mmの薄片を切り出
し、図1に示す評価装置を用いて酸素透過速度を評価し
た。高酸素分圧側(入り側)には、酸素含有混合ガス導
入口1より、21%酸素/79%ヘリウム混合ガスを4
0cc/min の速度で導入した。低酸素分圧側(出側)に
は、アルゴンガス導入口2より、高純度アルゴンガスを
導入した。混合伝導性複合酸化物試料6は、ガラスシー
ル8及びガラスサイドシール9により、入り側および出
側に対して気密性を保てるようにセットした。この試料
6が、完全にガスリークのない緻密体であることは、排
出されるアルゴンガスを、四重極型質量分析装置11を
用いてガス分析し、ヘリウムガスが検出されないことに
より確認した。また、透過する酸素とガスラインの途中
から進入する空気中の酸素を区別するために、入り側に
ヘリウム100%、出側にアルゴンを導入し、測定され
たアルゴン中の酸素濃度をバックグランドとして差し引
いた。電気炉5により加熱し、850℃、入り側酸素分
圧0.21atm 、出側酸素分圧0.01atm の条件で測
定したところ、酸素透過性能は、6 cm3・ min-1・cm-2
であった。この焼結体の粉末X線回折パターンは立方晶
系であった。焼結体の相対密度は98%であった。ま
た、x=0.05でa=1.04となる複合酸化物La
0.05Sr0.99CoO3-y 、x=0.05でa=0.92
となる複合酸化物La0.05Sr0.87CoO3-y を、それ
ぞれ作製したところ、両者とも、a=1のときの複合酸
化物、すなわちLa0.05Sr0.95CoO3-y と同等の酸
素透過性能と相対密度を示し、粉末X線回折では結晶系
は立方晶系であった。
【0045】(実施例2)SrCoO3-y となるよう
に、炭酸ストロンチウム97.29g、四三酸化コバル
ト52.71gを、イソプロピルアルコール120g中
で、ボールミルにより混合した。混合後、乾燥してイソ
プロピルアルコールを除き、950℃で12時間仮焼し
た。得られた仮焼粉を直径14mm、高さ3.5mmのディ
スク状に成形し、さらに、1150℃で5時間、大気中
で焼成した。昇温・降温速度は120℃/hである。焼
結体から、厚さ1mmの薄片を切り出し、実施例1と同様
に、酸素透過の評価を行った。酸素透過性能は、5 cm3
・ min-1・cm-2であった。この焼結体の粉末X線回折パ
ターンは立方晶系であった。相対密度は96%であっ
た。
【0046】(実施例3)La0.095 Sr0.905 CoO
3-y となるように、酸化ランタン10.1g、炭酸スト
ロンチウム87.4g、四三酸化コバルト52.5g
を、イソプロピルアルコール120g中で、ボールミル
により混合した。混合後、乾燥してイソプロピルアルコ
ールを除き、950℃で12時間仮焼した。得られた仮
焼粉を、直径14mm、高さ3.5mmのディスク状に成形
し、さらに、1150℃で5時間、大気中で焼成した。
昇温・降温速度は120℃/hである。焼結体から、厚
さ0.5mmの薄片を切り出し、実施例1と同様に、酸素
透過の評価を行った。酸素透過性能は、5.5 cm3・ m
in-1・cm-2であった。この焼結体の粉末X線回折パター
ンは立方晶系であった。相対密度は97%であった。
【0047】(比較例1)実施例1と同じ組成で原料の
混合を行った。すなわち、酸化ランタン5.35g、炭
酸ストロンチウム92.11g、四三酸化コバルト5
2.54gを、イソプロピルアルコール120g中で、
ボールミルにより混合した。混合後、乾燥してイソプロ
ピルアルコールを除き、900℃で12時間、仮焼し
た。得られた仮焼粉を直径14mm、高さ3.5mmのディ
スク状に成形し、さらに、1250℃で5時間、大気中
で焼成した。昇温・降温速度は120℃/hである。焼
結体から、厚さ0.5mmの薄片を切り出し、実施例1と
同様の方法で酸素透過能を評価した。アルゴンガスライ
ンの排出側を質量分析した結果、アルゴンと透過酸素以
外にヘリウムが検出された。ヘリウムの検出量は透過酸
素の約5%にあたるレベルであり、この焼結体は、緻密
体となっていないことが確認された。また、この焼結体
の粉末X線回折パターンは立方晶系と斜方晶系から成っ
ており、その存在比は、およそ7:3であった。焼結体
の相対密度は88%であった。
【0048】(比較例2)実施例2と同じ組成で原料を
混合した。すなわち、炭酸ストロンチウム97.29
g、四三酸化コバルト52.71gを、イソプロピルア
ルコール120g中で、ボールミルにより混合した。混
合後、乾燥してイソプロピルアルコールを除き、950
℃で12時間、仮焼した。得られた仮焼粉を直径14m
m、高さ3.5mmのディスク状に成形し、さらに、12
00℃で5時間、大気中で焼成した。昇温速度は120
℃/hである。1200℃で5時間の焼成後、750℃
までは120℃/hで降温し、750℃からは電気炉の
スイッチを切ることにより急冷した。
【0049】焼結体はばらばらに割れており、酸素分離
用セラミックスとして使用することはできなかった。こ
の焼結体の粉末X線回折パターンは斜方晶系であった。 (比較例3)La0.2 Sr0.8 CoO3-y となるよう
に、酸化ランタン21.2g、炭酸ストロンチウム7
6.7g、四三酸化コバルト52.1gを、イソプロピ
ルアルコール120g中で、ボールミルにより混合し
た。混合後、乾燥してイソプロピルアルコールを除き、
800℃で12時間、仮焼した。得られた仮焼粉を直径
14mm、高さ3.5mmのディスク状に成形し、さらに、
1250℃で2時間、大気中で焼成した。昇温・降温速
度は120℃/hである。
【0050】焼結体から、厚さ0.5mmの薄片を切り出
し、実施例1と同様に、酸素透過の評価を行った。この
焼結体の粉末X線回折パターンは立方晶系のみであった
が、酸素透過性能は、3 cm3・ min-1・cm-2と低かっ
た。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、厚さ0.5mmのサンプ
ルについて850℃で測定したときの酸素透過性能が5
cm3・ min-1・cm-2以上と高く、割れやクラックを生じ
ることがない混合伝導性複合酸化物を得ることができ
る。したがって、本発明は、酸素分離技術や酸素富化空
気製造技術などに、実用的に供せられるレベルの特性を
有する混合伝導性セラミックスを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】イオン導電体の酸素透過速度評価に用いる装置
の概略を示す図である。
【符号の説明】
1…酸素含有混合ガス導入口 2…アルゴンガス導入口 3…外管 4…内管 5…電気炉 6…混合伝導性複合酸化物試料 7…熱電対 8…ガラスシール 9…ガラスサイドシール 10…酸素濃度計 11…四重極型質量分析装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堂野前 等 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 永井 徹 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 佐近 正 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 木下 俊哉 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 Fターム(参考) 4G030 AA09 AA13 AA28 BA32 CA01 GA27 GA30 4G048 AA05 AB01 AC08 AD06

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化学式で表され、かつ、結晶系が立
    方晶系であることを特徴とする混合伝導性複合酸化物。 Lax Sra-x CoO3-y (ただし、0≦x<0.1、
    0.9<a<1.1)
  2. 【請求項2】 請求項1記載の混合伝導性複合酸化物か
    らなることを特徴とする酸素分離用混合伝導性セラミッ
    クス。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の混合伝導性複合酸化物か
    らなることを特徴とする化学反応用混合伝導性セラミッ
    クス。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の酸素分離用混合伝導性セ
    ラミックスにおいて、その相対密度が95%以上である
    ことを特徴とする酸素分離用混合伝導性セラミックス。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の化学反応用混合伝導性セ
    ラミックスにおいて、その相対密度が95%以上である
    ことを特徴とする化学反応用混合伝導性セラミックス。
  6. 【請求項6】 請求項2または4記載の酸素分離用混合
    伝導性セラミックスを有することを特徴とする分離装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項3または5記載の化学反応用混合
    伝導性セラミックスを有することを特徴とする化学反応
    装置。
  8. 【請求項8】 下記化学式で表される複合酸化物を、1
    100〜1200℃で1〜10時間、大気中で熱処理
    し、その後、降温速度50〜300℃/hで冷却するこ
    とを特徴とする請求項1記載の混合伝導性複合酸化物の
    製造方法。Lax Sra-x CoO3-y (ただし、0≦x
    <0.1、0.9<a<1.1)
  9. 【請求項9】 下記化学式で表される複合酸化物からな
    るセラミックスを、1100〜1200℃で1〜10時
    間、大気中で熱処理し、その後、降温速度50〜300
    ℃/hで冷却することを特徴とする請求項2または4記
    載の酸素分離用混合伝導性セラミックスの製造方法。 Lax Sra-x CoO3-y (ただし、0≦x<0.1、
    0.9<a<1.1)
  10. 【請求項10】 下記化学式で表される複合酸化物から
    なるセラミックスを、1100〜1200℃で1〜10
    時間、大気中で熱処理し、その後、降温速度50〜30
    0℃/hで冷却することを特徴とする請求項3または5
    記載の化学反応用混合伝導性セラミックスの製造方法。 Lax Sra-x CoO3-y (ただし、0≦x<0.1、
    0.9<a<1.1)
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003300708A (ja) * 2002-04-03 2003-10-21 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 混合伝導性酸化物の前駆体組成物
JP2005015320A (ja) * 2003-06-30 2005-01-20 Jfe Steel Kk 混合伝導性複合酸化物およびその製造方法ならびに混合伝導性複合酸化物を用いた酸素製造方法およびガス改質方法
US7364713B2 (en) 2002-02-18 2008-04-29 Noritake Co., Limited Raw material powder for molding oxide ion conductor, and method for manufacturing the same
US7442344B2 (en) 2001-11-09 2008-10-28 Chubu Electric Power Co., Inc. Ceramic member with oxygen ion conductivity and use thereof

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